JP4193256B2 - オーディオ信号処理装置および方法、ならびに、映像音声記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタルオーディオ信号のミュート解除時に生じる雑音を発生しなくなるようにしたオーディオ信号処理装置および方法、ならびに、映像音声記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、アナログオーディオ信号をA/D変換してディジタルオーディオデータとして処理する、ディジタルオーディオ機器が普及している。処理を重ねても音質の劣化が少なく、比較的容易に高音質が得られるため、プロ用途、アマチュア用途を問わず、幅広く用いられている。
【0003】
ところで、オーディオ信号を再生する際には、一時的に再生出力を無音にするミュート処理が行われる場合がある。例えば、オーディオ回路の立ち上げ時や、過大なレベルの信号あるいは不正な信号が入力された際に、ミュート処理により自動的に出力を無音にして、回路やスピーカなどの保護を行う。ミュート処理は、自動的あるいは手動により解除され、通常の再生が再開される。
【0004】
このミュート処理の解除の際に、単純に、無音状態から通常の再生状態への切り替えを行ってしまうと、通常の再生状態になったときに、信号波形が急峻に立ち上がってしまうことがある。この信号波形の急峻な立ち上がりは、再生音に対して「プチッ」というパルス状の雑音となって現れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディジタルオーディオ機器では、演算処理によって、このミュート状態から通常の再生状態への変化点で生じる、「プチッ」というパルス状の雑音を抑制していた。例えば、オーディオデータ処理専用の集積回路(IC)において、乗算器を用いて、時系列方向にサンプル毎に所定の計数を乗じて信号レベルを減衰させる。しかしながら、この方法では、乗算器を用いるためオーディオデータ信号回路が複雑になり、規模が大きくなってしまうという問題点があった。
【0006】
また、例えばカメラ一体型ビデオテープレコーダのように、携帯用の機器においては、バッテリによる駆動の長時間化に伴う低消費電力化や、機器の小型軽量化に伴う基板面積の制限による回路削減などで、ミュート処理用の乗算器が設けられたオーディオデータ処理専用のICが省略されることが多い。したがって、このような、携帯用の機器では、ミュート解除時にパルス状の雑音が発生してしまうという問題点があった。
【0007】
したがって、この発明の目的は、簡単な構成でミュート解除時の雑音を出さないようにしたオーディオ信号処理装置および方法、ならびに、映像音声記録再生装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した課題を解決するために、ディジタルオーディオ信号を処理するオーディオ信号処理装置において、無音状態から有音状態への立ち上げ時に、入力されたオーディオデータの上位側ビットだけを下位側にビットシフトし、ビットシフトの量を立ち上げ時から時間と共に減らしていくことでオーディオデータのレベルに傾斜を付けることを特徴とするオーディオ信号処理装置である。
【0009】
また、この発明は、ビデオデータおよびオーディオデータをそれぞれ積符号を用いたエラー訂正符号化して記録媒体に記録し、記録媒体に記録されたビデオデータおよびオーディオデータを再生するようにされた映像信号記録再生装置において、入力されたビデオデータおよびオーディオデータに対して、それぞれ積符号を用いたエラー訂正符号化を行い、ID情報および同期信号を付加して記録媒体に記録する記録手段と、記録媒体に記録されたビデオデータおよびオーディオデータを再生し、再生された該ビデオデータおよびオーディオデータに対して、それぞれ同期信号およびID情報に基づき、積符号によるエラー訂正符号化の復号化を行う再生手段と、再生手段によって再生されたオーディオデータの、無音状態から有音状態への立ち上げ時に、オーディオデータの上位側ビットだけを下位側にビットシフトし、ビットシフトの量を立ち上げ時から時間と共に減らしていくことでオーディオデータのレベルに傾斜を付ける手段とを有することを特徴とする映像音声記録再生装置である。
【0010】
また、この発明は、ディジタルオーディオ信号を処理するオーディオ信号処理方法において、無音状態から有音状態への立ち上げ時に、入力されたオーディオデータの上位側ビットだけを下位側にビットシフトし、ビットシフトの量を立ち上げ時から時間と共に減らしていくことでオーディオデータのレベルに傾斜を付けることを特徴とするオーディオ信号処理方法である。
【0011】
上述したように、この発明は、無音状態から有音状態への立ち上げ時に、入力されたオーディオデータの上位側ビットだけを下位側にビットシフトし、ビットシフトの量を立ち上げ時から時間と共に減らしていくようにしているため、ビットシフトを行うだけの簡単な構成で、無音状態から有音状態への立ち上げ時にオーディオデータのレベルに対して傾斜を付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をディジタルVTRに対して適用した一実施形態について説明する。この一実施形態は、放送局の環境で使用して好適なもので、互いに異なる複数のフォーマットのビデオ信号の記録・再生を可能とするものである。例えば、NTSC方式に基づいたインターレス走査で有効ライン数が480本の信号(480i信号)およびPAL方式に基づいたインターレス走査で有効ライン数が576本の信号(576i信号)の両者を殆どハードウエアを変更せずに記録・再生することが可能とされる。さらに、インターレス走査でライン数が1080本の信号(1080i信号)、プログレッシブ走査(ノンインターレス)でライン数がそれぞれ480本、720本、1080本の信号(480p信号、720p信号、1080p信号)などの記録・再生も行うようにできる。
【0013】
また、この一実施形態では、ビデオ信号は、MPEG2方式に基づき圧縮符号化され、オーディオ信号は、非圧縮で扱われる。周知のように、MPEG2は、動き補償予測符号化と、DCTによる圧縮符号化とを組み合わせたものである。MPEG2のデータ構造は、階層構造をなしており、下位から、ブロック層、マクロブロック層、スライス層、ピクチャ層、GOP層およびシーケンス層となっている。
【0014】
ブロック層は、DCTを行う単位であるDCTブロックからなる。マクロブロック層は、複数のDCTブロックで構成される。スライス層は、ヘッダ部と、行間をまたがらない任意個のマクロブロックより構成される。ピクチャ層は、ヘッダ部と、複数のスライスとから構成される。ピクチャは、1画面に対応する。GOP(Group Of Picture)層は、ヘッダ部と、フレーム内符号化に基づくピクチャであるIピクチャと、予測符号化に基づくピクチャであるPおよびBピクチャとから構成される。
【0015】
GOPには、最低1枚のIピクチャが含まれ、PおよびBピクチャは、存在しなくても許容される。最上層のシーケンス層は、ヘッダ部と複数のGOPとから構成される。
【0016】
MPEGのフォーマットにおいては、スライスが1つの可変長符号系列である。可変長符号系列とは、可変長符号を復号化しなければデータの境界を検出できない系列である。
【0017】
また、シーケンス層、GOP層、ピクチャ層、スライス層およびマクロブロック層の先頭には、それぞれ、バイト単位に整列された所定のビットパターンを有する識別コード(スタートコードと称される)が配される。なお、上述した各層のヘッダ部は、ヘッダ、拡張データまたはユーザデータをまとめて記述したものである。シーケンス層のヘッダには、画像(ピクチャ)のサイズ(縦横の画素数)等が記述される。GOP層のヘッダには、タイムコードおよびGOPを構成するピクチャ数等が記述される。
【0018】
スライス層に含まれるマクロブロックは、複数のDCTブロックの集合であり、DCTブロックの符号化系列は、量子化されたDCT係数の系列を0係数の連続回数(ラン)とその直後の非0系列(レベル)を1つの単位として可変長符号化したものである。マクロブロックならびにマクロブロック内のDCTブロックには、バイト単位に整列した識別コードは付加されない。すなわち、これらは、1つの可変長符号系列ではない。
【0019】
マクロブロックは、画面(ピクチャ)を16画素×16ラインの格子状に分割したものである。スライスは、例えばこのマクロブロックを水平方向に連結してなる。連続するスライスの前のスライスの最後のマクロブロックと、次のスライスの先頭のマクロブロックとは連続しており、スライス間でのマクロブロックのオーバーラップを形成することは、許されていない。また、画面のサイズが決まると、1画面当たりのマクロブロック数は、一意に決まる。
【0020】
一方、復号および符号化による信号の劣化を避けるためには、符号化データ上で編集することが望ましい。このとき、PピクチャおよびBピクチャは、その復号に、時間的に前のピクチャあるいは前後のピクチャを必要とする。そのため、編集単位を1フレーム単位とすることができない。この点を考慮して、この一実施形態では、1つのGOPが1枚のIピクチャからなるようにしている。
【0021】
また、例えば1フレーム分の記録データが記録される記録領域が所定のものとされる。MPEG2では、可変長符号化を用いているので、1フレーム期間に発生するデータを所定の記録領域に記録できるように、1フレーム分の発生データ量が制御される。さらに、この一実施形態では、磁気テープへの記録に適するように、1スライスを1マクロブロックから構成すると共に、1マクロブロックを、所定長の固定枠に当てはめる。
【0022】
図1は、この一実施形態による記録再生装置の記録側の構成の一例を示す。記録時には、所定のインターフェース例えばSDI(Serial Data Interface) の受信部を介してディジタルビデオ信号が端子101から入力される。SDIは、(4:2:2)コンポーネントビデオ信号とディジタルオーディオ信号と付加的データとを伝送するために、SMPTEによって規定されたインターフェイスである。入力ビデオ信号は、ビデオエンコーダ102においてDCT(Discrete Cosine Transform) の処理を受け、係数データに変換され、係数データが可変長符号化される。ビデオエンコーダ102からの可変長符号化(VLC)データは、MPEG2に準拠したエレメンタリストリームである。この出力は、セレクタ103の一方の入力端に供給される。
【0023】
一方、入力端子104を通じて、ANSI/SMPTE 305Mによって規定されたインターフェイスである、SDTI(Serial Data Transport Interface) のフォーマットのデータが入力される。この信号は、SDTI受信部105で同期検出される。そして、バッファに一旦溜め込まれ、エレメンタリストリームが抜き出される。抜き出されたエレメンタリストリームは、セレクタ103の他方の入力端に供給される。
【0024】
セレクタ103で選択され出力されたエレメンタリストリームは、ストリームコンバータ106に供給される。ストリームコンバータ106では、MPEG2の規定に基づきDCTブロック毎に並べられていたDCT係数を、1マクロブロックを構成する複数のDCTブロックを通して、周波数成分毎にまとめ、まとめた周波数成分を並べ替える。並べ替えられた変換エレメンタリストリームは、パッキングおよびシャフリング部107に供給される。
【0025】
エレメンタリストリームのビデオデータは、可変長符号化されているため、各マクロブロックのデータの長さが不揃いである。パッキングおよびシャフリング部107では、マクロブロックが固定枠に詰め込まれる。このとき、固定枠からはみ出た部分は、固定枠のサイズに対して余った部分に順に詰め込まれる。また、タイムコード等のシステムデータが入力端子108からパッキングおよびシャフリング部107に供給され、ピクチャデータと同様にシステムデータが記録処理を受ける。また、走査順に発生する1フレームのマクロブロックを並び替え、テープ上のマクロブロックの記録位置を分散させるシャフリングが行われる。シャフリングによって、変速再生時に断片的にデータが再生される時でも、画像の更新率を向上させることができる。
【0026】
パッキングおよびシャフリング部107からのビデオデータおよびシステムデータ(以下、特に必要な場合を除き、システムデータを含む場合も単にビデオデータと言う。)が外符号エンコーダ109に供給される。ビデオデータおよびオーディオデータに対するエラー訂正符号としては、積符号が使用される。積符号は、ビデオデータまたはオーディオデータの2次元配列の縦方向に外符号の符号化を行い、その横方向に内符号の符号化を行い、データシンボルを2重に符号化するものである。外符号および内符号としては、リードソロモンコード(Reed-Solomon code) を使用できる。
【0027】
外符号エンコーダ109の出力がシャフリング部110に供給され、複数のECC(Error Correctig Code)ブロックにわたってシンクブロック単位で順番を入れ替える、シャフリングがなされる。シンクブロック単位のシャフリングによって特定のECCブロックにエラーが集中することが防止される。シャフリング部110でなされるシャフリングをインターリーブと称することもある。シャフリング部110の出力が混合部111に供給され、オーディオデータと混合される。なお、混合部111は、後述のように、メインメモリにより構成される。
【0028】
112で示す入力端子からオーディオデータが供給される。この一実施形態では、非圧縮のディジタルオーディオ信号が扱われる。ディジタルオーディオ信号は、入力側のSDI受信部(図示しない)またはSDTI受信部105で分離されたもの、またはオーディオインターフェースを介して入力されたものである。入力ディジタルオーディオ信号が遅延部113を介してAUX付加部114に供給される。遅延部113は、オーディオ信号とビデオ信号と時間合わせ用のものである。入力端子115から供給されるオーディオAUXは、補助的データであり、オーディオデータのサンプリング周波数等のオーディオデータに関連する情報を有するデータである。オーディオAUXは、AUX付加部114にてオーディオデータに付加され、オーディオデータと同等に扱われる。
【0029】
AUX付加部114からのオーディオデータおよびAUX(以下、特に必要な場合を除き、AUXを含む場合も単にオーディオデータと言う。)が外符号エンコーダ116に供給される。外符号エンコーダ116は、オーディオデータに対して外符号の符号化を行う。外符号エンコーダ116の出力がシャフリング部117に供給され、シャフリング処理を受ける。オーディオシャフリングとして、シンクブロック単位のシャフリングと、チャンネル単位のシャフリングとがなされる。
【0030】
シャフリング部117の出力が混合部111に供給され、ビデオデータとオーディオデータが1チャンネルのデータとされる。混合部111の出力がID付加部118が供給され、ID付加部118にて、シンクブロック番号を示す情報等を有するIDが付加される。ID付加部118の出力が内符号エンコーダ119に供給され、内符号の符号化がなされる。さらに、内符号エンコーダ119の出力が同期付加部120に供給され、シンクブロック毎の同期信号が付加される。同期信号が付加されることによってシンクブロックが連続する記録データが構成される。この記録データが記録アンプ121を介して回転ヘッド122に供給され、磁気テープ123上に記録される。回転ヘッド122は、実際には、隣接するトラックを形成するヘッドのアジマスが互いに異なる複数の磁気ヘッドが回転ドラムに取り付けられたものである。
【0031】
記録データに対して必要に応じてスクランブル処理を行っても良い。また、記録時にディジタル変調を行っても良く、さらに、パーシャル・レスポンスクラス4とビタビ符号を使用しても良い。
【0032】
磁気テープへの信号の記録は、回転する回転ヘッド上に設けられた磁気ヘッドにより、斜めのトラックを形成する、ヘリカルスキャン方式によって行われる。磁気ヘッドは、回転ドラム上の、互いに対向する位置に、それぞれ複数個が設けられる。すなわち、磁気テープが回転ヘッドに180°程度の巻き付け角で以て巻き付けられている場合、回転ヘッドの180°の回転により、同時に複数本のトラックを形成することができる。また、磁気ヘッドは、互いにアジマスの異なる2個で一組とされる。複数個の磁気ヘッドは、隣接するトラックのアジマスが互いに異なるように配置される。
【0033】
図2は、この発明の一実施形態の再生側の構成の一例を示す。磁気テープ123から回転ヘッド122で再生された再生信号が再生アンプ131を介して同期検出部132に供給される。再生信号に対して、等化や波形整形などがなされる。また、ディジタル変調の復調、ビタビ復号等が必要に応じてなされる。同期検出部132は、シンクブロックの先頭に付加されている同期信号を検出する。同期検出によって、シンクブロックが切り出される。
【0034】
同期検出ブロック132の出力が内符号デコーダ133に供給され、内符号のエラー訂正がなされる。内符号デコーダ133の出力がID補間部134に供給され、内符号によりエラーとされたシンクブロックのID例えばシンクブロック番号が補間される。ID補間部134の出力が分離部135に供給され、ビデオデータとオーディオデータとが分離される。上述したように、ビデオデータは、MPEGのイントラ符号化で発生したDCT係数データおよびシステムデータを意味し、オーディオデータは、PCM(Pulse Code Modulation) データおよびAUXを意味する。
【0035】
分離部135からのビデオデータがデシャフリング部136において、シャフリングと逆の処理がなされる。デシャフリング部136は、記録側のシャフリング部110でなされたシンクブロック単位のシャフリングを元に戻す処理を行う。デシャフリング部136の出力が外符号デコーダ137に供給され、外符号によるエラー訂正がなされる。訂正できないエラーが発生した場合には、エラーの有無を示すエラーフラグがエラー有りを示すものとされる。
【0036】
外符号デコーダ137の出力がデシャフリングおよびデパッキング部138に供給される。デシャフリングおよびデパッキング部138は、記録側のパッキングおよびシャフリング部107でなされたマクロブロック単位のシャフリングを元に戻す処理を行う。また、デシャフリングおよびデパッキング部138では、記録時に施されたパッキングを分解する。すなわち、マクロブロック単位にデータの長さを戻して、元の可変長符号を復元する。さらに、デシャフリングおよびデパッキング部138において、システムデータが分離され、出力端子139に取り出される。
【0037】
デシャフリングおよびデパッキング部138の出力が補間部140に供給され、エラーフラグが立っている(すなわち、エラーのある)データが修整される。すなわち、変換前に、マクロブロックデータの途中にエラーがあるとされた場合には、エラー箇所以降の周波数成分のDCT係数が復元できない。そこで、例えばエラー箇所のデータをブロック終端符号(EOB)に置き替え、それ以降の周波数成分のDCT係数をゼロとする。同様に、高速再生時にも、シンクブロック長に対応する長さまでのDCT係数のみを復元し、それ以降の係数は、ゼロデータに置き替えられる。さらに、補間部140では、ビデオデータの先頭に付加されているヘッダがエラーの場合に、ヘッダ(シーケンスヘッダ、GOPヘッダ、ピクチャヘッダ、ユーザデータ等)を回復する処理もなされる。
【0038】
DCTブロックに跨がって、DCT係数がDC成分および低域成分から高域成分へと並べられているため、このように、ある箇所以降からDCT係数を無視しても、マクロブロックを構成するDCTブロックのそれぞれに対して、満遍なくDCならびに低域成分からのDCT係数を行き渡らせることができる。
【0039】
補間部140の出力がストリームコンバータ141に供給される。ストリームコンバータ141では、記録側のストリームコンバータ106と逆の処理がなされる。すなわち、DCTブロックに跨がって周波数成分毎に並べられていたDCT係数を、DCTブロック毎に並び替える。これにより、再生信号がMPEG2に準拠したエレメンタリストリームに変換される。
【0040】
また、ストリームコンバータ141の入出力は、記録側と同様に、マクロブロックの最大長に応じて、十分な転送レート(バンド幅)を確保しておく。マクロブロックの長さを制限しない場合には、画素レートの3倍のバンド幅を確保するのが好ましい。
【0041】
ストリームコンバータ141の出力がビデオデコーダ142に供給される。ビデオデコーダ142は、エレメンタリストリームを復号し、ビデオデータを出力する。すなわち、ビデオデコーダ142は、逆量子化処理と、逆DCT処理とがなされる。復号ビデオデータが出力端子143に取り出される。外部とのインターフェースには、例えばSDIが使用される。また、ストリームコンバータ141からのエレメンタリストリームがSDTI送信部144に供給される。SDTI送信部144には、経路の図示を省略しているが、システムデータ、再生オーディオデータ、AUXも供給され、SDTIフォーマットのデータ構造を有するストリームへ変換される。SDTI送信部144からのストリームが出力端子145を通じて外部に出力される。
【0042】
分離部135で分離されたオーディオデータがデシャフリング部151に供給される。デシャフリング部151は、記録側のシャフリング部117でなされたシャフリングと逆の処理を行う。デシャフリング部117の出力が外符号デコーダ152に供給され、外符号によるエラー訂正がなされる。外符号デコーダ152からは、エラー訂正されたオーディオデータが出力される。訂正できないエラーがあるデータに関しては、エラーフラグがセットされる。
【0043】
外符号デコーダ152の出力がAUX分離部153に供給され、オーディオAUXが分離される。分離されたオーディオAUXが出力端子154に取り出される。また、オーディオデータが補間部155に供給される。補間部155では、エラーの有るサンプルが補間される。補間方法としては、時間的に前後の正しいデータの平均値で補間する平均値補間、前の正しいサンプルの値をホールドする前値ホールド等を使用できる。補間部155の出力が出力部156に供給される。出力部156は、エラーであり、補間できないオーディオ信号の出力を禁止するミュート処理、並びにビデオ信号との時間合わせのための遅延量調整処理がなされる。出力部156から出力端子157に再生オーディオ信号が取り出される。
【0044】
なお、図1および図2では省略されているが、入力データと同期したタイミング信号を発生するタイミング発生部、記録再生装置の全体の動作を制御するシステムコントローラ(マイクロコンピュータ)等が備えられている。
【0045】
次に、この一実施形態における、磁気テープに対するフットプリントならびにオーディオデータのフォーマットについて説明する。
【0046】
図3〜図5は、この一実施形態による記録再生装置が対応できるオーディオのエラー訂正ブロックの種類を示す。オーディオのエラー訂正ブロックは、大きく分けてフィールド(フレーム)周波数の違いで分類できる。フィールド(フレーム)周波数は、29.97Hz、59.94Hz、25Hz、50Hz、23.976Hzの5種類がある。29.97Hz、25Hz、23.976Hzは、プログレッシブ(ノンインターレス)走査の場合の周波数であり、他の周波数は、インターレス走査である。図3がフィールド(フレーム)周波数29.97Hz/59.94Hzの例であり、図4がフィールド(フレーム)周波数25Hz/50Hzの例である。また、図5がフレーム周波数23.976Hzの例である。
【0047】
プログレッシブ走査のフレーム周期は、インターレスのフィールド周期と同じであるので、ここからは、繁雑さを避けるために、インターレス走査のフレームおよびフィールドは、単にフレームおよびフィールドと呼び、プログレッシブ走査のフレームは、Pフレームと呼ぶ。
【0048】
オーディオの1サンプル当たりのビット数は、各フォーマットで求められる音質の違いにより16ビット、24ビットの2種類がある。図3A、図4Aおよび図5Aが16ビット/サンプルを示し、図3B、図4Bおよび図5Bが24ビット/サンプルである。なお、サンプリング周波数は、全て48KHzとされている。
【0049】
エラー訂正ブロックにおいて、例えば8ビット(1バイト)からなる1シンボル単位でエラー訂正符号化がなされ、横方向の1行がシンクブロックに対応する。SYは、テープ記録上のシンクパターンであって、2バイトが割り当てられる。IDは、シンク番号やセグメント番号ビデオ/オーディオ等、シンクブロックが固有に持っている重要な情報が格納されており、2バイトが割り当てられる。DIDは、オーディオ5FSeq(後述する)情報等のオーディオデータに関する重要な情報が入っており、1バイトが割り当てられる。
【0050】
例えば、59.94Hz、16バイト/サンプルのエラー訂正ブロックは、図1の左上の図となり、1シンクブロックのデータ数119バイトであって、内符号パリティが12バイト、外符号パリティが10バイトであることが分かる。
【0051】
図6は、シンクブロックの構造を示す。また、図7は、シンクブロック中のIDおよびDIDのビットアサインを示す。図6Aにおいて、SYNCは、テープ記録上のシンクパターンであって、2バイト(76B4h:hは16進表記を表す)が割り当てられる。SYNCに続けて、2バイトのIDが配され、112バイト〜189バイトと容量が可変とされたデータ領域が配される。続く12バイトは、パリティであり、内符号パリティが格納される。
【0052】
また、データ領域は、図6Bに示されるように、先頭に1バイトのDIDが配され、続けてオーディオデータが格納される。このデータ領域全体は、ペイロードと称される。
【0053】
ID0は、図7Aの左側に示されるように、シンクブロックの識別番号であるシンクIDが格納される。ID0によって、1トラック上で、オーディオシンクブロックそれぞれに別のIDが割り振られる。ID1は、図7Aの右側に示されるように、セグメント番号やビデオ/オーディオの識別ビットなどが格納される。アジマス番号は、アジマス情報で、〔0〕または〔1〕が入る。Upper/Lowerは、シンクIDの追加情報で、ID0の8バイト、ビデオ/オーディオ識別ビットおよびこのUpper/Lowerで、トラック上のシンクブロックをそれぞれ区別して識別できるようになっている。エディットINは、エディット情報であり、編集の時のIN点で当ビットが〔1〕で記録される。
【0054】
図7Bは、DIDのビットアサインを示す。DID中のNT Seqは、ノントラッキング再生の際に、どのシンクブロックが同一フィールドかを識別するために使われる。データ/オーディオは、非圧縮オーディオデータ以外がオーディオのシンクブロックに格納されている場合に、〔1〕が立てられる。5FSeqは、フレーム(フィールド)周波数が59.94Hz、29.97Hzの場合に発生する5フィールドシーケンスに関する情報が入る。
【0055】
5フィールドシーケンスとは、オーディオデータのサンプリング周波数が48KHzのときに、5フィールドで1周期になるというもので、4004サンプル/5フィールドなので、これを各フィールドに割り当てる時に800、801、801、801、801サンプル/フィールドというように割り当てる。これを5フィールドシーケンスと呼ぶ。
【0056】
図8は、フレーム(フィールド)周波数が29.97Hz、59.94Hzの場合の、1チャンネル、1フィールドのオーディオのエラー訂正ブロックにおけるレイアウトを示す。図8Aは、配置を概略的に示し、図8Bは、より詳細に示す。なお、これは、以下の図9および図10でも同様である。1フィールド当たり800または801サンプルを、偶数番サンプルおよび奇数番サンプルがそれぞれ格納される、2エラー訂正ブロックに分割している。図8中、AUX0、AUX1、AUX2は、AUXデータであり、オーディオに関する補助的なデータが格納される。
【0057】
各枠は、1サンプル分のデータ長に対応し、枠内の数字は、オーディオデータのサンプル順を表すサンプル番号に対応している。また、PVxとあるのは、後述する外符号パリティである。0番〜800番は、オーディオサンプルデータであり、上述したように、5フィールドシーケンスがあり、800または801サンプル/フィールドである。800サンプル/フィールドの場合には、800番には798番に格納される第798番のサンプルがコピーされる。
【0058】
PV0〜PV9は、縦系列の外符号パリティで、10バイトある。外符号番号は、横方向のデータであるシンクブロックをまとめて呼ぶための番号である。1フィールド(1Pフレーム)では、36シンクブロックなので、外符号番号は0〜35になる。
【0059】
図9、図10は、それぞれフレーム(フィールド)周波数が25Hz/50Hz、23.976Hzの場合のオーディオのエラー訂正ブロックにおけるレイアウトである。これらは、総サンプル数の変化に伴うサンプル番号の違い以外は、上述の図8に示した29.97Hz/59.94Hzの場合と同様である。
【0060】
図11〜図14は、各フォーマットにおける、フットプリント上のチャンネルアロケーションの例を示す。フォーマットは、SD1〜SD4とそれぞれ称される4種類である。図11がSD1、図12がSD2、図13がSD3、図14がSD4を示す。各図において、四角は、1セクタを表し、その中のAxは、オーディオのチャンネル番号を表している。また、それぞれの図の右側に記されている「9」や「6」という数字は、1セクタ当たりのシンクブロック数である。
【0061】
例えば、フォーマットSD1の場合には、図11に示されるように、A0〜A3までの4チャンネルが存在し、9[シンクブロック]×2[セクタ/トラック、チャンネル]×4[トラック/フレーム]=72シンクブロック/チャンネル、フレームであることがわかる。つまり、1フィールド当たり、各チャンネルのそれぞれが72/2=36シンクブロックであることがわかる。フォーマットSD2〜SD4も同様に計算すると、1フィールドまたは1Pフレームでは、1チャンネル当たり36シンクブロック/チャンネル、フィールドである。これは、上述の、図8〜図10における1フィールド(1Pフレーム)当たり36外符号番号に対応している。
【0062】
1フィールドまたは1Pフレーム当たりのトラック数が違うのは、ビデオでの圧縮率の違いにより各フォーマットでデータ量が異なり、それに伴って、必要なトラック数が異なるためである。この一実施形態では、オーディオデータは、非圧縮で扱われ、1フィールド(1Pフレーム)当たりのオーディオのデータ量は、常に同じである。そのため、ビデオが必要なトラック数に対応して、オーディオもSD1〜SD4のフォーマットに分かれる。
【0063】
図15は、各フォーマットにおけるオーディオ外符号番号アロケーションを示す。図15Aは、フォーマットSD1の例であり、図15Bは、SD4の例である。また、図15Cは、フォーマットSD2およびSD3に共通する配置である。1チャンネル、1フィールドの外符号番号がセグメント、アジマスに対してどのように配置されているかを示すものである。この図で、四角の中に書かれている番号が外符号番号である。図中の矢印は、ヘッドのトレース方向を示す。また、横方向の1行が1セクタに相当する。例えば、SD1では、1チャンネル、1フィールド分のオーディオデータが2セクタにわたって配置されているのが分かる。
【0064】
これら図15A〜図15Cで分かるように、1フィールド分の36外符号番号は、シャッフルされて順序を並べ替えられて配置される。ヘッドトレースの方向により、左の方が先に記録されることが示されている。例えば、図15Cの、SD3(SD2)の場合には、外符号番号19、18が先頭に記録される。
【0065】
この例では、アジマス0、セグメント0の1セクタは、外符号番号19、21、0、4、8、12、16、23および25の9シンクブロックからなる。この1セクタは、アジマス0、セグメント0であり、これがA0だとした場合、図13に示されるフォーマットSD3のアジマス0、セグメント0のA0に対して、この1セクタが書かれる。また、図15CのフォーマットSD3における外符号番号28、30、1、5、9、13、17、32および34の1セクタは、アジマス1、セグメント1であり、これがA0だとすると、図13のSD3のアジマス1、セグメント1のA0に対して、この1セクタが書かれることになる。
【0066】
次に、この一実施形態における、オーディオデコード処理について説明する。図16は、この記憶再生装置に用いられるデコーダ1の構成の一例を示す。このデコーダ1は、例えば1つのIC(集積回路)内に構成されるものである。また、この構成は、図2における分離回路135ならびにデシャフリング回路151から出力部156までのオーディオ信号処理系の構成に対応する。デコーダ1は、記録時にシャフリングされている再生信号をデシャフリングして元の順序に並べ替える。そして、それぞれAdv、Confと称される、8チャンネルずつ2系統の、合計で16チャンネルのオーディオデータを出力する。
【0067】
タイミング発生ブロック10では、供給された各種信号に基づき、デコーダ1内で必要な各種タイミング信号やコントロール信号、各種情報を生成する。タイミング発生ブロック10で生成されたコントロール信号がRCブロック19に供給される。また、タイミング発生ブロック10で生成された各種情報がデシャフリング部11およびAOTブロック16に供給される。
【0068】
磁気テープ123から再生され、同期検出、内符号訂正およびID補間された再生データがシンクブロック単位でデシャフリング部11に供給される。デシャフリング部11では、チャンネルデシャフリング用RAM14およびシンクデシャフリング用RAM15にそれぞれ格納されたデシャフリングテーブルに基づき、データをSDRAM(Synchronous DRAM)13に書き込む際のアドレスを生成する。このアドレスは、再生データと共に、SDRAMコントローラ12に供給される。再生データは、供給されたアドレスに基づくSDRAMコントローラ12の制御により、元のデータ順に並べ替えられてSDRAM13に書き込まれる。
【0069】
SDRAM13から読み出されたデータは、AOTブロック16に供給され、外符号用RAM17Aおよび17Bを用いて外符号訂正がなされる。また、AOTブロック16では、エラーフラグやAUXデータの抜取りが行われる。外符号訂正された再生データは、ID1およびAUXデータの情報に基づきAdvおよびConfとに分類されると共に、チャンネル毎に分けられて、AOTブロック16から出力される。このとき、2チャンネル分が1本の信号経路とされ、合計で8本の信号が出力される。Adv系統の4本の出力は、レートコンバート用RAM18A〜18Dにそれぞれ供給される。同様に、Conf系統の4本の出力は、レートコンバート用RAM18E〜18Hにそれぞれ供給される。なお、各図中においては、レートコンバート用RAMをRC用RAMと省略して記載してある。
【0070】
レートコンバート用RAM18A〜18Hは、それぞれRCブロック19によって読み出し制御される。また、RCブロック19には、AOTブロック16からコントロール信号が供給され、RCブロック19からAOTブロック16に対してフィールドスタート信号が供給される。RCブロック19の制御に基づき、レートコンバート用RAM18A〜18Hから再生オーディオデータが8ビットパラレルで読み出され、AIFブロック20に供給される。
【0071】
AIFブロック20では、供給された再生オーディオデータをパラレル/シリアル変換して、8チャンネル、2系統のそれぞれの出力データとして出力する。また、AIFブロック20では、必要に応じてオーディオデータの修整やミュート処理などを行う。
【0072】
次に、デコーダ1の各部について、さらに詳細に説明する。タイミング発生ブロック10は、フレーム信号であるTG−フレーム、フィールド信号であるTG−AVSTO、リファレンス5フィールドシーケンスIDであるTG−5F−ID、サンプル区切り信号であるFSを受け取り、デコーダ1の内部で必要なタイミング信号や、コントロール信号、各種情報を生成する。タイミング発生ブロック10は、Advパス番号、Advライトフィールドバンク番号、Confパス番号およびConfライトフィールドバンク番号(後述する)を、コントロール信号としてデシャフリング部11に送る。
【0073】
デシャフリング部11には、内符号訂正された再生データが供給される。この再生データには、外符号訂正は、未だなされていない。そして、チャンネルデシャフリング用RAM14とシンクデシャフリング用RAM15とを利用して、デシャフリングを行い、再生データをSDRAM13に書き込む際のアドレスを生成する。このアドレスに従い再生データをSDRAM12に書き込むことで、再生データのデシャフリング処理がなされる。アドレス情報と再生データとがSDRAMコントローラ12に供給され、SDRAMコントローラ12のアドレス制御により再生データがSDRAM13に対して書き込まれる。
【0074】
チャンネルデシャフリング用RAM14およびシンクでシャフリング用RAM15での処理について、さらに詳細に説明する。この、RAM14および15での処理がこの発明の主旨に係わる部分である。
【0075】
図17〜図19を用いて、SDRAM13のアドレスアサインについて説明する。SDRAM13では、オーディオデータをフィールドで区切って書き込む。1フィールドが格納されるSDRAM13の領域を、フィールドバンクと呼ぶ。この一実施形態では、SDRAM13は、8個のフィールドバンクを有し、8フィールド分のオーディオデータを格納することができる。
【0076】
図17Aは、1つのフィールドバンクに格納されるデータブロックを示す。横方向の1行がシンクブロックであり、シンクブロックを構成するデータの1バイト毎にシンク内バイト番号が付される。シンクブロックは、列方向に並べられ、それぞれに対して外符号番号が付される。SDRAM13のアドレスアサインは、図17Bに示されるように、2ビットのIDに続き、1ビットのConf/Adv値、6ビットの外符号番号、3ビットのフィールドバンク値、3ビットのチャンネル番号および6ビットのシンク内バイト番号の、合計で21ビットから構成される。
【0077】
図18は、SDRAM13上のシンクブロックの構成の一例を示す。シンクブロックは、図18Aに示されるように、SDRAM13上では、PS番号0、PS番号1、AIX0、AIX1、DIDおよびデータから構成される。
【0078】
PS番号は、パス番号の略である。PS番号0、1は、ヘッドクロッグなどで新しいデータがSDRAM13上に書かれなかったときに、そのデータが古いものであることを判別するために使われる。PS番号0、1は、単純に8フィールド毎(SDRAM13のフィールドバンクの周期毎) にインクリメントされる。すなわち、タイミング発生ブロック10から送られた16ビット、0〜65535までの数値がPS番号0、1に格納される。Rsvは、Reservedの略であり、ダミーデータが格納される。
【0079】
図18Bは、AIX0のビットアサインを示す。ビット7および6、ビット4〜ビット0は、Reservedである。ビット5のFabSYNCは、内符号訂正時に、シンクブロック間の距離が乱れたなどの理由により、このシンクブロックが正規のシンクブロックでは無い可能性が高いとされた場合、立てられるビットである。
【0080】
図18Cは、AIX1のビットアサインを示す。Jumpは、例えば記録時と異なる速度で再生する変速再生時に用いられる。変速再生時に、DT(Dynamic Tracking)ヘッドが1フィールド飛んだ時に値が1とされる。TapeDirは、テープ走行方向であり、フォワード時に値1、リバース時に値0とされる。内符号エラーは、内符号訂正の際にエラーとされたシンクブロックの場合に、値が1とされる。
【0081】
なお、DIDは、既に図7で説明したDIDそのものが格納される。
【0082】
SDRAM13に格納されるシンクブロックは、上述の図3〜図5、あるいは図8〜図10における、横方向の1行のデータに対して、上述したPS番号0および1、AIX0および1、ならびにDIDからなる、各付加情報を付加した構成とされる。
【0083】
上述したように、シンクブロックにおいて、バイト毎にシンク内バイト番号が付される。この一実施形態では、SDRAM13は、32ビット幅のものが用いられる。そのため、シンクブロックのデータは、図19に示されるように、4バイト毎にアドレスが設けられる。したがって、SDRAM13上では、シンク内バイト番号の上位6ビット([7:2])でアドレスアサインされる。
【0084】
図18Bに示されるように、SDRAM13のアドレスは、Adv/Conf、外符号番号、フィールドバンクおよびチャンネル番号、シンク内バイト番号を用いて作られ、書き込まれる。Adv/Confは、内符号訂正されたデータがデシャフリング部11に到来する際に、システムによって付された情報に基づき判断する。フィールドバンクは、タイミング発生ブロック10から供給されるAdv/Conf Wrフィールドバンク番号そのものである。
【0085】
シンク内バイト番号において、付加情報についての番号は、番号0〜7までが割り当てられている。一方、データについての番号は、内符号訂正されたデータが供給される際に、値をオフセットしてインクリメントすれば決まる。内符号訂正されたデータに対する付加情報は、図7に示すID0、ID1のみであり、外符号番号およびチャンネル番号の情報は、無い。そこで、ID0、ID1の情報から外符号番号、チャンネル番号を作り出すために、チャンネルデシャフリング用RAM14およびシンクデシャフリング用RAM15を用いる。
【0086】
図20を用いて、チャンネルデシャフリング用RAM14での処理を説明する。先ず、ID0のシンク番号とID1のupper/lowerの情報から、トラック内セクタ番号を生成する。トラック内セクタ番号は、1トラック内におけるオーディオセクタを、ヘッドトレースの順番で番号付けしたものである。
【0087】
ID0は、図21に示されるように、upper/lowerのそれぞれのオーディオセクタにおいて、ヘッドトレース方向に昇順で付されている。したがって、トラック内セクタ番号は、ID1のupper/lowerと、ID0とから求めることができる。図21の例において、ID0が〔24h〕、ID1でupper/lowerが〔1〕であれば、トラック内セクタ番号は〔6〕となる。
【0088】
チャンネルデシャフリング用RAM14には、トラック内セクタ番号とID1のSEG番号とをアドレスとして与えると、返り値としてチャンネル番号が返るようなデシャフリングテーブルが格納されている。デシャフリング部11からチャンネルデシャフリング用RAM14に対して、これらの値がアドレスとして供給され、RAM14から、該当するチャンネル番号が出力される。なお、チャンネルデシャフリング用RAM14に格納されるデシャフリングテーブルは、図示されないシステムコントローラにより書き替えが可能である。データのフォーマットに応じて、このデシャフリングテーブルを書き替えることにより、あらゆるフォーマット変更に対応できる。
【0089】
図22は、チャンネルデシャフリング用RAM14に供給される、トラック内セクタ番号とSEG番号とのビット割り付けの例を示す。図22Aに示されるように、フォーマットSD1〜SD4の各フォーマットのそれぞれで、各値に必要なビット数が異なる。この一実施形態では、図22Bに一例が示されるように、各フォーマットに対するビット割り付けがなされる。
【0090】
図23を用いて、シンクデシャフリング用RAM15での処理を説明する。シンクデシャフリング用RAM15は、チャンネルフィールド内セクタ番号とセクタ内シンク番号をアドレスとして与えると、外符号番号を返り値として返す。チャンネルフィールド内セクタ番号は、アジマス0、1のセクタをペアとして、該当するセクタが同一チャンネル、同一フィールド内で何番目のセクタとなるかを示す番号である。例えば、上述した図21の例では、Seg1の各セクタは、同一チャンネル、同一フィールド内でアジマス0、1のセクタをペアとして数えると、2番目のセクタになる。したがって、0、1、2という数え方で、チャンネルフィールド内セクタ番号1となる。
【0091】
同様に、Seg2は、新しいフィールドの最初のセクタとなるので、チャンネルフィールド内セクタ番号0ということになる。
【0092】
図24は、フォーマットSD1〜SD4の各フォーマットにおける、チャンネルフィールド内セクタ番号、アジマス番号、セクタ内シンク番号および外符号番号のビット割り付けを示す。SD2、SD3のときには、チャンネルフィールド内セクタ番号とSeg番号は、1ビットの同一の値である。また、SD4のときには、チャンネルフィールド内セクタ番号とSeg番号は、2ビットの同一の値である。一方、SD1のときには、上述した図11から分かるように、同一トラック内でもUpper、Lowerで同一チャンネルが入る。そのため、チャンネルフィールド内セクタ番号は、ID1のupper/lowerと同一の1ビットの値である。
【0093】
また、図24において、セクタ内シンク番号は、同一セクタ内でヘッドトレース順に数えて何番めのシンクブロックとなるかを示す番号である。図21の、SD2の例でいうと、1セクタにそれぞれ9シンクブロックあり、セクタ内シンク番号は、ID0の下位4ビットで求められる。上述したように、このようにして求められたチャンネルフィールド内セクタ番号、アジマス番号およびセクタ内シンク番号を、デシャフリング部11からシンクデシャフリング用RAM15に対してアドレスとして与えると、シンクデシャフリング用RAM15からデシャフリング部11に対して、返り値として外符号番号が返される。
【0094】
図25および図26は、上述のようにして外符号番号を求める、より具体的な例を示す。図25Aは、フォーマットSD1の例であり、図25Bは、フォーマットSD4の例である。また、図26は、フォーマットSD2の例である。
【0095】
なお、シンクデシャフリング用RAM15に格納されるデシャフリングテーブルは、図示されないシステムコントローラにより書き替えが可能である。データのフォーマットに応じて、このデシャフリングテーブルを書き替えることにより、あらゆるフォーマット変更に対応できる。
【0096】
図24Bに示されるように、フォーマットSD1〜SD3の場合と、SD4の場合とでは、チャンネルフィールド内セクタ番号とセクタ内シンク番号に必要なビット数が異なる。しかしながら、これらのビット数を足した総必要ビット数は同じなので、アドレスを生成する際に、フォーマットに応じてビット割り付けを変更することで、最終的に必要なビット数が節約される。図示されないシステムコントローラにより、フォーマットに応じたビット割り付けが指示される。
【0097】
このように、チャンネルデシャフリング用RAM14とシンクデシャフリング用RAM15とを使い、デシャフリング部11におけるSDRAM13のアドレス計算に必要な値を求める。求められたアドレスがデータと共にSDRAMコントローラ12に送られる。データは、SDRAM12コントローラ12の制御により、送られたアドレスに従い、SDRAM12に書き込まれる。SDRAM13のアドレスアサインは、Conf/Adv別、フィールドバンク別、チャンネル別、外符号番号別に並べられ整理されてSDRAM13に書かれているので、例えば外符号訂正などの、後の処理が簡単となる。
【0098】
AOTブロック16は、SDRAM13の読み出しの制御、読み出されたデータからのエラーフラグの抜取り、外符号用RAM17Aおよび17Bの制御、外符号訂正、レートコンバート用RAM18A〜18Hの書き込み制御、および、AUXデータの抜取りの機能を有する。
【0099】
図27は、AOTブロック16によってなされるオーディオ処理のタイミングチャートを示す。タイミング発生ブロック10から、フィールド周期のコントロール信号(Fld−Start)が供給される(図27A)。信号Fld−Startは、例えばフィールドの変わり目で出力されるパルス信号である。AOTブロック16では、この信号を基準として各種処理が行われる。なお、以下の説明では、直後に出力される信号Fld−Startから始まるフィールドを新フィールドとし、信号Fld−Start以前のフィールドを旧フィールドとしてこれらを区別する。
【0100】
概略的な処理の流れとしては、上述もしたように、AOTブロック16によってSDRAM13からデータが読み出され、外符号用RAM17Aあるいは17Bに書き込まれる(図27B)。そして、外符号用RAM17Aあるいは17Bに書き込まれたデータに対して外符号訂正が行われる。外符号訂正されたデータは、外符号用RAM17Aあるいは17Bから読み出され(図27C)、レートコンバート用RAM18A〜18Hのうち、該当するものに書き込まれる(図27D)。レートコンバート用RAM18A〜18Hに書き込まれたデータは、所定のクロックに基づき、チャンネル毎に時分割で読み出される。
【0101】
AOTブロック16によって、SDRAM13のフィールドバンクのうち、新フィールドに対応するバンクが計算される。これは、タイミング発生ブロック10から、Adv/Conf RdFldバンク番号として供給される情報に基づき計算される。そして、そのバンクに格納されているデータから、エラーフラグが読み出される。また、そのバンクからデータが読み出され、外符号用RAM17Aあるいは17Bのうち、該当する側に書き込まれる。AOTブロック16によって、SDRAM13から読み出されたエラーフラグを用い、外符号用RAM17Aあるいは17Bに書き込まれたデータに対して、外符号訂正が行われる(図27Bの「A」の部分の処理)。
【0102】
これらの処理を、さらに詳細に説明する。AOTブロック16によって、該当するフィールドバンク番号のSDRAM13のアドレスが指定される。このアドレスは、AOTブロック16からSDRAMコントローラ12に対して送られる。SDRAMコントローラ12では、このアドレスに従いSDRAM13からデータを読み出す。
【0103】
外符号訂正処理は、図27F〜図27Iに示されるように、スロットに分けられ時分割で行われる。なお、この図27では、信号の系統がAdvおよびConfの2系統あるうちの、Advについてのみ、示されている。図27F〜図27Iに「Conf」で示されているのは、Conf系統を処理するスロットであり、Adv、Confが交互に時分割で処理されているのがわかる。
【0104】
スロットは、さらに小さいスロットに分けられる。先ず、チャンネル0の外符号番号が偶数のデータを対象として、Ps番号0および1、AIX0および1、DID、D0〜D11を読む。このとき、AIX1のビット0のエラーフラグは、レジスタに格納しておく。エラーフラグの判定時に、タイミング発生ブロック10から供給されたAdv/Confパス番号と、SDRAM13から読み出されらパス番号を比較して、異なっていたら古いデータが残ってると判断して、それら、古いデータのシンクブロックは、エラーとして扱う。
【0105】
図28は、パス番号(PS番号)の書き込みおよび読み出しの様子を示す。図28Aおよび図28Bは、書き込みの際のチャートである。図28Cおよび図28Dは、読み出しの際のチャートである。SDRAM13に書き込まれるときには、タイミング発生ブロック10からデシャフリング部11に供給されるAdv/Confライトフィールド番号と、パス番号とが比較される。比較結果に基づき、内符号訂正されたデータが供給される度に、該当するフィールドバンク番号のSDRAM13のアドレスに対して、パス番号を付けてデータを書き込む。
【0106】
ここで、1フィールド分全てのシンクブロックデータが来ていれば、全てパス番号は、新しいものに更新される。一方、来てないシンクブロックデータがあると、SDRAM13のその部分は、更新されてないことになる。そのときには、パス番号も更新されず、古い値が入っている。
【0107】
タイミング発生ブロック10からAOTブロック16に対して、SDRAM13から読み出されるべきパス番号情報が供給される。供給されたパス番号と、SDRAM13の該当箇所のパス番号とが異なる場合には、SDRAM13上のデータが更新されていない古いデータであると判断される。図28の例では、バンク2でPs番号297とPs番号298とが混在しており、更新されてないシンクブロックがあることがわかる。
【0108】
このように、更新されていないデータでも、古いデータを主体として、通常どおり外符号訂正されてしまう。これを防ぐために、ある一定以上の未更新シンクブロックがある場合には、通常の外符号訂正を禁止し、古いデータを主体とした外符号訂正が行われるのが防がれる。但し、イレージャ訂正は、可能としておく。この一実施形態では、Ps番号を利用してシンクブロックが更新されたかどうかを判断して、未更新のデータはエラー扱いとする。そして、シンクブロック内のデータD0以降の、外符号パリティが付加されているデータは、一旦、外符号用RAM17Aあるいは17Bに格納される。
【0109】
図29は、外符号用RAM17Aおよび17Bのアドレスアサインの一例を示す。図中でダミーとあるのは、実際には使わないが、アドレスアサイン上発生した意味のない領域である。また、図29において、行方向に付されたバイト番号は、説明のために便宜上、付したもので、バイト単位の番号である。列方向には、外符号番号が付されている。先ず、図27F〜図27Hの、Ch0、Evnと記された部分の処理が行われる。ここでは、チャンネル0の、外符号番号が偶数のデータを対象にして処理が行われる。
【0110】
SDRAM13から読み出されたデータは、例えば外符号用RAM17Aに書き込まれる。すると、図29においてバイト番号0〜11が埋まる。次に、外符号用RAM17Aから、図29の縦方向(列方向)に、1本(すなわち、1バイト番号分)ずつ、外符号用RAM17Aからデータが読み出される。読み出されたデータに対して、上述したレジスタに格納されたエラーフラグが付加される。そして、外符号用RAM17Aから読み出され、エラーフラグが付加されたデータに対して、AOTブロック16によって外符号訂正が行われる。外符号訂正は、図29における12バイト番号分、すなわち列方向に12本分のデータに対して行われる。
【0111】
なお、この一実施形態においては、デコーダ1に対して外符号用RAM17Aおよび17Bとが設けられている。このうち外符号用RAM17Aは、Adv系統に対応し、外符号用RAM17Bは、Con系統に対応している。
【0112】
外符号訂正されたデータは、レートコンバート用RAM18A〜18Hに書き込まれる。図27F〜図27Iを参照し、Adv系列において、チャンネル0の外符号番号が偶数のデータの処理から、チャンネル0の外符号番号が奇数のデータの処理へと続く。同様にして、外符号番号が偶数/奇数が交互に、チャンネル1、2、・・・、7の処理へと続く。このようにして、レートコンバート用RAM18A〜18Hのうち対応するものに、外符号訂正されたデータが格納されていく。この例では、Adv系列のチャンネル0および1、チャンネル2および3、チャンネル4および5、チャンネル6および7の各データがレートコンバータ用RAM18A、18B、18C、18Dに、それぞれ格納される。
【0113】
図30は、レートコンバート用RAM18A〜18Hのアドレスアサインの一例を示す。行方向にバイト番号が付され、列方向が外符号番号に対応している。上述したように、この一実施形態では、1サンプルが16ビットおよび1サンプルが24ビットの、2種類のオーディオデータを扱うようにされている。これら2種類のデータでは、レートコンバート用RAM18A〜18Hに対する格納の方法が互いに異なる。1サンプルが16ビット(2バイト)のデータは、例えばバイト番号0および1というように、バイト番号の2個分が1組とされ、行方向にデータが詰め込まれる。一方、1サンプルが24ビット(3バイト)のデータは、例えばバイト番号0、1および2というように、バイト番号の3個分が1組とされ、行方向にデータが詰め込まれる。
【0114】
また、レートコンバート用RAM18A〜18Hは、バンク0、1および2の3バンクからなる。これらバンク0、1および2のそれぞれは、図29に示す外符号用RAM17Aおよび17Bの、行方向に12本分の、外符号パリティを除いたデータ部分を格納できるようにされている。上述した図27Eにおいて、四角の中に書かれている数字は、このバンク番号を示す。レートコンバート用RAM18A〜18Hは、サイクリックに読み出される。そのため、図27Eに示されるように、バンク番号もサイクリックに、0、1、2、0、1、2、・・・というように切り替えられる。
【0115】
一方、図27Bにおいて、各外符号用RAM17に対する書き込みタイミングを示す線の上に記されている数字(例えば2、0)は、外符号用RAM17Aあるいは17Bに対する書き込み、外符号用RAM17Aあるいは17Bからの読み出し、ならびに、レートコンバート用RAM18A〜18Hに対する書き込み行うバンク番号を示す。レートコンバート用RAM18A〜18Hのそれぞれにおいて、書き込みと読み出しとが時間的に重複しないように制御される。
【0116】
図27Bの「A」の処理の次は、「B」と記された処理に移行する。「B」では、上述のD0〜D11の続きの処理がなされる。すなわち、D12〜D25からなる24バイト番号分が上述と同様にしてSDRAM13から読み出される。読み出されたデータは、外符号用RAM17Aあるいは17Bの、バイト番号24本分全てに対して書き込まれる。そして、そのデータが外符号訂正され、レートコンバート用RAM18A〜18Hの該当するものに書き込まれる。図27の例では、例えばレートコンバート用RAM18Aのバンク0、1に書き込まれる。このようにして、以下、D26〜D49、D50〜D73、・・・と続けて処理され、1フィールド分のデータが処理される。
【0117】
図16に戻り、レートコンバート用RAM18A〜18Hの読み出しは、RCブロック19によって制御される。RCブロック19によってレートコンバート用RAM18A〜18Hからの読み出しが制御され、Adv系統のチャンネル0〜7、Conf系統のチャンネル0〜7の、合計16チャンネルのオーディオデータを時分割でAIFブロック20に供給する。
【0118】
図31は、RCブロック19からAIFブロック20に対するデータ伝送の時分割処理を概略的に示す。なお、この図31では、1サンプルが24ビットのオーディオデータの例について説明する。図31Aに示すサンプルトップ信号は、周波数が48KHzのサンプル周期に対応するFS周期の信号である。このサンプルトップ信号で、図31Bのように伝送されるオーディオデータの、サンプル毎の切れ目を識別する。なお、データは、データおよびエラーフラグとで、ビット幅が9ビットで伝送される。Adv系列およびConf系列の16チャンネル分のデータが時分割多重され伝送される。
【0119】
図31Cおよび図31Dは、図31Aおよび図31Bにおける1FS周期分を、さらに詳細に示す。24ビット/サンプルのデータは、それぞれ8ビットずつのMSB( 最上位バイト)、MDB(中間バイト)およびLSB(最下位バイト)で扱われる。先ず、これらMSB、MDBおよびLSBのそれぞれが、FS周期の256倍の速さのクロック(ck)で、4クロックおきに出力されるようにする。先ず、Adv系列のチャンネル0のデータが出力され、次に、同様にしてAdv系列のチャンネル2、4、6のデータが順に出力され、さらに、Conf系列のチャンネル0、2、4、6のデータが順に出力される。続けて、Adv系列のチャンネル1、3、5、7のデータが順に出力され、さらに続けて、Conf系列のチャンネル1、3、5、7のデータが順に出力される。各チャンネル間は、16クロック分の間隔をとる。このようにして、Adv系列のチャンネル0〜7のデータおよびConf系列のチャンネル0〜7のデータの、合計16チャンネル分のオーディオデータが時分割でAIFブロック20に伝送される。
【0120】
図32は、AIFブロック20の構成の一例を示す。このAIFブロック20では、RCブロック19からパラレルデータとして供給された16チャンネル分を、それぞれのチャンネル毎に、例えばAES/EBUの規格に準じたシリアルデータに変換する。また、このAIFブロック20では、供給されたオーディオデータに付されたエラーフラグに基づくデータ修整、簡易的なミュート処理、変速再生時のフィルタ処理(シャトルフィルタ)および傾斜レベル制御処理などを行う。
【0121】
先ず、図33を用いて、データ修整、簡易ミュートおよびシャトルフィルタの各処理について概略的に説明する。図33において、「×(バツ)」は、本来データがそこにあるべきだが、エラーのために失われてしまったサンプルを示し、「△(三角)」は、実際に補完されたデータを示す。また、「○(丸)」は、正常なサンプルを示す。
【0122】
図33Aは、データ修整処理を示す。データ修整は、このように、エラーデータを、前後のサンプルの平均をとって補完することで行う。図33Bは、簡易ミュート処理を示す。簡易ミュートは、エラーが続くときや、例えばビデオテープレコーダで再生を停止して、ミュートが必要なときに簡易的なミュートを行う。ホールドされている正常データをシフトして、データの値を1/2ずつに減らしていく。これにより、簡易的なミュートが行われる。図33Cは、シャトルフィルタ処理を示す。シャトルフィルタは、記録時と異なる速度で再生するシャトル再生時に、データが飛び飛びになってデータが急峻に変化することによる雑音を低減する。その時点のデータと次のサンプルデータとの平均を求め、結果データを処理サンプルデータとして出力する。
【0123】
図34は、傾斜レベル制御処理を説明するための図である。傾斜レベル制御処理は、ミュートの状態から音を鳴らす際の過渡状態で、急峻な波形にならないようにする。例えば、図34Aに示されるように、立ち上がりで急峻な波形となってしまった場合には、その時点で、「プチッ」というパルス状のノイズが出てしまう。これを防ぐために、データ値に対して徐々に傾斜を付けて、急峻な波形とならないようにする。具体的には、オーディオサンプルの上位側8ビットを、最初8ビットシフトして〔0〕の状態にしておき、徐々にシフト量を減らして2倍ずつ値を大きくしていく。これにより、図34Bに示されるように、傾斜を持ってデータのレベルが制御される。
【0124】
図32において、AIFブロック20に入力されたオーディオデータは、ディレイ回路201に供給されると共に、平均値回路204および205それぞれの第1の入力端、セレクタ制御回路202に供給される。ディレイ回路201は、供給されたデータとエラーフラグとを、1FS周期分(すなわち、1サンプル分)遅延させる。ディレイ回路201で遅延されたデータならびにエラーフラグは、ホールドレジスタ部203、平均値回路204および205それぞれの第2の入力端、傾斜レベル制御回路206、ならびに、セレクタ制御回路202に供給される。
【0125】
エラーフラグは、ホールドレジスタ部203に設けられた、Adv系統のチャンネル0〜7、Conf系統のチャンネル0〜7のレジスタに、それぞれ格納される。
【0126】
セレクタ208には、ディレイ回路201のエラーの無い出力がカレントデータとして供給される。また、ホールドレジスタ部203、平均値回路204および205、ならびに、傾斜レベル制御回路206の出力がそれぞれセレクタ208に供給される。セレクタ208は、エラーフラグの状態に基づき、セレクタ制御回路202によって選択入力端の選択を制御され、オーディオデータに対する処理の選択がなされる。
【0127】
エラーフラグがあり、データ修整処理が必要な場合には、平均値回路204において、ホールドレジスタ部203の出力と、RCブロック19から直接的に供給されたデータとから平均値を算出し、その結果を修整データとして用いる。
【0128】
簡易ミュートが必要な場合には、ホールドレジスタ部203でホールドされているホールドデータを出力した後、1/2回路207でデータシフトして、データ値を1/2にする。そして、そのデータをホールドレジスタ部203に格納するというように、再帰的にホールドデータを1/2づつ減少させて、簡易ミュートとする。
【0129】
シャトルフィルタ処理は、カレントデータとRCブロック19から供給されたデータとの平均値を、平均値回路205で常に計算し、この結果を用いることでなされる。
【0130】
傾斜レベル制御回路206は、必要に応じて入力データの上位側の8ビットのシフト量を制御して、傾斜レベル制御を行う。例えば、プレイボタンが押されるなどしてミュート処理が解除されたときに、この傾斜レベル制御回路206による制御が行われる。例えば、セレクタ208によってホールドレジスタ部203が選択され、ミュート処理が簡易ミュート処理によって行われる。ミュートが解除されると、セレクタ208によって傾斜レベル制御回路206が選択され、傾斜レベル制御が開始される。傾斜レベル制御によって、無音状態から有音状態へと徐々に立ち上げられる。
【0131】
図35を用いて、傾斜レベル制御の方法を説明する。図35Aおよび図35Bにおいて、左側が時間的により先に入力されたサンプルである。「h」は、表記が16進表記であることを示す。入力および出力データは、16進表記の4桁のうち、上位2桁が上位側8ビットを、下位2桁が下位側8ビットをそれぞれ示す。
【0132】
図35Aは、1サンプル毎にビットシフト量を1ずつ減らし、信号レベルを2倍ずつ増加させるように制御する例である。入力データの最初のサンプルは、上位側の8ビットが8ビット分シフトされ、値が〔0〕とされる。これにより、このサンプルは、殆ど無音の状態とされる。ここから徐々にシフト量を減らしていくことで、徐々にデータ値が大きくなり、音が立ち上がっていく傾斜レベル制御がなされる。
【0133】
この例では、入力データ(上段)の最初のサンプルの値〔5040h〕は、上位側8ビット〔50〕が8ビットシフトされて〔00〕とされる。したがって、出力データは、その下段に示されるように、〔0040h〕となる。次のサンプルの値〔4068h〕は、上位側8ビット〔40〕が7ビットシフトされて〔00〕とされ、出力データが〔0068h〕となる。以下同様にして、例えば5番目のサンプルの値〔1045h〕は、上位側8ビット〔10〕が4ビットシフトされて〔01〕とされ、〔0145h〕となる。9番目以降のサンプルは、ビットシフトされず、入力データがそのまま出力される。
【0134】
なお、このようなビットシフトは、例えば、8ビットパラレルロードが可能なシフトレジスタを2個用いた構成で、容易に実現可能である。すなわち、一方を上位側8ビット、他方を下位側8ビット用とする。上位側8ビットが入力されるシフトレジスタを、サンプルに合わせて所定のビット数だけ右シフトする。下位側8ビット用のシフトレジスタではシフト処理を行わない。そして、上位側および下位側のシフトレジスタの出力をラッチして、16ビットパラレル出力する。もちろん、この構成に限らず、他の構成でも実現可能である。
【0135】
図35Aの例では、このように、傾斜レベル制御回路206において、制御が開始されてから8サンプルかけて1ビットずつビットシフト量を減らされる。急峻な波形にはならないため、雑音とはならない。また、この例に限らず、例えば図35Bに示されるように、2サンプル毎に信号レベルを2倍ずつ増加させるようにもできる。ビットシフトされる周期が変化し、レベルの傾斜量が変わってより緩やかにレベル制御が行われる。
【0136】
なお、この一実施形態では、1サンプル当たり16ビットのデータに対して、上位側8ビットのみを処理の対象にしている。下位8側ビットは、例えばデータをD/A変換してアナログオーディオ信号とした際には、微小なレベルに相当し、雑音の原因にはなりにくい。上位側8ビットだけを処理の対象とすることで、回路が簡単になる。回路構成が簡単なので、このように、AIFブロック20の構成の一部として、例えばデータ修整を行う構成と共に組み込むことが可能とされる。
【0137】
セレクタ制御回路202では、エラーフラグの状況を監視して、その状況に基づき、ホールドレジスタ部203、平均値回路204および205、傾斜レベル制御回路206、ならびに、ディレイ回路201の各出力を選択する。これにより、簡易ミュート処理、データ修整処理、シャトルフィルタ処理、傾斜レベル制御処理および無処理(カレントデータ)の選択を適切に行う。
【0138】
レジスタ群209は、Adv系統のチャンネル0/1、2/3、4/5、6/7、ならびに、Conf系統のチャンネル0/1、2/3、4/5、6/7にそれぞれ対応した8つのレジスタを有している。セレクタ208から時分割で供給されたオーディオデータは、一旦、レジスタ群209の対応するレジスタにそれぞれ格納される。そして、レジスタ群209のレジスタのそれぞれから出力されたオーディオデータは、P/Sレジスタ群210に送られ、レジスタをシフトさせてパラレル/シリアル変換が行われる。そして、系統およびチャンネル毎に、シリアルデータとされたオーディオデータが出力される。なお、データは、2チャンネル毎に1本の信号として出力される。
【0139】
なお、上述では、この発明がディジタルビデオテープレコーダVTRに対して適用されるように説明したが、これはこの例に限定されない。この発明は、例えばディジタルオーディオデータの記録再生のみを行う、オーディオ記録再生装置に対して適用することができる。また、この発明においては、記録ならびに再生も必須の構成ではなく、特に記録再生を行わないディジタルオーディオ機器にも適用可能なものである。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、入力データが上位側8ビットを最初8ビットシフトされた後、サンプル毎にビットシフト量を減らされるように制御されるため、オーディオ信号の立ち上がり時にも波形が急峻にならず、オーディオ信号のミュート解除時の雑音を無くせる効果がある。
【0141】
また、この発明によれば、ディジタルオーディオデータの傾斜レベル制御を、ビットシフトによって行っているため、回路構成が簡単になる効果がある。
【0142】
さらに、回路構成が簡単になるため、例えばエラー訂正デコーダに内蔵されている、データ修整回路と同一のブロックに傾斜レベル制御を行う回路を容易に組み込むことができる。そのため、オーディオ処理専用のICなどが組み込まれていないような、例えばカメラ一体型ビデオテープレコーダにおいても、オーディオ信号の傾斜立ち上げが可能になるという効果がある。
【0143】
さらに、この一実施形態によれば、傾斜立ち上げ処理の際の傾斜量は、ビットシフトする周期を変えるだけで容易に実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の記録側の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態の再生側の構成を示すブロック図である。
【図3】この一実施形態による記録再生装置が対応できるオーディオのエラー訂正ブロックの種類を示す略線図である。
【図4】この一実施形態による記録再生装置が対応できるオーディオのエラー訂正ブロックの種類を示す略線図である。
【図5】この一実施形態による記録再生装置が対応できるオーディオのエラー訂正ブロックの種類を示す略線図である。
【図6】シンクブロックの構造を示す略線図である。
【図7】シンクブロック中のIDおよびDIDのビットアサインを示す略線図である。
【図8】フレーム(フィールド)周波数が29.97Hz、59.94Hzの場合の、1チャンネル、1フィールドのオーディオのエラー訂正ブロックにおけるレイアウトを示す略線図である。
【図9】フレーム(フィールド)周波数が25Hz/50Hzの場合のオーディオのエラー訂正ブロックにおけるレイアウトを示す略線図である。
【図10】フレーム周波数が23.976Hzの場合のオーディオのエラー訂正ブロックにおけるレイアウトを示す略線図である。
【図11】フォーマットSD1における、フットプリント上のチャンネルアロケーションの例を示す略線図である。
【図12】フォーマットSD2における、フットプリント上のチャンネルアロケーションの例を示す略線図である。
【図13】フォーマットSD3における、フットプリント上のチャンネルアロケーションの例を示す略線図である。
【図14】フォーマットSD4における、フットプリント上のチャンネルアロケーションの例を示す略線図である。
【図15】各フォーマットにおけるオーディオ外符号番号アロケーションを示す略線図である。
【図16】この発明によるオーディオデコーダの構成の一例を示すブロック図である。
【図17】SDRAMのアドレスアサインを説明するための略線図である。
【図18】SDRAMのアドレスアサインを説明するための略線図である。
【図19】SDRAMのアドレスアサインを説明するための略線図である。
【図20】チャンネルデシャフリング用RAMでの処理を説明するための略線図である。
【図21】トラック内セクタ番号を求める方法について説明するための略線図である。
【図22】チャンネルデシャフリング用RAMに供給される、トラック内セクタ番号とSEG番号とのビット割り付けの例を示す略線図である。
【図23】シンクデシャフリング用RAMでの処理を説明するための略線図である。
【図24】各フォーマットでのチャンネルフィールド内セクタ番号、アジマス番号、セクタ内シンク番号および外符号番号のビット割り付けを示す略線図である。
【図25】外符号番号を求めるより具体的な例を示す略線図である。
【図26】外符号番号を求めるより具体的な例を示す略線図である。
【図27】AOTブロックでのオーディオ処理のタイミングチャートである。
【図28】パス番号の書き込みおよび読み出しの様子を示す略線図である。
【図29】外符号用RAMのアドレスアサインの一例を示す略線図である。
【図30】レートコンバート用RAMのアドレスアサインの一例を示す略線図である。
【図31】RCブロックからAIFブロックに対するデータ伝送の時分割処理を概略的に示す略線図である。
【図32】AIFブロックの構成の一例を示すブロック図である。
【図33】データ修整、簡易ミュートおよびシャトルフィルタの各処理を概略的に説明するための略線図である。
【図34】傾斜レベル制御処理を説明するための略線図である。
【図35】傾斜レベル制御処理を説明するための略線図である。
【符号の説明】
1・・・デコーダ、11・・・ デシャフリング部、13・・・SDRAM、14・・・チャンネルデシャフリング用RAM、15・・・シンクデシャフリング用RAM、16・・・AOTブロック、17A,17B・・・外符号用RAM、18A〜18H・・・レートコンバート用RAM、19・・・RCブロック、20・・・AIFブロック、133・・・内符号デコーダ、124・・・ID補間回路、151・・・デシャフリング回路、152・・・外符号デコーダ、201・・・ディレイ回路、202・・・セレクタ制御回路、203・・・ホールドレジスタ部、204・・・平均値回路、205・・・平均値回路、206・・・傾斜レベル制御回路、208・・・セレクタ、209・・・レジスタ群、210・・・P/Sレジスタ群
Claims (3)
- ディジタルオーディオ信号を処理するオーディオ信号処理装置において、
無音状態から有音状態への立ち上げ時に、入力されたオーディオデータの上位側ビットだけを下位側にビットシフトし、上記ビットシフトの量を上記立ち上げ時から時間と共に減らしていくことで上記オーディオデータのレベルに傾斜を付けることを特徴とするオーディオ信号処理装置。 - ビデオデータおよびオーディオデータをそれぞれ積符号を用いたエラー訂正符号化して記録媒体に記録し、記録媒体に記録されたビデオデータおよびオーディオデータを再生するようにされた映像信号記録再生装置において、
入力されたビデオデータおよびオーディオデータに対して、それぞれ積符号を用いたエラー訂正符号化を行い、ID情報および同期信号を付加して記録媒体に記録する記録手段と、
上記記録媒体に記録された上記ビデオデータおよびオーディオデータを再生し、再生された該ビデオデータおよびオーディオデータに対して、それぞれ上記同期信号および上記ID情報に基づき、上記積符号によるエラー訂正符号化の復号化を行う再生手段と、
上記再生手段によって再生された上記オーディオデータの、無音状態から有音状態への立ち上げ時に、上記オーディオデータの上位側ビットだけを下位側にビットシフトし、上記ビットシフトの量を上記立ち上げ時から時間と共に減らしていくことで上記オーディオデータのレベルに傾斜を付ける手段と
を有することを特徴とする映像音声記録再生装置。 - ディジタルオーディオ信号を処理するオーディオ信号処理方法において、
無音状態から有音状態への立ち上げ時に、入力されたオーディオデータの上位側ビットだけを下位側にビットシフトし、上記ビットシフトの量を上記立ち上げ時から時間と共に減らしていくことで上記オーディオデータのレベルに傾斜を付けることを特徴とするオーディオ信号処理方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP34159798A JP4193256B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | オーディオ信号処理装置および方法、ならびに、映像音声記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34159798A JP4193256B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | オーディオ信号処理装置および方法、ならびに、映像音声記録再生装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000174578A JP2000174578A (ja) | 2000-06-23 |
| JP4193256B2 true JP4193256B2 (ja) | 2008-12-10 |
Family
ID=18347320
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34159798A Expired - Lifetime JP4193256B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | オーディオ信号処理装置および方法、ならびに、映像音声記録再生装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4193256B2 (ja) |
-
1998
- 1998-12-01 JP JP34159798A patent/JP4193256B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000174578A (ja) | 2000-06-23 |
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