JP4142876B2 - 破砕機及び建築作業用アタッチメント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走式作業台車に装着する建設機械用アタッチメントに関するものである。本発明は、自走式作業台車に装着する破砕機として特に好適である。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の自走式作業台車のアーム先端に装着されるアタッチメントの一つとして、破砕機が知られている。破砕機は、指状や蟹の爪の様な開閉アームを持ち、この開閉アームを油圧シリンダーを利用して開閉させるものである。
【0003】
上記した破砕機により建造物の解体作業を行う場合、破砕対象物にあわせて破砕機の位置や姿勢および破砕アームの開閉方向の角度などを調節する必要がある。そのために開閉アームを全体的に旋回させる必要がある。
ここで破砕機の開閉アームを旋回させるための手段として、他の部材に開閉アームを押し当てて強制的に旋回させる方式と、油圧モータ等のアクチェータによって自動旋回させる方式がある。
【0004】
前者の方式を採用する破砕機の一つとして、特公平7−103700号公報に開示されたものが知られている。
特公平7−103700号公報に開示された破砕機は、破砕機の本体フレームを旋回ベアリングを介して油圧ショベル等のアームに取り付けた構成となっている。そしてディスクブレーキを利用し、破砕機の本体フレームに摩擦力による旋回抵抗を与えている。
【0005】
前者の方式を採用する破砕機は、構造が簡単である点で好ましい。また前者の方式を採用する破砕機は、破砕作業中に破砕機に過大な捻れが作用した際、破砕機が自然に旋回して破壊を免れる点で好ましい。
しかしながら前者の方式を採用する破砕機は、操作に相当の熟練を要するという欠点がある。
【0006】
また従来技術の構成は、ディスクブレーキの締付けトルクを適正に調整することが困難である。すなわちディスクブレーキの締付けトルクが大きいと、障害物との接触による不用意な回転や重心の偏芯などによる狂いが少ないという利点があるが、開閉アームを旋回させる際に大きな衝撃力が必要となり、機械に不要な衝撃を加え損傷故障の原因となるという問題がある。一方、締付けトルクが小さいと、破砕作業における僅かな衝撃で開閉アームが旋回してしまい、角度が狂い易く操作性が低下するという問題が生じる。さらにディスクブレーキの摩擦板が摩耗すると制動力が著しく低下するなど、頻繁に調整と摩擦板の交換などの保守整備が必要である。
【0007】
この調整保守は経験と熟練を要す煩雑な作業で、適正制動力を保つには短期間にきめ細かく調整整備を繰り返す必要があり、誠に面倒である。
【0008】
また後者の方式を採用する構成は、破砕機の一部に油圧モータ等を搭載し、油圧モータと破砕機の本体フレームを係合させるものである。
従来技術においては、アーム開閉用の油圧シリンダおよび旋回用油圧モータのそれぞれについて、独立の油圧配管を油圧ショベルのアームに沿って配設している。2系統の油圧配管は、その先端部のそれぞれを、破砕機の取付ブラケットに設けた油圧コネクションに接続される。そして運転室内に設置したペダルまたはレバーにより、破砕アームの開閉操作および旋回操作を行う。このように後者の方式によると油圧操作によって開閉アームを旋回させることができるので作業性が大幅に向上するが、配管が複雑となり、多くの油圧機器を要するという欠点がある。
【0009】
すなわち従来技術の破砕機を油圧ショベルなどに装着する場合は、油圧ショベルにアーム開閉用の油圧配管を設けるばかりでなく、旋回用油圧モータに専用の制御弁、操作ペダル、レバーやこれらの油圧配管などを取り付ける改造工事が必要になる。従来の破砕機では、前記のように、アーム開閉用の配管と旋回用の配管を独立させて2系統取り付ける必要があり、材料費と人件費が高いものとなる。また油圧モータの機種によっては、ケーシングドレンをタンクに戻す専用ドレン配管を追加配管しなければならない場合もあり、さらに材料費や人件費が嵩む。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自動旋回可能な破砕機に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、アーム開閉用の油圧シリンダへ送る作動油の圧力により、旋回用油圧モータを自動回転する油圧回路を備えた破砕機を提供することを目的としている。さらに本発明では、旋回用油圧モータを自動旋回させる際に、時間的な余裕を与え、操作性を向上させることを目的としている。
本発明の他の目的は、旋回専用の配管系統を省略して配管工事費などを節減し、加えて油圧ショベルへの破砕機の着脱が短時間で行える油圧回路を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、旋回用油圧モータを破砕機に設置し、該旋回用油圧モータにアーム開閉用の油圧シリンダの配管系統から分岐する枝管を接続している。そして破砕作業を行う時には、全量の作動油をアーム開閉用の油圧シリンダに供給し、旋回を行う時には、アーム全開状態でさらに作動油をアーム開方向に供給し、その際の圧力上昇で作動油を旋回用油圧モータへ供給するように構成している。
【0012】
本発明に係る破砕機は、旋回用油圧モータをブラケット内などに配置するとともに、アーム開閉用の油圧シリンダに接続する往復の油圧管路からそれぞれ枝管を分岐している。基本的には、両枝管を油圧モータと接続する際に、アーム開動作時に供給側となる管路から分岐する側の枝管には、所定圧力以上に達したときに油圧モータ側に連通する機能を付与し、アーム閉動作時に供給側となる管路から分岐する他方の枝管には、油圧モータ側への逆流を阻止する機能を付与している。
【0013】
本発明に係る破砕機では、アーム開閉用の油圧シリンダに接続する往復の油圧管路からそれぞれ枝管を分岐し、両枝管を油圧モータと接続する際に、アーム開動作時に供給側となる管路から分岐する一方の枝管には、所定圧力以上に達したときに油圧モータ側に連通するリリーフ機能付き絞り弁を介在させ、アーム閉動作時に供給側となる管路から分岐する他方の枝管には、油圧モータ側への逆流を阻止する逆止弁を介在させる。
【0014】
衝撃圧バイパス手段は、リリーフ機能付き絞り弁または逆止弁から油圧モータに至る両枝管の途中に設置する。
この衝撃圧バイパス手段として、両枝管に対して2管路を並列にバイパス接続し、両バイパス流路にそれぞれ可調整リリーフ弁を互いに逆向きに介在させると好ましい。また、このような衝撃圧バイパス手段として、両枝管に対して2管路を並列にバイパス接続し、両バイパス流路にそれぞれ2個の対向逆止弁を互いに逆向きに介在させ、各バイパス流路における両逆止弁の中間位置を可調整リリーフ弁を介して連通してもよい。
【0015】
さらに衝撃圧バイパス手段として、パイロット切り換え弁と抵抗付与手段を使用し、油圧モータの両ポートの圧力と感応して油圧モータの高圧となったポートと抵抗付与手段を連通する構成も可能である。
【0016】
またバイパス流路に、一方向の流れを許容し他方向の流れに対しては所定の圧力を越える場合に限って許容する一方向抵抗手段を二組設けた構成も可能である。さらに衝撃圧バイパス手段として、パイロット切り換え弁と、リリーフ弁及び逆止弁を使用し、リリーフ弁と逆止弁をリリーフ時の流れに沿って逆止弁が開成する方向に取り付け、パイロット切り換え弁によって油圧モータの高圧となったポートが自動的にリリーフ弁の入り側と連通する構成も可能である。
【0017】
また前記の回路構成に加えて、一方の枝管のリリーフ機能付き絞り弁の下流位置に、作動油が供給された後に一定時間が経過してから旋回用油圧モータへ作動油を送る遅延手段を設置してもよい。この遅延手段は、破砕アーム開度が全開となった後に若干遅れてから旋回用油圧モータへ作動油を供給するものである。
【0018】
すなわち請求項1に記載の発明は、自走式作業台車のアームに装着され、開閉用油圧アクチェータによって開閉される破砕アームと、旋回用油圧モータによって旋回される旋回機構を具備する破砕機において、開閉用油圧アクチェータに連通する往復の油圧流路を有し、開閉用油圧アクチェータに連通する一方の油圧流路であって破砕アームが開又は閉状態となる際に作動油の供給側となる側から分岐されて旋回用油圧モータに接続される分岐流路を有し、前記分岐流路には、常時は閉鎖され所定圧力以上に達したときに連通する閉止・連通手段が介在され、さらに遅延手段が設けられ、前記遅延手段はピストンロッドを持った容量が50cc以上の独立した油圧シリンダーであり、油圧シリンダーの一方の油室は、前記分岐流路に接続され、油圧シリンダーの他方の油室は、開閉用油圧アクチェータに連通する他方の油圧流路に接続され、油圧シリンダーは常時一方の油室が空で待機し他方の油室にだけ作動油が存在し、破砕アームが開又は閉状態であって開閉用油圧アクチェータにかかる圧力が所定圧力以上に達しさらに遅延時間の経過後に旋回用油圧モータに作動油が供給されて旋回用油圧モータが作動することを特徴とする破砕機である。
【0019】
上記した発明では、旋回用油圧モータに対して、破砕アームを開閉させる開閉用油圧アクチェータの油圧流路であって破砕アームが開状態(又は閉状態)となる際に作動油の供給側となる側から作動油が供給される。
破砕アームが開状態となる際に作動油の供給側となる側から作動油を供給する構成を採用する場合においては、粉砕アームを閉じてコンクリート塊等を粉砕する際に、旋回用油圧モータが作動しない。
また作動油の供給路となる分岐流路には、常時は閉鎖され所定圧力以上に達したときに連通する閉止・連通手段が介在されているので、通常作業時における粉砕アームを開く工程の際にも旋回用油圧モータは作動しない。
さらに分岐流路には遅延手段が設けられているので、所定圧力以上に達した場合であっても、旋回用油圧モータは急には作動しない。したがって旋回用油圧モータが作動を開始するまでに時間的な余裕があり、作業者が意識的に旋回用油圧モータを作動させようとする場合に限って旋回用油圧モータを動作させることができる。
【0020】
本発明の破砕機を使用して破砕アームを旋回させるには、破砕アームを開き(又は閉じ)、さらにその状態を継続させることにより行なう。その結果、分岐流路の圧力が所定圧力以上に達し、閉止・連通手段が連通状態となり、さらに遅延時間を経過した後に旋回用油圧モータに作動油が供給される。
【0021】
また閉止・連通手段は、リリーフ弁と絞り弁によって構成することができる。
【0022】
そしてリリーフ弁は作動圧力の調節が可能であることが望ましい。
【0023】
また旋回用油圧モータには衝撃圧バイパス手段を設けることが推奨される。
【0024】
衝撃圧バイパス手段としては、旋回用油圧モータに作動油が出入りする二つのポートを設け、当該ポート同士の間に1又は2以上のバイパス流路が設けられ、当該バイパス流路は常時は閉鎖され、両ポートの一方が所定圧力以上に達したときに高圧側から低圧側に連通する構成が考えられる。
【0025】
また他に旋回用油圧モータは作動油が出入りする二つのポートを有し、当該ポート同士の間に二系統のバイパス流路が設けられ、両バイパス流路にはそれぞれリリーフ弁が互いに逆向きに介在され、さらにリリーフ弁に対して並列に逆止弁が介在されたサブバイパス流路が設けた構成でもよい。
【0026】
さらに旋回用油圧モータは作動油が出入りする二つのポートを有し、当該ポート同士の間にA,B二系統のバイパス流路が設けられ、A側のバイパス流路には2個の逆止弁が互いに内向きに連通する方向に介在され、B側のバイパス流路には2個の逆止弁が互いに外向きに連通する方向に介在され、各バイパス流路A,Bの逆止弁同士の中間部にはリリーフ弁が設けられ、A側のバイパス流路の逆止弁同士の間の圧力が所定の圧力以上となったとき、リリーフ弁が開いてA側のバイパス流路からB側のバイパス流路に作動油が流れる構成も推奨される。
【0027】
油圧シリンダーは旋回用油圧モータよりも低い圧力で動作するものであることが大切である。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、従来技術の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。図2は、他の従来技術の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。図3は、さらに他の従来技術の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。図4は、本発明の実施例の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。図5は、本発明及び従来技術の破砕機の正面図である。図6は、リリーフ機能付き絞り弁を示す回路図である。図7は、リリーフ機能付き絞り弁の他の構成要素を示す回路図である。
【0029】
本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の対象である自動旋回式破砕機の基本構成を従来技術の破砕機を参照しつつ説明する。外観形状は本発明の実施例のものも従来のものも図5の通りである。
本発明の対象である自動旋回式破砕機には、少なくとも油圧モータ5を設置していることを要する。この油圧モータ5は、破砕機を旋回する用途に使用する。
【0030】
図1と図5に示す破砕機1では、旋回用油圧モータ5をブラケット2の水平板22上に固着し、この油圧モータ5はブラケット自体または取付フレーム側に取り付けてもよい。破砕機1においては、旋回ベアリング4の内リム42は取付フレーム3に連結固定し、該内リム42にはラック43を刻設するとともに、このラック43と噛み合うピニオン44に油圧モータ5の軸を連結する。油圧モータ5をブラケット2に固着する構成では、該油圧モータ5を回転すると、破砕アーム33,33と取付フレーム3がブラケット2に対して水平旋回する。
【0031】
旋回用油圧モータ5は、ブラケット2内に配置し、アーム開閉用の油圧シリンダ36に接続する往復の油圧管路89a, 89bのそれぞれから分岐する枝管51, 52に接続する。アーム開動作時に供給側となる管路89aから分岐する枝管51にはリリーフ機能付き絞り弁53を介在させ、アーム閉動作時に供給側となる管路から分岐する枝管52には逆止弁57を介在させる。衝撃圧バイパス手段54(一点鎖線の枠)は、リリーフ機能付き絞り弁53または逆止弁57から油圧モータ5の接続ポートに至る部位の枝管51, 52に介在させる。
【0032】
前記の油圧回路において、図2または図3に示すように、開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60をリリーフ機能付き絞り弁53と油圧モータ5との間の管路に介在させてもよい。開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60は、作動油が油圧モータ5に至る枝管51に供給されると一定時間経過後に通路を開く。開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60に関して、パイロット油室(流体キャビティ)66の内容積を大きくし、ピストン64とスプール61とのギャップもいっそう大きくし、または絞り弁68をいっそう細くし、所望に応じてこれらを組み合わせると、切換弁70の開く時間をより遅らせることができる。
【0033】
さらに図2または図3の開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60に代わって図4に示すような開動作遅延遮断手段(本発明の遅延手段)100を油圧モータ5に対して並列に設けてもよい。開動作遅延遮断手段(本発明の遅延手段)100は具体的には無負荷、或いは軽負荷のシリンダーであり、流体キャビティを備える。
【0034】
リリーフ機能付き絞り弁53は、図6に示すように公知の可調整絞り弁75と可調整リリーフ弁76を直列接続した構成要素53である。このリリーフ機能付き絞り弁53は、図7のように可調整絞り弁75とクラッキング圧可調整の逆止弁77を直列接続した構成要素53aなどでもよい。リリーフ機能付き絞り弁53は、破砕アーム33, 33の全開位置で油圧シリンダ36が停止した後に油圧がさらに上昇すると、リリーフ機能によって回路を開き、絞り弁53が適正量に制限した油を油圧モータ5へ供給することができる。
【0035】
衝撃圧バイパス手段54は、油圧モータ5に接続する枝管51, 52間に、可調整リリーフ弁55または55a が介在するバイパス流路105,106を互いに逆向きに並列接続する。また、図3に示す衝撃圧バイパス手段54a を用いてもよく、枝管51, 52間に、1対の逆止弁58,58を介して任意の高圧側と連通する油路107(バイパス流路A)と、1対の逆止弁48, 48を介して任意の低圧側に連通する油路108(バイパス流路B)とをそれぞれ並列接続し、高圧側連通油路の両逆止弁の間から低圧側連通油路の両逆止弁の間に向けて連通路を接続し、この連通路に可調整リリーフ弁56を介在させる。
【0036】
衝撃圧バイパス手段54または54a は、旋回停止時や不用意の過負荷作用時に発生する衝撃圧を高圧側から低圧側にバイパスし、油圧モータ5などの機器を保護する手段であり、どちらの油圧管路89a,89bに衝撃圧が作用しても反対側管路に逃がすことができる。
【0037】
またさらに図5、図6、図7に示す衝撃圧バイパス手段54b,54c,54dを採用することもできる。図5に示す衝撃圧バイパス手段54bは、前記油圧モータ5のポートMa,Mb同士をバイパス流路103で接続する。バイパス流路103には図5の如くパイロット切換弁15を介在させ、各ポートをパイロット切換弁15のスプール両端のポートに連通することにより、油圧モータ5が外力によって強制的に回転された時、排出側または吸入側になるポートを個別に選択して抽出できる。この一方のポートMbには、抵抗手段としての可調整リリーフ弁56とその先端に油溜まり14と逆止弁57とを順次接続し、再びパイロット切換弁15の他方のポートMaから油圧モータ5ヘ戻る回路を構成する。
【0038】
図5に示す構成は、他の部材に開閉アームを押し当てて強制的に旋回させる方式に本発明を活用した例であり、油圧モータ5は旋回を制動する用途に使われている。
図5に示す構成では、開閉アームを押し当てて強制的に旋回させる際、破砕機が対象物を噛んで捻れ作用を受けたとき、旋回ベアリング4のラック43と噛み合うピニオン44を介して油圧モータ5が回転力を受け、これに伴い油圧モータ5のポートMbが、自己圧でパイロット切換弁15を切り換えて可調整リリーフ弁56と連通し、可調整リリーフ弁56の設定値以上になるとリリーフしてバイパス流路内に作動油が流れ、油庄モータ5が回転して破砕機1の本体取付フレーム3が一定の制動力を受けつつ旋回する。
【0039】
また、パイロット切換弁15は図5では平行接続とクロス接続の2位置4方弁で示しているが、図7の様に中間に全閉位置を有す3位置4方弁を用いてもよく、その場合は逆止弁57を省略することも可能である。
【0040】
一方、バイパス流路については、上記の方法に限らず種々の方法があり、例えば図6の如く、油圧モータ5の両ポートMa,Mbに、可調整リリーフ弁16a,16bと油圧モータ5側への流れのみを許容する逆止弁67a,67bとを並列接続してなる可調整の一方向抵抗手段を夫々接続すると共に、各一方向抵抗手段の先端を互いに連通させ、その連通路に油溜まり14が介在する構成にしてもよい。この回路構成の場合、パイロット切換弁を持たなくても一方向抵抗手段の可調整リリーフ弁16が油圧モータ5の任意のポートMbに一定の抵抗を発生させ、他方のポートMaへの流れに対してはサブバイパス流路に設けられた逆止弁側を通過し無抵抗で作動油を戻すことができる。
【0041】
或いはバイパス流路は図7の如く、油圧モータ5の両ポートMa,Mbに、高圧になった側を高圧ポート、他方を低圧ポートとして夫々選択的に抽出するパイロット切換弁15bを接続し、パイロット切換弁15bの高圧ポートには、可調整リリーフ弁56を介在させ、その先端を前記パイロット切換弁15bの低圧ポートに接続すると共に、油圧モータ5とパイロット切換弁15とを接続するバイパス流路103bに、別に設けた油溜まり14の油室から、高圧油の逆流を阻止する逆止弁72,72を介し連通する作動油補給路71,71を設けた構成にしてもよい。
【0042】
温度変化や内部圧力に伴う作動油の膨張収縮やリークによりバイパス流路103中の作動油に過不足が生じた場合、油溜まり14がバイパス流路103に連通していることによりその過不足が自動調整されるが、作動油の補給と調整を確実に行いキャビテーションを防止するには、油溜まり14に加圧手段を備えると都合がよい。
【0043】
加圧手投は、図5,6,7に示す如くシリンダ状容器にピストン101とその背後にバネ109を収納し、ピストン101を背後から付勢して油室(油溜まり14)内の作動油を加圧するか、または前記バネ109の代わりにガスを封入するか、或いは前記ピストン101とバネ109の代わりにガスを封入したプラダを収納するなど、適宜の方法でよい。
【0044】
図1〜図4に示す破砕機1について、制御弁86をクロス通路位置に切り換えると、Bポートから管路89aおよびスイベルジョイント24を経由しアーム開閉油圧シリンダ36のピストンロッド側Rポートに作動油が供給され、油圧シリンダ36が縮小作動して破砕アーム33, 33が開操作する。この際には、破砕機1のアーム開動作は無負荷で作動圧が低いので、旋回用油圧モータ5の回路におけるリリーフ機能付き絞り弁53は閉じたままである。
【0045】
アームが全開に達して供給圧力が上昇すると、絞り弁53のリリーフ弁76(図6)が開き、作動油が油圧モータ5のMbポートに至る枝管51に供給され、油圧モータ5が回転して破砕機1のアーム33, 33が旋回する。油圧モータ5への供給油は、絞り弁53の可調整絞り弁75で油圧モータ5が適正な回転速度になるように供給流量を制限する。一方、油圧モータ5のMaポートは、枝管52の逆止弁57を介して、油圧シリンダ36の戻り側管路89bに連通しているので、油圧モータ5からの排出油はMaポートから制御弁86のAポートを経てタンクTKに戻る。
【0046】
アーム33, 33を所定の角度まで旋回した後に、制御弁86を中立位置に戻し、作動油の供給を遮断してアーム旋回を停止する。次に作業台車を操作し、破砕機1のアーム33, 33を解体対象部分に進入させてから、制御弁86を平行通路位置に切り換える。この結果、作動油は制御弁86のAポートから油圧シリンダ36のヘッド側Cポートに供給され、油圧シリンダ36が伸長作動して破砕アーム33, 33が閉動作して破砕作業を行う。この際に、作動油の供給圧が高圧となるが、逆止弁57が油圧モータ5側への油流入を阻止するため、該油圧モータ5は回転しない。
【0047】
破砕作業中は、制御弁86の操作で破砕機1のアーム開閉を繰り返す。制御弁86は、アーム33, 33が全開状態に達した直後またはその直前に中立に戻すかアーム閉動作側に切り換えられると、油圧モータ5に作動油を供給することがなく、アーム旋回を行わない。
【0048】
油圧モータ5には、その停止時に回路内に異常に高い衝撃圧が作用したり、破砕作業中に破砕機1に大きな捻れ力が作用して過大な負荷が作用する可能性があり、この場合には、衝撃圧バイパス手段54が作動して低圧側に異常高圧を逃がす。衝撃圧バイパス手段54は、油圧モータ5のMa, Mbポートのいずれのポートが高圧になっても、内蔵可調整リリーフ弁55または55aが高圧ポート側から低圧ポート側に向けてリリーフするので、衝撃圧と過負荷のいずれの高圧からも油圧モータ5などの機器を保護できる。
【0049】
図2に示す開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60を油圧回路に設置しておくと、絞り弁53から作動油が供給された直後は切換弁70が回路を遮断したままであり、直ちに油圧モータ5が回転することを回避する。開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60は、細い絞り弁68を経てパイロット油室(流体キャビティ)66に徐々に作動油を供給し、パイロット油室66に油が充満するとスプール61を押して切換弁70を開く。すなわちパイロット油室(流体キャビティ)66に優先的に作動油を供給する。したがって、破砕機1のアーム33, 33が全開になってから僅かに遅れてアーム旋回を開始するので、アーム旋回が不要なときは作動油が開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60を通過する前に、制御弁86を切り換えて中立位置に戻せばよい。
【0050】
図4に示すシリンダー状の開動作遅延遮断手段(本発明の遅延手段)100を油圧回路に設置しておくと、作動油は開動作遅延遮断手段100たるシリンダー(流体キャビティ)に優先的に流れ、ピストンが完全に伸長して一方の油室が満杯になった後、油圧モータ5側に作動油が供給される。そのためリリーフ弁110から作動油が供給された直後には油圧モータ5に作動油が流れず、直ちに油圧モータ5が回転することを回避する。
【0051】
図3の説明に戻ると制御弁86を中立位置または平行通路位置(アーム閉動作側)に切り換えると、逆止弁57によって油圧モータ5への油供給を阻止する。開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60では、パイロット油室66が逆止弁67を経て油圧管路89aと連通し、切換弁70が復帰して回路を遮断し、油圧モータ5への油供給をより確実に阻止する。
【0052】
次に、破砕機の基本構成等をより詳細に説明する。しかしながら本発明はこの構成にに限定されるものではない。本発明の油圧回路を搭載する破砕機1は、図5に例示するように、取付フレーム3において、中間部をピン38, 38で回転自在に枢着した1対の破砕アーム33, 33と、両破砕アームの後端部35をピン37、37で連結する油圧シリンダ36とを配置し、油圧シリンダ36の伸縮作動によって破砕アーム33, 33の先端部34を開閉する。
【0053】
破砕機1は、油圧ショベル(図示しない)に装着し、該油圧ショベルのアーム81上のシリンダ83を伸縮作動すると、バケットリンク82を介して前後方向に回動して角度調整できる。図1と図4に示すように、油圧シリンダ36の往復管路は、油圧ショベルの油圧源88から制御弁86, 油圧配管84, 先端ホース85, ブラケット内管路89, 旋回ベアリング4の中心部に設けたスイベルジョイント24およびホース25を経由して油圧シリンダ36に至り、該油圧シリンダから逆順でタンクTKへ帰還する。油圧源88は、油圧ショベルの駆動用油圧ポンプ(図示しない)と兼用し、コントロールバルブ87を介して制御弁86に接続する。制御弁86は、運転室設置のペダル(図示しない)を操作して制御し、中立と平行通路とクロス通路の3位置を有する3位置4方弁である。制御弁86を操作して作動油を供給すると、油圧シリンダ36を伸縮作動して破砕アーム33, 33を開閉作動できる。
【0054】
破砕機1において、取付フレーム3は、上部水平板32と該水平板の下面に垂直に固着した1対の側板31とからなり、該フレームの上方にブラケット2が位置する。ブラケット2は、取付穴を上端部に有する1対の側板21,21を水平板22に固着し、該取付穴にピン23、23を挿通して、油圧ショベルのアーム81とバケットリンク82の先端部に破砕機1を回転自在に装着できる。また、外リム41をブラケット2の水平板22に、且つ内リム42を取付フレーム3の上部水平板32に固着し、旋回ベアリング4によってリム41, 42を旋回自在に連結する。
【0055】
図1に示すように、旋回用油圧モータ5は、ブラケット2の水平板22上に固着する。油圧モータ5の軸45にピニオン44を取り付け、該ピニオン44は旋回ベアリング4の内リム42に刻設したラック43と噛み合う。油圧モータ5を回転すると、取付フレーム3および破砕アーム33, 33がブラケット2に対して水平に旋回する。
【0056】
油圧モータ5のポートMa, Mbは、ブラケット内管路89a, 89bから分岐する枝管51,52に接続する。枝管51は、油圧シリンダ36のピストンロッド側の管路に接続し、リリーフ機能付き絞り弁53が介在する。一方、枝管52は、シリンダヘッド側の管路に接続し、油圧モータ5側への油の流れを阻止する逆止弁57が介在する。絞り弁53または逆止弁57から油圧モータ5に至る管路の間には、衝撃圧パイパス手段54が介在する。
【0057】
リリーフ機能付き絞り弁53は、供給側圧力が設定値以下のときは作動油の通過を阻止する機能と、通過流量を制限する機能とを兼ね備えた回路構成要素である。具体的には、リリーフ機能付き絞り弁53は、図6のように可調整絞り弁75と可調整リリーフ弁76を直列接続した構成要素53である。この絞り弁は、図7のように可調整絞り弁75とクラッキング圧可調整の逆止弁77を直列接続した構成要素53a でもよい。
【0058】
衝撃圧バイパス手段54は、油圧モータ5のポートMbに接続する枝管51と、ポートMaに接続する枝管52とを2管路でバイパス接続している。一方のバイパス流路には、枝管51から52への可調整リリーフ弁55が介在し、他方のバイパス流路には、枝管52から51への可調整リリーフ弁55a が介在する。衝撃圧バイパス手段54により、ポートMa, Mbのいずれかに衝撃圧または高圧が作用すると、可調整リリーフ弁55または55a が作動し、これを反対側のポートに逃がす構成になっている。
【0059】
次に破砕機1の操作方法について説明する。図1の制御弁86を平行通路側に切り換えると、油圧源88の作動油は、P→A→84→85→89b→A1→A2→Cの順に流れ、一方、シリンダ36のロッド側の作動油は、R→B2→B1→89a→85→84→B→Tの順に流れてタンクTKに戻り、油圧シリンダ36を伸長作動して破砕アーム33,33を閉じる。制御弁86をクロス通路側に切り換えると、油圧源88の作動油は、P→B→84→85→89a→B1→B2→Rの順に流れ、一方、シリンダ36のヘッド側の作動油は、C→A2→A1→89b→85→84→A→Tの順に流れてタンクTKに戻り、油圧シリンダ36のピストンを縮小作動して破砕アーム33, 33を開く。
【0060】
この際に、破砕アーム33, 33の全開状態において、さらに制御弁86の操作ペダルをアーム開方向に踏み続け、シリンダ36へ作動油を供給し続けると、他方の管路89aつまり枝管51への供給油圧が上昇する。絞り弁53の設定圧以上に達すると、該絞り弁53の可調整リリーフ弁76(図6)またはクラッキング圧可調逆止弁77(図7)が開き、油圧モータ5に作動油を供給する。この作動油は、可調整絞り弁75(図6、図7)で供給量が制限されているため、油圧モータ5が高速回転せずに適度の速度で回転する。
【0061】
破砕機1は、油圧モータ5によって旋回し且つ油圧ショベルとバケットリンク82の操作によって任意の姿勢に制御し、アーム33, 33を開閉作動するとコンクリート塊などを破砕できる。アーム33, 33の全開状態において、必要に応じて制御弁86をアーム開方向に操作し続けると、破砕機1をさらに旋回して位置調整できる。枝管51, 52において、旋回停止時や破砕作業中の捻れ作用などで異常高圧が発生しても、これを衝撃圧バイパス手段54によって吸収解消でき、油圧モータ5を損傷することはない。
【0062】
図2は、図1の油圧回路に加えて、枝管51において開動作遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60を介在させている。開作動遅延遮断手段60は、破砕アーム33, 33が全開となった後に、若干遅れて油圧モータ5へ作動油を供給し、リリーフ機能付き絞り弁53と油圧モータ5との間の枝管51に取り付ける。
【0063】
開作動遅延遮断手段60は、遮断と通過の2位置を持つ切換弁70を有し、該切換弁のスプール61の一端面にバネ62を、且つ他端面にパイロット油室66を備える押圧手段65をそれぞれ配置する。スプール61は、通常、バネ62によって遮断位置に付勢されている。押圧手段65は、パイロット油室66となるシリンダと、このシリンダ内に摺動可能に収納するピストン64と、該ピストンをパイロット油室66内の油排出方向へ付勢するバネ63によって構成する。パイロット油室66内が無圧であると、バネ63によってピストン64を図2の上方へ押し、該ピストンの端面がスプール61の端面と適宜のギャップを有する位置にある。
【0064】
開作動遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60には、絞り弁68を介して切換弁70の入口ポートをパイロット油室66と接続する連通路を設ける。また、パイロット油の戻り通路として、逆止弁67を介してパイロット油室66を絞り弁53の上流側と接続している。
【0065】
図2の油圧回路において、リリーフ機能付き絞り弁53が開き、作動油が切換弁70に供給されると同時に、絞り弁68を経てパイロット油室66にパイロット油を送給し、ピストン64を図の下方へ移動する。ピストン64は、下方移動によってスプール61の端面とのギャップがゼロになり、この移動時間が経過した後にスプール61を押す。スプール61が移動すると切換弁70が開き、これによって作動油が切換弁70を経て油圧モータ5に送られ、該油圧モータ5が回転して破砕機1の破砕アーム33, 33を旋回する。
【0066】
開作動遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60に関して、パイロット油室66の内容積を大きくし、ピストン64とスプール61とのギャップもいっそう大きくし、あるいは絞り弁68をいっそう細くすると、切換弁70の開く時間をより遅らせることができる。この結果、破砕アーム33, 33の全開から旋回開始までの時間を適宜に調整でき、破砕作業と旋回動作の個別制御が容易になって作業性を改善できる。
たとえばパイロット油室66の内容積を50cc以上、より好ましくは100cc以上とすることにより、破砕アーム33, 33の全開から旋回開始までに適当な時間を確保することができる。
【0067】
図3は、開作動遅延遮断手段(従来技術の遅延手段)60を有する図2の油圧回路について、前記の手段54と異なる衝撃圧バイパス手段54aを設置する。衝撃圧バイパス手段54aは、油圧モータ5のポートMbに接続する枝管51と、ポートMaに接続する枝管52とを2管路でバイパス接続している。一方の油路107(バイパス流路A)には、ともに枝管51または52から油が流入できる対向の逆止弁58, 58が介在し、他方の油路108(バイパス流路B)には、ともに油が枝管51または52へ流出できる対向の逆止弁48,48が介在する。逆止弁58,58間と逆止弁48,48間とには、逆止弁58から48への可調整リリーフ弁56が介在する連通路を接続する。
【0068】
衝撃圧バイパス手段54aにより、ポートMa,Mbのいずれかに衝撃圧または高圧が作用すると、枝管51または52のいずれでも、作動油が逆止弁58, リリーフ弁56および逆止弁48を通って他方の枝管の方へ流れる。この結果、発生した衝撃圧または高圧を反対側のポートに逃がすことができる。
【0069】
図4は、図1の油圧回路に加えて、前記した図2とは異なる形式の開作動遅延遮断手段(本発明の遅延手段)100を採用したものである。
開作動遅延遮断手段100は無負荷又は少なくとも油圧モータ5よりも負荷が軽いシリンダーである。開作動遅延遮断手段100は油圧モータ5に対して並列に接続されている。
本実施例では、シリンダーは、ボア径が60mmであってストロークが50mm程度のものが採用されている。すなわちシリンダーは、その容積が50cc以上、好ましくは100cc以上のものが採用される。そして本実施例では、上記した様にボア径が60mmであってストロークが50mm程度であり、その容積は、140cc程度である。
【0070】
図4に示す実施例においても、油圧モータ5のポートMa, Mbは、ブラケット内管路89a, 89bから分岐する枝管51,52に接続する。枝管51は、開閉用油圧シリンダ36のピストンロッド側の管路89aに接続し、リリーフ弁110と絞り弁111が介在する。ただし本実施例では、リリーフ弁110と絞り弁111の双方にバイパスが設けられ、逆止弁115,116が介在されている。逆止弁は、いずれもリリーフ弁110と絞り弁111の出側から入り側に向かう流れを許容する方向に取り付けられている。
リリーフ弁110のパイロット油室は管路52介してシリンダヘッド側の管路89bに接続されている。当該接続流路114は、リリーフ弁110のパイロット油室内の作動油を排出するための流路である。
【0071】
そして絞り弁111の下流側が再度枝分けされ、一方が逆止弁120を経て油圧モータ5のポートMbに接続され、他方がシリンダーのA室(流体キャビティ)側の管路に接続されている。
一方、シリンダーの他方のB室側の管路は、アーム開閉用の油圧シリンダ36のシリンダヘッド側の管路89bに直接的に接続されている。
【0072】
油圧モータ5のポートMaは、逆止弁付きリリーフ弁121及び逆止弁122を有する管路52介してシリンダヘッド側の管路89bに接続されている。ここで逆止弁122は、油圧モータ5側への油の流れを阻止するものである。ただし本実施例では、逆止弁122は、所定の圧力以下では開かない。リリーフ弁121は一定の圧力を越えると油圧モータ5からシリンダヘッド側の管路89bに向かう流れを許容するものである。またリリーフ弁121をバイパスして設けられた逆止弁125は、油圧モータ5側への作動油の流れを許容する方向に取り付けられている。
【0073】
油圧モータ5のポートMaに接続された前記逆止弁付きリリーフ弁121のパイロット圧は、図4の様に当該リリーフ弁121の入り口側(直前部分)と、油圧モータ5の上流側の双方から取り出されている。すなわち本実施例では、リリーフ弁121のパイロット油室は、パイロット流路113を介して枝管51の絞り弁111の下流側に接続されている。
【0074】
本実施例では、開作動遅延遮断手段100のシリンダーの他方B室側の管路は、アーム開閉用の油圧シリンダ36のシリンダヘッド側の管路89bに直接的に接続されているから、アーム開閉用の油圧シリンダ36のシリンダヘッド側が高圧になると、開作動遅延遮断手段100のシリンダーの一方の油室Bに作動油が溜まる。
これに対して他方の油室(A室)に接続されている配管には、リリーフ弁110が介在されているから、通常の粉砕作業時において、開閉アームを開いても他方の油室(A)に作動油は流れない。さらに油室Bに作動油が流入すると、油室A内の作動油は、逆止弁116,115を経て管路89a側に抜ける。そのため開作動遅延遮断手段100のシリンダーは、常時一方の油室(B)にだけ作動油が存在し、他方は空の状態で待機している。
したがって本実施例では、開閉アームを閉じると、常に開作動遅延遮断手段100のシリンダーの一方の油室(B室)に作動油が溜まることとなる。
【0075】
そして先の実施例と同様に、破砕アーム33, 33の全開状態において、さらに制御弁86の操作ペダルをアーム開方向に踏み続け、シリンダ36へ作動油を供給し続けると、枝管51への供給油圧が上昇し、リリーフ弁110が開く。そして絞り弁111を介して作動油が枝管51に流れ込む。そして作動油は、開作動遅延遮断手段100のシリンダーの油室Aに優先的に流れ込む。すなわち油圧モータ5には常時負荷が掛かっているのに対して開作動遅延遮断手段100のシリンダーは無負荷であるから、作動油は先に開作動遅延遮断手段100のシリンダーに流れる。そして一方の油室(A)に作動油が満たされた後に、油圧モータ5側に作動油が流れる。なお油室(A)に作動油が満たされると、絞り弁111とシリンダーの間の圧力が上昇し、パイロット流路113からリリーフ弁121のパイロット油室に作動油が流れ、リリーフ弁121が開くので、油圧モータ5の排出側の流路が確保される。その結果、油圧モータ5に作動油が流れ、油圧モータ5が回転して破砕アーム33, 33が旋回する。
すなわち破砕アーム33, 33の全開状態において、さらに制御弁86の操作ペダルをアーム開方向に踏み続けると、シリンダーの油室Aに作動油が流れ込む時間の経過後に油圧モータ5が回転して破砕アーム33, 33が旋回する。
そのため破砕アーム33, 33の全開から旋回開始までの時間を適宜に調整でき、破砕作業と旋回動作の個別制御が容易になって作業性を改善できる。
【0076】
なお図4の実施例においては、リリーフ弁121のパイロット圧を直前の位置と油圧モータ5の上流側の双方から導いた。本実施例においてパイロット圧油圧モータ5の上流側の双方から導いた理由は、リリーフ弁121の反応を早めるためであり、パイロット圧を直前の位置からもパイロット圧を導いたのは、突発にな衝撃圧がかかった時に、リリーフ弁121を開いて当該圧力を逃がすためである。
【0077】
本実施例で開示した油圧回路は、従来の破砕機用配管設備から、油圧ショベルに取り付けるアーム旋回用の往復管路とドレン管路である油圧配管3本を省略でき、さらに旋回用制御弁、旋回操作ペダル、旋回用制御油圧系統および配管先端を破砕機に接続する旋回用ホースが不要となり、配管コストが大幅に低減する。この油圧回路を用いると、破砕機を油圧ショベルに着脱する際に、接続ホースの取り付け・取り外しが2本だけとなり、取付作業の時間を短縮できる。
【0078】
本発明の破砕機の油圧回路は、作業台車において、アーム開閉用ペダルやレバーの操作だけで破砕アームの開閉と旋回作動を操作できる。このため、破砕アームの旋回時に操作ペダルの踏み替えが不要となり、運転者の負担を軽減できる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によると、自動旋回可能な破砕機に関する諸問題が解決され、アーム開閉用の油圧シリンダへ送る作動油の圧力により、旋回用油圧モータが自動回転される。また本発明では、旋回用油圧モータを自動旋回させる際に、時間的な余裕を与え、操作性が向上される。
また本発明によると、旋回専用の配管系統を省略して配管工事費などが節減され、油圧ショベルへの破砕機の着脱を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。
【図2】 他の従来技術の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。
【図3】 さらに他の従来技術の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。
【図4】 本発明の実施例の破砕機の油圧回路及びその関連部材を示す系統図である。
【図5】 本発明及び従来技術の破砕機の正面図である。
。
【図6】 リリーフ機能付き絞り弁を示す回路図である。
【図7】 リリーフ機能付き絞り弁の他の構成要素を示す回路図である。
【符号の説明】
1 破砕機
5 旋回用油圧モータ
16a,16b 可調整リリーフ弁
36 油圧シリンダ
51 枝管
52 枝管
54,54a 衝撃圧パイパス手段
56,56a 可調整リリーフ弁
61 スプール
62 バネ
66 パイロット油室(流体キャビティ)
68 絞り弁
75 可調整絞り弁
76 可調整リリーフ弁
77 クラッキング圧可調整の逆止弁
100 開作動遅延遮断手段(遅延手段)
103 バイパス流路
104 抵抗手段
110 リリーフ弁
111 絞り弁
120 逆止弁
125 逆止弁
Claims (8)
- 自走式作業台車のアームに装着され、開閉用油圧アクチェータによって開閉される破砕アームと、旋回用油圧モータによって旋回される旋回機構を具備する破砕機において、開閉用油圧アクチェータに連通する往復の油圧流路を有し、開閉用油圧アクチェータに連通する一方の油圧流路であって破砕アームが開又は閉状態となる際に作動油の供給側となる側から分岐されて旋回用油圧モータに接続される分岐流路を有し、前記分岐流路には、常時は閉鎖され所定圧力以上に達したときに連通する閉止・連通手段が介在され、さらに遅延手段が設けられ、前記遅延手段はピストンロッドを持った容量が50cc以上の独立した油圧シリンダーであり、油圧シリンダーの一方の油室は、前記分岐流路に接続され、油圧シリンダーの他方の油室は、開閉用油圧アクチェータに連通する他方の油圧流路に接続され、油圧シリンダーは常時一方の油室が空で待機し他方の油室にだけ作動油が存在し、破砕アームが開又は閉状態であって開閉用油圧アクチェータにかかる圧力が所定圧力以上に達しさらに遅延時間の経過後に旋回用油圧モータに作動油が供給されて旋回用油圧モータが作動することを特徴とする破砕機。
- 閉止・連通手段にはバイパスが設けられ、バイパスには逆止弁が介在されており、前記逆止弁は閉止・連通手段の出側から入り側に向かう流れを許容するものであり、油圧シリンダーの他方の油室は、開閉用油圧アクチェータに連通する他方の油圧流路に直接的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の破砕機。
- 開閉用油圧アクチェータに連通する往復の油圧流路のそれぞれから分岐されて旋回用油圧モータに接続される分岐流路を備え、さらに破砕アームが開状態となる際に供給側となる部位から分岐される分岐流路には、前記閉止・連通手段と前記遅延手段が設けられ、他方の分岐流路には旋回用油圧モータ側への作動油の流れを阻止する逆流阻止手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の破砕機。
- 他方の分岐流路にはパイロットリリーフ弁を有し、前記逆流阻止手段は前記パイロットリリーフ弁をバイパスする流路に設けられ、前記パイロットリリーフ弁は、そのパイロット圧を前記パイロットリリーフ弁の直前と、旋回用油圧モータの上流側の双方から導いていることを特徴とする請求項3に記載の破砕機。
- 閉止・連通手段は、リリーフ弁と絞り弁によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の破砕機。
- リリーフ弁は作動圧力の調節が可能であることを特徴とする請求項5に記載の破砕機。
- 旋回用油圧モータに衝撃圧バイパス手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の破砕機。
- 油圧シリンダーは旋回用油圧モータよりも低い圧力で動作することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の破砕機。
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