JP4160932B2 - 管推進機の元押し装置 - Google Patents

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Description

本発明は、架台と、この架台で前後方向に移動可能に支持される押し台と、この押し台を前進させて先導体や埋設管に推進力を付与する推進ジャッキとを備えた管推進機の元押し装置に関する。
管を地中に埋設する工法として、管推進工法と称する工法が従来から知られている。この管推進工法では、カッタヘッドを有する先導体の後方にヒューム管等で形成した埋設管を順次接続し、推進ジャッキと押し台を有し発進立坑に設置される元押し装置によりそれらの埋設管を推進しながら前方の地山をカッタヘッドで掘削して、各埋設管を順次地中に押し込んで埋設して行く方法が一般に用いられている。管推進機は、こうした管推進工法を実施するため、先導体と元押し装置とで構成された装置である。
こうした管推進工法を実施するときには、排土管を内蔵した埋設管を発進立坑内に設置し、必要な本数だけ継ぎ足して順次先導体と共に推進する。排土管は、先導体から取り込んだ泥土を発進立坑側に排出するための管であり、埋設管を継ぎ足す際に継ぎ足される。こうしたことから、発進立坑の規模(径)は、基本的には、発進立坑内で継ぎ足される1本の埋設管の長さに基づいて決定され、その際、排土管等の接続作業に要する空間等が勘案される。先導体は、こうして決定された発進立坑の限られた空間内に設置して、元押し装置により推進できるように製作しなければならず、設計上厳しい制約を受ける。本発明は、管推進機の元押し装置を改良することによりこうした制約を緩和しようとするものである。
そこで、後述する従来の技術の問題点や本発明の技術内容の理解を容易にするため、出願人が従来開発した管推進機を例にして、管推進機の技術内容やこの管推進機に設置される元押し装置につき、図11に基づいて概説する。図11は、従来の技術に係る管推進機の全体像を示す縦断面図である。
これらの図に示す管推進機は、大別すると、地山を掘進する先導体Eとこの先導体Eや埋設管50を推進する元押し装置Mとで構成される。この管推進機を使用して管推進工法を実施するときには、地中に埋設するためのヒューム管等で形成された埋設管50と、粘性付与液により泥土化され先導体E内に取り込まれた掘削土砂を地上に排出するための排土管40とが先導体Eの後端部に連結され、適宜継ぎ足される。排土管40は、埋設管50の内部に敷設される。
まず、管推進機の先導体Eやこれに関連する事項について説明する。
Eは前方にカッタヘッドEaを有し後端側に埋設管50を連結して地中を掘進する先導体、Eaは地山を掘削するカッタヘッド、Ebは地山に食い込ませることによりカッタヘッドEaの回転反力を地山に伝達する突起状をなす反力伝達板、Ecは先導体Eの後部下側に設けられ先導体Eの胴体外周と地山との間の間隙を通じて後方へ送られる泥土の一部を先導体Eの内部に取り込む土砂取り込み口である。
カッタヘッドEaは、その掘削外径を先導体Eの胴体外径よりも大きくするように構成して、反力伝達板Ebを設けたことと相俟って、先導体Eの胴体外周と掘削穴の孔壁との間に環状の泥土通路を形成するようにしている。カッタヘッドEaの中央部には、粘性付与液を放射状に噴射して掘削土砂に注入するための粘性付与液注入口を設けており、この粘性付与液注入口から粘性付与液を掘削土砂に注入すると、これら粘性付与液と掘削土砂とがカッタヘッドEaにより撹拌混合されて、掘削土砂に粘性が付与される。その結果、塑性流動性のある泥土が切羽近傍で生成され、この泥土は、カッタヘッドEaの後方へ送られて先導体Eの胴体周囲の前記泥土通路を通過する。
反力伝達板Ebは、地山に対向する側の面をカッタヘッドEaの掘削外径よりも若干突出するように形成している。そのため、反力伝達板Ebの外周部が先導体Eの掘進時に掘削穴の周囲の地山に食い込んでカッタヘッドEaの回転トルクの反力を地山に伝達して先導体Eのローリングを防止するとともに、先導体Eを支持してその胴体の周囲に泥土通路を形成する働きをする。こうした反力伝達板Ebは、先導体Eの胴体の同一外周面上に所定間隔を置いて複数個突設している。
従来の管推進機は、以上の構造を備えているので、先導体Eを、後述する元押し装置Mで推進しながらカッタヘッドEaを回転駆動して発進させると、先導体Eは、地山に掘削穴を形成しながら掘進する。こうして先導体Eを発進させた後は、埋設管50を排土管40と共に先導体Eの後端側に適宜連結して、今度は、埋設管50を元押し装置Mで推進することにより先導体Eを推進しつつカッタヘッドEaで地山を掘削する。その間、粘性付与液を掘削土砂へ注入てしカッタヘッドEaで撹拌混合することにより、塑性流動性のある泥土を切羽近傍で生成する。
そうすると、この泥土は、切羽の後方へ送られ、環状の泥土通路に圧入、充填されて同通路を通過する。そして、その泥土の一部は、先導体Eの後部の土砂取り込み口Ecに取り込まれて、排土管40を通じて先導体E内の土砂圧送ポンプにより発進立坑T側から地上に圧送、排出され、残りは、先導体Eの胴体外周に充満させるとともに埋設管50の外周に導かれる。その間、土砂圧送ポンプで泥土の排出量を制御することにより、掘削穴と先導体Eの間に形成されたチャンバ内の泥土の圧力を調整して切羽を適正な泥土圧で支持する。従来の管推進機は、こうして地山を泥土圧で支持するとともに、埋設管50の外周に送られる泥土により埋設管50の貫入抵抗を軽減しながら掘進する。この種の管推進機は、例えば、特許文献1に開示されている。
管推進機の元押し装置Mやこれに関連する事項について説明する。
Mは後述するベースフレームA、押し台B、推進ジャッキC及び元押し排土管20とを設けて構成され先導体Eや埋設管50を推進する従来の元押し装置、Aは発進立坑Tの底部に設置される架台(図2の符号1参照)及びこの架台の後部に立設され先導体Eや埋設管50の推進時の反力を受ける反力受け部材(図1の符号2参照)を有するベースフレーム、BはこのベースフレームAの架台で前後方向に移動可能に支持され前進時に先導体Eや埋設管50の後端側を押すことができる押し台、Cはロッド部がベースフレームAの反力受け部材に取り付けられシリンダ部に押し台Bを取り付けて伸長することにより押し台Bを前進させて先導体Eや埋設管50に推進力を付与することができる油圧シリンダによる推進ジャッキ(元押しジャッキとも称する。)、20はこの推進ジャッキCの伸縮により前後に移動させて発進立坑T内の排土管40の後端側に接続したりその排土管40の後端側から切り離したりすることができる元押し排土管である。
押し台Bは、推進ジャッキCのシリンダ部の後端部や前端部に適宜選択的に固定して推進ジャッキCで押すことができるようにしており、これにより、後述するように、埋設管50を、その管長よりも短いストロークの推進ジャッキCにより二段階で推進して、埋設管50のほぼ全体を埋設できるようにしている。元押し排土管20は、押し台Bの後方に固定的に取り付けており、推進ジャッキCの伸縮により、押し台Bに随伴して前後方向に移動させることができるようにしている。図示は省略しているが、元押し排土管20の出口側には、排土管40から送られた泥土を地上に排出するための排土ホースが接続されている。元押し排土管20は、排土管40に対しアダプタ管を介して着脱可能に接続できるようになっており、埋設管50の推進時には、泥土を地上に排出できるように排土管40に接続され、新たな埋設管50や排土管40の接続時には、これらの接続作業が行えるように排土管40から切り離される。
次に、こうした従来の元押し装置Mを用いて先導体Eを発進させる手順について概説する。
図11には、継ぎ足された埋設管50を元押し装置MのベースフレームA上に設置して推進する直前の状態を図示している。この状態において、推進ジャッキCは縮められており、そのシリンダ部の後端部には、押し台Bを固定している。その場合、押し台Bは、推進ジャッキCを伸ばすときには、そのシリンダ部の前進に随伴し、推進ジャッキCを縮めるときにはそのシリンダ部の後退に随伴しないように固定している。この状態においてカッタヘッドEaを回転駆動しながら推進ジャッキCを伸ばすと、推進ジャッキCは、押し台Bを前進させ、これに伴って、押し台Bは、埋設管50を推進する。こうして推進ジャッキCを漸次伸ばして限界まで伸ばすと、継ぎ足された埋設管50が順次発進立坑Tの発進口を通過して、その埋設管50の一部が地山に埋設される。
推進ジャッキCを限界まで伸ばした後は、推進ジャッキCを限界まで縮める。そうすると、推進ジャッキCは、押し台Bを置き去りにした状態でシリンダ部の前端部が後退し、やがて、このシリンダ部の前端部が押し台Bの位置まで後退する。そこで、今度は、押し台Bをシリンダ部の前端部に、推進ジャッキCの押し力を伝達できるように固定する。この状態において再び推進ジャッキCを伸ばすと、継ぎ足された埋設管50を押し台Bにより更に推進することができ、推進ジャッキCを限界まで伸ばすと、その埋設管50を推進ジャッキCのストローク分だけ更に地山に埋設することができる。
ところで、最近では、発進立坑を設置するための場所を交通量の多い道路上に確保せざるをえないこと、発進立坑の施工費を低減しなければならないこと等の必要性から、発進立坑の規模を縮小するニーズが高まっている。ここに例示した従来の技術では、前記したように、埋設管50を二段階で推進できるようにした元押し装置Mを採用しているので、推進ジャッキCのストロークを埋設管50の長さの略半分程度に短縮することができ、そのため、発進立坑T内における推進ジャッキCの占有空間を格段に小さくすることができて、発進立坑の規模の縮小化に資することができる。この種の元押し装置を採用した管推進機は、例えば、特許文献2に開示されている。
また、発進立坑の規模の縮小化を図るため、先導体を分割して発進させる技術も盛んに開発されている。こうした技術を実施すると、埋設管の長さを標準タイプの埋設管の半分程度に短縮することができるため、先導体を分割したことと相俟って、発進立坑の規模をますます縮小することができる。そのため、昨今では、全長1000mmの埋設管を直径2000mmの断面円形の発進立坑から推進する元押し装置も実施されている。こうした発進立坑の小規模化の現状を実感できるようにするため、先導体を分割発進するときに使用する埋設管(ヒューム管)の長さと発進立坑の直径との相関について、その一部を次の表1に示す。この表1において、埋設管長は、分割発進のために使用する半管(標準タイプの埋設管の半分程度の長さの管)の長さを意味する。表1に示すように、発進立坑は、今では直径2000mmの規模にまで縮小されている。
Figure 0004160932
こうした発進立坑の規模(径)は、ユーザ側が使用する単位埋設管の長さに基づいて決定される。そこで、発進立坑の規模を決定する際の基本的な設計思想について、図11を援用しながら述べる。
発進立坑T内には、必要不可欠の装置として元押し装置Mを設置するが、その場合、推進ジャッキCを限界まで縮めて押し台Bを後退させたときに、押し台Bが発進立坑T内の極力後部に位置するように元押し装置Mを配置する。こうして元押し装置Mを設置した状態において、押し台Bを限界まで後退させる(このときの押し台Bの位置を本明細書では「押し台引限位置」という。)と、押し台引限位置にある押し台Bの前端と発進立坑Tの前端との間に前後方向のスペース(後述する図1の符号X参照)ができる。発進立坑Tの規模を決定する際には、このスペース内に新たな埋設管50(新設の埋設管)を設置することができ、かつ、すでに地中に埋設している埋設管50(既設の埋設管)のうちの末尾の管50と新設の埋設管50との間に、排土管40等、種々の接続部材の接続作業をするのに必要な作業代(前後方向の空間、図10の符号Y参照)を確保することができるように決定する。
先導体Eは、少なくとも、押し台引限位置の押し台Bと発進立坑Tとの間における発進作業上決められた前後方向の規定間隔内に納めることができるように機長を設計する。すなわち、分割発進型のものとした場合には、分割した先導体Eのそれぞれを、何れもその間隔内に設置することができるように設計し、一体発進型のものとした場合には、先導体Eの全体をその間隔内に設置することができるように設計する。このように発進立坑Tの規模は、埋設管50との関係を優先して決定され、先導体Eは、こうした制約条件の下で製作される。
特開昭59−52098号公報(3頁、図1−4) 実願昭60−7655号(実開昭61−125594号)のマイクロフィルム(4−8頁、図1−10)
前記したように、先導体は、押し台引限位置の押し台と発進立坑との間における発進作業上決められた前後方向の規定間隔内に納めることができるように製作しなければならず、その機長がこの間隔よりも少しでも長いと、発進させることができなくなる。例えば、先導体を前記規定間隔内に納めることができるように製作した場合であっても、施工された発進立坑の径が施工時の若干の誤差により設定値よりも小さくなったときには、こうしたことが起こり得る。また、先導体を前記規定間隔内に納め得るように製作することそれ自体が、困難な場合もある。
こうしたケースは、先導体が分割発進型のものである場合に生じやすい。分割発進型の先導体において先導体を複数分割する場合、これに内蔵されている内部機器までも分割することはできないので、等分には分割することができない。そのため、内部機器が例えば土砂圧送ポンプのように機長が長いものの場合には、この内部機器が内蔵されている先導体の分割部分を他の分割部分よりも相当長くせざるを得ない。こうした場合に、発進立坑を単位埋設管の長さに基づいて決定させた標準サイズのものにすると、従来の管推進機の元押し装置では、押し台引限位置の押し台と発進立坑との間の前記規定間隔内に先導体を設置することができなくなることもある。その場合には、ユーザの施工しようとする標準サイズの発進立坑では、先導体を発進させることができなくなり、ユーザの期待に十分に応えることが困難になる。
本発明は、こうした従来の技術にみられる問題を解決するために創作されたものであって、その目的は、押し台引限位置の押し台と発進立坑との間における発進作業上決められた前後方向の規定間隔よりも長い先導体であっても発進させることができる管推進機の元押し装置を提供することにある。
本発明は、前記の目的を達成するため、
発進立坑の底部に設置される架台及びこの架台の後部に立設され先導体や埋設管の推進時の反力を受ける反力受け部材を有するベースフレームと、このベースフレームの架台で前後方向に移動可能に支持される押し台と、ロッド部が反力受け部材に取り付けられシリンダ部に押し台を取り付けて伸長することにより押し台を前進させて先導体や埋設管に推進力を付与することができる推進ジャッキとを備えた管推進機の元押し装置において、
先導体の胴体を上方から装着することができる切欠きを押し台に形成するとともに、この押し台に随伴して前進して先導体を背後から押すことができる押し面を有する押し具を、その押し面が押し台前面よりも後方に位置するように設けた。
すでに述べたように、従来の管推進機の元押し装置では、先導体を発進立坑から発進させるに際して、推進ジャッキを限界まで縮めて押し台を押し台引限位置に後退させた後、この押し台引限位置の押し台と発進立坑との間における発進作業上決められた前後方向の規定間隔内に設置し、先導体を押し台で押すことにより発進させるようにしていた。そのため、発進立坑内に設置しようとする先導体が前記の前後方向の規定間隔よりも少しでも長い場合には、発進させることができなくなった。
これに対して、本発明の管推進機の元押し装置では、先導体の胴体を上方から装着することができる切欠きを押し台に形成しているので、先導体を発進立坑から発進させる際には、押し台を押し台引限位置に後退させた後、先導体の胴体をクレーン等で吊りながら降ろして押し台の切欠きに装着した状態で設置することができる。そして、先導体や埋設管を押すことができる押し具を、その押し面が押し台前面よりも後方に位置するように設けているので、押し台を押し台引限位置に後退させたときには、押し具の押し面を、押し台引限位置まで後退させた押し台の前面よりも更に後方に位置させることができる。
したがって、先導体は、このときの押し具の押し面と発進立坑との間における規定間隔内に設置して押し具の押し面で押すことにより発進させることができるので、本発明の管推進機の元押し装置によれば、この規定間隔よりも長い先導体であっても発進させることができる。そのため、従来、この規定間隔よりも若干長いために発進不能となった先導体であっても、この元押し装置によれば、これを支障なく発進させることができる。
以下の説明から明らかなように、本発明の管推進機の元押し装置は、前記〔課題を解決するための手段〕の項に示した手段を採用しているので、押し台引限位置の押し台と発進立坑との間における発進作業上決められた前後方向の規定間隔よりも長い先導体であっても発進させることができる。そのため、従来、この規定間隔よりも若干長いために発進不能となった先導体であっても、支障なく発進させることができる。本発明の管推進機の元押し装置を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、押し具にローリング防止手段を付設しているので、先導体のカッタヘッドの回転掘削反力により先導体がローリングするのを防止することができる。
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを図1乃至図10を用いて説明することにより、本発明を実施するための望ましい形態を明らかにする。
最初に、図1乃至図6に基づき、本発明を具体化した管推進機の元押し装置の構造について説明する。
図1は、本発明を具体化した管推進機の元押し装置の平面図、図2は、図1における矢印Z−Z方向の矢視図、図3は、図2における矢印G−G方向の矢視図、図4は、図2における矢印H−H方向の矢視図、図5は、図1の管推進機の元押し装置における押し具を各方向から示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図、図6は、図1の管推進機の元押し装置により先導体を推進するときの状態を示す要部の横断面図である。
これらの図において既に述べた図11と同一の符号を付けた部分は、この図11と同等の部分を表す。
本発明を具体化した以下に示す例に係る管推進機の元押し装置は、すでに述べた従来の技術に係る管推進機の元押し装置Mと同様、発進立坑Tの底部に設置される架台1及びこの架台1の後部に立設され先導体Eや埋設管50の推進時の反力を受ける反力受け部材2を有するベースフレームAと、このベースフレームAの架台1で前後方向に移動可能に支持される押し台Bと、ロッド部が反力受け部材2に取り付けられシリンダ部に押し台Bを取り付けて伸長することにより押し台Bを前進させて先導体Eや埋設管50に推進力を付与することができる油圧シリンダによる推進ジャッキCとを備えている。また、この推進ジャッキCの伸縮により前後に移動させて発進立坑T内の排土管40の後端側に接続したりその排土管40の後端側から切り離したりすることができる元押し排土管20(図10参照)も備えている。
Aは架台1とこの架台1の後端部に立設された反力受け部材2とを備え左右に一対平行に配置されるベースフレーム、Bは左右の下方に車輪B1を備え左右一対の架台1で前後方向に移動可能に支持され推進ジャッキCの伸長により先導体Eや埋設管50に推進力を付与する押し台、Cはロッド部の後端部が反力受け部材2に揺動可能に取り付けられシリンダ部の前端部及び後端部に押し台Bを選択的に固定して埋設管50を二段階で推進できるようにした既述の図11の推進ジャッキCと同様の推進ジャッキ、Fは押し台Bに随伴して前進して先導体Eを背後から押すための後に詳述する押し具である。
ベースフレームAの架台1は、複数の架台の分割片を着脱可能に連結して構成されて、発進立坑Tの底部に左右に一対並行に設置されている。また、ベースフレームAの反力受け部材2は、左右に一対設置され、図4に示すように固定具2bにより後方支圧壁3bにそれぞれ固定されている。そして、後方支圧壁3bを介して発進立坑Tの坑壁でそれぞれ支持されて、推進ジャッキCによる先導体Eや埋設管50の推進時に反力を取れるようにしている。一対の各反力受け部材2には、押し具Fをレーザ発信器100に干渉させないように位置決めするためのストッパ2aが固定されている。ベースフレームAの前端側及び後端側には、それぞれ、前方支圧壁3a及び後方支圧壁3bが配置されている。そして、これら前方支圧壁3a及び後方支圧壁3bを、後述する反力螺子ジャッキ5により発進立坑Tの内壁に当接させて両支圧壁3a,3bでベースフレームAを挟持することにより、ベースフレームAを発進立坑T内に固定する。
押し台Bには、従来の装置とは異なり、先導体Eの胴体を上方から装着して嵌め込むことができる正面視U字状の切欠きB2が形成されている。このように、押し台Bは、先導体Eの後端部に当接できない構造であるので、従来の装置とは異なり、先導体Eを直接的には押さない。こうした押し台Bの構造は、本元押し装置の第一の特徴である。推進ジャッキCは、左右一対の反力受け部材2にそれぞれ取り付けられている。推進ジャッキCのシリンダ部の前端部には、押し台Bが抜け出るのを防止するためのストッパC1が付設されている。このストッパC1には、推進ジャッキCのシリンダ部を支持しながらこれを前後に円滑に移動できるようにするための車輪C2が付設されている。
4は一対の架台1上にそれぞれ敷設され押し台Bの車輪B1を係合させることにより押し台Bを摺動させつつガイドするレール、5は架台1の前端部や後端部に螺合させ回動させて突出量を調節することにより前方支圧壁3aや後方支圧壁3bを移動して発進立坑Tの内壁に当接させる働きをする反力螺子ジャッキ、6はベースフレームAの架台1の前端部に左右に一対設置され押し台Bと協働して先導体Eや埋設管50を水平に支持する働きをするガイドローラ、7はベースフレームAの架台1に螺合され回動することにより架台1の上下方向の位置を調節する働きをするレベルジャッキ、100は台座101上に設置されたレーザ発信器である。
ガイドローラは、先導体Eや埋設管50を滑動させながら水平を保つように案内するための左右一対のローラ6aと、これら一対のローラ6aがボルト等により取り付けられるブラケット6bと、これら一体化されたローラ6aとブラケット6bを上下動可能にガイドするためのガイド6cと、これらローラ6aやブラケット6bを上下動させるための左右一対の高さ調節用のネジジャッキ6dとを設けて構成されている。ブラケット6bの左右には、それぞれ雌螺子孔を形成してこれにネジジャッキ6dを螺合させている。したがって、一体化されたローラ6aとブラケット6bは、このネジジャッキ6dを回動することにより上下動させて高さ調節をすることができる。レーザ発信器100は、後述する図10に示すように、埋設管50の推進時には元押し排土管20の背後の発進立坑Tの後部に配置される。そして、先導体Eの位置や姿勢を検出するために先導体Eに向けてレーザビームを照射し、ことより、先導体Eが、決められた掘進経路に沿って正しく掘進するように、先導体Eの掘進経路の制御を行っている。
次に、図3乃至図6に基づき、本管推進機の元押し装置の第二の特徴をなす押し具Fについて説明する。
押し具Fは、正面視U字状の押し具本体F0と、この押し具本体F0の後端内側に付設され押し台Bに随伴して前進して先導体Eを背後から押すことができる正面視U字状の押し面F1と、押し具本体F0の左右の各上端部に付設され先導体Eのローリングを防止するローリング防止手段としてのローリングストッパF2と、押し具本体Fの後部に突設され先導体E内に設ける油圧ホース30(図6乃至図8参照)等のホース類を上方に向けるようにガイドするホースガイドF3と、押し具本体F0の前面における左右の各上端部に付設され押し具本体F0を押し台Bに対して平行に保つためのスペーサF4とを備えている。押し具本体F0は、押し台Bの背後に取り付けるが、その場合、押し台Bの後面下部に固着した補強部材(図示していないが、スペーサF4と同等の厚みを有する。)に取り付けている。そのため、押し台Bと押し具本体F0との間の上方に間隙ができるが、スペーサF4は、この間隙を埋めて両者を確りと平行状態に保つ働きをする。
押し具本体F0やスペーサF4には、押し具本体F0を押し台Bにボルトで締結することができるように多数のボルト孔F5を設けている。押し面F1は、押し具本体F0の後端に付設しているので、押し台Bの前面よりも押し台Bの厚みとスペーサF4の厚みと押し具本体F0の厚みの総和分だけ後方に位置させることができる。左右のローリングストッパF2は、図7や図8に示すように、発進させる先導体Eの後端部に突設した先導体側ローリングストッパER(ER1,ER2,ER3の総称)に当接させ、これにより、先導体EがカッタヘッドEaの回転掘削反力により回転するのを防ぐ働きをする。先導体側ローリングストッパERは、先導体Eを分割発進する場合、分割された先導体Eのそれぞれに取り付けられ、分割された各先導体Eの発進が終了する都度、取り外される。ホースガイドF3は、先導体Eの内部から導出したホース類を導入して起立させるためのホース導入部F3aを後端部の左右に備えている。
最後に、図7乃至図10に基づき、本管推進機の元押し装置を使用して分割発進型の先導体Eを分割発進させる方法や埋設管を推進する方法について説明する。
図7は、図1の管推進機の元押し装置を用いて先導体の一段目を発進させるときの状態を示す縦断面図、図8は、図1の管推進機の元押し装置を用いて先導体の二段目を発進させるときの状態を示す縦断面図、図9は、図1の管推進機の元押し装置を用いて先導体の三段目を発進させるときの状態を示す縦断面図、図10は、図1の管推進機の元押し装置を用いて新設の埋設管の推進の準備作業を行うときの状態を示す縦断面図である。
ここに例示する分割発進型の先導体Eは、前部の一段目の先導体E1と中央部の二段目の先導体E2と後部の三段目の先導体E3とに三分割したものである。この三分割した先導体Eを発進させるときには、一段目の先導体E1を発進立坑T内に設置して発進させるが、その場合には、まず、推進ジャッキCを限界まで縮めることにより押し台Bを押し具Fと共に押し台引限位置に後退させる。しかる後、先導体側ローリングストッパER1を取り付けた一段目の先導体E1の胴体をクレーン等で吊りながら降ろして押し台Bの切欠きB2に装着した状態で発進立坑T内に設置する。その場合、先導体E1の後端部を押し具Fの押し面F1に極力接近させるようにする。また、先導体E1の内部から導出したアクチュエータ駆動用の油圧ホース、電気信号搬送用のケーブル、粘性付与液供給用のホース等のホース類をホースガイドF3でガイドして起立させる。この段階では、押し台Bを推進ジャッキCのシリンダ部の後端部に固定している。
図7には、こうして一段目の先導体E1の発進準備が完了した状態を図示している。先導体E1の発進準備が完了した後は、推進ジャッキCを伸ばして押し台Bを前進させることにより、押し具Fを前進させて押し具Fの押し面F1で先導体E1を推進する。こうして推進ジャッキCをフルストローク伸ばして先導体E1を推進した後、既述の従来の技術と同様にして、押し台Bを推進ジャッキCのシリンダ部の前端部に固定し直すことにより先導体E1を更に推進して先導体E1を二段階で推進する。そして、最終的には、先導体E1を地山に押し込むが、その場合、後続の二段目の先導体E2を一段目の先導体E1に円滑に接続できるように位置決めするため、図8に示すように一段目の先導体E1の後端部がガイドローラー6を通過する手前でその先導体E1の推進を停止する。この段階で、先導体側ローリングストッパER1は、一段目の先導体E1から取り外す。
次いで、押し台Bを押し具Fと共に押し台引限位置に後退させるとともに押し台Bを推進ジャッキCのシリンダ部の後端部に固定し、しかる後、先導体側ローリングストッパER2を取り付けた二段目の先導体E2の胴体を押し台Bの切欠きB2に装着して一段目の先導体E1と同様の態様で発進立坑T内に設置する。また、先導体E2の内部から導出したホース類をホースガイドF3でガイドして起立させる。図8には、こうして二段目の先導体E2の発進準備が完了した状態を図示している。二段目の先導体E2の発進準備が完了した後は、この二段目の先導体E2も、一段目の先導体E1と同様に二段階で推進して、ガイドローラー6で位置決めされている一段目の先導体E1に接続した後に地山に押し込む。二段目の先導体E2が一段目の先導体E1に接続されるときには、各先導体E1,E2内のホース類も自動的に接続される。二段目の先導体E2も、図9に示すように後端部がガイドローラー6を通過する手前で推進を停止し、先導体側ローリングストッパER2を取り外す。
次いで、押し台Bを押し具Fと共に押し台引限位置に後退させるとともに押し台Bを推進ジャッキCのシリンダ部の後端部に固定し、しかる後、先導体側ローリングストッパER3を取り付けた三段目の先導体E3の胴体を押し台Bの切欠きB2に装着して一段目の先導体E1と同様の態様で発進立坑T内に設置する。また、先導体E3の内部から導出したホース類をホースガイドF3でガイドして起立させる。図9には、こうして三段目の先導体E3の発進準備が完了した状態を図示している。三段目の先導体E3の発進準備が完了した後は、この三段目の先導体E3も、一段目の先導体E1と同様に二段階で推進して、ガイドローラー6で位置決めされている二段目の先導体E2に接続するとともに各先導体E2,E3内のホース類も自動的に接続した後、今度は、後端部がガイドローラー6を通過するように推進して先導体E3をできるだけ地山に押し込む。かくて、先導体Eの分割発進が完了する。
以上の説明から分かるように、二段目の先導体E2及び三段目の先導体E3を発進立坑T内に設置するときには、一段目の先導体E1及び二段目の先導体E2の後端部がそれぞれガイドローラー6の手前側に突出しているため、先導体の設置空間が狭められる。こうした設置空間内に先導体E2及び先導体E3を設置する場合、二段目の先導体E2は、機長が短いため、従来の元押し装置でも発進不能となる恐れはないが、三段目の先導体E3は、土砂圧送ポンプを内蔵していて機長がきわめて長いため、従来の元押し装置では発進不能となる恐れがある。
これに対して、本管推進機の元押し装置では、先導体E3の胴体を上方から装着することができる切欠きB2を押し台Bに形成しているので、先導体E3を発進立坑Tから発進させる際には、押し台Bを押し台引限位置に後退させた後、先導体E3の胴体をクレーン等で吊り降ろして押し台Bの切欠きB2に装着した状態で設置することができる。そして、先導体E3を押すことができる押し具Fを設けて、前述したように、この押し具Fの押し面F1が押し台Bの前面よりも押し台Bの厚みとスペーサF4の厚みと押し具本体F0の厚みの総和分だけ後方に位置するように工夫しているので、押し台Bを押し台引限位置に後退させたときには、押し具Fの押し面F1を、押し台引限位置まで後退させた押し台Bの前面よりもかなり後方に位置させることができる。
したがって、先導体E3は、このときの押し具Fの押し面F1と発進立坑Tの前端側の規定位置(二段目の先導体E2の後端位置)との間隔内に設置して押し具Fの押し面F1で押すことにより発進させることができるので、本管推進機の元押し装置によれば、押し台引限位置の押し台Bと発進立坑Tとの間における発進作業上決められた前後方向の規定間隔(押し台引限位置の押し台Bと二段目の先導体E2の後端との間隔)よりも若干長い先導体E3であっても発進させることができる。そのため、従来、この間隔よりも若干長いために発進不能となった先導体E3であっても、この元押し装置によれば、これを支障なく発進させることができる。発明者が確認したところによると、本管推進機の元押し装置を実施することにより、先導体の設置空間を少なくとも200mm程度は、拡大することができる。
本管推進機の元押し装置では、押し具Fに、ローリング防止手段としてのローリングストッパF2を付設しているので、こののローリングストッパF2を先導体側ローリングストッパERに当接させることにより、先導体Eが発進時にカッタヘッドEaの回転掘削反力によりローリングするのを防止することができる。また、押し具Fに、ホースガイドF3を設けているので、先導体Eの内部から導出したホース類をホースガイドF3でガイドして起立させることにより、先導体Eの発進準備の作業時にホース類がレーザ発信器100に干渉してレーザ発信器100が損傷するのを防ぐことができる。
先導体Eの分割発進が完了した後は、埋設管50を推進する。その場合、ここに示す例では、図10に示すように押し具Fを押し台Bから取り外して押し台Bに元押し排土管20を取り付ける。また、推進ジャッキCを縮めて押し台Bや更には元押し排土管20を限界まで後退させる。図10には、すでに埋設した既設の埋設管50に新設の埋設管50を継ぎ足すときの状態を図示している。元押し排土管20を前記したように限界まで後退させると、元押し排土管20と既設の埋設管50との間には、埋設管50の単位長さL相当分の空間及び排土管40や埋設管50の新設に伴う種々の作業を行うための作業代Y(作業用空間)を確保することができる。なお、新設の埋設管50の後端部には、埋設管50の継手部を管推進時に損傷させないようにするための環状の推進用カラー60を付設している。
前記の作業終了後は、排土管40を内蔵した新設の埋設管50を図10に鎖線で示すようにクレーンで吊った後、図10に実線で示すように、その埋設管50を元押し排土管20と既設の埋設管50との間の極力後方寄りに吊り降ろして発進立坑T内に設置する。この状態において、新設の埋設管50の前方には、作業代Yを確保することができるので、この作業代Yを利用して、最初に、先導体E側に圧油や電気信号等を送るための油圧ホースや電気ケーブル等のホース類を継ぎ足し、次いで、新設の排土管40を既設の排土管40に継ぎ足した後、新設の埋設管50をクレーンで前方に移動して既設の埋設管50に継ぎ足す。しかる後、通常の作業過程を経て新設の埋設管50の推進を開始する。
本発明を具体化した管推進機の元押し装置の平面図である。 図1における矢印Z−Z方向の矢視図である。 図2における矢印G−G方向の矢視図である。 図2における矢印H−H方向の矢視図である。 図1の管推進機の元押し装置における押し具を各方向から示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。 図1の管推進機の元押し装置により先導体を推進するときの状態を示す要部の横断面図である。 図1の管推進機の元押し装置を用いて先導体の一段目を発進させるときの状態を示す縦断面図である。 図1の管推進機の元押し装置を用いて先導体の二段目を発進させるときの状態を示す縦断面図である。 図1の管推進機の元押し装置を用いて先導体の三段目を発進させるときの状態を示す縦断面図である。 図1の管推進機の元押し装置を用いて新設の埋設管の推進の準備作業を行うときの状態を示す縦断面図である。 従来の技術に係る管推進機の全体像を示す縦断面図である。
符号の説明
A ベースフレーム
B 押し台
B1 車輪
B2 切欠き
C 推進ジャッキ
E 先導体
F 押し具
F0 押し具本体
F1 押し面
F2 ローリングストッパ
F3 ホースガイド
L 埋設管50の単位長さ
T 発進立坑
Y 作業代
1 架台
2 反力受け部材
4 レール
20 元押し排土管
30 油圧ホース
40 排土管
50 埋設管

Claims (2)

  1. 発進立坑の底部に設置される架台及びこの架台の後部に立設され先導体や埋設管の推進時の反力を受ける反力受け部材を有するベースフレームと、このベースフレームの架台で前後方向に移動可能に支持される押し台と、ロッド部が反力受け部材に取り付けられシリンダ部に押し台を取り付けて伸長することにより押し台を前進させて先導体や埋設管に推進力を付与することができる推進ジャッキとを備えた管推進機の元押し装置において、先導体の胴体を上方から装着することができる切欠きを押し台に形成するとともに、この押し台に随伴して前進して先導体を背後から押すことができる押し面を有する押し具を、その押し面が押し台前面よりも後方に位置するように設けたことを特徴とする管推進機の元押し装置。
  2. 請求項1に記載の管推進機の元押し装置において、押し具に、先導体のローリングを防止するためのローリング防止手段を付設したことを特徴とする管推進機の元押し装置。
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