JP4178687B2 - 両性高分子凝集剤、及びそれを用いる汚泥の脱水方法 - Google Patents

両性高分子凝集剤、及びそれを用いる汚泥の脱水方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高分子量の両性高分子凝集剤、及びそれを用いる汚泥の脱水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生活排水、産業排水等に含まれる懸濁物を凝集・沈降・分離させることを目的として、ノニオン性、カチオン性、アニオン性、又は両性高分子凝集剤が使用されている。特に、下水汚泥の脱水処理にはカチオン性高分子凝集剤が多用されている。しかし、汚泥発生量の増加や、汚泥性状の悪化により、従来のカチオン性高分子凝集剤を用いる脱水方法は充分満足し得る脱水処理を達成し得なくなっている。
【0003】
これらの問題を解決するため、両性高分子凝集剤を用いて汚泥の脱水を行うことが提案されており、これに用いられる両性高分子凝集剤も種々提案されている(例えば、特開昭62ー205112号公報、特開昭53ー149292号公報、特開平3ー18900号公報等)。しかしながら、従来の両性高分子凝集剤は、適用する汚泥によっては汚泥に対して多量に添加する必要があったり、又フロック粒径が小さくなったり、濾過速度が不十分であったりするため、単位時間当りの処理量を大きくすることが出来ず、更に得られるケーキ含水量を低下させることができなかった。
【0004】
また、無機凝集剤と高分子凝集剤とを併用する脱水方法が提案されている。特開昭58−51998号公報には、無機凝集剤としてポリ硫酸鉄を用い、これにノニオン性、アニオン性、若しくはカチオン性高分子凝集剤を単独で添加してフロックを形成し、脱水する方法が記載されている。しかし、この方法においては生成するフロックの径は比較的小さく、しかも強度が小さいため、含水率の小さい脱水ケーキは得難い。
【0005】
特開昭59−16599号公報には、無機凝集剤と、カチオン性及びアニオン性を有する両性高分子凝集剤を用いる汚泥の脱水方法が記載されている。しかし、この方法の場合は、脱水工程における濾布から脱水ケーキを剥離する際の剥離性が悪く、更に得られる脱水ケーキの含水率も充分に低いものではない。
【0006】
特開昭63−158200号公報には、無機凝集剤を添加後、pHを5〜8に調節し、これに両性高分子凝集剤を添加する方法が開示されている。しかし、この方法においては、処理の対象とする汚泥の種類によっては、十分な効果が得られない場合がある。
【0007】
このように、汚泥の性状は発生場所に応じて千差万別であり、1種類の凝集剤で全ての汚泥の脱水等を行うことは、現実には不可能である。従って、種々の汚泥の性状に十分対応することの出来る、様々な好ましい特徴を持つ高分子凝集剤が従来求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記問題を解決するために種々の構造の高分子凝集剤を検討するうちに、特定の構造のアニオン性官能基を有する単量体と、カチオン性単量体と、必要によりその他の単量体とを共重合させて得られる両性高分子凝集剤は、これを各種の汚泥の凝集、脱水に用いると、得られるフロックは強度、濾過速度、含水率のバランスに優れたものであることを知得し、本発明を完成するに至った。従って、本発明の目的とするところは上記問題を解決する両性高分子凝集剤、及び前記両性高分子凝集剤を用いる汚泥の脱水方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 一端にラジカル重合性基を有し他端にアニオン性基を有する重量平均分子量が90〜10000の反応性単量体と、カチオン性単量体とを必須単量体として共重合させた共重合体からなる両性高分子凝集剤。
〔2〕 反応性単量体が、下記一般式(1)で表される化合物である〔1〕に記載の両性高分子凝集剤。
【0010】
【化2】
Figure 0004178687
【0011】
(但し、式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキレン基、lは1〜100の自然数を示す。Y1は水素原子、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、又はアルカリ土類金属イオンを示す。)
〔3〕 汚泥に前記〔1〕又は〔2〕に記載された両性高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
〔4〕 汚泥に有機カチオン性化合物又は無機凝集剤を添加した後、前記〔1〕又は〔2〕に記載された両性高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
〔5〕 汚泥に有機カチオン性化合物又は無機凝集剤を添加し、次いで汚泥のpHを4〜7にした後、前記〔1〕又は〔2〕に記載された両性高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
なお、本明細書においては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の両性高分子凝集剤は、前述のように、一端にラジカル重合性基を有し他端にアニオン性基を有する分子量が90〜10000の反応性単量体と、カチオン性単量体とを必須単量体として共重合させることにより得られる共重合体である。
【0015】
反応性単量体
一端にラジカル重合性基を有し他端にアニオン性基を有する重量平均分子量が90〜10000の反応性単量体(以下単に反応性単量体という。)において、ラジカル重合性基としては(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、本発明において重量平均分子量とは、ゲル・パーミエーション クロマトグラフィーによりにより測定した分子量をポリスチレン換算した値である。
【0016】
反応性単量体としては、オキシアルキレン単位、ポリエステル単位、ポリウレタン単位、又はポリアミド単位を有する化合物等が挙げられる。
【0017】
反応性単量体としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が好ましい。
【0018】
【化3】
Figure 0004178687
【0019】
ここで、R1、R3、R6は水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキレン基を示す。R4は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキレン基である。R5、及びR9は、炭素数2〜4のアルキレン基、環状アルキレン基、及び2価の芳香族基を示す。R5及びR9としては、エチレン基、
【0020】
【化4】
Figure 0004178687
【0021】
が好ましい。
【0022】
Aは酸素原子、又はNHを示す。R7は炭素数1〜6のアルキレン基である。R8は、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキレン基、若しくは−COR10−を示す。R10は、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキレン基を示す。
【0023】
l、m、及びnは1〜100の自然数を示し、好ましい範囲は1〜50である。
1、Y2、及びY3は水素原子、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、又はアルカリ土類金属イオンを示す。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が好ましい。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が好ましい。
【0024】
式(1)で表される化合物の好ましい例としては、(メタ)アクリル酸ダイマー等の(メタ)アクリル酸のミカエル付加物、(メタ)アクリル酸と環状ラクトンとの開環反応付加物等が挙げられる。(メタ)アクリル酸のミカエル付加物の好ましい例は、下記式(4)で表される化合物であり、これは式(1)においてR1が水素原子、R2がエチレン基、Y1が水素原子である化合物である。
【0025】
(メタ)アクリル酸と環状ラクトンとの開環反応付加物において、環状ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−カプロラクトン等が挙げられる。これらの中でも、ε−カプロラクトンが好ましく、この場合の好ましい例は、下記式(5)で表される化合物であり、このものは式(1)においてR1が水素原子、R2がペンチレン基、Y1が水素原子である化合物である。
【0026】
【化5】
CH2=CHCOO-(CH2CH2COO)l-H (4)
CH2=CHCOO-(CH2CH2CH2CH2CH2COO)l-H (5)
式(2)で表される化合物の好ましい例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの酸無水物付加物等が挙げられる。この場合、好ましい酸無水物としては、コハク酸無水物、フタル酸無水物、及びヘキサヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。
【0027】
式(3)で表される化合物の例としては、Aが酸素原子の場合として、下記式(6)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド付加物と酸無水物との付加物、及び式(7)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの環状ラクトンの開環反応付加物と酸無水物との付加物等が挙げられる。なお、式(6)において、R'は炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状アルキレン基である。
【0028】
【化6】
Figure 0004178687
【0029】
式(3)で表される化合物としては、AがNHの場合として、下記式(8)で表されるN−メチロール(メタ)アクリルアミドのアルキレンオキサイド付加物と、酸無水物との付加物等が挙げられる。式(8)において、R'は、炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状アルキレン基である。
【0030】
【化7】
Figure 0004178687
【0031】
この場合、好ましい酸無水物としては、コハク酸、フタル酸、及びヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0032】
本発明において、反応性単量体としては、前記式(1)で表される化合物が、重合性に優れ、高分子量の直鎖重合体が得られる点で好ましい。
【0033】
また、反応性単量体は、2種以上を併用しても良い。
【0034】
カチオン性単量体
本発明において使用するカチオン性単量体としては、下記式(9)で示される化合物が好ましい。
【0035】
【化8】
Figure 0004178687
【0036】
(式(9)中、R11は水素原子又はメチル基を示す。Aは酸素原子又はNHを示す。R12は炭素数が2〜8のアルキレン基を示す。R13は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。R14及びR15は炭素数1〜8のアルキル基を示し、それぞれは同一であっても異なっていても良い。(X)-は陰イオンを示す。)
(X)-としては、塩素イオン等のハロゲン原子イオン、及び硫酸イオン等が挙げられる。
【0037】
上記式(9)で示されるカチオン性単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩、硫酸塩等の第3級アミン塩が例示できる。更に、上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド付加物等の第4級塩も例示できる。
【0038】
以下、更に具体的に本発明において使用できるカチオン単量体を例示する。
【0039】
(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアミン塩酸塩、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルアミン塩酸塩、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアミン塩酸塩、又はこれらの硫酸塩。
【0040】
(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、或はこれらのクロライドに代えてメチルサルフェート。
【0041】
これらのカチオン性単量体は単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
【0042】
共重合可能なその他の単量体
本発明においては、上記反応性単量体、及びカチオン性単量体を本発明の両性高分子凝集剤の必須構成単位を構成する単量体として用いるものである。本発明においては、上記必須構成単位を構成する反応性単量体、及びカチオン性単量体以外に適宜共重合可能なその他の単量体を併用することができる。共重合可能なその他の単量体としては、アニオン性単量体が挙げられ、例えば下記式(10)で示される(メタ)アクリル酸、及びこれらの塩類が挙げられる。塩類としてはアンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。これらは単独でも、2種以上の混合物でも良い。
【0043】
【化9】
Figure 0004178687
【0044】
(式(10)中、R16は水素原子又はメチル基を示す。Mは水素原子、アンモニウムイオン、又はアルカリ金属イオンを示す。)
アニオン性単量体としては、この他にビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、マレイン酸、及びこれらのアルカリ金属塩等を挙げることができる。
【0045】
更に共重合可能なその他の単量体としては、公知のノニオン性単量体が使用できる。具体的には(メタ)アクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキル等を例示できる。これらのノニオン性単量体は単独で、若しくは2種以上を混合して使用することが出来る。
【0046】
特に好ましいノニオン性単量体としては、下記式(11)で示されるアクリルアミド化合物を挙げることが出来る。
【0047】
【化10】
Figure 0004178687
【0048】
(式(11)中、R17は水素原子又はメチル基、R18、R19はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基である。)
これらのうちでも、特にアクリルアミドが好ましい。
【0049】
反応性単量体と、カチオン性単量体と、これらの単量体と共重合可能な単量体の配合割合はモル基準で以下の割合が好ましい。
【0050】
反応性単量体:カチオン性単量体:その他の共重合可能な単量体=1〜35:1〜35:39〜98(モル)
本発明の両性高分子凝集剤は、公知の重合触媒の存在下に反応性単量体、カチオン性単量体、及びこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体とを共重合させて製造すれば良い。
【0051】
重合方法としては、水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相エマルジョン重合等が採用できるが、通常取扱の容易さから、水溶液重合が好ましい。水溶液重合の場合、各単量体の合計仕込み濃度は、25〜60重量%とすることが好ましい。
【0052】
重合開始剤は特に制限が無く、水溶液重合の場合は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾ系開始剤、レドックス系開始剤、及び光重合開始剤等が適宜利用できる。
【0053】
単量体溶液のpHは2〜3に調製することが好ましい。
【0054】
重合開始温度は、通常0〜35℃が好ましい。
【0055】
重合時間は、通常0.1〜3時間が好ましい。また、重合反応は酸素の存在しない不活性雰囲気で行うことが好ましい。これらの重合条件は公知のものである。
【0056】
重合反応終了後は、必要に応じて公知の方法を適宜用いて、両性高分子凝集剤を得る。
【0057】
上記条件で重合することにより、平均分子量が数百万の高分子量の両性高分子凝集剤を製造できる。
【0058】
本発明の汚泥の脱水方法においては、脱水処理対象の汚泥は特に制限が無く、例えば、生活廃水処理汚泥、食品工場廃水処理汚泥、化学工場廃水処理汚泥、養豚場排水処理汚泥、及びパルプ又は製紙工業汚泥等の各種の汚泥が脱水対象になり得る。脱水方法は、具体的には、例えば汚泥に、必要により無機凝集剤及び/又は有機カチオン性化合物を添加し、更に好ましくはpHを4〜7に調節した後、本発明の両性高分子凝集剤を添加し、これにより汚泥フロックを形成させるものである。また、脱臭、脱リン、及び脱窒等の目的では、pHを5未満にすることが好ましい。フロックの形成方法は、公知の方法に準じる。
【0059】
無機凝集剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄等を例示できる。
【0060】
有機カチオン性化合物としては、ポリマーポリアミン、ポリアミジン、カチオン性界面活性剤等を例示できる。
【0061】
両性高分子凝集剤、無機凝集剤、カチオン性化合物の添加量、撹拌速度、撹拌時間等は、ほぼ従来の脱水条件に準じる。
【0062】
このようにして形成したフロックを、公知の手段を用いて脱水し、脱水ケーキとするものである。
【0063】
脱水装置としては、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機、スクリュウーデカンター等を例示することが出来る。
【0064】
【実施例】
以下、実施例により更に具体的に本発明を説明する。実施例中において用いたアロニックスM−5600(東亞合成(株)製)は、アクリル酸ダイマー57重量%、同トリマー26重量%、同テトラマー11重量%、及び同ペンタマー6重量%(式(4)において、それぞれl=1、2、3、4の化合物)の混合物であり、実施例中ではこれを部分中和した状態で用いた。
【0065】
(実施例1)
ステンレススティール製デュワー瓶にジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩水溶液(以下DACと表す)、アクリルアミド水溶液(以下AMと表す)アクリル酸、及びアロニックスM−5600を入れ、それぞれが21.0モル%、72.0モル%、7.0モル%の組成で、全重量が1Kg、全単量体濃度が28重量%になるように蒸留水を加えた。この溶液のpHを2.9に調節した。窒素ガスを60分間溶液に吹込みながら溶液温度を35℃に調節し、これにより重合用単量体混合物水溶液を得た。
【0066】
次いで、全単量体重量を基準として、塩化第二銅を銅イオンとして0.3ppm、重合開始剤として、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩(和光純薬(株)商品名V−50)を60ppm、及び亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)を30ppmとなるように加えて、重合を開始した。
【0067】
静置状態で3時間重合を続けた。その後、得られた含水ゲル状の重合体をデュワー瓶から取出し、細断した。これを80℃で5時間乾燥後、粉砕して目的の両性高分子凝集剤を得た。
【0068】
(実施例2、3、比較例1〜3)
重合開始剤量、及び単量体量を表1に記載する通りに変更する以外は、実施例1と同様にして重合を行い、両性高分子凝集剤を得た。
【0069】
実施例、比較例で得られた各両性高分子凝集剤を用いて、以下の物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0070】
不溶解分量: 両性高分子凝集剤を純水に溶解し、400mlの0.1重量%(固形分換算)溶液を調製した。この溶液全量を直径20cm、83メッシュの篩いで濾過し、篩い上に残った不溶解分を集めてその容量を測定した。
【0071】
0.5%塩粘度: 上記両性高分子凝集剤を4重量%の塩化ナトリウム水溶液に溶解し、0.5重量%凝集剤溶液を調製した。B型粘度計を用いて、25℃、60rpm、5分後の凝集剤溶液粘度を測定した。
【0072】
【表1】
Figure 0004178687
【0073】
(実施例4〜6、比較例4〜6)
化学工場排水の初沈汚泥、凝沈汚泥、及び余剰汚泥からなる混合汚泥200mlを300mlのビーカーに採取した。これにポリ硫酸第二鉄をpHが5.5となるまで添加した。これに、実施例1〜3、及び比較例1〜3で製造した両性高分子凝集剤の何れかを添加後、ジャーテスターを用いて汚泥を150rpmで2分間攪拌して汚泥フロックを生成させた。
【0074】
続いて、ハンディミキサーを用いて汚泥を560rpmで15秒間攪拌した後、生成したフロックの粒径を測定した。本実施例のフロック径はいずれも表2に示すように10mmを超える大きなものであった。
【0075】
その後、60メッシュ網をフィルターとして用いて、前記汚泥フロック分散液を重力濾過した。10秒後の濾過容量を測定し、これを濾過速度として示した。遠心分離器を使用し,2000rpm、10分間の条件で濾過後の汚泥を脱水し、更に、得られたケーキの含水量を測定した。これらの測定結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
Figure 0004178687
【0077】
(実施例7、比較例7)
実施例1、及び比較例1の両性高分子凝集剤A及びDを使用し、使用する汚泥を、化学工場排水の余剰汚泥と凝沈汚泥とからなる混合汚泥に変えた以外は、実施例4〜6と同様にしてフロックを形成させ、実施例4〜6と同様に評価した。それらの結果を表3に示す。
【0078】
表3から明らかなように、本発明の凝集剤は、150ppmの添加で優れたフロックが得られるのに対し、比較例の凝集剤では、210ppm添加した場合でも、本発明の凝集剤より性能が劣るものであった。
【0079】
【表3】
Figure 0004178687
【0080】
【発明の効果】
本発明の両性高分子凝集剤は、分子中に特定の構造のアニオン性単量体単位と、カチオン性単量体単位とを必須構成として有するので、これを汚泥の脱水用に用いると、極めて能率良く凝集作用を発揮し、強度、濾過速度、及び含水率のバランス性に優れたフロックを得ることが出来る。

Claims (5)

  1. 一端にラジカル重合性基を有し他端にアニオン性基を有する重量平均分子量が90以上で且つ分子量が360以下の反応性単量体と、カチオン性単量体とを必須単量体として共重合させた共重合体からなる両性高分子凝集剤。
  2. 反応性単量体が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の両性高分子凝集剤。
    Figure 0004178687
    (但し、式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキレン基、lは1〜の自然数を示す。Y1は水素原子、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、又はアルカリ土類金属イオンを示す。)
  3. 汚泥に請求項1又は請求項2に記載された両性高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
  4. 汚泥に有機カチオン性化合物又は無機凝集剤を添加した後、請求項1又は請求項2に記載された両性高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
  5. 汚泥に有機カチオン性化合物又は無機凝集剤を添加し、次いで汚泥のpHを4〜7にした後、請求項1又は請求項2に記載された両性高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
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