JP4200340B2 - 樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主として脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体とからなる樹脂組成物およびその成型品に関する。
【0002】
本発明に係る主として脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体からなる樹脂組成物は、流動性、成形性に優れ、射出成型品、押し出し成型品、インフレーション成形品、真空圧空成型品、ブロー成型品、繊維、マルチフィラメント、モノフィラメント、ロープ、網、織物、編み物、不織布、フィルム、シート、ラミネート、容器、発泡体、各種部品その他の成型品を得るのに好適であり、得られる成形品は十分な機械的強度と耐熱性を有すると共に、土中、活性汚泥中、コンポスト中で容易に微生物により分解される。
このため、包装材料、農業、漁業、食品分野その他のリサイクルが困難な用途に広く利用できる。たとえば、包装材料分野では、フィルムとして各種包装が可能で、ヒートシールも可能である。農業分野では土壌表面を被覆して土壌の保温を行うマルチフィルム、植木用の鉢や紐、または肥料のコーティング材料などに利用でき、あるいは漁業分野では釣糸、魚網に、さらには医療分野の医療用材料、生理用品などの衛生材料として利用できる。
【0003】
【従来の技術】
近年、地球的規模での環境問題に対して、自然環境の中で分解する高分子素材の開発が要望されるようになり、その中でも特に微生物によって分解されるプラスチックは、環境適合性材料や新しいタイプの機能性材料として大きな期待が寄せられている。
【0004】
従来より、脂肪族エステル構造を持つ重合体に生分解性があることはよく知られており、微生物によって生産されるポリ−3−ヒドロキシ酪酸エステル(PHB)、合成高分子であるポリカプロラクトン(PCL)、コハク酸およびブタンジオールを主成分とするポリブチレンサクシネート(PBS)および発酵により生産されるL乳酸を原料としたポリ乳酸(PLLA)等が代表的なものである。また、本発明者らは、特開平7−53693および特開平7−53695号公報に記載の高い熱安定性を有する、流動性、成型性に優れ、充分な機械的強度を有する生分解性ポリエステルカーボネートおよびその製造方法を開発した。
【0005】
一方、オキシメチレン構造を持つ重合体は、脂肪族エーテル型のポリマーであり、主として石油に依存しない原料であるメタノールから誘導され、将来的には炭酸ガスからの製造も期待されるポリマーであり環境負荷の低い材料と考えられている。剛性等の機械的特性も高く、エンジニアリングプラスチックとして使用される優れた材料である。従来より低分子量体については生分解性を有する可能性が指摘されておりまた、低燃焼熱である特徴も有しているが、伸びが低いためフィルム等への成型性が悪く、環境中での生分解性も未確認でありその改良、確認が望まれていた。
ポリアセタールに生分解性を付与する試みが、特開平5−43772号公報に開示されている。しかしながら、生分解性を付与するために、脂肪族ポリエステルおよび/または芳香族ポリエステルとホルムアルデヒドを添加しており、製造過程で分子量低下を伴い、微生物による分解よりも加水分解による分解が中心の分解挙動となる。さらに、上記特開平5−43772号公報において使用されている脂肪族ポリエステルについては、ポリアセタールとの相溶性が低く、また機械的強度が不十分な樹脂を使用しているため、得られた樹脂組成物は均一性に欠け、物性も満足のいくものでなかった。
【0006】
また、脂肪族エステル構造を持つ重合体はポリ乳酸を除くと、一般にポリエチレン類似の物性を有する成型性・生分解性の良好なポリマーである。しかし、比較的剛性が要求される分野や引張強度が要求される分野では、十分な強度を持たない。剛性を改善するためには、タルク等の充填材の使用により改善は可能であるが、流動性の低下等の問題があり流動性を低下させない剛性の改良も望まれていた。さらに、耐熱性も低く特に、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンではその改善が望まれていた。
【0007】
以上のように、既存のプラスチックはそれぞれ特徴を有する反面、不十分な部分が多く、強度、耐熱性、成型性、生分解性のバランスの取れたプラスチックの開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、実用上十分な耐熱温度を有し、成形性、耐溶剤性、生分解性および高い機械的強度を有する、脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体とからなる樹脂組成物およびその成型品を提供することにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、剛性、靭性、耐熱性、引張強度が高いオキシメチレン構造を持つ重合体と、柔軟性が高く耐加水分解性、生分解性の高い脂肪族エステル構造を持つ重合体とを混合することにより、実用上の使用に十分な熱変形温度を有し、成型性、耐熱性、耐溶剤性と機械的強度を有する樹脂組成物が得られることを見いだすとともに、充分な生分解性を持つことを見出した。中でも、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートおよび脂肪族ポリエステルカーボネートがオキシメチレン構造を持つ重合体との相溶性が高く、得られた樹脂組成物中のオキシメチレン構造を持つ重合体の結晶化度を低下させることにより、十分な生分解性を発現するとともに、機械物性の優れた樹脂組成物が得られることを見出し本発明に至った。
【0010】
すなわち本発明は、脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体からなる樹脂組成物およびその成型品に関する。
さらに詳しくは、脂肪族エステル構造を持つ重合体が脂肪族ポリエステルカーボネート及び/または脂肪族ポリエステルであり、脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体の混合比が、重量比(脂肪族エステル構造を持つ重合体/オキシメチレン構造を持つ重合体)で99/1〜1/99である、熱変形温度が80度以上、引張伸度が10%以上で曲げ強度が25MPa以上、アイゾット衝撃値が4KJ/m2 以上である樹脂組成物および成型品に関するものである。
【0011】
【発明実施の形態】
本発明における脂肪族エステル構造を持つ重合体としては、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸エステル(PHB)、ポリカプロラクトン(PCL)、コハク酸およびブタンジオールを主成分とするポリブチレンサクシネート(PBS)またはポリブチレンサクシネート・アジペート、L乳酸を主原料としたポリ乳酸(PLLA)等の脂肪族ポリエステルや、脂肪族ポリエステルカーボネート等例示される。中でも、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートおよび脂肪族ポリエステルカーボネートが特に好ましい。
【0012】
本発明における脂肪族ポリエステルカーボネートとは、(1)脂肪族2塩基酸および/またはその誘導体と脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/またはヒドロキシカルボン酸化合物とを反応させて得られる数平均分子量10,000以下の脂肪族ポリエステルオリゴマーと、(2)カーボネート化合物とを反応させて得られるカーボネート単位含有量が少なくとも5モル%以上であり、重量平均分子量が少なくとも100,000で、温度190℃、荷重60kgにおける溶融粘度が2,000〜50,000ポイズで、融点が70〜180℃であることを特徴とする。
【0013】
本発明による脂肪族ポリエステルカーボネートの製造法は、脂肪族2塩基酸および/またはその誘導体と脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/またはヒドロキシカルボン酸化合物とから脂肪族ポリエステルオリゴマーを得る第1工程、と脂肪族ポリエステルオリゴマーとカーボネート化合物を反応させ脂肪族ポリエステルカーボネートを得る第2工程とから構成される。
【0014】
第1工程は、触媒の存在下、温度100〜250℃で、反応に伴って副生する水及び過剰のジヒドロキシ化合物を除去しながら、数平均分子量10,000以下のポリエステルオリゴマーを製造する工程である。反応を促進する目的で300mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0015】
第2工程は、第1工程で得られたポリエステルオリゴマーとカーボネート化合物を反応させて高分子量体とする工程であり、触媒の存在下、通常150〜250℃で行われ、反応に伴って副成するヒドロキシ化合物が除去される。カーボネート化合物の沸点によっては反応初期には加圧とする。減圧度を調節して最終的には3mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0016】
脂肪族ポリエステルカーボネート中のカーボネート単位含有量は、脂肪族ポリエステルオリゴマーの末端水酸基量を制御することにより所望の割合とすることができる。カーボネート単位含有量が多すぎると、得られる脂肪族ポリエステルカーボネートの融点が低くなり、実用的耐熱性を有するポリマーが得られない。一方、カーボネート単位含有量が多くなると微生物による分解性が高くなる。従って、カーボネート単位含有量は、適度の生分解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現し得る量とすることが好ましく、本発明においては脂肪族ポリエステルカーボネート中のカーボネート単位含有量を、少なくとも5モル%以上、通常5〜30モル%とすることが好ましい。
【0017】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造に用いられる脂肪族2塩基酸としては、コハク酸が必須成分として使用され、それ以外に例えば、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、アゼライン酸等を適宜併用することができる。なお上記の脂肪族2塩基酸はそれらのエステルあるいは酸無水物であってもよい。
【0018】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造に用いられる脂肪族ジヒドロキシ化合物は、1,4−ブタンジオールが必須成分として使用され、それ以外に例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等を適宜併用することができる。
【0019】
本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸化合物としては、乳酸、グリコール酸、β−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシ吉草酸等が例示され、これらはエステル、環状エステル等の誘導体でも使用できる。
【0020】
これらの脂肪族2塩基酸、脂肪族ジヒドロキシ化合物およびヒドロキシカルボン酸化合物は、それぞれ単独であるいは混合物として用いることができ所望の組合せが可能であるが、本発明においては適度の生分解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現し得る程度の高い融点のものが好ましい。従って、本発明においては、脂肪族ジヒドロキシ化合物として1,4−ブタンジオール、脂肪族2塩基酸としてコハク酸を、それぞれ50モル%以上含むことが必要である。
【0021】
また、本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造に用いられるカーボネート化合物の具体的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネートなどのジアリールカーボネートを、また、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジオクチルカーボネート等の脂肪族カーボネート化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。また、上記の同種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物の他に、異種のヒドロキシ化合物からなる非対称カーボネート化合物や環状カーボネート化合物も使用できる。
【0022】
本発明において、オキシメチレン基を持つ重合体として、一般に市販されているポリアセタール樹脂および/またはポリアセタール・コポリマー樹脂が使用されるが、好ましくは、トリオキサンとトリオキサンに対し0.1〜20重量%の1種あるいは2種以上の環状ホルマールおよび/または環状エーテルとを重合させた、190度、剪断応力1.47×106 dyn/cm2 下での見かけの溶融粘度が100〜30000poise の範囲で、200℃で3分間保持した後、148℃に冷却した際の2分の1の結晶化時間が15秒以上であるオキシメチレン共重合体である。
【0023】
さらに詳しくは、(1)トリオキサンと環状ホルマールおよび/または環状エーテルの1種あるいは2種以上とを三フッ化ホウ素あるいはその配位化合物を触媒として共重合し、(2)3級ホスフィン化合物に代表される停止剤またはその有機溶媒溶液と混合し、(3)しかる後に10メッシュ(ASTM)篩、20メッシュ(ASTM)篩および60メッシュ(ASTM)篩通過率がそれぞれ100%、90%以上および60%以上に70℃以下の温度を保ちつつ粉砕することで反応を停止させ、(4)(a)立体障害フェノール類0.01〜5重量部、(b)アミン置換トリアジン化合物0.01〜7重量部、(c)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物や、無機酸塩や、アルコキシド等で例示される金属含有化合物0.001〜5重量部および(d)炭素数10〜36の脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属塩の内、1種あるいは2種以上を混合した後、5)ベント口を1ヶ以上有することで脱ガス機能を付随した単軸または2軸以上の押出機1基あるいは2基以上または、脱ガス機能を付随した単軸または2軸以上の押出機と滞在時間が5分以上得られる表面更新型の混合機とを組み合わせることにより溶融安定化して得られるオキシメチレン共重合体である。
上記オキシメチレン共重合体の内、トリオキサンと1,3−ジオキソランとからなるオキシメチレン共重合体が、特に好ましい。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、主として上記の脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体とからなり、改質剤、充填剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、顔料、着色剤、各種フィラー、静電気防止剤、離型剤、可塑剤、香料、抗菌剤、等の各種添加剤の他に、エステル交換触媒、各種モノマー、カップリング剤、末端処理剤、その他の樹脂、木粉、でんぷん、等を加え変成することができる。
【0025】
製造に際しては、少なくとも一方の樹脂の溶融する温度以上で機械的に混合することにより得ることができる、また、両樹脂を機械的に粉砕したものを混合し加圧することにより製造する方法や、両樹脂を溶剤に溶解した後に貧溶媒と混合し沈殿化することにより得るか、または両樹脂を溶剤に溶解したものをキャストして溶媒を除去することにより製造することも可能であるがそれらに限定されるものではない。混合装置に関しては特に限定されるものではないが、押出機を用いて混合する方法が短時間で連続的に処理できる点で工業的には推奨される。
【0026】
混合時の温度は、100度以下では樹脂の溶融粘度が高いかまたは溶融しないため、具体的には100度から300度の範囲が好適である。300度以上では樹脂の熱分解が起こるため好ましくない。300度以下であっても高温下での着色や劣化、熱分解等を防止するために窒素雰囲気下で短時間に混合することが好ましい。具体的な混合時間としては、20分以内が推奨される。
また、樹脂中のオリゴマー、残存モノマー、発生ガス等の除去のためにベント口を設置し減圧下に混合することもできる。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体の単純ブレンドのみに限定されるものではなく、触媒の存在下に溶融状態でのエステル交換反応等により生成する共重合体等も含まれる。
また、オキシメチレン構造を持つ重合体の安定化行程で脂肪族エステル構造を持つ重合体を添加する製造方法が最も均一な樹脂組成物を与える。
【0028】
脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体の混合比は、重量比(脂肪族エステル構造を持つ重合体/オキシメチレン構造を持つ重合体)で、99/1〜1/99の範囲が好適である。脂肪族エステル構造を持つ重合体の添加量が1%以下では引張伸度10%の値は達成できずフィルム成型性が悪い、また、充分な生分解性を付与することができない。オキシメチレン構造を持つ重合体の添加量が1%以下では曲げ強度25MPaが達成できない。
ここで使用される樹脂の分子量はスチレン換算のGPC測定による重量平均分子量で10万以上が望ましい。10万以下では所望の強度が達成されない。
【0029】
脂肪族エステル構造を持つ重合体の割合が高い場合は、生分解性、柔軟性、引張伸びが高くなり、オキシメチレン構造を持つ重合体の割合が高い場合は剛性、曲げ強度が増加するため、用途、目的に応じた樹脂設計が可能である。
【0030】
本発明の成型品は、本発明の樹脂組成物を用いて成型された物品であり、具体的な成型形態、成型方法としては、射出成型品、押し出し成型品、インフレーション成型法、真空圧空成型品、ブロー成型品、繊維、マルチフィラメント、モノフィラメント、ロープ、網、織物、編み物、不織布、フィルム、シート、ラミネート、容器、発泡体、各種部品その他の成型品が例示されるがそれらに限定されるものではない。
特に、本発明の樹脂組成物はフィルム成型性が良く、オキシメチレン構造を持つ重合体が通常フィルム成型性が悪いのに対して著しく改善されている。樹脂の均一性、強度、外観性等からは成型前に脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体とを混合ペレット化する事が好ましいが、脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体とをペレットの状態で、場合によっては各種添加剤も同時に混合し直接成型器に投入し成型品を得ることもできる。さらには、両樹脂を溶媒に溶解し溶液状態でキャスティングまたは塗布し溶媒を除去することによりフィルム、シートその他の成型体を得ることも可能である。
【0031】
得られる樹脂組成物および成形品は高い機械的強度と実用上充分な軟化温度を有すると共に、土中、活性汚泥中、コンポスト中で容易に微生物により分解される。
【0032】
本発明の樹脂組成物および成型品の生分解性は、分子量、脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体との混合比、成型物品の厚さにより調節可能であり、粉末でのコンポスト試験では60%以上の分解性を示す。
【0033】
【本発明の効果】
本発明に係る脂肪族エステル構造を持つ重合体とオキシメチレン構造を持つ重合体とからなる樹脂組成物は、流動性、成形性に優れ、射出成型品、押し出し成型品、真空圧空成型品、ブロー成型品、繊維、マルチフィラメント、モノフィラメント、ロープ、網、織物、編み物、不織布、フィルム、シート、ラミネート、容器、発泡体、各種部品その他の成型品を得るのに好適であり、得られる成形品は十分な機械的強度と耐熱性を有すると共に、土中、活性汚泥中、コンポスト中で容易に微生物により分解される。このため、包装材料、農業、漁業、食品分野その他のリサイクルが困難な用途に広く利用できる。
たとえば、包装材料分野では、フィルムとして各種包装が可能で、ヒートシールも可能である。農業分野では土壌表面を被覆して土壌の保温を行うマルチフィルム、植木用の鉢や紐、または肥料のコーティング材料などに利用でき、あるいは漁業分野では釣糸、魚網に、さらには医療分野の医療用材料、生理用品などの衛生材料として利用できる。
【0034】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0035】
本実施例において、融点は、DSC(セイコー電子(株)製SSC 5000)を用いて測定した。また、分子量はクロロホルムを溶媒としてGPC(昭和電工(株)製GPC System−11使用)によりスチレン換算のMw(重量平均分子量)、Mn(数平均分子量)として測定した。また、カーボネート単位含有量はNMR(日本電子(株)製NMR EXー270)を使用し、13CNMRによりジカルボン酸エステル単位およびカーボネート単位の合計に対するカーボネート単位の割合(モル%)として測定した。
【0036】
溶融粘度はフローテスター(島津製作所製CFT−500C)を用いて温度190℃、荷重60kgにて測定した。
脂肪族ポリエステルカーボネートのオリゴマーの水酸基価、酸価はJIS K−1557に準じて測定した。
【0037】
製造例1
脂肪族ポリエステルカーボネートの製造例
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた50リットルの反応容器に、コハク酸18,740g(158.7モル)、1,4−ブタンジオール21,430g(237.8モル)、ジルコニウムアセチルアセトネート745mgおよび酢酸亜鉛1.40gを仕込み、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で2時間反応し水を留出させた。つづいて、減圧度150〜80mmHgの減圧度で3時間熟成し脱水反応を進行させ、更に最終的に減圧度2mmHg以下となるよう徐々に減圧度を増してさらに水と1、4−ブタンジオールを留出させ、総留出量が10,460gになったところで反応を停止した。得られたオリゴマー(A−1)の数平均分子量は1,780、末端水酸基価は102KOHmg/gであり、酸価は0.51KOHmg/gであった。
【0038】
次に得られたオリゴマー(A−1)24,000gを攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた50リットルの反応容器に仕込み、ジフェニルカーボネート4,680gを添加した。温度210〜220℃で最終的に1mmHgの減圧とし5時間反応した。得られた高分子量体(A−2)は、融点が104℃で、GPCの測定による重量平均分子量(Mw)が188,000であり、13CNMR測定により、ポリカーボネート成分として14.3%のカーボネート単位を有していた。溶融粘度は10000poiseであり、クロロホルムには完全に溶解し、ゲル分はなかった。
【0039】
製造例2
オキシメチレン構造を持つ重合体の製造例
2枚のΣ型の攪拌翼を有するニーダーにトリオキサンを仕込み、60℃に加温して融解した。これに、トリオキサンに対して5.0重量%のジオキソラン、およびトリオキサンに対して0.01モル%のフッ化ホウ素ジエチルエーテラートを加えて、攪拌下に重合を行い、粗オキシメチレン重合体を収率98%にて得た。この粗オキシメチレン共重合体の極限粘度は1.45dl/gであった。
得られた共重合体に触媒量の2倍モルのトリフェニルフォスフィンを添加し70℃以下の温度で粉砕し反応を停止させた。この時、10メッシュ(ASTM)篩、20メッシュ(ASTM)篩および60メッシュ(ASTM)篩、の通過率はそれぞれ100%、95%および70%であった。
上記で得られた、粗オキシメチレン共重合体にステアリン酸カルシウム0.1%、ベヘニン酸モノグリセリド0.15%を添加し、ヘンシェルミキサーにて1500rpmで約3分間混合した後、混合物をL/D=27、直径32mmのベント付き2軸押出機を用いて溶融安定化した。この安定化時、前期オキシメチレン共重合物の2軸押出機中の平均滞留時間は約15分であった。安定化されたオキシメチレン共重合体は、2軸押出機のダイヘッドからストランドとして押し出され、ストランドは直ちにペレタイザーを経てペレット化し、オキシメチレン構造を持つ重合体(B−1)を得た。得られたB−1は融点165℃、200℃で3分間保持した後、148℃に冷却した際の2分の1結晶化時間は20秒、溶融粘度は5000ポイズであった。
【0040】
実施例1
実施例1で得られた脂肪族ポリエステルカーボネート(A−2)および実施例2で得られたオキシメチレン構造を持つ重合体(B−1)のペレットを真空乾燥機により温度90℃で10時間乾燥し、A−2とB−1の混合比が重量比で3/97となるようにV型ブレンダーにて混合し、2軸押出機(スクリュー径25mmφ、L/D=30)に供給し連続的にストランド化、ペレタイズし樹脂混合物(C−1)を得た。C−1のペレットを90度の温度で5時間以上乾燥した後、射出成型機(型程め圧1000トン)に供給し、物性試験用の試験片を成型した。得られた試験片の評価結果は、熱変形温度は、155度、引張伸びは80%、曲げ強度は85MPaであり、アイゾット衝撃値は6.0少量の添加量であるにもかかわらずフィルム成型性が著しく改善されていた。物性評価結果を表−1に示す。
【0041】
実施例2〜5
実施例1と全く同様の操作で、脂肪族ポリエステルカーボネート(A−2)とオキシメチレン構造を持つ重合体(B−1)の混合比を重量比で30/70、50/50、70/30、97/3の比率で変えた場合の物性評価結果をそれぞれ実施例2〜5とし結果を表−1に示す。
【0042】
比較例1、2
実施例1と全く同様の操作を脂肪族ポリエステルカーボネート(A−2)100%で行ったものを比較例1、とオキシメチレン構造を持つ重合体(B−1)100%で行ったものを、比較例2として結果を表−1に示す
【0043】
【表1】
Claims (1)
- (1)脂肪族2塩基酸および/またはその誘導体と脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/またはヒドロキシカルボン酸化合物とを反応させて得られる数平均分子量10,000以下の脂肪族ポリエステルオリゴマーと、(2)カーボネート化合物とを反応させて得られるカーボネート単位含有量が少なくとも5モル%以上であり、重量平均分子量が少なくとも100,000で、温度190℃、荷重60kgにおける溶融粘度が2,000〜50,000ポイズで、融点が70〜180℃である脂肪族ポリエステルカーボネートと、オキシメチレン構造を持つ重合体とからなる樹脂組成物。
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