JP4201932B2 - 電子写真現像剤用キャリア及びこれを用いた現像剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機,プリンター等に使用される二成分系電子写真現像剤用キャリア及びこれを用いた現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式に使用される静電荷像二成分系電子写真現像剤は、トナーとキャリアとで構成されており、該キャリアは現像槽内で別途供給されるトナー剤と混合攪拌され、トナー剤に所望の帯電を付与し、荷電を帯びたトナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させる担体物質である。
【0003】
上記キャリアは現像槽のマグネット上に残り、再度現像槽内に戻り、新たに補給されるトナーと再度混合攪拌され、繰り返し使用されている。
【0004】
よって、耐刷期間中、所望の画像品質を安定して維持する為には、キャリアの特性が使用期間中に亙って安定していることが要求される。
【0005】
このようなキャリアとしてキャリア芯材(フェライト等)に樹脂を被覆したキャリアが提案されている。しかし、現像剤は、耐刷期間中、粒子同士の衝突或いは現像器及び感光体等との衝突等のストレスを絶えず受けるため、その衝撃及びそれによる発熱によりキャリア表面にトナー成分が付着、いわゆるスペント化が生じ、またこららの衝撃により樹脂被膜が剥がれ、帯電特性、抵抗特性、流動性が変化してしまい、初期の画像を安定的に維持することができなかった。
例えば、以前から被覆樹脂として提案されているスチレン/アクリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂等は、表面張力が高く、トナーがキャリア表面に付着するスペント現象が生じるため抵抗が高くなり、画像の白地部分にトナーが付着する、いわゆるカブリ現象が生じる等、画像特性の劣化を引き起こす原因となっている。
また、フッ素樹脂は、スペント化に対しては比較的有用であるが、被膜強度が弱い上に、芯材との密着性が悪く、被膜剥離が多く、それにより抵抗が低くなりすぎ、初期の画像を維持することができなかった。
【0006】
このため、シリコーン樹脂に導電性剤及び錫触媒を添加して帯電性の安定化を図ることが提案されている(特開平61−204643号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、該提案ではシリコーン樹脂の縮合にバラツキが生じ易く、縮合反応を促進させる熱処理工程によりキャリア芯材への均一な被覆ができず、トナーとの帯電量分布がブロードになり、トナーの飛散・地汚れ等の不具合が生じ、満足な画像品質を得ることができない、という問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の電子写真現像剤用キャリアの[請求項1]の発明は、
有機チタン系触媒および導電性剤を含有するシリコーン系樹脂をキャリア芯材の表面に被覆してなり、
上記有機チタン系触媒が、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、または、イソプロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタンである
ことを特徴とする。
【0009】
[請求項2]の発明は、
請求項1において、
上記有機チタン系触媒の含有量が、上記シリコーン系樹脂の固形分に対して0.5重量%以上3.0重量%以下である
ことを特徴とする。
【0011】
[請求項3]の電子写真用現像剤の発明は、
請求項1又は2の電子写真現像剤用キャリアとトナーとからなる
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
本発明にかかる電子写真現像剤用キャリアは、有機チタン系触媒を含有するシリコーン系樹脂をキャリア芯材の周囲に被覆してなるものである。
【0014】
ここでキャリアを構成するシリコーン系樹脂は、特に限定されるものではないが、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、或いはアクリル,エポキシ,ウレタン,ポリエチレン又はアルキッド等で変性した各変性シリコーン樹脂を挙げることができる。
【0015】
上記有機チタン系触媒は、チタンモノマー、チタンキレート化合物等を挙げることができ、特に好ましくはチタンキレート化合物である。
上記チタンモノマー触媒としては、例えばテトラメトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス−2−エチルヘキソキシチタン等のチタンアルコキシド系触媒を挙げることができる。
上記チタンキレート触媒としては、例えばジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタン、ビス(アクリロイルオキシ)イソプロポキシイソステアロイルオキシチタン、ビス(2,4−ペンタンジオナト)(1,3−プロパンジオラト)チタン等を挙げることができる。
ここで、上記チタンキレート触媒は、チタンモノマー触媒に比べて安定性があり、分解や自己架橋しにくい特性を有するものであるので好ましい。これは、例えば湿度の影響を受けやすい樹脂(例えば湿度硬化型シリコーン樹脂等)を用いる場合に、コーター湿度調製により、架橋反応や被覆のコート状態を適宜調製できるからである。
このようなチタン系触媒を使用することにより、キャリア芯材の周囲を被覆するシリコーン樹脂中に導電性剤の分散が均一となり、帯電量の分布が均一となり、良好な画像特性を長期間に亙って維持することができる。
【0016】
このチタン系触媒の含有量は、シリコーン樹脂の0.5〜3.0重量%とするのが好ましい。これは0.5重量%未満であると添加効果が発現されず、一方、3.0重量%を超えて添加しても被膜強度が脆くなり、また帯電上昇が大きくなるため、シリコーン樹脂重量に対し、1.0〜2.5重量%が特に好ましい。
【0017】
上記有機シリコーン樹脂中配合される導電性剤はキャリアの抵抗、帯電性等を調製するものであり、例えば導電性カーボン、ホウ化チタン等のホウ化物、酸化チタンや酸化鉄、酸化クロム等の酸化物等の導電性能を有する全てのものを使用することができるが、特に白黒用として、キャリア抵抗の調整としては導電性カーボンを使用することが特に好ましい。
【0018】
上記導電性カーボンとしては、特に限定されるものではなく、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等の公知の導電性カーボン剤を挙げることができる。
【0019】
また、フルカラー用としては、カーボンブラックの画像への混色があるため、特に白色導電性剤が好ましく、酸化チタン(TiO2 )、酸化ケイ素(SiO2 )等からなる粉体表面にアンチモン(Sb)等を固溶させた酸化錫(SnO2 )の導電層を有し、導電層の厚みが5〜50Å程度を有する白色系の導電性剤が特によく、これらの導電性剤を2種類以上組み合わせてもよい。
【0020】
これらの導電性剤の含有量は、シリコーン樹脂に対して、0.5〜100重量%が好ましく、さらには1〜50重量%、特には5〜20重量%が好ましい。これは、導電性剤の含有量が0.5重量%未満であると、導電性が十分に発揮されず、一方100重量%を超えた場合には、樹脂中に十分に保持しえないからである。
【0021】
上記キャリア芯材は特に限定されるものではないが、Cu−Zn系・Cu−Zn−Mg系・Mn系・Ni−Zn系・Li系フェライト、鉄粉等の公知の磁性粉であればいずれのものを用いてもよい。
【0022】
上記シリコーン系樹脂の上記キャリア芯材に対する被覆量としては、キャリア芯材に対して0.05〜10.0重量%とするのが好ましく、特に0.1〜7.0重量%が好ましい。シリコーン系樹脂の被覆膜厚はキャリア芯材の比表面積に応じて調製し、キャリア芯材の露出部分を少なくすることが必要であり、このことによって現像剤の抵抗、帯電量、流動性の変化を小さくすることができる。
この被覆膜厚は0.02〜2.0μm程度とするのが好ましい。
【0023】
上記シリコーン系樹脂の被覆方法としては、シリコーン系樹脂を溶剤に希釈し、キャリア芯材の表面に被覆するのが一般的である。ここに用いられる溶剤は、上記シリコーン系樹脂に可溶なものであればよく、例えばトルエン,キシレン,セロソルブブチルアセテート,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,メタノール等を挙げることができる。
また、キャリア芯材表面に、溶剤で希釈された樹脂を被覆する方法は、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、混練法等の方法により塗布され、その後、溶剤を揮発させる。
本発明では、特に、流動床コーティング装置を用いたコート法を適用することが膜厚の均一性を向上させる点から好ましい。
なお、溶剤を用いることのない乾式法によってキャリア芯材表面に樹脂粉を被覆することも可能である。
【0024】
上記シリコーン系樹脂をキャリア芯材表面に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式等のいずれの方法でもよい。例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリーキルン式電気炉、バーナー炉等でもよく、若しくはマイクロウェーブによる焼き付けであってもよい。
この焼き付けの温度は、使用するシリコーン系樹脂により適宜設定すればよく、融点又はガラス転移点以上の温度とすることは必要であり、また熱硬化性又は縮合型の場合には、十分に硬化が進行する温度以上にまで上げる必要がある。
【0025】
このようにして、キャリア芯材表面にシリコーン系樹脂が被覆、焼き付けされた後、冷却され、解砕、粒度調製を経て、シリコーン系樹脂被覆キャリアが得られる。
【0026】
この得られたキャリアは、トナーと混合して、電子写真用二成分系現像剤として用いられる。
ここに用いられるトナーとしては、結着樹脂中に荷電制御剤、着色剤等のトナーの外添剤を分散させたものである。
【0027】
上記トナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン,クロロポリスチレン,スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
【0028】
荷電制御剤としては、任意のものを使用でき、例えば正荷電性トナーであれば、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩等を挙げることができ、負荷電性トナーであれば、含金属モノアゾ系染料を挙げることができる。
【0029】
着色剤としては、従来より公知の染料又は顔料を使用でき、例えばカーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を挙げることができる。その他のトナーの流動性、耐凝集性向上のために、シリカ微粉体、チタニア粉体等の外添剤をトナーに必要に応じて加えることができる。
【0030】
トナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で十分混合し、次いで、二軸押出機等を用いて、溶融・混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得られる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
(実施例1)
ゲル透過クロマトグラフィーの重量平均分子量が1.5×104 であるメチルシリコーン樹脂に、導電性カーボンであるケッチェンブラックEC600JD(ケッチェンブラック・インターナショナル社製)を上記シリコーン樹脂固形分に対して、7重量%を添加し、さらに、チタン系触媒としてジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタンを1重量%を添加し、樹脂1を得た。
平均粒径80μmのフェライト芯材に上記樹脂1を芯材に対して1重量%流動床コートにより被覆した後、220℃で3時間加熱し、キャリア1を得た。
【0033】
(実施例2)
触媒としてジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタンを樹脂固形分に対して0.5重量%添加した以外は同様にして、樹脂2を得た。更にこの樹脂液を用いて実施例1と同様にして、キャリア2を得た。
【0034】
(実施例3)
触媒としてジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタンを樹脂固形分に対して3.0重量%添加した以外は同様にして、樹脂3を得た。更にこの樹脂液を用いて実施例1と同様にして、キャリア3を得た。
【0035】
(実施例4)
実施例1のシリコーン樹脂に白色導電性剤(TiO2 (0.04μm))の表面にSbを固溶したSnO2 (Sb:SnO2 に対し10重量%)を30Åの厚みで被覆したものを15重量%添加し、触媒としてイソプロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタンを樹脂固形分に対して1重量%添加し樹脂4を得た。更にこの樹脂液を用いて実施例1と同様にして、キャリア4を得た。
【0036】
(比較例4)
触媒としてテトラ−n−ブトキシチタンを樹脂固形分に対して1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にして、樹脂5を得た。更にこの樹脂液を用いて実施例1と同様にして、キャリア5を得た。
【0037】
(比較例1)
触媒としてアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレートを樹脂固形分に対して1重量%添加した以外は実施例1と同様にして、樹脂6を得た。更にこの樹脂液を用いて実施例1と同様にして、キャリア6を得た。
【0038】
(比較例2)
触媒としてジブチルスズジアセテートを樹脂固形分に対して1重量%添加した以外は同様にして、樹脂7を得た。更にこの樹脂液を用いて実施例1と同様にして、キャリア7を得た。
【0039】
(比較例3)
触媒としてナフテン酸鉛を樹脂固形分に対して1重量%添加した以外は実施例4と同様にして、樹脂8を得た。更にこの樹脂液を用いて実施例1と同様にして、キャリア8を得た。
【0040】
[評価結果]
上記実施例1乃至4、比較例1乃至4により得られたキャリア1乃至8とスチレンアクリル系負極性トナーをトナー濃度3重量%になるように混合し、市販のデジタル複写機にて耐刷試験を行った。その結果を「表1」に示す。
【0041】
なお、「表1」において、キャリア物性及び画像特定の測定は、下記の評価装置を用いて行った。
▲1▼帯電量:東芝ケミケル社製ブローオフ粉体帯電量測定機により測定した。
▲2▼抵抗:東亜電波工業社製SM−5Eスーパーメグオームメータ(商品名)により測定した。
▲3▼流動性:JIS−Z2502「金属粉の流動度試験方法」により測定した。
▲4▼画像濃度:ベタ部の画像濃度をマクベス濃度計により測定した。
▲5▼かぶり:白地画像のかぶりを日本電色工業社製測色色差計Z−300A(商品名)を用いて測定した。
【0042】
また、「表1」の総合評価においては、下記に基づいて評価した。
◎ :画像特性の変化が少ないもの。
○ :画像特性の変化は見られるが、充分許容可能なもの。
△ :画像特性の変化は見られるが、許容可能なもの。
× :画像特性の変化があり、許容できないもの。
××:×より更にレベルの悪いもの。
【0043】
【表1】
【0044】
上記「表1」に示されるように、実施例1乃至4のものは、比較例1乃至4に較べて、長時間の耐刷においても抵抗、帯電量、流動性、画像濃度、かぶりの変化が少なく良好な画像を維持していることが判明した。
【0045】
【発明の効果】
以上実施例と共に説明したように、電子写真現像剤用キャリアはチタン系触媒を含有するシリコーン系樹脂をキャリア芯材の周囲に被覆してなるので、シリコーン樹脂の被覆を均一にするので、帯電量が均一となり、長時間の耐刷においても帯電量、抵抗、流動性等のキャリア物性の変化が少なく、該キャリアを用いた現像剤は、良好な画像品質のものを得ることができる。
Claims (3)
- 有機チタン系触媒および導電性剤を含有するシリコーン系樹脂をキャリア芯材の表面に被覆してなり、
上記有機チタン系触媒が、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、または、イソプロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタンである
ことを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。 - 請求項1において、
上記有機チタン系触媒の含有量が、上記シリコーン系樹脂の固形分に対して0.5重量%以上3.0重量%以下である
ことを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。 - 請求項1又は2の電子写真現像剤用キャリアとトナーとからなる
ことを特徴とする電子写真用現像剤。
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