JP4201835B2 - データ検出器 - Google Patents
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Description
本発明は、部分応答チャネルのデータ検出方法に関する。
背景技術
電子装置には、その動作が部分応答チャネルによって精密にモデル化できるタイプのものがある。例えばテープレコーダあるいは磁気ディスクドライブといった磁気記録装置は、クラスIVの部分応答チャネルによってモデル化できる。このような磁気記録装置に記憶される情報の密度を増加させることは、ますます必要になっている。磁気媒体には飽和効果があるため、このような装置で多レベル記録を実現することは困難である。かくして、ビットレートを増加させることが、記録密度を増加させる最も有望な方法となっている。ビットレートを最大にするためには、磁気記録/再生経路の誤り率を最小にすることが必要である。誤り率を最小化するには二つの方式があり、第1の方式はチャネル特性を補正しなくてはならず、第2の方式は記号間干渉(ISI)を抑制しなくてはならない。
磁気記録/再生経路の誤り率を最小化する従来の努力は、通信チャネル技術を記録/再生経路に応用したものである。このような磁気記録/再生経路は、「1−D2」応答特性を有する部分応答チャネルによって、大雑把にモデル化できる。このような既知の部分応答システムでは、一連の記号を表す2レベルデータ信号が、あらかじめ符号化され、磁気媒体に記録される。その結果得られる再生信号は、式(1)によって表すことができる。
(1) 1+a1D−(1+a2)D2+a3D3+...+andn
ここで各aは理想的チャネル応答からの摂動を表す。すなわち、もしすべてのaが0であれば、このチャネル応答は所望の「1−D2」応答となる。
発明の開示
本発明の原理によれば、スライス回路の代わりに判断フィードバック・ループ内に最尤シーケンスデコーダ(MLSD)を配置し、このMLSDからの最尤残存シーケンスを入力として適応判断フィードバックイコライザに与えることにより、あるチャネルにおけるビット誤り率の向上がもたらされる。チャネル特性を所望の形態に整形することと後続ISIを抑制することの両方のためにこのような判断フィードバックイコライザを使うことによって、フィードフォワードイコライザの複雑さを実質的に減らし、またそのコストも同様に削減できる。更に適応型フィードフォワードイコライザと判断フィードバックイコライザとにおける係数と、記号タイミング・クロックの位相とを適応させるために使われる誤差信号を評価する際に残存シーケンスからの記号判断を使うことは、より信頼度の高い誤差信号をもたらし、したがってフィルタ係数のより精度の高い適応をもたらす。
本発明によればデータ検出器は、記号シーケンスを表すデータ信号源を含む。(MLSD)は、このデータ信号源に接続され、複数の記号を含む最尤残存シーケンスを生成する。判断フィードバックイコライザは、最尤残存シーケンスに応答するよう構成される。
MLSDは記号単位スライス回路に対して記号判断の精度を向上させるので、本発明にしたがって配列された判断フィードバックイコライザからのフィードバック信号は、従来技術の判断フィードバックイコライザよりも高精度でチャネル特性を成形し、ISIを抑制するであろう。更に、等化された受信入力信号の値と(MLSD)によって生成された記号判断の値とから導出される誤差信号と記号タイミング・クロック信号とは、記号単位スライス回路から導出されたそれらの信号よりも精度が高いであろう。その結果、適応型フィードフォワードイコライザおよび適応型判断フィードバックイコライザにおける記号タイミングと係数とは、従来技術の装置のものより高精度に調整される。
【図面の簡単な説明】
本発明の教示するところは、以下の添付図面と合わせて下記の詳細な説明を考察することによって容易に理解できる。
図1は、磁気再生回路における2レベル信号の検出に適応した本発明のデータ検出器のブロック図である。
図2は、図1の最尤シーケンスデコーダ(MLSD)と判断フィードバックイコライザの更に詳細なブロック図である。
図3は、部分応答チャネルの格子関係を表す線図である。
図4と図5は、図2のMLSDのそれぞれの部分を示す更に詳細なブロック図である。
図6は、多レベルQAM記号の検出に適応した本発明のデータ検出器のブロック図である。
理解を容易にするために、各図に共通の構成要素を表すのに可能な限り、同じ参照番号を使っている。
発明を実施するための最良の形態
図1は、磁気再生回路の2レベル信号の検出に適応した本発明のデータ検出器のブロック図である。図1において、入力端子5は磁気再生フロントエンドの出力端子(図示せず)に接続される。この再生フロントエンドは例えば、既知のように配列され、動作する磁気媒体読み取りヘッドとアナログ増幅器とナイキスト・フィルタとを含んでいる。この入力端子5における信号は、前にディジタル信号が記録された磁気媒体からの再生信号を表す記号である。入力端子5は、内挿フィルタ10と固定イコライザ20と適応型フィードフォワードイコライザ(FFE)30との直列接続の入力端子に結合されており、これらすべては既知のように構成され、動作する。フィルタ10は、信号サンプリング回路を含み、タイミング制御入力端子からのタイミング信号によって制御されるサンプリング時間でサンプリング・データ信号を生成する。
FFE30の出力端子は、加算器40の第1の入力端子に接続される。加算器40の出力端子は、例えばヴィテルビ(Viterbi)デコーダといった最尤シーケンス検出器(MLSD)50の入力端子と、減算器100および位相検出器70それぞれの第1の入力端子とに接続される。MLSD50の出力端子は、出力端子15に接続される。出力端子15は、磁気媒体に事前に記録された検出データ信号を表す再生記号判断の1シーケンスを生成し、また磁気再生システムの更なるユーティリティ回路(図示せず)に接続される。MLSD50の第2の出力端子は、減算器100の第2の入力端子に接続される。MLSD50の第3の出力端子は、図1の太い矢印で示される3個の記号判断を搬送して、位相検出器70の第2の入力端子に接続され、MLSD50の第4の出力端子は、図1に太い矢印で示されるn個の記号判断を搬送して、判断フィードバックイコライザ(DFE)60の入力端子に接続される。
検出器70の出力端子は、低域フィルタ(LPF)80と数値制御発振器(NCO)90との直列接続を介してフィルタ10のタイミング制御入力端子に接続される。DFE60の出力端子は、加算器40の第2の入力端子に接続される。減算器100の出力端子は誤差信号eを生成し、DFE60とFFE30と監視・制御ユニット(MCU)130とのそれぞれの制御入力端子に接続される。MCU130のそれぞれの制御出力端子は、MLSD50の対応する入力端子に接続される。
動作時には、2進信号が既知の方法で記録システム(図示せず)によって磁気媒体上に記録される。図示の実施形態ではテープに記録される記号は、2進法の「1」か「0」のどちらかである。これらの記号は先ず、
の特性を有するインターリーブNRZIプリコーダによって既知のように処理される。当業者は、このプリコーダによって生成される符号化されたシーケンスは、2倍インターリーブ記号シーケンス、すなわちこの記号シーケンスの各々は2進値「1」が1記号時間内の1磁束反転(+か−のどちらか)として記録され、また2進値「0」が1記号時間内の1磁束反転(+か−のどちらか)の不在として記録される記録信号を生成するシーケンスであると考えてもよいということが分かるだろう。このようなあらかじめ記録された符号化シーケンスを再生した結果得られる再生記号のシーケンスは、非インターリーブ化されて、各々が(1−D)特性を有する2個の(1−D)デコーダまたは1個のパイプライン(1−D)デコーダのいずれかによって2個の別々の記号ストリームとして処理される。本出願の残りの部分で、このような1個の(1−D)記号ストリームを処理するデコーダを説明する。
磁気媒体が再生されるとき、図1に示す回路は、再生フロントエンドからの信号を分析して、非インターリーブ化された1記号シーケンスの記号時間を検出し、またその記号時間に2進値「1」または2進値「0」のどちらの記号が記録されたかを評価する。単一の記号を表す再生フロントエンド(図示せず)からの再生信号は、その信号の一部分が次の記号時間にもまだ存在しているといった期間、持続することができ、事実、後続する幾らかの記号時間の間、有意な残存値を持つこともあり得る。この後続残存信号値は、後続ISIと呼ばれる。しかしながら理想チャネルにおいては、後続の記号時間における再生信号の残存値は既知であり、また記録された記号を正しく識別する補助として使用することができ、またそうでなければ、補正することもできる。したがって理想チャネルを通過した信号から得られる後続ISIは、所望のISIである。例えば(1−D)チャネルにおいて、D項から得られる後続残存信号値は、所望のISIであって、磁気媒体に事前に記録された2レベル信号値を3レベル信号に変換する。このような信号を理想的な(1−D)チャネルを伝送した結果得られる後続残存信号値は、各記号を識別して正しく受信するために使用することができる。
再生システムにおけるイコライザは、チャネルのどのような不完全さでも補正して、理想的(1−D)チャネルを通ってきたかのような再生信号を生成しようとする。しかしながらそのチャネルが理想的でない場合、および/または再生システムによるそのチャネルの等化が完全でない場合は、後続の記号時間における各記号信号の残存値は完全には補正されず、またその結果その再生システムに誤りが発生し得る。後続の記号時間における受信記号信号の実際の残存値と理想チャネルにおいて期待されるこれらの所望の値との差は、雑音と考えられ、不要ISIと称される。他の雑音成分は、磁気媒体と電子回路とによって導入されるランダム・ノイズである。これらの雑音成分はすべて、再生信号に誤りを導入する。
一般に図1に示される再生システムは、部分応答チャネルで使うために既に提案された既知のシステムと同様に配列されている。しかしながらこれは異なった動作をする。既に提案済みの再生システムでは適応型フィードフォワードイコライザはチャネル整形を行い、判断フィードバックイコライザは不要後続ISIの抑制を行った。すなわち式(1)を参照すれば、(1−D)チャネルに関して、適応型フィードフォワードイコライザはa1とa2をゼロとするようその係数を調整する。判断フィードバックイコライザは、a3〜anをゼロとするようその係数を調整する。しかしながら図1に示される再生システムではDFE60はチャネル整形と不要ISI抑制の両方を行う。すなわちこのDFE60は、a1からanまでのすべてをゼロとするようその係数を調整する。FFE30は単に先行ISIの抑制のみを行う。このようにして図示の実施形態では、FFE30は従来技術のフィードフォワードイコライザよりも少ないタップを持てばよいことになる。このFFE30のタップは各々、全乗算器を含んでいるが、DFE60のタップは(以下に述べる方法で)全乗算器なしで配線することができるので、FFE30のタップはDFE60のタップよりも複雑で高価である。したがって、もっと低コストで製造できる単純な回路を作るために、FFE30のタップの数を減らし、またそれらをDFE60のタップに置き換えることが望ましい。
図1に示される実施形態において加算器40の出力端子は、事前に記録されたデータ信号を、それが理想的(1−D)クラスIVの部分応答チャネルを通過したかのように表す信号を生成することを意図している。この信号は、既知のようにMLSD50によって処理されて、事前に記録されたデータ入力信号内の記号の最尤シーケンスを表す記号判断の1シーケンスを出力端子15に生成する。周知のようにヴィテルビ・デコーダはこのようなチャネルのための二つの残存経路と、このような残存経路各々に対しての誤差量を保持する。第1の残存経路は、格子線図中の第1の状態で終わる記号判断のシーケンスについての最小2乗誤差を生成する記号判断のシーケンスであり、また第2の残存経路は、格子線図における第2の状態で終わる記号判断のシーケンスについての最小2乗誤差を生成する記号判断のシーケンスである。第1の残存経路に関連する誤差量は、第2の残存経路に関連する誤差量と比較される。より小さい誤差量を有する残存経路は、事前に記録された最尤記号シーケンスを含むと想定され、またそのシーケンス内の最も古い記号はMLSD50から出力端子15に出力される。
従来技術の再生システムにおいて判断フィードバックイコライザは、シフトレジスタとして配置され、そしてスライス回路の出力に接続されて、各々の素子が一つの記号を保持する、所定の数の遅延素子を有するトランスバース・フィルタとして実現される。このようにしてこれらの遅延素子は、所定の数の記号判断を保持する。これらの記号判断を表す遅延素子の出力は、それぞれの係数乗算器に接続され、またこれらの係数乗算器からの信号は、合計されてDFEの出力信号を生成する。
ヴィテルビ・デコーダ50において、残存シーケンスの各々はまた、前に記録された最尤記号シーケンスとして選択された対応する最小の誤差量を有する残存シーケンスを有する所定の数の記号判断のシーケンスでもある。図示の実施形態では、このような記号判断の各々は+2,0または−2という値を持つ3レベル信号であり、この値は当初記録された2進データを部分応答チャネルに通した結果である。図1のDFE60において、前述のように誤差量に基づいて選択されたMLSD50からの残存シーケンスは、MLSD50からDFE60への太い矢印で示されるように、該DFE60のそれぞれの係数乗算器に(一連の遅延素子の出力の代わりに)供給される。これらの係数乗算器からの信号は、前述のように、合計されてDFE60の出力信号を生成する。ヴィテルビ・デコーダ内の残存シーケンスは、多くの隣接する記号に基づいて選択されるので、記号単位スライス回路の出力よりも低い誤り率を有し、またDFE60からの出力信号は、従来技術の判断フィードバックイコライザからの出力信号よりも信頼度が高い。
MLSD50から減算器100に供給される信号は、MLSD50の入力で等化受信信号に関して現在作られた記号判断を表す。この信号は、記号単位量子化器によって生成される信号に対応しているが、前述したよりにヴィテルビ・デコーダの動作のために更に信頼度が高い。減算器100は、等化受信信号の値とその信号判断の値との差を表す誤差信号eを生成する。この誤差信号eは、最小平均2乗(LMS)アルゴリズムを使ってすべて既知のようにして、FFE30とDFE60との係数を調整するために使われる。
MLSD50から検出器70への信号は、時間的に隣接する3個の記号判断を含む。特に、現在受信中の記号に対応する記号判断と現判断に時間的に隣接する2個の記号判断とが、検出器70に供給される。位相検出器70は、これら3個のサンプル判断について、また加算器40の出力端子からの現在の等化受信信号について既知のように動作して、内挿フィルタ10のサンプリング・タイミングを制御する。
図1でMLSD50は、最も新しい記号判断(加算器40からの現在の等化受信信号に対応する)を減算器100に供給する。しかしながら誤差信号eを生成するときの残存シーケンスからの古い記号判断を使うことが望ましいこともある、というのは、残存シーケンス内の古い記号は新しい記号よりも信頼度が高いからである。もしより古い記号判断を使って誤差信号eを生成した場合は、減算器100の他の入力端子に供給された等化受信信号は対応する時間だけ遅延させなくてはならない。図1に点線で示した遅延素子110は、加算器40の出力端子と減算器100の第1の入力端子との間に接続される。この遅延素子110は、加算器40からの等化受信信号によってMLSD50からの記号判断を適切に時間合わせするために応分の遅延時間を供給する。このような場合、LMSアルゴリズムによって用いられる残存シーケンスからの記号判断が同様な遅延時間だけ遅延されるということも必要である。LMSアルゴリズムによって用いられた記号判断を誤差信号eに対して適切に時間合わせするために、追加の記憶装置と時間遅延素子(図示せず)が、すべて既知のようにMLSD50に含まれる。
更にMLSD50からの記号判断が図1の受信機の動作中に変わり得るという可能性はある。例えば受信機が起動するときに最も新しい記号判断を使い、その後では、古い記号判断を使うことが望ましいことがある。このような装置では、遅延素子110は可変遅延素子である。MCU130の第1の出力端子は、減算器100に供給される記号判断の選択を制御するためにMLSD50の対応する入力端子に接続される。更に、このMCU130の第2の出力端子は、可変遅延素子110の対応する制御入力端子に接続され、この遅延素子110によって導入される遅延の持続時間はMCU130によって適切に制御される。このMLSD50に含まれる前述の追加の記憶装置と時間遅延素子(図示せず)もまた、LMSアルゴリズムによって使われる記号判断を誤差信号eに対して適切に時間合わせするために適切な方法でMCU130からの制御信号に応じて可変となるように構成される。
同様の理由からMLSD50から位相検出器70に供給される時間的に隣接する3個の記号判断は、残存シーケンスからの時間的に隣接する3個のより古い記号判断であることが望ましいこともある。同じ理由から減算器100に関しては、加算器40の出力端子からの等化受信信号は、検出器70に供給されるより古い3個の記号判断に時間的に対応するように応分に遅延させなくてはならない。第2の遅延素子120は、図1に点線で示してあり、加算器40の出力端子と検出器70の入力端子との間に接続される。この第2の遅延素子120は、MLSD50からの3個の記号判断を加算器40からの等化受信信号に適切に時間合わせするために応分の時間遅延を供給する。繰り返すが、MLSD50からの3個の記号判断は受信機の動作中に変わるかもしれない。この状況では、第2の遅延素子120もまた可変遅延素子であり、またMCU130の出力端子は、可変遅延素子120の対応する制御入力端子に接続されていて、その遅延時間を適切に制御する。
図2は、図1に示した最尤シーケンス検出器50と判断フィードバックイコライザ60の更に詳細なブロック図である。図2において太い矢印は、複数の信号判断を表す信号を伝送する信号線を表す。図2でMLSD50の入力端子52は、加算器40の出力端子に接続される。この入力端子52は、ヴィテルビ・デコーダ51の入力端子に接続される。ヴィテルビ検出器51の出力端子は、MLSD50の出力端子58に接続される。MLSD50の出力端子58は、再生システムの出力端子15に接続される。周知のようにデコーダ51は、格子線図内の各状態にそれぞれ対応する2個の残存シーケンス(SS)と、このような残存シーケンスごとに1個の誤差量(EM)とを保持する。
このデコーダ51は、第1の残存シーケンス(残存記号列)を形成する複数の記号判断を表す信号を生成する第1の出力端子SS1と、第2の残存シーケンスを形成する複数の記号判断を表す信号を生成する第2の出力端子SS2とを含むように修正される。この修正されたデコーダ51もまた、それぞれ第1および第2の残存シーケンスSS1およびSS2に対応する第1および第2の誤差量の値を表す信号を生成する出力端子EM1およびEM2を含む。2個の残存シーケンス出力端子SS1、SS2と2個の誤差量出力端子EM1、EM2は、図2に図示されているが、異なる応答特性を有するチャネルが異なる多数の残存シーケンスとそれに対応する誤差量とを有するであろうことは、当業者には分かるだろう。例えば既知の代わりの所望の応答特性式
P(D)=(1+D)2(1−D)=1+D−D2−D3
(2)
を有するチャネルは、8個の残存シーケンスを持つであろうし、また上述のように修正されたヴィテルビ・デコーダは、合計8個のSS出力端子、各残存シーケンスごとに1個、と、8個の対応する誤差量用の8個のEM出力端子とを有するであろう。ヴィテルビ・デコーダの設計と実用化に関する当業者は、このようなデコーダを前述の追加的な出力端子を含むように修正する手法が分かるだろう。
図2でヴィテルビ・デコーダ51の出力端子SS1は、マルチプレクサ59の第1のデータ入力端子に接続され、ヴィテルビ・デコーダ51の出力端子SS2は、マルチプレクサ59の第2のデータ入力端子に接続される。出力端子EM1は、コンパレータ53の第1の入力端子に接続され、出力端子EM2は、このコンパレータ53の第2の入力端子に接続される。このコンパレータ53の出力端子はマルチプレクサ59の制御入力端子に接続される。このマルチプレクサ59の出力端子は、MLSD50の第2の出力端子56に接続される。
動作時は、それぞれの誤差量EM1とEM2がコンパレータ53で比較され、コンパレータ53はどちらの誤差量が小さいかを示す信号を生成する。もし第1の残存シーケンスSS1に対応する誤差量EM1が第2の残存シーケンスSS2に対応する誤差量EM2よりも小さければ、このコンパレータ53は、マルチプレクサ59に対して第1の残存シーケンスSS1であるその第1の入力端子の信号をその出力端子に連結することを条件付ける信号をその出力端子に生成する。もし誤差量EM1が誤差量EM2よりも大きければ、コンパレータ53は、マルチプレクサ59に対して第2の残存シーケンスSS2信号をその出力端子に連結することを条件付ける信号をその出力端子に生成する。したがってマルチプレクサ59は、常にその出力端子に、そしてその結果、MLSD50の出力端子56に、最尤残存シーケンスを生成する。
前述のように最尤残存シーケンスは、複数の記号判断であってその各々の判断は+2、0または−2という値を持つ。図2に示されるDFE60は、複数の係数乗算器61を含んでおり、その各々は加算器40からの現在の等化受信信号に対応する最も新しい記号判断を除いて、残存シーケンス内の記号判断の各々に対応している。出力端子56において各々の記号判断は、別々の信号線で表される。各記号判断を表すそれぞれの信号は、対応する複数の係数乗算器61のそれぞれの第1の入力端子に連結される。これら複数の係数乗算器61からのそれぞれの出力端子は、加算器63の対応する入力端子に接続される。この加算器63の出力端子は、(図1の)加算器40の第2の入力端子に接続される。図2を単純化するためにこれら複数の係数乗算器61の各々の第2の入力端子は図示していない。イコライザ設計の当業者は、第2の入力端子(図示せず)に供給される係数が誤差信号eに応じて、既知の方法で最小平均2乗アルゴリズムを用いて生成されることが分かるだろう。
記号判断は+2、0または−2という値を持っているから、図2に示される係数乗算器61は全乗算器を含む必要はない。その代わりに係数の値は、ビットシフトすることで2を乗じてもよく、またビットシフトされた係数を否定演算することで−2を乗じてもよい。その後、マルチプレクサ(図示せず)を使って、記号判断の値が+2であればビットシフトされた係数を加算器63に供給し、記号判断の値が−2であれば否定演算されたビットシフト後の係数を加算器63に供給し、記号判断の値が0であれば値「0」の信号を加算器63に供給する。この装置は全乗算器よりも単純であり低価格である。
動作時には、図2に示されるように修正されたヴィテルビ・デコーダ51を含むMLSD50とDFE60との組み合わせは、共同してトランスバース・フィルタを構成し、このフィルタではマルチプレクサ59から供給された残存シーケンスが従来技術のトランスバース・フィルタにおけるタップ付き遅延線の代わりをする。加算器63からの出力信号は、FFE30からの出力信号と相まってチャネル応答特性を整形し、また不要の後続ISIを抑制する。タップ付き遅延線の代わりにDFE60内の選択された残存シーケンスの使用によってもたらされた精度の向上によって、誤り率が減少し、その結果、所定のビット誤り率に設定するときデータ密度を高めることが出来る。
最尤残存シーケンスの記号判断数よりも広いDFE60トランスバース・フィルタを提供することもできる。この性能を提供する装置は、ヴィテルビ・デコーダ51の出力端子とMLSD50の出力端子58との間に接続されたシフトレジスタ54として図2に点線で示される。このシフトレジスタ54のそれぞれの出力端子は図2に点線で示される追加の係数乗算器61の対応する第1の入力端子に接続される。これらの係数乗算器61のそれぞれの出力端子は、加算器63の追加の対応する入力端子に接続される。このシフトレジスタ54は、従来技術のトランスバース・フィルタにおけるシフトレジスタと同じように動作する。例えばもしヴィテルビ・デコーダ内の残存シーケンスの長さが8記号であれば、8段シフトレジスタ54を持つことによって16タップのDFE60が実現できる。
図4、図5は、図2に示した最尤シーケンスデコーダの部分を示すブロック図であり、図3は、「P(D)=1−D2」部分応答チャネルの一つの非インターリーブ記号ストリームに関する格子線図であって、この線図は図4、図5に示すMLSD50の部分の動作を理解する際に役立つものである。図3で、上部の頂点211と221はこの格子線図における状態1を表し、下部の頂点212と222はこの格子線図における状態2を表す。左端の頂点211と212は、現在の状態を表し、右端の頂点221と222は、新しい状態を表す。現在状態(211、212)を表すそれぞれの頂点から新状態(221、222)を表すそれぞれの頂点への分岐は、現在状態(211、212)から新状態(221、222)への矢印によって示される。各現在状態頂点に対応した誤差量は、EM1Cが頂点211における現在状態1に対応し、EM2Cが頂点212における現在状態2に対応している。各新状態頂点に対応した更新誤差量は、EM1が頂点221における新状態1に対応し、EM2が頂点222における新状態EM2に対応している。
どのような特定の現在状態からでも、この格子状態は格子線図内の分岐路に沿って2進値「1」の受信を示す他の状態に移ることができ、あるいは格子線図内の分岐路に沿って動いて2進値「0」の受信を示す同じ状態に留まることができる。ある遷移を引き起こす理想的な等化受信入力信号の値は、その入力信号の受信に伴う格子線図内の分岐の隣の角括弧内に示される。つまり、状態1を表す頂点211からスタートして、状態1を表し、値ゼロを持つ等化入力信号の受信は、次の記号時間に状態1に留まり頂点221で終了する。これは2進値「0」の受信を表す。値「+2」を有する等化入力信号の受信は、状態2への遷移となって頂点222で終了する。これは2進値「1」の受信を表す。同様に状態2を表す頂点212からスタートして、値ゼロを持つ等化入力信号の受信は、次の記号時間に状態2に留まり、頂点222で終了し、2進値「0」の受信を表す。また値「−2」を有する等化入力信号の受信は、状態1への遷移となって頂点221で終了し、2進値「1」の受信を表す。
しかしながら実際のデコーダでは、理想的な入力信号を受信することは稀である。格子線図内の各分岐路ごとに分岐量BMが計算される。各分岐路ごとに実際に受信した等化入力信号とその分岐路に関する理想的な入力信号との間の差の絶対値が計算される。その後、分岐量(BM)と呼ばれるこれらの絶対値には、それらの分岐路のそれぞれ元の頂点と関連する誤差量が累積されて、それぞれの更新誤差量を形成する。これらの更新誤差量は最尤シーケンスを判断するために使われる。
新しい記号の状態1を表す頂点221に到達する経路は、頂点211からゼロ信号経由の経路と頂点212から「−2」信号経由の経路の2通りある。分岐量BM1は頂点211から頂点221への分岐のため計算され、分岐量BM3は頂点212から頂点221への分岐のため計算される。これらの分岐量に、これらの元の頂点に関連するそれぞれの誤差量が累積される。分岐量BM1には現在誤差量EM1Cが累積されて頂点211から頂点221への分岐に関連する更新誤差量が生成され、また分岐量BM3には現在誤差量EM2Cが累積されて頂点212から頂点221への分岐に関連する更新誤差量が生成される。より小さな値を持つ更新誤差量は状態1に到達する最尤分岐を表すと想定され、頂点221に対応する更新誤差量EM1となる。
同様に分岐量BM2は頂点211から頂点222への分岐のため計算され、分岐量BM4は頂点212から頂点222への分岐のため計算される。分岐量BM2には現在誤差量EM1Ccが累積されて頂点211から頂点222への分岐に関連する更新誤差量が生成され、また分岐量BM4には現在誤差量EM2Cが累積されて頂点212から頂点222への分岐に関連する更新誤差量が生成される。より小さな値を持つ更新誤差量は状態2に到達する最尤分岐を表すと想定され、頂点222に対応する更新誤差量EM2となる。より小さな更新誤差量(EM1またはEM2)を有する頂点は、最尤状態であり、その状態で終了する残存シーケンスは最尤残存シーケンスとして選択される。
図4は、分岐量BM1〜BM4と更新誤差量EM1、EM2とを計算するMLSD50の部分を示す。図4において入力端子52は、加算器40から等化受信信号を受け取る。入力端子52は、第1の減算器302と第1の絶対値回路304との直列接続と、第2の減算器306と第2の絶対値回路308との直列接続と、第3の絶対値回路310とに接続される。第1の絶対値回路304の出力端子は、分岐量BM3を表す信号を生成し、第1の加算器312の第1の入力端子に接続される。第1の加算器の出力端子は、第1のマルチプレクサ314の第1の信号入力端子と第1のコンパレータ316の第1の入力端子とに接続される。第1のマルチプレクサ314の第1の出力端子は、第1の誤差量EM1を表す信号を生成し、MLSD50の第1の誤差量出力端子EM1に接続される。
第2の絶対値回路308の出力端子は、分岐量BM2を表す信号を生成し、また第2の加算器320の第1の入力端子に接続される。第2の加算器320の出力端子は、第2のマルチプレクサ322の第1のデータ入力端子と第2のコンパレータ324の第1の入力端子とに接続される。第2のマルチプレクサ322の出力端子は、第2の誤差量EM2を表す信号を生成し、またMLSD50の第2の誤差量出力端子EM2に接続される。
第3の絶対値回路310の出力端子は、両分岐量BM1、BM4を表す信号を生成し、また第3、第4の加算器328、330のそれぞれの第1の入力端子に接続される。第3の加算器328の出力端子は、第1のマルチプレクサ314の第2のデータ入力端子と第1のコンパレータ316の第2の入力端子とに接続される。第1のコンパレータ316の出力端子は、第1のマルチプレクサ314の制御入力端子と第1のセレクタ信号出力端子SEL1とに接続される。第4の加算器330の出力端子は、第2のマルチプレクサ322の第2のデータ入力端子と第2のコンパレータ324の第2の入力端子とに接続される。第2のコンパレータ324の出力端子は、第2のマルチプレクサ322の制御入力端子と第2のセレクター信号出力端子SEL2とに接続される。
第1の誤差量信号EM1を生成する第1のマルチプレクサ314の出力端子はまた、第3のマルチプレクサ332の第1のデータ入力端子に接続される。第3のマルチプレクサ332の第2のデータ入力端子は、ゼロ値信号の信号源に接続される。第3のマルチプレクサ332の出力端子は、第1のラッチ318の入力端子に接続される。このラッチ318の出力端子は、第2の加算器320と第3の加算器328それぞれの第2の入力端子に接続される。第2の誤差量信号EM2を生成する第2のマルチプレクサ322の出力端子はまた、第4のマルチプレクサ334の第1のデータ入力端子に接続される。第4のマルチプレクサ334の第2のデータ入力端子は、ゼロ値信号の信号源に接続される。第4のマルチプレクサ334の出力端子は、第2のラッチ326の入力端子に接続される。このラッチ326の出力端子は、第1の加算器312と第4の加算器330それぞれの第2の入力端子に接続される。第3、第4のマルチプレクサ332、334それぞれの制御入力端子は、監視・制御装置(MCU)130の対応する共通の制御出力端子に接続される。
動作時は、第1の減算器302と第1の絶対値回路304との直列接続は、入力端子52から受信した等化入力信号と頂点212から頂点221への分岐用の入力信号の理想値である値「−2」を有する信号との差の絶対値を計算する。再び図3を参照すると、これは分岐量BM3である。同様に第2の減算器306と第2の絶対値回路308との直列接続は、入力端子52から受信した等化入力信号と値「2」を持つ信号との差の絶対値を計算する。再び図3を参照すると、これは分岐量BM2である。第3の絶対値回路310は、入力端子52から受信した等化入力信号とゼロ値信号との差の絶対値を計算する。図3を参照すると、これは分岐量BM1、分岐量BM4の両者である。
通常動作中、第3のマルチプレクサ332は、第1のマルチプレクサ314からの信号をその出力端子に接続するように条件付けられており、また第4のマルチプレクサ334は、第2のマルチプレクサ322からの信号をその出力端子に接続するように条件付けられている。(第3、第4のマルチプレクサ332、334に関するこの他の動作モードは、以下に詳細に説明する。)第1のラッチ318はその出力端子に、前の記号時間からの更新誤差量EM1を保持している。したがって各々の新しい記号時間ごとに該第1のラッチ318は、図3にEM1Cとして示すように、前の記号時間の第1の誤差量を生成する。同様に第2のラッチは、図3にEM2Cとして示すように、前の記号時間の第2の誤差量を生成する。
こうして通常動作中、第1、第2、第3、第4の加算器312、320、328、330のそれぞれはすべて、図3に示した格子線図内の各々可能な分岐ごとに更新誤差量を生成するアキュムレータとして働く。第1の加算器は、状態2の頂点212(現在誤差量EM2Cを有する)からスタートして頂点221の状態1に遷移する分岐に関連する更新誤差量を累算する。これを行うためにラッチ326からの誤差量EM2Cには、第1の加算器312において絶対値回路304からの分岐量BM3が累算される。第1の加算器312からの出力信号は、この累算の結果を表す。同様に第2の加算器320は、誤差量EM1Cに分岐量BM2を累算し、またその出力信号は状態1の頂点211から状態2の頂点222への分岐に関連する誤差量を表す。第3の加算器328は、誤差EM1Cに分岐量BM1を累算し、また頂点211から頂点221への状態1の分岐に関連する誤差量を表す。そして第4の加算器330の出力は、誤差量EM2Cに分岐量BM4を累算したものを表し、また頂点212から頂点222への状態2の分岐に関連する誤差量を表す。
第1のコンパレータ316は、状態1の頂点221で終了する2個の更新誤差量を比較し、小さいほうの更新誤差量を表す選択信号SEL1を生成する。第1のコンパレータ316からの出力信号は、第1のマルチプレクサ314に対して、より小さい誤差量を表すその信号をその出力端子に連結することを条件付ける。もし第1の加算器312からの累算誤差量が第3の加算器328からの累算誤差量より小さい場合は、第1のコンパレータ316からの選択信号SEL1は、第1のマルチプレクサ314に対して、第1の加算器312からの出力をその出力端子に連結することを条件付ける。もし第1の加算器312からの累算誤差量が第3の加算器328からのそれより大きい場合は、第1のコンパレータ316からの選択信号SEL1は、第1のマルチプレクサ314に対して第3の加算器328からの出力をその出力端子に連結するよう条件付け、それが新しい記号時間の誤差量EM1となる。
同様に第2のコンパレータ324は、状態2の頂点222で終了する2つの累算誤差量を比較し、小さいほうの累算誤差量を表す選択信号SEL2を生成する。第2のコンパレータ324からの出力信号は、第2のマルチプレクサ322に対して、より小さい誤差量を表す信号をその出力端子に連結することを条件付ける。もし第2の加算器320からの累算誤差量が第4の加算器330からの累算誤差量より小さい場合は、第2のコンパレータ324からの選択信号SEL2は、第2のマルチプレクサ322に対して、第2の加算器320からの出力をその出力端子に接続することを条件付ける。もし第2の加算器320からの累算誤差量が第3の加算器330からの累算誤差量より大きい場合は、第2のコンパレータ324からの選択信号SEL2は、第2のマルチプレクサ322に対して、第4の加算器330からの出力をその出力端子に連結することを条件付ける。第2のマルチプレクサ322を通過した誤差量は、新しい記号時間の誤差量EM2となる。
図5は、2個の残存シーケンスを保持するMLSD50の部分を示すブロック図である。図5では、これら2個の残存シーケンスSS1、SS2の各々に4個の記号判断が保持されることが想定されている。当業者は、各残存シーケンス内に、より多い、あるいはより少ない記号を保持し得ることがわかるだろうし、また所望の数の記号をこれら残存シーケンス内に保持するように、図5に示したMLSD50の部分を修正する方法がわかるだろう。図5では一般に、図5に示したそれぞれの要素の各データ入力端子・出力端子において、記号判断を伝送する信号線は、最も新しい記号を伝送する信号線が入力端子また、出力端子の最下部に示され、最も古い記号を伝送する信号線が最上部にあるように順番に配列されている。
図5において第1の4入力マルチプレクサ402の出力端子は第1の残存シーケンスSS1を構成する記号判断を生成し、シーケンス中の最下部の信号線が最も新しい記号を伝送し、最上部の信号線が最も古い記号を伝送する。第1のマルチプレクサ402の出力端子は、マルチプレクサ59(図2にも示した)の第1のデータ入力端子に接続され、また第1の3入力ラッチ404を介して第1のマルチプレクサ402と第2の4入力マルチプレクサ406それぞれの第1のデータ入力端子に接続される。この第2のマルチプレクサ406の出力端子は、第2の残存シーケンスSS2を構成する記号判断を生成し、そしてマルチプレクサ59の第2のデータ入力端子に接続され、また第2の3入力ラッチ408を介して第2のマルチプレクサ406と第1のマルチプレクサ402それぞれの第2のデータ入力端子に接続される。(図4からの)選択信号SEL1とSEL2は、第1のマルチプレクサ402と第2のマルチプレクサ406それぞれの制御入力端子に接続される。
マルチプレクサ59の出力端子は、図2に示すように制御されて、出力端子56に最尤残存シーケンスを生成する。基も古い記号判断を伝送する出力端子56の最上部信号線は図1に示すように出力端子15を介してユーティリティ回路に送られる。現在の等化受信入力信号に対応する最も新しい記号判断を伝送する最下部の信号線は、図1に示すように減算器100に供給され、また3個の最も新しい記号判断を伝送する最下部の3本の信号線は、図1に示すように検出器70に供給される。最も新しい記号判断を除くすべての記号判断を伝送する最上部の3本の線は、図1と図2に示すようにDFE60の係数乗算器に供給される。
更に厳密に言えば、第1のマルチプレクサ402の出力端子からの最下部の3本の信号線は、第1のラッチ404の入力端子の対応する信号線に接続される。第1のラッチ404の出力端子からの3本の信号線は、第1のマルチプレクサ402と第2のマルチプレクサ406それぞれの第1のデータ入力端子の対応する最上部の3本の信号線に接続される。同様に第2のマルチプレクサ406の出力端子からの最下部の3本の信号線は、第2のラッチ408の入力端子の対応する信号線に接続される。第2のラッチ408の出力端子からの3本の信号線は、第2のマルチプレクサ406と第1のマルチプレクサ402それぞれの第2のデータ入力端子の対応する最上部の3本の信号線に接続される。値「0」の信号が第1のマルチプレクサ402の第1のデータ入力端子の最下部の信号線に連結され、値「−2」の信号が第1のマルチプレクサ402の第2のデータ入力端子の最下部の信号線に連結される。値「+2」の信号が第2のマルチプレクサ406の第1のデータ入力端子の最下部の信号線に連結され、値「0」の信号が第2のマルチプレクサ406の第2のデータ入力端子の最下部の信号線に連結される。
マルチプレクサ402は、格子線図の状態1にある、新しく受信した最尤記号判断シーケンスを選択するように動作する。再び図3を参照して、もし頂点211から頂点221への格子線図分岐に対応する累積誤差量が頂点212から頂点211への格子線図分岐に対応する累積誤差量よりも小さい場合、状態1(頂点221)になっている新しく受信した最尤記号はゼロである。この場合最尤シーケンスは、最も新しい記号として追加されたゼロ値信号を有する状態1からの前の残存シーケンスSS1となる。この場合、選択信号SEL1は、第1のマルチプレクサ402に対してその第1のデータ入力端子からの信号をその出力端子に連結することを条件付ける。最も新しい記号判断を表す第1のマルチプレクサ402の第1のデータ入力端子の最下部信号は、ゼロ値信号である。第1のマルチプレクサ402の第1のデータ入力端子のこのすぐ上の信号は、第1のラッチ404の出力端子からの最下部信号である。第1のラッチ404の入力端子の対応する信号は、前の記号時間からの第1の残存シーケンスSS1内の最も新しい信号を表す第1のマルチプレクサ404の最下部出力端子からのものであった。第1のマルチプレクサ402の第1の入力端子の最下部から3番目の信号は、第1のマルチプレクサ402の出力端子の最下部から2番目の信号から派生し、第1のマルチプレクサ402の第1の入力端子の最上部信号は、第1のマルチプレクサ402の出力端子の最下部から3番目の信号から派生する。このようにして第1のマルチプレクサ402と第1のラッチの組み合わせは、図3の頂点211から頂点221への分岐を表す記号に対するシフトレジスタとして動作する。
もし頂点212から頂点221への格子線図分岐を表す累積誤差量が頂点211から頂点221への格子線図分岐を表す累積誤差量よりも小さい場合は、状態1になる新しく受信された最尤記号は「−2」という値の信号になる。この場合、選択信号SEL1は、第1のマルチプレクサ402に対してその第2の入力端子の信号をその出力端子に連結することを条件付ける。第1のマルチプレクサ402の第2の入力端子の最下部信号は、値「−2」の信号であり、また第1のマルチプレクサ402の第2のデータ入力端子のその他の信号は、第2のラッチ408によって上述と同様の方法で適時にシフトされた、第2のマルチプレクサ406の出力端子からの前の第2の残存シーケンスSS2を表す。
同様にして第2のマルチプレクサ406は、状態2になる最尤記号判断シーケンスを生成する。もし頂点212から頂点222への格子線図分岐に対応する累積誤差量が頂点211から頂点222への格子線図分岐を表す累積誤差量よりも小さい場合は、新しく受信した最尤記号はゼロになる。この場合、第2の選択信号SEL2は、第2のマルチプレクサ406に対してその第2のデータ入力端子をその出力端子に接続することを条件付ける。第2のマルチプレクサの第2のデータ入力端子の最下部信号は、ゼロ値信号であり、その他の信号は、第2のラッチ408によって上述と同様の方法で適時にシフトされた、前の第2の残存シーケンスSS2を表す。もし頂点211から頂点222への格子線図分岐に対応する累積誤差量が頂点212から頂点222への格子線図分岐を表す累積誤差量よりも小さい場合は、新しく受信した最尤記号は値「+2」の信号になる。この場合、第2の選択信号SEL2は、第2のマルチプレクサ406に対してその第1のデータ入力端子をその出力端子に接続することを条件付ける。第1のデータ入力端子の最下部信号は、値「+2」の信号であり、またその他の信号は、第1のラッチ404によって上述と同様の方法で適時にシフトされた、前の第1の残存シーケンスSS1を表す。前述のようにマルチプレクサ59は次に、図4を参照して前に説明したように計算された更新誤差量EM1、EM2の値に基づいて二つの残存シーケンスSS1、SS2の内の最尤残存シーケンスを選択する。
最尤シーケンス検出器を使用することの不都合な点の一つは、タイミングおよび/または等化ループを取得中に、例えば再生がちょうど始まったときに、シーケンス検出器における誤りの伝搬が誤り事象そのものを支配し、それによって記号単位検出器によって生成されるものよりも高い誤り率を生じる可能性があるということである。取得中のこの不都合を補償するために、本実施形態のMLSD50は、可変長残存シーケンスを用いて動作するように更に修正されている。再び図1を参照すると、監視・制御ユニット(MCU)130は、MLSD50に制御信号を供給して残存シーケンスのサイズを制御する。MCU130は、減算器100からの誤差信号eによって入力信号の信号対雑音比(SNR)を監視し、このSNRの傾向に基づいてMLSD50内のシーケンス長を変更し、可変遅延素子110、120のそれぞれの遅延時間を変更する。
再び図5を参照すると、残存シーケンスのサイズを変更する機能を備えるためにさらに2個のマルチプレクサ制御回路が設けられていて、この機能に関連する信号経路と共に点線で示されている。第1のマルチプレクサ制御回路410は第1のマルチプレクサ402の出力端子と第1のラッチ404の入力端子との間に接続されており、また第2のマルチプレクサ制御回路412は、第2のマルチプレクサ406の出力端子と第2のラッチ408の入力端子との間に接続されている。第1、第2のマルチプレクサ制御回路410、412のそれぞれの制御入力端子は両者とも、監視・制御回路(MCU)130の対応する出力端子に接続される。これらの制御入力端子は、残存シーケンスの大きさを制御する信号「SSSIZE」を受信する。
第1のマルチプレクサ制御回路410において制御回路CCは、残存値サイズ「SS SIZE」信号を受信するように接続された入力端子を有している。この制御回路CCの出力端子は、3個のマルチプレクサA、B、Cのそれぞれの制御入力端子に接続される。一番下のマルチプレクサAは、第1のマルチプレクサ402の出力端子の一番下の信号に連結された第1のデータ入力端子と、マルチプレクサ59の出力端子の一番下の信号に連結された第2のデータ入力端子とを有している。真ん中のマルチプレクサBは、第1のマルチプレクサ402の出力端子の下から2番目の信号に連結された第1のデータ入力端子と、マルチプレクサ59の出力端子の下から2番目の信号に連結された第2のデータ入力端子とを有している。一番上のマルチプレクサCは、第1のマルチプレクサ402の出力端子の下から3番目の信号に連結された第1のデータ入力端子と、マルチプレクサ59の出力端子の下から3番目の信号に連結された第2のデータ入力端子とを有している。これら3個のマルチプレクサA、B、Cの出力端子はそれぞれ、第1のラッチ404の対応する入力端子に接続される。
同様に、第2の制御回路412において制御回路CCは、残存値サイズ「SS SIZE」信号を受信するように接続された入力端子を有している。この制御回路CCの出力端子は、3個の更なるマルチプレクサA、B、Cのそれぞれの制御入力端子に接続される。一番下のマルチプレクサAは、第2のマルチプレクサ406の出力端子の一番下の信号に連結された第1のデータ入力端子と、マルチプレクサ59の出力端子の一番下の信号に連結された第2のデータ入力端子とを有している。真ん中のマルチプレクサBは、第2のマルチプレクサ406の出力端子の下から2番目の信号に連結された第1のデータ入力端子と、マルチプレクサ59の出力端子の下から2番目の信号に連結された第2のデータ入力端子とを有している。一番上のマルチプレクサCは、第2のマルチプレクサ406の出力端子の下から3番目の信号に連結された第1のデータ入力端子と、マルチプレクサ59の出力端子の下から3番目の信号に連結された第2のデータ入力端子とを有している。これら3個のマルチプレクサA、B、Cの出力端子はそれぞれ、第2のラッチ408の対応する入力端子に接続される。
動作時には、各制御回路410、412の3個のマルチプレクサA、B、Cはそれぞれの制御回路CCからの信号によって制御される。各マルチプレクサは、互いに独立に制御される。通常動作時は、すなわちタイミングとフィルタ係数の取得の後では、「SS SIZE」信号はそれぞれのマルチプレクサ制御回路410、412に対して残存シーケンスのサイズをその最大許容サイズに設定することを条件付ける。この動作モードでは、制御回路410、412両者のこれら3個のマルチプレクサA、B、Cのすべては、それらの第1の入力端子の信号、すなわち第1のマルチプレクサ402あるいは第2のマルチプレクサ406からの信号をそれぞれそれらの出力端子に連結することを条件付ける。その場合、図5に示したMLSD50部分の動作は、前述の通りである。
しかしながらMLSD50の動作が開始されると「SS SIZE」信号は、マルチプレクサ制御回路410、412それぞれに対して残存シーケンス・サイズをゼロ記号判断を含むその最小許容サイズに設定することを条件付ける。この場合、制御回路410、412両者の3個のマルチプレクサA、B、Cすべては、マルチプレクサ59からのそれらの第2の入力端子の信号をそれらの出力端子に連結するように条件付けられる。この動作モードにおいて第1、第2のラッチ404、408はそれぞれ、それらの入力信号をマルチプレクサ59の出力端子から受信し、また第1、第2のマルチプレクサ402、406のそれぞれの第1、第2のデータ入力端子はすべて、前述と同じ方法で適切に時間シフトされた同じデータを受け取る。このようにして、新しく受信された信号に基づいてどのような記号判断がなされても、同じ時間シフトされた信号が第1、第2のマルチプレクサ402、406の4個の入力端子すべてに供給される。制御回路410、412が「SS SIZE」信号によってこのように条件付けられると、図5に示すMLSD50部分は通常のシフトレジスタとして動作する。この方法で係数およびタイミングの取得は、あたかも標準のトランスバース・フィルタがDFE60として動作しているかのように続行することが出来る。
受信した記号シーケンスの信号対雑音比は適切なタイミング基準の取得と、FFE30とDFE60の係数の収束とによって改善されるから、残存シーケンス長は増長してもよい。こうするためにMCUは、各第1、第2のマルチプレクサ制御回路410、412に対して残存シーケンスのサイズを変更することを条件付ける「SS SIZE」信号を生成する。例えば「SS SIZE」信号は、一つの記号判断を含むためには残存シーケンス・サイズを増やすべきであるということを示すこともある。この場合、第1、第2のマルチプレクサ制御回路410、412両者のそれぞれの制御回路CCは、それらの各々の3個のマルチプレクサA、B、Cのための制御信号を生成するが、これらの制御信号は、一番下のマルチプレクサAをしてその第1の入力端子からの信号、すなわちマルチプレクサ402からの信号をその出力端子に連結させ、これに対してこの他の二つのマルチプレクサB、Cはなおそれらの第2の入力端子からの信号、すなわちマルチプレクサ59からの信号、をそれらの出力端子に連結させる。
このモードにあっては、第1、第2のマルチプレクサ402、406のそれぞれの第1、第2の入力端子にフィードバックされる1個の記号判断は、第1、第2のマルチプレクサ402、406の出力端子それぞれに生成される二つの残存シーケンスSS1あるいはSS2のうちから一つに選択される。残りの二つの記号判断は、第1、第2のマルチプレクサ402、406の入力端子すべてに共通にマルチプレクサ59の出力端子から供給される。同様に、もし「SS SIZE」信号が残存シーケンス・サイズは2記号分のはずであると言うことを示すならば、第1、第2のマルチプレクサ制御回路410、412両者のそれぞれのマルチプレクサA、Bは各々、その(第1、第2のマルチプレクサ402、406のそれぞれの出力端子に接続された)第1の入力端子をその出力端子に接続するように条件付けられ、またそれに対してそれぞれ第3のマルチプレクサCは各々、その(マルチプレクサ59の出力端子に接続された)第2の入力端子をその出力端子に接続するように条件付けられる。このようにして残存シーケンスのサイズは、ゼロから可能な最大のサイズにまで連続的に変えることが出来る。
取得中の記号判断のために最尤シーケンスを使用することから来る潜在的な誤差伝搬に加えて、取得中の記号判断のために累積誤差量を使用することから来る同様の影響がある。再び図4を参照すると、第3、第4のマルチプレクサ332、1334は取得中の誤差量の累積を不能にするために使うこともできる。取得期間中(図1の)MCU130は、第3、第4のマルチプレクサ332、334の両者の制御入力端子用に、それらのそれぞれの第2の入力端子における値「0」の信号をそれらの出力端子に連結することを条件付ける制御信号を生成する。次にこのことによって、第1、第2、第3、第4の加算器312、320、328、330は、前の累積誤差量EM1、EM2によって表されるような、前に受信した記号からのいかなる寄与もない新しく受信した記号に関するそれぞれの分岐量BM3、BM2、BM1、BM4のみを表す出力信号を生成する。
図5に示されるMLSD50の残存シーケンス部分が前述のようにシフトレジスタとして構成されて(すなわち残存シーケンス・サイズはゼロである)、且つ図4に示すMLSD50の計量計算部が今述べたように前の累積誤差量を無視するように条件付けられているときは、MLSD50は従来技術のスライス回路と同じように動作する。一方この構成で、タイミング回路とフィルタ係数は、余計な誤差伝搬なく収束し得る。タイミングおよび等化ループが収束しはじめると、減算器100からの誤差信号eの逆数で表されるSNRが増加しはじめる。
図3において、どんな記号時間でも受信し得る許容可能な理想的信号は、+2と0と−2である。誤差信号eの分散が約1未満に下がると、これはタイミング回路とフィルタ係数が収束しはじめたことと、アイ・パターンにおいてアイが開いていることとを示す。この点で好適な実施形態では、誤差量EM1、EM2の計算は、現記号についての分岐量に等しくすることから前述のように前の誤差量EM1C、EM2Cを累積することへと切り換えられる。図4を参照すると、この切り換えは、前に詳細に述べたように第2、第4のマルチプレクサ332、334に対する制御信号をそれぞれが通常動作モードに入ることを条件付けるように生成するMCU130によって行われる。
また好適な実施例では、分散が約2分の1未満に下がるとフルサイズの残存シーケンスの使用が可能になる。図5において、これは第1、第2のマルチプレクサ制御回路410、412それぞれの「SS SIZE」制御信号を生成するMCU130によって行われ、これら制御回路はそれぞれのマルチプレクサA、B、Cすべてに対して、前に詳細に述べたように通常動作モードに入ることを条件付ける。この点でMLSD50は、ヴィテルビ・デコーダとして動作している。またSNRが増加するにつれて残存シーケンス・サイズも徐々に大きくなると言うこともあり得る。図5のこういった実施形態では先ず、マルチプレクサ制御回路410、412のそれぞれのマルチプレクサAが通常動作モードに置かれる。SNRが更に増加したのちにそれぞれのマルチプレクサA、Bは通常動作モードに置かれる。最後にSNRが再び増加した場合は、マルチプレクサA、B、Cのすべてが通常動作モードに置かれる。
図1を参照すると、減算器100に供給される記号判断は、MLSD50の最尤残存シーケンス内のすべての記号判断の中から選択することが出来る。この機能を実行する装置は、セレクタ回路416として図5に点線で示される。この回路416の入力端子は、マルチプレクサ59の出力端子に接続され、またこの回路416の出力端子は、減算器100に接続される。この回路416の制御入力端子(図示せず)は、MCU130の対応する出力端子に接続される。動作時には、前述のようにマルチプレクサ59の出力端子に生成される最尤残存シーケンス内の利用可能なすべての記号判断が、この回路416の入力端子に供給される。この回路416は、MCU130からの制御信号に応じて記号判断の一つをその出力端子に連結する。更に前述のようにMCU130は、減算器100の一つの入力端子に供給される等化受信信号をその他の入力端子に供給される記号判断と適切に時間合わせさせるため、関連する制御信号を可変遅延回路110に送る。この回路416は例えば、マルチプレクサ59の出力端子に接続されたこれに対応するデータ入力端子と、減算器100に接続された出力端子と、MCU130に接続された制御入力端子とを有する4入力マルチプレクサを含むこともできる。
図1を参照すると、検出器70に供給される時間的に隣接する3個の記号判断はMLSD50内の最尤残存シーケンス内のすべての記号判断の中から選択することができる。この機能を実行する装置は、セレクタ回路414として図5に点線で示される。この回路414の入力端子は、マルチプレクサ59の出力端子に接続され、また該回路414の出力端子は、検出器70に接続される。回路414の制御入力端子(図示せず)は、MCU130の対応する出力端子に接続される。動作時には、前述のように、マルチプレクサ59の出力端子に生成される最尤残存シーケンス内の利用可能なすべての記号判断が、この回路414の入力端子に供給される。この回路414は、MCU130からの制御信号に応じて3個の時間的に隣接する記号判断の一組をその出力端子に連結する。更に前述のようにMCU130は、検出器70の1個の入力端子に供給された等化受信信号を検出器70のこの他の入力端子に供給される3個の時間的に隣接する記号判断と適切に時間合わせするため、関連する制御信号を可変遅延回路120に送る。この回路414は例えば、その入力端子とその出力端子との間に接続されたクロスポイント・スイッチまたはバレルシフタまたはその他のスイッチング装置を含むこともできる。
データ検出器は、予め磁気媒体に記録された2レベルのデータ信号を検出するための実施形態と一緒にこれまでに説明した。しかしながらデータ検出器は、多レベルのデータ信号を検出するためにも使うことが出来る。例えば提案されたディジタル・テレビジョン伝送システムでは、テレビジョン信号を表すために一連の多レベル記号が生成される。ある提案されたディジタル・テレビジョン・システムでは、これらの多レベル記号は、既知のように32、64、または128記号配列から選択される直角振幅変調(QAM)記号である。本発明のデータ検出器は、下記の方法でこういったQAM信号を検出するために採用することもできる。
図6は、多レベルQAM記号を検出するために採用されたデータ検出器のブロック図である。図6で入力端子5は、QAM復調器・フィードフォワードイコライザ602の入力端子に接続される。このQAM復調器・フィードフォワードイコライザ602の出力端子は、加算器40’の第1の入力端子に接続される。該加算器40’の出力端子は、(I1+D)格子デコーダ50Iと(Q1+D)格子デコーダ50Qの複合入力端子に接続される。複合格子デコーダ50I、50Qの出力端子は、複合DFE60’の入力端子に接続され、またこれら複合DFE60’の出力端子は、加算器40’の第2の入力端子に接続される。複合格子線図デコーダ50I、50Qのそれぞれの出力端子は、複合出力端子15’に接続され、検出されたI成分とQ成分とをそれぞれ生成する。
図6に示すシステムは、図1に示すシステムと同様の方法で動作する。このQAM復調器・フィードフォワードイコライザ602は、図1のフィルタ10、固定イコライザ20、FFE30、検出器70、LPF80およびNCO90と同じ機能を果たす。(1+D)格子デコーダの各々は、最尤残存シーケンスを生成するヴィテルビ・デコーダを含んでおり、図2、図4、図5に示した、そして前に詳細に説明したデコーダと同様に構成される。QAMデータ検出器の当業者は、どのような修正が必要であるかを、そしてまたそのような修正を実施する方法を理解するであろう。
デコーダ50I、50Qによって生成される最尤残存経路は、複数の複合記号判断からなる。残存経路内の複合記号判断は、複合判断フィードバックイコライザ60’に供給され、これは図2に示すDFE60と同様に構成される。すなわちDFE60’は、残存シーケンス内の複数の複合記号判断にそれぞれ対応する複数の複合係数乗算器(図示せず)と、これら複数の係数乗算器に対応する加算器とを含む。DFE60’は、誤差信号(図示せず)に応じて適応型最小2乗平均イコライザとして動作して、前述のように、所望のチャネル特性を整形し、そして後続ISIを抑制する。QAMデータ検出の当業者はまた、誤差信号を評価するために残存シーケンスからの記号判断を使うことと、前述のようにサンプリング位相を調整するために3個の時間的に隣接する記号判断を使うこともまた図6に示すQAMデータ検出器に採用できることを理解するであろう。
最後に従来技術のフィードフォワードイコライザは、前述のようにチャネル特性を適切に整形するために多数の複合タップを必要とする比較的複雑なフィルタである。本発明のフィードフォワードイコライザは、判断フィードバックイコライザがISIを抑制することに加えてチャネル特性を整形するためにも使われるので、より少数の複合タップを必要とする。このことは、このようなフィードフォワードイコライザのコストを削減し、部品数の減少により信頼性が高められる。
本発明によるQAMデータ検出器は、DFEへの入力として更に信頼度の高い最尤残存シーケンスを使うことにより性能の改善をもたらす。更にDFEよりも比較的複雑なフィルタ・タップを必要とするFFEは、より簡単に構成できる。この結果、より信頼度が高く、より低価格のデータ検出システムが得られる。
ここに説明した動作の装置と方法が本発明の例示であることは理解すべきである。当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の修正を容易に考案できるであろう。
Claims (3)
- 記号シーケンスを表すデータ信号を処理するデータ検出器であって、
複数の記号判断を含む最尤残存シーケンスを生成する最尤シーケンスデコーダと、
前記最尤シーケンスデコーダに接続され、前記最尤残存シーケンスに応答する判断フィードバックイコライザと、を備えており、
前記最尤シーケンスデコーダは、サイズ制御信号に応じて前記最尤残存シーケンスのサイズを変える回路と、
前記サイズ制御信号を生成する監視・制御ユニットを備え、
前記判断フィードバックイコライザは、
最尤残存シーケンス内の複数の記号判断にそれぞれが応答する複数の係数乗算器と、
前記複数の係数乗算器に接続され、前記複数の係数乗算器に応答する信号結合器と、
を有し、前記最尤残存シーケンスを表すデータ記号を、
1+a 1 D−(1+a 2 )D 2 +a 3 D 3 +.....+a n D n
(ただし、Dは一周期遅延演算子、nは1以上の整数、a 1 〜a n は理想チャネル応答からの摂動)
と表したとき、a 1 〜a n をゼロにするように前記係数乗算器を調整する、
検出器。 - 最尤シーケンスデコーダに接続された、誤差信号を生成する誤差評価器を更に備えており、
前記監視・制御ユニットは、前記誤差信号に応じて前記サイズ制御信号を生成する請求項1記載の検出器。 - 前記最尤シーケンスデコーダは、前記残存シーケンス内の前記複数の記号判断のうちの選択された一つの記号判断を生成する記号判断出力端子を備えており、
前記誤差評価器は、前記最尤シーケンスデコーダの記号判断出力端子とに接続されている請求項2記載の検出器。
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