JP4200904B2 - ガス中の粗軽油分の回収方法 - Google Patents

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本発明はガス中の粗軽油分の回収方法に関し、詳細には、石炭をコークス炉で乾留してコークスを製造する際に副生するコークス炉ガス、または石炭を熱分解炉で熱分解し発生する熱分解炉ガス中の粗軽油分の回収方法に関するものである。
コークス炉から発生するコークス炉ガス、石炭熱分解炉から発生する熱分解炉ガスの主成分は水素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素などであるが、他にタール分やアンモニア、硫化水素、粗軽油分、シアン化水素、その他多数の成分が含まれている。コークス炉から発生するコークス炉ガス、石炭熱分解炉から発生する熱分解炉ガスは先ず冷却され、その後タール分、アンモニア、硫化水素、粗軽油分を除去する工程を順次経て燃料その他の用途に供される。
コークス炉から発生するコークス炉ガス、石炭熱分解炉から発生する熱分解炉ガス中の粗軽油分の除去は各種の方法により行い得るが、その代表的方法の一つとして、コークス炉ガス(または熱分解炉ガス)を吸収塔と水蒸気蒸留塔とを備えており、吸収油が両塔間を循環するようになっている軽油回収装置に導き、吸収塔でコーク炉ガス(または熱分解炉ガス)と吸収油を接触させてコークス炉ガス(または熱分解炉ガス)中の粗軽油分を吸収油中に吸収させ、この吸収油を水蒸気蒸留塔で水蒸気蒸留して塔頂から粗軽油分及び水を含む蒸気を留出させ、塔底から吸収油を回収して吸収塔に循環する方法がある。水蒸気蒸留塔の塔頂から留出した粗軽油分及び水を含む蒸気を凝縮させて得た粗軽油分と水は比重差で分離され、通常は粗軽油として回収される。吸収油には、一般には、コークス炉(または石炭熱分解炉)から発生するタールを蒸留して得る比較的中間的な留分である油が用いられる。
上記の軽油回収プロセスでは、水蒸気蒸留塔で大量の水蒸気を消費し、また吸収油を吸収塔と水蒸気蒸留塔の間を循環させる電力を消費するので、それら消費量を節減するように運転することが望まれている。水蒸気蒸留塔での水蒸気消費量並びに吸収油の循環電力を低減させる最も簡単な方法は循環量を減少させることである。そのためには、吸収塔に導かれる吸収油温度を低下させ単位吸収油量に吸収させる粗軽油分の量を上げることによって、吸収塔の塔頂から流出するコークス炉ガス(または熱分解炉ガス)中の粗軽油分が許容限度を超えない範囲で、水蒸気蒸留塔から吸収塔に循環される吸収油量を減少させればよい。しかしながら、吸収塔に導かれる吸収油温度を低下させていくと、吸収油の冷却器内及び吸収油温度の低い配管や装置内で吸収油成分の析出が起こり、冷却能力の低下や通液・通ガス抵抗の増加を招く。析出が著しい場合には冷却器や配管・装置の閉塞にもつながる。
軽油回収装置内を循環する吸収油の低沸点成分は、軽油回収装置内を循環する内に水蒸気蒸留塔及び吸収塔から排出されるので、吸収油の高沸点成分の比率が高くなる。この高沸点成分の比率の増加を押さえるために、一般には軽油回収装置内に水蒸気蒸留塔を設け、水蒸気蒸留によって高沸点成分の比率を高くした吸収油を排出する方法が採られている。この循環する吸収油の性状は、物理的な指標である曇り点や比重などで管理されるが、吸収油成分の析出温度は曇り点や比重とは明確な関係がなく、定性的な管理にならざるを得ない。万一、軽油回収装置内で吸収油の成分の析出が発生した場合には、冷却能力の低下や通液・通ガス抵抗の増加を招き、コークス炉ガス(または熱分解炉ガス)中の粗軽油分の許容限度の維持やコークス炉ガス(または熱分解炉ガス)の所定量の処理が難しくなり、その装置を速やかに洗浄または掃除することが必要となってくる。このため通常は、
曇り点や比重を目安にして、吸収油温度は経験的に高く設定され、析出開始温度より高い分だけ過剰な量の吸収油が循環されていた。さらに、場合によっては、軽油回収装置内を循環する吸収油を過剰に抜き出し、曇り点の低いまたは比重の軽い吸収油を補給するなどの過度の入れ替えも行われていた。
特開平3−192192号公報 図1 芳香族及びタール工業ハンドブック(第3版)平成12年3月印刷・発行(発行人:縄尾信一)P68−69
水蒸気、燃料、電力の消費を抑制できるガス中の粗軽油分の回収方法及び/又は粗軽油成分の回収率をアップできる粗軽油分の回収方法が求められていた。
上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明者等は、吸収油温度と粗軽油成分の回収率の関係に着目し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、コークス炉ガス又は熱分解炉ガスを吸収塔に供給し、ガスと吸収油を接触させてガス中の粗軽油成分を吸収油に吸収させ、次いで粗軽油成分を吸収させた吸収油を水蒸気蒸留塔に供給して水蒸気蒸留し、塔頂から粗軽油成分及び水を留出させ、塔底から吸収油を回収し、該吸収油を吸収塔へ循環させるガス中の粗軽油成分の回収方法において、(1−1)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を計算して求めるか(1−2)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を分析して求めるかし、(2)該組成から吸収油の析出開始温度を算出し、(3−1)吸収油の循環する各部位の運転条件を該部位における吸収油の析出開始温度以上に設定するか(3−2)吸収油の析出開始温度を下げるように吸収塔に供給する吸収油の組成を変えることを特徴とする粗軽油成分の回収方法に存する。
本発明により、水蒸気、燃料、電力の消費を抑制できるガス中の粗軽油分の回収方法及び/又は粗軽油成分の回収率をアップできる粗軽油分の回収方法を提供することができる。
本発明の粗軽油成分の回収方法は、コークス炉ガス又は熱分解炉ガスを吸収塔に供給し、ガスと吸収油を接触させてガス中の粗軽油成分を吸収油に吸収させ、次いで粗軽油成分を吸収させた吸収油を水蒸気蒸留塔に供給して水蒸気蒸留し、塔頂から粗軽油成分及び水を留出させ、塔底から吸収油を回収し、該吸収油を吸収塔へ循環させるガス中の粗軽油成分の回収方法において、(1−1)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を計算して求めるか(1−2)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を分析して求めるかし、(2)該組成から吸収油の析出開始温度を算出し、(3−1)吸収油の循環する各部位の運転条件を該部位における吸収油の析出開始温度以上に設定するか(3−2)吸収油の析出開始温度を下げるように吸収塔に供給する吸収油の組成を変えることを特徴とする。
例えば、本発明におけるコークス炉ガスは、石炭を600℃以上の温度で加熱乾留してコークスを製造する際に発生するガスで、一般的な組成として、水素10〜70%、メタン25〜70%、エチレン等の炭化水素1〜15%、一酸化炭素4〜9%、二酸化炭素1〜6%、窒素1〜13%、酸素0〜0.5%、硫化水素等の硫黄化合物0.3〜1.5%、アンモニア等の窒素化合物0.3〜1.8%、ベンゾール類0.1〜1.8%、およびその他の石炭由来の微量成分を含んでいる。加熱乾留温度が800℃以上になると、水素の発生および炭化水素の分解が盛んになるため、例えば、石炭の加熱乾留温度を1000
℃としたときのコークス炉ガスの組成は、水素45〜70%、メタン25〜35%、エチレン等の炭化水素1〜5%等と、上記の一般的な組成の中で水素は高濃度となり、メタンやエチレン等の炭化水素は低濃度になる。通常、コークス炉ガスを燃料ガスとして使う場合は、上記の一般的な成分のうち硫化水素等の硫黄化合物、アンモニア等の窒素化合物、及びベンゾール類を低減させるための精製処理を行い、これを水素含有ガスとして使用する。なお、通常精製処理を行った後の各成分の濃度は、硫化水素等の硫黄化合物0.001〜0.2%、アンモニア等の窒素化合物0.01〜0.2%、ベンゾール類0.02〜0.3%に低減され、これら以外の成分の濃度は精製処理前後でほとんど変化しない。
また、本発明における熱分解炉ガスは、石炭熱分解ガスを例に挙げると、平均粒径40ミクロン程度に微粉砕された石炭を600℃以上の温度で圧力3atm、反応時間数秒で急
速に分解して得られる熱分解ガスの組成は、水素1〜2%、一酸化炭素12〜20%、二酸化炭素7〜11%、メタン9〜20%、エチレン、エタン、プロパン、ブタン等のC2
−C3成分が2〜6%、ベンゾール類2〜5%、残り窒素、その他硫化水素等の硫黄化合
物やアンモニア等の窒素化合物及び石炭由来の微量成分を含んでいる。
一般に熱分解ガスの組成は高温ではメタンが増加し、C2−C3成分が減少する。
本発明の粗軽油成分の回収プロセスの一例を図1に示す。また、本発明の粗軽油成分の回収方法における制御方法のフロー図を図2に示す。
コークス炉ガス(COG)A1(BTX30〜35g/Nm3)を例に挙げて説明すると、コークス炉ガス(COG)A1はファイナルクーラー1で20〜40℃に冷却され、次いでベ
ンゼンスクラバー(吸収塔2)に送られ、上部より装入された吸収油に向流接触させて粗軽油分を物理的に吸収させ、精製ガスA2(BTX2〜3g/Nm3)としてコークス炉の
乾留用の熱源や外販に供される。粗軽油分を吸収した吸収油C(1〜3%前後のBTXを含有:含ベン油)は、熱交7、9を経て脱水塔3に送られ、脱水塔塔底より脱水された吸収油が加熱炉4を経て昇温後ストリッパー(水蒸気蒸留塔5)に入り、加熱水蒸気が吹き込まれて粗軽油分が除去される。吸収油は塔底(塔底温度約180℃)から抜き出され、熱交9及びオイルクーラー10にて30〜33℃に冷却された後、再生吸収油(脱ベン油D)として再び吸収塔2に循環使用される。ストリッパー(水蒸気蒸留塔5)の塔頂(圧
力1kg/cm2.G、温度100℃前後)から留出粗軽油と水蒸気が抜き出され、熱交7及びコ
ンデンサー8にて冷却された後、粗軽油は水と比重差で分離され回収される。ストリッパ−(水蒸気蒸留塔5)塔底から抜き出した吸収油は、一部脱ピッチ塔6に送られ、加熱水蒸気が吹き込まれてピッチが分離され系外に抜き出され、吸収油の重質化を防止する。このプロセスでオイルクーラー10で循環油の析出があれば、クーラー出口吸収油温度を析出温度より上げる操作(3−1)を実施し、析出による閉塞を防止する。温度を上げると軽油分の吸収効率が低下する場合があるので、運転条件を変更して吸収油組成を変えて析出温度自体を変える(3−2)ことで対応してもよい。吸収油組成は分析(1−2)あるいは計算(1−1)で求め析出開始温度を求めることができる。(2)
本発明では、吸収油の組成と吸収油が保持される温度からその温度での析出物の量と組成を推定する。吸収油は多くの成分で構成され、一般には10〜30成分で表されるが、この吸収油を一定の温度に保持し、この吸収油の組成及び固体(析出物)と液体が平衡に達した時の固体と液体の組成を求め、吸収油の組成と吸収油の温度から析出量と析出物の組成に関する推定式を導き出す。固体(析出物)と液体が平衡に達するまでの一定温度での保持時間は、吸収油を構成する成分数及びその組成によっても異なり、1時間以上、好ましくは200時間以上が良い。吸収油の温度を低下させていき、析出が始まる温度が析出開始温度である。一般に析出開始温度は吸収油を構成する各成分の単体での固化温度を吸収油の組成で加重平均した固化温度より低くなる。例えば、吸収油組成の各成分単体の固化温度を加重平均して求めた固化温度が82℃の場合でも、実際の析出開始温度は7℃となる。
本発明における吸収油としては、ディーゼル油、コールタール蒸留分留油、B重油等が挙げられる。コークスプラントから入手できるのと入手のし易さの観点から、コールタール蒸留分留油が好ましい。コールタール蒸留分留油とは、コールタールを蒸留して得られる油であって、コールタールの蒸留の際の蒸留塔ボトム以外から得られる油である。具体的には、カルボル油、ナフタリン油、アントラセン油、クレオソート油、洗浄油等が挙げられ、融点の高さ、流動性の高さ及び析出点の低さの観点から、洗浄油が最も好ましい。
本発明における粗軽油成分とは、ベンゼン、トルエン、キシレンを主成分とし、ナフタリン、チオナフトール、インデン、スチレン、トリメチルベンゼン等を含有する。
ガス中の粗軽油成分の回収率は、吸収塔のガス圧力と吸収油循環量が一定(通常は一定)の時、吸収油温度が低下すると回収率はアップする。逆に、吸収油温度が高くなると回収率は低下する(図−3)。吸収塔のガス圧力が高い場合は、低い場合に較べて吸収油への溶解効率が高くなり粗軽油成分の回収率はアップする。また循環量が増加すれば液/ガ
ス比が高くなり粗軽油成分の回収率はアップする。
本発明の回収プロセス内を循環している吸収油の組成は、(1−1)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を計算して求めるか(1−2)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を分析して求めるかすればよいが、吸収油の組成は、コークス炉ガス(または石炭熱分解ガス)の組成、軽油回収装置内に補給する吸収油の組成と補給量、軽油回収装置内から排出する吸収油の組成と量、軽油回収装置内で消費するエネルギーの質と量によって変化し、それに伴い吸収油成分の析出開始温度も変化する。実験的な測定により吸収油組成と析出開始温度の関係図を求めるには、吸収油の成分数が多く、吸収油組成は幾通りも存在することから、(1−1)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を計算して求めることが好ましい。
吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を計算して求める方法としては、例えばプロセスシミュレータ(PROIIやASPEN等)を用いた軽油回収全体の静的シミュレーションモデルを作り、計算すればよい。例えば、このモデルを用いて軽油回収蒸留搭の塔頂温度を変えた時に各部位の吸収油組成がどう変化するか計算した。精度の良いモデルを作るには厳密なマスバランスの採取と適正な物性推算式の使用が重要である。
軽油回収装置内での吸収油成分の析出の防止は、吸収油の組成から析出開始温度を推定し、軽油回収装置内の各機器での温度を析出開始温度以上に保持すれば可能となる。さらに効率的に防止するには、軽油回収装置内での各設備の運転条件を変えることで、吸収油組成を変化させ析出開始温度を低下させることが好ましい。
吸収油の析出開始温度を低下させるよう吸収油組成を変化させる具体的方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)水蒸気蒸留塔の塔頂温度を下げる。
(2)脱ピッチ塔装入量(抜き出し量)を増加する。
(3)脱ピッチ塔底温度を下げる。
(4)系内に補給する吸収油の組成を変える。
(5)系内に補給する吸収油の量を増加させ、その分系内の油を抜く。
上記(1)の場合、水蒸気蒸留塔の塔頂温度を下げることにより粗軽油の方に抜けていた
ある留分量を抑制でき、系内に循環する吸収油のある留分濃度が増加するので析出温度を低下できる。塔頂温度を下げるには、例えば、水蒸気蒸留塔の粗軽油の還流比を上げればよい。
上記(2)の場合は、脱ピッチ塔への吸収油の装入量を増加すれば脱ピッチ塔から系外に
抜き出せる吸収ピッチ量が多くなり、系内に循環する吸収油のある留分濃度が増加するので析出温度を低下できる。
上記(3)の場合は、脱ピッチ塔への吸収油の装入量が一定の場合に、脱ピッチ塔の塔底
温度を低下させることで塔頂温度も低くなり、水蒸気蒸留塔へ回収される高沸点成分(析出温度を高める成分)が少なくなり、系内に循環する吸収油のある留分濃度が増加するので析出温度を低下できる。
上記(4)の場合は、吸収油の析出開始温度を低下させるよう吸収油の組成を変えればよ
い。例えば、系内に補給する吸収油量を変化することなくコールタール蒸留塔の運転条件を変えて蒸留塔から抜き出す吸収油の組成中のある留分を高くすれば、系内に補給することにより系内に循環する吸収油のある留分が増加するので析出温度を低下できる。
上記(5)の場合は、系内に補給する吸収油の組成を変化することなく、補給量を増加す
ることで系内に循環する吸収油のある留分が増加するので析出温度を低下できる。
軽油回収装置内ではコークス炉ガス(または石炭分解ガス)と吸収油(液)とを接触させてコークス炉ガス(または石炭分解ガス)中の粗軽油分を吸収油に吸収させ、この吸収油を水蒸気蒸留塔に供給して水蒸気蒸留し、塔頂から粗軽油分及び水を含む蒸気を留出させ、塔底から吸収油を回収して吸収塔に循環し、コークス炉ガス(または熱分解炉ガス)の中の粗軽油分を回収する。コークス炉ガス(または石炭熱分解ガス)の組成の変化、軽油回収装置内に補給する吸収油の組成と補給量の変化、軽油回収装置内から排出する吸収油の組成と量の変化、軽油回収装置内で消費するエネルギーの変化を考慮しながら、コークス炉ガス(または石炭熱分解ガス)と粗軽油をそれぞれ用途に応じた品位に精製する必要がある。一般に吸収油は10〜30の成分で構成されているが、これらの吸収油成分は上記の各変化に応じて軽油回収装置内で変化するため、軽油回収装置内での吸収油成分の析出を効率的に防止するには、軽油回収装置内の各設備での吸収油の組成を推定しさらに、その組成から析出開始温度を推定することが必要になる。
本発明の実施態様の1例を説明する。図4は吸収油成分の組成(組成分析値)から析出開始温度の実験値と計算値の1例である。図中の計算値は、式1を用いた値である。これにより、吸収油組成を測定する(1−2)ことで析出開始温度、析出量が算出できる(2)ことがわかる。
Figure 0004200904
ここで、hfus△:i成分の融解温度における融解のエンタルピー
KiSL :i成分のK因子
R :気体定数
T :温度(析出し始める温度が析出開始温度)
Tm :i成分の融解温度
XiS :固相中のi成分の組成
XiL :液相中のi成分の組成
γiS :固相中のi成分の活量係数
γiL :液相中のi成分の活量係数
なお、(1−2)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を分析して求める場合は、例えば、充填カラム:(充填剤:ポリエチレングリコール(PEG20M))、検出器:水素炎イオン化検出器(FID)を備えたガスクロを用い予め各成分の検量線を作成し
ておき、次に試料として吸収油を溶剤(テトラヒドロフラン(THF))で重量比で5倍希釈し、シリンジで一定容量(重量秤量)をガスクロに注入し得られた各成分のピーク面積から、検量線より各成分の濃度を算出すればよい(絶対検量線法)。
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。
図1に示す装置を用い、以下の実施例を行った。
[計算値の求め方]
吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を計算して求める方法としては、プロセスシミュレータ(PROII)を用いた軽油回収全体の静的シミュレーションモデルを作り、このモデルを用いて軽油回収蒸留塔の塔頂温度や脱ピッチ塔の抜き出し量を変えた時に各部位の吸収油組成がどう変化するか推定した。
[分析値の求め方]
充填カラム:(充填剤:ポリエチレングリコール(PEG20M))、検出器:水素炎イオン化検出器(FID)を備えたガスクロを用い予め各成分の検量線を作成しておき、次に試料として吸収油を溶剤(テトラヒドロフラン(THF))で重量比で5倍希釈し、シリンジで一定容量(重量秤量)をガスクロに注入し得られた各成分のピーク面積から、検量線より各成分の濃度を算出した(絶対検量線法)。
実施例1
先ず、図1の装置を用いて表1に示した対策前の運転条件で吸収塔前後のCOG組成分析や各部位の吸収油組成をガスクロを用いて分析し、運転条件と合わせてマスバランスを採取した。このマスバランスをもとにプロセスシミュレータ(PROII)を用いた軽油
回収全体のプロセスシミュレーションモデルを作った。
このモデルによって、各装置の運転条件を変更させた場合の各部位の吸収油の組成が計算によって推定でき、今回構築した析出開始温度推定式で析出温度を推定できるようになった。今回の実施例として図1の装置を用いたテスト結果とモデルにより推定(1−1)した結果の比較を表1、表2に示した。
表1に示した対策前の運転条件から対策後の運転条件に変更した。 具体的には水蒸気蒸留塔の塔頂温度を塔頂温度を見ながら還流比を変えて103℃から95℃に低下、脱ピッチ搭への吸収油の装入量を1330kg/hrから1990kg/hrに増加、TWOを脱ピッチ塔塔底からのピッチ抜き出し量見合いに補給した。その他、各部位のプロセスの流量、圧力、温度は同一とした。
この変更した運転条件の値をモデルに入力し、各部位の平衡での吸収油組成を計算によって推定した。(1−1)
また、オイルク−ラ−出(図1の10)の組成は運転条件変更後、系が安定した時点で循環油をサンプリングしてガスクロで分析を実施して求めた(1−2)。 吸収油の組成のモデルによる計算値(1−1)とガスクロによる分析値(1−2)の比較を表2に示した。得られた吸収油組成から析出開始温度推定式(式1)により析出開始温度を推定した(2) 吸収油のオイルクーラ−での析出を防止するため、オイルク−ラ−出の温度を上げる方法(3−1)もあるが温度を上げると吸収塔での粗軽油分の吸収効率が低下するので今回は運転条件を変えて吸収油の組成を変えて析出開始温度を低下させた。(3−2) その結果、析出開始温度は運転条件を変えることにより計算値で対策前の22℃から13℃に低下した。
また、吸収油の組成分析値と計算値は対策前、対策後ともに精度よく一致することが確認できた。
比較例1
図1に示す装置を用い、析出対策前の1997年〜1998年の2年間のオイルクーラーでの析出閉塞実績は表3に示すように11月〜6月の8ヵ月平均値で月45回とほぼ毎
日の頻度で起こっていた。この時の平均析出開始温度は22℃であった。(用いた吸収油は実施例1で用いた吸収油と同じ。:表2の対策前の組成。)
実施例2
比較例の装置において、実施例1の対策を行った運転条件で1年間継続した結果、オイルクーラでの析出はなくなった。
析出防止対策前はオイルクーラ−で閉塞対応として冷却海水を一時停止して吸収油の温度を上げて析出物を溶解していたため吸収油タンクの温度が上昇していた。吸収油組成を変化させて析出開始温度を低下させることでオイルクーラーでの析出による閉塞がなくなり吸収油温度も一定に維持できるようになった。吸収油温度は対策前に比較して34.5℃から32℃と2.5℃低下できたので、吸収塔での粗軽油成分の回収率はアップするが、この実施例は粗軽油分の回収率を変えずに系に循環される吸収油の量を10%低減することができた。これによって、軽油回収塔の蒸気量、加熱炉の燃料に使用しているCOG量、ポンプの電力消費量が約10%程度抑制できた。
Figure 0004200904
Figure 0004200904
Figure 0004200904
本発明の粗軽油成分の回収プロセスの一例を示す図である。 本発明の粗軽油成分の回収方法における制御方法のフロー図である。 吸収油温度とガス中の粗軽油成分の回収率の関係を示す図である。 吸収油の析出開始温度の測定値と組成分析値から計算の推定値の1 例を示す図である。
符号の説明
1 ファイナルク−ラ−
2 ベンゼンスクラバ−(吸収塔)
3 脱水塔
4 加熱炉
5 水蒸気蒸留塔
6 脱ピッチ搭
7 V/O熱交
8 コンデンサ−
9 O/O熱交
10 オイルク−ラ−
A1 COG
A2 精製COG
B 吸収油(補給油)
C 吸収油(含ベン油)
D 吸収油(脱ベン油)
E 粗軽油
F 分離水
G 海水
H 蒸気
K 吸収ピッチ

Claims (4)

  1. コークス炉ガス又は熱分解炉ガスを吸収塔に供給し、ガスと吸収油を接触させてガス中の粗軽油成分を吸収油に吸収させ、次いで粗軽油成分を吸収させた吸収油を水蒸気蒸留塔に供給して水蒸気蒸留し、塔頂から粗軽油成分及び水を留出させ、塔底から吸収油を回収し、該吸収油を吸収塔へ循環させるガス中の粗軽油成分の回収方法において、(1−1)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を計算して求めるか(1−2)吸収油の循環する各部位における吸収油の組成を分析して求めるかし、(2)該組成から吸収油の析出開始温度を算出し、(3−1)吸収油の循環する各部位の運転条件を該部位における吸収油の析出開始温度以上に設定するか(3−2)吸収油の析出開始温度を下げるように吸収塔に供給する吸収油の組成を変えることを特徴とする粗軽油成分の回収方法。
  2. (3−2)の後、(1−1)か(1−2)を行い、次いで(2)、(3−1)か(3−2)を行い、この操作を繰り返す請求項1に記載の回収方法。
  3. 吸収油がコールタール蒸留分留油である請求項1又は2に記載の回収方法。
  4. (a)組成の異なる吸収油の添加、(b)水蒸気蒸留の塔頂温度の下げ、及び/又は(c)重質成分のパージにより吸収油の析出開始温度を下げるように吸収塔に供給する吸収油の組成を変える請求項1〜3のいずれかに記載の回収方法。
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