JP4141994B2 - インクジェット用記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、高い白紙光沢と高いインク吸収性、極めて低い印字部ヘイズをあわせもつインクジェット用記録材料を提供するものである。
インクジェット記録は、騒音がなく、高速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され近年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易であり、各種のインクジェット記録方式による多色インクジェット記録が行われている。特にコンピューターにより作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハードコピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成する事ができるインクジェットプリンターの利用が注目されている。さらに、近年デジタルカメラの急速な普及により、デジタル写真画像が身近になりこれらの画像を安価なインクジェットプリンターで出力する写真専用のモードやインクを具備したインクジェットプリンターも同様に急速に普及している。
これら写真画像用途では、通常光沢が高いことが求められる。インクジェット記録媒体に於いて光沢を高める手段としては、多孔質インク受容層の上にコロイド状シリカを塗布する事が知られている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
しかしながら上述したような従来技術に記載されているコロイダルシリカは、いずれも変動係数が0.15より大きいものであり、これらの技術によるインクジェット用記録材料は、インク吸収性、光沢性、印字部ヘイズを同時に充分に満足するものではなかった。
特開平6−183134号 特開2000−37944号 特開2003−94800号
本発明が解決しようとする課題は、表層にコロイダルシリカ層を形成してもインク吸収性の低下が生じることなく、高い白紙光沢と極めて低い印字部ヘイズを持つインクジェット用記録材料を提供することにある。
1.支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主成分とする多孔質のインク受容層と、コロイダルシリカを主成分とする表層を有するインクジェット用記録材料において、該コロイダルシリカが80nm以下かつ変動係数が0.15以下の単分散コロイダルシリカであることを特徴とするインクジェット用記録材料。
白紙光沢に優れ、十分なインク吸収性を有し、印字部のヘイズが極めて低いインクジェット用記録材料を提供することが出来る。
本発明者は、多孔質のインク受容層とコロイダルシリカを主成分とする表層を用いたインクジェット用記録材料において、吸収速度の阻害がなぜ発生するのかを調査した結果、表面に形成するコロイダルシリカを主体とする層のパッキング状態が、吸収速度を大きく左右することを見出した。
具体的には、このパッキング状態は、用いられるコロイダルシリカ粒子の変動係数により大きく左右される。ここでいう変動係数とはコロイダルシリカ粒子の粒子径の標準偏差を平均径で割ったものである。変動係数が0.15を超える場合、表層を形成するコロイダルシリカ粒子中には、比較的小さいコロイダルシリカ粒子や比較的大きいコロイダルシリカ粒子が比較的多く含まれることになり、これら粒径の異なるコロイダルシリカ粒子が悪影響を及ぼす。例えば、比較的小さいコロイダルシリカ粒子は、他のコロイダルシリカ粒子の隙間に入り込む形のパッキング状態を取るため、結果的に粒子間の隙間を減少させており、これが吸収速度の低下を発生させることが判った。また、比較的大きいコロイダルシリカ粒子は、該粒子によるレイリー散乱強度が高くなるため、印字面を斜光で観察した場合うっすらと白濁した様に見える、所謂印字部ヘイズを発生させていることが判った。
変動係数が0.15以下の単分散性を持つコロイダルシリカを表層に用いた場合、コロイダルシリカ粒子が均一に配列したパッキング状態を取るため、粒子間の隙間が均一に形成され、そのため吸収速度の低下を発生させることがない事、更には比較的大きいコロイダルシリカ粒子が少なく、印字部ヘイズが観察されない事を見出し、本発明に至った。
なお、本発明における単分散性を求めるに当たり、コロイダルシリカ粒子の電子顕微鏡写真を撮り、その中からランダムに500個以上のコロイダルシリカ粒子の直径を測定し、平均径および標準偏差を求め、単分散性を示す変動係数を算出した。
表層に用いられるコロイダルシリカの平均粒径には、好ましい範囲が存在する。例えば平均粒径が100nmのコロイダルシリカを用いると、平均粒径50nmのコロイダルシリカを用いるよりも、インク吸収性低下への影響は若干小さくなる。しかしながら、コロイダルシリカ粒子が大きくなると、該粒子によるレイリー散乱強度が高くなり、80nmを超えると印字部ヘイズが発生しはじめる。本発明に於いては、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを用いる事が必要であり、平均粒径が60nm以下のコロイダルシリカを用いることがより好ましい。粒径が小さくなるとインク吸収性の低下が発生しはじめるため、15nm以上の粒径を持つことが好ましく、25nm以上がより好ましい。最も好ましい平均粒径は25nmから50nmの範囲である。
コロイダルシリカとは、無水珪酸の超微粒子を水或は有機溶媒を分散媒として分散せしめたコロイド溶液として供給されているもののことである。本発明に用いられる単分散性の高いコロイダルシリカは、アルコキシシランを水性溶媒中で、アンモニアなどを用いて加水分解、縮合して得られる、所謂ゾル−ゲル法により製造する事が出来る。これらは例えば扶桑化学工業株式会社製クォートロンシリーズとして各種粒径のものを入手することが可能である。
また、アルミナ表面処理によりカチオン性にしたタイプのコロイダルシリカも、平均粒径と変動係数を満たせば好ましく用いる事が出来る。
コロイダルシリカを主成分とする表層の乾燥固形分量は、コロイダルシリカとして0.8g/m2以下が好ましく、0.4g/m2以下がより好ましく、0.2g/m2以下が特に好ましい。表層塗設による光沢向上には、少なくとも0.02g/m2以上必要である。表層におけるコロイダルシリカの含有比率は、表層の全固形分量に対して、70%質量以上であり、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。
本発明に於いて、コロイダルシリカを主成分とする表層を塗布する方法に関しては、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング等であり、シリカ微粒子を主成分とする多孔質のインク受容層を形成する塗液と、同時に塗布を行っても良いが、より高い光沢を得るという観点から逐次塗布を行う事が好ましい。逐次塗布を行う場合には、同一ライン上で連続で行っても良い。
逐次塗布を行う場合には、シリカ微粒子を主成分とする多孔質のインク受容層が塗布された後、乾燥途中の段階あるいは乾燥終了の段階で、インク受容層内に十分な容量の空隙が形成された時期にコロイダルシリカを主成分とする表層の塗布を行う事が好ましい。
従ってコロイダルシリカを主成分とする表層が塗布される時期は、インク受容層の塗布液が塗布された後の乾燥途中の段階、あるいは乾燥終了後の段階である。本発明に於いて、コロイダルシリカを主成分とする表層の塗布液は、インク受容層の空隙容量の90容量%以下の塗布量で塗布するのが好ましい。塗布液供給量の下限としては光沢改善に十分なコロイダルシリカを主成分とする表層を形成出来ること、安定に塗布出来ることが要件であり、塗布安定性の観点からは10ml/m2以上が望ましい。ここで、インク受容層の空隙容量とは、コロイダルシリカを主成分とする表層が塗布される時点での空隙容量を意味する。この空隙容量は、インク吸収性能の観点から15〜50ml/m2の範囲が好ましい。
本発明に於いて、インク受容層の空隙容量が40ml/m2未満の範囲ではコロイダルシリカを主成分とする表層の塗布液供給量が空隙容量の90容量%以下、より好ましくは80容量%以下が良い。空隙容量が40〜50ml/m2の範囲ではコロイダルシリカを主成分とする表層の塗布液供給量が空隙容量の80容量%以下、より好ましくは65容量%以下が良い。
本発明で言うインク受容層の空隙容量のうち乾燥終了後の空隙容量は、水銀ポロシメーター(Autopore II 9220;micro meritics instrument corporation製)を用い測定・処理された、インク受容層部分に於ける細孔半径3nmから400nmまでの累積細孔容積(ml/g)に、インク受容層の塗布固形分(g/m2)を乗ずる事で、単位面積(m2)当たりの数値として求める事が出来る。
また、インク受容層の乾燥終点に達する前にコロイダルシリカを主成分とする表層を塗布する場合の空隙容量は、コロイダルシリカを主成分とする表層塗布直前のインク受容層の残存水分量を赤外水分率計等で求め、前記乾燥終了後の空隙容量から残存水分量を減ずることで求められる。
コロイダルシリカを主成分とする表層の均一性の観点から、外乱を受ける機会を少なくするため、インク受容層によるコロイダルシリカを主成分とする表層塗布液の吸収は瞬時になされることが好ましく、そのために35℃で測定した塗液粘度は10mPa・s以下が好ましい。
逐次塗布により本発明を実施するにあたっては、エクストルージョン方式、スライドビード方式、スロットダイコーターのような塗布液を塗布の巾方向に均一に流出するためのスリットを持つ塗布装置、及び斜線グラビアロールを使用する塗布装置等を用いることが好ましく、ロール直径100mm以下の斜線グラビアロールをリバース且つキスタッチで使用することが特に好ましい。
本発明の実施に於いて、コロイダルシリカを主成分とする表層の塗液構成は、本発明の本来の目的のためにはコロイダルシリカ単独で単に濃度調整するだけで十分で他の成分は必要としないが、個々の応用に関しては適宜バインダー、添加剤、界面活性剤を加えることは可能である。バインダーを加える場合の添加量は、コロイダルシリカに対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下が良い。マット剤等表面形状を大きく変更する成分の添加は、光沢を損なうため添加することは好ましくない。
次に平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主成分とする多孔質のインク受容層について説明する。主成分とするとは、少なくともインク受容層の全固形分量の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上がシリカ微粒子から構成されることを示す。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば日本シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、日本シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販さている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、特に気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。尚、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカはカチオン性化合物の存在下で分散するのが好ましい。分散された気相法シリカの平均二次粒子径は、500nm以下、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。尚、本発明でいうシリカ微粒子の平均二次粒子径とは、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより求めたものである。
本発明では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕した湿式法シリカも好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカとしては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、且つ平均凝集粒子径(粉砕する前の粒子径)が5〜50μmである湿式法シリカが好ましい。本発明では、これらの湿式法シリカをカチオン性化合物の存在下で、平均二次粒子径500nm以下、好ましくは20〜200nm程度まで微粉砕したものが好ましい。
通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均凝集粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。この際、分散液の初期粘度上昇が抑制され、高濃度分散が可能となり、粉砕・分散効率が上昇してより微粒子に粉砕することができることから、吸油量が210ml/100g以下、平均凝集粒子径5μm以上の沈降法シリカを使用することが好ましい。高濃度分散液を使用することによって、記録用紙の生産性も向上する。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
本発明の平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法としては、まず水中でシリカ粒子とカチオン性化合物を混合(添加はどちらが先であっても、また同時でも良い)しても良く、又それぞれの分散液あるいは水溶液を混合しても良く、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であれば更に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散物の固形分濃度は高いほうが好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、より強い機械的手段を与えることによって、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えばボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物を使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられ、中でもアルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2、または3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm 一般式1
[Al(OH)3nAlCl3 一般式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物としては、チタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物がより好ましい。チタンを含む水溶性化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。ジルコニウムを含む水溶性化合物としては、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
これらのシリカ微粒子を固定するバインダーとしては、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが用いられる。親水性バインダーの使用にあたっては、親水性バインダーがインクの初期浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から室温付近での膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等やそれらの誘導体が用いられるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分鹸化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、鹸化度が80%以上の部分または完全鹸化したものであり、平均重合度は500〜5000が好ましい。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜第3アミノ基や第4アンモニウム基を主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールが挙げられる。
インク受容層の空隙容量を15〜50ml/m2の範囲に保つため、バインダーはシリカ微粒子に対して5〜25質量%添加することが好ましく、塗布量としてはシリカ微粒子として10〜35g/m2が好ましく、さらに好ましくは13〜30g/m2の範囲が用いられる。
本発明のインク受容層は必要に応じてシリカ微粒子の種類、凝集密度、一次粒子径、バインダー配合量、添加剤等に差の有る複数の層に分けて適用されても良い。その際、空隙容量はインク受容層層間に浸透阻害のような特別な障害が無い限り、複数層の合計の空隙容量で考えれば良い。
本発明のインク受容層はひび割れ防止、インクの定着性改良、画像の保存性改良等の目的で、多価金属化合物、カチオン性ポリマー、酸化防止剤、ラジカル禁止剤、さらには塗布助剤として界面活性剤や水溶性溶剤、粘度調整剤、pH調整剤等適宜加えることが出来る。
本発明に用いられる支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸水性支持体、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙等の吸水性支持体等が用いられる。好ましくは非吸水性支持体が用いられる。非吸水性支持体の中でも特にポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましい。これらの支持体の厚みは、約50〜250μm程度のものが好ましく使用される。
支持体として、フィルムや樹脂被覆紙等の非吸水性支持体を使用する場合には、インク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とするプライマー層を設けるのが好ましい。支持体上に設けられるプライマー層はゼラチン、カゼイン等の天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする。係る合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。プライマー層は、支持体上に0.01〜5μmの膜厚(乾燥膜厚)で設けられる。好ましくは0.01〜2μmの範囲である。
本発明における支持体には筆記性、帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、顔料、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
フィルム支持体や樹脂被覆紙にインク受容層の塗工液を塗布する場合、塗布に先立って、好ましくはコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等が行われる。
本発明において、インク受容層を構成している各層の塗布方法は、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、以下特に断りが無い限り部及び%は各々質量部、質量%を表す。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の調整>広葉樹クラフトパルプをカナディアン スタンダード フリーネス300mlに叩解し、カチオン変性澱粉を対パルプ1.5質量%、両性ポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、サイズ剤アルキルケテンダイマーを対パルプ0.2質量%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンを対パルプ0.2質量%加え、1質量%に濃度を調整し、紙料スラリーとした。次いでこの紙料を長網抄紙機で適度なタービュランスを与えながら、坪量170g/m2、密度1.06g/cm3になるよう調製して樹脂被覆紙の基紙を抄造した。
基紙を走行させながら先ずそのワイヤー面をコロナ放電処理し、識別用裏印刷を行った。次いで再びワイヤー面をコロナ放電処理し、320℃の溶融した裏面用樹脂を20g/m2押出し被覆して粗面形状の裏樹脂層を形成した。次いで基紙のフェルト面をコロナ放電処理し、320℃の溶融した表面用樹脂を30g/m2押出し被覆して鏡面形状の表樹脂層を形成した。さらに、裏樹脂面をコロナ放電処理し帯電防止用バックコート塗布液を固形分として0.6g/m2、表樹脂面をコロナ放電処理し下引き液を50mg/m2、夫々塗布乾燥し巻き取りポリオレフィン樹脂被覆紙支持体を製造した。
<裏樹脂配合>
低密度ポリエチレン 30部
(密度0.920g/cm3
高密度ポリエチレン 70部
(密度0.967g/cm3
<表樹脂配合>
マスターバッチ 15部
(密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン39.1部、Al23換算0.8質量%の表面被覆アナタ−ゼ型酸化チタン60部、ステアリン酸亜鉛0.9部をバンバリーミキサーで混練)
低密度ポリエチレン 85部
(密度0.920g/cm3
<バックコート塗液配合>
無水マレイン酸重合体のアルカリ加水分解物25%液 4部
コロイド状シリカ20%スラリー
(日産化学工業株式会社製 スノーテックス20) 20部
エポキシタイプ架橋剤10%液 1.5部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩5%液 0.5部
水にて全量を100部とした。
<下引き液配合>
石灰処理ゼラチン2%水溶液 50部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩5%液 0.5部
クロム明ばん5%水溶液 2部
水にて全量を100部とした。
上記支持体に下記組成のインク受容層塗布液をスライドビードコーターで気相法シリカ換算25g/m2で塗布、乾燥した。この時点で採取した試料の断面をTEMにより観察した所、シリカ微粒子の平均二次粒子径は80nm、また空隙容量を水銀ポロシメーターを用い求めたところ、30ml/m2であった。
<インク受容層塗布液配合1>
気相法シリカ20%スラリー 60部
(平均一次粒径7nm)
ポリジメチルアリルアンモニウムクロライド10%水溶液 2.4部
硼酸10%水溶液 5.4部
ポリビニルアルコール10%水溶液 27部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤5%水溶液 0.72部
水にて全量を100部とした。
さらにインク受容層の上に下記配合の表層塗布液を、直径60mm、斜線角度45度、線数90線/インチ、溝深さ110ミクロンの斜線グラビアロールを用い、リバース回転且つキスタッチで塗布を行った。斜線グラビアロールの回転数を調整し湿分塗布量20ml/m2で塗布を行い乾燥した。湿分塗布量は塗布中における単位時間当たりの塗液減少量から求められ、塗布固形分量は0.2g/m2であった。以上により実施例1のインクジェット記録媒体を得た。
<表層塗布液配合1>
コロイダルシリカ20%スラリー 5部
(扶桑化学工業株式会社製 クォートロンPL−3L
平均一次粒径35nm、変動係数0.11)
水にて全量を100部とした。(シリカ濃度1質量%)
実施例1の表層塗布液配合を表層塗布液配合2に代える以外は同様にして実施例2のインクジェット記録媒体を得た。
<表層塗布液配合2>
コロイダルシリカ20%スラリー 5部
(扶桑化学工業株式会社製 クォートロンPL−5
平均一次粒径55nm、変動係数0.13)
水にて全量を100部とした。(シリカ濃度1質量%)
実施例1の表層塗布液配合を表層塗布液配合3に代える以外は同様にして比較例1のインクジェット記録媒体を得た。
<表層塗布液配合3>
コロイダルシリカ20%スラリー 5部
(扶桑化学工業株式会社製 クォートロンPL−2L
平均一次粒径19nm、変動係数0.11)
水にて全量を100部とした。(シリカ濃度1質量%)
(比較例1)
実施例1の表層塗布液配合を表層塗布液配合4に代える以外は同様にして比較例2のインクジェット記録媒体を得た。
<表層塗布液配合4>
コロイダルシリカ20%スラリー 5部
(日産化学工業株式会社製 スノーテックスAKL
平均一次粒径45nm、変動係数0.26)
水にて全量を100部とした。(シリカ濃度1質量%)
(比較例2)
実施例1の表層塗布液配合を表層塗布液配合5に代える以外は同様にして比較例2のインクジェット記録媒体を得た。
<表層塗布液配合5>
コロイダルシリカ40%スラリー 2.5部
(日産化学工業株式会社製 スノーテックスOL40
平均一次粒径43nm、変動係数0.20))
水にて全量を100部とした。(シリカ濃度1質量%)
(比較例3)
実施例1の表層塗布液配合を表層塗布液配合6に代える以外は同様にして比較例2のインクジェット記録媒体を得た。
<表層塗布液配合6>
コロイダルシリカ40%スラリー 2.5部
(日産化学工業株式会社製 スノーテックスOZL
平均一次粒径80nm、変動係数0.31)
水にて全量を100部とした。(シリカ濃度1質量%)
(比較例4)
実施例1において、表層の塗布を行わず、インク受容層のみからなるインクジェット記録媒体を得た。
<インクジェット記録媒体の評価>
これらインクジェット記録媒体は、密封包装のもと50℃24時間経時後、以下の評価を行った。
<インク吸収性>インクジェット記録媒体を23℃、湿度55%RHに一昼夜調湿後、同条件下でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−980Cで青ベタ印字を行った。インク吸収性が悪いとブロンジング現象(斜光で観察した場合、印字面が赤紫色になる)が発生するため、本現象の有無を持って判定した。
○;ブロンジング現象が観察されない。
△;わずかにブロンジング現象が観察される。
×;ブロンジング現象が観察される。
<光沢性>インクジェット記録媒体の印字していない部分の光沢を目視で判定した。
○;写真用印画紙(光沢)を超え、非常に光沢に優れる。
△;写真用印画紙(光沢)並。
×;写真用印画紙(光沢)を少し下回る。
<印字部ヘイズ>インクジェット記録媒体を23℃、湿度55%RHに一昼夜調湿後、同条件下でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−980Cで黒ベタ印字を行った。印字部を斜光で観察した際、印字部ヘイズが発生している場合には、表面に薄い白濁が観察されるため、本現象の有無をもって判定した。
○;印字部ヘイズの発生が極めて低く、ほとんど観察されない。
△;わずかに印字部ヘイズの発生が観察される。
×;印字部ヘイズが観察される。
Figure 0004141994
実施例のインクジェット記録媒体は何れも、インク吸収性の劣化に伴うブロンジング現象や印字部ヘイズが観察されないか実用上問題無いレベルであり、光沢にも優れている。比較例のインクジェット用記録材料は、インク吸収性、光沢、印字部ヘイズのいずれかが劣っている。

Claims (1)

  1. 支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主成分とする多孔質のインク受容層と、コロイダルシリカを主成分とする表層を有するインクジェット用記録材料において、該コロイダルシリカが平均一次粒径80nm以下かつ変動係数が0.15以下の単分散コロイダルシリカであることを特徴とするインクジェット用記録材料。
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