JP4200922B2 - 音波浮揚装置 - Google Patents

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Description

本発明は、音波の放射圧を用いて物体を浮揚状態に保持あるいは浮揚状態で搬送する音波浮揚装置に関する。
ガラスパネル(ガラス基板)や半導体ウエハー等の薄くて傷つき易い板状部材に汚れや傷が付くのを避けるため、浮揚状態で搬送することが考えられている。物体を空中に浮揚させる物体浮揚装置(音波浮揚装置)として、音波の放射圧を用いる装置が提案されている。また、物体を空中に浮揚させた状態で搬送する際、浮揚した物体が搬送路から逸脱するのを防止するため、振動板から放射される音波の反射を利用する装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示された装置では、図8に示すように、ホーン51を介して励振される振動板52から放射される音波の放射圧により物体53を振動板52から浮揚させた状態で振動板52に沿って紙面と垂直方向に搬送する。また、物体53の搬送路両側に沿って板状の音波反射部材54が配置されている。音波反射部材54は、振動板52の下方で振動板52の幅方向において斜めに延びる部分54aと、振動板52の幅方向外側において屈曲して振動板52より上方まで延びる部分54bとを備えている。そして、振動板52から音波反射部材54に放射された音波の一部が音波反射部材54の両部分54a,54bにより反射されて、振動板52の両側において振動板52の上方に向かう状態となる。この音波を利用して物体53が搬送路から逸脱するのを防止するようになっている。
特開平7−137822号公報(明細書の段落[0013]〜[0017],[0030]、図2,3)
従来の音波浮揚装置では、振動板の浮揚すべき物体に対向する側の面から放射された音波の放射圧により物体が浮揚され、振動板の物体に対向する側と反対側の面から放射される音波は物体を浮揚するのに利用されていなかった。従って、物体を音波浮揚させるため振動板を励振させるエネルギーの半分は音波浮揚に利用されていなかった。
特許文献1に記載の音波浮揚装置では、振動板52の物体53に対向する側と反対側の面から放射される音波を利用しているが、その利用は物体53が搬送路から逸脱するのを防止するための利用であり、物体53を浮揚させるのに利用するものではない。また、特許文献1に記載の音波浮揚装置では、音波反射部材54の上端が振動板52の上面より上方まで延びている必要がある。そのため、物体の幅を一対の音波反射部材54の上端の間隔より広くできない。
近年、液晶やPDP(プラズマディスプレイ)などのガラス基板が大型化しており、1500×1800mm以上の基板サイズのものもある。このような大型基板の場合、それを浮揚させる音波の放射圧を大きく(高く)する必要があり、その分、振動板を励振させるエネルギーが大きくなる。その結果、振動板から物体と反対側に放射される音波によるエネルギーロスも大きくなる。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、振動板の物体と反対側に放射される音波を物体の浮揚に有効に利用することができ、同じ浮揚力を得るために振動板を励振させるエネルギーを少なくすることができる音波浮揚装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、振動板を励振手段で励振させて、振動板からの音波の放射圧により物体を浮揚させる音波浮揚装置である。そして、前記振動板から前記物体と反対側に放射される音波を反射させる反射面を備えた音波反射部材が、前記振動板の前記物体に対向する側と反対側に位置するように設けられ、前記振動板の振動を助勢する。そして、前記音波反射部材は、前記反射面の少なくとも前記振動板の端部と対応する部分が、前記振動板との距離が外側寄りほど大きくなるように形成されている。
この発明では、振動板の振動により振動板から放射された音波のうち、振動板の物体に対向する側の面から放射された音波は、従来装置と同様に物体を浮揚させる。また、振動板の物体に対向する側と反対側の面から放射された音波は、音波反射部材の反射面で反射される。そして、反射された音波により、振動板の振動が助勢される。従って、振動板の物体と反対側の面から放射され、従来は振動板の励振に寄与していなかった音波が、振動板を励振することに使用される。その結果、振動板の物体と反対側に放射される音波を物体の浮揚に有効に利用することができ、同じ浮揚力を得るために振動板を励振させるエネルギーを少なくすることができる。
また、振動板から反射面に向かって放射された音波が、振動板の端部より外側の位置に向かって進むように効率良く反射される。その結果、振動板より端部がはみ出す物体を浮揚させる際、物体が撓んでも振動板に物体が接触するのを防止することができる。
請求項に記載の発明は、振動板を励振手段で励振させて、振動板からの音波の放射圧により前記振動板からはみ出す物体を浮揚させる音波浮揚装置であって、前記物体の前記振動板の少なくとも外側にはみ出した部分に、前記音波を反射させる反射面を備えた音波反射部材が前記振動板の前記物体に対向する側と反対側に位置するように設けられ、前記物体の浮揚を助勢する。そして、前記音波反射部材は、前記反射面の少なくとも前記振動板の端部と対応する部分が、前記振動板との距離が外側寄りほど大きくなるように形成されている。
物体を振動板から放射される音波によって浮揚させる場合、物体が振動板よりはみだす大きさ(例えば幅広の場合)であると、物体が撓んでそのはみ出した部分付近が振動板に接触する虞がある。しかし、この発明では、浮揚する物体の振動板の外側にはみ出した部分に対して反射面で反射した音波の力が有効に作用し、物体が振動板に接触するのを防止することができる。また、振動板から反射面に向かって放射された音波が、振動板の端部より外側の位置に向かって進むように効率良く反射される。その結果、振動板より端部がはみ出す物体を浮揚させる際、物体が撓んでも振動板に物体が接触するのを防止することができる。
本発明によれば、振動板の物体と反対側に放射される音波を物体の浮揚に有効に利用することができ、同じ浮揚力を得るために振動板を励振させるエネルギーを少なくすることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を物体浮揚搬送装置に具体化した第1の実施形態を図1及び図2に従って説明する。図1(a)は物体浮揚搬送装置の模式斜視図、(b)は物体浮揚搬送装置の模式側面図、図2は作用を示す模式図である。
図1(a),(b)に示すように、音波浮揚装置としての物体浮揚搬送装置11は、振動板12を備えている。振動板12は矩形平板状に形成されるとともに、幅が搬送すべき物体13より広く形成されている。振動板12は支持プレート14(図1(b)にのみ図示)に対して一組のホーン15及び振動子16を介して支持されている。なお、支持プレート14は図示しない支柱に支持されている。
ホーン15は振動板12が締結される面の反対側の面において振動子16に固定されている。ホーン15の先端面は振動子16の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン15及び振動子16の中心軸が鉛直方向に延びる状態で配置されている。ホーン15はその先端において図示しないネジにより振動板12の両端部に締結されている。各ホーン15は偏平なほぼ直方体状に形成され、振動板12に対してその長手方向両端部において長手方向と直交する状態で取付けられている。なお、図1(b)ではホーン15を簡略化して図示しているため、振動板12の幅方向(紙面と垂直方向)から見た形状が長方形となっている。
振動子16には所謂ランジュバン形振動子が使用され、一対のリング状のピエゾ素子17a,17bを備えている。両ピエゾ素子17a,17b間にリング状の電極板18が配置され、ピエゾ素子17a,17bの電極板18と当接する側と反対側の面に当接する金属ブロック19a,19bを、図示しないボルトによって締め付け固定することにより振動子16が構成されている。ボルトは金属ブロック19aに形成された図示しないネジ穴に、金属ブロック19b側から螺合されている。両金属ブロック19a,19bはボルトを介して互いに導通された状態となっている。
図1(b)に示すように、金属ブロック19aの上端にはフランジ20(図1(b)にのみ図示)が形成され、金属ブロック19aは支持プレート14に形成された孔に嵌合された状態でボルト(図示せず)により該支持プレート14に固定されている。
振動子16は発振器21に接続されている。電極板18は配線22aを介して発振器21と接続され、発振器21の接地端子が配線22bを介して金属ブロック19bに接続されている。ホーン15、振動子16、発振器21により振動板12を励振させる励振手段が構成されている。
物体浮揚搬送装置11は振動板12から定在波を発生するように構成され、浮揚状態の物体13に推進力を与える推進力付与手段を備えている。この実施形態では推進力付与手段として、物体13に対して圧縮空気を進行方向の後方から吹き付けるノズル23が設けられている。ノズル23は複数設けられるが、1個のみ図示している。
支持プレート14上には、音波反射部材24が、振動板12の物体13に対向する側と反対側に位置するように、ブラケット25を介して固定されている。音波反射部材24は、振動板12の励振時に振動板12から物体13と反対側に放射される音波を反射させて振動板12の振動を助勢する反射面24aを備えている。音波反射部材24は、振動板12の幅以上の幅を有し、幅方向において振動板12が音波反射部材24の幅内に位置するように配置されている。
図2は振動板12の長手方向から見た場合の、振動板12、物体13及び音波反射部材24の位置関係を示す模式図である。音波反射部材24は、反射面24aが平面であり、反射面24aと、振動板12の該反射面24aに対向する面12aとの距離Lが、振動板12から発する音波の波長λのN/2倍(Nは自然数)に設定されている。音波反射部材24は、反射面24aが振動板12と平行に配置されている。即ち、音波反射部材24は、振動板12に対して物体13側(この実施形態では振動板12より上側)にはみ出していない。
次に前記のように構成された物体浮揚搬送装置11の作用を説明する。
図示しない制御装置からの指令信号により発振器21が駆動されて、振動子16が所定の共振周波数(例えば、20kHz前後)で励振される。振動子16が励振されるとホーン15が縦振動され、ホーン15を介して振動板12が励振されて撓み振動を行い、定在波が発生する。振動板12から放射される音波の放射圧によって、物体13は振動板12の表面から浮揚した状態に保持される。その状態でノズル23から圧縮空気が噴射されて物体13に推進力が付与され、物体13は振動板12の一端側から他端側へ浮揚状態で搬送される。ノズル23の圧縮空気の噴射を停止することにより物体13の搬送が停止され、物体13は浮揚状態で一定位置に保持される。発振器21の駆動を停止すると、振動板12の振動が停止され、物体13は振動板12上に載置された状態で停止する。
振動板12の振動により振動板12から放射された音波のうち、振動板12の物体13に対向する側の面から放射された音波は、従来装置と同様に物体13を浮揚させる。また、振動板12の物体13に対向する側と反対側の面12aから放射された音波は、音波反射部材24の反射面24aで反射される。そして、反射された音波により、振動板12の振動が助勢される。従って、振動板12の物体13と反対側の面から放射され、従来は振動板12の励振に寄与していなかった音波が、振動板12を励振することに使用される。
反射面24aと、振動板12の該反射面24aに対向する面12aとの距離Lを振動板12から発する音波の波長λの1/2に設定して、実験を行った。その結果、物体13の振動板12からの浮揚高さが、音波反射部材24を設けない場合の約1.2〜1.3倍となった。これは物体浮揚搬送装置11の浮揚効率が音響パワーで約40〜70%向上したことと同じである。
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1)励振手段で励振される振動板12からの音波の放射圧により物体13を浮揚させる物体浮揚搬送装置11において、振動板12から物体13と反対側に放射される音波を反射させて振動板12の振動を助勢する反射面24aを備えた音波反射部材24が、振動板12の物体13に対向する側と反対側に位置するように設けられている。従って、物体13と反対側に放射されて従来は振動板12の励振に寄与していなかった音波が、振動板12を励振することに使用される。その結果、振動板12の物体13と反対側に放射される音波を物体13の浮揚に有効に利用することができ、同じ浮揚力を得るために振動板12を励振させるエネルギーを少なくすることができる。また、同じ励振エネルギーを加えた場合は浮揚距離を大きくすることができる。
(2)音波反射部材24は、振動板12の幅以上の幅を有し、幅方向において振動板12が音波反射部材24の幅内に位置するように配置されている。従って、振動板12の物体13と反対側に放射される音波は、振動板12の幅方向における全ての領域で音波反射部材24で反射されて振動板12側に反射される。その結果、振動板12の幅より狭い幅を有する場合に比較して、振動板12の物体13と反対側に放射される音波を物体13の浮揚に有効に利用することができる。
(3)音波反射部材24は、反射面24aが平面であり、反射面24aと、振動板12の該反射面24aに対向する面12aとの距離Lが、振動板12から発する音波の波長λのN/2倍(Nは自然数)に設定されている。従って、反射面24aで反射された音波によって振動板12が共振し易くなり、反射波のエネルギーが振動板12を振動させるのに効率良く利用される。
(4)音波反射部材24は、反射面24aが振動板12と平行に配置されている。従って、反射面24aが振動板12に対して傾斜する状態で配置された場合に比較して、振動板12の振動を効率よく助勢する。
(5)振動板12は、複数の振動子16により励振されるため、1個の振動子16で励振される場合に比較して励振効果が高くなる。
(6)振動板12のほぼ全長にわたって音波反射部材24が設けられているため、振動板12が物体13の搬送に支障を来すほど撓むのが、反射面24aで反射された音波の作用によって抑制される。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図3に従って説明する。この実施形態は音波反射部材24の構成が前記第1の実施形態と異なっており、他の基本的な構成は同じである。前記実施形態と同一部分に関しては同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分について説明する。図3は振動板12、物体13及び音波反射部材24の関係を示す模式図である。
この実施形態の物体浮揚搬送装置11は、幅が振動板12の幅より広い物体13を搬送するのに適した装置である。図3に示すように、音波反射部材24は幅方向の中央において屈曲された形状に形成され、幅方向の中央が振動板12の幅方向の中央と対向する状態で振動板12の下方に配置されている。音波反射部材24は、対称に形成されるとともに、振動板12の物体13に対向する側と反対側の面12aに対する傾斜方向が反対となる二つの反射面24b,24cを備えている。各反射面24b,24cは、幅方向において振動板12との距離が幅方向の外側寄りほど大きくなるように形成されている。
この実施形態の物体浮揚搬送装置11では、振動板12から垂直下方に放射された音波は、振動板12に向かって垂直方向に進むように反射面24b,24cで反射されるのではなく、振動板12の幅方向において外側に向かって進むように反射される。従って、振動板12の幅方向の端部寄り部分から音波反射部材24に向かって放射された音波は、反射面24b,24cで反射された後、図3に示すように、振動板12の端部より外側を通過して物体13を浮揚させるように反射される。
搬送すべき物体13の幅が広くなった場合、その幅に合わせて振動板12の幅を広くすると、振動板12を励振するのに必要なエネルギーが大きくなる。振動板12の幅を狭くすると、振動板12から物体13に向かって放射された音波は物体13全体に均等に作用するのではなく、物体13の端部には作用しない。その結果、図3に鎖線で示すように。物体13は幅方向の両端が振動板12より下方に位置するように撓む状態になる場合がある。この実施形態では、物体13が幅方向において撓んでも、振動板12の幅方向の端部寄り部分と対応する箇所において反射面24b,24cで反射された音波の作用により、物体13が振動板12と接触するのが防止される。
この実施形態においては、前記第1の実施形態の(1),(2),(5),(6)と同様な効果が得られる他に、次の効果が得られる。
(7)音波反射部材24の反射面24b,24cは、振動板12との距離が幅方向の外側寄りほど大きくなるように形成されている。従って、振動板12から反射面24b,24cに向かって放射された音波の一部が、振動板12の幅方向の端部より外側の位置に向かって進むように効率良く反射される。その結果、振動板12より幅の広い物体13を浮揚させる際、物体13が撓んでも振動板12の幅方向の端部に物体13が接触するのを防止することができる。
(8)振動板12は幅方向の中央で屈曲されて対称に形成されている。従って、反射面24b,24cで反射された音波のうち、振動板12の幅方向の外側に向かって進む音波の物体13を浮揚させる力も対称となり、物体13を安定して浮揚させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を図4に従って説明する。この実施形態は、音波反射部材24の反射面で反射された音波が主として物体13に直接作用して物体13の浮揚を助勢し、振動板12の励振にはさほど寄与しない点が前記第1及び第2の実施形態と大きく異なっている。そして、音波反射部材24の構成が前記両実施形態と異なっており、他の基本的な構成は同じである。前記実施形態と同一部分に関しては同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分について説明する。図4は振動板12、物体13及び音波反射部材24の関係を示す模式図である。
図4に示すように、独立した音波反射部材24が、振動板12の幅方向の端部と対応する位置にそれぞれ配置されている。両音波反射部材24は、反射面24b,24cの振動板12の物体13に対向する側と反対側の面12aに対する傾斜方向が反対となるように、かつ振動板12の中心をとおり幅方向と直交する平面に対して対称に配置されている。
この実施形態の物体浮揚搬送装置11では、音波反射部材24は振動板12の幅方向の両端部と対応する位置にのみ配置されているため、振動板12の幅方向中央寄りの部分から放射された音波が振動板12の振動に寄与することはない。振動板12から垂直下方に放射された音波の一部は、反射面24b,24cで反射された後、図4に示すように、振動板12の端部より外側を通過して物体13を浮揚させるように反射される。そして、前記第2の実施形態と同様に、物体13が幅方向において撓んでも、振動板12の幅方向の端部寄り部分と対応する箇所において反射面24b,24cで反射された音波の作用により、物体13が振動板12と接触するのが防止される。この実施形態においては、前記第1の実施形態の(5)と、第2の実施形態の(7)と同様な効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を図5に従って説明する。この実施形態は、物体浮揚搬送装置11がローラコンベア装置26と、音波浮揚ユニット27とから構成されており、物体13は音波浮揚ユニット27により音波の作用で浮揚されるが、物体13を移動(搬送)させる力(推進力)はローラコンベア装置26で与える点が前記各実施形態と大きく異なっている。前記実施形態と同一部分に関しては同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分について説明する。
支柱28に支持された支持プレート14は一対の側壁14aを備えている。両側壁14a間には複数本の回転軸29が所定間隔をおいて互いに平行に支持されている。回転軸29の両端、側壁14aの内側には、音波浮揚ユニット27の作用により浮揚状態で中央の撓みが抑制された状態の物体13の両端部と係合して、物体13を移動させるローラ30が一体回転可能に固定されている。ローラ30は段差部30aを有し、段差部30aで物体13の端部と当接して物体13の幅方向への移動を規制するようになっている。
回転軸29の一端にはプーリ31が一体回転可能に固定されている。各回転軸29は、各プーリ31と、モータ32により駆動される駆動プーリ33との間に巻き掛けられたベルト34を介してモータ32により一定方向に回転される。
支持プレート14の幅方向中央には、回転軸29の上方において回転軸29と直交する方向に延びるように振動板12が配設されている。振動板12は物体13の幅より狭い矩形平板状に形成され、物体13をその中央部で浮揚保持可能になっている。振動板12の下方には、第1の実施形態と同様に、音波反射部材24が配置されている。
この実施形態においては、振動板12から放射される音波の放射圧によって、物体13の中央部は振動板12の表面から浮揚する。しかし、物体13の両端部はローラ30の段差部30aに接触した状態に保持される。そして、ローラ30の回転により物体13に推力が付与され、物体13は側壁14aに沿って搬送される。
なお、物体13として、例えば、薄いガラス板(厚さ1mm以下)の搬送に適用した場合、物体13の端部はローラ30と常に当接した状態となるため、汚れや傷が付く可能性があるが、ガラス板の端部は最終的には製品とならない不用部となるので支障はない。
この実施形態においては、前記第1の実施形態の(1)〜(6)と同様な効果が得られる他に、次の効果が得られる。
(9)物体浮揚搬送装置11は、物体13をその幅方向の両端部で支持して搬送するローラコンベア装置26(搬送手段)と、搬送手段で支持された物体13に浮揚力を付与する音波浮揚ユニット27とを備えている。従って、物体13は幅方向両端が常にローラ30と接触した状態となるため、物体13が幅広の場合でも、安定した状態で搬送することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
○ 図6に示すように、音波反射部材24の反射面24aと、振動板12の該反射面24aに対向する面12aとの距離をL、振動板12から発する音波の波長をλとしたとき、L<<λの関係が成り立つように、音波反射部材24を配置してもよい。ここで、「L<<λの関係が成り立つ」とは、例えば、距離Lが波長λの1/10未満、振動板12の振動数が20kHzの場合1mm以下であることを意味する。この場合、距離Lが波長λの1/2より大きい場合に比較して、反射面24aで反射された音波が振動板12に作用するときのエネルギーが大きくなる。
○ 物体浮揚搬送装置11は振動板12を複数備えていてもよい。例えば、図7に示すように、2個の振動板12を平行に設け、各振動板12の下方に音波反射部材24を設ける。音波反射部材24は振動板12の面12aに平行な反射面24aと、振動板12の面12aに対して傾斜する反射面24b,24cを備えている。反射面24aと面12aとの距離Lは、振動板12から発する音波の波長λのN/2倍(Nは自然数)に設定されている。この場合、反射面24aで反射される音波により、振動板12の振動が効率良く助勢される。また、反射面24b,24cで反射される音波が物体13の浮揚に直接寄与し、物体13が振動板12に接触するのが防止される。
○ 音波反射部材24の形状及び配設位置は前記各実施形態に限らず、振動板12から物体13と反対側に放射される音波を、振動板12の振動を助勢するように反射させる反射面24a,24b,24cを備えていればよい。例えば、振動板12の物体13と反対側の面12aと、反射面24aとが平行の場合でも、両面間の距離Lは、振動板12から発する音波の波長λのN/2倍(Nは自然数)に限らない。前記距離Lは、反射面24aで反射された音波と、反射面24aに向かう音波とが干渉して互いに打ち消し合うようになる距離以外であればよい。また、反射面24a,24b,24cは平面に限らず曲面であってもよい。
○ 振動板12の形状は長方形に限らない。正方形でも円形でも多角形でもよい。この場合、音波反射部材の形状も振動板の形状に合わせることが好ましい。
○ 音波反射部材24の反射面が振動板12の端部より外側にはみ出した部分を有する形状としては、幅方向の端部より外側にはみ出す形状に限らず、振動板12の長手方向の端部より外側にはみ出した部分を有する形状であってもよい。
○ 音波反射部材24は板状である必要はなく、ブロック状であってもよい。
○ 専用の音波反射部材24を設ける代わりに、他の役割を果たすための部材の一部を反射面に利用して音波反射部材としてもよい。例えば、支持プレート14の上面を反射面として使用する構成としてもよい。また、ホーン15及び振動子16を支持プレート14上に支持する構成ではなく、ブラケットに支持する構成とし、振動板12の下方に配置されるめくら板や、物体浮揚搬送装置11を組み立てる際におけるねじ等の落下防止用の板を音波反射部材として使用するようにしてもよい。
○ 振動板12の振動を助勢する音波反射部材24であっても、その幅が振動板12の物体13と対向する側と反対側の面12aから放射された音波を全て振動板12側に反射する必要はない。例えば、音波反射部材24として振動板12より幅の狭いものを配置したり、複数の音波反射部材24を隙間をあけた状態で配置したりしてもよい。また、振動板12の長手方向と交差するように複数の音波反射部材24を配置してもよい。
○ 第1及び第4の実施形態において、音波反射部材24を高さ調整可能に設けてもよい。この場合、反射面24aと、振動板12の該反射面24aに対向する面12aとの距離Lを、振動板12から発する音波の波長λのN/2倍(Nは自然数)に設定するのが容易となる。
○ 振動板12から定在波を発生する構成として、一方のホーン15のみを振動子16に締結し、他方のホーン15は振動子16で励振させない構成としたり、振動板12の中央をホーン15に連結して振動子16で励振する構成としてもよい。
○ 振動板12から定在波を発生する構成の音波浮揚装置(音波浮揚ユニット27)を台車に搭載し、振動板12から放射される定在波で物体13を浮揚状態に保持するとともに、台車の移動により目的地まで搬送する搬送装置に適用してもよい。
○ 振動板12から進行波を発生させて物体13を浮揚状態で搬送する構成としてもよい。例えば、一方の振動子16を発振器21と接続する代わりに、負荷回路に接続する。この構成では、負荷回路に接続された振動子16を構成するピエゾ素子17a,17bにより機械エネルギーである振動のエネルギーが電気エネルギーに変換され、この電気エネルギーが負荷回路の抵抗でジュール熱に変換されて放散されることにより、振動板12に生じる振動の波が一方向へ進む進行波となる。
○ 振動板12から進行波を発生させる状態と、定在波を発生する状態とに切換可能に構成してもよい。
○ ホーン15の形状は扁平な直方体状に限らず、円柱状やほぼ円錐台状等先端側が細くなった形状としてもよい。
○ 浮揚保持する物体13の形状は四角形に限らず、三角形や他の多角形あるいは円形等任意の形状としてよい。
○ 振動板12のホーン15への固定はねじによる締結に限らず、接着剤を使用したり、ロウ付けや溶接で固着したりしてもよい。
○ 振動子16はランジュバン形振動子に限らず他の振動子を使用してもよい。
〇 音波浮揚装置は、物体13を水平状態で浮揚保持する構成に限らず、板状の物体13の下端をローラ等の支承部材で支承した状態で斜めに保持する構成であってもよい。この場合、下端が支承部材に支承されているため、厳密には浮揚状態ではないが、振動板に対しては物体は浮揚状態に保持されている。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)前記振動板は進行波を発生するように励振される。
(2)音波浮揚装置は前記振動板から定在波を発生するように構成され、浮揚状態の物体に推進力を与える推進力付与手段を備えている。
(3)前記振動板は複数平行に設けられており、前記音波反射部材は各振動板毎に設けられている。
(4)物体をその搬送方向に向かって左右両端部で支持して搬送する搬送手段と、前記搬送手段で支持された物体に浮揚力を付与してその撓みを抑制する音波浮揚装置とを備え、前記音波浮揚装置として請求項1又は請求項に記載の発明の音波浮揚装置を備えた物体搬送装置。
(a)は第1の実施形態の物体浮揚搬送装置の模式斜視図、(b)は模式側面図。 作用を示す模式図。 第2の実施形態の物体、振動板及び音波反射部材の関係を示す模式図。 第3の実施形態の物体、振動板及び音波反射部材の関係を示す模式図。 第4の実施形態の物体浮揚搬送装置の模式斜視図。 別の実施形態の物体、振動板及び音波反射部材の関係を示す模式図。 別の実施形態の物体、振動板及び音波反射部材の関係を示す模式図。 従来技術の模式図。
符号の説明
L…距離、11…音波浮揚装置としての物体浮揚搬送装置、12…振動板、12a…面、13…物体、15…励振手段を構成するホーン、16…同じく振動子、21…同じく発振器、24…音波反射部材、24a,24b,24c…反射面。

Claims (2)

  1. 振動板を励振手段で励振させて、振動板からの音波の放射圧により物体を浮揚させる音波浮揚装置であって、
    前記振動板から前記物体と反対側に放射される音波を反射させる反射面を備えた音波反射部材が、前記振動板の前記物体に対向する側と反対側に位置するように設けられ、前記振動板の振動を助勢し、
    前記音波反射部材は、前記反射面の少なくとも前記振動板の端部と対応する部分が、前記振動板との距離が外側寄りほど大きくなるように形成されている音波浮揚装置。
  2. 振動板を励振手段で励振させて、振動板からの音波の放射圧により前記振動板からはみ出す物体を浮揚させる音波浮揚装置であって、
    前記物体の前記振動板の少なくとも外側にはみ出した部分に、前記音波を反射させる反射面を備えた音波反射部材が前記振動板の前記物体に対向する側と反対側に位置するように設けられ、前記物体の浮揚を助勢し、
    前記音波反射部材は、前記反射面の少なくとも前記振動板の端部と対応する部分が、前記振動板との距離が外側寄りほど大きくなるように形成されている音波浮揚装置
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