JP4150523B2 - コンポスト肥料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンポスト肥料の製造方法、さらに詳しくいえば、下水汚泥をコンポスト化可能の含水率まで脱水処理してコンポスト化処理に付し、コンポスト肥料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水汚泥の中には、発酵により肥料化しうる成分が多量に含まれているため、これをコンポスト肥料の製造原料として利用する試みは、これまでにも多くなされてきた。しかしながら、コンポスト化に際しては、原料の含水率が70質量%以上では通気性がほとんど無く、嫌気発酵して著しい悪臭を発し、堆肥を生成するのに必要な発酵が進行しないため、含水率を65質量%以下にする必要があるが、下水汚泥の含水率は、通常90質量%以上であるため、そのままでは、コンポスト肥料の原料としては使用することができなかった。
【0003】
したがって、下水汚泥をコンポスト化するには、わら、もみ殻、おが屑などを2〜3倍量加え、含水率を低下させる必要があるが、このようにすると大量に発生する下水汚泥の処理に際し、処理体積が益々増大し、発酵タンクを大型化しなければならない上に、発酵の進行が速い下水汚泥と未発酵のわら、もみ殻、おが屑などの間で完熟度のアンバランスを生じ、未完熟状態のものが施肥される結果、土壌中での酸素欠乏や脱リン現象をもたらし、農作障害をひき起すのを避けられなかった。
【0004】
他方、下水汚泥を乾燥して肥料化や固形燃料化を容易にしたり、或は焼却処理の際のエネルギー消費を低減するために、下水汚泥に有機高分子凝集剤又はこれと無機凝集剤とを組み合わせて加えて凝集処理したのち、プレスして脱水することにより(特開昭64−85200号公報、特開平4−371300号公報、特開平7−185599号公報)、産業廃水や下水処理で生じる汚泥にセルロース系物質、糖類及びその誘導体の中から選ばれた処理剤を加えて脱水することにより(特開昭49−19653号公報)、有機性汚泥にカチオン系高分子凝集剤及び木質繊維質を添加したのち脱水処理することにより(特開昭54−31960号公報)、汚泥中の含水率を減少させることも提案されているが、これらの方法ではいずれもその脱水により低下させうる含水率に限度があり、75質量%以下にすることはできなかった。
【0005】
また、故紙の吸水性を利用して、これを下水汚泥に加え、スクリュープレスなどで加圧脱水することも検討されたが[「月間下水道」,第21巻,第13号,第80〜85ページ、「資源環境対策」,第34巻,第9号(1998),第25〜33ページ]、この方法によると含水率を70質量%以下にするには、故紙を40質量%以上という多量に添加する必要があるため、前述したわらやもみ殻を加えた場合と同様にコンポスト化の際、完熟することが困難になり、未完熟のまま施肥することによる弊害を避けることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、下水汚泥を効率よく脱水してコンポスト化しやすくし、発酵処理を施すことにより、前記した欠点のないコンポスト肥料を製造することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、含水率の高い下水汚泥を効率よく脱水して、コンポスト原料として好適な、含水率65質量%又はそれ以下の状態にすることについて鋭意研究を重ねた結果、下水汚泥に活性再生セルロース(以下リセルロースファイバーという)と有機高分子凝集剤及び場合によりさらに無機凝集剤を添加してフロックを形成させたのちプレス脱水することにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、含水率90質量%以上の下水汚泥に対し、脱墨故紙を解繊摩砕し、完全に繊維化して得た綿状物質からなる活性再生セルロースファイバーを、下水汚泥の質量に基づき0.1〜10質量%の割合で添加し、少なくとも1分間かきまぜたのち、さらに下水汚泥の質量に基づき0.01〜10.0質量%の有機高分子凝集剤を加えて、十分にフロックを形成させ、次いで搾液して含水率65質量%以下の汚泥脱水ケーキとし、この汚泥脱水ケーキを発酵処理に付して肥料を製造することを特徴とするコンポスト肥料の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に添付図面に従って本発明のコンポスト化法を説明する。
図1は、本発明方法の1例を示すシステムフロー図であって、汚泥槽1からポンプ2により混合槽3に送られた下水汚泥は、この混合槽3においてリセルロースファイバータンク4から供給されるリセルロースファイバー、第1薬液タンク5からポンプ6により供給される有機高分子凝集剤及び所望により第2薬液タンク7からポンプ8により供給される無機高分子凝集剤と混合され、汚泥供給ポンプ9により脱水機、例えばスクリュープレス10に送られ、脱水される。次にこのようにして得られた脱水ケーキは、コンポスト化発酵槽11においてコンポスト化され、コンポストすなわち堆肥として取り出される。また、コンポスト化発酵槽11にはポンプ12を介して脱臭機13が付設され、ここで外部から給気される空気と混合、脱臭され排気される。
このようにして、原料の下水汚泥から固形分換算80〜100質量%の収率でコンポストを製造することができる。
また、この際、脱水機10において生成する脱離液は原液に比べBOD及びSSが著しく低下している上、窒素含有量及びリン含有量の低下も認められ、リセルロースファイバーによる脱水処理は、脱窒、脱リン作用を伴うことも分った。
【0010】
本発明方法において用いるリセルロースファイバーは、脱墨した故紙を解繊摩砕し、完全繊維化した淡かっ色綿状物質、例えば故紙を先ず常法に従ってシュレッダーなどを用いて粗粉砕して脱墨したのち、解繊用摩砕機のような微粉砕機を用いて完全に繊維化することにより調製される。
【0011】
この故紙の脱墨処理は、粗粉砕後に通常の再生紙を脱墨する場合と同様の方法、例えばアルカリを加えて蒸煮する方法によって行うことができる。この際、脱墨を促進するために、セッケン、スルホン化油、ベントナイト、メタケイ酸ナトリウムや界面活性剤のような分散剤を併用することもできる。
【0012】
このようにして完全に繊維化したファイバーを必要に応じ水洗後、乾燥すれば、リセルロースファイバーが淡かっ色綿状物質として得られる。このものは、太さ、長さの異なったセルロース繊維が三次元的に絡み合った構造を有している。図2は、この組織構造を示す100倍拡大顕微鏡写真である。このリセルロースファイバーは、燃えやすい、吸湿、吸水性が高い、放湿、放水性が高いという特徴を有し、脱水能力が非常に高く、95質量%以上という高含水率の下水汚泥原液に対し、0.5〜3質量%添加し、搾液するだけで、65質量%若しくはそれ以下の含水率まで脱水することができる。
このリセルロースファイバーの原料としては、故紙以外に割り箸、廃材、古材チップ、間伐材チップ、わらなどの繊維物質を用いることができる。
【0013】
次に、本発明方法において用いる有機高分子凝集剤としては、ノニオン系、カチオン系又は両性の合成高分子凝集剤を用いるのが好ましい。
このノニオン系合成高分子凝集剤としては、例えばポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、尿素−ホルマリン樹脂を挙げることができるし、カチオン系合成高分子凝集剤としては、例えばポリアミノメチルアクリルアミド、ポリビニルイミダゾリン、キトサン、アイオネン系共重合体、エポキシアミン系共重合体を、また両性合成高分子凝集剤としては、例えば、レシチン系両性界面活性剤、カゼイン分解物系両性界面活性剤などを挙げることができる。これらの合成高分子凝集剤の分子量は、通常、数万ないし数百万の範囲にある。
【0014】
これらの合成高分子凝集剤のあるものは、例えば液状高分子凝集剤「E−513」及び「E−555」(いずれもハイモ社製)として市販されている。これらの有機高分子凝集剤は、通常0.1〜0.5質量%濃度の水溶液として下水汚泥に添加される。
【0015】
また、必要に応じ、これらの有機高分子凝集剤と併用される無機高分子凝集剤としては、例えばポリ硫酸鉄(III)、ポリ塩化鉄(III)、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウムなどがある。これらの無機高分子凝集剤は、通常5〜15質量%濃度の水溶液として下水汚泥に添加される。
【0016】
本発明方法におけるリセルロースファイバーの使用量は、下水汚泥原液に対し、0.1〜10質量%の範囲内で選ばれるが、この量は下水汚泥の組成によって変動する。すなわち、下水汚泥中の繊維量が多い場合には、リセルロースファイバーの使用量は少なくてもよいし、また繊維量が少ない場合にはリセルロースファイバーの使用量を多くする必要がある。
【0017】
次に、有機高分子凝集剤の使用量は、下水汚泥原液の質量に基づき、通常0.01〜10.0質量%の範囲内で選ばれる。この使用量も下水汚泥の組成により変動するが、従来の下水汚泥の脱水処理の場合に比べ、1/4〜1/5とかなり少なくすることができる。
【0018】
下水汚泥の組成は、生成環境、季節により変動するので、この組成に応じリセルロースファイバー及び有機高分子凝集剤の使用量を、上記範囲内において適宜増減することが必要である。
【0019】
本発明方法においては、リセルロースファイバーと有機高分子凝集剤の添加順序が重要であり、先ずリセルロースファイバーを加えてかきまぜ、スラリーを形成させたのち、有機高分子凝集剤を添加させる。この添加順序を逆にすると、所望の脱水効果は得られない。このスラリーを形成させるには、少なくとも1分間、好ましくは3〜5分間激しくかきまぜることが必要である。
【0020】
次に、このようにして形成させたスラリーに、有機高分子凝集剤を添加し、かきまぜると、次第にフロックが形成してくるので、十分にフロックが形成されたならば搾液処理を行う。このフロック形成に要する時間は少なくとも2分、通常は3〜7分間である。
【0021】
このようにして十分にフロック形成させた処理物を、例えばスクリュープレス方式、ベルトプレス方式、加圧ろ過方式により搾液する。この際のプレス圧力としては、通常30〜100kPa、好ましくは50kPa又はそれ以上の範囲内で選ばれる。これよりも低い圧力を用いる方式、例えば真空脱水方式を用いることもできるが、リセルロースファイバーの脱水性能は、圧力が高ければ高いほど発揮されるので、できるだけ高いプレス圧力の搾液機を用いて行うのが好ましい。
【0022】
本発明方法においては、有機高分子凝集剤とともに、無機高分子凝集剤を併用すると、より低い含水率の脱水ケーキを得ることができる。
この際の無機高分子凝集剤の使用量は、併用する有機高分子凝集剤の2〜20倍量、好ましくは1.0〜5.0倍量の範囲で選ばれる。
【0023】
本発明方法により処理すると、搾出液が得られるが、この搾出液には、下水汚泥の種類等によって異なるが、窒素分10〜20質量%、リン酸成分3〜10質量%及びカリウム成分5〜15質量%を含んでいるので、カンキツ類、リンゴ、ブドウ、ナシ、モモ、カキ、クリなどの農作物用の液肥として用いることができる。
【0024】
ところで、下水汚泥は含水率70質量%以上では通気性がほとんど無いため、そのまま放置すれば嫌気発酵して著しい悪臭を発生し、堆肥を生成するのに必要な発酵が進行しない。そして、含水率が65質量%以下になると通気性がよくなり、好気発酵が進行するので、臭気も激減し、コンポスト化が円滑に行われ、短時間で堆肥が得られる。
したがって、本発明方法においては、下水汚泥を含水率65質量%以下になるまで十分に脱水することが必要である。
【0025】
本発明方法においては、このようにして得られる含水率65質量%以下の下水汚泥処理物をコンポスト化処理することにより、コンポスト肥料を製造するが、このコンポスト化処理では、微生物の働きを利用して好気的条件下で、できるだけ短時間に貯蔵可能で悪臭を発生しないコンポストにすることが必要である。
この際使用される微生物は、複数の微生物が混合した微生物群であり、これらは空気中、下水汚泥中に存在するので、特に供給する必要はないが、所望ならば市販されている微生物製剤を添加して増殖を助長することもできる。
【0026】
このコンポスト化に主として関係する微生物は、最初は原料中に生息する常温性菌であり、温度が上昇するとともに、50〜60℃に至適温度をもつ好熱性菌に移行する。すなわち、室温から60℃までの温度では細菌や糸状菌が活発に働き、60℃に達すると放線菌が活発に働くようになる。
【0027】
このように、このコンポスト発酵を行う微生物群には、30〜40℃を至適温度とする中温細菌群や45〜70℃を至適温度とする高温菌群が含まれているが、後者を利用する方が発酵は著しく速く進行するので、温度条件としては、60℃以上に保つのが好ましい。
【0028】
また、このコンポスト化処理においては、水分の調整が重要であり、前記したように、水分が70質量%以上になると、好気性菌に起因して二酸化炭素が発生して植物の根の呼吸困難をもたらしたり、硫化水素、アンモニア、メルカプタンなどの有害ガスを発生して農作障害をひき起す。したがって、水分としては65質量%以下、好ましくは30〜60質量%の範囲を保つ必要がある。この点において、本発明方法は、含水率65質量%以下の下水汚泥処理物を用いるので、最適の水分を保つことができ、効率よくコンポスト化処理を行うことができる。
【0029】
次に、本発明方法のコンポスト化処理においては、原料として用いる下水汚泥処理物の内部を好気的に維持し、コンポスト化速度を高めるために、発酵層内の通気を良好に保つことが必要である。通常は、処理の間、微生物群の活動に要求される酸素供給量の10倍以上の通気量を保つために、50〜200リットル/分/m2の範囲で強制通気が行われる。
【0030】
また、コンポスト発酵では、このようにして強制通気される空気がコンポスト原料の内部を円滑に通し、かつ分解によって発生した熱を発散させないために、固形化したコンポスト原料を用いる場合は、粒度2〜50mmに破砕して用いるのが好ましい。
【0031】
次に、コンポスト発酵においては、CN比を適正に保つことが必要であるが、下水汚泥処理物は一般に窒素に比して炭素が多いので、必要に応じ窒素の多い材料を混合してCN比を当初50〜150程度、処理後16〜20になるように調整するのが望ましい。
【0032】
他方、コンポスト化の微生物群が活動を開始するには、コンポスト原料中のpHが中性付近にあるのが好ましく、酸性又はアルカリ性になると発酵開始の誘導期間が長くなる傾向がみられるが、反応が活発に行われているときは、その間に発生する二酸化炭素やアンモニアによりpHは8付近の最適条件に維持されるので特に調整する必要はない。
【0033】
本発明方法における発酵処理に際しては、所望に応じ発酵促進剤を用いることができる。この発酵促進剤としては、好気的に活発に作用するセルロース分解細菌、例えば粘液細菌(Polyangium)、シュウドモナス菌(Pseudomonas)、ビブリオ菌(Vibrio)、バチルス菌(Bacillus)、エルビニア菌(Eruvinia)やストレプトマイセス菌(Streptomyces)、ミクロモノスポラ菌(Micromonospora)、ストレプトスポランジューム菌(Streptosporangium)及びノカルジア菌(Nocardia)のような好気的放線菌などが用いられる。特に好ましいのは、クルチア・カテナホルマ菌(Kurthia catenaforma)のような栄養要求変異株である。
【0034】
この発酵促進剤の使用量は、コンポスト原料として用いる下水汚泥処理物の種類、施肥する農作物の種類などにより異なり、一概にはいえないが、通常、1000〜50000unit/gのものを、コンポスト原料1kg当り0.1〜10gの割合で使用する。
この発酵促進剤は、発酵処理の際に添加してもよいが、あらかじめリセルロースファイバーに配合して添加しておくのが、事後の操作が簡単になるので有利である。
【0035】
次に、本発明方法におけるコンポスト化のための発酵処理は、発酵装置を用いて行われるが、この発酵装置としては、従来コンポスト化に際し、通常使用されていたもの、好ましくは撹拌手段、通気手段又は切り返し手段を備えて通気促進が可能なものの中から使用目的に最も適ったものを適宜選んで使用することができる。
【0036】
このような発酵装置としては、これまで例えば回転円筒掻上げ板型、回転円筒回転軸併用型、通気単槽型、固定縦軸回転多段型、固定縦軸回転通気槽型、固定横軸回転通気槽型、移動縦軸回転型、移動横軸回転型、移動回転バケット型、移動ショベル撹拌型など多種多様のものが知られている。
【0037】
本発明方法においては、下水汚泥処理物が完熟するまで発酵処理を続行することが必要であるが、これが完熟したか否かの判定は、例えばコンポスト化過程において、固相物サンプルを適宜抜き取り、水で抽出し、その抽出液をゲルクロマトグラフィー処理し、そのパターンを観察することによって行うことができる。すなわち、コンポスト化物のクロマトグラムは、その原料が種類により多種多様のパターンを示すのとは異なり、だいたい類似したパターンを示すことが知られている。そして、完熟した段階では、原料においてみられた低分子成分のピークはほとんど消失し、分子量数千程度の高いピークをもつ単純なパターンになるので、このようなパターンに到達した段階で完熟したと判定すればよい。
【0038】
このようにして、通常コンポスト化には、3〜6か月の期間を要したのに対し、本発明方法によると、わずか1〜3週間でコンポスト化を終了させることができる。
このようにして得られたコンポスト肥料は、田や畑あるいは果樹園の農作物に対して有効に施すことができる。
【0039】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0040】
参考例1
段ボール故紙をシュレッダーにより、3mm平方程度の細片に粗粉砕したのち、微粉砕用解繊機[(株)山本百馬製作所製、故紙微粉砕装置]により、完全に繊維状化し、水分10質量%に乾燥することによりリセルロースファイバーを調製した。
【0041】
参考例2
仙塩浄化センター下水処理場(多賀城市大代6−4−1)から入手した含水率96質量%の下水汚泥10リットルに参考例1で得たリセルロースファイバー40g又は50g及び高分子凝集剤(浅田化学工業社製,商品名「パラロック410K101」)の0.2%水溶液を表1に示す量で添加し、かきまぜたのち静置し、スクリュープレス式汚泥脱水機により脱水した。このようにして得た原液及び脱水脱離液のBOD、SS、窒素含有量、リン含有量を表1に示す。
なお、上記の定量は以下の方法により行った。
BOD;JIS K0102による
SS ;昭和46年環境庁告示第59号付表8による
窒素含有量;JIS K012による
リン含有量;JIS K012による
【0042】
【表1】
【0043】
この表から分るように、リセルロースファイバー及び高分子凝集剤を加えて脱水処理することにより、下水汚泥からの脱離水中のBOD、SS、窒素含有量及びリン含有量は原液に比べ著しく減少する。
【0044】
実施例1
仙塩浄化センター下水処理場から採取した下水汚泥(含水率96質量%)20リットルに参考例1で得たリセルロースファイバー80g(下水汚泥に対し0.5質量%に相当)を添加し、2分間かきまぜてスラリー化したのち、高分子凝集剤(浅田化学工業社製,商品名「パラロック410K101」)の0.2%水溶液を1200ml(下水汚泥に対し0.012質量%に相当)を加え、3分間かきまぜたところ、汚泥中にフロックが形成した。
次いで、このようにして得た処理物を、汚泥脱水機(新明和スクリュープレス式汚泥脱水機SSP−1000)を用いてスクリューの回転速度毎分2.4(圧力30kPaに相当)で脱水し、含水率56.1質量%の脱水ケーキを得た。
次に、この脱水ケーキを、固定縦軸回転通気型発酵槽に移し、10日間発酵処理したところ、完熟したコンポスト肥料10kgを得た。この際の発酵温度は60℃、pHは約8.0であった。
【0045】
実施例2
実施例1におけるリセルロースファイバーの代りに、あらかじめ発酵促進剤として、クルチア・カテナホルマ菌(Kurthia catenaforma)MH3変異株3gを添加したセルロースを同量用いる以外は同様に実施したところ、7日間でコンポスト化することができた。
【0046】
比較例
実施例1で用いた下水汚泥(含水率96質量%)に、もみ殻を加え、含水率を61質量%に調整したものをコンポスト原料として用い、実施例1と同様にして発酵処理したところ、3か月後においても低分子成分は消失せず未完熟であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、含水率の高い下水汚泥から、短期間で農作障害を起すことのない良質のコンポスト肥料を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の1例を示すシステムフロー図
【図2】 リセルロースファイバーの組織構造を示す顕微鏡拡大写真図。
【符号の説明】
1 汚泥槽
2,6,8,9,12 ポンプ
3 混合槽
4 リセルロースファイバータンク
5,7 薬液タンク
10 スクリュープレス
11 発酵槽
13 脱臭機
Claims (4)
- 含水率90質量%以上の下水汚泥に対し、脱墨故紙を解繊摩砕し、完全に繊維化して得た綿状物質からなる活性再生セルロースファイバーを、下水汚泥の質量に基づき0.1〜10質量%の割合で添加し、少なくとも1分間かきまぜたのち、さらに下水汚泥の質量に基づき0.01〜10.0質量%の有機高分子凝集剤を加えて、十分にフロックを形成させ、次いで搾液して含水率65質量%以下の汚泥脱水ケーキとし、この汚泥脱水ケーキを発酵処理に付して肥料を製造することを特徴とするコンポスト肥料の製造方法。
- 有機高分子凝集剤とともに、その添加量の2〜20倍量の無機高分子凝集剤を添加する請求項1記載のコンポスト肥料の製造方法。
- 無機高分子凝集剤が、ポリ硫酸鉄(III)、ポリ塩化鉄(III)、ポリ塩化アルミニウム及びポリ硫酸アルミニウムの中から選ばれた少なくとも1種である請求項2記載のコンポスト肥料の製造方法。
- 活性再生セルロースとともに発酵促進剤を添加する請求項1、2又は3記載のコンポスト肥料の製造方法。
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