JP4187165B2 - 不揮発性強誘電体メモリ及びidカード - Google Patents
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Description
強誘電体メモリセルを用いた不揮発性強誘電体メモリは、低消費電力の半導体記憶装置として近年盛んに研究開発がなされている。この不揮発性強誘電体メモリは、特許文献1や非特許文献2等に記載されている。
強誘電体メモリセルの情報記憶用キャパシタには、チタン酸バリウム(BaTiO3 )、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3 ;PZT)、ランタンドープドチタン酸ジルコン酸鉛((Pb,La)(Zr,Ti)O3 ;PLZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )、ニオブ酸カリウムリチウム(K3 Li2 Nb5 O15)などから構成された強誘電体膜が用いられている。これらの強誘電体膜は、電圧を印加することによって分極が生じる。そして電圧と分極との関係は、いわゆるヒステリシス特性を呈する。
図45(a)に従来の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイと周辺回路の配置を示す。複数のメモリセルアレイが並列して配置され、ロウデコーダ(RD)(ワード線選択回路)40は、これらに共用されている。複数のワード線WLは、外部から入力されたアドレス信号に応じてロウデコーダ回路40によって選択される。プレート線PLは、ワード線WLと同じ様にメモリセルアレイ共通に接続され(セルキャパシタの対向電極に接続)、プレートデコーダ(PD)(プレート線選択回路)38によって駆動される。プレートデコーダ38は、NAND回路とインバータ回路を直列に接続してなり、ワード線信号とプレート線制御信号との論理をとってプレート電極を制御する。書き込みや読み出しなどのワード線信号やプレート線信号は、パルス信号であるが、図45(b)に示すようにプレート線を制御するプレート線信号の方がワード線信号よりパルス幅は短い。このようにプレート線信号が短時間で立ち上げ立ち下げを行うのでメモリセルの情報の読み出し速度は、プレート線信号のパルスに律速されてしまう。もしこれを回避するためにはプレート線選択回路のインバータ回路のトランジスタを大きくする必要がある。しかし、インバータ回路のトランジスタを不必要に大きくするとロウデコーダ回路のワード線駆動部のピッチとプレート線選択回路のピッチが合わなくなり、ワード線とプレート線の間隔は、広い方に律速されるので、その分面積の無駄が大きくなる。
また、とくにメモリカード等に不揮発性強誘電体メモリを搭載した場合、メモリカードの厚さが薄いと外部から容易に物理的ストレスが加わり、その結果データ保持特性が劣化するという問題があった。
特に無電源型メモリカード等に不揮発性強誘電体メモリを搭載した場合、電源供給回路や整流回路等で発生する熱は、強誘電体メモリのデータ保持特性に影響を与えることがある。
図46は、強誘電体膜をキャパシタに用いたメモリセル(FRAMセル)に用いる強誘電体材料のヒステリシスカーブである。書き込み、読み出し動作を行う際には、a→b→c→dの順にカーブの縁辺を沿うように状態を変化させる。しかし、実際に電流が流れるのはb,dのところである。セルの分極を反転させるのに必要な電流は、わずかb,dのところだけしか流れない。したがって、図47(a)のようにプレート線PLを駆動した場合でもプレート線PLの立上がりの前半では電流は殆ど流れないのに対し、後半ではパルス的に電流が流れる(図47(b))。このように極めて短時間の間に集中的に電流が流れると最大電流量は大きくなり、この結果電源電位の変動やこれにより引き起こされる基準電位の変動による各種の誤動作が生ずる可能性がある。
前記電源線と前記蓄熱手段との間にはくびれ部を形成してもよい。前記半導体基板には、前記強誘電体メモリセルアレイのセルを制御するトランジスタが形成されており、電源電圧は、前記蓄熱手段を介してこのトランジスタに供給されるようにしてもよい。
また、本発明は、前記不揮発性強誘電体メモリを周囲に送受信用アンテナがループ状に形成されたプラスティック材料からなる略長方形状のカードの所定の一辺に沿って配置されていることを特徴とするIDカードを提供する。前記強誘電体メモリは、前記カード上に配置された金属板上に搭載されているかもしくは直接搭載されていてもよい。さらに本発明は、前記不揮発性強誘電体メモリを周囲に送受信用アンテナがループ状に形成された弾性基板の所定の一辺に沿って配置されていることを特徴とするIDカードを提供する。
さらに、本発明は、強誘電体膜に印加される熱ストレスが弱まり、その結果強誘電体膜の分極保持特性の劣化が抑止され、この強誘電体膜を不揮発性強誘電体メモリに用いた場合あるいはこれをIDカードなどに用いた場合にはデータ保持特性が劣化しない。
図43は、本発明のトランスポンダを用いるRFIDシステム全体のシステム構成図である。RFIDシステムは、パソコン、コントローラ、アンテナ等で構成されるホスト側と、トランスポンダと呼ばれるデータ・キャリアで構成される(図43(a))。トランスポンダは、カード基板にFRAMとASICが1チップ化されたモノリシックRFIDチップ及び電力受信、データ受信/送信を兼ねるアンテナを内蔵するシンプルな構成である(図43(b))。図43(c)は、モノリシックRFIDチップの平面図である。ホスト側からは必要に応じてコマンド及びデータを搬送波に乗せて送信するが、トランスポンダ側ではその搬送波により必要な電力を発生させ、データの書き込み及び読み出しと送信に利用してホスト側に情報を返す。非接触タグは、電池が不要であり、FRAMの記憶内容を電波を使って非接触で読み取り、その内容を書き換えることにより人の入退出などの管理に活用することが可能である。例えば、服のポケットに定期券用の非接触タグを入れたまま改札したり、非接触タグを自動車につけて走り高速道路の料金所でいちいち精算するために止まらなくて済むようしたり、人の介在なしに駐車場の出入りを監視・管理するなどの用途に利用することが可能である。また、回遊魚や家畜の行動を管理することなどにも利用できる。
図1にトランスポンダに搭載される不揮発性強誘電体メモリの断面図を示す。この強誘電体メモリは、図43にはモノリシックRFIDチップとして示されているようにトランスポンダに搭載されて使用される。P型シリコン基板10の表面にシリコン酸化膜からなる素子分離絶縁膜13が形成され、この素子分離絶縁膜13に区画された領域にMOSトランジスタが形成される。MOSトランジスタは、N型拡散領域からなるソース/ドレイン領域11、12、ゲート絶縁膜21、ポリシリコンからなるゲート電極20等から構成される。ゲート電極20は、ワード線(WL)と称される。このMOSトランジスタ上には酸化シリコン(SiO2 )などの層間絶縁膜14が形成され、この層間絶縁膜14にはソース領域12に至るコンタクトホール22が形成されている。層間絶縁膜14上には強誘電体キャパシタが形成されている。強誘電体キャパシタは、下層電極15、PZT膜などからなる強誘電体膜16、上層電極17から構成される。下層電極15は、プレート電極(プレート線)(PL)と称される。この強誘電体キャパシタは、シリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜18に覆われ、強誘電体キャパシタの上層電極17とソース領域12とは層間絶縁膜18のコンタクトホール及び層間絶縁膜14のコンタクトホール22を介してアルミニウムなどの接続配線19により電気的に接続されている。
図3は、不揮発性強誘電体メモリの強誘電体メモリセルとしては好ましくないヒステリシス特性である。すなわち、残留分極Prが非常に小さく、その結果、センスアンプによる読み出しマージンが低下する、外部からの撹乱により容易にデータが消失してしまう等の問題が存在する。図3に示す特性は、80℃の高温状態でのヒステリシス特性である。
続いて、図4、図5を用いて強誘電体薄膜を用いたメモリセルの書き込み動作を説明する。FRAMセルを用いた不揮発性強誘電体メモリは、2つのMOSトランジスタQ1、Q2と強誘電体キャパシタC1、C2により一つのメモリセルを構成する。そして、図4(a)の状態、すなわちキャパシタC1には図中上向きの矢印に示すように上方向の分極(以下、正分極と称する)が、キャパシタC2には図中下向きの矢印に示すように下方向の分極(以下、負分極と称する)が現れている状態を“1”と定義し、図4(b)の状態、即ちキャパシタC1には負分極が、キャパシタC2には正分極が現れている状態を“0”と定義する。
以下、メモリセルに“1”を書き込む場合のステップを示す。
まず、ビット線BLに5Vを印加し、ビット線 /BL(「 /」は反転信号を表わす、以下、同じ)には0Vを印加する。そしてワード線WLには7Vを印加し、プレート電極PLには0Vを印加する。この状態は、キャパシタC1が図2のaの状態であり、キャパシタC2が図2のbの状態にある。
続いて、PLを5Vにする。この結果、キャパシタC1は、図2のbの状態になり、キャパシタC2は図2のcの状態になる。
続いて、PLを0Vにする。この結果、キャパシタC1は、図2のaの状態になり、キャパシタC2は図2のdの状態になる。
図5に書き込み時のプレート電極PLの電位(VPL)の変化を示す。
以上のようにして、図4(a)の状態、すなわちキャパシタC1には正分極が現れ、キャパシタC2には負分極が現れて“1”書き込みが実現される。
以下、メモリセルに“0”を書き込む場合のステップを示す。
まず、ビット線BLに0Vを印加し、ビット線 /BLには5Vを印加する。そしてワード線WLには7Vを印加し、プレート電極PLには0Vを印加する。この状態では、キャパシタC1が図2のbの状態にあり、キャパシタC2が図2のaの状態にある。
続いて、PLを5Vにする。この結果、キャパシタC1は、図2のcの状態になり、キャパシタC2は、図2のbの状態になる。
続いて、PLを0Vにする。この結果、キャパシタC1は、図2のdの状態に、なり、キャパシタC2は図2のaの状態になる。
以上のようにして、図4(b)の状態、すなわちキャパシタC1には負分極が現れ、キャパシタC2には正分極が現れて“0”書き込みが実現される。
続いて、図6及び図7に不揮発性強誘電体メモリのメモリセルアレイと周辺回路との配置を示す。メモリセルアレイ31〜34は、並列して配置され、ワード線選択回路(ロウデコーダRD)40は、これらに共用されている。大きく複数のメモリセルアレイ31〜34を2分割したときに、中央部にロウデコーダ40が配置され、これに複数のワード線WLが配線されている。そして、左右に分かれて配置されているメモリセルアレイをさらに分割してプレート線選択回路(プレートデコーダPD)35、36がそれぞれ配置され、このプレートデコーダ35、36からそれぞれプレート線PL(PL1、PL2、PL3、PL4)が配線されている。
図8に示す回路は、本発明のプレートデコーダである。プレートデコーダは、NAND回路とこのNAND回路の出力信号が入力されるインバータ回路とから構成され、インバータ回路は、プレート電圧(VPL)として電源電圧(Vcc)を供給する。NAND回路の入力信号として、まずφ6信号は、 /CE(Chip Enable信号) (DRAMならば /RAS)からの遅延信号及びパルスを持った信号である(図9参照)。Yα信号は、一部のアドレス信号で横方向に関わるアドレスである。さらに、WLは、それぞれに対応するワード線を示している。ここで、例えば、図6及び図7に示すメモリセルアレイでは、1本のワード線WLに対して4本の分割されたプレート線PLが存在している。そこで、このアドレス信号(Yα)によって4本のプレート線から1本が選択されることとなる。これによって今までのプレート線より少なくとも1/4の容量となるため、プレート線のデコードが高速になり誤動作を防ぐことができる。
図6及び図7に示すロウデコーダの詳細な回路図を図14に示す。ロウデコーダは、ワード線の選択を行う回路である。行アドレスをプリデコードした信号Xαj、Xαk、Xαlにより1組のデコーダが選択される。1組のデコーダには4本のワード線が接続され、信号WDRVi〜WDRVlによってこの内1本が選択される。
図16は、トランスポンダに搭載される不揮発性強誘電体メモリ(FRAM)のメモリセルアレイと周辺回路の詳細な構造を示す部分回路図である。強誘電体膜を情報記憶キャパシタとして用いるメモリセル(FRAMセル)30をマトリックス状に配置してなるメモリセルアレイ31〜34が配置されている。ワード線WLは、それらメモリセル30のポリシリコンゲートを共通接続している。同一行のメモリセル30のキャパシタの対向電極を共通接続してなるプレート線PL1〜PL4は、行方向にn分割(ここでは4分割)され、4個のプレート線選択回路35〜38がその一端にそれぞれ接続されている。これらプレート線選択回路は、NAND回路とインバータ回路とから構成され、インバータ回路は、プレ−ト線に電源電圧Vccをプレート電圧(VPL)として供給する。プレート線選択回路に沿って列方向に複数のプレート線制御線PLC1〜PLC4が配列されている。プレート線制御線には、これらプレート線制御線を独立に駆動するプレート線制御線駆動回路62〜65がそれぞれ接続さている。プレート線選択回路のNAND回路の2入力の一方にプレート線制御線PLCが接続され、他方にゲート線WLが接続されている。
この実施例において、遅延線の遅延時間の調整は重要である。遅延時間が長ければ、読み出しや書き込みサイクルが長くなり、高速メモリの提供は、不可能になる。前述のようにFRAMにおいてはプレート線の立上がり若しくは立ち下がりの後半のみにパルス的に電流が流れるに過ぎない。したがって各プレート線の立上がりもしくは立ち下がり時間は、オーバーラップしても構わない。具体的に述べると、各プレート線の立上がりに5nsかかるとする。しかし実際に電流が流れるのは、最後の0.5nsの部分である。したがってこの場合は、4.5ns分はオーバーラップさせても良い。したがって、遅延線の遅延時間は0.5ns以上と決定される。より一般的にプレート線の立上がり時間をtとし、ランプ状態に立上がるとすると、ほぼ9割の時間では電流は流れず、残りの1割で多くの電流が流れることが知られている。この結果、1/10以上の遅延時間を設定すれば良い。遅延線の例を図18に示す。遅延線は、一般にインバータ回路を直列接続して構成するが、遅延時間が1nsよりも小さい場合は、金属配線のみで足りる場合も考えられる。図18(a)、(b)は、インバータ回路、図18(c)は、アルミニウムなどの金属配線の例を示している。
図19は、トランスポンダに搭載される不揮発性強誘電体メモリのメモリセルアレイと周辺回路の詳細な構造を示す部分回路図である。強誘電体膜を情報記憶キャパシタとして用いるメモリセル(FRAMセル)30をマトリックス状(行列状)に配置してなるメモリセルアレイ31、32・・・が配置されている。ワード線WLは、それらメモリセル30のポリシリコンゲートを共通接続している。ワード線WLが形成されている半導体基板の上に層間絶縁膜を介してアルミニウムなどの金属配線ワード線Al−WLが形成されている。このワード線WLは、金属配線ワード線Al−WLに所定間隔毎にシャント線SLにより接続されている。同一行のメモリセル30のキャパシタの対向電極を共通接続してなるプレート線PL(PL1、PL2、・・・)は、行方向にn分割され、n個のプレート線選択回路35、36がその一端にそれぞれ接続されている。プレート線選択回路35、36は、NAND回路とインバータ回路とから構成され、インバータ回路は、プレ−ト線に電源電圧を供給する。プレート線選択回路35、36は、このシャントされる領域に配置されており、メモリセルアレイ間に配置されている。プレート線選択回路に沿って列方向に複数のプレート線制御線PLC(PLC1、PLC2・・・)が配列されている。プレート線制御線PLCには、これらプレート線制御線PLCを独立に駆動するプレート線制御線駆動回路61、62・・・がそれぞれ接続さている。
メモリセルのトランジスタのゲート容量(C1)は、前記メモリセルのキャパシタ容量(C2)より小さい(C1<C2)。
図20は、プレート線選択回路35、36の回路図である。プレート線PL(PL1、PL2・・・)は、このプレート線選択回路35、36によって駆動される。プレート線選択回路35、36は、NAND回路とインバータ回路とを直列に接続してなり、ワード線信号WLとプレート線制御信号PCLとの論理をとってプレート電極を制御する。
図21は、図20の詳細な回路図であり、インバータ回路は、NチャネルトランジスタN2とPチャネルトランジスタP2とから構成されている。この実施例では、電源電圧Vccは、5Vである。
図22は、図19に示すロウデコーダ(RD)40の詳細な回路図である。図22に示すようにロウデコーダ40内のトランジスタのゲートの幅/長さ比((W/L)1 )とメモリセル30のトランジスタのゲート容量(C1)との積は、プレート線選択回路PL内のトランジスタのゲートの幅/長さ比( (W/L)2 )と前記メモリセルのキャパシタ容量(C2)との積にほぼ等しく((W/L)1 ・C1〜(W/L)2 ・C2)してあるので信号の立上がり時間と立ち下がり時間を等しくすることができる。
図23に示すように金属配線ワード線Al−WLは、ワード線WLとシャント接続されている。シャント線SLは、一定間隔毎に配置されている。本発明では、所定のシャント線SL毎にこのシャント線SLとプレート線PL1、PL2、・・・の一端に接続されたプレート線選択回路35、36、37、38とが接続されている。この実施例では、プレート線選択回路と直接接続されたシャント線は、3本毎に配置されている。したがって、メモリセルのトランジスタのゲート容量(C1)とメモリセルのキャパシタ容量(C2)との比(C1:C2)は、1:4となりキャパシタ容量(C2)の方が4倍程度大きいことになる。
図24にプラスチック材料からなるカード基板1に強誘電体材料を用いた不揮発性強誘電体メモリ(半導体素子)2を搭載した例を示す。ここで、搭載位置が非常に重要となる。すなわち、カード基板は弾性を有するため、外部から印加した物理的ストレスにより「反り」が発生する。図25にその状態を示す。すなわち、カード1の長辺に沿ってFa、Fbの力を印加したとする。なお、FaとFbは絶対値が等しくその向きは逆である。この結果F1、F2、F3の力がカード基板に印加される。これを部分的な領域についてみたのが図26である。
図25及び図26のF2の大きさは、図24に示す位置(長辺方向カード端からの距離)に依存する。すなわち、カードの長辺方向の長さlを100とし、これに対する長辺方向カード端から搭載位置までの距離dとF2の大きさとの関係を示したのが図27である。図27に示すようにF2の大きさは、距離dが両端から30を超えたところから急激に上昇し、70を超えると再び低下する。カード基板と半導体素子もしくはチップ(不揮発性強誘電体メモリ)との間に金属板を介在させてこの半導体素子もしくはチップを安定させることができる。
図28には、距離dと残留分極Prとの関係を示す。このように、残留分極Prの大きさはdが両端から30を超えたところから急激に減少し、70を超えると再び上昇する。
前述のように、カード基板に力が加われば当然これに搭載された半導体素子に形成されたメモリセルなどにも同じ様にF2などの外力が働く(図24乃至図26参照)。図29は、トランスポンダに搭載される不揮発性強誘電体メモリ(半導体素子もしくはチップ)のメモリセルの概略平面図である。この半導体素子には複数のメモリセルが行列状にメモリセルアレイの形で配置形成されている。図は、メモリセルアレイの一部を表わしている。メモリセルは、図1に示すように、ゲート20を有するMOSトランジスタとPZTなどからなる強誘電体膜16を有するキャパシタとを備えている。この実施例では、メモリセルの1セルは、2トランジスタ2キャパシタ(2T/2C)から構成されているが、この構成のものに限らず1トランジスタ1キャパシタ(1T/1C)などであっても良い。 この実施例では、キャパシタの強誘電体膜の形状に特徴がある。図29では、斜線で示すキャパシタの強誘電体膜Fは、正方形状である。カード基板に外力が加えられた場合にこれに搭載された半導体素子に形成された強誘電体膜Fに掛かるストレスはその長さに比例する。したがって、強誘電体膜Fの面積が一定の場合長方形状より正方形の方がストレスに強い。ところで、この強誘電体膜に加えられるストレスの大きさは、そのヒステリシス特性に影響を与える。したがって、このようなストレスに強い強誘電体膜を用いると、高いデータ保持特性のメモリカードを得ることができる。
図30は、キャパシタの強誘電体膜の他の形状を示す平面図である。ストレスに強い強誘電体膜には上記正方形状体があるが、この正方形状体の四隅を面取りしたもの(図30(a))、あるいは円形状体(図30(b))がある。面取り体は、正方形の各コーナーに曲率半径Rをつけたものである。この曲率半径Rの大きさによって強誘電体膜に加えられるストレスが変化する。図31は、強誘電体膜に加えられるストレス(F2)の曲率半径R異存性を示す特性図である。正方形の一辺の長さをLとすると、Rが0.1R程度まではストレスは殆ど一定であるが0.2R〜0.3R付近でストレスが急に小さくなり0.5R(すなわち円形体)になってストレスが最小になる。
以上のような形状のストレスに強い強誘電体膜を用いると、図43のトランスポンダに提供される高いデータ保持特性のメモリカードを得ることができる。
図32は、トランスポンダに搭載される強誘電体メモリセルを備えた不揮発性強誘電体メモリ(半導体素子もしくはチップ)を搭載したメモリカードの平面図及び断面図である。図24に示すカード基板1は、長辺A及び短辺Bのほぼ長方形のプラスチック弾性体から構成されている。本発明の半導体素子が形成された半導体基板2は長辺a及び短辺bのほぼ長方形である。そしてこの半導体素子2は、カード基板1の短辺Bに近くに、半導体素子2の長辺aがこの短辺Bに平行になるように搭載される。
なお、半導体素子2は、金属板3を介して搭載されていてもよく、また、直接搭載されていても良い(この実施例では金属板3を用いている)。前者ならばより高い信頼性が得られ、後者ならは低コスト、極薄カードが実現できる。とくに、後者はこの実施例の構成を利用することによりはじめて可能となる。
この外力F2の大きさは、半導体素子2の搭載方向に依存する。また、この大きさは、カード基板1の長辺方向の半導体素子の長さに依存する。半導体素子2が形成されるシリコン基板(チップ)は、略長方形状をしており、この長辺aを図32のようにカードの短辺Bに平行に配置した場合は外力がF2が小さく、逆に、図33のように垂直に配置した場合には外力F2が大きくなり、したがってこの配置方法は有利ではない。
上述したように、外力F2の大きさは、強誘電体膜のヒステリシス特性に影響を与える。従って、トランスポンダなどに提供される高いデータ保持特性のメモリカードを得るためには、図33のように搭載するのではなく、図32のように搭載すべきである。
図34(a)にRFIDシステムに必要な回路を1チップに搭載した不揮発性強誘電体メモリ(半導体素子)を示す。図34(b)は、このRFIDシステムに用いるプラスティック材料からなるカード基板にこの半導体素子を搭載したトランスポンダの例である。図34(b)に示すように、プラスティック材料からなるカード基板69の一端に1チップ型の混載不揮発性強誘電体メモリ(半導体素子)60を搭載する。カード基板69の周囲には送受信用アンテナ88がループ状に張り巡らされている。
半導体素子60は、図34(a)に示すようような構成とされている。すなわち、半導体素子の一端(好ましくは短辺側)に入出力パッド601の列が配置されている。入出力パッド601の近傍には整流回路633及び検波/送信回路634が配置されている。整流回路633では入力された信号の搬送波からダイオードブリッジ回路等により直流5V電圧を発生する。検波/送信回路634においてはアンテナ88により受信した信号をAM変調であれば、例えば、ヘテロダイン方式で、FM変調であれば、例えば、PLL方式で検波することにより外部から情報を受領し、逆にアンテナ88を用いて外部に情報を送信する。
不揮発性強誘電体メモリは、半導体素子の他端(特に整流回路633の反対側)に配置されている。このように配置することにより整流回路で発生する熱を効果的に分散することができる。不揮発性メモリの構成は、以下の通りである。すなわち、不揮発性メモリセルアレイ611、612、行デコード回路614、プレートデコード/駆動回路613、615、センスアンプアレイ616、617、カラム選択回路618、619等から構成される。
不揮発性強誘電体メモリのメモリセル部(FRAMセル部)と電源系回路との間には電源線が設けられており、電源系回路で発生した直流電圧を不揮発性強誘電体メモリセルに供給する。電源線はVCC(高電位側)電源線84とVSS(低電位側)電源線85からなり、両者の電位差は通常5Vである。そして、本願の特徴である蓄熱手段86、87が電源線の中間に配置されている。この蓄熱手段86、87は、電源線に設けられた素材と同一部材(アルミニウムが好ましい)からなる突出部であり、以下これをローブと称する。
図35にローブを設けたことによる効果を説明する特性図を示す。図35の縦軸は、温度を示し、横軸は、半導体素子上の整流回路などの電源系回路とFRAM部との間の位置(d)を示しており、図35は、半導体素子上の温度分散の状態を示している。図に示すように、もしローブが存在しない場合(点線で示す曲線B)は、比較的高温になり易い電源系回路部からFRAMセル部に何の障害も無しに熱が伝達され、メモリセルの温度が上昇してしまう。これは前述のようにデータ保持特性の劣化につながり得るものである。このときの温度分布を点線による曲線Bで示す。ローブを設けた場合の温度分布は実線による曲線Aで示されている。実際に用いた形状は、アルミニウム配線VCC/VSSがそれぞれ厚さ1.1μm、幅10μmでローブの形状が150×900μmの長方形状のものである。このようにローブを設けることにより熱伝達が急峻に変化するのは、おそらく電源線が熱伝達の主要な役割をしめていたことに起因するものと思われる。
図37は、ローブ86、87と電源線84、85との間にネック(くびれ部)70を設けた例である。通常無電源ID装置の電源回路が動作する時間はそれほど長くない(1秒以下)が例外的に多大なデータ処理が必要になる場合等は動作時間が数秒になることがある。このような場合、ローブの熱容量がすぐに飽和してしまうのを防ぐ必要があり、長時間動作が可能な無電源IDにおいては図37の構成が好ましい。電源線、ローブ等は前述と同様の記号を付してある。
図38(a)は、ローブを制御回路等のトランジスタに電源を供給するためのコンタクト部と共用した例である。すなわち、電源線84にはローブ86が設けられているが、このローブにはその下に配置されたトランジスタ(ソース74、ドレイン75、ゲート73)のソース電源供給用のコンタクトホール72が設けられている。図38(b)はその等価回路を示している。このように構成するとチップ面積の縮小化が図れる。
以上の実施例はPZT強誘電体膜を例にとって説明したが、本発明はこれに限るものではなく、図39に示す通り、例えば、BaTiO3 (BTO)膜等にも適用可能である。また、当然のことながらPLZT膜、LiNbO3 膜、K3 Li2 Nb5 O15膜も適用可能である。
ゾルゲル法又はMOD法は、有機金属化合物などをソース原料とする溶液をディッピングやスピンコートにより基板上に塗布し、それを熱分解して得る方法である。これは、大気中でも成膜が可能であり、膜の大面積化が容易である(図40)。
スパッタ法は、薄膜となるべき材料のターゲットに、グロー放電中でイオン化したガス(Arガスなど)を衝突させて叩き出した粒子を基板に堆積させる方法であり、真空蒸着法では作りにくい高融点材料などの膜形成が可能である。この成膜法には直流スパッタ、高周波(RF)スパッタ、マグネトロンスパッタ、イオンビームスパッタ、反応性スパッタ、レーザアブレーションなどがある。ターゲットとしては焼結体又は粉末を用い、アルゴンと酸素雰囲気でスパッタする。ターゲットの近傍にマグネットを置くと、スパッタイオンは、その磁場に拘束され、低ガス圧(〜10-4Torr)でスパッタが可能になり、膜成長速度を数倍高めることになる。
CVDの基本は、薄膜にしたい元素の化合物のうちでガスになるものを高温炉の中に導入して、基板表面に堆積させて膜形成することにあり、これにより基板表面で平衡状態で成膜されるため、より均質な結晶膜が得られる可能性がある。MOCVDは、原料としてアセチルアセトナトやアルコキシドなどの有機金属から強誘電体膜が形成されている(図42)。
本発明は、上記したような半導体基板上に強誘電体メモリセルを形成する場合に限らず、SOIなどのように絶縁基板上の半導体層上に強誘電体メモリセルを形成する場合にも適用することが可能である。また、本発明は、前記実施例の他種々変形して実施することが可能である。
3・・・金属板、 10・・・シリコン基板、
11、75・・・ドレイン領域、 12、74・・・ソース領域、
13・・・素子分離絶縁膜、 14、18・・・層間絶縁膜、
15・・・下層電極、 16・・・強誘電体膜(PZT膜)、
17・・・上層電極、 19・・・接続配線、
20、73・・・ゲート電極、 21・・・ゲート絶縁膜、
22、72・・・コンタクトホール、 30・・・メモリセル、
31、32、33、34、611、612・・・メモリセルアレイ、
35、36、37、38・・・プレート線選択回路、
40・・・ロウデコーダ回路、
41、42、43、44・・・センスアンプ回路、
51、52、53、54・・・カラムゲート回路、
55・・・データ線、 56・・・カラムデコード回路、
57・・・データ線センスアンプ回路、 58・・・FSK復調回路、
59・・・整流ブリッジ、 60・・・パワーオン回路、
61、62、63、64、65・・・プレート線制御線駆動回路、
66、67、68・・・遅延線チェイン、
70・・・ローブのくびれ部、 84・・・VCC電源線、
85・・・VSS電源線、 86、87・・・ローブ(蓄熱手段)、
88・・・送信兼受信アンテナ、 411・・・センスアンプ、
412・・・イコライズ回路、 601・・・入出力パッド、
613、615・・・プレートデコード/駆動回路、
614・・・行デコード回路、
616、617・・・センスアンプアレイ、
618、619・・・カラム選択回路、
630、631、632・・・演算回路、 633・・・整流回路、
634・・・検波/送信回路。
Claims (11)
- 半導体基板と、
前記半導体基板に形成され、電極間誘電体膜に強誘電体を用いる情報記憶キャパシタと電荷転送用MOSトランジスタとが直列に接続されてなるメモリセルが行列状に配置されたメモリセルアレイと、それぞれ同一行のメモリセルのMOSトランジスタゲートに共通に接続された複数本のワード線と、それぞれ同一行のメモリセルのキャパシタの対向電極に共通に接続された複数本のプレート線と、それぞれ同一行のメモリセルのMOSトランジスタの一端に共通に接続された複数本のビット線と、アドレス信号に基づいて前記複数本のワード線のうちの一部を選択するワード線選択回路と、前記複数本のワード線と外部端子によって生成された信号とから形成されるプレート線選択回路とを備え、前記ワード線と前記プレート線とは平行に配線され、前記プレート線は、対応するワード線に対して複数に分割されており、かつ、前記プレート線選択回路はそれぞれのワード線に対して複数本存在している半導体素子と、
前記半導体基板の一端近傍に設けられた電源回路と、
前記半導体基板の一端と対向する他端近傍に設けられた前記メモリセルアレイと、
前記電源回路と前記メモリセルアレイとの間に配置され、これらを電気的に接続する電源線と、
前記電源線に形成された蓄熱手段とを備えていることを特徴とする不揮発性強誘電体メモリ。 - 前記蓄熱手段は、前記電源回路と前記強誘電体メモリセルアレイとの略中間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性強誘電体メモリ。
- 前記電源線は、それぞれ前記蓄熱手段を有する高電位側電源線と低電位側電源線を有しており、これら電源線は、それぞれの蓄熱手段によって互いに一定の間隔を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不揮発性強誘電体メモリ。
- 前記電源線と前記蓄熱手段との間にはくびれ部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の不揮発性強誘電体メモリ。
- 前記半導体基板には、前記メモリセルアレイのセルを制御するMOSトランジスタが形成されており、電源電圧は、前記蓄熱手段を介してこのMOSトランジスタに供給されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の不揮発性強誘電体メモリ。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の不揮発性強誘電体メモリを周囲に送受信用アンテナがループ状に形成されたプラスティック材料からなる略長方形状のカードの所定の一辺に沿って配置されていることを特徴とするIDカード。
- 前記不揮発性強誘電体メモリは、前記カード上に配置された金属板上に搭載されている事を特徴とする請求項6に記載のIDカード。
- 前記不揮発性強誘電体メモリは、前記カード上に直接搭載されていることを特徴とする請求項6に記載のIDカード。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の不揮発性強誘電体メモリを周囲に送受信用アンテナがループ状に形成された弾性基板の所定の一辺に沿って配置されていることを特徴とするIDカード。
- 前記不揮発性強誘電体メモリは、前記弾性基板上に配置された金属板上に搭載されていることを特徴とする請求項9に記載のIDカード。
- 前記不揮発性強誘電体メモリは、前記弾性基板上に直接搭載されていることを特徴とする請求項9に記載のIDカード。
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