JP4201642B2 - 伝熱管並びにこの伝熱管を組み付けた熱交換器 - Google Patents

伝熱管並びにこの伝熱管を組み付けた熱交換器 Download PDF

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、EGRガス冷却装置等の多管式熱交換器にて、冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒、その他の冷却媒体と、EGRガス、煤を含有する燃焼排気ガス等との熱交換を行うために用いる、伝熱管並びにこの伝熱管を組み付けた熱交換器に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平11−108578号公報
【特許文献2】
特開2001−227413号公報
【0003】
従来、自動車のエンジン等では、排気ガスの一部を排気ガス系から取り出して、再びエンジンの吸気系に戻し、混合気や吸入空気に加えるEGRシステムが、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに用いられていた。EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率のクールドEGRシステムでは、排気ガス中のNOxを低減し、燃費の悪化を防止するとともに、過剰な温度上昇によるEGRバルブの機能低下や耐久性の低下を防止するため、高温のEGRガスを冷却水、冷却風、冷媒、その他の冷却媒体で冷却する装置を設けている。
【0004】
そして、このEGRガス冷却装置は、図5に示す如く、EGRガスが内部を流通可能な複数の細径の伝熱管(1)を配置し、この伝熱管(1)の外側に冷却水や冷却風、冷媒等の冷却媒体を流通させる事により、伝熱管(1)を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を行うものである。
【0005】
このような伝熱管としては、特許文献1記載の発明、特許文献2記載の発明等が知られている。これらの従来公知の伝熱管は、流体の流通する内周面が平滑なものであるから、図6に示す如く、流通する排出ガスに含まれる煤(2)が堆積しやすいものとなる。この伝熱管(1)の内面に、煤(2)が付着して堆積すると、煤(2)が断熱作用を生じ交換熱量が低下し、伝熱管(1)としての性能を低下させるものとなり好ましくない。そこで、従来はこの煤(2)を伝熱管(1)の内面から除去する方法として、伝熱管(1)を一定期間使用した後は、ブラシ状のもので掻き落としたり、伝熱管(1)の冷却作動を停止して伝熱管(1)を高温にする事で煤(2)を焼却して除去する方法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、伝熱管(1)の内面に付着した煤(2)を、ブラシ状のもので掻き落としたり、伝熱管(1)の冷却作動を停止して伝熱管(1)を高温にする事で煤(2)を焼却したりする方法は、多くの手数を要するばかりでなく伝熱管(1)の冷却作動を停止させねば成らず、伝熱管(1)の作業効率を著しく低下させるものとなっている。また、このような欠点を防止し伝熱管(1)の内面への煤(2)の付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の表面エネルギーの低いコーティングを伝熱管(1)の内面に施す事も行われている。しかしながら、この表面エネルギーの低いコーティングを伝熱管の内面に施す方法は、フッ素樹脂等の表面エネルギーの低いコーティングが、金属に比較して熱伝導率が小さく伝熱性に乏しいため、本来熱交換器である伝熱管(1)の熱伝達効率を低下させるものとなる。
【0007】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、伝熱管(1)の本来の目的である熱伝達効率を低下させる事が無く、また、伝熱管の冷却作動を停止させずに伝熱管(1)の内面に付着した煤(2)を自動的に除去する事を可能にする。また、この煤(2)の除去を伝熱管(1)の内面への煤(2)の付着量が少ない内に行う事により、煤(2)による伝熱管の熱伝達効率の低下を最小限にしようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の如き課題を解決するため、第1の発明は、軸方向の一端に流体導入口を、軸方向の他端に流体導出口を設けた素管の内周面に、素管の軸方向と平行に複数本の直線状の金属線を間隔を設けて環状に配置し、この直線状の金属線の少なくとも一端部を素管の流体導入口側に固定すると共にこの直線状の金属線を、流体導入口への流体の導入に伴って揺動し得る強度とし、素管の内周面に付着する煤を直線状の金属線の揺動により剥離可能としたことを特徴とする伝熱管に係るものである。
【0009】
また、第2の発明は、軸方向の一端に流体導入口を、軸方向の他端に流体導出口を設けた素管の内周面に、素管の軸方向と平行に複数本の直線状の金属線を間隔を設けて環状に配置し、この直線状の金属線の少なくとも一端部を素管の流体導入口側に固定すると共にこの直線状の金属線を、流体導入口への流体の導入に伴って揺動し得る強度とし、素管の内周面に付着する煤を直線状の金属線の揺動により剥離可能とした伝熱管を組み付けたことを特徴とする伝熱管を組み付けた熱交換器に係るものである。
【0010】
また、直線状の金属線は、素管の流体導入口から流体導出口迄の全長に渡って連続的に配置し、一端部を流体導入口に、他端部を流体導出口に固定したものであっても良い。
【0011】
また、素管は、流体導入口側から流体導出口側の内面に間隔を設けて固定環を固定し、この複数の固定環の流体導入口側に各々直線状の金属線の一端部を固定して形成したものであっても良い。
【0012】
【作用】
上述の如く構成したものに於いて、素管の流体導入口からEGRガス、煤を含有する燃焼排気ガス等の流体を導入すると、流体は流体導出口方向に流動する過程で煤を流体の内面に付着させると共に、流体の流動エネルギーにより直線状の金属線を振動させ、軸方向に対して上下左右にランダムな振幅で揺動させる。この揺動は、伝熱管内を流れる流体の速度変化や、EGRシステムに振動が発生する場合等に特に発生し易いものとなる。この揺動により、直線状の金属線は素管の内周面に接触して擦る事となり、内周面に付着する煤を、付着の初期に於いて素管の内周面から剥離させることが可能となる。そして、素管の内周面から剥離した煤は流体と共に下流に流出する。
【0013】
そして、直線状の金属線は、流体によって揺動が生じることのない強度に形成すると技術的効果を生じないものであって、流体導入口への流体の導入に伴ってランダムな振幅で揺動し得る強度としている。この強度は、直線状の金属線を短くすれば揺動は生じにくくなるし、長くすれば揺動は生じやすいものとなる。また、直線状の金属線は直径を大きくすれば強度が高まり揺動を生じ難いものとなるし、直径を小さなものとすれば揺動を生じやすいものとなる。
【0014】
また、直線状の金属線は、素管の流体導入口から流体導出口迄の全長に渡って連続的に配置しても良く、この場合は金属管の一端部を流体導入口に、他端部を流体導出口に固定して形成する。
【0015】
また、直線状の金属線は上記の如く一本の金属管を素管の流体導入口から流体導出口迄の全長に渡って連続的に配置しても良いが、素管の軸方向に於いて複数の直線状の金属線を配置しても良い。この場合は、流体導入口側から流体導出口側の内面に間隔を設けて固定環を固定し、この複数の固定環の流体導入口側に各々直線状の金属線の一端部を固定して形成するものである。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の伝熱管の一実施例を図面に於て説明すれば、(1)は伝熱管で、流体が内部を流動可能な素管(3)の軸方向の一端に流体導入口(4)を設け、軸方向の他端に流体導出口(5)を形成している。この素管(3)の内周面(6)に、素管(3)の軸方向と平行に複数の直線状の金属線(7)を所望の間隔を設けて環状に配置している。そして、この直線状の金属線(7)の少なくとも一端部(8)を素管(3)の流体導入口(4)の開口縁(10)に係合固定している。また、この直線状の金属線(7)は一実施例に於いて、図1、図2に示す如く、素管(3)の流体導入口(4)から流体導出口(5)迄の全長に渡って配置し、一端部(8)を流体導入口(4)の開口縁(10)に折り曲げて係合固定すると共に、他端部(11)を流体導出口(5)の他端開口縁(12)に折り曲げて係合固定している。
【0017】
また、上記の直線状の金属線(7)はSUS、インコネル等の耐食性金属により形成し、直径を50μ〜250μの範囲で形成する。直線状の金属線(7)の直径を50μよりも細くすると、強度的に弱くなり使用中の断線等を生じ好ましくない。また、直線状の金属線(7)の直径を250μよりも太くすると、直線状の金属線(7)の強度が大きくなり、流体の素管(3)への導入によっても揺動を生じることが少ないか、生じないものとなり、素管(3)の内面に付着した煤(2)の剥離を有効に行うことが出来ないものとなる。このように、直線状の金属線(7)は、流体導入口(4)への流体の導入に伴ってランダムな振幅で揺動し得る強度とし、素管(3)の内周面(6)に付着する煤(2)を直線状の金属線(7)の揺動により剥離可能とするものである。
【0018】
また、上記実施例では、素管(3)の流体導入口(4)から流体導出口(5)迄の全長に渡って一本の直線状の金属線(7)を配置し、一端部(8)を流体導入口(4)の開口縁(10)に折り曲げて係合固定すると共に、他端部(11)を流体導出口(5)の他端開口縁(12)に折り曲げて係合固定している。しかし、他の異なる第2実施例では、図4に示す如く、素管(3)の軸方向に於いて複数本の直線状の金属線(7)を配置しても良い。この場合は、流体導入口(4)側から流体導出口(5)側の内面に、軸方向に於いて所望の間隔毎に固定環(13)を固定する。また、この固定環(13)は、素管(3)の内周面(6)との間に直線状の金属線(7)の挿入間隔(14)を設け、この挿入間隔(14)に直線状の金属線(7)の一端部(8)を挿入して固定環(13)に折り曲げ係合している。この複数の固定環(13)への直線状の金属線(7)の係合固定は、一端部(8)の係合固定位置が流体導入口(4)側に配置されるように固定して形成するものである。
【0019】
上述の如き伝熱管(1)を使用したEGRガス冷却装置(15)である熱交換器を図5に示す。この熱交換器であるEGRガス冷却装置(15)は、円筒状の胴管(16)の両端付近に、内部を密閉可能にチューブシート(17)を一対、接続している。そして、この一対のチューブシート(17)間に、本実施例の伝熱管(1)を複数本、チューブシート(17)を貫通して接続配置している。また、胴管(16)の両端には、EGRガスの導入口(18)と導出口(20)とを設けたボンネット(21)を接続している。
【0020】
更に、胴管(16)の外周には、エンジン冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒等の冷却媒体の流入口(22)と流出口(23)を設ける事により、一対のチューブシート(17)で仕切られた気密空間内を、冷却媒体が流通可能な冷却部(24)としている。また、好ましくはこの冷却部(24)内に、複数の支持板(25)を接合配置し、この支持板(25)に設けた挿通孔(26)に、伝熱管(1)を挿通する事により、バッフルプレートとして伝熱管(1)を安定的に支持するとともに、冷却部(24)内を流動する冷却媒体の流れを蛇行化している。
【0021】
そして、上述の如きEGRガス冷却装置(15)に於いて、導入口(18)から胴管(16)内に高温のEGRガスを導入すると、このEGRガスは胴管(16)内に複数配置した伝熱管(1)内に流入する。この伝熱管(1)を配置した冷却部(24)では、予め伝熱管(1)の外部にエンジン冷却水等の冷却媒体を流通しているので、伝熱管(1)の内外両表面を介してEGRガスと冷却媒体とで熱交換が行われる。
【0022】
上記の熱交換に於いて、伝熱管(1)の内部を流れる流体がディーゼルエンジンの排気ガス等の如く、流体中に煤(2)等を含むものの場合は、伝熱管(1)の内周面にこの煤(2)を付着堆積するものとなる。しかし、本発明の実施例に於いては、素管(3)の流体導入口(4)からEGRガス、煤(2)を含有する燃焼排気ガス等の流体を導入すると、流体は流体導出口(5)方向に流動する過程で、煤(2)を伝熱管(1)の内面に付着させると共に、流体の流動エネルギーにより、図3に示す如く、直線状の金属線(7)を振動させ、軸方向に対して上下左右にランダムな振幅で揺動させる。この揺動により、直線状の金属線(7)は素管(3)の内周面に付着する煤(2)を、付着の初期に於いて素管(3)の内周面(6)から剥離させることが可能となる。そして、素管(3)の内周面(6)から剥離した煤(2)は流体と共に下流に流出する。
【0023】
従って、従来の如く、伝熱管(1)を一定期間使用した後、ブラシ状のもので掻き落としたり、伝熱管(1)の冷却作動を停止して伝熱管(1)を高温にする事で煤(2)を焼却して除去する等の除去手段を取る必要がない。本発明に於いては、伝熱管(1)の内面への煤(2)の付着は自動的に除去されるため、手数を要しないと共に煤(2)の除去に伝熱管(1)の使用を中断することもないものとなる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したものであるから、伝熱管の本来の目的である熱伝達効率を低下させる事が無く、また、伝熱管の冷却作動を停止させずに伝熱管の内面に付着した煤を自動的に除去する事ができる。また、この煤の除去を伝熱管の内面への付着量が少ない内に行う事ができ、煤による伝熱管の熱伝達効率の低下を最小限にする事ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す斜視図。
【図2】 直線状の金属線と素管との関係を示す一部省略拡大端面図。
【図3】 直線状の金属線による煤の除去状況を示す拡大断面図。
【図4】 第2実施例の拡大断面図。
【図5】 伝熱管を組み付けたEGRガス冷却装置の一例を示す断面図。
【図6】 従来例による伝熱管への煤の付着例を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1 伝熱管
2 煤
3 素管
4 流体導入口
5 流体導出口
6 内周面
直線状の金属線
8 一端部
11 他端部
13 固定環
15 ガス冷却装置

Claims (6)

  1. 軸方向の一端に流体導入口を、軸方向の他端に流体導出口を設けた素管の内周面に、素管の軸方向と平行に複数本の直線状の金属線を間隔を設けて環状に配置し、この直線状の金属線の少なくとも一端部を素管の流体導入口側に固定すると共にこの直線状の金属線を、流体導入口への流体の導入に伴って揺動し得る強度とし、素管の内周面に付着する煤を直線状の金属線の揺動により剥離可能としたことを特徴とする伝熱管。
  2. 軸方向の一端に流体導入口を、軸方向の他端に流体導出口を設けた素管の内周面に、素管の軸方向と平行に複数本の直線状の金属線を間隔を設けて環状に配置し、この直線状の金属線の少なくとも一端部を素管の流体導入口側に固定すると共にこの直線状の金属線を、流体導入口への流体の導入に伴って揺動し得る強度とし、素管の内周面に付着する煤を直線状の金属線の揺動により剥離可能とした伝熱管を組み付けたことを特徴とする伝熱管を組み付けた熱交換器。
  3. 直線状の金属線は、素管の流体導入口から流体導出口迄の全長に渡って連続的に配置し、一端部を流体導入口に、他端部を流体導出口に固定したことを特徴とする請求項1の伝熱管。
  4. 直線状の金属線は、素管の流体導入口から流体導出口迄の全長に渡って連続的に配置し、一端部を流体導入口に、他端部を流体導出口に固定したことを特徴とする請求項2の伝熱管を組み付けた熱交換器。
  5. 素管は、流体導入口側から流体導出口側の内面に間隔を設けて固定環を固定し、この複数の固定環の流体導入口側に各々直線状の金属線の一端部を固定して形成したことを特徴とする請求項1の伝熱管。
  6. 素管は、流体導入口側から流体導出口側の内面に間隔を設けて固定環を固定し、この複数の固定環の流体導入口側に各々直線状の金属線の一端部を固定して形成したことを特徴とする請求項2の伝熱管を組み付けた熱交換器。
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