光ディスク装置における対物レンズのNAが大きくなると、再生、記録および消去のそれぞれの動作モードで最適なフォーカス位置が相互に異なることを説明する。
図13は、2層の情報記録層を有するBDについて求めたフォーカス(FC)位置と再生状態との関係、およびフォーカス位置と記録状態との関係を示すグラフである。再生状態の評価は再生信号のジッターにより行い、記録状態の評価は同一レベルの再生信号を得るために必要な記録用レーザ光のパワー(記録LDパワー)により行った。
測定に用いたBDでは、再生状態が最適化されるフォーカス位置は基準点から0.045μmの距離にあり、記録状態が最適化させるフォーカス位置は基準点から0.090μmの距離にある。すなわち、両者の間には、0.045μmの差が存在している。このような場合において、再生状態が最適化されるフォーカス位置でデータ記録を行うと、レーザ光のパワーを12mW程度に設定する必要がある。しかし、記録状態を最適化するフォーカス位置でデータの記録を行うと、記録に必要なレーザ光のパワーを10mW程度に低下させることが可能である。記録レーザ光のパワーが2割程度も低減できれば、BD用のレーザ光源として用いられる青紫半導体レーザの負担を軽減し、その寿命を延ばす効果をもたらす。青紫半導体レーザは、GaN系半導体から形成され、より波長の長い半導体レーザに比べて信頼性や寿命に改善の余地がある。このため、データ記録時のパワーを低減できることは、光ディスク装置の信頼性を高める上で重要な貢献をもたらす。
更に、データ記録時におけるフォーカス位置の最適化は、記録層に形成されるマークの形状や大きさを適切なものとする効果もある。マークの形状が劣化すると、光ディスク上で隣接するトラック間で信号のクロストークが発生し、再生性能を劣化させることになるが、フォーカス位置の最適化により、このような劣化を低減する効果も得られる。
このように再生モードと他のモードとの間でフォーカス位置を変化させることによる効果は、NAが高く、焦点距離が短い光学系を採用する場合に顕著であり、DVD用の光ディスク装置では、そのような効果は特に重要ではなかったと考えられる。
以下、図面を参照しながら、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施形態1)
図1から図3、および図12を参照しながら、本発明による光ディスク装置の第1の実施形態を説明する。まず、図1を参照する。図1は、本実施形態の光ディスク装置を示すブロック図である。
本実施形態の光ディスク装置は、図1に示すように、情報担体である光ディスク20の情報記録層に光ビームを集束する対物レンズ1と、情報記録層と略垂直な方向に対物レンズ1を移動させるフォーカスアクチュエータ2と、レーザビームを生成する半導体レーザなどの光源3と、光ディスク20からの反射光を受け、反射光の光量に応じた光電流を生成する受光部4と、光電流を電圧信号に変換するプリアンプ6とを備えている。
光源3から放射された光ビームは、対物レンズ1によって収束され、光ディスク20に光ビームスポットを形成する。光ディスク20の情報記録層によって反射された光ビームは、対物レンズ1を通って、4つの領域に分割された受光部4を照射する。受光部4は、分割された各々の領域で検出した光量に応じた大きさの光電流を生成し、プリアンプ6へ出力する。プリアンプ6は、I/V変換器により、入力された光電流を電圧信号に変換する。プリアンプ6から出力される電圧信号は、フォーカスエラー生成器7および光量検出器11に送られる。
受光部4は、図12に示されるように、4つの領域A、B、CおよびDに分割されている。プリアンプ6は、I/V変換器5を含んでおり、4つの領域A、B、CおよびDにそれぞれ接続された4つのI/V変換器5a、5b、5cおよび5dを備えている。受光部4の領域A、B、CおよびDで検出された光量は、それぞれ、I/V変換器5a、5b、5cおよび5dの出力に相当する。I/V変換器5は、光量に対応する大きさの電圧信号を生成する。
本実施形態の光ディスク装置は、更に、情報記録層上における光ビームの集束状態に対応したフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー生成器7と、光ディスク20からの反射光の量を検出する光量検出器11と、フォーカスエラー信号を反射光量により正規化し、正規化フォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー正規化回路12とを備えている。
フォーカスエラー生成器7は、集束状態検出手段として機能し、光ビームの焦点位置と光ディスク20の情報記録層との距離に対応するフォーカスエラー信号を生成する。フォーカスエラー生成器7は、I/V変換器5a、5b、5c、および5dから出力された電圧信号を受け取り、以下の演算を実行する。簡単のため、I/V変換器5a、5b、5c、および5dから出力された電圧信号を、それぞれ、V5a、V5b、V5c、およびV5dと表記することにする。この場合、フォーカスエラー生成器7は、(V5a+V5c)−(V5b+V5d)の演算を行い、その演算結果を非点収差法によるフォーカスエラー信号として出力する。
光量検出器11は、光ディスク20によって反射された光ビームの光量に応じた大きさの反射光量信号を生成する。具体的には、光量検出器11は、I/V変換器5a、5b、5c、および5dが出力する電圧信号を受け取り、V5a+V5c+V5b+V5dの演算を行い、その演算結果を反射光量信号として出力する。
フォーカスエラー正規化回路12は、フォーカスエラー生成器7から出力されたフォーカスエラー信号を、光量検出回路11から出力された反射光量信号に基づき正規化する。すなわち、フォーカスエラー信号/反射光量信号の演算を行い、その演算結果を正規化フォーカスエラー信号(正規化FE信号)として出力する。
本実施形態の光ディスク装置は、更に、正規化FE信号に含まれる回路オフセットを除去する回路オフセット除去部13と、正規化フォーカス制御の目標フォーカス位置を変更するフォーカス位置変更部15と、正規化FE信号に対するフィルタ演算を行うフォーカス制御部17とを備えている。
回路オフセット除去部13は、正規化FE信号に含まれる回路オフセットを相殺するためのオフセットを正規化FE信号に与える。オフセットの大きさは、マイクロコンピュータ8の指令に基づき、記録モード、再生モード、および消去モードのそれぞれにとって適切な値に設定される。
フォーカス位置変更部15は、再生モードから記録または消去モードに切り替える際に、マイクロコンピュータ8の指令に従い、フォーカスエラー正規化回路12から出力された正規化FE信号にフォーカス位置変更量を加算する。
フォーカス位置変更部15は、制御目標切り替え手段の1段階目部分として機能し、回路オフセット除去部13は、制御目標切り替え手段の2段階目部分として機能する。オフセット調整後の正規化FE信号は、フォーカス制御部17で位相補償、ゲイン補償などのフィルタ演算の処理を受け、その後、フォーカスアクチュエータ駆動回路9に入力される。
フォーカス制御部17は、光ビームのフォーカス位置を目標フォーカス位置に調節するようにフォーカスアクチュエータ2の動作を制御する。より具体的には、フォーカスアクチュエータ駆動回路9を介してフォーカスアクチュエータ2の動作を制御する。その結果、対物レンズ1を光ディスク20の情報記録層に対して略垂直な方向に移動させ、光ディスク20の情報記録層上に形成される光ビームスポットが所定の収束状態となるようにする。フォーカスアクチュエータ駆動回路9は、フォーカスアクチュエータ2に対して駆動信号(例えば電圧信号)を送出する。この駆動信号に応じて、フォーカスアクチュエータ2が対物レンズ1の位置を変化させる。
本実施形態の光ディスク装置は、更に、光ディスク20を回転させるディスクモータ10やマイクロコンピュータ8を備えている。マイクロコンピュータ8は、回路オフセット除去部13、光量変更部14、フォーカス位置変更部15、およびフォーカス制御部17を制御する。光ビーム光量切り替え手段として機能する光量変更部14は、マイクロコンピュータ8の指令に従い光源3の光量を変化させる。
次に、図1とともに図2を参照しつつ、再生モードから記録モードに切り替える際の動作を詳細に説明する。
図2(a)は、再生、ビームスポットの移動、および、記録の各動作時の光ディスク20の情報記録層29と対物レンズ1との位置関係を模式的に示す断面図であり、図2(b)〜(f)は、これらの各動作に関連する信号の波形を示す図である。
再生モードのとき、図2(a)に示すように、対物レンズ1は光ディスク20に相対的に近い位置にある。このとき、正規化FE信号は、図2(b)に示すよう波形を有している。フォーカス位置変更部15は、マイクロコンピュータ8の指令に従って、再生性能が最も良いフォーカス位置(再生用フォーカス位置)を選択している。図2(c)は、再生用フォーカス位置に対応する信号を示している。
なお、FE信号および反射光量信号には、本来検出すべき信号とは別に回路系の電気的なオフセットが含まれている。この回路系の電気的なオフセットによる影響を除去するために、再生モードでは、マイクロコンピュータ8の指令に従い、回路オフセット除去部13が再生用のオフセットを選択し、光量変更部14は、再生用の光量を選択している。回路オフセット除去部13の出力は、図2(d)に示され、光量変更部14の出力は、図2(f)に示されている。なお、図2(e)は、図1のフォーカス制御部17に入力される信号の波形を示している。
記録開始直前のタイミングt1において、マイクロコンピュータ8は、フォーカス位置変更部15に対し、記録用フォーカス位置を選択するように指令を出力する。この結果、図2(c)に示すように、フォーカス位置変更部15の出力が変化する。これにより、図2(a)に示すように、対物レンズ1の位置が再生用フォーカス位置から記録用フォーカス位置に移動する。すなわち、情報記録層29に対する光ビームの焦点位置も、再生用フォーカス位置から記録用フォーカス位置に移動する。このとき、フォーカス制御部17は、図2(e)に示すように、フォーカス制御部入力が略0となるようにフィードバック制御を行っている。このため、フォーカス制御部入力は、タイミングt1の前後で略0であるが、正規化FE信号は、図2(b)に示すように、タイミングt1の前後で、再生用フォーカス位置と記録用フォーカス位置の差の分だけずれる。
次に、マイクロコンピュータ8は、光ビームスポットの位置を情報記録層29上の目標トラックまで移動させる。そして、記録開始と同時に、光量変更部14および回路オフセット除去部13に対して記録用の設定に変更するよう指令を出力する。
光量変更部14は、マイクロコンピュータ8の指令に従い、図2(f)に示すようにタイミングt2で光源3が放射する光ビームの光量を再生用の設定値から記録用の設定値に増加させる。光ビームの光量が増加すると、正規化FE信号に含まれる回路オフセットが変動する。このため、図2(d)に示すように、回路オフセット除去部13は、マイクロコンピュータ8の指令に従い光ビームの光量の変更と同時に回路オフセット量を再生用から記録用に切り替える。このとき、図2(a)に示すように、対物レンズ1の位置は記録開始前後(タイミングt2の前後)で変化しない。その結果、記録開始の直後から安定したフォーカス位置で記録が可能となる。
本実施形態によれば、図2(e)からわかるように、フォーカス制御部入力がタイミングt2でフォーカス制御に対してステップ入力となっていないため、フォーカス制御によるオーバーシュートも発生しない。
「t2−t1」で示される期間は、対物レンズ1の光軸方向の移動に際してフォーカスアクチュエータ2のバネ振動が充分に減衰するように設定される。t2−t1は、例えば10m秒以上1000m秒以下の範囲内に設定される。
次に、図3のフローチャートを参照して、モード切り替えの手順を説明する。
再生モードから記録モードに切り替える際、まず、図3に示すステップS1にて、マイクロコンピュータ8がフォーカス位置変更部15に対しフォーカス位置を再生用から記録用に切り替えるように指令を出力する。その結果、フォーカス位置変更部15はフォーカス位置を再生用から記録用に切り替える(タイミングt1)。
次に、ステップS2にて、光ビームの焦点が情報記録層29上の目的のトラックに移動するようにマイクロコンピュータ8が指令する。ステップS3では、光ビームの焦点が目的のトラックに到達すると同時に、光量変更部14に対し光源3から出力される光量を再生用から記録用に切り替えるようマイクロコンピュータ8が指令し、記録が開始される(タイミングt2)。
ステップS4では、回路オフセット除去部13に対し、回路オフセット量を再生用から記録用に切り替えるよう指令する。これにより、記録開始直後(タイミングt2直後)のフォーカス制御も安定し、記録開始直後から信頼性の高い信号を光ディスク20に記録することが可能となる。
なお、再生モードから消去モードに切り替える際の動作も、再生モードから記録モードに切り替える際の動作と同様である。記録モードと消去モードを分けず、共通としてもよい。
このように本実施形態によれば、記録開始時に発生するフォーカス位置ずれの発生を抑えつつ、記録性能の最も良いフォーカス位置で記録、または消去が可能となる。このため、信頼性の高い読み取り性能と、信頼性の高い信号品質の記録性能および消去性能との両立が可能になる。
なお、フォーカス位置変更部15の記録用フォーカス位置および消去用フォーカス位置を、再生用フォーカス位置基準で出力する構成にすることにより、フォーカス位置変更部15によるフォーカス位置の校正が再生フォーカス位置のみでよくなり、校正処理の単純化および高速化が可能となる。
次に、図4を参照しながら、フォーカス位置変更部15の構成を詳細に説明する。図4はフォーカス位置変更部の詳細を示すブロック図である。
フォーカス位置変更部15は、図4に示すように、再生用フォーカス位置保存部30、記録用フォーカス位置加算量保存部31、および消去用フォーカス位置加算量保存部32を備えている。これらは、1つのメモリの異なる領域であってもよい。
再生用フォーカス位置保存部30は、再生に最適なフォーカス位置である再生用フォーカス位置を保存する。記録用フォーカス位置加算量保存部31は、記録に最適なフォーカス位置である記録用フォーカス位置と再生用フォーカス位置の差分量を保存する。消去用フォーカス位置加算量保存部32は、消去に最適なフォーカス位置である消去用フォーカス位置と再生用フォーカス位置の差分量を保存する。これらの差分量の絶対値は、例えば、0〜0.2μm程度の大きさになる。
再生時、フォーカス位置変更部15のSW1およびSW2はオフ状態であり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置がフォーカス位置変更部15から出力される。
記録時、フォーカス位置変更部15のSW1はオン状態、SW2はオフ状態であり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置と記録用フォーカス位置加算量保存部31の保存量が加算され、記録用フォーカス位置として、フォーカス位置変更部15から出力される。
消去時、フォーカス位置変更部15のSW1はオフ状態、SW2はオン状態であり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置と消去用フォーカス位置加算量保存部32の保存量が加算され、消去用フォーカス位置として、フォーカス位置変更部15から出力される。ここで、記録用フォーカス位置加算量保存部31と消去用フォーカス位置加算量保存部32の片側を省略し、共通のフォーカス位置加算量保存部としてもよい。
これにより、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置を校正するだけで、再生用フォーカス位置の変化に連動して記録用フォーカス位置および消去用フォーカス位置を規定し、フォーカス位置の校正処理を高速に実行することが可能となる。
再生性能が最適となるフォーカス位置と記録性能が最適となるフォーカス位置の関係は、光ディスク20を生成する材料および構成により変化するため、材料または構成が異なる光ディスク毎に記録用フォーカス位置加算量保存部31の保存量、および消去用フォーカス位置加算量保存部32の保存量を切り替えてもよいし、代表的な光ディスク20で調整した固定値としてもよい。
光ディスク20がBDの場合、記録性能が最適となるフォーカス位置は、再生性能が最適となるフォーカス位置に関して0〜0.2μm程度は光ディスク20の光入射側表面に近い。このような最適なフォーカス位置の変更を、本実施形態では、フォーカス制御部17に入力する正規化FE信号の補正により、実行している。このため、ソフトウェアプログラムの変更により、フォーカス位置の修正を実行することが容易である。
なお、光ディスク20の情報記録層29上のウォブル(トラックの蛇行)、ピット(窪み)の情報から光ディスク20の材料および構成が異なることを間接的に検出し、記録用フォーカス位置加算量保存部31の保存量、および消去用フォーカス位置加算量保存部32の保存量を切り替えてもよい。例えば、一般的な書き換え可能な光ディスクは、内周のディスク情報エリアにウォブルまたは、ピット情報でそのディスクに書き込むときの代表的な記録波形(ライトストラテジ)が保存されており、この保存された記録波形を検出することでディスクを特定し、そのディスク用に予め決めておいた記録用フォーカス位置加算量保存部31の保存量、および消去用フォーカス位置加算量保存部32の保存量に切り替えるように構成する。これにより、光ディスク20を生成する材料および構成が変わった場合でも適切にかつ、高速に記録用フォーカス位置、および消去用フォーカス位置を設定することができる光ディスク装置を提供することが可能となる。
また、光量変更部14による光源3から出力される光ビームの光量変化に連動し、プリアンプ6内部のI/V変換器5の変換ゲインを変化させる構成としてもよい。これにより、プリアンプ6の出力信号を所定の範囲に制限することが可能となり、D/A変換器などの検出可能範囲の低減が可能となる。または、アナログ回路の駆動電圧を低く設計することが可能となり、低コスト化や省電力化が可能な光ディスク装置を提供できる。
(実施形態2)
次に、図5および図6を参照しながら、本発明による光ディスク装置の第2の実施形態を説明する。
まず、図5を参照する。図5は、本実施形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。図5において、実施形態1の光ディスク装置と共通する構成要素に対しては同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の光ディスク装置は、図5に示すように、RF信号検出器25、RF信号デコード部26、および、フォーカス位置情報取得部27を備えている。
RF信号検出器25は、光ディスクの情報記録層に記録されている情報であるRF信号を検出する。RF信号デコード部26は、RF信号をデコードし、情報に変換する。フォーカス位置情報取得部27は、記録用および消去用のフォーカス位置の片方、または両方を取得し、記録用および消去用のフォーカス位置を更新する。
次に、図6を参照する。図6は、フォーカス位置情報取得部27とフォーカス位置変更部15の詳細を示すブロック図である。
図6に示すように、再生用フォーカス位置保存部30は、再生に最適なフォーカス位置である再生用フォーカス位置を保存する。記録用フォーカス位置加算量保存部31は、記録に最適なフォーカス位置である記録用フォーカス位置と再生用フォーカス位置の差分量を保存する。消去用フォーカス位置加算量保存部32は、消去に最適なフォーカス位置である消去用フォーカス位置と再生用フォーカス位置の差分量を保存する。
再び図5を参照する。
光源3によって生成された光ビームは、対物レンズ1によって収束され光ビームスポットを光ディスク20の情報記録層上に形成する。この光ビームスポットの光ディスク20からの反射光は、再び対物レンズ1を介して受光部4を照射する。受光部4、プリアンプ6、フォーカスエラー生成器7、光量検出器11、フォーカスエラー正規化回路12、フォーカス制御部17、対物レンズ1、フォーカスアクチュエータ駆動回路9、および、フォーカスアクチュエータ2の動作は、実施形態1について説明した通りである。
RF信号検出器25は、I/V変換器5a、5b、5c、および5dから出力された電圧信号に基づいて、V5a+V5c+V5b+V5dの演算を行う。このとき、使用する周波数帯域より低い周波数の信号(例えば、50KHz以下の信号)を除去することにより、RF信号を生成する。
RF信号デコード部26は、RF信号を受け取り、2値化およびエラー訂正処理を行った後、RF信号をディジタル情報に変換する。フォーカス位置情報取得部27は、マイクロコンピュータ8の指令に従い、RF信号デコード部26から出力されるディジタル情報に含まれるフォーカス位置情報を取得する。そして、この情報に基づき、フォーカス位置変更部15の記録時および消去時のフォーカス位置変更量を更新する。
次に、再び図6を参照する。
フォーカス位置情報取得部27は、マイクロコンピュータ8のフォーカス位置情報取得指令に従い、RF信号デコード部26からフォーカス位置情報を取得する。そして、フォーカス位置変更部15に含まれる記録用フォーカス位置加算量保存部31の記録用フォーカス位置加算量と、消去用フォーカス位置加算量保存部32の消去用フォーカス位置加算量を更新する。ここで、記録用と消去用のフォーカス位置は簡易化のため1つにまとめてもよい。
図6に示されるように、再生時、フォーカス位置変更部15のSW1およびSW2はオフ状態であり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置が、フォーカス位置変更部15から出力される。
記録時、フォーカス位置変更部15のSW1はオン、SW2はオフ状態であり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置と記録用フォーカス位置加算量保存部31の保存量が加算され、記録用フォーカス位置として、フォーカス位置変更部15から出力される。
消去時、フォーカス位置変更部15のSW1はオフ、SW2はオン状態であり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置と消去用フォーカス位置加算量保存部32の保存量が加算され、消去用フォーカス位置として、フォーカス位置変更部15から出力される。ここで、記録用フォーカス位置加算量保存部31と消去用フォーカス位置加算量保存部32の片側を省略し、共通のフォーカス位置加算量保存部としてもよい。
これにより、記録用または消去用フォーカス位置は、更新用データが記録された光ディスクを用いることにより、随時、最新情報に更新が可能となる。光ディスク装置提供者は、新たに現れた光ディスクに対しても、更新用データを記録した光ディスクを提供することで、対応可能となる光ディスク装置を提供することが可能となる。ユーザは、光ディスク提供者により提供された更新用データを記録した光ディスクを入手することで、低価格かつ容易に多くの光ディスクに対応した光ディスク装置に更新することが可能となる。
(実施形態2の改変例)
図7は、半導体メモリによる更新が可能な構成を採用するように実施形態2の光ディスク装置を改変した光ディスク装置を示すブロック図である。
図7の光ディスク装置は、半導体メモリ読み込み部35を備えている。このような構成を採用することにより、半導体メモリによる記録用または消去用フォーカス位置の更新が可能となる。
図7の光ディスク装置では、半導体メモリ読み込み部35が、マイクロコンピュータ8の指令に従い、半導体メモリ(不図示)に保存されている情報を読み込む。フォーカス位置情報取得部27は、マイクロコンピュータ8の指令に従い、半導体メモリ読み込み部35からフォーカス位置情報を取得し、フォーカス位置変更部15の記録時および消去時のフォーカス位置変更量を更新する。
これにより、ユーザのニーズに合った情報媒体で記録用または消去用フォーカス位置を更新することができ、随時、最新の光ディスクに対応することが可能となる。なお、半導体メモリ読み込み部35を、その他の情報媒体読み込み部に置換し、対応する情報媒体により記録用または消去用フォーカス位置の更新を行っても良い。
図8は、他の改変例を示している。
図8の光ディスク装置は、インターネット配信受信部36を備えている。インターネット配信受信部36は、マイクロコンピュータ8の指令に従い、インターネットを通して基地局からの情報を取得する。フォーカス位置情報取得部27は、マイクロコンピュータ8の指令に従い、インターネット配信受信部36からフォーカス位置情報を取得し、フォーカス位置変更部15の記録時および消去時のフォーカス位置変更量を更新する。
これにより、光ディスクを用いずに記録用または消去用フォーカス位置の更新するこが可能となり、記録用または消去用フォーカス位置の更新用の情報媒体が不要になる。なお、ユーザも、記録用または消去用フォーカス位置の更新用の情報媒体の購入およびその保管の手間が削減される。
図8のインターネット配信受信部36を、地上波または衛星からの電波を受信する電波受信部に変更し、電波および電磁波により、記録用または消去用フォーカス位置の更新が可能な光ディスク装置を提供しても良い。
上記のフォーカス位置情報は、他のデータを含む制御データとして、半導体メモリやインターネットなどから取得することができる。また、このような制御データは、光ディスク装置のファームウェアを、他の記録媒体、インターネット、または電波による基地局からの配信により取得するとき、そのファームウェアのプログラムとともに取得してもよい。
(実施形態3)
図9および図10を参照しながら、本発明による光ディスク装置の第3の実施形態を説明する。
図9は、本実施形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態の光ディスク装置は、基本フォーカス位置保存部28を備えている。この基本フォーカス位置保存部28は、記録用または消去用フォーカス位置の基本の値を保持する。図10は、基本フォーカス位置保存部28、フォーカス位置情報取得部27およびフォーカス位置変更部15の詳細を示すブロック図である。
まず、図9を参照する。基本フォーカス位置保存部28は、光ディスク装置起動時または光ディスク20投入時などに一度だけ、フォーカス位置変更部15に記録用および消去用のフォーカス位置を設定する。
光源3によって生成された光ビームは、光ディスク20の情報記録層に対物レンズ1によって収束され光ビームスポットを形成する。この光ビームスポットの光ディスク20からの反射光は再び対物レンズ1を介し受光部4に入力される。受光部4は、4つの領域に分割されており、それぞれの領域で検出した光量に応じて光電流を生成してプリアンプ6へ出力する。プリアンプ6は、I/V変換器により入力される光電流を電圧信号に変換する。変換された各電圧信号はフォーカスエラー生成器7および光量検出器11に送られる。
受光部4、プリアンプ6、フォーカスエラー生成器7、光量検出器11、フォーカスエラー正規化回路12、フォーカス制御部17、対物レンズ1、フォーカスアクチュエータ駆動回路9、フォーカスアクチュエータ2、RF信号検出器25、RF信号デコード部26、およびフォーカス位置情報取得部27の構成および動作は、前述の実施形態について説明したとおりである。
次に、図10を参照しつつ、基本フォーカス位置保存部28、フォーカス位置情報取得部27、およびフォーカス位置変更部15を説明する。
基本フォーカス位置保存部28は、光ディスク装置起動時または光ディスク20投入時などに一度だけ、フォーカス位置変更部15の記録用フォーカス位置加算量保存部31および消去用フォーカス位置加算量保存部32に記録用および消去用のフォーカス位置をそれぞれ設定する。
次に、光ディスク20の情報記録層29を再生し、情報記録層29に記録用または消去用のフォーカス位置情報が保存されていた場合は、フォーカス位置情報取得部27は、マイクロコンピュータ8のフォーカス位置情報取得指令に従い、RF信号デコード部26からフォーカス位置情報を取得する。そして、フォーカス位置情報取得部27は、フォーカス位置変更部15の記録用フォーカス位置加算量保存部31の記録用フォーカス位置加算量と、消去用フォーカス位置加算量保存部32の消去用フォーカス位置加算量を更新する。ここで、記録用と消去用のフォーカス位置は簡易化のため1つにまとめてもよい。
再生時、フォーカス位置変更部15のSW1およびSW2はオフ状態にあり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置がフォーカス位置変更部15から出力される。
記録時、フォーカス位置変更部15のSW1オン状態、SW2はオフ状態にあり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置と記録用フォーカス位置加算量保存部31の保存量が加算され、記録用フォーカス位置として、フォーカス位置変更部15から出力される。
消去時、フォーカス位置変更部15のSW1はオフ状態、SW2はオン状態であり、再生用フォーカス位置保存部30の保存量である再生用フォーカス位置と消去用フォーカス位置加算量保存部32の保存量が加算され、消去用フォーカス位置として、フォーカス位置変更部15から出力される。ここで、記録用フォーカス位置加算量保存部31と消去用フォーカス位置加算量保存部32の片側を省略し、共通のフォーカス位置加算量保存部としてもよい。
このようにして、更新用データが記録された光ディスクに対しては、保存されている記録用および消去用のフォーカス位置情報を用いることができる。このため、記録用および消去用のフォーカス位置を、光ディスクへの試し書きと再生を繰り返すことにより調整を行うという動作を行わなくとも最適な量に調整が可能となる。
特に書き込みが1度しかできないライトワンスメディアに対しては、記録可能領域の消耗を伴わないため有効な手段である。このように、試し書きを行わずにディスク個別の最適な記録用および消去用のフォーカス位置に調整可能な光ディスク装置の提供が可能となる。
(実施形態4)
図11を参照しながら、本発明による光ディスク装置の第4の実施形態を説明する。図11は、本実施形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。
図11に示すデータエンコード部37は、フォーカス位置情報をエンコードし、エラー訂正情報を追加する。記録波形生成部38は、データから記録波形を生成し光源をコントロールする。
基本フォーカス位置保存部28は、光ディスク装置起動時、または光ディスク20の投入時などに一度だけ、フォーカス位置変更部15に記録用および消去用のフォーカス位置を設定する。この際、基本フォーカス位置保存部28は、フォーカス位置を変化させながら光ディスクに対するテスト書き込みを行い、再生信号に基づいて最適なフォーカス位置を学習によって決定する動作を行っても良い。セットした光ディスクに予めフォーカス位置情報が記録されている場合は、このような学習動作を行う必要は無い。基本フォーカス位置保存部28は、実施形態2における半導体メモリやインターネットから取得した最新のフォーカス位置情報に基づいてフォーカス位置情報を更新してもよい。
初期化データ生成部39は、光ディスクの情報記録層を論理的に初期化するためのデータを生成する。
光源3によって生成された光ビームは、光ディスク20の情報記録層に対物レンズ1によって収束され光ビームスポットを形成する。この光ビームスポットの光ディスク20からの反射光は再び対物レンズ1を介し受光部4に入力される。
受光部4は4つの領域に分割されており、それぞれの領域で検出した光量に応じて光電流を生成してプリアンプ6へ出力する。プリアンプ6は、I/V変換器により入力される光電流を電圧に変換する。変換された各信号はフォーカスエラー生成器7および光量検出器11に送られる。
受光部4、プリアンプ6、フォーカスエラー生成器7、光量検出器11、フォーカスエラー正規化回路12、フォーカス制御部17、対物レンズ1、フォーカスアクチュエータ駆動回路9、フォーカスアクチュエータ2の動作については、実施形態1で詳細に説明したので、ここでは説明を省略する。
マイクロコンピュータ8は、現在の記録用および消去用のフォーカス位置を示す情報を光ディスク20に保存するために、データエンコード部37に対し、フォーカス位置保存指令を出す。データエンコード部37は、フォーカス位置変更部15から記録用および消去用のフォーカス位置を取得し、取得情報に対し、エンコードおよびエラー訂正情報の追加を行う。記録波形生成部38は、データエンコード部37から保存用データを取得し、記録波形を生成する。記録波形生成部38は、生成した記録波形に従って光源3を発光させることにより、現在の記録用および消去用のフォーカス位置を光ディスク20に保存する。
ここで、マイクロコンピュータ8は、記録波形生成部38が光源3を発光させるタイミングと同時に、光量変更部14に対し、記録用の光量に変更するよう指令を出力する。光量変更部14はマイクロコンピュータ8の指令に従い光源3の光量を記録用に変更し、記録が開始される。
これにより、記録および消去を行った際のフォーカス位置情報を光ディスク20に保存することが可能となる。このため、記録および消去用フォーカス位置情報が既に記録されている光ディスクを用いる場合は、そのような光ディスクを光ディスク装置にセットして光ディスクから直接にフォーカス位置情報を読み込むことができる。このようにして、光ディスクからフォーカス位置情報を取得できれば、光ディスクを光ディスク装置にセットするたびに、光ディスクに対する試し書きと再生を繰り返してフォーカス位置情報を決定するための動作を行わなくともよくなる。
特に書き込みが1度しかできないライトワンス光ディスクの場合、フォーカス位置を決定するための試し書き(テスト書き込み)を行うと、ユーザデータのための記録領域が消費され、減少するという問題があるが、本実施形態によれば、そのような問題を回避することが可能になる。このように本実施形態では、試し書き回数を減らす効果を得るだけではなく、フォーカス位置情報が記録された光ディスクを用いる場合は、起動処理の簡易化および起動時間の短縮も可能になる。なお、記録および消去用のフォーカス位置情報は、別々の値に設定される必要は無く、1つに共通化されていてもよい。
なお、マイクロコンピュータ8は、光ディスク20の初期化を行う際、まず初期化手段である初期化データ生成部39に初期化命令を出力する。ここで、初期化とは、光ディスク20をファイルシステムが使用可能なように必要なデータを書き込む作業のことである。
初期化データ生成部39は、生成した初期化データをデータエンコード部37に出力する。データエンコード部37は、取得した初期化データに対し、エンコードおよびエラー訂正情報の追加を行う。記録波形生成部38は、データエンコード部37から処理後の初期化データを取得し、記録波形を生成する。
記録波形生成部38は、生成した記録波形に従い光源3を発光させることにより、光ディスク20に現在の記録用および消去用のフォーカス位置を保存する。
このようにすることにより、ディスクの初期化に合わせて記録および消去用のフォーカス位置情報の保存を行うため、光ディスク再生中や記録中に記録および消去用のフォーカス位置情報の保存を行うの場合に比べ、比較的簡単に処理を実行できる。
なお、記録および消去用のフォーカス位置情報と共に、光ディスク装置の個体識別情報を追加し記録しても良い。これにより、複数の光ディスク装置で1つの光ディスクを使用する場合でも、個体識別情報を読み込むことで、複数の記録および消去用のフォーカス位置情報の中から必要な情報を取り出すことが可能となる光ディスク装置の提供が可能となる。
なお、記録および消去用のフォーカス位置情報と共に、情報を保存した時刻を追加し記録しても良い。これにより、複数の記録および消去用のフォーカス位置情報の中から最新の記録および消去用のフォーカス位置情報を取り出すことが可能となる光ディスク装置の提供が可能となる。
なお、記録および消去用のフォーカス位置情報と共に、情報を保存した時の温度を追加し記録しても良い。これにより、複数の記録および消去用のフォーカス位置情報の中から現在の環境温度に最適な記録および消去用のフォーカス位置情報を取り出すことが可能となる光ディスク装置の提供が可能となる。
なお、本発明の光ディスク装置におけるフォーカス位置情報取得部やフォーカス制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されていても良いが、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって実現されていても良い。
本発明は、光ディスク装置の駆動を制御するソフトウェアプログラムの一部を修正することにより、実現することができる。このようなソフトウェアプログラムを内蔵する電子部品は、光ディスク装置用のプロセッサとして好適に製造し販売され得る。