JP4161995B2 - 埋込型スピーカー取付装置およびこれを用いた埋込型スピーカー - Google Patents

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Description

本発明は、天井や壁面等の取付板にスピーカーを埋め込む場合に使用する埋込型スピーカー取付装置およびこれを用いた埋込型スピーカーに関し、特に、ネジを回転させて突出もしくは収容できる取付脚を備える埋込型スピーカー取付装置に関する。
天井や壁面等にスピーカーを埋め込む場合に、ネジを回転させて突出もしくは収容できる取付脚を備える埋込型スピーカー取付装置が使用されることがある。例えば、天井にスピーカーを取り付ける作業者は、天井板(取付板)に設けた取付孔に対して埋込型スピーカー取付装置を埋め込み、その重量を支えながら前面側(すなわち室内側)からネジを回転させると、背面側(すなわち天井側)で取付脚が扇動して突出し、取付脚がネジの軸方向に移動してフランジと天井板を挟み込むことにより、簡易に取り付けが可能になる。また、取り外す場合も、ネジを反対方向に回転することで、取付脚が移動してフランジと天井板との挟み込みを開放し、そして取付脚が扇動して背面側に収容されて、簡易に取り外しができる。
従来には、作業者の作業効率を向上させるために、取付脚にコイルばねを設け、取付脚とフランジとが、弾性的に天井板を挟み込むようにするものがある(特許文献1)。
実公平7−31667号公報 (第1図)
また、従来には、埋込型スピーカー取付装置を作業しやすく、かつ、安価な構成とするために、取付脚を樹脂成形部材で形成し、ネジを金属製のタッピンネジとした埋込型スピーカー取付装置が使用されることがある。タッピンネジはメートルネジよりもネジピッチが大きいので、ネジ1回転に伴う取付脚のネジの軸方向への移動距離が大きくなり、作業者の作業効率が向上する利点がある。取付脚の軸受部は、樹脂成形された略円筒状貫通孔として構成され、タッピンネジを螺合させることにより、内面側に螺旋状溝、つまり、ネジ山が形成される。
しかしながら、金属製のタッピンネジと樹脂製の取付脚との組み合わせでは、何回も取り付け並びに取り外しを繰り返していると、樹脂成形された取付脚の軸受部がタッピンネジの回転により摩耗して、内面側のネジ山が削られて、回転方向の係合が弱くなってしまうことがある。その結果、ネジを回転しても取付脚が扇動せずに、取付脚が突出もしくは収容しなくなる、という問題がある。すなわち、埋込型スピーカー取付装置のネジを回転させても、金属製のタッピンネジと樹脂製の取付脚の軸受部がネジの回転方向に対して空回りを起こし、突出もしくは収容が可能であるはずの位置に取付脚が移動しても突出もしくは収容できず、その結果、何回も取り付け並びに取り外しを繰り返すスピーカーについて、取り付けられない、もしくは、取り外せないといった問題が生じる。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、何回も取り付け並びに取り外しを繰り返した埋込型スピーカー取付装置であっても、ネジの回転により、取付脚を確実に突出もしくは収容できるようにして、取付の作業性を改善した埋込型スピーカー取付装置およびこれを用いた埋込型スピーカーを提供することにある。
本発明の埋込型スピーカー取付装置は、内周側にスピーカーを収容するフレームと、フレームの外周前面側から突出するフランジと、フレームの前面から背面に貫通し、かつ、フレームの背面側で取付脚の一端側に形成された軸受部に係合するネジと、ネジの回転により取付脚の他端側を、ネジの軸方向へ移動し、並びに、ネジの回転方向へ扇動し、フレームの外周背面側から突出してフランジに対向して取付板を狭持する、もしくは、フレームの背面側に収容する取付脚と、ネジの回転による取付脚の移動並びに扇動を規制するガイド部と、を備える、埋込型スピーカー取付装置であって、ガイド部が、取付脚をフレームの外周背面側から突出させてネジの軸方向へ移動させる突出規制部と、取付脚をフレームの背面側に収容することができる収容規制部とを備え、収容規制部が、ネジと取付脚の軸受部とのネジの回転方向の係合が弱くて、取付脚が扇動しない場合に、ネジと取付脚の軸受部とのネジの回転方向の係合を強める係合強化手段を備える。
好ましくは、本発明の埋込型スピーカー取付装置は、ネジが、金属製のタッピンネジであり、取付脚の一端側に形成された軸受部が、樹脂成形された略円筒状貫通孔であり、収容規制部の係合強化手段が、タッピンネジのフレーム背面側の端部に設けられ、かつ、取付脚が有する平面と衝突する傾斜面を備えるネジ端規制部材と、取付脚が有するネジ端規制部材に衝突する平面と、を備え、タッピンネジのネジ山が、傾いた取付脚の略円筒状貫通孔のネジ山に係合する。
好ましくは、本発明の埋込型スピーカー取付装置は、ネジ端規制部材が、タッピンネジと異なるネジピッチを有するナットであり、タッピンネジのフレーム背面側の端部にナットの座面を傾けて取り付けられている。
また、本発明の埋込型スピーカーは、上記のいずれかに記載の埋込型スピーカー取付装置と、埋込型スピーカー取付装置のフレームの内周側に収容されるスピーカーと、を備える。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の埋込型スピーカー取付装置は、内周側にスピーカーを収容するフレームと、フレームの外周前面側から突出するフランジと、フレームの背面側に設けられる取付脚と、をそなえる。この取付脚は、フレームの前面から背面に貫通するネジと、フレームの背面側で取付脚の一端側に形成された軸受部において係合する。取付脚は、取付脚の移動並びに扇動を規制するガイド部により規制され、ネジの回転により取付脚の他端側を、ネジの軸方向へ移動し、並びに、ネジの回転方向へ扇動し、フレームの外周背面側から突出してフランジに対向して天井板を狭持する、もしくは、フレームの背面側に収容する。したがって、天井にスピーカーを取り付ける作業者は、天井板に設けた取付孔に対して埋込型スピーカー取付装置を埋め込み、その重量を支えながら前面側からネジを回転することで、埋込型スピーカーを簡易に取り付け、また、取り外しができる。
ガイド部は、取付脚をフレームの外周背面側から突出させてネジの軸方向へ移動させる突出規制部と、取付脚をフレームの背面側に収容することができる収容規制部とを備える。突出規制部では、取付脚は、ネジの回転に伴って移動するが、回転方向には突出する角度を保持するように規制されており扇動しない。一方で、収容規制部では、取付脚は、ネジの回転に伴って移動するとともに、回転方向には突出する角度からフレーム背面に収容される角度まで扇動可能にされている。
ここで、収容規制部は、ネジと取付脚の軸受部とのネジの回転方向の係合が弱くて、取付脚が扇動しない場合に、ネジと取付脚の軸受部とのネジの回転方向の係合を強める係合強化手段を備える。したがって、埋込型スピーカー取付装置を何回も取り付け並びに取り外ししてネジの回転方向の係合が弱くなっても、再びネジの回転方向の係合を強く回復させることができる。したがって、ネジを回転しても取付脚が扇動せずに、取付脚が突出もしくは収容しなくなり、埋め込み型スピーカーを取り付けられない、もしくは、取り外せないという問題を生じない。
収容規制部の係合強化手段は、ネジが金属製のタッピンネジであり、取付脚の一端側に形成された軸受部が樹脂成形された略円筒状貫通孔であるとすると、取付脚と衝突することによりタッピンネジの軸に対して傾ける突起もしくは衝突面を備える。つまり、ネジを回転しても取付脚が扇動しない場合には、タッピンネジと取付脚の軸受部とのタッピンネジの回転方向の係合が弱くなっていて、いわゆる空回りを起こしているので、収容規制部の係合強化手段は、突起もしくは衝突面によって取付脚の軸受部をタッピンネジの軸に対して傾けるようにする。傾けることで、タッピンネジのネジ山と取付脚の略円筒状貫通孔のネジ山との接触面積が増大し、その結果、再びネジと取付脚との回転方向の係合が回復し、取付脚が扇動する。
具体的には、収容規制部の係合強化手段は、タッピンネジのフレーム背面側の端部に設けられたネジ端規制部材と、取付脚が有するネジ端規制部材に衝突する面を含む部分と、から構成される。収容規制部で回転方向の係合が弱くなって取付脚が扇動しない場合であっても、タッピンネジを取付脚が収容される方向に回転させ続けると、取付脚は、タッピンネジの回転にともなってタッピンネジのフレーム背面側の端部まで軸方向に移動し、ネジ端規制部材と衝突する。このとき、ネジ端規制部材と、取付脚が傾いた状態で衝突するので、その結果、再びネジと取付脚との回転方向の係合が回復し、取付脚が扇動してフレーム背面に収容される。ネジ端規制部材は、タッピンネジと共に回転するので、ネジを反対側へ回転させても回転方向の係合を失わない。したがって、埋込型スピーカー取付装置を何回も取り付け並びに取り外ししてネジの回転方向の係合が弱くなっても、取り外せないという問題を生じない。
本発明の埋込型スピーカー取付装置およびこれを用いた埋込型スピーカーは、何回も取り付け並びに取り外しを繰り返した場合であっても、ネジの回転により、取付脚を確実に突出もしくは収容できるようにして、取付の作業性を改善できる。
本発明の埋込型スピーカー取付装置およびこれを用いた埋込型スピーカーは、何回も取り付け並びに取り外しを繰り返した場合であっても、ネジの回転により、取付脚を確実に突出もしくは収容できるようにするという目的を、ネジの回転による取付脚の移動並びに扇動を規制するガイド部が、取付脚をフレームの外周背面側から突出させてネジの軸方向へ移動させる突出規制部と、取付脚をフレームの背面側に収容することができる収容規制部とを備え、収容規制部が、ネジと取付脚の軸受部とのネジの回転方向の係合が弱くて、取付脚が扇動しない場合に、ネジと取付脚の軸受部とのネジの回転方向の係合を強める係合強化手段を備えるようにすることにより、実現した。
以下、本発明の好ましい実施形態による埋込型スピーカー取付装置およびこれを用いた埋込型スピーカーについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1および図2は、本発明の好ましい実施形態による埋込型スピーカー1について説明する図である。図1は埋込型スピーカー1についての斜視図であり、また、図2は天井板2の取付孔に埋め込む使用形態を説明する図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は底面図(つまり室内側から天井を見た図)である。埋込型スピーカー1は、タッピンネジ20を回転させて突出もしくは収容できる取付脚30を備える埋込型スピーカー取付装置を4カ所に設けたフレーム10を含む。なお、図示した図2(a)において、取付脚30aは収容した状態での取付脚であり、取付脚30bは突出した状態での取付脚である。
フレーム10は、フレーム10の外周前面側からフレーム10の側面を形成する曲面19の外側へ突出するフランジ11を有する略椀形状の筐体であり、樹脂射出成形により形成される。フレーム10は、埋込型スピーカー取付装置を備えると共に、取り付けるスピーカーの音響容量を規定するキャビネットを構成する。図示したフレーム10は、内周側にバッフル板12を介して高音域用スピーカー3と低音域用スピーカー4とを収容しており、低音域用スピーカー4の振動板の背面側に密閉空間を規定して、密閉型スピーカーを構成している。フレーム10の前面側には、高音域用スピーカー3と低音域用スピーカー4の保護ならびに美観のための、通気性を有するパンチングネット5が設けられている。また、フレーム10の背面13には、高音域用スピーカー3および低音域用スピーカー4への音声信号を供給する接続端子6および7が設けられている。もちろん、埋込型スピーカー1は、バスレフダクトを備えるバスレフ型スピーカーであってもよく、また、パンチングネットならびに接続端子の形態は、本実施例に限定されるものではない。フレーム10は樹脂射出成形によるものに限られず、フレーム10とフランジ11とが別部品を組み立てて構成してもよい。
フレーム10は、埋込型スピーカー取付装置を4カ所備え、それぞれに取付脚30を収容する凹空間15が規定されている。凹空間15は、フレーム10の背面13ならびに側面側の曲面19に設けられた凹状の空間であり、後述する取付脚30の移動並びに扇動を規制するガイド16、17および18から形成されている。ガイド16、17および18は、凹空間15の一部を規定する面と面とが交わる稜線である。また、凹空間15には、取付脚30とともにタッピンネジ20が収容され、フレーム10の前面側から貫通する貫通孔14が連通している。なお、取付脚30の移動とは、取付脚30がタッピンネジ20の軸方向へ動くことをいい、また、取付脚30の扇動とは、取付脚30がタッピンネジ20の回転方向へ所定の角度にわたって回動することをいう。
取付脚30は、樹脂成形された略L字形状の構造を有し、その一端側にフランジ11に対向して天井板2を狭持する狭持部31と、他端側に軸受部32とを備える。略L字形状の脚部は、狭持部31側の梁と軸受部32側の梁とから構成され、軸受部32側の梁は、フレーム背面側に平面33と、フレーム前面側に平面34とを有している。軸受部32には、フレーム10の貫通孔14を前面から背面に貫通するタッピンネジ20が係合する。軸受部32は、樹脂成形された略円筒状貫通孔として構成されており、タッピンネジ20を螺合させることにより、内面側にネジ山ならびに螺旋状溝が形成されている。
タッピンネジ20は、取付脚30の軸受部32に係合するとともに、フレーム10の貫通孔14を貫通する。タッピンネジ20は、ドライバー等の工具と係合するネジ頭21を備え、ネジ頭21は、フレーム10の前面側に現れている。一方で、タッピンネジ20の他端22には、取付脚30の移動を規制するナット40が取り付けられている。加えて、ナット40は、タッピンネジ20と取付脚30の軸受部32とのタッピンネジ20の回転方向の係合が弱くて、取付脚30が扇動しない場合に、タッピンネジ20と取付脚30の軸受部32とのタッピンネジ20の回転方向の係合を強める係合強化手段を形成している。例えば、タッピンネジ20が(ネジの呼径)4の場合に、ナット40がメートルネジに対応する(ネジの呼径)M4ナットを取り付けると、ナット40は、タッピンネジ20に対して約3〜10度傾いている。ナット40の(図示しない)ネジ穴のネジピッチと、タッピンネジ20のネジピッチとが一致しないからであり、ナット40は傾いて取り付けられる。なお、ナット40は、後述する凹空間15の収容規制部として規定される空間に配置されており、タッピンネジ20が回転するのに合わせて回転する。また、タッピンネジ20とナット40とを確実に固定するために、接着剤を併用してもよい。
タッピンネジ20のネジ頭21をドライバー等の工具により回転させると、取付脚30が移動並びに扇動するので、作業者は、簡易に天井板2に埋込型スピーカー1を取り付け、また、取り外しができる。右ネジであるタッピンネジ20のネジ頭21を、フレーム10の前面側から(つまり室内側から)時計回り方向に廻した場合、取付脚30には、T1(つまり前面側)方向に移動し、また、R1(つまり突出)方向に扇動しようとする力が作用する。反対に、タッピンネジ20のネジ頭21を、フレーム10の前面側から(つまり室内側から)反時計回り方向に廻した場合、取付脚30には、T2(つまり背面側)方向に移動し、また、R2(つまり収容)方向に扇動しようとする力が作用する。その結果、取付脚30は、フレーム10の外周背面側から突出してフランジ11に対向して天井板2を狭持する、もしくは、フレーム10の背面側に移動して収容される。なお、突出とは、取付脚30の一部分がフレーム10の側面を形成する曲面19の外側へ飛び出している状態を指し、また、収容とは、取付脚30の全部がフレーム10の側面を形成する曲面19の内側の凹空間15に収まり、その結果、フレーム10ならびにフランジ11の内側に収まっている状態を指す。
凹空間15と、ガイド16、17および18は、取付脚30をフレーム10の外周背面側から突出させてタッピンネジ20の軸方向へ移動させる突出規制部と、取付脚30をフレーム10の背面側に収容することができる収容規制部とを形成している。突出規制部は、ガイド18よりフレーム10の前面側に位置するガイド16および17から規定される。取付脚30がT1方向に移動並びにR1方向に扇動して、軸受部32側の梁のフレーム前面側平面34が、ガイド16および17の間に規定される凹空間に入り込むと、ガイド16および17によって取付脚30は突出した状態を維持し、扇動しない。したがって、作業者は、タッピンネジ20を時計方向に廻し続けることで、取付脚30を突出させ、そして、天井板2を狭持させて、天井板2に埋込型スピーカー1を取り付けることができる。
また、一方で、収容規制部は、ガイド18と、ガイド18よりフレーム10の背面側の凹空間15の一部分とから構成される。取付脚30がT2方向に移動して、軸受部32側の梁のフレーム前面側平面34が、ガイド18よりフレーム10の背面側に達すると、ガイド16および17から解放されて、取付脚30はR2方向に扇動して、凹空間15に収容される。したがって、作業者は、タッピンネジ20を反時計方向に廻し続けることで、取付脚30を収容させて、天井板2から埋込型スピーカー1を取り外すことができる。なお、取付脚30がT2方向に移動していくと、最後には、軸受部32側の梁のフレーム背面側平面33と、ナット40とが衝突するので、取付脚30のT2方向への移動は制限される。
埋込型スピーカー1の取り付けもしくは取り外しを繰り返した場合に、何回もタッピンネジ20を回転させていると、樹脂で形成された取付脚30の軸受部32の内面がタッピンネジ20の回転により摩耗して、内面側のネジ山が削られる。その結果、タッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合が弱くなってしまい、取付脚30は、タッピンネジ20の回転によりT1もしくはT2の軸方向に移動しても、収容規制部において取付脚30が扇動せずに、取付脚が突出もしくは収容しなくなる場合がある。タッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合で作用する力よりも、取付脚30の扇動の際に生じる他の部品との摩擦力や、取付脚30の自重による重力との総和の方が大きい場合である。この場合、埋込型スピーカー1が、取り付けられない、もしくは、取り外せないといった問題が生じるおそれがある。
図3は、埋込型スピーカー取付装置について、タッピンネジ20と取付脚30の軸受部32とのタッピンネジ20の回転方向の係合が弱くて、取付脚30が扇動しない場合に作動する係合強化手段、つまり、タッピンネジ20の端部22に傾けて取り付けられたナット40の動作を説明する部分拡大図である。ナット40は、タッピンネジ20と取付脚30の軸受部32とのタッピンネジ20の回転方向の係合を強めることができる。上述の通り、ナット40のネジ穴方向を規定する軸線41は、タッピンネジ20の回転軸線23に対して約5度傾いているので、軸線41に直角なナット40の座面42も約5度傾いている。つまり、ナット40は、座面42を傾けたまま、タッピンネジ20と共に回転する。
図3(a)〜(c)は、何回も取り付け並びに取り外しを繰り返した埋込型スピーカー1が天井板2に取り付けられていて、これを取り外そうとしている場合の動作を、順番に説明する図である。最初に、図3(a)において、タッピンネジ20のネジ頭21をドライバー等の工具により反時計方向に回転させると、取付脚30がT2方向に移動して、軸受部32側の梁のフレーム前面側平面34が、ガイド18よりフレーム10の背面側に達し、ガイド16および17から解放されて収容可能になる。ここで、タッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合で作用する力が弱いので、タッピンネジ20のネジ頭21を回転させ続けると、取付脚30は、R2方向に扇動せずに、つまり、凹空間15に収容されずにT2方向に移動する。
つぎに、図3(b)において、T2方向に移動した取付脚30は、タッピンネジ20の端部22に傾けて取り付けられたナット40によって移動を制限される。このとき、T2方向に移動させようとする力が軸受部32において作用する一方で、取付脚30の軸受部32側の梁のフレーム背面側平面33と、ナット40の傾いた座面42とが衝突するので、取付脚30は全体として傾けられる。すなわち、取付脚30の軸受部32は、タッピンネジ20の軸線23に対して傾けられる。すると、タッピンネジ20のネジ山と取付脚30の軸受部32の略円筒状貫通孔のネジ山との接触面積が増大し、その結果、再びタッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合が回復する。ナット40が傾いているので、取付脚30とタッピンネジ20とは強く噛み合った状態になり、確実に回転方向の係合を強化することができる。
さらに、図3(c)において、再びタッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合が回復すると、タッピンネジ20のネジ頭21をドライバー等の工具により反時計方向に回転させれば、取付脚30がR2方向に扇動を開始して、凹空間15に収容される。取付脚30とタッピンネジ20とは強く噛み合った状態が維持されている限り、タッピンネジ20のネジ頭21を時計方向に回転させて、取付脚30を突出させるようにR1方向に扇動させることも可能になる。したがって、タッピンネジ20の端部22に傾けて取り付けられたナット40を設けることで、タッピンネジ20の回転により、確実に取付脚30を突出もしくは収容させることができ、埋め込み型スピーカー1を取り付けもしくは取り外しができる。
また、図3(d)は、何回も取り付け並びに取り外しを繰り返した埋込型スピーカー1を天井板2に取り付けようとしている場合を、説明する図である。取付脚30は凹空間15に収容されているが、タッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合で作用する力が弱くて、タッピンネジ20のネジ頭21をドライバー等の工具により時計方向に回転させても、R1方向に突出しない場合に、タッピンネジ20のネジ頭21を反時計方向に回転させ続け、取付脚30がT2方向に移動させる。すると、T2方向に移動した取付脚30は、タッピンネジ20の端部22に傾けて取り付けられたナット40によって移動を制限され、その結果、上述の通り、再びタッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合を回復する。したがって、タッピンネジ20の回転により、確実に取付脚30を突出もしくは収容させることができる。
収容規制部の係合強化手段は、タッピンネジ20のフレーム10の背面側の端側に設けられた、上記のナット40に限られない。ネジ端規制部材は、タッピンネジ20の端部に接着剤でネジロックされて取り付けられた樹脂成形の部品であって、タッピンネジ20の回転軸線23に対して、直交しない平面をもつ部材であってもよい。取付脚30が傾いた状態でネジ端規制部材と衝突するので、その結果、再びタッピンネジ20と取付脚30との回転方向の係合が回復し、取付脚30が扇動してフレーム10の背面側の凹空間15に収容される。したがって、埋込型スピーカー1を何回も取り付け並びに取り外してタッピンネジ20の回転方向の係合が弱くなっても、埋込型スピーカー1を取り外せないという問題を生じない。
また、埋込型スピーカー取付装置は、略L字型の取付脚を備える場合に限らない。板状もしくは羽状の取付脚であってもよい。また、タッピンネジの回転によって取付脚の移動並びに扇動を規制するガイド部は、取付脚に衝突するリブや突起であってもよい。また、収容規制部を形成する凹空間15は、音響的なキャビネットを形成しない開放型のフレームにおいては、フレームの背面側の開放空間で代用してもよい。
本発明の埋込型スピーカー取付装置は、スピーカーのみならず、天井面や壁面に埋め込む機器を取り付ける構造にも適用が可能である。
本発明の好ましい実施形態による埋込型スピーカー1について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による埋込型スピーカー1について説明する断面図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による埋込型スピーカー1について説明する断面図である。(実施例1)
符号の説明
1 埋込型スピーカー
2 天井板
3 高音域用スピーカー
4 低音域用スピーカー
5 パンチングネット
6、7 接続端子
10 フレーム
11 フランジ
12 バッフル板
13 背面
14 貫通孔
15 凹空間
16、17、18 ガイド
19 曲面
20 タッピンネジ
21 ネジ頭
30 取付脚
31 狭持部
32 軸受部
40 ナット
42 座面

Claims (3)

  1. 内周側にスピーカーを収容するフレームと、
    該フレームの外周前面側から突出するフランジと、
    該フレームの前面から背面に貫通し、かつ、該フレームの背面側で取付脚の一端側に略円筒状貫通孔として樹脂成形された軸受部に係合する金属製のタッピンネジと、
    該ネジの回転により該取付脚の他端側を、該ネジの軸方向へ移動し、並びに、該ネジの回転方向へ扇動し、該フレームの外周背面側から突出して該フランジに対向して取付板を狭持する、もしくは、該フレームの背面側に収容する該取付脚と、
    該ネジの回転による該取付脚の移動並びに扇動を規制するガイド部と、
    を備える、埋込型スピーカー取付装置であって、
    該ガイド部が、該取付脚を該フレームの外周背面側から突出させて該ネジの軸方向へ移動させる突出規制部と、該取付脚を該フレームの背面側に収容する収容規制部とを備え、
    該収容規制部が、該タッピンネジのフレーム背面側の端部に設けられ、かつ、該取付脚が有する平面と衝突する傾斜面を備えるネジ端規制部材と、該取付脚が有する該ネジ端規制部材に衝突する平面と、を備え、
    該タッピンネジのネジ山が、傾いた該取付脚の該略円筒状貫通孔のネジ山に係合する、
    埋込型スピーカー取付装置。
  2. 前記ネジ端規制部材が、前記タッピンネジと異なるネジピッチを有するナットであり、前記タッピンネジのフレーム背面側の端部に該ナットの座面を傾けて取り付けられている、
    請求項に記載の埋込型スピーカー取付装置。
  3. 請求項1または2に記載の埋込型スピーカー取付装置と、該埋込型スピーカー取付装置の前記フレームの内周側に収容されるスピーカーと、を備える、
    埋込型スピーカー。


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