JP4196960B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、エンジンの出力軸にキャリアが接続されると共に車軸に連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、プラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、駆動軸に接続された第2モータとを備え、エンジンからの排ガスを浄化する浄化装置が有する触媒を暖機するためにエンジンの点火時期を大幅に遅らせるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、触媒暖機運転を行なっている最中に第1モータのトルクが所定値未満になったときには点火時期の調整の異常が生じていると判定する。
特開2004−251178号公報
上述の動力出力装置では、触媒暖機運転を行なう際にはエンジンの運転を安定させる必要からアイドリング回転数より少し高い回転数で若干のトルクが出力されるようエンジンを運転する。このため、エンジンに負荷を作用させるために第1モータに発電トルクを作用させる。こうした触媒暖機運転を何らかの事情により第1モータに対して負荷制限が課されているときに実行すると、第1モータの発電トルクが制限されることにより、エンジンが吹き上がり第1モータが過回転となる虞が生じる。特に外気が低温のときには空気密度が高くなるためにエンジンからのトルクが常温時より大きくなるため、第1モータが過回転する可能性が高くなる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法は、内燃機関をその排ガス浄化装置の暖機を促進するよう運転している際に内燃機関からの動力を用いて発電する電動機が過回転するのを抑制することを目的とする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
排ガス浄化用の触媒を有する浄化装置が取り付けられ前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な第1電動機と、
前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、
前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
前記内燃機関を始動したときに前記浄化装置の暖機が完了していないときには、前記第1電動機の制御状態に基づいて前記浄化装置の暖機が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、排ガス浄化用の触媒を有する浄化装置が取り付けられ駆動軸に動力を出力可能な内燃機関を始動したときに浄化装置の暖機が完了していないときには、内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な第1電動機の制御状態に基づいて浄化装置の暖機が行なわれるよう内燃機関と第1電動機と駆動軸に動力を出力可能な第2電動機とを制御する。これにより、浄化装置の暖機を行なっている最中に第1電動機が過回転するのを抑制することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記第1電動機の制御状態として該第1電動機の負荷制限が不要な状態のときには前記浄化装置の暖機を促進するための暖機用運転状態となるよう前記内燃機関を制御し、前記第1電動機の制御状態として該第1電動機の負荷制限が必要な状態のときには前記暖機用運転状態とは異なる通常運転状態となるよう前記内燃機関を制御する手段であるものとすることもできる。即ち、第1電動機の負荷制限が必要な状態のときには浄化装置の暖機を促進する運転を行なわないのである。これにより、第1電動機が過回転するのを防止することができる。この場合、前記通常運転状態は前記内燃機関の点火時期を通常の点火時期の範囲内で行なう運転状態であり、前記暖機用運転状態は前記通常運転状態における点火時期より遅いタイミングの点火時期として点火する運転状態であるものとすることもできる。更にこの場合、前記暖機用運転状態は、前記第1電動機の発電を伴う運転状態であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段を備え、前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、要求駆動力に基づく駆動力を駆動軸に出力することができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段を備えるものとすることもできる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、排ガス浄化用の触媒を有する浄化装置が取り付けられ前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な第1電動機と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記内燃機関を始動したときに前記浄化装置の暖機が完了していないときには、前記第1電動機の制御状態に基づいて前記浄化装置の暖機が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、浄化装置の暖機を行なっている最中に第1電動機が過回転するのを抑制することができる効果と同様の効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
排ガス浄化用の触媒を有する浄化装置が取り付けられ駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な第1電動機と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記内燃機関を始動したときに前記浄化装置の暖機が完了していないときには、前記第1電動機の制御状態に基づいて前記浄化装置の暖機が行なわれるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する
ことを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、排ガス浄化用の触媒を有する浄化装置が取り付けられ駆動軸に動力を出力可能な内燃機関を始動したときに浄化装置の暖機が完了していないときには、内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な第1電動機の制御状態に基づいて浄化装置の暖機が行なわれるよう内燃機関と第1電動機と駆動軸に動力を出力可能な第2電動機とを制御するから、浄化装置の暖機を行なっている最中に第1電動機が過回転するのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化するための三元触媒が内蔵された浄化装置134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。例えば、エンジンECU24には、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,エンジン22の負荷としての吸入空気量を検出するバキュームセンサ148からの吸入空気量などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が図示しない出力ポートを介して出力されている。例えば、エンジンECU24からは、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にエンジン22を始動して浄化装置134の触媒を暖機する際の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される暖機時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22が始動されて浄化装置134の触媒の暖機が完了するまで所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
暖機時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。
そして、モータMG1に駆動制限がなされているか否かを判定する(ステップS120)。モータMG1の駆動制限は、モータMG1やその駆動回路としてのインバータ41が高温のときやモータMG1に何らかの異常が生じているときなどに行なわれ、例えば、50%や70%などのように負荷率制限として行なわれる。このようなモータMG1の駆動制限がなされていないときには、エンジン22の点火時期を通常より大幅に遅らせた触媒暖機用点火時期で行なうようエンジンECU24に送信し(ステップS130)、エンジン22の目標回転数Ne*にアイドリング回転数より若干高い暖機用回転数Nsetを設定すると共に目標トルクTe*に暖機が促進されるよう若干の値として定められた暖機用トルクTsetを設定する(ステップS140)。ここで、暖機用回転数Nsetとしては、例えば1200rpmや1300rpmなどを用いることができる。また、暖機用トルクTsetとしては、例えば、暖機用回転数Nsetでエンジン22を運転したときにエンジン22から出力可能な最大トルクの5%や10%などのトルクを用いることができる。このように、暖機用トルクTsetを設定するのは、触媒暖機を促進する他にエンジン22を安定して運転するためでもある。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS180)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2に減速ギヤ35のギヤ比Grを乗じたリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS190)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS200)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS210)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図5の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS220)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。このとき、エンジンECU24は、前述したように、触媒暖機用点火時期による点火を受信しているから、エンジン22の点火時期を通常より大幅に遅らせた点火時期による点火制御を実行する。こうした点火時期を大幅に遅らせた点火制御を実行することにより、浄化装置134の触媒を迅速に暖機することができる。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。これにより、要求トルクTr*に基づくトルクを駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力することができる。
一方、ステップS120でモータMG1の駆動制限がなされているときには、エンジン22の点火を通常の点火時期で行なうようエンジンECU24に送信し(ステップS160)、要求トルクTr*にリングギヤ32の回転数Nrを乗じてロスを加えたもの(要求パワーPe*)をエンジン22を効率よく運転して出力可能な運転ポイント(回転数とトルク)をエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに設定する(ステップS170)。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。こうして目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定すると、設定した目標回転数Ne*や目標トルクTe*を用いて上述したステップS180〜S210の処理と同様にモータMG1のトルク指令Tm1*とモータMG2のトルク指令Tm2*とを設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS220)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、通常の点火時期でエンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*の運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
このように、モータMG1の駆動制限がなされているときには、触媒暖機運転を行なわないから、エンジン22から出力されるトルクに見合うトルクをモータMG1から出力する必要がない。即ち、外気が低温のときに空気密度が高いことにより触媒暖機運転をしているエンジン22から通常時より高いトルクが出力され、このトルクに見合うトルクをモータMG1から出力できないことによりモータMG1が高回転で回転することがない。この結果、モータMG1が過回転するのを防止することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG1の駆動制限がなされているときには、エンジン22の触媒暖機運転を行なわないから、エンジン22から出力されるトルクに基づいてモータMG1が過回転するのを防止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1の駆動制限がなされているときには、エンジン22の触媒暖機運転を行なわないものとしたが、モータMG1の駆動制限の程度に応じたエンジン22の触媒暖機運転を行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、触媒暖機運転としてエンジン22の点火を通常の点火時期から大幅に遅らせた点火時期として行なうものとしたが、点火時期を遅らせる程度は大幅でなくても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、触媒暖機運転としてエンジン22が暖機用回転数Nsetと暖機用トルクTsetの運転ポイントで運転するものとしたが、要求トルクTr*に応じてエンジン22から出力されるパワーが変更されるよう暖機用回転数Nsetと暖機用トルクTsetを変更するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1の駆動制限がなされているときには、エンジン22の触媒暖機運転に代えて、通常の点火時期とすると共に主として要求トルクTr*とリングギヤ32の回転数Nrとの積による要求パワーPe*をエンジン22から効率よく出力するようエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとしたが、エンジン22から要求パワーPe*を出力しないもの、例えば、エンジン22から一定のパワーが出力されるよう運転するものとしたりエンジン22をアイドル運転するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される暖機時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 バキュームセンサ、150 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (4)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    排ガス浄化用の触媒を有する浄化装置が取り付けられ前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を用いて発電可能な第1電動機と、
    前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、
    前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記内燃機関を始動したときに前記浄化装置の暖機が完了していないとき、前記第1電動機の制御状態として該第1電動機の負荷制限が不要な状態のときには前記内燃機関の運転状態が前記第1電動機の発電を伴って前記浄化装置の暖機を促進する暖機用運転状態となると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御し、前記第1電動機の制御状態として該第1電動機の負荷制限が必要な状態のときには前記内燃機関の運転状態が前記暖機用運転状態とは異なる通常運転状態となると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項記載の動力出力装置であって、
    前記通常運転状態は、前記内燃機関の点火時期を通常の点火時期の範囲内で行なう運転状態であり、
    前記暖機用運転状態は、前記通常運転状態における点火時期より遅いタイミングの点火時期として点火する運転状態である
    動力出力装置。
  3. 前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段を備える請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる自動車。

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