JP4137585B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルの吐出状態を検出する検出機構を有している画像記録装置に関している。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式の画像記録装置は、記録媒体に対してインクを吐出することにより画像を記録する。前記画像記録装置は、前記記録媒体にインクを吐出するための記録ヘッドと、前記記録ヘッドを保持するキャリッジと、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)に前記キャリッジを移動させるキャリッジ駆動手段と、を有している。また、前記記録ヘッドは、インクの吐出口である複数のノズルを有している。
【0003】
画像記録装置は、前記キャリッジを主走査方向に沿って駆動させる。このキャリッジの駆動により、前記記録ヘッドは、主走査方向に沿って移動される。この移動中に、前記記録ヘッドは、記録媒体に対してインク滴を噴射する。より具体的には、前記画像記録装置は、前記キャリッジの移動中に、前記複数のノズルの夫々から順次インクを吐出する。このことにより、前記画像記録装置は、前記記録媒体に対して複数のインクドットを順次記録していく。画像記録装置は、これらのインクドットとにより所望の画像を形成する。
【0004】
通常、前記画像記録装置は、図12中に示すように全体に渡って均一な配列でインクドットDを記録する。なお、図12中において、主走査方向は、参照符号MDで指摘し、副走査方向は、参照符号SDで指摘している。
【0005】
図12中に示されるように、各インクドットDは、副走査方向SDに沿って間隔dl毎に記録される。また、各インクドットDは、主走査方向MDに沿って間隔dw毎に記録される。また、間隔dlと間隔dwとは、略同じにされる。従って、前記形成された画像は、全体に渡って均一な濃度分布を有する。なお、間隔dlは、記録ヘッドの各ノズルの間隔により決定される。間隔dwは、前記記録ヘッドの主走査方向への移動速度並びにインクの吐出タイミングにより決定される。しかし、実際には、インクの吐出周期は、記録ヘッドの本質的能力により決定されるため、能力を超えて小さくすることは困難である。このため、通常間隔dwは、記録ヘッドの移動速度によって決定される。従って、通常の画像記録装置は、上記のようにインクドットを均一な配列にするために、一定の移動速度が設定されている。具体的には、前記画像記録装置において、通常の画像記録時の記録ヘッドの移動速度は、インクの吐出周期の1周期の間にノズルの間隔dl移動し得る速度に設定される。
【0006】
前記インクドットによる画像は、前記ノズルの目詰まりなどにより吐出不良が発生した場合、画質が低下してしまう。
【0007】
このため、前記吐出不良を検出する検出機構を有している画像記録装置が、提案されている。上記検出機構は、主に2つの形式がある。第1の形式の検出機構は、記録媒体にテストプリントを行うとともに、このテストプリントされた画像をスキャナで読みとることにより、吐出不良の検出を行う。
【0008】
第2の形式の検出機構は、光源と、この光源からのビームを受光する受光素子とを有している。光源は、記録ヘッドから吐出されたインク滴がビーム中を通過し得るように配置されている。第2の形式の検出機構は、インク滴がビーム中を通過した際の上記受光素子の受光光量の変化を検出することにより、吐出不良の検出を行う。
【0009】
第2の形式の検出機構は、第1の形式の検出機構のように、スキャナの移動時間並びに画像の読みとり時間を必要としないため、より高速に吐出不良の検出が行える。従来の第2の形式の画像記録装置は、例えば、図13(a)中に示されているように構成される。
【0010】
図13中において、画像記録装置110は、記録ヘッド120と、記録ヘッド120を支持するキャリッジ130と、記録媒体Pを副走査方向に搬送するための搬送手段140と、キャリッジ130を主走査方向に駆動させるための駆動手段150とを有している。また、画像記録装置110は、上述の検出機構160も有している。記録ヘッド120は、画像記録時に、記録媒体Pと対面するように配置されている複数のノズル121を有している。ノズル121は、インクの吐出口である。
【0011】
検出機構160は、主走査方向において、画像が記録される画像記録領域の外に配置されている。言い換えると、検出機構160は、画像記録領域以外の領域である検査領域に配置されている。前記検査領域は、記録ヘッドの吐出不良を検出するための領域である。検出機構160は、インク受け161と、光源162と、受光部163とを有している。インク受け161は、検査領域中において吐出されたインクを受容する。このため、インク受け161は、吐出不良を検出する際に吐出されたインクにより装置内が汚染されることを防止する。
【0012】
光源162は、前記検査領域中に移動した記録ヘッド120のノズル121の配列方向に沿って、ビームを照射し得るように配置されている。言い換えると、検出機構160は、前記ノズルの配列方向に沿った光軸を有している。前記ビームは、図13(b)中において、参照符号Bにより概略的に指摘されている。
【0013】
受光部163は、受光素子を有しており、光源162からのビームBを受光し得るように配置されている。
【0014】
上記検出機構160を有している画像記録装置110は、以下のようにして吐出不良を検出する。まず、記録ヘッド120が、駆動手段150の駆動によるキャリッジ130の移動に伴って、前記検査領域に移動される。なお、この移動により、図13(c)中に示されるように、記録ヘッド120は、主走査方向において、ノズル121がビームBの光軸上に配置されるように移動される。即ち、各ノズル121は、光軸と交差する位置に配置される。
【0015】
記録ヘッド120は、前記検査領域中において、前記記録ヘッドの一方の端部側のノズル121から他方の端部側のノズル121までの各ノズル121に順次インクを吐出させる。このとき、吐出されたインク滴は、順次ビームB中を通過して、インク受け161に着弾される。受光部163は、ビームB中をインク滴が通過した際に、受光する光量が変化するため、インク滴が通過したことを検知し得る。
【0016】
しかしながら、上記検出機構160は、吐出不良を検出するために、ビームBの光軸と、ノズル121の配列方向とを一致させなければならない。このため、記録ヘッド120は、高精度に移動を制御される必要がある。このため、検出機構160並びに前記駆動手段150は、複雑な機構になってしまう。また、上記画像記録装置110は、記録ヘッド120の搬送を停止した状態で、検査を行う。このため、上記画像記録装置110は、上記検査時間を含めた全体の画像記録時間が増加してしまう。即ち、画像記録装置110は、検査時間を含めた画像の記録速度(recording-speed)が低下してしまう。
【0017】
検出機構を備えた画像記録装置において、上記の問題を克服すべく種々の提案がなされている。例えば、特開平11−179884号公報(特許文献1参照)に記載の画像記録装置は、上記問題点を克服すべく、検出機構の光軸を前記ノズルの配列方向と交差する方向に設定している。このため、この検出機構160’は、図14(a)中に示すように、検出機構160’を固定した状態で、キャリッジを移動させることにより、順次各ノズルのインクの飛翔経路にビームBが交差する。このため、全てのノズル121が、確実にビームBの光軸と交差し、吐出状態の検出が行われ得る。
【0018】
なお、前記受光部163は、ビームBを受光した際の光量により吐出状態を検出するため、同時に複数のインク滴がビームBを通過した場合、正しく各ノズルの吐出状態を検出することが出来ない。このため、特開平11−179884号公報に記載の画像記録装置において、検出機構160’は、図14(b)中に示すように、ノズル列の配列方向に対して光軸の角度が調整されている。具体的には、複数のノズル列を有している場合、光源162は、同時に複数のノズルのインク飛翔経路と、ビームBとが交差しないように、ノズル列の配列方向に対して光軸の角度が調整されている。より具体的には、前記ノズル列の配列方向に対する光軸の角度θは、以下の式1の関係を有している必要がある。
【0019】
(式1) l×tanθ<w
w:互いに隣接するノズル列N1、N2の離間距離
l:ノズル列N1並びにN2の長さ
一般的に、離間距離wが大きくなった場合、画像記録装置全体の幅は、大きくなる。このため、離間距離wは、小さいほどよい。この制約から、一般的に角度θは、45度より小さい値に選定される。
【0020】
以下に上記画像記録装置において、前記光軸が、記録ヘッドの端部のノズル121_1と交差している際に、記録ヘッドが、前記インク吐出周期の1周期分、前記画像記録時の移動速度において移動された場合について、図14(c)を参照して説明する。
【0021】
なお、前記画像記録装置において、前記インク吐出周期の1周期分の間において、画像記録時の移動速度で記録ヘッドを移動した場合、前記記録ヘッドは、上述のようにノズルの間隔と同一の距離移動する。このため、記録ヘッド120は、前記1周期分に相当する時間移動させた場合、主走査方向に沿って、ノズルの間隔と同一の距離移動する。図14中において、移動後の記録ヘッド120は、破線で示されている。このため、前記角度θが45度より小さく設定されている場合、移動後の記録ヘッド120のノズル121_2は、主走査方向において、ビームBを越えて移動してしまう。このため、前記画像記録装置は、全ノズル121の吐出状態を検出するために、記録ヘッドの移動速度を画像記録時の移動速度より遅くする必要がある。このため、この特開平11−179884号公報に記載の画像記録装置は、記録ヘッドの速度を遅くするために複雑な機構が必要であるとともに、検査時間を含めた画像の記録速度が遅くなってしまう。
【0022】
検出機構を備えた画像記録装置において、上記の問題を克服すべく特開平11−188853号公報(特許文献2参照)に記載の画像記録装置が提案されている。特開平11−188853号公報に記載の画像記録装置は、特開平11−179884号公報に記載の画像記録装置と同様に、検出機構の光軸を前記ノズルの配列方向と交差する方向に設定されている。さらに、ノズル配列方向に対する前記検出機構の光軸の角度θも、上記式1で示されている関係と同様な関係を有している。しかしながら、特開平11−188853号公報に記載の画像記録装置は、記録ヘッドをインクの吐出周期の1周期分に相当する時間移動させた場合、少なくとも1つのノズル121が前記検出機構の光軸を通り過ぎた後に、前記通過したノズルとは別のノズル121が前記光軸上に配置されるように、前記光軸の角度が調整されている。より具体的には、図15中に示すように、記録ヘッド120の移動前において、実線で示されているノズル121_1が、光軸と交差する位置にある。記録ヘッド120が、インクの吐出周期の1周期分に相当する時間移動される。この移動後に、破線で示されているように、ノズル121_2並びに121_3は、ビームBを越えて主走査方向に移動してしまう。しかしながら、破線で示されているノズル121_4が光軸上に配置される。このように、特開平11−188853号公報に記載の画像記録装置は、通常の画像記録時の移動速度でキャリッジを移動させた場合においても、ノズルの吐出状態を検出することが可能である。
【0023】
【特許文献1】
特開平11−179884号公報(第4−11頁、 図2)
【0024】
【特許文献2】
特開平11−188853号公報(第4−13頁、 図2)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、特開平11−188853号公報に記載の画像記録装置は、インクの吐出周期の1周期毎に、少なくとも1つのノズルをとばして次のノズルの吐出状態の検出を行う。このため、全てのノズルを検査するためには、記録ヘッドを複数回走査しなければならない。このため、この画像記録装置は、依然として検査時間を含めた画像の記録速度が遅くなってしまう。
【0026】
また、近年、画像記録装置は、より画質の向上が求められており、記録ヘッドの長尺化や、ノズルの間隔の微小化が進んでいる。この場合、上記特開平11−188853号公報に記載の画像記録装置は、前述の角度θがさらに小さくしなければならない。このため、この画像記録装置は、記録速度をより遅くするか、記録ヘッドの走査回数を増大化させる必要がある。従って、検出機構は、光軸の配置をより高精度に調整しなければならず、製造が困難になり得る。
【0027】
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、各ノズル毎の吐出状態の検知を高速に行えるとともに、検出機構の光軸とノズルとの高度な位置調整を必要としない検出機構を有している画像記録装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の画像記録装置は、下記の如く構成されている。
【0029】
本発明に係る実施形態は、複数のノズルが直線状に配列されたノズル列を、複数列備えるインク記録ジェットヘッドと、前記複数のノズル列それぞれの延在方向を記録媒体の搬送方向に一致させ、かつ前記複数のノズル列が記録媒体の搬送方向と直交する方向に互いに離間するように、前記インクジェットヘッド記録ヘッドを搭載すると共に、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復駆動するキャリッジと、前記キャリッジの駆動範囲内に設けられた検査領域内に配置され、前記複数のノズル列からそれぞれ吐出されるインクを光学的に検出するセンサと、前記複数のノズル列の各ノズルからのインクの吐出動作を制御する制御部と、を具備し、前記キャリッジが前記検査領域を移動している間に、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させ、前記センサによって各ノズルからのインクの吐出状態を検査する画像記録装置において、前記センサは、その検出光の光軸が前記複数のノズル列それぞれの配列方向に対して交差するように傾けられて配設され、前記制御部は、インクが前記検出光を通過するように、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させると共に、前記複数のノズル列のうち一方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングを、他方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングに対しずらして、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させる画像記録装置を提供する。
【0030】
また、本発明に従う実施形態は、複数のノズルが直線状に配列されたノズル列を複数列備え、当該複数のノズル列それぞれの延在方向を記録媒体の搬送方向と直交する方向に一致させ、かつ当該複数のノズル列が記録媒体の搬送方向に互いに離間するように配設されるインクジェットヘッドと、前記複数のノズル列からそれぞれ吐出されるインクを光学的に検出するセンサと、前記センサを搭載すると共に、記録媒体の搬送方向に移動するキャリッジと、前記複数のノズル列の各ノズルからのインクの吐出動作を制御する制御部と、を具備し、前記キャリッジが前記複数のノズル列の各ノズルのインク飛翔経路を横切って移動している間に、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させ、前記センサによって各ノズルからのインクの吐出状態を検査する画像記録装置において、前記センサは、その検出光の光軸が前記複数のノズル列それぞれの配列方向に対して交差するように傾けられて配設され、前記制御部は、インクが前記検出光を通過するように、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させると共に、前記複数のノズル列のうち一方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングを、他方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングに対しずらして、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させる画像記録装置を提供する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0036】
まず、第一の実施の形態の画像記録装置について図1(a)を用いて説明する。図1(a)は、本実施の形態に従った画像記録装置10の一部分を示す斜視図である。
【0037】
画像記録装置10は、2つの記録ヘッド20と、キャリッジ30と、搬送機構40と、駆動機構50と、検出機構60と、センサ部70と、制御部80とを有している。
【0038】
2つの記録ヘッド20は、自身の長手方向が記録媒体Pの搬送方向である副走査方向と一致するようにキャリッジ30に取り付けられている。また、2つの記録ヘッド20は、副走査方向と直交する主走査方向に沿って、約175μm互いに離間して配列されている。また、記録ヘッド20は、図1(b)中に示すように、インクの吐出口である複数のノズル21を有している。なお、記録ヘッド20は、ノズル21が記録媒体Pと対面するようにキャリッジ30に取り付けられている。複数のノズル21は、記録ヘッド20の長手方向に沿って配列されている。言い換えると、ノズル21の列であるノズル列N1、N2は、副走査方向に沿って延びている。そして、ノズル列N1とN2との列間隔RWは、約175μmに設定されている。各ノズル21は、記録ヘッドの長手方向に沿って所定の間隔NSで、配列されている。
【0039】
なお、本実施の形態において、各記録ヘッド20の記録能力は、360dpiに設定されている。従って、ノズル21の間隔NSは、約70μmとなる。
【0040】
また、記録ヘッド20は、各ノズル21毎にインクを吐出するための吐出力印加手段を有している。前記吐出力印加手段は、例えば圧電素子等である。吐出力印加手段は、所定の周期で間欠的にインクを吐出する。この吐出力印加手段によるインクの吐出周期は、記録ヘッドの本質的能力により決定される。このため、上記能力を超えて吐出周期を速くすることが出来ない。本実施の形態の吐出力印加手段は、吐出周波数を10kHzに設定されている。言い換えると、吐出力印加手段は、インクの吐出周期Tが100μsecに設定されている。また、吐出力印加手段は、インクの飛翔速度Vfが約5m/secでインクを吐出し得るように設定されている。
【0041】
キャリッジ30は、駆動機構50に取り付けられており、主走査方向に沿って移動可能である。駆動機構50は、主走査方向に沿ってキャリッジ30を駆動させる。搬送機構40は、記録媒体Pを副走査方向に沿って搬送する。なお、キャリッジ30は、記録媒体に対して画像を記録する画像記録領域において、定速駆動される。このため、画像記録領域は、キャリッジの定速駆動領域である。
【0042】
なお、記録ヘッド20、搬送機構40、及び駆動機構50は、夫々制御部80に接続されており、制御部80により駆動が制御される。
【0043】
検出機構60は、記録ヘッド20の画像記録領域の外に配置されている。言い換えると、検出機構60は、記録ヘッド20の主走査方向に沿った可動域において、記録媒体と対面しない位置に配置されている。本明細書中において、検出機構60の設置位置を、検査領域と呼ぶ。この検査領域は、検出機構60が吐出不良を検出するための領域である。なお、キャリッジ30は、画像記録領域の外で主走査方向における移動方向を反転する。このため、前記検査領域は、キャリッジ30が反転動作される反転駆動領域と言える。
【0044】
検出機構60は、インク受け61と、光源62と、受光部63とを有している。インク受け61は、前記検査領域中において吐出されたインクを受容する。従って、インク受け61は、吐出不良を検出する際に吐出されたインクにより装置内が汚染されることを防止する。
【0045】
光源62は、例えば、半導体レーザである。この光源62は、前記検査領域中に移動された記録ヘッド20のノズル列N1,N2の配列方向と交差する方向にビームBを照射し得るように配置されている。より具体的には、図1(b)中に示すようにノズル列N1,N2の配列方向とビームBの光軸とのなす角度θは、約45度に設定されている。
【0046】
ビームBの幅BW(図3参照)は、約140μmに設定されている。光源62は、インクの吐出方向において、ノズル21から約1mm離間した位置にビームBが通過するように、配置されている。言い換えると、各ノズル21とビームBの外縁とのインクの吐出方向における間隔(ノズルビーム間隔H)は、約1mmである。
【0047】
受光部63は、受光素子を有しており、光源62からのビームBを受光し得るように配置されている。即ち、受光部63は、ビームBの光路上に配置されている。受光部63は、受光素子に入射した光量の変化を検出するセンサである。受光部63は、制御部80に接続されており、検出結果を制御部80に出力する。
【0048】
センサ部70は、図示しないが例えばリニアエンコーダのような、キャリッジ30の主走査方向に沿った位置を検出するためのセンサを有している。センサ部70は、制御部80に接続されており、検出結果を制御部80に送る。
【0049】
制御部80は、画像記録装置10の駆動を制御する。この制御部80は、図2中に示されているように、CPU80aと、画像処理部80bと、RAM80cと、ROM80dと、副走査制御部80eと、主走査制御部80fと、受光信号処理回路80hと、ヘッドドライバ80gとを有している。
【0050】
CPU80aは、ホスト装置200から転送された画像データ、又はROM80dから読み出された画像データを受け取る。また、CPU80aは、各種演算処理を行う。さらに、CPU80aは、前記画像データを、画像処理部80bに提供する。また、CPU80aは、ROM80d中の制御情報を参照し、画像記録装置10を制御するための命令を出す。
【0051】
画像処理部80bは、CPU80aから送られた画像データを、画像記録用の制御信号に変換する。
【0052】
RAM80cは、CPU80aが種々の作業する際の作業領域として使用されるとともに、ホスト装置200から転送された画像データを一時的に格納する。
【0053】
ROM80dは、予め決められているテストパターンなどの画像データや、画像記録装置10を制御するために必要な前記制御情報が格納されている。
【0054】
副走査制御部80eは、CPU80a並びに搬送機構40に接続されており、CPU80aの命令により、搬送機構40の駆動を制御する。
【0055】
主走査制御部80fは、CPU80a並びに駆動機構50に接続されており、CPU80aの命令により、駆動機構50の駆動を制御する。
【0056】
ヘッドドライバ80gは、CPU80a並びに記録ヘッド20に接続されており、CPU80aの命令により、記録ヘッド20のインクの吐出タイミングを制御する。
【0057】
受光信号処理回路80hは、CPU80a並びに受光部63に接続されており、受光部63の出力信号を受け取り、前記出力信号をデジタル変換し、CPU80aに送る。
【0058】
以下に、上記構成の画像記録装置10の動作について説明する。
【0059】
画像の記録において、まず、CPU80aが、ホスト装置200若しくはROM80dから、記録対象の画像の画像データを、受け取る。なお、前記画像データは、一時的にRAM80cに格納される。CPU80aは、RAM80c中の画像データを、画像処理部80bに送る。画像処理部80bは、上記画像データを基に、搬送機構40、駆動機構50、並びに記録ヘッド20の駆動を制御するための信号をCPU80aに出力する。
【0060】
CPU80aは、上記信号を、副走査制御部80e、主走査制御部80f、並びにヘッドドライバ80gに送る。これにより、副走査制御部80eは、搬送機構40を制御し、主走査制御部80fは、駆動機構50を制御し、ヘッドドライバ80gは、記録ヘッド20を制御する。
【0061】
上記制御により、駆動機構50は、記録ヘッド20を所定の移動速度で主走査方向に沿って移動させる。上記移動にともなって、前記記録ヘッド20は、所定の吐出周期で、インクを吐出する。これにより、画像記録装置10は、記録媒体Pに対して画像を記録する。
【0062】
なお、上記記録ヘッド20の移動速度は、インクの吐出周期の1周期の間に、ノズル21の間隔NS分だけ移動されるように設定されている。従って、記録ヘッド20は、従来の技術で説明したように、インクドットDを均一な配置で記録し得る。この場合において、記録ヘッド20の移動速度Vkは、以下の式2で求まる。
【0063】
(式2) Vk=NS/T
T:インクの吐出周期
NS:ノズルの配列方向における互いに隣接するノズル同士の間隔
間隔NSが約70μm、インクの吐出周期Tが100μsecであるため、式2より、記録ヘッド20の移動速度Vkは、約0.7m/secである。
【0064】
記録ヘッド20は、上記主走査方向に沿ったの移動に伴って主走査方向に沿って画像を記録する。この記録により、副走査方向に沿った記録ヘッド20のノズル列N1、N2の長さ分の画像の記録が、主走査方向に沿って一列終わる。上記一列ごとの記録が終了するごとに、制御部80は、記録媒体Pを副走査方向に沿って搬送させるように前記搬送機構40に動作させる。画像記録装置10は、上記動作により、順次列状の画像を記録し、記録媒体Pに画像全体の記録を完成させる。
【0065】
画像記録装置10は、画像記録開始前、画像記録動作中、及び/又は、画像記録終了後において、各ノズル21のインクの吐出状態検査を行う。前記検査は、記録ヘッド20が前記検査領域中に移動した際に、行われる。
【0066】
次に、前記吐出状態検査においての画像記録装置10の動作について、図3を参照して説明する。なお、図3中において、ノズル列N1の各ノズル21は、ノズル列N1の配列方向において、光源62側から順にN1_1、N1_2・・・と参照符号がつけられている。同様にノズル列N2のノズル21は、光源62側から順にN2_1、N2_2・・・と参照符号が付けられている。ノズル列N1は、第1ノズルグループ、ノズル列N2は、第2ノズルグループとする。
【0067】
前記吐出状態検査は、ノズル21から吐出されたインク滴を、ビームB中を通過させることにより行う。吐出状態検査は、記録ヘッド20の移動中に行う。この検査時の記録ヘッド20の移動速度は、画像記録時の移動速度と同一である。
【0068】
前記検査において、記録ヘッド20が検査領域に移動された際に、最初にビームBと交差するノズル21が、最初に検査される。このため、制御部80は、最初の検査対象のノズル21から吐出されたインク滴がビームB中を通過し得るように、記録ヘッド20のインクの吐出タイミングを制御する。なお、本実施の形態において、最初の検査対象のノズル21は、ノズルN1_1である。上記制御は、以下のとおりである。
【0069】
まず、センサ部70は、キャリッジ30の位置情報(主走査方向に沿った位置)を随時CPU80aに送る。なお、記録ヘッド20は、キャリッジ30に対して位置合わせされて、キャリッジ30に固定されている。従って、CPU80aは、記録ヘッド20の位置を、前記位置情報により求め得る。
【0070】
インクの吐出状態の検査時において、記録ヘッド20は、移動中に、インクを吐出する。なお、画像記録装置10は、この検査時においても、画像記録時と同じ移動速度で、記録ヘッド20を移動させる。ここれとともに、ビームBとノズル21とは、インクの吐出方向において、ノズルビーム間隔H離間している。このため、記録ヘッド20は、吐出したインク滴をビームB中を通過させるように、自身の進行方向と反対側にノズルN1_1から距離Di離間した位置からインクを吐出する。
【0071】
この距離Diを求めるために、まず、インクがビームBに到達するまでの時間Taを、以下の式3で求める。
【0072】
(式3) Ta=H/Vf
H:ノズルビーム間隔
Vf:インクの飛翔速度
上記構成に示したように、ノズルビーム間隔Hは、約1mm、インクの飛翔速度Vfは、約5m/secである。従って、インクがビームBに到達するまでの時間Taは、式3より、約200μsecである。
【0073】
距離Diは、記録ヘッド20がノズルN1_1から、時間Taの間に移動する距離である。故に、距離Diは、以下の式4で求まる。
【0074】
(式4) Di=Ta×Vk
Vk:記録ヘッド20の移動速度
上記構成に示したように、記録ヘッド20の移動速度は、約0.7m/secである。このとき、距離Diは、式4より、140μmである。
【0075】
なお、ROM80dには、距離Diが記憶されている。
【0076】
CPU80aは、センサ部70から送られた記録ヘッド20の位置が、ノズルN1_1から距離Di離間した位置と一致した際に、ヘッドドライバ80gに対してN1列同期信号を出力する。前記N1列同期信号は、画像記録時のインクの吐出周期と同様の周期である。ヘッドドライバ80gは、前記N1列同期信号に従って、ノズル列N1の各ノズル21が、ノズルN1_1からノズルの配列方向に沿った順に、インクを吐出するように、記録ヘッド20を動作させる。言い換えると、前記N1列同期信号は、第1ノズルグループのノズルの吐出周期を決定している。前記N1列同期信号は、図5中に示されている。
【0077】
上記動作により、ノズルN1_1から吐出されたインク滴は、ビームBを通過して、インク受け61に着弾する。また、ノズルN1_1以外のノズル21から吐出されたインク滴もまた、インク受け61に着弾する。従って、画像記録装置10の内部は、吐出状態検査中において吐出されたインク滴により、汚染されることが防がれている。
【0078】
光源62は、ビームBの光強度分布が、光軸に近いほど高くなるものがある。この場合、図4(a)中に示すように、ノズルN1_1からのインクの飛翔経路は、ビームBの光軸O近傍を通ることが望ましい。詳述すると、インク滴が光軸O近傍を通過するように吐出されると、受光部63でのS/N比は、向上する。
【0079】
このように、インク滴が、ビームB中を通過すると、受光部63が受光する光量は、変化する。そして、受光部63は、電圧の変化を受光信号処理回路80hに送る。
【0080】
なお、ビームBがスリット状に整形されている場合には、ビームB内での光強度の差がさほど無い。この場合、受光部63は、インク滴がビームB中の少なくとも1部分を通過すれば、受光する光量の変化を検知し得る。
【0081】
なお、本実施の形態において、ノズルN1_1は、インク滴が光軸Oの近傍を通過するように、インク滴を吐出する。
【0082】
ノズルN1_1がインクを吐出してから、インクの吐出周期Tの1周期後、具体的には、100μsec後、ノズルN1_2がインクを吐出する。なお、記録ヘッド20は、上述のように、前記検査中において、主走査方向に画像記録時と同様の移動速度Vkで常に移動している。即ち、記録ヘッド20は、前記1周期後において、以下の式5で求まる距離Dkだけ、ノズルN1_1がインクを吐出した位置から主走査方向に移動している。
【0083】
(式5) Dk=Vk×T
移動速度Vkは、約0.7m/secである。このとき、距離Dkは、式5より、約70μmである。
【0084】
なお、ノズルN1_2と、ノズルN1_1とは、ノズルの配列方向においてノズル間隔NSずれている。即ち、ノズルN1_1から吐出されたインク滴の飛翔経路と、ノズルN1_2から吐出されたインク滴の飛翔経路とは、ノズルの配列方向において、ノズル間隔NSずれている。この場合、検出機構60がノズルN1_2から吐出されたインク滴を検出するためには、ビームBと、ノズルN1_2からのインク滴の飛翔経路とが交差する必要がある。さらに、検出機構60が全てのノズル21を検出するためには、1周期の間に、ノズル列N1並びにN2の夫々において、互いに隣接するノズルから吐出されるインク滴の飛翔経路と、ビームBとが交差する必要がある。
【0085】
なお、記録ヘッド20の移動方向は、主走査方向のみである。このため、上述のようにビームBとインク滴の飛翔経路とを交差させるには、ビームBと、記録ヘッド20とは、前記ノズルの配列方向に対して角度θ傾斜させる必要がある。なお、前記角度θは、以下の式6の関係を有している。
【0086】
(式6)θ≒arctan(Dk/NS)
NS:ノズルの配列方向における互いに隣接するノズルの離間距離
このようにビームBが傾斜している場合、ビームBと、記録ヘッド20とのノズルの配列方向における相対的な位置は、前記1周期の間の主走査方向に移動により、所定量移動する。本実施の形態において、ノズル間隔NSは、70μm、距離Dkは、70μmである。また、角度θは、約45度である。
【0087】
上記ビームBの傾斜により、ノズルN1_2から吐出されたインク滴は、ビームB中を通過し得る。従って、検出機構60は、ノズルN1_1のインク滴を検出した後に、ノズルN1_2からのインク滴を検出し得る。
【0088】
なお、ビームBは、幅BWを有しているため、角度θがarctan(Dk/NS)で求まる値から多少ずれていても、吐出されたインク滴は、ビームB中を通過し得る。
【0089】
CPU80aは、N1同期信号を出力すると同時に、ノズル列N2のインクの吐出周期を決定するN2列同期信号を出力する。N2列同期信号は、第2ノズルグループのノズルの吐出周期を決定する。
【0090】
画像記録装置10は、記録ヘッド20が上述したような移動速度Vkで常に移動している。従って、ノズル列N1の全てのノズル21の検査を終了する前に、ノズル列N2のノズル21が、吐出位置に移動する。言い換えると、ノズル列N1の全てのノズル21の検査を終了する前に、ノズル列N2のノズル21から吐出されるインクの飛翔経路と、ビームBとは、交差する。
【0091】
ノズル列N1の各ノズル21から吐出されるインク滴は、光軸Oの近傍を通過する。同様にノズル列N2の各ノズル21から吐出されるインク滴を、光軸Oの近傍を通過させるためには、ノズル列N2のノズル21は、ノズル配列方向において同位置のノズル列N1のノズル21による吐出位置に対して、主走査方向において同位置位置から、インクを吐出する。具体的な例としては、ノズルN2_1がノズルN1_1のインクの吐出位置と同位置から吐出された場合、ノズルN2_1からのインクの飛翔経路は、ノズルN1_1からのインクの飛翔経路と、略同一になる。なお、ノズル列N1とN2とは、主走査方向において間隔RW離間している。
【0092】
上記の場合、ノズルN1_1がインクを吐出してから、ノズルN2_1のインク吐出位置まで記録ヘッド20が移動に要する時間Tmは、以下の式7により求まる。
【0093】
(式7) Tm=RW/Vk
RW:ノズル列N1とN2との間隔(列間隔)
Vk:記録ヘッドの移動速度
列間隔RW:約175μm、移動速度Vk:約0.7m/secである場合、時間Tmは、式7より約250μsecである。なお、インクの吐出周期Tが100μsecである。このため、ノズルN2_1は、ノズル列N1の3番目に吐出するノズルN1_3と、4番目に吐出するノズルN1_4との間にインクを吐出することが好ましい。
【0094】
また、ノズルの吐出状態を正確に検査するためには、一度にビームB中を通るインク滴は、1つである必要もある。
【0095】
このため、上記N2列同期信号は、N1列同期信号と同一周期であるが、吐出タイミングがずらされる。具体的には、N2列同期信号は、ノズル列N1の各ノズル21から吐出されたインク滴と、ノズル列N2から吐出されたインク滴とが、同時にビームB中に存在しないように、N1列同期信号に対してタイミングがずらされる。これにより、ノズル列N2の各ノズルは、ノズル列N1の互いに隣接するノズルの一方のノズルから吐出されたインク滴がビームB中を通過し終わってから、他方のノズルから吐出されたインク滴がビームB中に入るまでの間に、インク滴を吐出する。より具体的な例としては、ノズル列N1のノズルN1_3から吐出されたインク滴がビームB中を通過し終わってから、ノズルN1_4から吐出されたインク滴がビームB中に入るまでの間に、ノズルN2_1は、インク滴を吐出する。これにより、ノズル列N2の各ノズルは、ノズル列N1の互いに隣接するノズルの一方のノズルの吐出タイミングと、他方のノズルの吐出タイミングとに対して、インク滴のビームBを通過するのに費やす通過時間だけずらされる。なお、インク滴が、ビームBを通過するのに費やす通過時間Ttは、以下の式8により求まる。
【0096】
(式8) Tt=BW/Vf
インクの飛翔速度Vfが、約5m/secであり、ビームBの幅BWが、140μmに設定されている。この場合、式8より、通過時間Ttは、約28μsecである。上述のように、N2列同期信号がN1列同期信号に対して少なくともTtずらされた場合、ノズル列N1のノズルから発射されたインク滴と、ノズル列N2のノズルから発射されたインク滴とが、同時にビーム中を通過することは、防止される。なお上記時間Ttは、ビームBの断面形状により、多少変化する。
【0097】
上述したようにN2列同期信号とN1列同期信号とは、インク滴のビームBを通過するのに費やす通過時間Ttだけ互いにずらされる。即ち、N2列同期信号は、以下の式9の関係を満たすような時間TzをN1列同期信号に対してずらされる。
【0098】
(式9) Tt<Tz<T−Tt
T:インクの吐出周期
なお、本実施の形態においては、インクの吐出周期Tが100μsecである。このため、時間Tzは、28μsec<時間Tz<72μsecの範囲になる。
【0099】
なお、時間Tzは、式7により求めた前記所望の吐出タイミングと、式9によるTzの範囲とを考慮して決定される。即ち、ノズル列N2のノズル21から吐出されるインク滴の吐出タイミングは、他のインク滴と同時に光ビーム中に存在することなく、ビームBの光軸近傍を通過し得るように選定される。本実施の形態において、時間Tzは、50μsecに設定されている。N2列同期信号は、図5中に示されている。図5中に示すように、ノズルN2_1は、ノズルN1_3がインクを吐出してから50μsec後にインクを吐出する。言い換えると、ノズルN2_1は、ノズルN1_1がインクを吐出してから250μsec後にインクを吐出する。このように、ノズルN1_3がインクを吐出してから50μsec後にインクを吐出するため、ノズル列N1とN2とは、交互にインク滴を吐出することになる。
【0100】
検出機構60は、このノズルN2_1から吐出されたインク滴を、図4(c)中に示す位置において、検出する。なお、ノズルN1_3から吐出されたインク滴は、図4(b)中に示されている記録ヘッド20の位置において、検出される。このように、ノズルN2_1からのインク滴は、単独でビーム中を通過し得る。従って、検出機構60は、確実に吐出状態の検査を行い得る。
【0101】
ノズルN2_1がインクを吐出してから50μsec後に、ノズルN1_4がインクを吐出する。検出機構60は、この吐出されたインク滴を、図4(d)中に示す位置において、検出する。図4(d)中に示されているように、ビームB中には、ノズルN1_4並びにノズルN2_1のインク飛翔経路が入っている。しかし、上述のように、ノズルN1_4は、ノズルN2_1と吐出タイミングがずらされている。これにより、ノズルN1_4からのインク滴は、単独でビーム中を通過し得る。従って、検出機構60は、確実に吐出状態の検査を行い得る。
【0102】
このように、第1ノズルグループであるノズル列N1の各ノズル21と、第2ノズルグループあるノズル列N2の各ノズル21とのインクの吐出タイミングは、ずらされている。この結果、前記第1ノズルグループと、第2ノズルグループとにより吐出されたインク滴は、互いに干渉することがない。従って、検出機構60は、両グループのインク飛翔経路がビーム中に存在した場合においても各グループのノズルの吐出状態の検査を行い得る。
【0103】
なお、ヘッドドライバ80gは、ノズル列N2の各ノズル21が、N2列同期信号に従って、ノズルN2_1からノズルの配列方向に沿った順に、インクを吐出するように動作させる。従って、ノズル列N1のノズルと、ノズル列N2のノズルとは、常に吐出タイミングがずれた状態でインクを吐出し得る。
【0104】
なお、式9により求められたような、ノズルN2_1の吐出タイミングは、ROM80d中に記憶されている。
【0105】
上記動作によりノズルN2_1から吐出されたインク滴が、ビームB中を通過すると、受光部63が受光する光量は、変化する。そして、受光部63は、電圧の変化を受光信号処理回路80hに送る。
【0106】
上記動作に示すように、画像記録装置10は、ノズル列N1と、ノズル列N2とが、各々、N1列同期信号、N2列同期信号に従って、順次インクを吐出する。そして、検出機構60は、順次、インク通過の有無を受光信号処理回路80hに送る。
【0107】
受光信号処理回路80hは、ROM80d中に検出周期を記憶している。受光信号処理回路80hは、この検出周期に基づいて、電圧の変化をデジタル化する。また、信号処理回路80hは、この電圧の変化を、インク滴の通過の有無を示す通過情報としてCPU80aに送る。
【0108】
前記検出周期は、ノズル列N1の吐出状態を検知するための検知周期であるN1列検知信号と、ノズル列N2の吐出状態を検知するための検知周期であるN2列検知信号とがある。
【0109】
N1列検知信号は、ROM80d中に記憶されている。このN1列検知信号は、N1列同期信号と同一の周期であるが、ノズルN1_1がインクを吐出してから前記式3で求まる時間Taたってから出力される。即ち、ノズル列N1から吐出されたインク滴が、ビームに到達した際に、検出を行えるようにタイミングがずらされている。そして、式8で求まる通過時間Ttの間を、受光信号処理回路80hの検知時間として設定している。N1列検知信号は、図5中に示されている。
【0110】
同様に、N2列検知信号は、ROM80d中に記憶されている。このN2列検知信号は、N2列同期信号と同一の周期であるが、ノズルN2_1がインクを吐出してから前記式3で求まる時間Taたってから出力される。また、式8で求まる通過時間Ttの間を、受光信号処理回路80hの検知時間として設定している。N2列検知信号は、図5中に示されている。
【0111】
N1列検知信号の検知時間中に、ビームB中をインクが通過し場合、受光部63から受光信号処理回路80hに送られる電圧が変化する。受光信号処理回路80hは、電圧が変化した際に、インクが通過したという通過情報をCPU80aに送る。また、受光信号処理回路80hは、上記検知時間中に、インクが通過しなかった場合、インクが通過しなかったという通過情報をCPU80aに送る。即ち、CPU80aは、この通過情報に基づいて、インク吐出不良のノズルが有るか否かを検出する。受光信号処理回路80hは、N2列検知信号の検知時間中も、上記と同様に通過情報をCPU80aに送る。これらの通過情報は、受光出力として図5中に示されている。なお、図5中の受光出力は、N1列検知信号と、N2列検知信号との検知時間中に全てインクが通過した場合のものである。
【0112】
なお、ノズルN1_1からのインクの飛翔経路と、ビームBの光軸Oとが一致した状態は、図4(a)中に示されている。
【0113】
また、CPU80aは、N1列及びN2列検知信号に基づいて、順にノズルのインク吐出状態を検出し、吐出不良を検出した時点で、使用されている記録ヘッドにインクの吐出不良のノズルがあると検出する。このようにして、CPU80aは、インクの吐出不良を検出し得る。
【0114】
上記構成並びに動作に示すように、ビームBは、ノズル配列方向に対して角度θ傾斜しているとともに、N2列同期信号は、N1列同期信号に対してタイミングがずらされている。このため、検出機構60は、記録ヘッド20の移動速度ならびに吐出周期が画像記録時と同一でありながら、各ノズル21のインクの吐出状態の検出を行える。従って、画像記録装置10は、特別にインクの噴射ならびに記録ヘッドの移動速度を制御する必要がない。即ち、画像記録装置10は、前記検査時においての検出機構60の制御が簡潔であるとともに、特別な制御のための機構を設ける必要がない。
【0115】
また、本実施の形態の検出機構60は、ビームBがインクの配列方向に交差しているため、検出機構60の光軸とノズル21との高度な位置調整することなく各ノズルの吐出状態を検出し得る。
【0116】
また、画像記録装置10は、前述のように画像記録時と同一の移動速度Vkならびに吐出周期Tで吐出状態検査を行える。このため、前記検査時において、記録ヘッド20の移動速度は、画像記録時より低速にされない。従って、検出機構60は、高速にインクの吐出状態の検出を行える。
【0117】
また、画像記録装置10は、前述のようにビームの角度θが設定されているため、一回の走査で全てのノズルの検出を行える。従って、画像記録装置10は、高速にインクの吐出状態の検出を行える。
【0118】
また、各ノズルグループの吐出周期の合間に、上記少なくとも1つのノズルグループのインクの吐出が行われる。このため、各ノズルグループの吐出周期の1周期の間に、複数のノズルの検知を行うことが可能である。このため、検出機構60は、より高速にノズルの吐出状態の検知を行うことが可能である。
【0119】
なお、本実施の形態の前記ノズルの吐出状態検査については、上述した方法の他に、例えば、全ノズル列の総インク通過数と、全ノズル列の前記ノズルの総数とが、比較することで行っても良い。この場合、CPU80aは、前記通過情報をRAM80cに送り、インク通過数をカウントし、結果をRAM80cに記録する。なお、ROM80d中には、ノズルの総数が記憶されている。CPU80aは、全ノズル列の全てのノズルに対する総インク通過数と、全ノズル列の全てのノズルを合計した前記ノズルの総数とを比較する。この比較を行った結果、総インク通過数が、前記ノズル数より少ない場合、CPU80aは、使用されている記録ヘッドにインクの吐出不良のノズルがあると検出する。このようにして、制御部80は、ノズルの吐出状態検査を行い得る。
【0120】
例えば、制御部80は、各ノズル列毎に吐出不良の有無を検査し得る。この場合、ROM80d中に、各ノズル列毎のノズルの総数が、記憶される。これとともに、CPU80aは、各ノズル列毎に、インク滴のインク通過数をカウントする。そして、CPU80aは、各ノズル列毎にノズル総数と、各インク列毎の総インク通過数とを比較する。上記比較により、各ノズル列毎の吐出不良が、検知され得る。
【0121】
他の比較方法として、CPU80aは、インクの通過の有無を、各ノズルの場所毎に、RAM80cに記憶していく。このとき、この各ノズルの場所毎に、インクの通過の有無を比較が、行われる。この場合、ノズル毎の吐出不良が、検知され得る。また、CPU80aは、インクの通過の有無を、検出時間と共に、RAM80cに記憶することも可能である。この場合においてもノズル毎の吐出不良が、検知され得る。
【0122】
本実施の形態の画像記録装置10は、記録ヘッド20を2つ有しているが、3つ以上に構成することも可能である。また、本実施の形態の画像記録装置10は、平行に配置された2つ以上のノズル列を有している1つの記録ヘッドにより構成されることも可能である。
【0123】
また、本実施の形態の画像記録装置10は、隣接する記録ヘッド20同士のノズルの副走査方向の位置は同一になっている。本実施の形態において、図6中に示すように、互いに隣接する記録ヘッド20は、記録密度を高めるために、隣接するヘッド同士を副走査方向に沿ってずらし得る。この場合も、ビームBは、幅BWを有している。このため、吐出された全てのインクは、前述のように記録ヘッド20が画像記録時と同一の移動速度Vkならびに吐出周期Tで動作された場合においても、ビームB中を通過され得る。従って、構成の記録ヘッドは、検出機構60により、検査され得る。
【0124】
また、本実施の形態では、ビームB中に1つのインク滴が通る場合について説明したが、ビームB中に存在するインク滴の数は、1つに限定されない。例えば、ビームB中に異なるタイミングでノズルN1_3及びノズルN2_1からのインク滴が通るように、当該2つのインク滴の吐出タイミングが設定された場合、当該2つのインク滴の吐出タイミングに基づいて同期信号のずらし量を設定するとともに、各同期信号のパルス幅を狭めることにより、いずれか一方のインク滴のみがビームB中に存在するタイミングで当該インク滴を検出することが可能となる。
【0125】
なお、本実施の形態においては、各インクドットDの副走査方向における間隔d1と、主走査方向における間隔dwとが同じ(dw=d1)場合について説明したが、dw≠d1であっても構わない。例えば、d1=2dwである場合には、副走査方向に対するビームBの光軸の傾斜角度θは、間隔d1がノズルの配列方向におけるノズルの離間距離NSと略一致し、間隔dwがインクの吐出周期の1周期分の記録ヘッドの移動距離Dkと略一致するため、式6より求められる。上記d1=2dwである場合、式6より、ビームBの光軸の傾斜角度θは、約26.6度なる。この値に傾斜角度を設定した場合、d1=2dwであっても傾斜角度以外の設定(キャリッジの移動速度やインクの吐出周期など)を変更することなく、全てのノズルの吐出不良検査は、可能である。
【0126】
(第2の実施の形態)
以下に、図7並びに図8を参照して、第2の実施の形態の画像記録装置10について説明する。なお、本実施の形態において、前述した第1の実施の形態に従った画像記録装置10と同じ構成部材は、この画像記録装置10の同じ構成部材を指摘した参照符号を使用して指摘し、詳細な説明は省略する。第2の実施の形態の画像記録装置10は、第1の実施の形態と異なり記録ヘッド20を1つのみ有している。また、本実施の形態の画像記録装置10は、インク吐出状態検査においての制御部80の動作が異なっている。
【0127】
本実施の形態の画像記録装置10は、第1の実施の形態と異なり、同一のノズル列のノズルを複数のグループに分ける。そして、これらのグループの吐出タイミングが、他のグループに対して異なる。より、具体的には、ノズル列N1の各ノズル21は、光源62側の端部のノズルG1_1から3ノズルおきに、第1ノズルグループとされており、ノズルG1_2から3ノズルおきに、第2ノズルグループとされており、ノズルG1_3から3ノズルおきに、第3ノズルグループとされている。
【0128】
第1ノズルグループは、図8中に示されているG1同期信号によりインクの吐出周期が決定されている。同様に、第2ノズルグループは、G2同期信号、第3ノズルグループは、G3同期信号により、インクの吐出周期Tが決定される。なお、第1、第2、並びに第3ノズルグループは、夫々吐出状態検査時に干渉しないように、自身より前にインクを吐出するグループに対して、時間Toずらされている。時間Toは、以下の式11により求められる。なお、下記のXは、グループ数を指摘している。
【0129】
(式11) To=T/X
本実施の形態において、吐出周期Tが100μsec、グループ数が3であるため、時間Toは、約33μsecである。
【0130】
なお、各ノズル毎のインクの検出時間は、第1の実施の形態で説明したように、式8で求まる通過時間Ttに設定されている。従って、前記検査時においてビームB中に存在するインク滴の数が1つに限定されている場合、各グループの吐出周期のずれ量である時間Toは、時間Ttより大きい必要がある。言い換えると、時間Toは、各ノズル毎のインク滴の検出時間が、前記吐出周期より小さい場合、以下で求める時間Tdの誤差許容範囲がある。前記時間Tdは、以下の式12により求まる。
【0131】
(式12) Td=To−Tt
なお、本実施の形態において通過時間Ttは、第1の実施の形態と同様に約28μsecである。このため、式12より、時間Toの誤差許容範囲は、約5μsecである。
【0132】
また、本実施の形態の画像記録装置は、第1の実施の形態と異なり、各ノズルは、ビームB中にインク飛翔経路が交わっている間に複数回インクを吐出する。このため、検出機構60は、前記インク飛翔経路とビームBとが上記交わっている間に複数回の吐出を検出する。本実施の形態においては、各ノズルは、3回インクを吐出する。
【0133】
以下に、本実施の形態の画像記録装置10の動作について説明する。
【0134】
本実施の形態の画像記録装置10は、図8中の各同期信号に基づいてインクを吐出する。なお、各グループは、まず、3周期の間同一のノズルからインクを吐出し、3周期の間休む。各グループは、この動作を繰り返す。このようにして、各グループは、インクを吐出するとともに、各グループの吐出周期が異なっている。従って、ビームB中を同時に2つのインク滴が通ってしまうような干渉があることはない。
【0135】
また、本実施の形態の画像記録装置10は、CPU80aに、各ノズルに対して3つの通過情報が送られる。このため、CPU80aは、3つの通過情報の平均を求める。このとき、CPU80aは、各ノズルにおいてインク通過が多数の場合、総インク通過数に1を加える。具体的には、CPU80aは、各ノズルにおいて平均値が所定値以上である場合、総インク通過数に1を加える。より具体的には、CPU80aは、3つの通過情報のうち2つが通過を示した場合、対象のノズルが吐出不良を起こしていないと判断する。この場合、前記所定値は、約0.66に設定される。
【0136】
全ノズルの総インク通過数は、RAM80c中に記録される。この総インク通過数は、全てのノズルが正常に吐出した場合、全ノズルを合計したノズル総数と同一になる。このため、CPU80aは、この総インク通過数と、ノズル総数とを比較することで、インクの吐出不良が無いか検出する。このように、本実施の形態の画像記録装置10は、各ノズルに対して複数回検査し得るため、検知信号にばらつきが有った場合においても、より正確にインクの吐出状態を検査し得る。
【0137】
なお、本実施の形態の画像記録装置10は、第1の実施の形態と同様に、各ノズルの場所毎に前記通過情報をRAM80cに記憶して、各ノズルの場所毎に、インクの通過の有無を比較することも可能である。また、CPU80aは、インクの通過の有無を、検出時間と共に、RAM80cに記憶することも可能である。この場合においても、画像記録装置10は、ノズル毎の吐出不良を検知し得る。
【0138】
また、本実施の形態の画像記録装置10は、CPU80aに、各ノズルに対応した3つの通過情報が送られる。これらの3つの通過情報は、各値を組み合わせることより、1つの特徴値を作ることが可能である。この特徴値は、記録され、吐出状態検査に使用され得る。即ち、画像記録装置10は、これらの3つの通過情報を平均することなく、吐出状態検査に使用し得る。より具体的には、通過情報の値は、インクが通過した場合「1」、インクが通過しなかった場合「0」に設定される。記録ヘッド20の端部のノズルG1_1が、3回インクを吐出した際に、意図的に2回目にインクを吐出しないように制御される。この制御により、CPU80aは、通過情報「101」を受ける。ROM80d中には、上記端部ノズルを示す位置特定値が記録されている。この位置特定値は、上記特徴と同様に0と1とからなる3桁の数字である。この端部の位置特定値は、前記通過情報と同様に「101」に設定されている。
【0139】
CPU80aは、上記通過情報と、位置特定値と、を比較する。上記比較において、上記2つの値が同一であれば、検査されたノズルは、端部ノズルであると判断し得る。このようにした場合、画像記録装置10は、記録された通過情報を基に、確実に端部のノズルのノズルを発見し得る。このため、この端部のノズルを基準に、他のノズルの位置は、容易に判別し得る。従って、上記特徴値を使用した場合、各ノズル位置又は時間と共に通過情報をRAM80cに記録しなくても、吐出不良状態のノズルの場所は、容易に探し得る。なお、前記端部ノズル以外の各ノズルから吐出された全てのインク滴がビームBを通過した場合、CPU80aは、各ノズル毎に、通過情報により構成される特徴値「111」を受ける。このため、CPU80aは、前記端部ノズル以外のノズルを端部ノズルと判断しない。
【0140】
また、本実施の形態の画像記録装置10は、1つの記録ヘッド20を有するように構成されているが、複数の記録ヘッドを有することも可能である。例えば、図9中に示すように、2つの記録ヘッド20を有することも可能である。
【0141】
この場合、ノズル列N1と、ノズル列N2とを、上述の1つの記録ヘッド20の場合と同様に、先頭ノズルから順に3つのグループG1,G2,G3を作成する。そして、ノズル列N1、N2の各グループG1,G2,G3は、上述の1つの記録ヘッド20と同様に、図10中の同期信号に基づいて選択的にインクを吐出する。ここで、ノズル列N1,N2における同じグループ(例えば、ノズル列N1のG1とノズル列N2のG1)では同期信号を一致させているが、インクの吐出タイミングをずらしている。
【0142】
まず、ノズル列N1のグループG1の1番目のノズルG1_1から3回インクが吐出される。この3回目のインク吐出の後、時間To(約33μsec)経過したら、2番目のノズルG2_1から3回インクが吐出される。この2回目のインク吐出の後、同じく時間To(約33μsec)経過したら、3番目のノズルG3_1がインクを3回吐出する。
【0143】
また、ノズル列N2のグループG1の1番目のノズルG1_1は、ノズル列N1のノズルG1_1の3回目のインク吐出の後、インク吐出周期Tである100μsec経過後にインクを3回吐出する。この3回目のインクの吐出の後、時間To(約33μsec)経過したら、2番目のノズルG2_1が、インクを3回吐出する。さらに、この2回目のインク吐出の後、同じく時間To(約33μsec)経過したら、3番目のノズルG3_1がインクを3回吐出する。
【0144】
ノズル列N2のノズルG1_1からの3回目のインクの吐出から100μsec経過したならば(次のG1の同期信号がきたならば)、グループG1の中の2番目のノズルG1_2がインクを3回吐出し、以下、上述したインク吐出動作を繰り返す。
【0145】
即ち、本実施の形態の画像記録装置10において、各ノズル列は、同タイミングでインクを吐出しない。これと共に、各ノズル列の各ノズルグループG1,G2,G3は、先に吐出するグループに対して時間Toだけ、吐出タイミングがずらされている。
【0146】
このように吐出することで、本実施の形態の画像記録装置10は、インク滴同士が干渉することなく、各ノズルのインク滴を吐出させることが出来る。従って、この画像記録装置10は、複数の記録ヘッドを有しているが、3つの通過情報の値の組み合わせによる1つの特徴値として記録し、吐出状態検査に使用し得る。
【0147】
なお、以上説明してきた画像記録装置は、記録ヘッドを用紙搬送方向に対して直交する方向に往復移動させながら画像の記録を行う、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタである。本発明のインクの検出機構は、このシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタにのみ応用されるものではない。
【0148】
例えば、特開2002-120386号公報や特開2001-205872号公報に開示されているような、いわゆるフルラインタイプのインクジェットプリンタに対しても、上述した検出機構を適用することが可能である。
【0149】
上記フルラインタイプのインクジェットプリンタは、紙幅分の印字幅を有する記録ヘッドを有している。この記録ヘッドが、紙幅方向全体に渡って延びている。このため、このフルラインタイプのインクジェットプリンタは、1パスで、画像全体を記録し得る。即ち、フルラインタイプのインクジェットプリンタにおいて、記録媒体に記録される画像は、用紙の紙幅全体に渡って順次記録されていく。このため、フルラインタイプのインクジェットプリンタは、シリアルスキャンタイプのプリンタとは異なり、記録ヘッドを走査することなく、記録媒体を一方向に搬送しながら画像を記録する。このようにフルラインタイプのインクジェットプリンタの場合、シリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタと異なり、記録ヘッドを記録媒体面に平行な方向に対して十分に移動させることができない。このため、フルラインタイプのインクジェットプリンタの場合、固定された記録ヘッドに対して、光源と受光部とを有する検出機構を走査させることにより、記録ヘッドの各ノズルのインクの吐出状態検査が、行われる。
【0150】
以下に図11(a)並びに(b)を参照して、検出機構を有しているフルラインタイプのインクジェットプリンタについて説明する。図11(a)は、フルラインタイプのインクジェットプリンタを示す概略的な上面図である。図11(b)は、図11(a)中のインクジェットプリンタを示す概略的な側面図である。
【0151】
図11(a)並びに(b)中の検出機構60は、第1の実施の形態と同様に光源62並びに受光部63を有している。この検出機構60は、さらに、前記光源62並びに受光部63を移動させるための走査機構を有している。
【0152】
前記操作機構は、前記光源62並びに受光部63を保持するキャリッジ30’と、キャリッジ30’を移動可能に支持するガイド65と、駆動手段66とを有している。駆動手段66は、駆動プーリ67と従動プーリ(図示されていない)とに掛け渡されている無端ベルト68を有している。
【0153】
キャリッジ30’は、無端ベルト上に固定されている。キャリッジ30’上において、記録ヘッド20の延在方向に沿った一端側に、光源62が配置されており、他端側に、受光部63が配置されている。受光部63は、光源62の光軸上に配置されている。光源62は、例えば、半導体レーザである。
【0154】
光源62は、光軸が記録ヘッド20の延在方向に対して傾斜するように配置されている。記録ヘッド20の延在方向に対する光源62の光軸の角度は、第1の実施の形態に示される角度θと同様に設定される。図11中において例として、記録ヘッド20の延在方向に対するこの光軸の角度は、約70度に設定されている。
【0155】
ガイド65は、記録媒体の搬送方向 図11(a)並びに(b)中において左右方向 に沿って延びている。
【0156】
キャリッジ30’は、ガイドの延在方向に沿って、移動可能である。即ち、キャリッジ30’は、記録媒体の搬送方向に沿って移動可能である。
【0157】
前記駆動プーリ67と従動プーリとは、無端ベルトを記録媒体の搬送方向に沿って架橋し得るように、配置されている。駆動プーリ67は、無端ベルトに駆動力を提供する。このため、上述のように無端ベルト68上に固定されているキャリッジ30’は、駆動プーリ67の駆動に従って、記録媒体の搬送方向に沿って移動する。
【0158】
以下に上記構成のインクジェットプリンタの吐出状態検査の動作について説明する。
【0159】
吐出状態検査では、キャリッジ30’は、図11(a)並びに(b)に示されている位置から図中左方に向かって移動される。即ち、キャリッジ30’は、記録媒体の搬送方向に沿って、記録ヘッドに向かって移動する。この移動中において、前記光源62のビームBは、K(黒)インク用の記録ヘッド、C(シアン)インク用の記録ヘッド、M(マゼンタ)インク用の記録ヘッド、並びにY(インク)用の記録ヘッドの各ノズルのインクの飛翔経路を順次交差する。このため、このようなフルラインタイプのインクジェットプリンタにおいても、第1並びに第2の実施の形態と同様に、検出機構60は、インクの吐出状態検査を行い得る。
【0160】
なお、フルラインタイプのインクジェットプリンタにおいて、記録ヘッドは、メンテナンスするために、記録媒体面に対して直交する方向に移動可能である。例えば、特開2002−120386号公報に記載の記録ヘッド中において、上記移動可能な構成が示されている。
【0161】
このような記録ヘッドは、画像記録時においては、記録媒体面に対して十分に近接した状態に保持される。また、前記記録ヘッドは、メンテナンス時においては、記録媒体面から十分に退避された状態に設定される。
【0162】
図11(b)中に示されるように、検出機構60は、記録媒体面に対して直交する方向に所定の寸法を有している。この寸法は、画像記録時においての記録ヘッド20と記録媒体面との間隔より大きい。従って、前記インクの吐出状態検査時は、記録ヘッド20と記録媒体面との間に、記録媒体面に対して直交する方向において、前記寸法より大きい空間が必要である。
【0163】
前記メンテナンス時の記録ヘッド20は、記録媒体面に対して直交する方向において、記録媒体面から前記寸法以上離れる。従って、前記インクの吐出状態検査時は、記録ヘッドは、前記メンテナンス時の位置まで退避される。上記構成並びに動作により、検出機構60は、記録ヘッド20と干渉することなくインク滴の吐出状態検査を行い得る。
【0164】
【発明の効果】
本発明は、各ノズル毎の吐出状態の検知を高速に行えるとともに、検出機構の光軸とノズルとの高度な位置調整を必要としない検出機構を有している画像記録装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、第1の実施の形態に従った画像記録装置の一部分を示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)の記録ヘッドを示す概略的な上面図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態の制御部を示す概略図である。
【図3】図3は、ノズル列とビームとの関係を示す概略的な上面図である。
【図4】図4(a)は、ノズル列とビームとの関係を示す概略的な上面図である。
図4(b)は、ノズル列とビームとの関係を示す概略的な上面図である。
図4(c)は、ノズル列とビームとの関係を示す概略的な上面図である。
図4(d)は、ノズル列とビームとの関係を示す概略的な上面図である。
【図5】図5は、第1の実施の形態の画像記録装置の各同期信号、検知信号、並びに受光出力を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態の変形例を示す概略的な上面図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態の記録ヘッドを示す概略的な上面図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態の画像記録装置の各同期信号、検知信号、並びに受光出力を示す図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態の変形例の記録ヘッドを示す概略的な上面図である。
【図10】図10は、第2の実施の形態の画像記録装置の変形例の各同期信号、検知信号、並びに受光出力を示す図である。
【図11】図11(a)は、フルラインタイプの画像記録装置を示す概略的な上面図である。図11(b)は、図11(a)の画像記録装置を示す概略的な側面図である。
【図12】図12は、一般的な画像記録装置により記録されたインクドットの配列を示す概略図である。
【図13】図13(a)は、従来の画像記録装置を示す概略的な斜視図である。
図13(b)は、図13(a)の検出機構を示す概略的な断面図である。
図13(c)は、図13(a)の記録ヘッドを示す概略的な上面図である。
【図14】図14(a)は、他の従来の画像記録装置におけるノズル列とビームとの関係を示す概略的な上面図である。
図14(b)は、図14(a)の記録ヘッドを示す概略的な上面図である。
図14(c)は、図14(a)中の検出機構の動作を示す概略的な上面図である。
【図15】図15は、他の従来の画像記録装置における検出機構の動作を示す概略的な上面図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置
20 記録ヘッド
21 ノズル
30 キャリッジ
40 搬送機構
50 駆動機構
60 検出機構
62 光源
63 受光部
70 センサ部
80 制御部
80a CPU
80b 画像処理部
80c RAM
80d ROM
80e 副走査制御部
80f 主走査制御部
80g ヘッドドライバ
80h 受光信号処理回路
200 ホスト装置
Claims (17)
- 複数のノズルが直線状に配列されたノズル列を、複数列備えるインク記録ジェットヘッドと、
前記複数のノズル列それぞれの延在方向を記録媒体の搬送方向に一致させ、かつ前記複数のノズル列が記録媒体の搬送方向と直交する方向に互いに離間するように、前記インクジェットヘッド記録ヘッドを搭載すると共に、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復駆動するキャリッジと、
前記キャリッジの駆動範囲内に設けられた検査領域内に配置され、前記複数のノズル列からそれぞれ吐出されるインクを光学的に検出するセンサと、
前記複数のノズル列の各ノズルからのインクの吐出動作を制御する制御部と、を具備し、
前記キャリッジが前記検査領域を移動している間に、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させ、前記センサによって各ノズルからのインクの吐出状態を検査する画像記録装置において、
前記センサは、出射する検出光の光軸が前記複数のノズル列それぞれの配列方向に対して交差するように傾けられて配設され、
前記制御部は、
インクが前記検出光を通過するように、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させると共に、
前記複数のノズル列のうち一方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングを、他方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングに対しずらして、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させることを特徴とする画像記録装置。 - 前記センサは、その検出光の光軸が前記複数のノズル列それぞれの配列方向に対して、45度傾けられて配設されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、前記ノズル列毎でインクを吐出させるノズルを順次変えていくことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、前記複数のノズル列のインク吐出周期を互いに同一にすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、前記複数のノズル列におけるインク吐出状態検査時のインク吐出周期と、画像記録時のインク吐出周期とを同一にすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記キャリッジの駆動範囲は、前記キャリッジが定速駆動される定速駆動領域と、キャリッジが反転動作される反転駆動領域と、を有しており、
前記センサは、前記定速駆動領域に設けられている請求項1に記載の画像記録装置。 - 前記キャリッジは、インク吐出状態検査時のキャリッジ移動速度を、画像記録時のキャリッジ移動速度と同一に設定されることを特徴する請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、一方のノズル列と他方のノズル列との吐出タイミングのずらし量を、インクが前記検出光を通過するのに費やす通過時間とすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、吐出されるインクの検出光を通過する時間がTt、インクの吐出周期が T であるとき、インク吐出タイミングのずらし量を、前記通過時間Ttより大きく、前記 インク吐出周期Tから前記通過時間Ttを差し引いた時間より小さくすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、一方のノズル列からのインク吐出と、他方のノズル列からのインク吐出とが、交互に行われるように、前記複数のノズル列のインク吐出タイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、前記複数のノズル列の列数がX、各ノズル列のインク吐出周期がTであるとき、インク吐出タイミングのずらし量を、先にインクを吐出したノズル列の吐出タイミングに対してT/Xとすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記制御部は、同一ノズルから連続して複数のインクを吐出させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記センサは、各ノズル列のインク吐出状態を検知するための検知周期を、各ノズル列のインク吐出周期と一致させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記センサは、前記一方のノズル列に対する他方のノズル列のインク吐出タイミングずらし量に応じて、前記複数のノズル列の一方のノズル列におけるインク吐出状態の検知周期を、他方のノズル列におけるインク吐出状態の検知周期に対してずらすことを特徴とする請求項13に記載の画像記録装置。
- 前記インクジェットヘッドは、1つのノズル列を有する記録ヘッドを複数有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記インクジェットヘッドは、複数のノズル列を有する1つの記録ヘッドによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 複数のノズルが直線状に配列されたノズル列を複数列備え、当該複数のノズル列それぞれの延在方向を記録媒体の搬送方向と直交する方向に一致させ、かつ当該複数のノズル列が記録媒体の搬送方向に互いに離間するように配設されるインクジェットヘッドと、
前記複数のノズル列からそれぞれ吐出されるインクを光学的に検出するセンサと、
前記センサを搭載すると共に、記録媒体の搬送方向に移動するキャリッジと、
前記複数のノズル列の各ノズルからのインクの吐出動作を制御する制御部と、を具備し、
前記キャリッジが前記複数のノズル列の各ノズルのインク飛翔経路を横切って移動している間に、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させ、前記センサによって各ノズルからのインクの吐出状態を検査する画像記録装置において、
前記センサは、その検出光の光軸が前記複数のノズル列それぞれの配列方向に対して交差するように傾けられて配設され、
前記制御部は、インクが前記検出光を通過するように、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させると共に、前記複数のノズル列のうち一方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングを、他方のノズル列における各ノズルのインク吐出タイミングに対しずらして、前記複数のノズル列の各ノズルからインクを吐出させることを特徴とする画像記録装置。
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