JP4149143B2 - 移動通信システムのシグナリング通信方法 - Google Patents

移動通信システムのシグナリング通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動体通信システムのシグナリング通信方法に係わり、特に、音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動体通信システムのシグナリング通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動無線通信システムは図19に示すように、通信網NWに多数の基地局制御装置(BSC:Base Station Controller)が接続され、各基地局制御装置BSCには複数の基地局装置(BTS:Base Station Transceiver Subsystem)が接続されている。各基地局はそれぞれを中心とする無線ゾーン(セル)内の移動端末(MS:Mobile Station)と双方向に無線通信が可能である。移動端末MSと基地局制御装置BSC間では可変レートの音声コーデックにより圧縮された音声データとシグナリングデータ(ハンドオフ指示や、発着呼時のセットアップ指示等のデータ)を多重して双方向に伝送するようになっている。このため、各移動端末MS-A,MS-Bと各基地局制御装置BSC-A,BSC-Bには、音声データを可変の圧縮レートで符号化すると共に符号化された圧縮データを音声データに復元するボコーダ(VCD:Vocoder)が設けられている。又、基地局制御装置BSC-A,BSC-Bには呼処理部CLPが設けられ、呼処理制御、ハンドオフ制御等を行うようになっている。
【0003】
移動端末MS-Aと網に接続された固定端末(図示せず)間で通信する場合、移動端末MS-AのボコーダVCDは音声データを符号化してデータ量を圧縮し、該圧縮データをフレーム化して基地局装置BTS-Aを介して基地局制御装置BSC-Aへ送る。基地局制御装置BSC-AのボコーダVCDは、移動端末より送られてきた符号化圧縮データを8ビットのPCM音声データに復元して通信網NWに送出し、固定端末に送る。又、固定端末からのPCM音声データが通信網NWより基地局制御装置BSC-Aに入力すると、基地局制御装置BSC-AのボコーダVCDは該PCM音声データを符号化して圧縮し、該圧縮データをフレーム化して基地局装置BTS-Aを介して移動端末MS-Aに送信する。移動端末MS-Aは入力した圧縮データを元の音声データに復元して出力する。
【0004】
又、移動端末MS-A,MS-B同士で通信する場合、音声送信側の移動端末MS-AのボコーダVCDは音声データを符号化してデータ量を圧縮し、該圧縮データをフレーム化して基地局装置BTS-Aを介して基地局制御装置BSC-Aへ送る。基地局制御装置BSC-AのボコーダVCDは、移動端末より送られてきた符号化データを8ビットのPCM音声データに復元して通信網NWに送出し、通信網は該PCM音声データを受信側の基地局制御装置BSC-Bに伝送する。基地局制御装置BSC-BのボコーダVCDは該PCM音声データを符号化して圧縮し、該圧縮データをフレーム化して基地局装置BTS-Bを介して移動端末MS-Bに送信する。移動端末MS-Bは入力した圧縮データを元の音声データに復元して出力する。
呼処理制御時及びハンドオフ制御時などにおいて、移動端末MS-A,MS-Bと基地局制御装置BSC-A,BSC-Bの間でシグナリングデータの送受が必要になり、該シグナリングデータは圧縮データを運ぶ固定長フレームに多重されて伝送される。1フレームは8K QCELPの場合、172ビット長を有し、20msc周期で伝送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
移動無線通信システムにおいて移動端末MS-A,MS−Bと基地局制御装置BSC-A,BSC-Bの間では、前述のようにように固定長のフレーム内に音声データとシグナリングデータを多重して転送する。このため、ハンドオフ時などにおいて基地局制御装置BSC-A,BSC-Bから移動端末MS-A,MS-Bへシグナリングデータを送信しようとするとき、基地局制御装置BSC-A,BSC-Bで音声データの圧縮レートをフルレートから1/2レート以下に落とし、これにより空いた1/2レート分のスペース部分にシグナリングデータを多重して転送する。図20(a)はフルレートで音声データを転送する場合のフレーム例であり、シグナリングデータは含まれていない。図20(b)は圧縮レートを1/2レートにし、空きスペースにシグナリングデータを多重したフレーム例である。尚、圧縮レートが大きいほど高精度に音声データを復元できるが符号化ビット数が多くなり、また、小さくなると復元される音声の精度が低下するが符号ビット数を少なくできる。
【0006】
一方、エア区間でコーデックを使って音声圧縮して転送する移動体通信システムでは、移動端末MS-A,移動端末MS-B間で通話するときは、前述のように移動端末MS-Aからエンコードして送信された圧縮音声データを基地局制御装置BSC-Aでデコードし、64KbpsのPCM音声データとして公衆電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)に送信し、そのPCM音声データが相手側の基地局制御装置BSC−Bで再びエンコードされて移動端末MS-Bで再デコードすることになる。このため、コーデック処理が2回行われることになり、移動端末−固定端末間の通信比べて音声品質が劣化する問題がある。
【0007】
かかる音声品質の劣化を防止するために、基地局制御装置BSC-A,BSC-Bでエンコード/デコード処理を行わずに移動端末でエンコードした圧縮音声データをそのままPCM回線上で転送する方式(ボコーダバイパス方式)が考えられている。図21はボコーダバイパス方式の説明図であり、移動端末MS-Aと移動端末MS-B間で通話するとき、音声送信側の移動端末MS-Aのボコーダで符号化した圧縮音声データは基地局制御装置BSC-AのボコーダでPCM音声データに変換されずに、そのまま通信網NWを介して相手基地局制御装置BSC-Bに送られる。基地局制御装置BSC-Bは、送信側基地局制御装置BSC-Aから通信網NWを介して受信した圧縮音声データをバイパスして移動端末MS-Bに伝送する。移動端末MS-Bから移動端末MS-Aへ音声を送信する場合も同じである。
【0008】
基地局制御装置BSC-A,BSC-Bでボコーダバイパスを行うことにより、移動端末MS-A,MS-Bでエンコードした圧縮音声データをそのまま対向の移動端末に転送し、対向の移動端末でデコードするため、エンコード/デコード処理が1回で済み、音質が格段によくなる。しかし、ボコーダバイパス方式では移動端末MS-A、MS-Bの音声送信時のレートに縛られてしまい、基地局制御装置BSC-A,BSC-B 内のボコーダでのレート制御ができない。このため、シグナリング送信時に基地局制御装置BSC-A,BSC-Bにおけるボコーダの圧縮レートを制御する従来の移動体通信システムでは、ボコーダバイパス方式を採用するとレート制御ができず、シグナリングを送信できない問題が発生する。
以上から、本発明の目的はボコーダバイパスにより音声品質の向上を可能にすると共に、ハンドオフ時などにおけるシグナリング送信を可能にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、シグナリングデータの送信が必要になったときだけ、一時的にボコーダバイパスを中断し、送信側の網側装置(たとえば送信側基地局制御装置)BSC-Aのボコーダで復元したPCM音声データを受信側の網側装置(たとえば受信側基地局制御装置)BSC-Bに送信する。受信側基地局制御装置BSC-BのボコーダはPCM音声データを1/2レート以下の圧縮レートで符号化してトラヒックフレームにシグナリングデータを多重するスペースを確保し、該スペースにシグナリングデータを多重して送信する。
【0011】
ボコーダバイパスを実現するためにTFO(Tandem free operation)技術(3GPP2A.S0004-0)が提案されている。このTFO技術は、PCM音声データの8ビットのうち下位2ビットをボコーダバイパス通信のために、すなわち、圧縮データを送信するために使用するものである。そこで、第2の発明は、網側装置(たとえば基地局制御装置)BSC-A,BSC-B間のPCM回線8ビットのうち2ビットはボコーダバイパスに使用し、残りの6ビットは送信側の基地局制御装置BSC-Aのボコーダでデコードして得られたPCM音声データを送信するために使用する。受信側の基地局制御装置BSC-Bは、(1)ボコーダバイパス通信中は、下位2ビットのTFOフレームデータを用いてボコーダバイパスを実現し、(2)シグナリングデータの送信が必要になったとき、6ビットのPCM音声データを1/2レート以下の圧縮レートでエンコードし、これにより、トラヒックフレームにシグナリングデータを多重するスペースを確保し、該スペースにシグナリングデータを多重して送信する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施例
図1は第1実施例の概略説明図であり、NWは公衆電話網などの通信網、BSC-A,BSC-Bは基地局制御装置、MS-A,MS-Bは移動端末、VCDは移動端末、基地局制御装置に設けられたボコーダ、MUXは音声データにシグナリングデータを多重するシグナリング多重部であり、基地局装置BTS-A,BTS-Bの図示は省略している。
【0015】
音声送信側の移動端末MS-AのボコーダVCDは、周期的に、例えばnフレーム毎に圧縮レートを1/2レートに落として音声データを符号化して基地局制御装置BSC-Aに送信し、基地局制御装置BSC-Aは移動端末MS-Aから入力する圧縮データをボコーダバイパスして通信網NWを介して受信側基地局制御装置BSC-Bに送信する。これにより、受信側基地局制御装置BSC-Bが受信側移動端末MS-Bへ音声データを送信するためのトラヒックフレームに定期的にシグナリングデータを多重するためのスペースを確保する。そして、シグナリングデータを送信する必要が生じたとき、該トラヒックフレームのスペースにシグナリングデータSNを多重して送信する。
【0016】
図2は移動端末MS-Aの上り方向における音声処理ブロック図である。
移動端末MS-Aでエンコードした圧縮音声データは基地局制御装置BSC-AのボコーダVCDでバイパスされ、そのまま受信側基地局制御装置BSC-Bに送信されるが、そこでもバイパスされて移動端末MS-Bへ送信される。
移動端末MS-Aは図2に示すように送信レート制御用のカウンタ11を有している。マイク12から入力された音声はAD変換器13で64Kのディジタル信号(PCM音声データ)変換されてボコーダを構成するエンコーダ14に送信される。エンコーダ14は、外部からの制御信号が無い状態では、入力データに応じて最適なレートでエンコードする。例えば、入力音声の無音状態が続くなど、音声変化が少ない場合は、圧縮レートを下げる。又、エンコーダはエンコードしたときの圧縮レートをカウンタ11に通知する
【0017】
カウンタ11はエンコーダ14からの通知を受けて、それがフルレートであればカウントアップし、1/2レート以下であればカウンタ値をクリアする。以後、フルレートによるエンコードが連続してカウンタ値がnになると、カウンタ11はその旨をエンコーダ14に通知し、エンコーダ14は該通知を受けると次の送信フレームの音声データの圧縮レートを強制的に1/2レートにして送信する。これにより、最低でもnフレームに1回は1/2レート以下のフレームが移動端末MS-Aのエンコーダ14から出力されることになる。
エンコーダ14から出力された固定長のフレームは、多重部15で必要に応じてシグナリングデータを多重され、無線部16を経由して無線信号として受信側基地局装置BTS-Bに送信される。
【0018】
この移動端末MS-Aから送信されたフレームは、送信側基地局制御装置BSC-A(図1参照)のボコーダVCDをバイパスされ、そのまま受信側基地局制御装置BSC-Bに送信される。受信側基地局制御装置BSC-Bは、移動端末MS-B向けにシグナリングデータを送信する場合、最低でもnフレーム待てば、1/2レート以下のトラヒックデータが基地局制御装置BSC-Aから届くので、それを待って、そのフレームの空き部分にシグナリングデータを多重して移動端末MS-Bに送信する。
【0019】
図3は移動端末と基地局制御装置間で送受するトラヒックフレームの構成図で、8K QCELPの場合であり、1フレームは172ビット長を有し、20msec毎に送信される。先頭の第1ビットはMixed Mode(MMモード)を示すもので、0はエンコードデータ(圧縮音声データ)のみのフレームであることを示し、1はエンコード/シグナリングデータ混在のフレームであることを示す。又、第2ビットはTraffic Type Mode(TTモード)を示し、0はシグナリングデータが多重されていることを、1はセカンダリが多重されていることを示す。第3〜第4ビットはTraffic Mode(TMモード)を示し、00はエンコードデータ/シグナリングデータが80/88ビット、01は10/128ビット、10は16/152ビット、11は0/168ビットであることを示す。
1/2レートのエンコードデータのフレームには、2つの80ビットエンコードデータが冗長に挿入され、シグナリングデータを送信する場合に80ビットエンコードデータと88ビットのシグナリングデータが多重される。1/4,1/8レートのフレームも同様である。
【0020】
図4はボコーダバイパスをTFO技術を用いて実現する場合の第1実施例における基地局制御装置BSC-Bの構成図であり、基地局制御装置BSC-Aも同一の構成を有している。図中、21は基地局装置BTS-Bとのインターフェース処理をつかさどるBTS IF処理部、22は移動端末より入力する圧縮データをPCM音声データに復元して出力すると共に、網より入力するPCM音声データを符号化して出力するボコーダであり、エンコーダ22a、デコーダ22bを有している。
【0021】
23は移動端末より入力する圧縮された音声データを用いてTFOフレームを組み立てるTFOフレーム組み立て部である。TFOフレームは図5に示すように、8ビットPCM音声データの下位2ビットにTFOフレームデータをマッピングすることにより作成され。TFOの1フレーム長は160オクテット(20ms)であり、2×160ビットで構成されている。TFOフレームデータのD1〜D9はレート識別情報(パケットタイプ)であり、フルレート、1/2レート、1/4レート、1/8レートの別を示す。フルレートの場合、データビットD10〜D192のすべてが符号化データを表現するために使用される。又、(1)1/2レートの場合は、データビットD10〜D92が使用され、残りのデータビットD93〜D192は使用されず、(2)1/4レートの場合、データビットD10〜D52が使用され、残りのデータビットD53〜D192は使用されず、(3)1/8レートの場合、データビットD10〜D28が使用され、残りのデータビットD29〜D192は使用されない。すなわち、圧縮レートが小さくなるにつれて、送信すべきデータ量は少なくなり、シグナリングデータを多重できるようになる。
【0022】
24は呼処理制御、ハンドオフ制御などを行う呼制御部、25はシグナリングデータ分離部であり、移動端末MS-Bより基地局装置BTS-Bを介して入力するトラヒックフレームより圧縮音声データとシグナリングデータを分離し、圧縮音声データをボコーダ22のデコーダ22bとTFOフレーム組み立て部23に入力し、シグナリングデータを呼制御部25に入力する。26は多重部であり、(1)移動端末同士の通信(ボコーダバイパス通信)に際して、TFOフレーム組み立て部23で組み立てられたTFOフレームを選択して網に送出し、(2)移動端末MS-固定端末同士の通信に際して、ボコーダ22のデコーダ22bで復元された8ビットPCM音声データを選択して網に送出する。
【0023】
27は網より入力するPCM音声データを分解し、その下位2ビットのTFOフレームデータを集めて圧縮データを作成して出力するTFOフレーム分解部、28はTFOフレームデータのレート識別情報(D1〜D9)を参照して圧縮レートを識別するレート識別部、29は選択部であり、(1)移動端末同士の通信(ボコーダバイパス通信)に際して、TFOフレーム分解部27で作成された圧縮データを選択し、(2)移動端末MS-固定端末同士の通信に際して、ボコーダ22のエンコーダ22aで符号化された圧縮データを選択する。30はシグナリングデータ多重部であり、(1)呼制御部24より移動端末に送出すべきシグナリングデータが存在し、かつ、TFOフレームで受信した音声データの圧縮レートが1/2レート以下のとき、選択部29から出力する圧縮データにシグナデータを多重して移動端末側に送出し、(2)それ以外のときには選択部29から出力する圧縮データのみを選択して移動端末側に送出する。
【0024】
移動端末同士の通信(ボコーダバイパス通信)において、送信側の基地局制御装置BSC-Aは移動端末MS-Aから基地局装置BTS-Aを介して入力する音声圧縮データを用いてTFOフレーム組み立て部23においてTFOフレームを組み立て、網を介して受信側の基地局制御装置BSC-Bに送信する。受信側基地局制御装置BSC-BはTFOフレーム分解部27においてTFOフレームデータを分解し、得られた圧縮データを移動端末側に送信する。
かかる状態において、呼制御部24より移動端末に送信すべきシグナリングデータが発生すると、レート制御部28は圧縮レートが1/2以下になったか監視し、圧縮レートが1/2以下になれば、シグナリングデータ多重部30に通知する。圧縮レートが1/2以下になったことにより、トラヒックフレームに空きが生じるからシグナリングデータ多重部30は該空きに呼制御部24から入力するシグナリングデータを多重して移動端末に送信する。
以上では、基地局制御装置BSCにボコーダを設けた場合であるが基地局装置BTSに設けることもできる。以下の実施例においても同様である。
【0025】
(B)第2実施例
第2実施例は、ボコーダバイパス通信中に、受信側の基地局制御装置BSC-Bより受信側移動端末MS-Bにシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、(1) 受信側の基地局制御装置MSC-Bは送信側基地局装置MSC-Aに対してボコーダバイパス通信を停止し、代わりにボコーダから出力するPCM音声データを送信するよう要求し、(2)該指示により送信側の基地局制御装置MSC-Aはボコーダより出力するPCM音声データを送信し、(3)受信側の基地局制御装置BSC-Bのボコーダは、送信側基地局装置より受信したPCM音声データを圧縮レートを落としてエンコードし、(4)エンコードにより得られた圧縮データを運ぶトラヒックフレームの空きスペースにシグナリングデータを多重して送信する。
【0026】
図6は第2実施例の移動無線通信システムの構成図であり、2つの基地局制御装置BTS-A,BTS-Bが示されている。図では基地局制御装置BSC-Aから基地局制御装置BTS-Bに音声データを送信する場合の構成が示されており、基地局制御装置BTS-A,BTS-Bは異なる構成になっているが、実際には基地局制御装置BTS-A,BTS-Bは同一の構成を有している。又、基地局制御装置BTS-A,BTS-Bにおいて図4の第1実施例の基地局制御装置と同一部分には同一符号を付している。
【0027】
受信側基地局制御装置BSC-Bにおいて、図4の第1実施例と異なる点は、
(1)制御部24は、シグナリングデータを送信する必要が発生したとき、TFOフレーム組み立て部23にC1ビット="1"のTFOフレームを送信側基地局制御装置BSC-Aに送信するよう要求し、かつ、多重部26にTFOフレーム組み立て部23の出力を選択するよう指示する点、
(2)送信側基地局制御装置BSC-Aから8ビットPCM音声データが送信されたことを、TFOフレームの同期外れにより検出するTFO同期外れ検出部32が設けられている点、
(3)TFOフレームの同期外れ検出により、ボコーダ22のエンコーダ22aは送信側基地局制御装置BSC-Aより送られてくるPCM音声データを1/2レートで圧縮符号化する点、
(4) 同期外れ検出により、選択部29がエンコーダ22aの出力を選択する点、 (5)シグナリング多重部30は1/2レートで圧縮した音声データにシグナデータを多重して送出する点である。
【0028】
また、送信が基地局制御装置BSC-Aにおいて、異なる点は、
(1)受信側の基地局制御装置BSC-Bより送信されてくるTFOフレームのC1ビットが“1”であることを検出するC1検出部31が設けられている点、
(2) C1="1"が検出されたとき、多重部26を制御してボコーダ22のデコーダ22bから出力するフルビットのPCM音声データを選択、出力させる点である。
【0029】
図7は第2実施例の制御処理フローである。
移動端末MS-Aのボコーダでエンコードされた圧縮データは送信側の基地局制御装置BSC-Aのデコーダ22bでデコードされ8ビットPCM音声データに復元される。又、並行して移動端末MS-Aのボコーダでエンコードされた圧縮データはそのままにTFOフレーム組み立て部23入力され、ここでTFOフレームデータが作成される。ボコーダバイパス通信時、多重部26は、デコーダ22bでデコードされた8ビットPCM音声データの下位2ビットにTFOフレーム組み立て部23から出力するTFOフレームデータを上書きして受信側基地局制御装置BSC-Bへ送信する(ステップ101)。すなわち、8ビットPCMデータの上位6ビットは音声データ、下位2ビットはTFOフレームデータとなる。以後、送信側基地局制御装置BSC-Aは受信側基地局制御装置BSC-BよりC1="1"のTFOフレームデータを受信するまでステップ101のボコーダバイパス通信処理を継続する(ステップ102)。
【0030】
一方、受信側の基地局制御装置BSC-Bは、送信側基地局制御装置BSC-Aからのデータを受信し、エンコーダ22aで8ビット全てのエンコード処理を行うとともに、TFOフレーム分解部27においてPCMデータの下位2ビットを抽出し、そこからバイパスされてきた圧縮音声データを抽出する。ボコーダバイパス時、選択部29はTFOフレーム分解部27から出力する圧縮データを選択して基地局装置BTS-Bを介して移動端末MS-Bに送出する(ステップ201)。ついで、シグナリングデータを送信する必要が発生したか調べ(ステップ202)、シグナリングデータを発生する必要が無ければステップ201の処理を繰り返す。
【0031】
かかる状況において、基地局制御装置BSC-Bから移動端末MS-Bへシグナリングデータを送信する必要が発生すれば、呼制御部24はTFOフレーム組み立て部23にC1="1"のTFOフレームを送信側基地局制御装置BSC-Aに送信するよう指示する。これにより、TFOフレーム組み立て部23はC1="1"にし、多重部26は該TFOフレームデータを送信側の基地局制御装置BSC-Aに送信する(ステップ203)。なお、シグナリングデータの送信要求が無い場合は、C1="0"にしてTFOフレームを送信する。又、本来のTFO方式では、C1〜C4の4ビットを使ってコーデックタイプを通知するために使用するが、本実施例では、C2〜C4の3ビットでコーデックタイプを通知するものとする。
【0032】
受信側の基地局制御装置BSC-BはC1="1"のTFOフレーム送信後、送信側基地局制御装置BSC-Aより8ビットPCM音声データが送信されてくるのを待つ。すなわち、TFOフレームの同期が外れるのを待つ(ステップ204)。一方、送信側の基地局制御装置BSC-AはC1="1"のTFOフレームを受信すれば、C1検出部31はC1="1"を検出し、多重部26を制御してデコーダ22bから出力するPCM音声データのみを選択、出力させる。すなわち、8ビットフルに使って移動端末MS-AからのPCM音声データを受信側の基地局制御装置BSC-Bに送信する(ステップ103)。以後、C1="0"になったか調べ(ステップ104)、C1="0"になるまでステップ103の処理を継続する。
【0033】
受信側の基地局制御装置BSC-Bの同期外れ検出部32は、送信側基地局制御装置BSC-AからのTFOフレームの送信が停止したことにより、TFOフレーム同期外れを検出する(ステップ204)。TFO同期外れを検出すれば、すなわち、8ビットPCM音声データを受信すれば、ボコーダ22のエンコーダ22aは受信したPCM音声データを1/2レート以下の圧縮レートでで符号化し(ステップ205)、選択部29はTFOフレーム分解部27から出力する圧縮データよりエンコーダ22aから出力する1/2レートの圧縮データに切り替える(ステップ206)。シグナリング多重部30は、トラヒックフレームの1/2レート分の空きスペースに呼制御部24から入力するシグナリングデータを多重して移動端末MS-Bに送信する(ステップ207)。そして、受信側基地局制御装置BSC-Bの呼制御部24は全シグナリングデータの送信が終了すれば、送信側基地局制御装置BSC-Aへ送信するTFOフレームのC1ビットを"0"に戻す(ステップ208)。
【0034】
C1="0“により、送信側基地局制御装置BSC-Aはボコーダバイパス通信を再開する。すなわち、C1検出部31はC1="0"を検出し、多重部26にボコーダバイパス通信の再開を指示する。これにより、多重部26は、デコーダ22bでデコードされた8ビットPCM音声データの下位2ビットにTFOフレーム組み立て部23から出力するTFOフレームデータを上書きして受信側基地局制御装置BTSCへ送信する(ステップ105)。以後、はじめに戻って以降の処理を繰り返す。
【0035】
(C)第3実施例
第3実施例では、送信側の基地局制御装置BSC-Aは、(1)移動端末MS-Aから入力する圧縮データよりnビット(n=8)のPCM音声データを復元する(図8(a))。又、(2) 基地局制御装置BSC-Aは、該圧縮データを用いてTFOフレームを組み立て、該TFOフレームデータを2ビットづつ区切り(図8(b))、該2ビットのTFOフレームデータを8ビットPCM音声データの下位2ビットにマッピングして(図8(c))、対向の基地局制御装置に送信する。受信側基地局制御装置MSC-Bは、(1)ボコーダバイパス通信中、網より入力するPCM音声データにマッピングされているTFOフレームデータより得られる圧縮データを移動端末MS-Bに送出し、(2)移動端末にシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、TFOフレームデータがマッピングされていない上位6ビットデータをフルレートより低い圧縮レート、例えば1/2レートでエンコードし、得られた圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して送信する。
【0036】
図9は第3実施例の移動無線通信システムの構成図であり、2つの基地局制御装置BTS-A,BTS-Bが示されている。図では基地局制御装置BSC-Aから基地局制御装置BTS-Bに音声データを送信する場合の構成が示されており、基地局制御装置BTS-A,BTS-Bは若干異なる構成になっているが、実際には基地局制御装置BTS-A,BTS-Bは同一の構成を有している。又、基地局制御装置BTS-A,BTS-Bにおいて図4の第1実施例の基地局制御装置と同一部分には同一符号を付している。
送信側の基地局制御装置BSC-Aにおいて、図4の第1実施例と異なる点は、多重部26が常時、デコーダ22bでデコードされ8ビットPCM音声データの下位2ビットにTFOフレーム組み立て部23から出力するTFOフレームデータを上書きして受信側基地局制御装置BSC-Bへ送信する点である。
【0037】
また、受信側の基地局制御装置BSC-Bにおいて異なる点は、移動端末MS-Bへ送信するシグナリングデータが発生したとき、(1)呼制御部24がエンコーダ22aにPCMデータの上位6ビットを用いて1/2レートでエンコードするよう指示する点、(2)選択部29をしてエンコーダ22aより得られる圧縮データを選択出力させる点、(3)シグナリング多重部30はトラヒックフレームにできた1/2レート分のスペースにシグナリングデータをを多重して送信する点、である。
【0038】
図10は第3実施例の処理フローである。
移動端末MS-Aのボコーダでエンコードされた圧縮データは送信側の基地局制御装置BSC-Aのデコーダ22bでデコードされ8ビットPCM音声データに復元される。又、並行して移動端末MS-Aのボコーダでエンコードされた圧縮データはそのままTFOフレーム組み立て部23入力され、ここでTFOフレームデータが作成される。多重部26は常時、デコーダ22bでデコードされ8ビットPCM音声データの下位2ビットにTFOフレーム組み立て部23から出力するTFOフレームデータを上書きして受信側基地局制御装置BSC-Bへ送信する。すなわち、8ビットPCMデータの上位6ビットは音声データ、下位2ビットはTFOフレームデータとなる。一方、受信側の基地局制御装置BSC-Bは、送信側基地局制御装置BSC-Aからのデータを受信し、エンコーダ22aで8ビット全てのエンコード処理を行うとともに、TFOフレーム分解部27においてPCMデータの下位2ビットを抽出し、バイパスされてきた圧縮音声データを抽出する。ボコーダバイパス通信時、選択部29はTFOフレーム分解部27から出力する圧縮データを選択して基地局装置BTS-Bを介して移動端末MS-Bに送出する(ステップ301)。
【0039】
ついで、シグナリングデータを送信する必要が発生したか調べ(ステップ302)、シグナリングデータを発生する必要が無ければステップ301の処理を繰り返す。
かかる状況において、基地局制御装置BSC-Bから移動端末MS-Bへシグナリングデータを送信する必要が発生すれば、呼制御部24はエンコーダ22aにPCMデータの上位6ビットを用いて1/2レートでエンコードするよう指示する。これにより、エンコーダ22aは上位6ビットのPCM音声データを用いて1/2レートでエンコードして選択部29はエンコーダ22aより得られる圧縮データを選択、出力する(ステップ304)。1/2レートのエンコードの結果、トラヒックフレームに1/2レート分のスペースができるので、シグナリング多重部30はこのスペースにシグナリングデータを多重して送信する(ステップ305)。以後、全シグナリングデータの送信が完了すれば、呼制御部24はボコーダバイパス通信を再開するために選択部29を制御し、TFOフレーム分解部27から出力する圧縮データ(TFOフレームデータから得られた圧縮データ)を選択させる(ステップ306)。
【0040】
(D第4実施例
図11は第4実施例の概略説明図であり、NWは公衆電話網などの通信網、BSC-A,BSC-Bは基地局制御装置、MS-A,MS-Bは移動端末、VCDは移動端末、基地局制御装置に設けられたボコーダ、MUXは音声データにシグナリングデータを多重するシグナリング多重部であり、基地局装置BTSの図示は省略している。、
音声送信側の移動端末MS-AのボコーダVCDは、可変レートで音声データを符号化して基地局制御装置BSC-Aに送信し、基地局制御装置BSC-Aは移動端末MS-Aから入力する圧縮データをボコーダバイパスして通信網NWを介して受信側基地局制御装置BSC-Bに送信する。
【0041】
かかるボコーダバイパス通信中に、基地局制御装置BSC-Bより移動端末MS-Bにシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、基地局制御装置DSC-Bは網より受信した圧縮音声データを一定時間間隔あるいは一定フレーム数間隔で廃棄し、代わってシグナリングデータSDをフレーム化して移動端末に送出する。
図12は第4実施例を実現する基地局制御装置BSC-Bの構成図であり、図4の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、(1)レート識別部28が除去されている点、(2)一定時間を計時するタイマー41が設けられている点である。
【0042】
図13は第4実施例の処理フローである。
移動端末MS-AのボコーダVCDでエンコードされた圧縮データは、送信側の基地局制御装置BSC-Aのボコーダをバイパスして受信側基地局制御装置BSC-Bへ送信される。一方、受信側の基地局制御装置BSC-Bは、送信側基地局制御装置BSC-AからPCMデータを受信し、エンコーダ22aで8ビット全てのエンコード処理を行うとともに、TFOフレーム分解部27においてPCMデータの下位2ビットを抽出し、バイパスされてきた圧縮音声データを抽出する。
ボコーダバイパス通信時、選択部29はTFOフレーム分解部27から出力する圧縮データを選択して基地局装置BTS-Bを介して移動端末MS-Bに送出する(ステップ401)。ついで、シグナリングデータを送信する必要が発生したか調べ(ステップ402)、シグナリングデータを発生する必要が無ければステップ401の処理を繰り返す。
【0043】
かかる状況において、基地局制御装置BSC-Bから移動端末MS-Bへシグナリングデータを送信する必要が発生すれば、呼制御部24はシグナリング多重部30に1フレーム期間シグナリングデータのみ選択して出力するよう指示する。この結果、シグナリング多重部は30は1フレーム分のTFOフレームデータによる圧縮データを廃棄し、1フレーム分のシグナリングデータを移動端末側に送出する(ステップ403)。ついで、全シグナリングデータの送信が完了したかチェックし(ステップ404)、全てのシグナリングデータの送信が完了していればステップ401に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0044】
しかし、全てのシグナリングデータの送信が完了していなければ、タイマー41をスタートし経過時間を監視する(ステップ405)。以後、ボコーダバイパス通信を再開し、選択部29はTFOフレーム分解部27から出力する圧縮データを選択して基地局装置BTS-Bを介して移動端末MS-Bに送出する(ステップ406)。これと並行して、経過時間が設定時間を超えたかチェックし(ステップ407)、設定時間を超えていなければステップ406の処理を繰り返し、設定時間を超えていればステップ403の廃棄処理を行ってシグナデータを送信する。以後、全シグナリングデータの送信が完了すればステップ401に戻る。
【0045】
(E)第5実施例
図14は第5実施例の概略説明図であり、NWは公衆電話網などの通信網、BSC-A,BSC-Bは基地局制御装置、MS-A,MS-Bは移動端末、VCDは移動端末、基地局制御装置に設けられたボコーダ、MUXは音声データにシグナリングデータを多重するシグナリング多重部であり、基地局装置BTSの図示は省略している。、
ボコーダバイパス通信時、音声送信側の移動端末MS-AのボコーダVCDは、可変レートで音声データを符号化して基地局制御装置BSC-Aに送信し、基地局制御装置BSC-Aは移動端末MS-Aから入力する圧縮データをボコーダバイパスして通信網NWを介して受信側基地局制御装置BSC-Bに送信する。
【0046】
かかるボコーダバイパス通信中に、基地局制御装置BSC-Bより移動端末MS-Bにシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、基地局制御装置BSC-Bは網より受信した圧縮音声データの圧縮レートを識別し、圧縮レートが小さいとき(例えば、1/2レート以下)、圧縮レートの小さい音声データを運ぶトラヒックフレームにシグナデータSDを多重して移動端末MS-Bに送出する。
【0047】
図15は基地局制御装置の構成図であり、図4の第1実施例とほぼ同一構成を有している。図16は第5実施例の処理フローである。
移動端末MS-AのボコーダVCDでエンコードされた圧縮データは、送信側の基地局制御装置BSC-AのボコーダVCDをバイパスして受信側基地局制御装置BSC-Bへ送信される。受信側の基地局制御装置BSC-Bは、送信側基地局制御装置BSC-AからPCMデータを受信し、PCMデータの下位2ビットのTFOフレームデータよりバイパスされてきた圧縮音声データを抽出する。ボコーダバイパス通信時、基地局制御装置BSC-Bの選択部29はTFOフレーム分解部27から出力する圧縮データを選択して基地局装置BTS-Bを介して移動端末MS-Bに送出する(ステップ501)。ついで、シグナリングデータを送信する必要が発生したか調べ(ステップ502)、シグナリングデータを発生する必要が無ければステップ501の処理を繰り返す。
【0048】
かかる状況において、基地局制御装置BSC-Bから移動端末MS-Bへシグナリングデータを送信する必要が発生すれば、シグナリング多重部30は呼制御部24から入力するシグナリングデータをバッファ30aに蓄積する。又、レート制御部28は圧縮レートが1/2以下になったか監視し(ステップ503)、圧縮レートが1/2以下になれば、シグナリング多重部30に通知する。シグナリング多重部30は圧縮レートが1/2以下になれば、トラヒックフレームに空きが生じるから該空きにシグナリングデータを多重して移動端末に送信する(ステップ504)。ついで、全シグナリングデータの送信が完了したかチェックし(ステップ505)、完了してなければステップ503以降の処理を繰り返し、完了すればステップ501に戻る。
【0049】
(F)第6実施例
第5実施例では圧縮レートが下がったときを検出してフレームの空きスペースにシグナリングデータを多重して送信するが、いくらまっても圧縮レートが下がらない場合があり、かかる場合にはシグナリングデータの送信遅延が大きくなる。第6実施例はシグナリングデータの送信遅延が大きくなるのを防止するものであり、所定時間経過してもシグナリングデータが残存している場合には、強制的に第2〜第4実施例によりシグナリングデータを速やかに送信するものである。
【0050】
図17は第6実施例の構成図であり、図15の第5実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点はタイマー51を設けた点である。図18は第6実施例の処理フローである。
移動端末MS-AのボコーダVCDでエンコードされた圧縮データは、送信側の基地局制御装置BSC-AのボコーダVCDをバイパスして受信側基地局制御装置BSC-Bへ送信される。受信側の基地局制御装置BSC-Bは、送信側基地局制御装置BSC-AからのPCMデータを受信し、PCMデータの下位2ビットのTFOフレームデータよりバイパスされてきた圧縮音声データを抽出する。ボコーダバイパス通信時、基地局制御装置BSC-Bの選択部29はTFOフレーム分解部27から出力する圧縮データを選択して基地局装置BTS-Bを介して移動端末MS-Bに送出する(ステップ601)。ついで、シグナリングデータを送信する必要が発生したか調べ(ステップ602)、シグナリングデータを発生する必要が無ければステップ601の処理を繰り返す。
【0051】
かかる状況において、基地局制御装置BSC-Bから移動端末MS-Bへシグナリングデータを送信する必要が発生すれば、呼制御部24はシグナリングデータをシグナリング多重部30のバッファ30aに蓄積する。又、呼制御部24はタイマー51をスタートし計時を開始させる(ステップ603)。ついで、経過時間が設定時間を超えたかチェックし(ステップ604)、経過してなければ、レート制御部28は圧縮レートが1/2以下になったか監視し(ステップ605)、圧縮レートが1/2以下にならなければ、ステップ601以降の処理を行う。しかし、圧縮レートが1/2レート以下になれば、レート識別部28はシグナリング多重部30に通知する。シグナリング多重部30は圧縮レートが1/2以下になれば、トラヒックフレームに空きが生じるから該空きにシグナリングデータを多重して移動端末MS-Bに送信する(ステップ606)。ついで、全シグナリングデータの送信が完了したかチェックし(ステップ607)、完了してなければステップ601以降の処理を繰り返し、完了すればシグナリングデータを送信処理を終了する。
【0052】
一方、全シグナリングデータを送信する前に経過時間が設定時間を超えれば、ステップ604でYESとなり、強制的に第2〜第4実施例のいずれかの方法によりシグナリングデータを速やかに送信する(ステップ608)。
【0053】
・付記
(付記1) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムのシグナリング通信方法において、
ボコーダバイパス通信中、音声データの送信元移動端末において、周期的に音声データの圧縮レートを低下し、
受信側の網側装置において、受信音声データの圧縮レートが低下したことを検出し、
該圧縮レートが低い音声データのトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して受信側移動端末に送信する、
ことを特徴とする移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0054】
(付記2) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムの移動端末において、
音声データを可変の圧縮レートで符号化して出力すると共に入力された圧縮データを音声データに復元するボコーダ、
周期的にボコーダの前記圧縮レートを低下する圧縮レート制御部、
符号化された圧縮データを所定のトラヒックフレームで網側装置に送信すると共に、網側装置から圧縮音声データ及びまたはシグナリングデータが多重されたトラヒックフレームを受信する送受信部、
を備えたことを特徴とする移動端末。
【0055】
(付記3) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムの網側装置において、
移動端末より入力する圧縮データをPCM音声データに復元して網側に送出すると共に、網より入力するPCM音声データを符号化して移動端末側に送出するボコーダ、
移動端末より入力する圧縮データを用いてTFOフレームを組み立てるTFOフレーム組み立て部、
網から入力するTFOフレームより得られる圧縮データを出力するTFOフレーム分解部、
ボコーダバイパス通信に際して、前記TFOフレーム組み立て部で組み立てられたTFOフレームを網に送出し、又、前記TFOフレーム分解部で得られた圧縮データを移動端末側に送出する手段、
ボコーダバイパス通信時、受信TFOフレームに含まれる圧縮データの圧縮レートを検出し、圧縮レートが低いとき、該圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して移動端末側に送信するシグナリング多重部、
を備えたことを特徴とする網側装置。
【0056】
(付記4) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムのシグナリング通信方法において、
ボコーダバイパス通信中に、受信側の網側装置より受信側移動端末にシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、送信側網側装置にボコーダバイパス通信を停止し、代わりにボコーダから出力するPCM音声データを送信するよう指示し、
受信側の網側装置のボコーダにおいて、送信側網側装置より受信した該PCM音声データを圧縮レートが低いレートでエンコードし、得られた圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して送信する、
ことを特徴とする移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0057】
(付記5) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムの網側装置において、
移動端末より入力する圧縮データをPCM音声データに復元して網側に送出し、網より入力するPCM音声データを可変の圧縮レートで符号化して移動端末側に送出するボコーダ、
移動端末より入力する圧縮データを用いてTFOフレームを組み立てるTFOフレーム組み立て部、
網から入力するTFOフレームより得られる圧縮データを出力するTFOフレーム分解部、
ボコーダバイパス通信に際して、前記TFOフレーム組み立て部で組み立てられたTFOフレームを選択し、非ボコーダバイパス通信に際して、ボコーダから出力するPCM音声データを選択して網に送出する多重手段、
ボコーダバイパス通信に際して、前記TFOフレーム分解部で得られた圧縮データを選択し、非ボコーダバイパス通信に際して、ボコーダから出力する圧縮データを選択して移動端末側に送出する選択手段、
ボコーダバイパス通信中に、シグナリングデータを送信する必要が発生したとき、対向の網側装置にボコーダバイパス通信を停止し、代わりにPCM音声データを送信するよう指示する手段、
前記指示を対向の網側装置より受信したとき、前記多重手段を制御してボコーダから出力するフルビットのPCM音声データを選択、送信させる手段、
対向の網側装置より送信された前記PCM音声データをボコーダをして圧縮レートが低いレートで圧縮させる手段、
得られた圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して送信するシグナリング多重部、
を備えたことを特徴とする網側装置。
【0058】
(付記6) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムのシグナリング通信方法において、
移動端末から入力する圧縮データよりnビットのPCM音声データを復元すると共に、該圧縮データを用いてTFOフレームを組み立て、該TFOフレームデータを前記PCM音声データの下位所定ビットにマッピングして対向の網側装置に送信し
ボコーダバイパス通信中、網より入力するPCM音声データにマッピングされているTFOフレームデータより得られる圧縮データを移動端末に送出し、
移動端末にシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、前記PCM音声データのTFOフレームデータがマッピングされていない上位ビットデータをフルレートより低い圧縮レートでエンコードし、
得られた圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して送信する、
ことを特徴とする移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0059】
(付記7) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムの網側装置において、
移動端末より入力する圧縮データをPCM音声データに復元すると共に、網より入力するPCM音声データを可変の圧縮レートで符号化して出力するボコーダ、
移動端末より入力する圧縮データをPCM音声データの下位所定ビットにマッピングするためにTFOフレームを組み立てるTFOフレーム組み立て部、
ボコーダより得られるフルビットのPCM音声データの下位ビットにTFOフレームデータをマッピングして網に送出する多重部、
網より入力するPCM音声データにマッピングされているTFOフレームデータより得られる圧縮データを出力するTFOフレーム分解部、
ボコーダバイパス通信中にシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、ボコーダをしてTFOフレームデータがマッピングされていないPCM音声データの上位ビットデータをフルレートより低いレートでエンコードさせる制御部、
ボコーダバイパス通信時、前記TFOフレーム分解部より出力する圧縮データを選択し、シグナリングデータ送信時、ボコーダより出力する圧縮データを選択し、この圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して送信する手段、
を備えたことを特徴とする網側装置。
【0060】
(付記8) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムのシグナリング通信方法において、
ボコーダバイパス通信中に、網側装置より移動端末にシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、網より受信した圧縮音声データを一定間隔で廃棄し、
代わってシグナリングデータをフレーム化して移動端末に送出する、
ことを特徴とする移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0061】
(付記9) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムの網側装置において、
移動端末より入力する圧縮データをPCM音声データに復元して網側に送出すると共に、網より入力するPCM音声データを符号化して移動端末側に送出するボコーダ、
移動端末より入力する圧縮データを用いてTFOフレームを組み立てるTFOフレーム組み立て部、
網より入力するTFOフレームを分解して得られる圧縮音声データを出力するTFOフレーム分解部、
ボコーダバイパス通信に際して、前記TFOフレーム組み立て部で組み立てられたTFOフレームを選択して網に送出し、又、前記TFOフレーム分解部で得られた圧縮音声データを選択して移動端末側に送出する手段、
ボコーダバイパス通信中において、移動端末へシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、移動端末への圧縮音声データを一定間隔で廃棄し、代わりにシグナリングデータをフレーム化して移動端末に送出する制御部、
を備えたことを特徴とする網側装置。
【0062】
(付記10) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムのシグナリング通信方法において、
ボコーダバイパス通信中に、網側装置より移動端末へシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、網から受信した圧縮音声データの圧縮レートを識別し、
圧縮レートが低いとき、圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナデータを多重して移動端末に送出する、
ことを特徴とする移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0063】
(付記11) 一定時間以上連続してシグナリングデータの送信ができない場合、ボコーダバイパス通信を停止し、代わりに送信側網側装置よりPCM音声データを受信し、受信側の網側装置のボコーダにおいて該PCM音声データを圧縮レートが低いレートでエンコードし、得られた圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して移動端末側へ送信する、
ことを特徴とする付記10記載の移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0064】
(付記12) 一定時間以上連続してシグナリングデータの送信ができない場合には、網より受信したPCM音声データのTFOフレームに使用されていない上位ビットデータをフルレートより低い圧縮レートでエンコードし、得られた圧縮データを運ぶトラヒックにシグナリングデータを多重して送信する
ことを特徴とする付記10記載の移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0065】
(付記13) 一定時間以上連続してシグナリングデータの送信ができない場合には、網より受信した圧縮音声データを一定間隔で廃棄し、代わってシグナリングデータをフレーム化して移動端末に送出する、
ことを特徴とする付記10記載の移動通信システムのシグナリング通信方法。
【0066】
(付記14) 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムの網側装置において、
移動端末より入力する圧縮データをPCM音声データに復元して網側に送出すると共に、網より入力するPCM音声データを符号化して移動端末側に送出するボコーダ、
移動端末より入力する圧縮データを用いてTFOフレームを組み立てるTFOフレーム組み立て部、
網から入力するTFOフレームより得られる圧縮音声データを出力するTFOフレーム分解部、
ボコーダバイパス通信に際して、前記TFOフレーム組み立て部で組み立てられたTFOフレームを選択して網に送出し、又、前記TFOフレーム分解部で得られた圧縮音声データを選択して移動端末側に送出する手段、
ボコーダバイパス通信中において、移動端末へシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、網から受信した圧縮音声データの圧縮レートが低いとき、該圧縮音声データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して移動端末に送出する制御部、
を備えたことを特徴とする網側装置。
【0067】
【発明の効果】
以上本発明によれば、可変レートコーデックを使用した移動体通信におけるMS-MS間の通話に際してボコーダバイパス通信を行うことができ、また、ボコーダバイパス通信を行う場合であっても、シグナリングデータを送信することができる。この結果、ボコーダバイパス通信により音声品質の向上を可能にでき、しかも、ハンドオフ時等においてシグナリングデータの送信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の概略説明図である。
【図2】第1実施例の移動端末の上り方向における音声処理ブロック図である。
【図3】移動端末と基地局制御装置間で送受するトラヒックフレームの構成図である。
【図4】ボコーダバイパスをTFO技術を用いて実現する場合の第1実施例における基地局制御装置の構成図である。
【図5】 TFOフレーム構成図である。
【図6】第2実施例の移動無線通信システムの構成図である。
【図7】第2実施例の制御処理フローである。
【図8】 PCM音声データの下位2ビットにTFOフレームデータをマッピングした例である。
【図9】第3実施例の移動無線通信システムの構成図である。
【図10】第3実施例の制御処理フローである。
【図11】第4実施例の概略説明図である。
【図12】第4実施例の基地局制御装置の構成図である。
【図13】第4実施例の制御処理フローである。
【図14】第5実施例の概略説明図である。
【図15】第5実施例の基地局制御装置の構成図である。
【図16】第5実施例の制御処理フローである。
【図17】第6実施例の基地局制御装置の構成図である。
【図18】第6実施例の制御処理フローである。
【図19】移動無線通信システムの構成図である。
【図20】 MS-BSC間で転送されるフレーム例である。
【図21】ボコーダバイパス通信説明図である。
【符号の説明】
NW 公衆電話網などの通信網
BSC-A,BSC-B 基地局制御装置
MS-A,MS-B 移動端末
VCD 移動端末、基地局制御装置に設けられたボコーダ
MUX シグナリング多重部

Claims (2)

  1. 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムのシグナリング通信方法において、
    ボコーダバイパス通信中に、受信側網側装置より受信側移動端末にシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、送信側網側装置にボコーダバイパス通信を停止し、代わりにボコーダから出力するPCM音声データを送信するよう指示し、
    受信側網側装置のボコーダにおいて、送信側網側装置より受信した該PCM音声データを圧縮レートが低いレートでエンコードし、得られた圧縮データのトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して送信する、
    ことを特徴とする移動通信システムのシグナリング通信方法。
  2. 音声データを符号化してデータ量を圧縮し、得られた圧縮データをフレーム化して移動端末と網側装置間で送受し、移動端末同士の通信に際して網側装置のボコーダをバイパスして通信する移動通信システムのシグナリング通信方法において、
    送信側網側装置において、移動端末から入力する圧縮データよりnビットのPCM音声データを復元すると共に、該圧縮データを用いてTFOフレームを組み立て、該TFOフレームデータを前記PCM音声データの下位所定ビットにマッピングして受信側網側装置に送信し、
    受信側網側装置において、ボコーダバイパス通信中、網より入力するPCM音声データにマッピングされているTFOフレームデータより得られる圧縮データを受信側移動端末に送出し、
    該受信側移動端末にシグナリングデータを送信する必要が発生したとき、前記PCM音声データのTFOフレームデータがマッピングされていない上位ビットデータをフルレートより低い圧縮レートでエンコードし、
    得られた圧縮データを運ぶトラヒックフレームにシグナリングデータを多重して送信する、
    ことを特徴とする移動通信システムのシグナリング通信方法。
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