JP4158246B2 - 難燃性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動性、薄肉難燃性および表面外観、金属腐食性、そり変形性の改良された熱可塑性樹脂組成物およびその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂に代表される熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材料として機械機構部品、電気電子部品、自動車部品などの幅広い分野に利用されつつある。一方、これら熱可塑性樹脂は本質的に可燃性であるため、工業用材料として使用するには一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に火炎に対する安全性、すなわち難燃性が要求される場合が多い。
【0003】
熱可塑性樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系有機化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂にコンパウンドする方法が一般的である。しかしながら、この方法には、燃焼の際の発煙量が多い傾向があった。さらにハロゲン系難燃剤を配合した樹脂組成物は電気特性が低下するといった問題点を有していた。
【0004】
そこで、近年これらハロゲンを全く含まない難燃剤を用いることが強く望まれるようになった。
【0005】
これまで、ハロゲン系難燃剤を使わずに熱可塑性樹脂を難燃化する方法としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和金属化合物を添加することが広く知られているが、十分な難燃性を得るためには、上記水和金属化合物を多量に添加する必要があり、樹脂本来の特性が失われるという欠点を有していた。
【0006】
一方、このような水和金属化合物を使わずにポリアミド樹脂を難燃化する方法として赤リンを添加することが、特開昭60−168757号公報、特開昭61−219706号公報、特開昭63−89567号公報、特開平1−129061号公報、特開平2−169666号公報、特開平3−197553号公報、特開平6−145504号公報、特開平6−263983号公報等に開示されている。また特開平5−320486号公報には赤リンの添加により難燃性と電気特性を向上させる方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの樹脂組成物も厚肉(1/16インチ)成形品では優れた難燃性を示すが、近年の樹脂材料薄肉化に伴って要求される薄肉(1/32インチ以下)成形品の難燃性は十分なものが得られないという問題点を有していた。また特開平5−320486号公報に記載の方法により得られる樹脂組成物の難燃性は不十分であり、さらに電気的特性の向上効果は十分でないといった問題点を有していた。
【0008】
さらにいずれの方法により得られる樹脂組成物は、機械物性の低下や乾熱および湿熱処理時に難燃剤がブリードアウトするといった問題点を有していた。
【0009】
本発明は上記の問題を解決し、流動性、薄肉難燃性および表面外観、金属腐食性、そり変形性の改良された難燃性樹脂組成物およびその成形品を得ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は(1)ポリアミド樹脂(A)100重量部、液晶性樹脂(B)0.1〜50重量部およびシリコーン樹脂(C)0.05〜100重量部からなる樹脂組成物(D)100重量部に対して赤燐0.01〜30重量部を含有してなる難燃性樹脂組成物、
(2)赤燐の導電率が0.1〜1000μS/cmであることを特徴とする上記(1)記載の難燃性樹脂組成物、
(3)シリコーン樹脂(C)が空気中での加熱試験(昇温速度40℃/分)において、800℃での加熱重量減量が50%以下のシリコーン樹脂である上記(1)または(2)記載の難燃性樹脂組成物、
(4)樹脂組成物(D)100重量部に充填材を0.5〜300重量部をさらに含有してなる上記(1)〜(3)のいずれか記載の強化難燃性樹脂組成物、(5)液晶性樹脂(B)がエチレンジオキシ単位を含有する上記(1)〜(4)のいずれか記載の難燃性樹脂組成物、
(6)液晶性樹脂(B)が下記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶ポリエステルである上記(1)〜(5)のいずれか記載の難燃性樹脂組成物、
【化4】
(ただし式中のR1は
【化5】
から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【化6】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)
(7)構造単位(I) および(II)の合計が構造単位(I) 、(II)および(III) の合計に対して30〜95モル%、構造単位(III) が構造単位(I) 、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%であり、構造単位(I) と(II)のモル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であり、構造単位(IV)と構造単位(II)および(III) の合計とが実質的に等モルである上記(6)記載の熱可塑性樹脂組成物、
(8)UL−94規格において0.8mm厚みでV−0である上記(1)〜(7)のいずれか記載の難燃性樹脂組成物、
(9)最終的に配合すべき樹脂成分の一部と赤燐を一旦溶融混練して実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤燐量よりも赤燐濃度の高い樹脂組成物を作製した後、上記(1)〜(8)のいずれか記載の難燃性樹脂組成物を製造することを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法、
(10)上記(1)〜(8)いずれか記載の難燃性樹脂組成物で構成してなる成形品、
(11)成形品が機械機構部品、電気電子部品または自動車部品である上記(10)記載の成形品、
(12)成形品が板状あるいは箱形でかつ厚み1.0mm以下の薄肉部を成形品全面積に対して10%以上有することを特徴とする上記(10)または(11)記載の成形品を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の難燃性樹脂組成物について具体的に説明する。本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするナイロンである。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0013】
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリドデカミド/ポリヘキサメチレンテレフタラミドコポリマー(ナイロン12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
【0014】
とりわけ好ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン46、ナイロン9T、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6/12コポリマー、ナイロン9T、ナイロン6T/6コポリマー、ナイロン66/6Tコポリマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン66/6T/6I、ナイロン12/6T、ナイロン6T/M5Tコポリマーなどの例を挙げることができ、更にこれらのナイロン樹脂を成形性、耐熱性、低吸水性などのその他の必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
【0015】
これらポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
【0016】
また、更に流動性を向上させるために酸無水物を添加することが可能である。酸無水物の例としては、無水安息香酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無水オクタン酸、無水グルタル酸、無水コハク酸、無水酢酸、無水ジメチルマレイン酸、無水デカン酸、無水トリメリト酸、無水1,8−ナフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などが挙げられ、中でも無水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などが好ましく用いられる。
【0017】
本発明の酸無水物のポリアミド系樹脂への配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3重量部、特に好ましくは0.1〜2重量部である。添加量が多すぎるとコンパウンド時および成形時にガス発生が発生し、噛み込み不良、成形品のガス焼けおよびボイド発生の原因となり、得られた成形品も表面外観のみならず、機械特性も低下する傾向にある。
【0018】
本発明において用いる酸無水物のポリアミド樹脂組成物中での存在状態は特に限定されず、酸無水物、水あるいはポリアミド、液晶性樹脂およびそのモノマー・オリゴマーとの反応物のいずれの状態で存在していてもかまわない。
【0019】
本発明の液晶性樹脂(B)とは、溶融時に異方性を形成し得るポリマーであり、液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリカーボネート、液晶ポリエステルエラストマーなどが挙げられ、なかでも分子鎖中にエステル結合を有するものが好ましく、特に液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミドなどが好ましく用いられる。
【0020】
本発明に好ましく使用できる液晶性樹脂(B)は芳香族オキシカルボニル単位としてp−ヒドロキシ安息香酸からなる構造単位を含む液晶性ポリエステルであり、また、エチレンジオキシ単位を必須成分とする液晶性ポリエステルも好ましく使用できる。さらに好ましくは下記構造単位(I) 、(III) 、(IV)からなるポリエステルあるいは(I) 、(II)、(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルであり、最も好ましいのは(I) 、(II)、(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルである。
【0021】
【化7】
(ただし式中のR1 は
【化8】
から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は
【化9】
から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)
【0022】
なお、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルであることが望ましい。
【0023】
上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【化10】
であり、R2が
【化11】
であるものが特に好ましい。
【0024】
上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0025】
すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜7モル%がより好ましい。また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0026】
一方、上記構造単位(II) を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0027】
また液晶性ポリエステルアミドとしては、上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0028】
なお、上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0029】
本発明で使用する液晶性樹脂(B)は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能である。その際、特に限定されないが、0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で0.5〜15.0dl/gが好ましく、0.6〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0030】
また、本発明における液晶性樹脂(B)の溶融粘度は0.5〜100Pa・sが好ましく、特に1〜70Pa・sがより好ましい。また、流動性により優れた組成物を得ようとする場合には、溶融粘度を50Pa・s以下とすることが好ましい。
【0031】
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
【0032】
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0033】
液晶性樹脂の融点は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂への分散性の点から好ましくは340℃以下、より好ましくは330℃以下である。
【0034】
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0035】
例えば、上記液晶ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
【0036】
(1)p−ヒドロキシ安息香酸などオキシカルボニル単位形成性単量体を除く成分のみから得られたポリエステルとp−アセトキシ安息香酸とを乾燥窒素気流下で加熱溶融し、アシドリシス反応によって共重合ポリエステルフラグメントを生成させ、次いで減圧し増粘させる方法。
【0037】
(2)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって製造する方法。
【0038】
(3)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0039】
(4)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0040】
(5)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0041】
(6)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(2)または(3)の方法により製造する方法。
【0042】
液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。
【0044】
本発明で使用される空気中での加熱試験(昇温速度40℃/分)において、500℃での残さ量が20%以上の樹脂または化合物(C)とは、空気中での示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子工業社製、Tg/DTA−200)を用いて、30〜800℃の温度領域を40℃/分の昇温速度で行った加熱試験において、500℃での残さ量が20%以上のものであり、好ましくは30%以上、特に40%以上のものが好ましい。
【0045】
ここで残さ量とは、
残さ量(%)={(30℃で測定した時の初期重量−500℃での重量)/(30℃で測定した時の初期重量)}×100より算出される値を示す。
【0046】
500℃での残さ量が20%以上の樹脂であれば、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても特に制限はない。
【0047】
本発明の効果を十分に発揮する樹脂および化合物としては、フェノール樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニレンエーテル)(PPO)、シリコーン系化合物から選ばれる一種または二種以上の樹脂または化合物(C)'を好ましく使用することができる。
【0048】
上記フェノール系樹脂とは、フェノール性水酸基を複数有する高分子であれば任意であり、例えばノボラック型、レゾール型および熱反応型の樹脂、あるいはこれらを変性した樹脂が挙げられる。これらは硬化剤未添加の未硬化樹脂、半硬化樹脂、あるいは硬化樹脂であってもよい。中でも、硬化剤未添加で、非熱反応性であるフェノールノボラック樹脂が難燃性、機械特性、経済性の点で好ましい。
【0049】
また、形状は特に制限されず、粉砕品、粒状、フレーク状、粉末状、針状、液状などいずれも使用できる。
【0050】
上記フェノール系樹脂は必要に応じ、1種または2種以上使用することができる。
【0051】
フェノール系樹脂は特に限定するものではなく市販されているものなどが用いられる。例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合、フェノール類とアルデヒド類のモル比を1:0.7〜1:0.9となるような比率で反応槽に仕込み、更にシュウ酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸等の触媒を加えた後、加熱し、所定の時間還流反応を行う。生成した水を除去するため真空脱水あるいは静置脱水し、更に残っている水と未反応のフェノール類を除去する方法により得ることができる。これらの樹脂あるいは複数の原料成分を用いることにより得られる共縮合フェノール樹脂は単独あるいは二種以上用いることができる。
【0052】
また、レゾール型フェノール樹脂の場合、フェノール類とアルデヒド類のモル比を1:1〜1:2となるような比率で反応槽に仕込み、水酸化ナトリュウム、アンモニア水、その他の塩基性物質などの触媒を加えた後、ノボラック型フェノール樹脂と同様の反応および処理をして得ることができる。
【0053】
ここで、フェノール類とはフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、チモール、p−tert−ブチルフェノール、tert−ブチルカテコール、カテコール、イソオイゲノール、o−メトキシフェノール、4,4’−ジヒドロキシフェニル−2,2−プロパン、サルチル酸イソアミル、サルチル酸ベンジル、サルチル酸メチル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。これらのフェノール類は一種または二種以上用いることができる。一方、アルデヒド類とはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン等が挙げられる。これらのアルデヒド類は必要に応じて一種または二種以上用いることができる。
【0054】
フェノール系樹脂の分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均分子量で200〜2,000であり、特に400〜1,500の範囲のものが機械的物性、成形加工性、経済性に優れ好ましい。なおフェノール系樹脂はテトラヒドラフラン溶液、ポリスチレン樹脂標準サンプルを使用することによりゲルパーミエションクロマトグラフィ法で測定できる。
【0055】
またポリフェニレンスルフィド樹脂としては、実質的に下記一般式(1)で表される繰り返し単位を、
【化12】
含有するポリマーが挙げられ、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上を含む重合体が耐熱性の点から好ましい。またポリフェニレンスルフィド樹脂は、その繰り返し単位の30モル%未満を、下記構造式を有する繰り返し単位で構成することが可能である。
【0056】
【化13】
【0057】
このようなポリフェニレンスルフィド樹脂の溶融粘度は、溶融混練が可能であれば、特に制限はないが、通常5〜2000Pa・s(320℃、剪断速度10sec-1)のものが使用される。
【0058】
また本発明のポリフェニレンオキシド(ポリフェニレンエーテル)(以下PPOと略す)としては、例えば、一般式(2)で表される重合体が挙げられ、下記一般式(2)で表される重合体の1種単独であっても2種以上が組み合わされた共重合体であってもよい。
【0059】
【化14】
(上記式中R1〜R4はそれぞれ同一でも相異なる水素原子、アルキル基、アルコキシ基、芳香族残基を表す。)
上記式中R1〜R4はそれぞれ同一でも相異なる水素原子、アルキル基、アルコキシ基、芳香族残基を表すが、具体的にはR1およびR2が炭素数1〜4のアルキル基であり、R3およびR4が水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基である。例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテルなどが挙げられる。またPPO共重合体としては上記ポリフェニレンエーテルからなる繰り返し単位中にアルキル三置換フェノール、例えば2,3,6−トリメチルフェノールを一部含有する共重合体を挙げることができる。また空気中での加熱試験(昇温速度40℃/分)において、500℃での残さ量が20%以上であれば、スチレン系化合物がグラフトした共重合体であってもよい。スチレン系化合物グラフト化ポリフェニレンエーテルとしては上記PPOにスチレン系化合物として、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどをグラフトして得られる共重合体である。
【0060】
また、形状は特に制限されず、粉砕品、粒状、フレーク状、粉末状、針状、液状などいずれも使用できる。
【0061】
上記フェノキシ系樹脂は必要に応じ、1種または2種以上使用することができる。
【0062】
本発明のシリコーン樹脂とは、下記一般式で表される単位およびこれらの混合物から選ばれる化学的に結合されたシロキサン単位(ここで、Rはそれぞれ飽和または不飽和一価炭化水素基、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アリール基、ビニルまたはアリル基から選ばれる基を表す。)からなるポリオルガノシロキサンであり、室温で約200〜300000000センチポイズの粘度ものが好ましい。
【0063】
【化15】
【0066】
本発明では、優れた難燃性、得られた成形品の表面外観などの点から、シリコーン樹脂を用いる。
【0067】
さらにシリコーン樹脂の中でも、空気中での示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子工業社製、Tg/DTA−200)を用いて、100〜900℃の温度領域を40℃/分の昇温速度で行った加熱試験において、800℃での重量減量が50%以下のものが好ましく、とりわけ30%以下のものが好ましい。
【0068】
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および樹脂または化合物(C)の配合比は、ポリアミド樹脂100重量部に対して(B)成分が0.1〜50重量部、(C)成分が0.05〜100重量部であり、好ましくは(B)0.5〜40重量部、(C)0.1〜50重量部、より好ましくは(B)1〜35重量部、(C)0.3〜25重量部である。
【0069】
さらに、(A)、(B)および(C)各成分の配合比は、ポリアミド樹脂100重量部に対して(B)0.1〜50重量部、(C)0.05〜4重量部であることが好ましく、より好ましくは(B)0.5〜40重量部、(C)0.1〜3重量部、特に好ましくは(B)1〜35重量部、(C)0.3〜2.5重量部である。
【0070】
本発明は(A)、(B)、(C)の微妙なバランスが重要な点のひとつであり、(B)および(C)の添加量が少なすぎたり、多すぎたりする場合、良流動、薄肉難燃性かつ表面外観などの機械特性のバランスのとれた材料が得られないので好ましくない。
【0071】
本発明で使用される赤燐は、そのままでは不安定であり、また、水に徐々に溶解したり、水と徐々に反応する性質を有するので、これを防止する処理を施したものが好ましく用いられる。このような赤燐の処理方法としては、特開平5−229806号公報に記載の赤燐の粉砕を行わず、赤燐表面に水や酸素との反応性が高い破砕面を形成させずに赤燐を微粒子化する方法、赤燐に水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを微量添加して赤燐の酸化を触媒的に抑制する方法、赤燐をパラフィンやワックスで被覆し、水分との接触を抑制する方法、ε−カプロラクタムやトリオキサンと混合することにより安定化させる方法、赤燐をフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤燐を銅、ニッケル、銀、鉄、アルミニウムおよびチタンなどの金属塩の水溶液で処理して、赤燐表面に金属燐化合物を析出させて安定化させる方法、赤燐を水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆する方法、赤燐表面に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、スズなどで無電解メッキ被覆することにより安定化させる方法およびこれらを組合せた方法が挙げられるが、好ましくは、赤燐の粉砕を行わずに赤燐表面に破砕面を形成させずに赤燐を微粒子化する方法、赤燐をフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤燐を水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆することにより安定化させる方法であり、特に好ましくは、赤燐表面に破砕面を形成させずに赤燐を微粒子化する方法、赤燐をフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法である。これらの熱硬化性樹脂の中で、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂で被覆された赤燐が耐湿性の面から好ましく使用することができ、特に好ましくはフェノール系熱硬化性樹脂で被覆された赤燐である。
【0072】
また樹脂に配合される前の赤燐の平均粒径は、難燃性、機械特性、耐湿熱特性およびリサイクル使用時の粉砕による赤燐の化学的・物理的劣化を抑える点から35〜0.01μmのものが好ましく、さらに好ましくは、30〜0.1μmのものである。
【0073】
なお赤燐の平均粒径は、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することが可能である。粒度分布測定装置には、湿式法と乾式法があるが、いずれを用いてもかまわない。湿式法の場合は、赤燐の分散溶媒として、水を使用することができる。この時アルコールや中性洗剤により赤燐表面処理を行ってもよい。また分散剤として、ヘキサメタ燐酸ナトリウムやピロ燐酸ナトリウムなどの燐酸塩を使用することも可能である。また分散装置として超音波バスを使用することも可能である。
【0074】
また本発明で使用される赤燐の平均粒径は上記のごとくであるが、赤燐中に含有される粒径の大きな赤燐、すなわち粒径が75μm以上の赤燐は、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性を著しく低下させるため、粒径が75μm以上の赤燐は分級等により除去することが好ましい。粒径が75μm以上の赤燐含量は、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性の面から、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは8重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。下限に特に制限はないが、0に近いほど好ましい。
【0075】
ここで赤燐に含有される粒径が75μm以上の赤燐含量は、75μmのメッシュにより分級することで測定することができる。すなわち赤燐100gを75μmのメッシュで分級した時の残さ量Z(g)より、粒径が75μm以上の赤燐含量は(Z/100)×100(%)より算出することができる。
【0076】
また、本発明で使用される赤燐の熱水中で抽出処理した時の導電率(ここで導電率は赤燐5gに純水100mLを加え、例えばオートクレーブ中で、121℃で100時間抽出処理し、赤燐ろ過後のろ液を250mLに希釈した抽出水の導電率を測定する)は、得られる成形品の耐湿性、機械的強度、耐トラッキング性、およびリサイクル性の点から通常0.1〜1000μS/cmであり、好ましくは0.1〜800μS/cm、さらに好ましくは0.1〜500μS/cmである。
【0077】
このような好ましい赤燐の市販品としては、燐化学工業社製“ノーバエクセル”140、“ノーバエクセル”F5が挙げられる。
【0078】
本発明における赤燐の添加量は、ポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分からなる樹脂組成物(D)100重量部に対して通常0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.06〜10重量部、さらに好ましくは0.08〜8重量部である。赤燐添加量が少なすぎると難燃性向上効果が十分発現せず、多すぎると物性低下するとともに難燃効果とは逆に燃焼促進剤として働く傾向にある。
【0079】
本発明の熱可塑性樹脂組成物はさらに赤燐の安定剤として金属酸化物を添加することにより、押出し、成形時の安定性や強度、耐熱性、成形品の端子腐食性などを向上させることができる。このような金属酸化物の具体例としては、酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズおよび酸化チタンなどが挙げられるが、なかでも酸化カドミウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンなどのI族および/またはII族の金属以外の金属酸化物が好ましく、特に酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンが好ましいが、I族および/またはII族の金属酸化物であってもよい。押出し、成形時の安定性や強度、耐熱性、成形品の端子腐食性の他に、非着色性をさらに向上させるためには酸化チタンが最も好ましい。
【0080】
金属酸化物の添加量は機械物性、成形性の面からポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分からなる樹脂組成物(D)100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量部である。
【0081】
本発明において難燃性樹脂組成物の機械強度その他の特性を付与するために充填剤を使用することが可能であり、特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状など非繊維状の充填剤を使用することができる。具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填剤が挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維、PAN系の炭素繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填剤は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
【0082】
また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0083】
上記の充填剤の添加量はポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分からなる樹脂組成物(D)100重量部に対し0.5〜300重量部であり、好ましくは10〜250重量部、より好ましくは20〜150重量部である。
【0084】
さらに、本発明の難燃性樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤としては赤燐が好ましく用いられるが他の難燃剤(例えばブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩等)、難燃助剤(フッ素系樹脂、フェノール系樹脂等)、摺動性改良剤(グラファイト等)、帯電防止剤などの通常の添加剤を添加して、所定の特性をさらに付与することができる。
【0085】
また、更なる特性改良の必要性に応じて無水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物を添加して所定の特性をさらに付与することができる。
【0086】
本発明の難燃性樹脂組成物は通常公知の方法で製造される。例えば、ポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分、赤燐およびその他の必要な添加剤および充填材を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製されるが、好ましくは、ハンドリング性や生産性の面から、最終的に配合すべき樹脂成分の一部、具体的にはポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)、(C)成分として樹脂を用いる場合にはその樹脂から選択された1種または2種以上の一部もしくは全部(例えば(A)の一部もしくは全部、(B)成分の一部もしくは全部、(C)成分として樹脂を用いる場合にはその樹脂の一部もしくは全部、(A)及び(B)成分の一部もしくは全部、(A)及び(C)成分の一部もしくは全部または、(B)及び(C)成分の一部もしくは全部)または最終的に含有せしめる(A)、(B)および(C)成分の一部と赤燐を一旦溶融混練して実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤燐量よりも赤燐濃度の高い樹脂組成物(E)を製造し、残りのポリアミド樹脂(A)もしくは液晶性樹脂(B)もしくは(C)成分の成分中に赤燐濃度の高い樹脂組成物(E)およびその他の任意に用いることができる添加剤および充填材を溶融混練することにより調製される。
【0087】
あるいは最終的に配合すべき樹脂成分の一部(具体的には上記と同様)と赤燐およびその他の任意に用いることができる添加剤を一旦溶融混練して、実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤燐量よりも赤燐濃度の高い樹脂組成物(E)を製造し、残りのポリアミド樹脂(A)もしくは液晶性樹脂(B)もしくは空気中での加熱試験(昇温速度40℃/分)において、500℃での残さ量が20%以上の樹脂または化合物シリコーン系化合物(C)の成分中および赤燐濃度の高い樹脂組成物(E)の段階で添加した任意に用いることができる添加剤以外の添加剤および充填材を溶融混練することにより調製される。
【0088】
上記のように実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤燐量よりも赤燐濃度の高い樹脂組成物(E)を製造する段階で、その他の任意に用いることができる添加剤を配合する場合、これらの任意に用いることができる添加剤はあらかじめ赤燐と混合しておくことが好ましい。
【0089】
特に任意に用いることができる添加剤の中でも、赤燐の安定剤として使用される金属酸化物、特に酸化チタンを添加する場合、酸化チタンは赤燐の高濃度品(E)を製造する段階で配合することが好ましく、さらにあらかじめ赤燐と酸化チタンをヘンシェルミキサー等の機械的な混合装置を用いて混合しておくと、赤燐の安定性、赤燐の分散性や得られる樹脂組成物の非着色性を向上することができる。
【0090】
かかる赤燐高濃度品(E)の赤燐配合量は、赤燐高濃度品の製造面、赤燐の分散性の面、および最終的に得られる難燃性樹脂組成物の難燃性、機械特性、成形性の面から、樹脂成分(ポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分として樹脂を用いる場合にはその樹脂の合計)100重量部に対して、5〜300重量部が好ましく、特に好ましくは25〜200重量部である。
【0091】
赤燐高濃度品(E)としては、(1)ポリアミド樹脂(A)のみからなる赤燐高濃度品、(2)液晶性樹脂(B)のみからなる赤燐高濃度品、(3)(C)成分として樹脂を用いる場合にはその樹脂のみからなる赤燐高濃度品、(4)ポリアミド樹脂(A)および液晶性樹脂(B)からなる赤燐高濃度品、(5)ポリアミド樹脂(A)および(C)成分からなる赤燐高濃度品、(6)液晶性樹脂(B)および(C)成分からなる赤燐高濃度品、(7)ポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分からなる赤燐高濃度品のいずれも、本効果を発現する。
【0092】
このような赤燐高濃度品(E)のポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分の配合量は、赤燐高濃度品製造時の製造性の面、赤燐の分散性の面、および最終的に得られる樹脂組成物の難燃性、機械物性、成形性、耐熱性の面から、ポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分からなる樹脂組成物(D)100重量部に対して、0.5〜200重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜180重量部、より好ましくは1〜150重量部である。
【0093】
かかる赤燐濃度の高い樹脂組成物(E)は、いわゆるマスターペレットの形態で好ましく用いられるが、それに限定されず、いわゆるチップ状、粉末状、あるいはそれらの混合物の形態であってもよい。またかかる(E)成分と配合するポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分として樹脂を用いる場合におけるその樹脂はペレット状であることが好ましいが、それに限定されず、いわゆるチップ状、液状、粉末状あるいは、チップ状と粉末状あるいは液状の混合物であってもよいが、ポリアミド樹脂(A)、液晶性樹脂(B)および(C)成分として樹脂を用いる場合のその樹脂の形態、大きさ、形状はほぼ同等、あるいは互いに似通っていることが均一に混合し得る点で好ましい。樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成物とすることができる。
【0094】
かくして得られる難燃性樹脂組成物は、流動性、薄肉難燃性および金属端子腐食性、表面外観、そり変形性に優れた組成物であるが、特に薄肉難燃性においては、多くの場合、0.8mm厚でもUL−94規格V−0を達成することが可能である。
【0095】
また、成形品を成形するにあたっての成形方法は通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)により、三次元成形品、シート、容器パイプなどに加工することができ、特にその優れた流動性を生かし、薄肉部を有する成形品(例えば板状成形品あるいは箱形成形品)、特に1.0mm以下の薄肉部を有する成形品に好ましく適用できる。具体的には厚みが1.0mm以下の部分を成形品の全表面積に対して、10%以上有する成形品、より好ましくは1.0mm以下の部分を15%以上有する成形品に、さらに好ましくは0.8mm以下の部分を10%以上有する成形品に有効である。また、成形方法としては射出成形あるいはインジェクションプレス成形等が好ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出成形、圧縮成形などの成形品、シート、フィルムなどのあらゆる形状の成形物品とすることができる。なかでも射出成形品用途に特に好適であり、各種機械機構部品、電気電子部品または自動車部品に好適である。
【0096】
さらに本発明の難燃性樹脂組成物は、流動性、薄肉難燃性を必要とする成形品を取得する場合に流動性不足による未充填、変形や割れなどの不良を低減可能であり、得られた成形品は難燃性良好でかつ、成形品の表面外観、また、筐体やコネクター等に使用した場合、近接する金属端子などの腐食が改良されたるため、信頼性の高い成形品が得られる。
【0097】
かくして得られる成形品は、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、用紙用分離爪、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、パワーシートギアハウジング、イグニッションコイル用部品、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用である。特に成形品全体の10%以上の1.0mm以下の薄肉部を有する各種ケース、スイッチ、ボビン、コネクター、ソケット類コネクターおよび携帯電話用ハウジング等の筐体およびパソコンハウジング等、各種機器の筐体(ハウジング)として特に有用である。
【0098】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0099】
参考例1 ポリアミド樹脂の製造
<A−1>ポリアミド6であるアミランCM1010(東レ(株)製)を使用した。
【0100】
<A−2>ポリアミド66共重合体として、下記ポリアミド共重合体を製造した。
【0101】
ヘキサメチレンジアンモニウムテレフタレート(6T塩)30モル%とヘキサメチレンジアンモニウムアジペート(AH塩)70モル%の混合水溶液(固形原料濃度60重量%)を加圧重合缶に仕込み、攪拌下に昇温し、水蒸気圧19kg/cm2で1.5時間反応させた後約2時間かけて徐々に放圧し、更に常圧窒素気流下で約30分反応し,相対粘度2.63(硫酸中)、融点278℃のポリアミド6T/66を得た。
【0102】
<A−3>アミランCM1010(東レ(株)製)に無水コハク酸0.5重量部添加し、30mmφ単軸押出機を用いてシリンダー温度255℃で溶融混練した。
【0103】
参考例2 液晶性樹脂の製造法
<B−1>
p−ヒドロキシ安息香酸528重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト864重量部及び無水酢酸586重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。芳香族オキシカルボニル単位42.5モル%、芳香族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位50モル%、芳香族ジカルボン酸単位57.5モル%からなる融点208℃、12Pa・s(218℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))のペレットを得た。
【0104】
<B−2>
p−ヒドロキシ安息香酸777重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト519重量部及び無水酢酸816重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。芳香族オキシカルボニル単位62.5モル%、芳香族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位30モル%、芳香族ジカルボン酸単位37.5モル%からなる融点225℃、13Pa・s(235℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))のペレットを得た。
【0105】
参考例3
シリコーン樹脂<C−1>シリコーン樹脂であるDC4−7105(東レダウコーニング・シリコーン(株)製)を使用した。この樹脂を示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子工業社製、TG/DTA−200)を用いて、空気中での100〜900℃の温度領域を40℃/10分の昇温速度で加熱試験を行った結果、500℃での重量減量は23%、800℃での重量減量は23%であった。
【0106】
<C−2>
シリコーン樹脂であるSH6081(東レダウコーニング・シリコーン(株)製)を使用した。同様に測定した加熱試験において、500℃での重量減量は28%、800℃での重量減量は40%であった。
【0107】
各評価については、次に述べる方法にしたがって測定した。
【0108】
(1)流動性
下記成形機を用いて、射出速度99%、射出圧力500kgf/cm2の条件で0.8mm厚×150mm×150mmの角形試験片で流動性(流動長)を測定した。
【0109】
(2)平面度(そり性)
下記成形機を用いて、表1に示す温度で1.0mm厚×70mm×70mm×20mmの箱形成形品を最低充填圧+0.5MPaで成形し、得られた成型品を定盤に空洞部を下にして置き、平面部の最大から最小までの高低差(mm)を平面度とした。
【0110】
(3)金属腐食性
下記成形機を用いて、表1に示す温度で1/8インチIzod試験片を作成し、2本のIzod衝撃試験片の間に0.5mm厚の銅板をはさみ、150℃のオーブン中で100時間処理し、銅板の腐食の有無を観察した。評価は、○:腐食なし、×:腐食あり。
【0111】
(4)表面外観
下記成形機を用いて表1に示す温度で3点ピンゲートの箱形成形品(1.0mm厚×70mm×70mm×20mm)を成形し、樹脂の会合部(ウエルド部の盛り上がりを目視で観察した。評価は、○:表面が平らなもの、×:盛り上がりのあるものとした。
【0112】
(5)難燃性
UL−94に従い、0.8mm厚試験片の難燃性評価を行った。
【0113】
実施例1〜5、比較例1〜5
ポリアミド<A−1>100重量部に対してシリコーン樹脂<C−1>4.53部および赤燐(ノーバエクセル140)を45重量部ドライブレンドし、30mmφの2軸押出機を用いてポリアミドの融点+30℃で溶融混練して赤燐高濃度品(E1)のペレットを得た。<A−1>のかわりに<A−2>を用いる以外はE1と同様に製造した赤燐高濃度品(E2)または、<A−1>のかわりに<A−3>を用いる以外はE1と同様に製造した赤燐高濃度品(E3)のペレットを得た。
【0114】
次いで表1に示した割合でポリアミド樹脂、液晶性ポリエステル、シリコーン樹脂と充填剤として炭素繊維(平均繊維長6mm)および赤リン高濃度品(E1またはE2)もしくは赤燐をドライブレンドし、30mmφの2軸押出機を用いて表1の温度で溶融混練してペレットとした。このペレットを東芝IS55EPN射出成形機(東芝機械(株)製)に供し、シリンダー温度を表1の温度で、金型温度80℃の条件で各評価項目ごとの方法で試験片を成形した。
【0115】
表1からも明らかなように本発明の組成物は比較例に比べ、流動性、薄肉難燃性に優れ、かつ成形品の表面外観不良も無く、また、得られた成形品はそり変形性が低く、金属腐食性が良好であるため、薄肉部を有する特にハウジング等の成形品を取得する場合に非常に優れていることがわかる。
【0116】
【表1】
【0117】
【発明の効果】
本発明の難燃性樹脂組成物は、流動性、薄肉難燃性および表面外観、そり変形性、金属腐食性の改良されることから、これらの特性が要求される電機・電子関連機器、精密機械関連機器、事務用機器、自動車などその他各種用途に好適な材料である。
Claims (12)
- ポリアミド樹脂(A)100重量部、液晶性樹脂(B)0.1〜50重量部およびシリコーン樹脂(C)0.05〜100重量部からなる樹脂組成物(D)100重量部に対して赤燐0.01〜30重量部を含有してなる難燃性樹脂組成物。
- 赤燐の導電率が0.1〜1000μS/cmであることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- シリコーン樹脂(C)が空気中での加熱試験(昇温速度40℃/分)において、800℃での加熱重量減量が50%以下のシリコーン樹脂である請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。
- 樹脂組成物(D)100重量部に充填材を0.5〜300重量部をさらに含有してなる請求項1〜3のいずれか記載の強化難燃性樹脂組成物。
- 液晶性樹脂(B)がエチレンジオキシ単位を含有する請求項1〜4のいずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 構造単位(I) および(II)の合計が構造単位(I) 、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%、構造単位(III) が構造単位(I) 、(II)および(III) の合計に対して70〜5モル%であり、構造単位(I) と(II)のモル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であり、構造単位(IV)と構造単位(II)および(III) の合計とが実質的に等モルである請求項6記載の熱可塑性樹脂組成物。
- UL−94規格において0.8mm厚みでV−0である請求項1〜7のいずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 最終的に配合すべき樹脂成分の一部と赤燐を一旦溶融混練して実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤燐量よりも赤燐濃度の高い樹脂組成物を作製した後、請求項1〜8のいずれか記載の難燃性樹脂組成物を製造することを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜8いずれか記載の難燃性樹脂組成物で構成してなる成形品。
- 成形品が機械機構部品、電気電子部品または自動車部品である請求項10記載の成形品。
- 成形品が板状あるいは箱形でかつ厚み1.0mm以下の薄肉部を成形品全面積に対して10%以上有することを特徴とする請求項10または11記載の成形品。
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