JP4173074B2 - 二軸延伸多層積層フィルム、装飾用糸および装飾用粉末 - Google Patents
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Description
本発明の好ましい例において、第1の層を構成する樹脂は、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレート成分からなるポリエステルである。好ましくは、後述の第2の層を構成するポリエステルよりも融点を高度に維持できることから、ホモポリエチレンテレフタレートまたは繰返し単位の95モル%以上がエチレンテレフタレート成分からなる共重合ポリエチレンテレフタレートである。エチレンテレフタレート成分のモル数が繰返し単位の95モル%未満だと、融点が低下し、後述の第2の層を構成するポリエステルとの融点差が得られがたく、結果として、多層延伸フィルムに十分な屈折率差を付与しがたい。これらの中でも、融点を高度に維持できることから、ホモポリエチレンテレフタレートが好ましい。エチレンテレフタレート成分以外の共重合成分としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸のような他の芳香族カルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等の酸成分や、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジオ−ル;シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等、グリコール成分を好ましく挙げることができる。
本発明の好ましい例において、第2の層を構成する樹脂は、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレート成分からなるポリエステルである。特に2軸延伸における製膜性の観点から、結晶性ポリエステルであることが好ましい。また、前述の第1の層を構成するポリエステルよりも融点を低くできることから、繰返し単位の75〜97モル%がエチレンテレフタレート成分からなり、3〜25モル%がそれ以外の共重合成分からなる共重合ポリエチレンテレフタレートである。エチレンテレフタレート成分のモル数が繰返し単位の75モル%未満であるか共重合成分のモル数が25モル%を超えると、実質的にポリマーが非晶性を示し、2軸延伸での製膜性が低下し、かつ前述の第1の層を構成するポリエステルとの組成が大きく異なり、層間の密着性が低下しやすい。他方、エチレンテレフタレート成分のモル数が繰返し単位の97モル%を超えるか共重合成分のモル数が3モル%未満だと、前述の第1の層を構成するポリエステルとの融点差が小さくなり、結果として、多層延伸フィルムに十分な反射率を付与することが困難となる。エチレンテレフタレート成分以外の共重合成分としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸のような他の芳香族カルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等の酸成分や、ブタンジオール、ヘキサンジオ−ル等の如き脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等、グリコール成分を好ましく挙げることができる。これらの中でも、比較的、延伸性を維持しながら融点を低下させやすいことから2,6−ナフタレンジカルボン酸またはイソフタル酸が好ましい。
本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、上述の第1の層および第2の層を、交互に少なくとも11層積層したものである。なお、本発明の二軸延伸多層積層フィルムは、前述のとおり、十分な機械的強度を具備する観点から、2軸方向に延伸されていることが必要である。
厚みの変動率(%)={(Tmax−Tmin)/Tave}×100
ここで、上記式中のTaveは平均厚み、Tmaxは最大厚みおよびTminは最小厚みである。
平均粒径=測定粒子の面積円相当径の総和/測定粒子数
粒径比=粒子の平均長径/粒子の平均短径
さらにその結果をもとに相対標準偏差が算出される。
つぎに、本発明の二軸延伸多層積層フィルムの製造方法について、詳述する。
後述の実施例と比較例において、フィルムの物性や特性は下記の方法にて測定または評価した。
ポリエステル樹脂試料を10mgサンプリングし、DSC(TAインスツルメンツ社製、商品名:DSC2920)を用い、20℃/分の昇温速度で、融点を測定する。
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋する。そして、包埋されたサンプルをミクロト−ム(ULTRACUT−S、製造元:ライヘルト社)で製膜方向と厚み方向に沿って切断し、厚さ50nmの薄膜切片にした。得られた薄膜切片を、透過型電子顕微鏡(製造元:日本電子(株)、商品名:JEM2010)を用いて、加速電圧100kVにて観察・撮影し、写真から各層の厚みを測定した。
分光光度計(島津製作所製、MPC−3100)を用い、各波長でのアルミ蒸着したミラーとの相対鏡面反射率を波長350nmから2000nmの範囲で測定する。その測定された反射率の中で最大のものを最大反射率とし、その波長を最大反射波長とする。
JIS K7105−1981に準じて、ヘーズ測定機(日本電色工業(株)製、NDH−20)を使用して全光線透過率Tt(%)と散乱光透過率Td(%)とを測定し、「H=(Td/Tt)×100」との式からヘーズH(%)を算出する。
製膜方向の破断強度は、サンプルフィルムを試料幅(幅方向)10mm、長さ(製膜方向)150mmに切り出し、チャック間100mm、引っ張り速度100mm/分で、チャート速度500m/分の条件でインストロンタイプの万能引っ張り試験装置にてサンプルを引っ張る。そして得られた荷重−伸び曲線から破断強度を測定した。
また、幅方向の破断強度は、サンプルフィルムを試料幅(製膜方向)10mm、長さ(幅方向)150mmに切り出す以外は、製膜方向の破断強度の測定と同様に行った。
150℃で30分間処理したときの熱収縮率は、150℃に温度設定されたオーブンの中に無緊張状態で30分間フィルムを保持し、加熱処理前後での寸法変化を熱収縮率として下記式により算出する。また200℃で10分間処理したときの熱収縮率は、200℃に温度設定されたオーブンの中に無緊張状態で10分間フィルムを保持し、加熱処理前後での寸法変化を熱収縮率として下記式により算出する。
熱収縮率(%)={(L0−L)/L0}×100
ここでL0は熱処理前の標点間距離で、Lは熱処理後の漂点間距離である。
製膜方向および幅方向にそれぞれ1m×1mとなるように切り出したフィルムサンプルを縦方向及び幅方向に沿ってそれぞれ2cm幅で25本に切り出し、各サンプルの厚みを電子マイクロメ−タ及びレコーダー(K−312A,K310B、安立電気(株)製)を使用して連続的に測定する。全測定値から平均厚みを算出し、さらに測定値を200mmごとに細分化し、その中での最大値と最小値を読み取り、下式により平均厚みに対する厚み変動率を算出する。
厚みの変動率(%)={(Tmax−Tmin)/Tave}×100
ここで、上記式中のTmaxは厚みの最大値、Tminは厚みの最小値、Taveは厚みの平均値である。
サンプルフィルム(10mm×50mm)の両面に24mm幅の粘着テ−プ(ニチバン社製、商品名:セロテープ)を100mm貼り付け、185度の剥離角度で剥がした後、剥離面を観察する。これを各10サンプルについて行い、層間剥離の生じた回数を集計した。
A4サイズのサンプルフィルムを10枚用意し、それぞれのサンプルフィルムを白色の普通紙に重ね、30ルクスの照明の下、サンプルフィルムを通しての白色普通紙の色斑を目視にて観測することでフィルム透過光の色斑を評価した。また、A4サイズのサンプルフィルムを10枚用意し、それぞれのサンプルフィルムの裏面を黒色のスプレーにて着色した後、30ルクスの照明の下、サンプルフィルム表面を目視にて観測することでフィルム反射光の色斑を評価した。透過色および反射色の色斑を総合して、以下の評価基準で判断した。
○:サンプル内に視認できる色斑がない。
△:サンプル内に一部、色の異なる部分が見られる。
×:明らかに斑や筋となって見える色斑が確認できる。
固有粘度0.62(オルトクロロフェノール、35℃)のポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の層用ポリエステルとし、第2の層用ポリエステルとしてイソフタル酸を12モル%共重合した固有粘度0.65(オルトクロロフェノール、35℃)の共重合ポリエチレンテレフタレート(IA12PET)に真球状シリカ粒子(平均粒径:1.5μm、長径と短径の比:1.02、粒径の平均偏差:0.1。表中では種類「ア」と表記)を0.10重量%添加したものを準備した。そして、第1の層用ポリエステルおよび第2の層用ポリエステルを、それぞれ170℃で3時間乾燥後、押出し機に供給し、280℃まで加熱して溶融状態とし、第1の層用ポリエステルを101層、第2の層用ポリエステルを100層に分岐させた後、第1の層と第2の層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して、その積層状態を保持したままダイへと導き、キャスティングドラム上にキャストして各層の厚みが等しくなるように第1の層と第2の層が交互に積層された総数201層の未延伸多層積層フィルムを作成した。このとき第1の層と第2の層の押出し量が1.5:1.0になるように調整し、かつ、両端層が第1の層になるように積層した。この多層未延伸フィルムを90℃の温度で製膜方向に3.6倍延伸し、更に95℃の温度で幅方向に3.9倍に延伸し、230℃で3秒間熱固定処理を行った。得られた二軸延伸多層積層フィルムの特性を表2に示す。
各層の厚みの条件を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様にして二軸延伸多層積層フィルムを製造した。得られた多層延伸フィルムの特性を表2に示す。
固有粘度0.62(オルトクロロフェノール、35℃)のポリエチレン2、6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)を第1の層用ポリエステルとし、第2の層用ポリエステルとしてイソフタル酸を12モル%共重合した固有粘度0.65(オルトクロロフェノール、35℃)の共重合ポリエチレンテレフタレート(IA12PET)に真球状シリカ粒子(平均粒径:0.2μm、長径と短径の比:1.02、粒径の平均偏差:0.1。表中では種類「イ」と表記)を0.10重量%添加したものを準備した。そして、第1の層用ポリエステルおよび第2の層用ポリエステルを、それぞれ170℃で3時間乾燥後、押出し機に供給し、280℃まで加熱して溶融状態とし、第1の層用ポリエステルを101層、第2の層用ポリエステルを100層に分岐させた後、第1の層と第2の層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して、その積層状態を保持したままダイへと導き、キャスティングドラム上にキャストして各層の厚みが等しくなるように第1の層と第2の層が交互に積層された総数201層の未延伸多層積層フィルムを作成した。このとき第1の層と第2の層の押出し量が1.0:1.0になるように調整し、かつ、両端層が第1の層になるように積層した。この多層未延伸フィルムを90℃の温度で製膜方向に4.0倍延伸し、更に95℃の温度で幅方向に4.3倍に延伸し、230℃で3秒間熱固定処理を行った。
製造条件を表1に示すように変更した以外は、比較例1と同様にして二軸延伸多層積層フィルムを製造した。得られたフィルムの特性を表2に示す。比較例2、3で得られたフィルムは、反射性能に劣るフィルムであった。比較例4で得られたフィルムは比較例1同様、色相斑がひどく、層間の剥離特性の劣るフィルムであった。
2 反射率のベースライン
Claims (7)
- 第1の層と第2の層とを総層数で11層以上になるよう交互に積層し、なおかつ二軸延
伸を施した多層積層フィルムであって、波長350〜2000nmの範囲での光の最大反
射率は、波長350〜2000nmの範囲での光反射率曲線から得られる反射率のベース
ラインよりも20%以上高く、第1の層はポリエステル組成物から構成され、第2の層は
第1の層とは組成の異なるポリエステル組成物から構成され、第1の層は第2の層よりも
屈折率が高く、第1の層と第2の層は厚みが0.05〜0.5μmの範囲内であり、なお
かつ第1の層の厚みと第2の層の厚み比(第1の層/第2の層)が1.2以上5.0以下
である二軸延伸多層積層フィルムであって、該二軸延伸多層積層フィルムを1mm角以下に粉砕して装飾用粉末とする用途に用いることを特徴とする、装飾用粉末用二軸延伸多層積層フィルム。 - 第1の層の厚みと第2の層の厚み比(第1の層/第2の層)が1.5以上5.0以下である、請求項1記載の装飾用粉末用二軸延伸多層積層フィルム。
- 破断強度が、フィルムの連続製膜方向および連続製膜方向に垂直な幅方向のいずれにお
いても、単位断面積あたり150MPa以上である請求項1または2に記載の装飾用粉末用二軸延伸多層積層フィルム。 - エチレンテレフタレート成分の割合が、ポリエステルの全繰返し単位を基準として、8
0モル%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の装飾用粉末用二軸延伸多層積層フィルム。 - 全繰返し単位の1.5〜20モル%が、イソフタル酸または2,6−ナフタレンジカル
ボン酸成分である請求項1〜4のいずれかに記載の装飾用粉末用二軸延伸多層積層フィルム。 - 第1の層を構成するポリエステルが、結晶性ポリエステルであり、全繰返し単位の90
モル%以上がエチレンテレフタレート成分であって、第2の層を構成するポリエステルが
、結晶性ポリエステルであり、全繰返し単位の75〜97モル%がエチレンテレフタレー
ト成分である請求項1〜5のいずれかに記載の装飾用粉末用二軸延伸多層積層フィルム。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の装飾用粉末用二軸延伸多層積層フィルムを1mm角以下に粉砕した装飾用粉末。
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