JP4167767B2 - 車両の自動クラッチの強制分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の自動クラッチの強制分離装置に関し、より詳しくは、シュークラッチタイプの自動クラッチを有する自動二輪車の自動クラッチの強制分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車にはドッグタイプのミッションギヤが通常使用されるが、このミッションギヤは、アクセルが戻されることにより、ドッグの噛合が解除され、ギヤが軸上をスライドしてギヤチェンジが可能な状態となる。しかしながら、これだけでは加減速時や登坂時等、ミッションギヤのドッグに荷重が作用している場合には、ギヤがスムーズにスライドしなくなり、ギヤチェンジが非常に困難となる。
そこで、従来においては上記に鑑み、シュークラッチタイプのエンジンに構造が複雑で大型のチェンジクラッチが別に設けられている。このチェンジクラッチのレリーズ方式は、図示しないが、チェンジシャフトに連動した構造に構成され、チェンジ操作時にチェンジクラッチを自動的にOFFにするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシュークラッチタイプのエンジンは、以上のようにチェンジクラッチが別設されているので、チェンジクラッチのスペース確保のためにエンジン幅が広くなり、しかも、部品点数の増加に伴いコストが上昇してしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、ドッグに荷重が作用している場合でもギヤを容易にチェンジすることができ、しかも、エンジン幅の拡大やコストの上昇を抑制防止することのできる車両の自動クラッチの強制分離装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明においては、上記課題を達成するため、エンジンのクランク軸の動力伝達を断続する自動クラッチと、この自動クラッチに取り付けられるワンウェイクラッチと、該自動クラッチの動力伝達を規制する強制分離装置とを含んでなるものであって、
上記自動クラッチは、上記エンジンのクランク軸に貫通支持される一方向に回転可能なクラッチハウジングと、このクラッチハウジングの内周面に接離し、クラッチハウジングとは反対方向に回転する複数のシュークラッチとを含み、
上記ワンウェイクラッチは、上記クラッチハウジングに固定されるドライブラチェットと、上記エンジンのクランク軸にスライド可能に支持されて該ドライブラチェットに接離するドリブンラチェットと、該ドライブラチェットに該ドリブンラチェットを接触係合させるばね部材と、該ドライブラチェットと該ドリブンラチェットとの間に介在され、上記エンジンの回転数が所定値以上に達した場合にドライブラチェットからドリブンラチェットを離隔させる複数の遠心ローラとを含み、
上記強制分離装置は、上記各シュークラッチに設けられるレリーズ口と、上記エンジンのクランク軸に支持体を介し進退動可能に支持される複数のレリーズ部材と、各レリーズ部材を原点から進出位置に進出させて上記レリーズ口に挿入し、上記クラッチハウジングに対する上記各シュークラッチの接触を解除する操作機構と、上記各レリーズ部材を該進出位置から該原点に後退させる復帰ばねとを含んでなることを特徴としている。
【0006】
なお、上記エンジンのクランク軸にオイル流路を設け、該クランク軸に遠心分離のオイルフィルタを取り付けて当該オイルフィルタから該オイル流路にオイルを供給可能とし、該オイルフィルタの外周部に上記複数のレリーズ部材用の貫通孔を所定の間隔をおいて該クランク軸の軸方向に設けるとともに、該オイルフィルタの貫通孔周縁部と該複数のレリーズ部材との間には上記復帰ばねをそれぞれ介在させることが好ましい。
さらに、上記操作機構を、上記エンジンに揺動可能に支持されるレリーズ軸と、このレリーズ軸に取り付けられて上記支持体に接触可能な押圧アームとから構成することが望ましい。
【0007】
ここで、特許請求の範囲におけるエンジンには、2気筒、4気筒、6気筒、V型、DOHC、SOHC、又はOHV等の種類があるが、いずれのタイプでも良い。また、車両には、少なくとも各種の自動車や自動二輪車、具体的にはスクータ、スリータ、又はレジャーバイク等が含まれる。また、シュークラッチの数は、特に限定されるものではないが、通常2〜3個程度である。また、接離可能とは、例えば複数のシュークラッチの場合、クラッチハウジングの内周面に複数のシュークラッチが接触したり、離れたりするという意味である。また、レリーズ口は、凹構造であれば、貫通構造でも、底のある構造でも良い。また、レリーズ部材は、先端部にテーパや傾斜を備えたピン形に主に形成されるが、レリーズ口に挿入可能であれば、ピン形状以外の各種凸構造に形成することができる。
【0008】
支持体は、クランク軸方向にスライド可能であれば、円板形、円筒形、又はこれらを組み合わせたもの等でも良い。この支持体の取り付けに際しては、単数複数の締結具や取付部材を併用することが可能である。また、操作機構は、主にエンジンに設置されるが、その末端の操作部分をケーブル等を用いてハンドル等の操作しやすい箇所に適宜取り付けることができる。さらに、ばね部材や復帰ばねは、ばね作用を有するものであれば、特にその数や種類等限定されるものではなく、少なくとも単数複数の板ばね、コイルばね、又はねじりばね等が含まれる。復帰ばねは、レリーズ部材に嵌通される構造でも良いし、それ以外の構造でも良い。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、強制分離装置の操作機構を操作すると、支持体が原点からレリーズ口方向の進出位置に進出し、各レリーズ部材が復帰ばねに抗してレリーズ口に差し込まれ、クラッチハウジングの内周面から複数のシュークラッチが強制的に離れ、動力の伝達が規制される。これにより、ギヤを容易にチェンジすることができる。また、ワンウェイクラッチは、エンジンの回転数が所定値以下の場合には、ドライブラチェットにドリブンラチェットがばね部材の弾圧付勢作用で接触係合してエンジン始動のキック操作等を可能とする。これに対し、エンジンが始動してその回転数が所定値以上の場合、複数の遠心ローラが半径内方向から半径外方向に移動し、ばね部材が撓むことにより、ドリブンラチェットがドライブラチェットとの接触係合を解除する。
【0010】
また、請求項2記載の発明によれば、クランク軸と共にオイルフィルタが回転し、遠心力でオイル中の異物等が外側に溜められ、清浄なオイルのみがクランク軸に流れる。また、オイルフィルタは、復帰ばね用の収納空間、取付空間としても機能する。
さらに、請求項3記載の発明によれば、操作機構を操作すると、レリーズ軸が回転し、押圧アームが支持体に荷重を直接間接に作用させてレリーズ口方向に進出させる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではない。
本実施形態における車両の自動クラッチの強制分離装置は、図1ないし図4に示すように、図示しないスクータ等の自動二輪車に搭載されるエンジン1、このエンジン1のクランク軸4の動力伝達を断続する自動クラッチ8、この自動クラッチ8に取り付けられる回転数対応断続タイプのワンウェイクラッチ15、自動クラッチ8の動力伝達を規制する強制分離装置23、カウンタ軸32及び図示しないドライブ軸を備えている。
【0012】
エンジン1は、図1に示すように、左右一対のクランクケース2を備え、このクランクケース2には図示しない鋳鉄製のシリンダが装着されるとともに、クラッチカバー3が装着されている。クランクケース2の内部にはオイル流路5を軸方向に内蔵したクランク軸4が軸受を介し回転可能に軸支され、このクランク軸4には、ピストンがコンロッドを介し回転可能に軸支され、かつオイルフィルタ6が嵌着されている。
【0013】
オイルフィルタ6は、同図に示すように、クランク軸4の一側部に嵌着されて自動クラッチ8に隣接し、クランク軸4と共に回転して遠心力でオイル中の異物等を外周に溜め、清浄なオイルのみを中心部からクランク軸4のオイル流路5に流出させるよう機能する。このオイルフィルタ6の外周部周方向には複数(本実施形態では3個)の貫通孔7が所定の間隔をおいてクランク軸方向に貫通して穿設されている。
【0014】
自動クラッチ8は、図1ないし図3に示すように、エンジン1のクランク軸4に支持される一方向(図3の反時計方向)に回転可能なクラッチハウジング9と、このクラッチハウジング9の内周面に接離し、クラッチハウジング9とは反対方向(図3の時計方向)に回転する複数(本実施形態では3個)のシュークラッチ10とから構成されている。クラッチハウジング9は、図1や図2に示すように、基本的には断面ほぼU字形に形成され、プライマリドライブギヤ11と共にクランク軸4の一側部に回転可能に貫通支持されている。このクラッチハウジング9の内面にはクランク軸4を貫通した円形のプレート12が近接して内蔵され、このプレート12の表面外周には複数の支点部(本実施形態では3個)が所定の間隔をおいて突出状態に挿着されている。
【0015】
複数のシュークラッチ10は、図1ないし図3に示すように、プレート12の表面外周に配列されるとともに、プレート12の半径内外方向に移動可能に支持され、相互間に復帰用のスプリング13が張架されており、クラッチハウジング9の内周面に接離可能に対向している。各シュークラッチ10は、図1に示すように、ほぼ半円弧形を呈した積層構造の複数のクラッチ板14を備え、この複数のクラッチ板14には支点部嵌合用の切欠が形成されている。このように構成された複数のシュークラッチ10は、クラッチハウジング9と共に自動遠心内拡タイプのドライブクラッチを構成する。
【0016】
ワンウェイクラッチ15は、図1や図2に示すように、クラッチハウジング9の貫通孔付近に溶着されるドライブラチェット16と、エンジン1のクランク軸4にスライド可能に貫通支持されるドリブンラチェット17とから構成されている。ドライブラチェット16は、円形に形成され、外周部の周方向に複数の爪18が所定の間隔をおいて形成されている。また、ドリブンラチェット17は、図4に示すように、円形に形成され、外周部の周方向に複数の爪18と噛合する複数の爪19が所定の間隔をおいて形成されている。このドリブンラチェット17には、半径内外方向に移動可能な複数の遠心ローラ20が凹んだガイド傾斜面21を介し所定の間隔をおいて保持されている。
【0017】
このような構成のドリブンラチェット17は、エンジン停止時等には、対向するドライブラチェット16にコイルばね22の弾圧付勢作用で噛合してエンジン始動のキック操作を可能とする。これに対し、エンジン1が始動してその回転数が所定値以上に達した場合、ガイド傾斜面21に案内されつつ複数の遠心ローラ20が半径外方向にそれぞれ移動し、コイルばね22が圧縮することにより、ドライブラチェット16から図1及び図2の右方向に離れる。
【0018】
強制分離装置23は、各シュークラッチ10に穿設される断面略円筒形のレリーズ口24、エンジン1のクランク軸4に進退動可能に支持される支持板25、複数(本実施形態では合計3本)のレリーズピン26、各レリーズピン26を原点から進出位置に進出させてレリーズ口24に挿入し、クラッチハウジング9に対する各シュークラッチ10の接触を解除する操作機構27及び各レリーズピン26を進出位置から原点に後退させる複数の復帰コイルばね28とから構成されている。
【0019】
支持板25は、図1に示すように、クランク軸4の一側端部にカラー、ベアリング及びワッシャを介しスライド可能に嵌合されてオイルフィルタ6に近接配置されている。また、複数のレリーズピン26は、支持板25の外周部周方向に所定の間隔をおいてクランク軸方向に向け挿着されている。各レリーズピン26は、その先端部が先細りのテーパに形成され、オイルフィルタ6の貫通孔7を貫通してレリーズ口24に挿入可能に対向している。
【0020】
操作機構27は、図1に示すように、エンジン1のクラッチカバー3に軸受を介し回転可能に軸支されるレリーズ軸29を備え、このレリーズ軸29の先端部側には支持板25のカラーに一対のアーム30を実質的に押圧接触させる円筒形の押圧アーム31が嵌着されている。レリーズ軸29の末端部にはレリーズアームが締結具を介して嵌着され、このレリーズアームが図示しないハンドルのクラッチレバーに図示しないケーブルを介して接続されている。また、各復帰コイルばね28は、レリーズピン26に嵌通され、オイルフィルタ6の貫通孔7の周縁部付近に係止している。
【0021】
カウンタ軸32は、図1に示すように、クランクケース2の内部に軸受を介し回転可能に軸支され、プライマリドライブギヤ11と噛合するプライマリドリブンギヤ33とミッションギヤである複数のドライブギヤとがそれぞれ嵌着又はスライド可能に嵌合されている。この複数のドライブギヤには相互に噛合可能なオスドッグとメスドッグとが対向して配設されている。
【0022】
さらに、ドライブ軸は、クランクケース2の内部に軸受を介し回転可能に軸支され、各ドライブギヤと噛合する複数のドリブンギヤ(ミッションギヤ)が嵌着又はスライド可能に嵌合されるとともに、チェーンスプロケットが嵌着されており、このチェーンスプロケットにはエンドレスのチェーンが巻回されている。複数のドリブンギヤにも、相互に噛合可能なオスドッグとメスドッグとが対向して配設されている。
【0023】
上記構成において、エンジン1のストップ時には、図2に示すように、クラッチハウジング9の内周面から各シュークラッチ10が離れて位置している。この際、各レリーズピン26は、復帰コイルばね28の位置決め作用により、通常の位置に位置している。次いで、アイドリング時には、クラッチハウジング9の内周面から各シュークラッチ10が離れて位置し、クランク軸4、プレート12及び各シュークラッチ10のみが回転し、動力の伝達が規制される。この場合にも、各レリーズピン26は、復帰コイルばね28の位置決め作用により、通常の位置に位置している。
【0024】
次いで、エンジン1がスタートしてその回転数が所定の回転数に達すると、図1に示すように、回転数に応じた遠心力によりクラッチハウジング9の内周面に各シュークラッチ10が圧接され、クランク軸4の動力が各シュークラッチ10、クラッチハウジング9、プライマリドライブギヤ11、プライマリドリブンギヤ33、ドライブギヤ、ドリブンギヤ、チェーンスプロケット及びチェーンを順次経由して図示しないリヤタイヤに伝達される。
【0025】
次いで、エンジン1の回転数が所定の回転数に達し、クラッチ操作したい場合には、図示しないクラッチレバーを握持操作すれば良い。すると、ケーブルを介して操作機構27のレリーズ軸29が回転し、支持板25のカラーを押圧アーム31が押圧し、各レリーズピン26が復帰コイルばね28を圧縮しつつレリーズ口24に徐々に挿入されるとともに、クラッチハウジング9の内周面から各シュークラッチ10が遠心力に抗して離れ、動力の伝達が規制される。この作用により、ミッションギヤがスムーズにスライドし、ギヤチェンジの大幅な容易化が期待できる。
【0026】
なお、操作機構27を元の状態に復帰操作すれば、レリーズ軸29が回転して支持板25に対する押圧アーム31の押圧が解除され、各レリーズピン26が圧縮された復帰コイルばね28の復元作用によりレリーズ口24から抜けて元の後退位置に復帰し、クラッチハウジング9の内周面に各シュークラッチ10が圧接される。
【0027】
上記構成によれば、チェンジクラッチでミッションギヤをスムーズにスライドさせるので、加減速時や登坂時等、ミッションギヤのドッグに荷重が作用している場合でもギヤのチェンジがきわめて容易となる。また、シュークラッチ10とチェンジクラッチの機能を結合させ、従来における複雑な別体のチェンジクラッチを省略したので、チェンジクラッチのスペース確保のためにエンジン幅を広くする必要性が全くなく、エンジン1の著しいコンパクト化が可能となる。また、従来例に比べ、チェンジクラッチの構成が実に簡素なので、部品点数の大幅な削減が期待でき、これを通じてコストの上昇を確実に抑制防止することができる。また、各レリーズピン26の先端部が先細りのテーパなので、レリーズ口24に対する円滑な係止・挿入が期待でき、各シュークラッチ10を円滑・確実に離隔動作させることが可能になる。
【0028】
また、ワンウェイクラッチ15が常時接触タイプではなく、回転数対応断続タイプなので、通常走行時にブレーキ等を使用しても、ギヤシフト操作が可能となる。以下、この点を詳説すると、ワンウェイクラッチ15が常時接触タイプの場合において、通常走行時にブレーキを使用すると、ブレーキ力等でワンウェイクラッチ15がロックしてしまい、各レリーズ口24にレリーズピン26を挿入しても、クラッチハウジング9と各シュークラッチ10の接続が継続することとなる。
【0029】
これに対して、ワンウェイクラッチ15が上記構成の回転数対応断続タイプの場合、通常走行時にブレーキを使用しても、ワンウェイクラッチ15のロックをきわめて容易に防止することができる。したがって、各レリーズ口24にレリーズピン26を挿入すれば、クラッチハウジング9と各シュークラッチ10の接続を円滑、かつ確実に切断することが可能となる。なお、通常走行時にブレーキは、クラッチシューを介して作用するので、走行中に不具合の発生することはない。
【0030】
さらに、自動クラッチ8のクラッチハウジング9とシュークラッチ10とが反対方向に回転するので、ブレーキ使用時にクラッチハウジング9に各シュークラッチ10が必要以上に強く圧接されることがなく、ギヤシフト操作が可能となる。この点を説明すると、クラッチハウジング9とシュークラッチ10とが同一方向に回転する構成において、クラッチハウジング9とシュークラッチ10とが接続された状態で走行している場合、ブレーキを使用すると、クラッチハウジング9にシュークラッチ10が自己サーボ効果で強く圧接される。このため、各レリーズ口24にレリーズピン26を挿入しても、クラッチハウジング9と各シュークラッチ10の接続を断つことが不可能になる。
【0031】
これに対し、本実施形態によれば、シュークラッチ10の取付方向を反転させ、クラッチハウジング9の回転方向に対するシュークラッチ10の回転方向を逆転させているので、各レリーズ口24にレリーズピン26を挿入すれば、クラッチハウジング9と各シュークラッチ10の接続を円滑、かつ確実に切断することができる。
【0032】
なお、自動二輪車の変速段数は、通常4〜6速の段数であるが、この段数に特に限定されるものではない。また、支持板25、ドライブギヤ及び又はドリブンギヤ等の嵌合に際しては、適宜スプライン嵌合等の技術を利用することができる。さらに、上記実施形態ではクラッチ操作したい場合にクラッチレバーを握持操作するものを示したが、なんらこれに限定されるものではなく、手動クラッチだけではなく、自動クラッチを採用しても良い。例えば、足操作用のチェンジシャフトと操作機構27のレリーズ軸29とを連動する構造に構成することも可能である。こうすれば、足によるチェンジ操作の際、カムによる押し上げ力がアーム30の端部と反対側の端部35に作用し、支持板25を押圧することができる(図1参照)。
【0033】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、ドッグに荷重が作用している場合でもギヤを容易にチェンジすることができ、エンジン幅の拡大やコストの上昇を抑制防止することが可能になるという効果がある。また、クラッチハウジングの回転方向に対して複数のシュークラッチが反対方向に回転するとともに、ワンウェイクラッチが回転数対応断続タイプに構成されているので、通常走行時にブレーキ等を使用しても、円滑なギヤシフトが大いに期待できる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、オイルと異物等とを分離し、清浄なオイルをクランク軸に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の自動クラッチの強制分離装置の実施形態におけるエンジン回転時の状態を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る車両の自動クラッチの強制分離装置の実施形態におけるエンジン停止時の状態を示す要部断面説明図である。
【図3】本発明に係る車両の自動クラッチの強制分離装置の実施形態におけるシュークラッチを示す説明図である。
【図4】本発明に係る車両の自動クラッチの強制分離装置の実施形態におけるドリブンラチェットを示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
4 クランク軸
5 オイル流路
6 オイルフィルタ
7 貫通孔
8 自動クラッチ
9 クラッチハウジング
10 シュークラッチ
15 ワンウェイクラッチ
16 ドライブラチェット
17 ドリブンラチェット
20 遠心ローラ
22 コイルばね(ばね部材)
23 強制分離装置
24 レリーズ口
25 支持板(支持体)
26 レリーズピン(レリーズ部材)
27 操作機構
28 復帰コイルばね(復帰ばね)
29 レリーズ軸
30 アーム
31 押圧アーム
32 カウンタ軸
Claims (3)
- エンジンのクランク軸の動力伝達を断続する自動クラッチと、この自動クラッチに取り付けられるワンウェイクラッチと、該自動クラッチの動力伝達を規制する強制分離装置とを含んでなる車両の自動クラッチの強制分離装置であって、
上記自動クラッチは、上記エンジンのクランク軸に貫通支持される一方向に回転可能なクラッチハウジングと、このクラッチハウジングの内周面に接離し、クラッチハウジングとは反対方向に回転する複数のシュークラッチとを含み、
上記ワンウェイクラッチは、上記クラッチハウジングに固定されるドライブラチェットと、上記エンジンのクランク軸にスライド可能に支持されて該ドライブラチェットに接離するドリブンラチェットと、該ドライブラチェットに該ドリブンラチェットを接触係合させるばね部材と、該ドライブラチェットと該ドリブンラチェットとの間に介在され、上記エンジンの回転数が所定値以上に達した場合にドライブラチェットからドリブンラチェットを離隔させる複数の遠心ローラとを含み、
上記強制分離装置は、上記各シュークラッチに設けられるレリーズ口と、上記エンジンのクランク軸に支持体を介し進退動可能に支持される複数のレリーズ部材と、各レリーズ部材を原点から進出位置に進出させて上記レリーズ口に挿入し、上記クラッチハウジングに対する上記各シュークラッチの接触を解除する操作機構と、上記各レリーズ部材を該進出位置から該原点に後退させる復帰ばねとを含んでなることを特徴とする車両の自動クラッチの強制分離装置。 - 上記エンジンのクランク軸にオイル流路を設け、該クランク軸に遠心分離のオイルフィルタを取り付けて当該オイルフィルタから該オイル流路にオイルを供給可能とし、該オイルフィルタの外周部に上記複数のレリーズ部材用の貫通孔を所定の間隔をおいて該クランク軸の軸方向に設けるとともに、該オイルフィルタの貫通孔周縁部と該複数のレリーズ部材との間には上記復帰ばねをそれぞれ介在させた請求項1記載の車両の自動クラッチの強制分離装置。
- 上記操作機構は、上記エンジンに揺動可能に支持されるレリーズ軸と、このレリーズ軸に取り付けられて上記支持体に接触可能な押圧アームとを含んでなる請求項1又は2記載の車両の自動クラッチの強制分離装置。
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1998
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