JP4186593B2 - Dcブラシレスモータ及びそれを備えたdcポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁極位置センサの感度を向上させ、薄型で長寿命、高効率のDCブラシレスモータ及びそれを備えたDCポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
電機子は固定子鉄心に巻線を巻いて使用されるため、どうしても物理的にスペースが必要で機構上大型化する傾向があり、最近では小型化、さらに薄型化に対する要求が高まりつつある。
【0003】
以下に薄型化を目的とした従来のDCブラシレスモータについて、図4を用いて説明する。図4は従来のDCブラシレスモータの構成図である。図4において、電機子108の中央付近にドライバIC113が位置するように基板112上にドライバIC113を配し、シ−ルド板114を基板112の下に配設した後、この基板112にコイル110が巻装された電機子108を固定し、ロ−タフレ−ム107に保持されたマグネットロータ106に対向するように電機子108を配し、直流ブラシレスモ−タを構成している。また、この基板112上には、マグネットロータ106の磁極位置を検出する磁極位置センサ115も配置され、この磁極位置センサ115の出力信号を受けて、ドライバIC113は電機子108の巻線110に流す電流を制御する。これによって電機子108が電磁石となり、マグネットロータ106の磁極との吸引と反発が発生し、マグネットロータ106に回転トルクが発生する。
【0004】
この構成により、ドライバIC113からのパタ−ン配線が容易にでき、基板112に対するパタ−ン配線の面積を小さくすることができるため、基板112の外形を小さくすることができ直流ブラシレスモ−タの小型化ができる。また、電機子108に巻装されているコイルからの制約がなくなり、より薄型な直流ブラシレスモ−タを実現することができるものである(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3106582号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のDCブラシレスモータの構成では、磁極位置センサ115とドライバIC113実装用の基板112を、固定子鉄心のコイルエンドから適当なギャップを設けて配置するため、コイルエンドと基板側の厚みによりモータの厚みが決定されるという制約を受け、しかも基板112へ電気を供給するためにリード線111を必要とし、そのリード線111の外径寸法も無視できずモータの薄型化が図れない課題を有していた。なお、116はコネクタである。
【0007】
また、この従来のDCブラシレスモータは、薄型化を図る必要からマグネットロータの長さが固定子鉄心の長さより充分でなく、このため漏れ磁束から磁極位置を確実に検出できず、安定したモータ性能が得られないという課題を有していた。
【0008】
さらに、従来のDCポンプは薄型でなく、しかも安定したポンプ性能を得ることが難しいものであった。
【0009】
そこで本発明は、薄型で、マグネットロータの磁極位置を確実に検出して安定したモータ性能のDCブラシレスモータを提供することを目的としている。
【0010】
また、本発明は、薄型で、マグネットロータの磁極位置を確実に検出して安定した出力のDCポンプを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、複数のティースの先端にそれぞれ突極を有する固定子鉄心と、突極の外周側で回転するマグネットロータと、ティースに巻かれた巻線コイルと突極とに囲まれた位置に配置されて、マグネットロータの磁極位置を検出する磁極位置センサと、磁極位置センサからの出力信号によって巻線コイルに流す電流を制御するドライバICとを備えたDCブラシレスモータであって、少なくとも磁極位置センサとドライバICを実装したフレキシブル基板が、巻線コイルが巻かれていない位置で固定子鉄心に取り付けられるとともに、そのリード部がモータ側面形状に沿って屈曲自在に外部に引き出され、、且つフレキシブル基板が突極側面からマグネットロータと対向する面に屈曲され、屈曲された部分に磁極位置センサの検出面をマグネットロータに対向させた状態で取り付けたことを特徴とする。
【0012】
これにより、薄型で、マグネットロータの磁極位置を確実に検出して安定したモータ性能にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、複数のティースの先端にそれぞれ突極を有する固定子鉄心と、突極の外周側で回転するマグネットロータと、ティースに巻かれた巻線コイルと突極とに囲まれた位置に配置されて、マグネットロータの磁極位置を検出する磁極位置センサと、磁極位置センサからの出力信号によって巻線コイルに流す電流を制御するドライバICとを備えたDCブラシレスモータであって、少なくとも磁極位置センサとドライバICを実装したフレキシブル基板が、巻線コイルが巻かれていない位置で固定子鉄心に取り付けられるとともに、そのリード部がモータ側面形状に沿って屈曲自在に外部に引き出され、且つフレキシブル基板が突極側面からマグネットロータと対向する面に屈曲され、屈曲された部分に磁極位置センサの検出面をマグネットロータに対向させた状態で取り付けたことを特徴とするDCブラシレスモータであり、フレキシブル基板のリード部を使うのでドライバICに電気を給電するためのリード線が不要となり、薄いフレキシブル基板が屈曲できるので巻線コイルを避けた位置で固定子鉄心に取り付けることが可能であり、DCブラシレスモータの薄型化が飛躍的に図れるとともに、薄いため機器に組込む際の自由度が向上するという作用を有する。
【0014】
更に、DCブラシレスモータの薄型化を図るとき、マグネットロータの漏れ磁束で磁極位置を検出するのではなく、主磁束で検出するため磁極位置の検出感度が向上し、モータ性能の安定化が図れる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載のDCブラシレスモータを駆動部とし、マグネットロータを水封したケーシングを備えたDCポンプであって、固定子鉄心および巻線コイルからなる電機子の形成する磁界によってマグネットロータがケーシング内で回転されることを特徴とするDCポンプであり、DCポンプを薄型化できるとともに長寿命を実現でき、磁極位置センサの感度も向上し、ポンプ性能が安定する。
【0016】
以下、フレキシブル基板を設けたDCブラシレスモータの基本構成について図1を用いて説明する。
【0017】
(基本構成)
図1(a)は4極4スロットのDCブラシレスモータの基本構成図であり、図1(b)は(a)のDCブラシレスモータのA−A断面図である。図1(a),(b)において、1は固定子鉄心、1aは固定子鉄心1の突極、2はティース、3は巻線コイル、4はマグネットロータ、5は電機子、6は磁極位置(磁極の切れ目)、7は磁極位置センサ、8はドライバIC、9はFPC基板(本発明のフレキシブル基板)、9aはFPCリード部、10は補強板、11は屈曲部、12はコイルエンド長である。
【0018】
この固定子鉄心1の素材としては、鉄損を低減しモータ効率を向上するために、透磁率が大きく、厚さがt=0.2〜0.5mm程度の珪素鋼鈑が好適である。固定子鉄心1はこの鋼鈑を複数枚積層されて構成される。この固定子鉄心1の中心から放射状にのびる腕の部分がティース2であり、ティース2の部分に巻線が施され、巻線コイル3が形成される。巻線コイル3の巻線材は一般的に銅線に薄い絶縁皮膜を施したものが使用される。
【0019】
ところで、マグネットロータ4と対向する突極1aは、できるだけマグネットロータ4のマグネットからの磁束を固定子鉄心1内に取り込むと同時に、巻線コイル3の巻線可能な部分を確保するため、ティース2と比較して幅広い形状となっている。電機子5はこのような固定子鉄心1とそれに巻かれた巻線コイル3とから構成される。また、マグネットロータ4のマグネットは永久磁石となりうるフェライトや金属系磁性体(SmCo等)等がよい。
【0020】
マグネットロータ4は、巻線コイル3に電流を流すことで各ティース2に順に形成される電磁石の磁力によって吸引または反発され、磁界の方向にトルクが発生し、電機子5周りに回転を始める。このときトルクを効率よく発生させるには、巻線コイル3に流す電流の向きをタイミングよく切り替える必要がある。そこで、この切り替えのタイミングを正確にするため、磁極位置センサ7が設けられ、これがマグネットロータ4の磁極位置(磁極の切れ目)6を検出し、タイミング信号として出力する。この磁極位置センサ7が発生したタイミング信号は、ドライバIC8に入力され、ドライバIC8はこのタイミング信号に基づいて巻線コイル3に流す電流方向を切り替える。これにより4つの突極1aに発生する電磁石の磁極の極性がそれぞれ切り替わる。
【0021】
ところで、磁極位置センサ7とドライバIC8は、屈曲可能なFPC基板9に実装されている。このFPC基板9の材質としては耐熱性のあるポリイミド(厚さt=0.1mm程度)等が適当である。また、磁極位置センサ7とドライバIC8等の電子部品が実装される部分には、FPC基板9の実装面と反対側に補強板10を貼り合わすのが好適である。この補強板10の材質は一般的に耐熱性を持つガラス繊維入りのエポキシ基板(通称ガラエポ基板)、もしくはFPC基板9と同じポリイミドを使うのがよく、厚さは0.2〜0.3mm程度が適当である。
【0022】
このDCブラシレスモータで最も特徴的な部分はこのFPC基板9の形状と電機子5上のレイアウトにある。図1(a)に示すように、FPC基板9の形状は徳利形である。磁極位置センサ7は、磁極位置6を検出するために、漏れ磁束を検出するため可能な限りマグネットロータ4に近づける必要があり、徳利の口側部分の上に配置される。またドライバIC8は磁極位置センサ7より数倍の実装面積を必要とするため、固定子鉄心1の中心部分に実装される。また、モータの薄型化するため、コイルエンド長12に影響しないように巻線コイル3の位置を避け、FPC基板9の形状も徳利形で、これがベルト状のFPCリード部9aに繋がった形状となっている。すなわち、FPC基板9でドライバIC8に電気を給電するため、従来必要だったリード線を実装する必要がなく、リード線の外径寸法よりはるかに薄いFPC基板9を使い、しかも巻線コイル3を避けて固定子鉄心1(補強板10を含む)上にFPC基板9を配設するために、屈曲部11で巻線コイル3等のモータ側面形状に沿って屈曲(90°程度まで屈曲可能)させてFPCリード部9aを引き出すことができ、モータの薄型化が図れる。
【0023】
このように図1のDCブラシレスモータにおいては、ドライバIC8や磁極位置センサ7等が実装されたFPC基板9を電機子5上にレイアウトすることで、従来の技術のように、コイルエンド長とギャップ、さらに基板の厚みと、補強板の厚み、実装部品の高さ、これに加えてドライバICに給電するためのリード線の外径寸法とを加算した寸法をDCブラシレスモータの厚みとする必要はない。すなわち、図1のDCブラシレスモータでは、固定子鉄心1の厚みにFPC基板9と補強板10を含めた厚みと、実装部品の高さを加算した寸法が、DCブラシレスモータの厚みを決定することになる。これにより、電源電圧5V、最大出力200mWのDCブラシレスモータを外径20mmの固定子鉄心1で4mmの厚みとすることができた。なお、この厚み4mmというのは、従来の技術では7.5mm必要であったものであり、図1の基本構成のDCブラシレスモータはこれをほぼ半分の厚みとし、大幅な薄型化を実現するものである。
【0024】
(実施の形態1)
図2,図3を用いて本発明の実施の形態1について説明する。実施の形態1は、図1のDCブラシレスモータにおいて、マグネットロータ4の磁極位置検出の感度を向上させるものである。図2(a)は本発明の実施の形態1における4極4スロットのDCブラシレスモータの構成図、図2(b)は(a)のDCブラシレスモータのA−A断面図である。なお、図1と同一符号の構成に関しては同一内容であるから、説明を割愛する。
【0025】
実施の形態1のDCブラシレスモータは、図1と同様、第1の屈曲部11で巻線コイル3に沿って屈曲させてFPC基板9のFPCリード部9aを引き出すとともに、磁極位置センサ7とドライバIC8との間に更に第2の屈曲部11を設けている。すなわち、FPC基板9は、第2の屈曲部11で屈曲され、この部分に磁極位置センサ7の検出面がマグネットロータ4に対向させた状態で取り付けられる。当然ながら、部品を実装した部分の補強板10は第2の屈曲部11の部分では除かれる。これにより第2の屈曲部11を設け易くしている。そして、この磁極位置センサ7の検出面をマグネットロータ4に対向することで、磁極位置センサ7の感度が格段に向上する。この感度向上を(表1)を用いて説明する。(表1)は、磁界解析を用いて磁極位置センサの位置での磁束密度Bのベクトル値を解析したものである。この磁界解析の条件は、コア形状が外径20mm、厚さ0.5mmの4枚積層、6スロットコアであり、マグネットが内径22mm、コア積層方向の寸法3mm、表面磁束密度のピーク170mTである。
【0026】
【表1】
解析した結果は、各位置での磁極位置センサ7の出力信号の大きさから算出された磁束密度値とほぼ一致する。(表1)によれば、ポイントxとポイントyのどちらのポイントにおいても、磁束密度はコア軸方向(スラスト方向)よりもコアラジアル方向が5〜6倍向上していることが分かる。また、マグネットからの距離が小さくなる(コア中心からの距離が大きい)ほどセンサ位置での磁束密度が大きくなる。
【0027】
ところで、ドライバIC8と磁極位置センサ7から規定されるモータ性能に関し、このバラツキをなくすための最低限の磁束密度は3mT以上である。従ってコア軸方向での検出、すなわち図1の構成ではモータ性能にかなりバラツキが生じることとなる。これに対し、実施の形態1の構成ではかなりマグネットから距離がはなれても、充分な磁極位置検出ができる磁束密度が存在する。例えば、マグネットから3.3mm(=22/2mm−7.7mm)離れても、4.15mTの磁束密度が存在することになり、モータ性能のバラツキがほとんど発生しなくなる。
【0028】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1のDCブラシレスモータをシールレスポンプの駆動部として使用した場合である。図3(a)は本発明の実施の形態2における4極4スロットのDCブラシレスモータを駆動部とするDCポンプの構成図、図3(b)は(a)のDCポンプのA−A断面図である。
【0029】
実施の形態2のDCポンプについて図3に基づいて説明する。実施の形態2のDCポンプは渦流ポンプもしくは摩擦ポンプであって、羽根車と一体のマグネットロータ4を水封し同時に固定子鉄心1を防水するための隔壁、すなわちキャンとなる分離板(後述する)を有し、マグネットロータ4が直接駆動され軸シールをもたないシールレスポンプである。図1,2と同一符号の構成に関しては同一内容であるから、説明を割愛する。
【0030】
図3(a),(b)において、13はシールレスポンプ内の循環水と電気部(電機子5とFPC基板9の実装部品)とを隔離するための分離板であり、14は固定子鉄心1をポンプ下方から分離板13に圧入して組み立てるとき、突極1aの上面と接触し、圧入位置を決定するコア圧入ストッパー、15はFPC基板9の厚み分だけコア圧入ストッパー14より上部に位置する基板固定用ストッパーである。なお、分離板13はマグネットロータ4を内部に収容したポンプケーシングということができる。
【0031】
実施の形態2のDCポンプは、組み立て時に分離板13の内周面と突極1aの外周面を接触させながら圧入固定する。マグネットロータ4と突極1aの位置が、コア圧入ストッパー14によってモータ性能を最大にする位置に確実に圧入される。このとき同時にポンプ性能も向上する。また、FPC基板9は基板固定用ストッパー15と突極1aに挟まれ簡単且つ確実に固定される。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明のDCブラシレスモータによれば、モータの薄型化を飛躍的に実現できるとともに、主磁束から磁極位置を検出することで、モータ性能のバラツキをほとんど発生せず、個々のモータのモータ性能を安定化することができる。
【0033】
また、本発明のDCポンプは、DCブラシレスモータのモータ性能の安定性によってポンプ性能の安定化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明におけるフレキシブル基板を設けた4極4スロットのDCブラシレスモータの基本構成図
(b)(a)のDCブラシレスモータのA−A断面図
【図2】(a)本発明の実施の形態1における4極4スロットのDCブラシレスモータの構成図
(b)(a)のDCブラシレスモータのA−A断面図
【図3】(a)本発明の実施の形態2における4極4スロットのDCブラシレスモータを駆動部とするDCポンプの構成図
(b)(a)のDCポンプのA−A断面図
【図4】従来のDCブラシレスモータの構成図
【符号の説明】
1 固定子鉄心
1a 突極
2 ティース
3 巻線コイル
4,106 マグネットロータ
5,108 電機子
6 磁極位置
7,115 磁極位置センサ
8,113 ドライバIC
9 FPC基板
9a FPCリード部
10 補強板
11 屈曲部
12 コイルエンド長
13 分離板
14 コア圧入ストッパー
15 基板固定用ストッパー
107 ロータフレーム
108 電機子
110 巻線
111 リード線
112 基板
114 シールド板
116 コネクタ
Claims (2)
- 複数のティースの先端にそれぞれ突極を有する固定子鉄心と、前記突極の外周側で回転するマグネットロータと、前記ティースに巻かれた巻線コイルと前記突極とに囲まれた位置に配置されて、前記マグネットロータの磁極位置を検出する磁極位置センサと、前記磁極位置センサからの出力信号によって前記巻線コイルに流す電流を制御するドライバICとを備えたDCブラシレスモータであって、少なくとも前記磁極位置センサと前記ドライバICを実装したフレキシブル基板が、前記巻線コイルが巻かれていない位置で前記固定子鉄心に取り付けられるとともに、そのリード部がモータ側面形状に沿って屈曲自在に外部に引き出され、且つフレキシブル基板が突極側面から前記マグネットロータと対向する面に屈曲され、前記屈曲された部分に前記磁極位置センサの検出面を前記マグネットロータに対向させた状態で取り付けたことを特徴とするDCブラシレスモータ。
- 請求項1記載のDCブラシレスモータを駆動部とし、前記マグネットロータを水封したケーシングを備えたDCポンプであって、前記固定子鉄心および前記巻線コイルからなる電機子の形成する磁界によって前記マグネットロータが前記ケーシング内で回転されることを特徴とするDCポンプ。
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