JP4164961B2 - 硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物に関し、更に詳しくは、透明性、耐久性、低反射率特性、防汚性に優れた硬化塗膜を形成することができ、光学材料の塗膜形成材料として特に好適な硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アミノ系樹脂としてメラミン樹脂、尿素樹脂が広く知られ、その誘導体は、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基等の官能基を有するポリマーの硬化剤として公知である。特に焼付塗料の場合に、硬くて耐久性に優れた塗膜を形成する硬化剤として好適に使用されている。
通常、主剤である官能基含有ポリマーの有機溶剤溶液または水性分散体に硬化剤および酸触媒を添加混合し、塗布、乾燥、加熱硬化といった工程で硬化塗膜が形成される。
【0003】
近年、耐候性塗料として含フッ素ポリマーが提案されており、例えば特開昭57−34107号公報には、フルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテルからなる官能基を有する含フッ素共重合体が提案されている。
また、特開昭61−275311号公報および特開昭62−292848号公報には、ヘキサフルオロプロピレン、カルボン酸ビニルエステル、アルキルビニルエーテルおよび水酸基含有ビニルエーテルからなる共重合体、並びにそれをメラミンあるいはイソシアネート等で硬化させる方法が提案されている。
さらに、特開平5−51551号公報には、ヘキサフルオロプロピレン、カルボン酸ビニルエステル、アルキルビニルエーテル、水酸基含有ビニルエーテルおよびカルボキシル基含有ビニル単量体からなる共重合体をメラミンあるいはイソシアネートで硬化させる方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの提案に係る技術は、フッ素含量が低い一般塗料用についてなされたものであって、透明で低屈折率の塗膜形成が要求される用途、特に光学材料の塗膜用途には適さない。すなわち、上記各公報に記載の技術を含めて従来の硬化性樹脂組成物では、透明性に優れた塗膜を形成することはできなかった。これは、従来公知の含フッ素塗料においては、フッ素ポリマーと硬化剤との相溶性が不十分であることが主たる原因と考えられる。
【0005】
一方、反射防止膜等の光学用途において、反射防止効果を十分に発現させるためには、当該反射防止膜を構成する塗膜の膜厚を、代表的な可視光線の波長の1/4である100nm程度に制御する必要がある。
しかしながら、100nm程度の薄い塗膜は、十分な耐擦傷性を有するものではなかった。
【0006】
このような課題を解決するための手段として、本発明者らは、フッ素原子を含有する単量体、および水酸基もしくはエポキシ基を含有する単量体を重合して得られる含フッ素共重合体に、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を含有する化合物を反応して得られる硬化性含フッ素共重合体を含有する硬化性樹脂組成物を提案している(特開平10−25388号公報参照)。この硬化性樹脂組成物によれば、透明性が良好で、薄膜であっても耐擦傷性の良好な硬化塗膜を形成することができる。
【0007】
しかして、特開平10−25388号公報記載の硬化性樹脂組成物により形成される硬化塗膜について、屈折率を更に低くするためには、当該硬化塗膜中のフッ素含量を増加させる必要がある。
ここに、硬化塗膜中のフッ素含量を増加させるためには、▲1▼ 硬化性含フッ素共重合体(主剤)中のフッ素含量を増加させる方法、▲2▼ 非フッ素化合物である硬化剤の使用量を減少させる方法がある。
【0008】
しかしながら、上記▲1▼の方法を採用する場合には、得られる硬化性樹脂組成物の塗布性が低下し、他方、上記▲2▼の方法を採用する場合には、得られる硬化性樹脂組成物によって形成される硬化塗膜の耐擦傷性(基材に対する密着性)が低下するという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、屈折率および反射率が低く、透明性および耐擦傷性に優れ、光学材料として好適な硬化塗膜を形成することができる硬化性樹脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、塗布性の良好な硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記(A)成分および下記(B)成分を含有することを特徴とする。
【0011】
(A)成分:
(a)フッ素原子を含有する単量体と、(b)水酸基および/またはエポキシ基を含有する単量体とを含む単量体組成物を重合して得られる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有し、フッ素含量が30重量%以上である含フッ素共重合体に、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を含有する化合物(以下、「特定のアミノ化合物」ともいう。)を反応して得られる硬化性含フッ素共重合体。
【0012】
(B)成分:
前記(A)成分と反応し得る官能基を1個以上有し、フッ素含量が40重量%以上である官能基含有含フッ素化合物。
【0014】
本発明の硬化性樹脂組成物においては、前記(B)成分の有する官能基が、水酸基、エポキシ基、および加水分解可能な置換基を有するシリル基から選ばれた少なくとも1種の基であることが好ましい。
【0015】
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記(A−I)成分、下記(A−II)成分および下記(D)成分を含有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、下記(C)成分および下記(D)成分を含有することを特徴とする。
【0017】
(A−I)成分:
(a)フッ素原子を含有する単量体と、(b’)ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を含有する単量体とを含む単量体組成物を重合して得られる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有し、フッ素含量が30重量%以上である含フッ素共重合体。
【0018】
(A−II)成分:
ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を含有する化合物。
【0019】
(C)成分:
上記の(A−I)成分と、上記の(A− II )成分との反応生成物である、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を1分子中に含有する含フッ素共重合体。
【0020】
(D)成分:
ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を1個以上有し、フッ素含量が40重量%以上である官能基含有含フッ素化合物。
【0021】
本発明の硬化性樹脂組成物においては、下記の形態が好ましい。
〔1〕前記(A−I)成分を得るために使用される(b’)ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を含有する単量体の有する当該官能基が、水酸基および/またはエポキシ基であること。
〔2〕前記(D)成分の有する官能基が、水酸基、エポキシ基、および加水分解可能な置換基を有するシリル基から選ばれた少なくとも1種の基であること。
〔3〕前記(A−I)成分を得るために使用する(a)フッ素原子を含有する単量体と、(b’)ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を含有する単量体との割合(モル比)が、前者(a):後者(b’)=10〜80:1〜50であること。
本発明の樹脂硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化して得られることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物を構成する(A)成分は、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有し、フッ素含量が30重量%以上である含フッ素共重合体に、特定のアミノ化合物を反応して得られる硬化性含フッ素共重合体である。
【0023】
<含フッ素共重合体>
(A)成分を得るために使用される含フッ素共重合体は、(a)フッ素原子を含有する単量体(以下、「(a)成分」ともいう。)と、(b)水酸基および/またはエポキシ基を含有する単量体(以下、「(b)成分」ともいう。)とを必須成分として含む単量体組成物を重合して得られる。
この単量体組成物中には、得られる含フッ素共重合体の主鎖中にポリシロキサンセグメントを導入するための化合物(以下、「(c)成分」ともいう。)が含有されていてもよく、また、上記(a)成分および(b)成分と共重合可能な単量体(以下、「(d)成分」ともいう。)が含有されていてもよい。
【0024】
(a)成分:
(a)成分としては、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物を挙げることができ、その具体例としては、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロオレフィン類;一般式:CH2 =CH−O−Rf(式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコキシアルキル基を示す。)で表される(フルオロアルキル)ビニルエーテルもしくは(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;2,2,2−トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、ヘキサフルオロプロピレンと、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)とを組み合わせて使用することが好ましい。
【0025】
(b)成分:
(b)成分としては、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個の水酸基および/またはエポキシ基とを含有する化合物(水酸基含有単量体・エポキシ基含有単量体)を挙げることができる。
(b)成分である水酸基含有単量体の具体例としては、例えば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリ(オキシテトラメチレン)モノビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;アリルアルコール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
(b)成分であるエポキシ基含有単量体の具体例としては、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジルエステル、マレイン酸メチルグリシジルエステル等を挙げることができる。
これらの水酸基含有単量体およびエポキシ基含有単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
(c)成分:
含フッ素共重合体は、その主鎖中に、下記一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントを有することが好ましい。かかるポリシロキサンセグメントの含フッ素共重合体中の割合は、通常0.1〜10モル%とされる。
【0027】
【化1】
【0028】
〔式中、R11およびR12は、同一でも異なっても良く、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基を示す。〕
【0029】
含フッ素共重合体の主鎖中にポリシロキサンセグメントを導入するためには、前記単量体組成物中に(c)成分を含有させ、(a)成分と(b)成分と(c)成分とを反応させ、または、(a)成分と(b)成分と(c)成分と後述する(d)成分とを反応させればよい。
【0030】
ここに、(c)成分としては、アゾ基含有ポリシロキサン化合物を挙げることができる。(c)成分のアゾ基含有ポリシロキサン化合物は、−N=N−で示される熱解裂容易なアゾ基を含有するとともに、前記一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントを有する化合物であり、例えば特開平6−93100号公報に記載された方法により製造することのできるものである。
(c)成分の具体例としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
【0031】
【化2】
【0032】
〔式中、y=10〜500、z=1〜50である。〕
【0033】
(d)成分:
(a)成分および(b)成分との共重合反応に供される(d)成分は、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合を含有する化合物を挙げることができる。
(d)成分の具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブテン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;ポリエチレングリコールメチルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;α−フルオロアクリル酸メチル、α−クロロアクリル酸メチル等のα−ハロゲン置換アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体化合物;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルコキシシラン類等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
また、(d)成分として反応性ノニオン性界面活性剤を使用することができ、これにより、得られる硬化性樹脂組成物をコーティング材料として使用する際の塗布性を大幅に向上させることができる。
かかる反応性ノニオン性界面活性剤の具体例としては、下記一般式(3)で示される化合物を挙げることができる。
【0035】
【化3】
【0036】
〔式中、n、mおよびsは繰り返し単位を示し、n=1〜20、m=0〜4、s=5〜50であることが好ましい。〕
【0037】
(d)成分として例示した上記の化合物のうち、含フッ素共重合体を得るための重合反応における収率を高める点から、アルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類が好適に使用される。
特に含フッ素共重合体中に共重合されるフッ素含量を高める点で、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の低分子量の単量体が好ましい。
さらに、得られる硬化性樹脂組成物により形成される硬化塗膜の高硬度化、低屈折率化のために、イソプロピルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ピバリン酸ビニル等の分岐状単量体を使用することが有効である。
【0038】
含フッ素共重合体を構成する(a)成分および(b)成分、並びに必要に応じて使用される(d)成分の好ましい組合せとしては、
(1)フルオロオレフィン/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル、
(2)フルオロオレフィン/アルキルビニルエーテル/エポキシ基含有ビニルエーテル、
(3)フルオロオレフィン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル、
(4)フルオロオレフィン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/エポキシ基含有ビニルエーテル、
(5)フルオロオレフィン/パーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル、
(6)フルオロオレフィン/パーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/エポキシ基含有ビニルエーテル、
(7)フルオロオレフィン/(パーフルオロアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル、
(8)フルオロオレフィン/(パーフルオロアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/エポキシ基含有ビニルエーテル、
(9)フルオロオレフィン/(パーフルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル、
(10)フルオロオレフィン/(パーフルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/エポキシ基含有ビニルエーテル、
(11)含フッ素(メタ)アクリル酸エステル/水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、
(12)含フッ素(メタ)アクリル酸エステル/エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル等を例示することができる。
【0039】
含フッ素共重合体を構成する全単量体に占める各単量体の割合としては、(a)成分の割合が10〜99モル%〔(c)成分を使用する場合には10〜98.9モル%〕、好ましくは15〜97モル%とされ、(b)成分の割合が1〜40モル%、好ましくは3〜30モル%とされ、(d)成分の割合が0〜70モル%とされる。
また、(c)成分により共重合体に導入されるポリジメチルシロキサンセグメントの割合は、0.1〜10モル%、好ましくは0.1〜6モル%とされる。
【0040】
(a)成分の割合が10モル%未満であると、得られる樹脂組成物による硬化塗膜が低屈折率となりにくく、この割合が99モル%を超えると、得られる樹脂組成物が溶剤に溶解されにくくなるとともに、当該樹脂組成物により形成される硬化塗膜の透明性および基材に対する密着性が低下する。
(b)成分の割合が1モル%未満であると、得られる樹脂組成物の硬化速度が低下し、形成される塗膜が十分な性能を発揮することができない。一方、この割合が40モル%を超えると、含フッ素共重合体を得るための重合過程または得られる樹脂組成物の保存中にゲル化したり、当該樹脂組成物により形成される硬化塗膜が脆くなったりする。
(c)成分により導入されるポリジメチルシロキサンセグメントの割合が0.1モル%未満であると、得られる樹脂組成物による硬化塗膜の耐久性が低下することがある。一方、この割合が10モル%を超えると、得られる含フッ素共重合体の透明性が低下するとともに、得られる硬化性樹脂組成物をコーティング材料として使用する際にハジキなどの発生を招きやすくなる。
【0041】
含フッ素共重合体のフッ素含量としては30重量%以上であり、好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上とされる。
含フッ素共重合体のフッ素含量が30重量%以上であることにより、フッ素原子に由来する低屈折率性、防汚性などの効果を確実に発現することができる。
【0042】
含フッ素共重合体を製造するための重合様式としては、ラジカル重合開始剤の存在下、乳化、懸濁、塊状または溶液重合法のいずれでもよく、回分式、半連続式、連続式の操作等適宜選択することができる。
なお、本発明の樹脂組成物を製造する際において、含フッ素共重合体は溶剤に溶解されている状態(重合体溶液)であることが好ましく、かかる観点からは、溶液重合法を採用することが好ましい。
【0043】
含フッ素共重合体を製造するために使用される前記ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えばアセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等を挙げることができる。
また、前記ラジカル重合開始剤には、必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の無機還元剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の有機還元剤を併用することができる。
【0044】
さらに、前記ラジカル重合開始剤として、例えばパーフロロエチルアイオダイド、パーフロロプロピルアイオダイド、パーフロロブチルアイオダイド、(パーフロロブチル)エチルアイオダイド、パーフロロヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロヘプチルアイオダイド、パーフロロオクチルアイオダイド、2−(パーフロロオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロデシルアイオダイド、2−(パーフロロデシル)エチルアイオダイド、ヘプタフロロ−2−ヨードプロパン、パーフロロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフロロ−5−メチルヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロ−7−メチルオクチルアイオダイド、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロ−9−メチルデシルアイオダイド、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフロロプロピルアイオダイド、1H,H,5H−オクタフロロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチルアイオダイド、テトラフロロ−1,2−ジヨードエタン、オクタフロロ−1,4−ジヨードブタン、ドデカフロロ−1,6−ジヨードヘキサン等のヨウ素含有フッ素化合物を使用することができる。
これらのヨウ素含有フッ素化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて、あるいは、前記有機過酸化物(パーオキサイド類)、アゾ系化合物または過硫酸塩と併用して用いることができる。
【0045】
前記含フッ素共重合体の重合反応を溶剤系で行う場合において、好ましい有機溶剤の具体例としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、これらに必要に応じてアルコール類、脂肪族炭化水素類等を混合使用することもできる。
【0046】
含フッ素共重合体は、前記重合反応を行った反応溶液(重合体溶液)のまま、硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるが、当該重合反応後に後処理を行ってもよい。
前記後処理としては、例えば重合体溶液を、アルコール等の含フッ素共重合体の不溶化溶剤に滴加し、含フッ素共重合体を凝固させることによる精製方法に代表される、一般的な再沈処理を行うことができ、次いで、これを溶剤に再度溶解して含フッ素共重合体の溶液を調製することができる。
また、重合体溶液から残留モノマー除去し、そのまま含フッ素共重合体の溶液として使用することもできる。
含フッ素共重合体の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)で5,000〜500,000とされる。
含フッ素共重合体の数平均分子量(Mn)が5,000未満であると、得られる樹脂組成物により形成される硬化塗膜の機械的強度が低下する。一方、この数平均分子量(Mn)が500,000を超える場合には、得られる樹脂組成物の粘度が過大となり、薄膜状にコーティングすることが困難となる。
【0047】
<(A)成分>
本発明の樹脂組成物を構成する(A)成分は、前記含フッ素共重合体に、特定のアミノ化合物を反応して得られる硬化性含フッ素共重合体であり、前記特定のアミノ化合物により、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基が導入されている。
特定のアミノ化合物は、含フッ素共重合体中に存在する水酸基またはエポキシ基と反応可能なアミノ基として、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を含有する化合物である。ここに、特定のアミノ化合物としては、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を例示することができる。
【0048】
前記メラミン系化合物は、一般にトリアジン環に窒素原子が結合した骨格を有する化合物として知られているもので、具体的にはメラミン、アルキル化メラミン、メチロール化メラミン、アルコキシ化メチルメラミン等を挙げることができ、これらのうち、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で反応して得られるメチロール化メラミンおよびアルコキシ化メチルメラミン、並びにそれらの誘導体が好ましく、保存安定性の観点からアルコキシ化メチルメラミンが特に好ましい。
また、前記メラミン系化合物としては、メチロール基およびアルコキシ化メチル基を1分子あたり2個以上有することが好ましい。
また、メチロール化メラミンおよびアルコシ化メチルメラミンについて特に制約はなく、例えばプラスチック材料講座[8]ユリア・メラミン樹脂(日刊工業新聞社)に記載されているような方法で得られる各種樹脂の使用も可能である。
【0049】
また、前記尿素化合物としては、尿素の他、ポリメチロール化尿素、その誘導体であるアルコキシ化メチル尿素、さらには環状構造であるウロン環を有するメチロール化ウロンおよびアルコキシ化メチルウロン等を挙げることができる。
前記尿素誘導体等のアミノ化合物についても前記「ユリア・メラミン樹脂」等に記載の各種樹脂の使用が可能である。
【0050】
硬化性含フッ素共重合体の製造に用いられる特定のアミノ化合物としては、含フッ素共重合体との相溶性の点から特にメラミン化合物が好ましく、さらに反応性からアルコキシ化メチルメラミン化合物が好ましい。
含フッ素共重合体と反応させる特定のアミノ化合物の量としては、含フッ素共重合体100重量部あたり、1〜150重量部とされ、好ましくは3〜100重量部、さらに好ましくは5〜80重量部とされる。
特定のアミノ化合物の量が1重量部未満では、得られる樹脂組成物により薄膜状に形成される硬化塗膜が十分な耐久性を有するものとならない。一方、この量が150重量部を超えると、得られる樹脂組成物の硬化物(硬化塗膜)の屈折率が十分に低いものとならず、光学用途に好適に利用することができない。
【0051】
(A)成分を得るために行われる含フッ素共重合体と、特定のアミノ化合物との反応は、例えば、含フッ素共重合体を有機溶剤に溶解した重合体溶液に特定のアミノ化合物を添加し、一定の時間、加熱、攪拌等により均一化させながら行う。
前記加熱温度は、通常30〜150℃とされ、好ましくは50〜120℃とされる。加熱温度が30℃以下では、反応速度が過小で(A)成分を効率的に調製することができない。一方、加熱温度を150℃以上とすると、所期の反応とともに、特定のアミノ化合物中のメチロール基またはアルコキシ化メチル基同士の反応による架橋反応が進み、ゲルの生成を招く。
反応の進行状況は、メチロール基またはアルコキシ化メチル基を赤外分光分析等により定量することや、溶解している含フッ素共重合体の再沈による回収後の重量増の秤量により定量的に確認することができる。
また、前記含フッ素共重合体と、特定のアミノ化合物との反応は、溶剤を用いた溶剤系で行うことが好ましく、好ましい有機溶剤としては、前記含フッ素共重合体の製造において用いられる有機溶剤と同じものを挙げることができる。
また、含フッ素共重合体と、特定のアミノ化合物との反応終了後、上記の後処理を実施してもよい。
【0052】
<(B)成分>
本発明の樹脂組成物を構成する(B)成分は、前記(A)成分と反応し得る官能基、すなわち、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基と反応し得る官能基を1個以上有し、フッ素含量が40重量%以上である官能基含有含フッ素化合物である。
かかる(B)成分の具体例としては、例えば1H,1H−トリフルオロエタノール、1H,1H−ペンタフルオロエタノール、1H,1H−ヘプタフルオロエタノール、2−(パーフルオロブチル)エタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロオクチル)エタノール、2−(パーフルオロデシル)エタノール、1H,1H−2,5−ジ(トリフルオロメチル)−3,6−ジオキサウンデカフルオロノナンオール、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エタノール、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エタノール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール等の含フッ素モノアルコール類;2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロ−1,9−ノナンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロ−1,12−ドデカンジオール、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、N−エチル−N−2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド、N−プロピル−N−2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド等の含フッ素ジオール類;3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフルオロオクチル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフルオロデシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−(パーフルオロ−3−メチルブチル))エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル))エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル))エトキシ−1,2−エポキシプロパン、N−エチル−N−(2,3−エポキシプロピル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、N−プロピル−N−(2,3−エポキシプロピル)パーフルオロオクタンスルホンアミド等の含フッ素モノエポキシ化合物類;1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ブタン、1,6−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ヘキサン、1,8−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−オクタン、1,10−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−デカン等の含フッ素ビスエポキシ化合物類;トリフルオロ酢酸、パーフルオロプロパン酸、パーフルオロブタン酸、パーフルオロペンタン酸、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸、パーフルオロデカン酸等の含フッ素モノカルボン酸類;テトラフルオロコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸、オクタフルオロアジピン酸、パーフルオロスベリン酸、パーフルオロアゼライン酸等の含フッ素ジカルボン酸類;(1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキシル)トリメトキシシラン、(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)トリメトキシシラン、(1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル)トリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド等の含フッ素アルコキシシラン化合物類を挙げることができる。
【0053】
(B)成分のフッ素含量としては40重量%以上とされ、好ましくは45重量%以上、更に好ましくは50重量%以上とされる。
このフッ素含量が40重量%以上であることにより、得られる樹脂組成物により形成される硬化塗膜の耐久性が損なわれることなく、当該硬化塗膜の低屈折率化を達成することができる。
【0054】
(B)成分の使用割合は、前記(A)成分100重量部に対して、通常1〜400重量部とされ、好ましくは5〜200重量部とされる。
前記(A)成分100重量部に対する前記(B)成分の使用量が1重量部未満であると、得られる樹脂組成物により形成される硬化塗膜(硬化物)の屈折率が十分に低いものとならず、光学用途に好適に利用することができず、また、防汚特性を十分に発揮することができない。一方、前記(B)成分の使用量が400重量部を超えると、得られる樹脂組成物により形成される硬化塗膜が十分な強度を有するものとならない。
【0055】
<硬化性樹脂組成物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(A)成分および前記(B)成分が溶剤に溶解されてなる組成物である。かかる溶剤としては、前記(A)成分の調製の際に使用した溶剤(前記含フッ素共重合体と、前記特定のアミノ化合物との反応系に存在させた溶剤)をそのまま使用することができる。
【0056】
<各種添加剤>
本発明の硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内において、各種の添加剤が含有されていてもよい。
かかる添加剤としては、得られる硬化性樹脂組成物の塗布性の改善、形成される硬化塗膜の特性の改善、感光性の付与等を目的として添加される物質、例えば水酸基を有するポリマー、水酸基を有するモノマー、顔料または染料等の着色剤、老化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤、架橋性化合物、熱酸発生剤、感光性酸発生剤、界面活性剤、溶剤、重合禁止剤等を例示することができる。
特に硬化塗膜の硬度および耐久性の改善を目的として、熱酸発生剤または感光性酸発生剤を添加することが好ましい。これらの使用にあたっては、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物の透明性を低下させず、かつ、硬化性樹脂組成物中に均一に溶解するものの中から選択される。
【0057】
<水酸基を有するポリマーおよび水酸基を有するモノマー>
本発明の硬化性樹脂組成物に含有させることができる水酸基を有するポリマーの具体例としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有共重合性単量体を共重合して得られるポリマー、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アセタール樹脂、ブチラール樹脂、ノボラック樹脂およびレゾール樹脂として公知のフェノール骨格を有する樹脂等を挙げることができる。
また、水酸基を有するモノマーとしては、ペンタエリスリトール、グリコールなどを挙げることができる。
【0058】
<顔料または染料等の着色剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に含有させることができる着色剤の具体例としては、アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ等の直接染料;ローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料等を挙げることができる。
【0059】
<老化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に含有させることができる老化防止剤、紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができる。
老化防止剤の具体例としては、例えばジ−tert−ブチルフェノール、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類、フェノチアジン、メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤の具体例としては、例えばフェニルサリシレートに代表されるサリチル酸系紫外線吸収剤、ジヒドロキシベンゾフェノン、2ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の各種プラスチック添加に使用される紫外線吸収剤を挙げることができる。
【0060】
<架橋性化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物を構成する(A)成分は、それ自体が硬化性を有するものであるが、必要に応じて、架橋性化合物を添加含有させることにより、得られる硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の硬化特性を改善することができる。かかる架橋性化合物としては、例えば、前記特定のアミノ化合物を含む各種のアミノ化合物、ペンタエリスリトール、ポリフェノール、グリコール等の各種水酸基含有化合物等を挙げることができ、これらのうち、特定のアミノ化合物が好ましく、アルコキシアルキルメラミン化合物が特に好ましい。
前記架橋性化合物の使用割合としては、前記(A)成分100重量部に対して、通常0〜70重量部とされ、好ましくは3〜50重量部とされる。架橋性化合物の使用割合が70重量部を超えると、得られる樹脂組成物の硬化物が脆くなり、硬化塗膜の強度が低下するとともに、屈折率も高くなるために好ましくない。
【0061】
<熱酸発生剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に含有させることができる熱酸発生剤としては、本発明の硬化性樹脂組成物により形成される塗膜を加熱硬化させる場合の加熱条件をより穏和な条件に改善することができる物質の中から適宜選択される。
前記熱酸発生剤の具体例としては、例えば各種脂肪族スルフォン酸とその塩、クエン酸、酢酸、マレイン酸等の各種脂肪族カルボン酸とその塩、安息香酸、フタル酸等の各種芳香属カルボン酸とその塩、アルキルベンゼンスルフォン酸とそのアンモニウム塩、各種金属塩、リン酸や有機酸のリン酸エステル等を挙げることができる。
前記熱酸発生剤の使用割合としては、前記(A)成分100重量部に対して、通常0〜10重量部とされ、好ましくは0.1〜5重量部とされる。熱酸発生剤の使用割合が10重量部を超えると、得られる硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下するために好ましくない。
【0062】
<感光性酸発生剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に含有させることができる感光性酸発生剤としては、本発明の硬化性樹脂組成物により形成される塗膜に感光性を付与し、例えば光等の放射線を照射することによって当該硬化性樹脂組成物の塗膜を光硬化させることを可能にする物質の中から適宜選択される。
前記感光性酸発生剤の具体例としては、例えばヨードニウム塩、スルフォニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩;βーケトエステル、βースルホニルスルホンとこれらのαージアゾ化合物等のスルホン化合物;アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類;下記一般式(4)で示されるスルホンイミド化合物類;下記一般式(5)で示されるジアゾメタン化合物類を挙げることができる。
【0063】
【化4】
【0064】
(式中、Xはアルキレン基、アリレーン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R41はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価に基を示す。)
【0065】
【化5】
【0066】
(式中、R51およびR52は互いに同一でも異なってもよく、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。)
【0067】
これらの感光性酸発生剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、1種または2種以上の感光性酸発生剤と、前記熱酸発生剤と併用することもできる。
前記感光性酸発生剤の使用割合としては、前記(A)成分100重量部に対して、通常0〜20重量部とされ、好ましくは0.1〜10重量部とされる。前記感光性酸発生剤の使用割合が20重量部を超えると、得られる樹脂組成物により形成される硬化塗膜の強度が低下するとともに、透明性が低下して光学用途に好適に利用することができない。
【0068】
<重合禁止剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に含有させることができる熱重合禁止剤の具体例としては、例えばピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン等を挙げることができる。
前記熱重合禁止剤の使用割合としては、硬化性樹脂組成物100重量部に対して5重量部以下であることが好ましい。
【0069】
<界面活性剤>
本発明の硬化性樹脂組成物には、その塗布性を更に改善する目的で界面活性剤を含有させることができる。前記界面活性剤としては、従来公知のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができる。
特に、形成される塗膜としての強度を保持し、かつ光学特性を低下させないために、フッ素系界面活性剤を使用することが好ましい。
界面活性剤の使用割合としては、硬化性樹脂組成物100重量部に対して5重量部以下であることが好ましい。
【0070】
<溶剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、通常、前記(A)成分および前記(B)成分が溶剤に溶解されてなる溶液状の組成物であるが、当該硬化性樹脂組成物の塗布性等を改善する目的で、さらに溶剤を添加することができる。
かかる溶剤としては、例えば、含フッ素共重合体を製造する際に用いた溶剤、(A)成分の調製の際に用いた溶剤を挙げることができる。さらに、硬化性樹脂組成物の保存安定性および塗布性を向上させること等を目的として、(A)成分に対する貧溶剤、例えば水、アルコール類、エーテル類等を添加することもできる。
【0071】
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記(A−I)成分と、上記(A−II)成分と、上記(D)成分とが含有されて構成されていてもよい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、上記(C)成分と、上記(D)成分とが含有されて構成されていてもよい。
本発明の樹脂組成物を構成する(A−I)成分としては、上記(A)成分を得るために使用される含フッ素共重合体を挙げることができる。
また、上記(A−I)成分を得るために使用する『(b’)ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を含有する単量体』としては、上記(b)成分と同一の化合物、並びに、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシアルキルアミノ基、アルコキシアルキルアミノ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を含有する単量体を挙げることができる。
また、本発明の樹脂組成物を構成する(A−II)成分としては、上記(A)成分を得るために使用される特定のアミノ化合物を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物を構成する(C)成分としては、上記(A−I)成分と、上記(A−II)成分との反応生成物、すなわち、上記(A)成分を構成する化合物と同一の化合物を挙げることができる。
また、本発明の樹脂組成物を構成する(D)成分としては、上記(B)成分を構成する化合物と同一の化合物を挙げることができる。
【0072】
<塗膜の形成方法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶液状として各種の基材に塗布することが可能であり、特に基材が透明基材の場合には優れた反射防止特性を付与することができる。ここに、透明基材としては、例えば無機ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチリル樹脂、アリレート樹脂等の各種透明樹脂などからなる板およびフィルム等を挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばディップ法、コーター法、印刷法等各種の方法を適用することができる。
【0073】
本発明の硬化性樹脂組成物による硬化物(塗膜)に良好な光学特性および耐久性を付与する得るためには、当該硬化性樹脂組成物に熱履歴を与えることが好ましい。もちろん、硬化性樹脂組成物の塗膜を常温で放置しても、時間とともに十分に硬化反応が進み、良好な光学特性および耐久性を発現させることができるが、工業的生産性を考えた場合には、加熱硬化が時間短縮に効果的であり、さらに、前記熱酸発生剤を硬化触媒として添加することで硬化反応を促進することができる。
硬化触媒としては特に制限されるものではなく、一般のウレア樹脂、メラミン樹脂等の硬化剤として使用されている前述の各種酸類およびそれらの塩類を挙げることができ、特にアンモニウム塩を好ましく利用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させるための加熱条件は、適宜選択することができるが、加熱温度は必然的に使用される基材の耐熱限界温度以下のものとなることは言うまでもない。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
なお、以下において「部」および「%」は特にことわらない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0075】
<含フッ素共重合体の製造>
〔製造例1〕
内容積1.5リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル500g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)53.2g、エチルビニルエーテル(EVE)50.5g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)26.4g、(d)成分としてノニオン性反応性乳化剤「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業(株)製)50.0g、(c)成分としてアゾ基含有ポリジメチルシロキサン「VPS−1001」(和光純薬工業(株)製)7.5gおよび過酸化ラウロイル1.25gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフロロプロピレン(HFP)120.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.4kgf/cm2 を示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7kgf/cm2 に低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出しオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入してポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い219gのポリシロキサンセグメントを有する含フッ素共重合体を得た。これを「含フッ素共重合体(1)」とする。この含フッ素共重合体(1)の重合転化率は73%であった。
【0076】
この含フッ素共重合体(1)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量〔Mn〕、DSCによるガラス転移温度〔Tg〕およびアリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量をそれぞれ測定した。また、 1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果、元素分析結果およびフッ素含量から含フッ素共重合体(1)を構成する各単量体成分の割合を決定した。結果を表2に示す。
【0077】
〔製造例2〕
HEVEに代えてグリシジルビニルエーテル(GVE)29.9gを使用し、(d)成分としてノニオン性反応性乳化剤「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業(株)製)50.0gを使用し、(c)成分としてアゾ基含有ポリジメチルシロキサン「VPS−1001」(和光純薬工業(株)製)7.5gを使用し、各単量体の仕込量を表1に示す処方に従って変更したこと以外は製造例1同様にして222gの含フッ素共重合体を合成した。これを「含フッ素共重合体(2)」とする。この含フッ素共重合体(2)の重合転化率は74%であった。
この含フッ素共重合体(2)について、製造例1と同様にして、数平均分子量〔Mn〕、ガラス転移温度〔Tg〕およびフッ素含量を測定し、含フッ素共重合体(2)を構成する各単量体成分の割合を決定した。結果を表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
表1〜表2中の略号は、下記内容を示す。
HFP :ヘキサフロロプロピレン
FPVE:パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)
HEVE:ヒドロキシエチルビニルエーテル
GVE :グリシジルビニルエーテル
EVE :エチルビニルエーテル
VPS−1001:アゾ基含有ポリジメチルシロキサン
NE−30:ノニオン性反応性乳化剤「アデカリアソープNE−30」
【0083】
<(A)成分の製造>
〔合成例1〕
製造例1で得られた含フッ素共重合体(1)100gと、アルコキシ化メチルメラミン(三井サイテック(株)製、商品名:サイメル303)30gとを、メチルイソブチルケトン900g中に溶解し、110℃にて5時間攪拌することにより反応させた。反応後、室温まで冷却し、(A)成分となる硬化性含フッ素共重合体の溶液を得た。この硬化性含フッ素共重合体を「共重合体(A1)」とする。
次いで、得られた共重合体(A1)の溶液を大過剰の冷メタノール中に攪拌しながら徐々に投入し、共重合体(A1)を沈殿析出させた。さらに、得られた共重合体(A1)を再度メチルイソブチルケトンに溶解させた後、冷メタノールを用いて再沈処理を行った。再沈処理により得られた共重合体(A1)を真空乾燥によって乾燥処理した。乾燥処理後の共重合体(A1)について赤外線吸収スペクトルを測定したところアルコキシ化メチルメラミンが導入されていることを確認できた。
【0084】
〔合成例2〕
含フッ素共重合体(1)に代えて、含フッ素共重合体(2)100gを用いたこと以外は合成例1と同様にして、(A)成分となる硬化性含フッ素共重合体の溶液を得た。得られた硬化性含フッ素共重合体を「共重合体(A2)」とする。
共重合体(A2)について、合成例1と同様にして沈殿処理、再沈処理および乾燥処理を行った。乾燥処理後の共重合体(A2)について赤外線吸収スペクトルを測定したところ、アルコキシ化メチルメラミンが導入されていることを確認できた。
【0085】
<実施例1>
下記表3に示す処方に従って、(A)成分となる共重合体(A1)のメチルイソブチルケトン溶液500g(固形分63g)に、(B)成分として3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン(MF100)15gと、硬化触媒としてp−トルエンスルフォン酸1gとを添加し溶解させ、固形分濃度が15.3%である本発明の硬化性樹脂組成物を調製した。
【0086】
このようにして得られた硬化性樹脂組成物について、下記のようにして塗膜の形成および測定・評価を行った。結果を併せて表3に示す。
【0087】
〔屈折率の測定〕
硬化性樹脂組成物(固形分濃度15.3%)にメチルイソブチルケトンを添加して固形分濃度が4%の樹脂組成物溶液を調製した。次いで、スピンコーターによりシリコンウェーハー上に乾燥後の厚みが約0.1μmとなるように塗布し、120℃で1時間の加熱処理をして硬化塗膜を形成し、この硬化塗膜につき、エリプソメーターによって25℃における屈折率(nD 25)を測定した。
【0088】
〔透過率・反射率の測定〕
硬化性樹脂組成物(固形分濃度15.3%)を用いてキャスト法により塗膜を形成し、この塗膜上に同じ操作を数回繰り返した後、プレスを用いて120℃で1時間加熱硬化することにより厚さ200μmのフィルム状の硬化膜を成形した。この硬化膜を試料として波長340〜700nmでの透過率を測定した。
また、硬化性樹脂組成物(固形分濃度15.3重量%)を用いて、固形分3重量%になるまでブタノールにて希釈してワニスを調製した。このワニスを、厚さ3mmの透明ポリカーボネート板にディップコート法により、引き上げ速度300mm/分で塗布し、次いで、120℃で1時間の加熱硬化して硬化塗膜を形成した。エリプソメータで測定した硬化塗膜の膜厚は1170オングストロームであった。
この硬化塗膜が形成されたポリカーボネート板について、直径60mmの積分球付き分光光度計(日立製作所製 U−3410型)を用いて、反射率の測定を行った。
【0089】
〔耐擦傷性テスト(密着性)〕
塗膜の基材への密着性の評価として、前記硬化塗膜が形成されたポリカーボネート板を試料として耐擦傷性テストを実施した。キムワイプ(十條キンバリー社製)を用いて、硬化塗膜面を1kg/cm2 荷重にて25回繰り返し擦過し、塗膜表面の傷の発生を目視で確認した。そして、硬化塗膜の剥離や傷の発生が認められないのを「○」、硬化塗膜の一部に剥離が生じ、または硬化膜の表面に筋状の傷が発生したものを「×」と評価した。
【0090】
〔接触角の測定(防汚性)〕
反射率の測定のために形成した硬化塗膜について、純水の接触角を測定した。
【0091】
〔塗布性〕
ディップコーターを用いて硬化性樹脂組成物(固形分濃度3%)を厚さ3mmの透明ポリカーボネート板の表面に塗布し、形成された塗膜を目視により観察してその塗布性を評価した。
評価基準は、下記のとおりである。
・A:塗膜が均一に形成され、塗膜の欠陥は発生しない。
・B:硬化性樹脂組成物のハジキによる塗膜の欠陥が部分的に発生。
・C:硬化性樹脂組成物のハジキによる塗膜の欠陥が全体的に多数発生。
【0092】
<実施例2〜6>
下記表3に示す処方に従って、(A)成分となる共重合体の種類および(B)成分となる官能基含有含フッ素化合物の種類の少なくとも一方を代えたこと以外は実施例1と同様にして本発明の硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた硬化性樹脂組成物の各々について、実施例1と同様にして塗膜の形成および測定・評価(塗布性の評価を含む。)を行った。結果を併せて表3に示す。
【0093】
<比較例1〜2>
下記表4に示す処方に従って、共重合体(A1)〜(A2)の各々のメチルイソブチルケトン溶液を、比較用の硬化性樹脂組成物とした。
この硬化性樹脂組成物の各々について、実施例1と同様にして塗膜の形成および測定・評価(塗布性の評価を含む。)を行った。結果を併せて表4に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
表3〜表4中の略号〔(B)成分となる官能基含有含フッ素化合物〕は、下記内容を示す。
・MF100:3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン(含フッ素ジオール),フッ素含量56%
・MF120:3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン(含フッ素モノエポキシ化合物),フッ素含量59%
・MF160:N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド(含フッ素アルコキシシラン化合物),フッ素含量47%
【0099】
【発明の効果】
(1)本発明の樹脂組成物により形成される硬化塗膜は、屈折率および反射率が低く、透明性および耐擦傷性に優れ、光学材料として好適である。
(2)本発明の樹脂組成物により形成される硬化塗膜は防汚性に優れている。
(3)本発明の樹脂組成物により形成される硬化塗膜は耐久性に優れている。
(4)本発明の樹脂組成物により形成される硬化塗膜は耐候性にも優れ、超耐候性塗料用材料として好適に使用することができる。
(5)本発明の樹脂組成物により形成される硬化塗膜は、透明基板との密着性に優れ、良好な反射防止効果を発現することができる。
(6)本発明の硬化性樹脂組成物は、特に反射防止膜、光ファイバー鞘材等の光学材料の形成、またフッ素材料本来の特性である耐候性を活かした塗料用材料、耐候フィルム用材料、コーティング用材料として好適に使用できる。
(7)本発明の硬化性樹脂組成物は、塗布性が良好である。
(8)本発明の硬化性樹脂組成物により形成される塗膜(硬化物)は良好な熱硬化性を有する。
Claims (7)
- 下記(A)成分および下記(B)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(A)成分:
(a)フッ素原子を含有する単量体と、(b)水酸基および/またはエポキシ基を含有する単量体とを含む単量体組成物を重合して得られる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有し、フッ素含量が30重量%以上である含フッ素共重合体に、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を含有する化合物を反応して得られる硬化性含フッ素共重合体。
(B)成分:
前記(A)成分と反応し得る官能基を1個以上有し、フッ素含量が40重量%以上である官能基含有含フッ素化合物。 - 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物であって、
前記(B)成分の有する官能基が、水酸基、エポキシ基、および加水分解可能な置換基を有するシリル基から選ばれた少なくとも1種の基であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 下記(A−I)成分、下記(A− II )成分および下記(D)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(A−I)成分:
(a)フッ素原子を含有する単量体と、(b’)ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を含有する単量体とを含む単量体組成物を重合して得られる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有し、フッ素含量が30重量%以上である含フッ素共重合体。
(A− II )成分:
ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を含有する化合物。
(D)成分:
ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を1個以上有し、フッ素含量が40重量%以上である官能基含有含フッ素化合物。 - 下記(C)成分および下記(D)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(C)成分:
請求項3記載の(A−I)成分と、請求項3記載の(A− II )成分との反応生成物である、ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基を1分子中に含有する含フッ素共重合体。
(D)成分:
ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を1個以上有し、フッ素含量が40重量%以上である官能基含有含フッ素化合物。 - 請求項3または請求項4に記載の硬化性樹脂組成物であって、
前記(A−I)成分を得るために使用される(b’)ヒドロキシアルキルアミノ基またはアルコキシアルキルアミノ基に対して反応性のある官能基を含有する単量体の有する当該官能基が、水酸基および/またはエポキシ基であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 請求項3乃至請求項5の何れかに記載の硬化性樹脂組成物であって、
前記(D)成分の有する官能基が、水酸基、エポキシ基、および加水分解可能な置換基を有するシリル基から選ばれた少なくとも1種の基であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られることを特徴とする樹脂硬化物。
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