JP4201942B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数のストライプ状の電極を含む液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
TN型液晶表示装置は例えばパーソナルコンピュータの表示装置等として広く用いられている。しかし、TN型液晶表示装置は、画面を斜め方向に見るときにコントラストが低下し、あるいは表示の明暗が反転するという問題がある。従って、斜め視角方向でコントラストが低下することのない液晶表示装置が求められている。
【0003】
そこで、横電界により液晶を駆動する液晶表示装置が提案されている。この液晶表示装置は、液晶が一対の基板の間に挟持され、一方の基板が櫛の歯状に配置された第1の電極と第2の電極とを有し、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加するようになっている。他方の基板は電極をもたない。第1の電極と第2の電極との間で基板面にほぼ平行な方向に横電界が形成され、液晶はこの横電界によって駆動される。この液晶表示装置では、斜め視角方向でコントラストが低下することがない。
【0004】
さらに、斜め電界により液晶を駆動する液晶表示装置が提案されている。この液晶表示装置は、一対の基板と、一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極と、他方の基板に全面的に形成された透明電極とを備えている。この液晶表示装置では、ストライプ状の電極からベタの透明電極に向かって斜め方向に走る斜め電界が形成される。この液晶表示装置では、斜め視角方向でコントラストが低下することがなく、かつディスクリネーションが生じることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記斜め電界により液晶を駆動する液晶表示装置は、十分な白輝度を得るためにΔεの大きな液晶を使用するのが望ましい。しかし、Δεの大きい液晶は粘度が高く応答速度が遅く、比抵抗が低く、電圧保持率が低いなどの問題がある。そのため、液晶の駆動電圧をさらに低くすることができ、応答速度を向上することが求められる。
【0006】
本発明の目的は、視角特性に優れ、且つ、液晶の駆動電圧を低下でき、応答速度を向上することのできる液晶表示装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示装置は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、誘電体層の表面のある点における法線ベクトルが、誘電体層の表面が平面のときよりも誘電体層の表面のその点を突き抜ける電気力線に対して平行に近くなるように、該誘電体層の表面が曲面形状に形成されていることを特徴とするものである。透明電極は、一方の基板の複数の画素に共通して対向し、表示領域の実質的に全面を覆う。
【0008】
この構成によれば、電圧無印加時の液晶分子の配向が、電圧を印加したときにより円滑に所定の配向に移行することができるようになる。従って、液晶の駆動電圧を低下でき、応答速度を向上することができる。
さらに、他の局面によれば、本発明による液晶表示装置は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該一方の基板に該ストライプ状の電極を覆って設けられた絶縁体層とを備え、該絶縁体層は該ストライプ状の電極上に開口部を有し、該開口部の側壁はテーパになっていることを特徴とする。
【0009】
さらに、他の局面によれば、本発明による液晶表示装置は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、該誘電体層のもつ比誘電率εと膜厚dとの間には、0.5<d/εの関係があることを特徴とする。
【0010】
さらに、他の局面によれば、本発明による液晶表示装置は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、該誘電体層は、カラーフィルタ層と透明樹脂層とからなり、前記透明電極からこの順番で重ねられていることを特徴とする。
【0011】
さらに、他の局面によれば、本発明による液晶表示装置は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、該誘電体層が光学的に異方性を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1から図16は本発明の液晶表示装置の基本形体を示す図である。
図1は電圧無印加時の液晶表示装置10を示す断面図、図2は図1の液晶表示装置10の電圧印加時を示す断面図である。液晶表示装置10は、第1及び第2の対向する透明なガラス基板12、14と、第1及び第2の基板12、14の間に封入された液晶層16と、偏光子26、28を備える。
【0013】
第1の基板12は該第1の基板12を実質的に全面的に覆うように形成されたベタの透明電極18と垂直配向膜20とを有する。第2の基板14は複数の互いに平行に且つ交互に延びる第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bと垂直配向膜24とを有する。第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bは互いに異なった電圧を印加されるようになっている。実施例では、第1のグループのストライプ状の電極22aは交流のデータの電圧(例えば±5V)を印加され、第2のグループのストライプ状の電極22bはベタの透明電極18と同じ電圧を印加される。この場合、ベタの透明電極18はACのデータ電圧のほぼ中間の電圧(グランド)を印加される。
【0014】
図3は第2の基板14に形成されるアクティブマトリクスの一部を示す。アクティブマトリクスは、ゲートバスライン30、データバスライン32、及びTFT34を有する。ゲートバスライン30とデータバスライン32とで囲まれる領域が1画素に相当する。第1のグループのストライプ状の電極22aはTFT34に接続され、データバスライン32のACのデータ電圧を受ける。第2のグループのストライプ状の電極22bはゲートバスライン30と平行なコモンバスライン40に接続される。ベタの透明電極18はITOやNESA等の実質的に透明になる材料で形成されるが、ストライプ状の電極22a、22bはゲートバスライン30又はデータバスライン32と同じメタルで形成される。
【0015】
図4は偏光子26、28の吸収軸26a、28aの関係を示す。吸収軸26a、28aはクロスニコルの関係で、すなわち互いに直交するように配置される。吸収軸26a、28aは図3に示されるゲートバスライン30、データバスライン32、及びストライプ状の電極22に対して45度の角度をなすように配置される。
【0016】
さらに、誘電体層(絶縁体層)36がベタの透明電極18と垂直配向膜20との間に配置されている。ベタの透明電極18は第1の基板12の内面に設けられ、誘電体層36はベタの透明電極18の上に設けられる。基本的には、誘電体層36はベタの透明電極18と液晶層16との間に設けられる。好ましくは、誘電体層36が光硬化樹脂、熱硬化樹脂、ポジ型又はネガ型のレジスト、ポリアミック酸、その他の有機樹脂(例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等)、SiO、SiO2 、SiNのグループの1つからなる。
【0017】
この構成においては、図1に示されるように、電圧を印加していないときには、液晶分子は基板面に対してほぼ垂直に配向する。図2に示されるように、電圧が印加されると、第1のグループのストライプ状の電極22aの各々からベタの透明電極18へ向かう電界(電気力線)が形成される。多くの電界(電気力線)は矢印FO で示されるように第1のグループのストライプ状の電極22aの各々からベタの透明電極18へ向かって斜めに走る。従って、正の誘電率異方性を有する液晶分子は、電圧印加時には斜め電界FO に平行に配向する。
【0018】
さらに、第1のグループのストライプ状の電極22aの各々から第2のグループのストライプ状の電極22bの各々へ向かって横電界FT が形成される。この横電界FT は第1のグループの各ストライプ状の電極22aからベタの透明電極18へ向かう斜め電界FO の形成を助ける作用をする。すなわち、斜め電界FO は第1のストライプ状の電極22aからの横方向の距離が大きくなるにつれて急激に弱くなるが、横電界の助けで、斜め電界FO はストライプ状の電極22aからの距離が大きくなってもあまり弱くならない。
【0019】
液晶分子は斜め電界FO に平行になるように配向し、基板面に対して斜め方向に傾くようになり、複屈折が生じて、入射光の偏光状態を変化させる。従って、ほとんどの液晶分子が斜め電界に沿ってスムーズに配向し、ディスクリネーションのない表示を実現することができる。
そして、誘電体層36がベタの透明電極18と液晶層16との間に設けられると、斜め電界FO の形成がさらに助けられ、良好な表示を実現することができる。誘電体層36の効果を図5及び図6を参照して説明する。
【0020】
図5及び図6は誘電体層36の作用を説明する図である。図5は誘電体層36がない場合の電界の形成を示す図であり、図6は誘電体層36がある場合の電界の形成を示す図である。図5及び図6においては、第1のストライプ状の電極22aのまわりに形成される等電位線が示されている。図5においては、電界が第1のグループのストライプ状の電極22aの各々の近傍に集中しすぎてしまい、等電位線が液晶層16内に留まっている。従って、液晶層16内においては透明電極18の法線方向に向かう電界の作用が強く、斜め電界は法線方向の成分が強いものになり、十分に斜めにならない。従って、液晶は十分に複屈折性を発揮しない。
【0021】
図6においては、等電位線が液晶層16から誘電体層36へ広がり、液晶層16内での電界の集中を緩和している。従って、液晶層16内においては透明電極18の法線方向に向かう電界の作用が弱くなる。そのため、斜め電界は法線方向の成分が弱いものになり、十分に斜めになる。従って、液晶分子は十分に横に倒れる。
【0022】
図7は第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bを覆う絶縁体層50a、50bを設けた例を示す図である。この例では、絶縁体層50aは、第2のグループのストライプ状の電極22bを覆い、第1のグループのストライプ状の電極22aは絶縁体層50aの上に形成され、且つ絶縁体層50bで覆われる。配向膜24は絶縁体層50bの上に設けられている。図7の絶縁体層50a、50bは例えばSiNによりTFTの形成工程の間に設けられることができる。
【0023】
絶縁体層50a、50bのない液晶表示装置では、第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとの間に直流電圧成分が長くかかると、画面の焼きつきが生じる可能性がある。しかし、図7の液晶表示装置では、絶縁体層50a、50bを設けることによって、直流電圧成分によって生じる画面の焼きつきを防止することができる。
【0024】
しかし、絶縁体層50a、50bが第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bを覆っていると、液晶の駆動電圧が高くなる。
図8は、絶縁体層50a、50bを設けた後で、絶縁体層50a、50bの一部を局部的に除去している。すなわち、第1のグループのストライプ状の電極22aの上及び周辺の絶縁体層50bの部分がドライエッチングにより除去されている。従って、第1のグループのストライプ状の電極22aと全面ベタの透明電極18との間で形成される斜め電界が絶縁体層50によって邪魔されなくなり、液晶の駆動電圧が低下するのを防止することができる。
【0025】
絶縁体層50を設けた後で、第1のグループのストライプ状の電極22aの周辺の絶縁体層50の部分及び第2のグループのストライプ状の電極22bの周辺の絶縁体層50の部分をともに除去するのも有効である。
図9は少なくとも1つの位相差フィルム42を加えた液晶表示装置10を示す図である。少なくとも1つの位相差フィルム42は一対の偏光子26、28の間のあらゆる位置に設けられることができる。
【0026】
この実施例における位相差フィルム42は、位相差フィルム42の主屈折率nx 、ny 、nz のうち、フィルム面方向の屈折率をnx 、ny (隣接する偏光子の吸収軸に直交する方向の屈折率をnx 、平行な方向の屈折率をny )、フィルム法線方向の屈折率をnz としたとき、
nx ≧nz 、ny ≧nz (ただし、nx =ny =nz を除く)(1)
の関係が成り立つ性質を備えているものとする。屈折率nx 、ny の間に例えばnx >ny の関係が成り立つとき、x方向を遅相軸と言う。ここで、位相差フィルム42の厚さをdとしたとき、RxZ=(nx −nz )d、RYZ=(nY −nz )dと定義する。
【0027】
図10は位相差フィルム42のない液晶表示装置の視角特性を示す図である。曲線46は液晶パネルをあらゆる方位で見たときのコントラスト10となる等コントラスト曲線である。この等コントラスト曲線46から、TN型液晶表示装置の視角特性よりも広い視角で良好なコントラストが得られることが分かる。この等コントラスト曲線46では、45度、135度、225度、315度の方位でコントラスト10となる視角は、38度である。
【0028】
図11は図9の液晶表示装置の視角特性を示す図である。曲線48は液晶パネルをあらゆる方位で見たときのコントラスト10となる等コントラスト曲線である。この等コントラスト曲線48では、45度、135度、225度、315度の方位でコントラスト10となる視角は、約70度である。従って、位相差フィルム42を挿入することによって良好な視角特性を得ることができる。
【0029】
まず、図9の構成において、1枚の位相差フィルム42を挿入し、RxZ、RYZをさまざまに変化させて視角特性を調べた。RxZ、RYZを変化させて、45度の方位においてコントラストが10となる視角を求めた。
図12はコントラストが10となる等視角曲線を示す図である。視角が70度、60度、50度、40度になる曲線がRxZ−RYZ座標にプロットされている。図23のストライプ状の電極22a、22bを有する液晶表示装置では、四方向の視角特性は同じであるので、135度、225度、315度の方位でも同様の結果が得られる。
【0030】
上記したように、図10において、45度の方位でコントラストが10になる視角は38度である。従って、図12においてコントラストが10になる視角が38度以上となる範囲では、位相差フィルム42を追加した効果がある、ということになる。
図12においてコントラストが10になる視角が38度以上となるのは、RxZ、RYZについて下記の条件が満たされるときである。
【0031】
RYZ≧RxZ−230nm
RYZ≦RxZ+130nm
RYZ≦−RxZ+1060nm
これらの条件を書き換えると、以下のようになる。
−130nm≦(nx −ny )d≦230nm
((nx +ny )/2−nz )d≦530nm
ここで、 R=(nx −ny )d、Rt = ((nx +ny )/2−nz )dとすると、位相差フィルム42の満たすべき条件は、
−130nm≦R≦230nm (2)
Rt ≦530nm
になる。
【0032】
液晶パネルのΔndLC(dLCは液晶層の厚さ)を変化させて同様にR、Rt の最適条件を求めた結果、Rの最適条件は液晶パネルのΔndLCに依らずに常に、
−130nm≦R≦230nm (2)
であることが分かった。
一方、Rt の最適条件は液晶パネルのΔndLCに依存する。ΔndLCとRt の最適条件の上限との関係を調べたところ、図13に示す関係が得られた。液晶パネルのΔndLC=RLCとすると、Rt の最適条件の上限は1.6×RLCの関係がある。従って、Rt はこの上限よりも下の範囲にあればよい。すなわち、
Rt ≦1.6×RLC
である。
【0033】
以上は、一対の偏光子26、28の間に1枚の位相差フィルム42を挿入した場合の考察である。この考察は、一対の偏光子26、28の間に複数の位相差フィルムを挿入した場合にも拡張される。例えば、偏光子26、28がPVCフィルムとTACフィルムとを積層した構造のものである場合には、内側のTACフィルムが本願の式(1)で定義した位相差フィルムの作用をする。従って、それらの位相差フィルムと位相差フィルム42とを加えると、3枚の位相差フィルムが一対の偏光子26、28の間に挿入されていることになる。
【0034】
そこで、N枚の位相差フィルムが一対の偏光子26、28の間に挿入されている場合について、上記と同様にして検討した。N個の位相差フィルムのRをR1 、R2 、・・・RN とし、Rt をRt1、Rt2、・・・RtNとすると、最適条件は以下の関係が同時に満たされるときであることが分かった。
−130nm≦R1 ≦230nm (2)
…
−130nm≦RN ≦230nm
Rt1+Rt2+・・・RtN≦1.6×RLC (3)
以上は、コントラストが10になる視角が38度以上となる条件についてであった。これをさらに拡大して、コントラストが10になる視角が50度以上となる条件について検討すると、下記の関係が同時に満たされるときであることが分かった。
【0035】
nx ≧nz 、ny ≧nz (ただし、nx =ny =nz を除く)(1)
−50nm≦R1 ≦150nm (4)
…
−50nm≦RN ≦150nm
Rt1+Rt2+・・・RtN≦1.3×RLC (5)
図11は、3枚の位相差フィルムを含む構成において、ΔndLC=RLC=330nm、R=(nx −ny )d=50nm、Rt =200nmとしたときの等コントラスト曲線を示している。位相差フィルム42は日本合成ゴム製のARTONフィルム(R=50nm、Rt =200nm)を用い、その遅相軸が隣接する偏光子の吸収軸と直交となるように配置した。
【0036】
図14は図3の電極の変形例(1画素分)を示す平面図である。図15は図14の第1のストライプ状の電極22aを示す平面図である。図16は図14の第2のストライプ状の電極22bを示す平面図である。この画素の特徴は他の実施例にも適用可能である。図7に示されるように、第1のストライプ状の電極22aと第2のストライプ状の電極22bとは、絶縁体層50aを介して重ねられている。
【0037】
図14の液晶表示装置10では、一方の基板14が、ゲートバスライン30と、データバスライン32と、TFT34とを含むアクティブマトリクスを有する。さらに、コモンバスライン40がある。ゲートバスライン30とデータバスライン32とで囲まれた概略矩形状の画素52内には、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bが設けられている。第1のグループのストライプ状の電極22aは第1の接続電極22cによってTFT34に接続されている。第2のグループのストライプ状の電極22bは第2の接続電極22dによってコモンバスライン40に接続されている。
【0038】
図14及び図15において、第1のグループのストライプ状の複数の電極22aは、互いに平行な第1のサブグループの直線部分(図14及び図15の水平な中央線よりも上の要素)と、互いに平行で該第1のサブグループの直線部分に対して角度をなした第2のサブグループの直線部分(図14及び図15の水平な中央線よりも下の要素)を含む。全ての直線部分はデータバスライン32に対して2度から88°の角度をなす。好ましくは、全ての直線部分はデータバスライン32に対して45度の角度をなす。
【0039】
第1のサブグループの直線部分と第2のサブグループの直線部分とは互いに90度をなすように配置されている。つまり、第1のグループのストライプ状の電極22aは直角の屈曲部を有する。第1のサブグループの直線部分は図14及び図15の水平な中央線に関して第2のサブグループの直線部分と線対称に配置される。第1のサブグループの直線部分は第2のサブグループの直線部分と点対称に配置されることもできる。第1及び第2のサブグループの直線部分の幾つかは概ね矩形形状の画素の一方の長辺から対向する長辺へ折れ曲がりなくまっすぐに延びる。
【0040】
図14及び図16において、第2のグループのストライプ状の複数の電極22bは、互いに平行な第3のサブグループの直線部分(図14及び図16の水平な中央線よりも上の要素)と、互いに平行で該第3のサブグループの直線部分に対して角度をなした第4のサブグループの直線部分(図14及び図16の水平な中央線よりも下の要素)を含む。第3のサブグループの直線部分と第4のサブグループの直線部分とは互いに90度をなすように配置されている。第3のサブグループの直線部分は図14及び図16の水平な中央線に関して第4のサブグループの直線部分と線対称に配置される。第3及び第4のサブグループの直線部分の幾つかは概ね矩形形状の画素の一方の長辺から対向する長辺へ折れ曲がりなくまっすぐに延びる。
【0041】
一画素内において、第1の接続電極22cは画素52の周辺部(画素52を規定するゲートバスライン30とデータバスライン32のわずかに内寄りの領域)に設けられ、第1のグループのストライプ状の電極22aを一緒に接続し、そして、第2の接続電極22dが画素52の周辺部に設けられ、第2のグループのストライプ状の電極22bを一緒に接続する。第1の接続電極22cは第2の接続電極22dと絶縁体層50aを介して少なくとも部分的にオーバーラップしている。
【0042】
図14に示されるように、第2の接続電極22dの幅は第1の接続電極22cの幅よりも大きく、第1の接続電極22cは第2の接続電極22dの内方エッジに載るように位置し、短絡を防止するために第1の接続電極22cがゲートバスライン30及びデータバスライン32から少しでも離れるようになっている。
第1の接続電極22cは第1のグループのストライプ状の電極22aの第1及び第2の直線部分の端部を一緒に接続する接続電極部分22cp、22cqを含む。接続電極部分22cpは画素52の周辺部においてゲートバスライン30と平行に延び、該第1及び第2の直線部分の端部同志を接続する。接続電極部分22cqは画素52の周辺部においてデータバスライン32と平行に断片的に延び、第1のグループのストライプ状の電極22aの第1及び第2の直線部分のうちの少なくとも2つの直線部分の端部同志を接続する。
【0043】
特に、接続電極部分22cqが画素52の周辺部においてデータバスライン32と平行に設けられる構成により、例えば画素の中央を長手方向に延びる接続電極部分をなくすことができる。画素の中央を長手方向に延びる接続電極部分は画素の開口率をかなり低下させるが、画素52の周辺部に接続電極部分22cqを設けることによって画素の開口率を改善することができる。
【0044】
接続電極部分22cqをゲートバスライン30と平行に断片的に設けることにより、ゲートバスライン30の近くにある接続電極部分22cqの量を少なくし、接続電極部分22cqとゲートバスライン30との短絡の可能性を低減する。第1の接続電極22cはさらに画素52の水平な中央線に沿って断片的に設けられた接続電極部分22crを有する。この接続電極部分22crは特に必要ではないが、接続電極部分22crは第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの屈曲部において液晶の配向が乱れてディストリネーションが生じるのを防止することができる。
【0045】
第1のグループのストライプ状の電極22aの1つの直線部分の端部(図15にaで示される)が画素の短辺の角に位置し、もう1つの直線部分の端部(図51にbで示される)が画素のもう1つの短辺の角に位置している。端部aを有する直線部分から、その他のほとんどの直線部分及び第1の接続電極の接続電極部分22cqを通って、端部bを有するもう1つの直線部分へいたる実質的に連続的なシリーズの電気経路が形成されている。つまり、第1の接続電極の接続電極部分22cqは第1のグループのストライプ状の電極22aの電気的な接続を達成するのに必要な最小の部分にのみ設けられる。
【0046】
第2の接続電極22dは第2のグループのストライプ状の電極22bの第3及び第4の直線部分の端部を一緒に接続するために画素52の周辺部においてゲートバスライン30と平行に延びる接続電極部分22dpと、画素52の周辺部においてデータバスライン32と平行に延びる接続電極部分22dqとを有する。第2の接続電極22dはさらに画素の水平な中央線に沿って配置された補助容量電極として作用する接続電極部分22drを有する。接続電極部分22drは第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの屈曲部において液晶の配向が乱れてディスクリネーションが生じるのを防止することもできる。接続電極部分22drはなくてもよい。第2の接続電極22dはさらに複数の点において隣接の画素の同様の接続電極と接続するための外方突起22dsを有する。これらの外方突起22dsは図14のコモンバスライン40の一部である。つまり、1画素の第2の接続電極22dは複数のコモンバスライン40により隣接の画素の第2の接続電極に接続される。
【0047】
以下図17から図26を参照して本発明の一実施例を説明する。
図17及び図18は図1及び図2に相当する図であり、液晶分子の配向をより詳細に示している。図19(A)、(B)は誘電体層36の表面の近傍の部分を示す図である。
図17から図19(B)に示される液晶表示装置10において、カラーフィルタ基板12はその全面を覆う透明電極18と誘電体層36を有し、TFT基板14は第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bを有する。第1ストライプ状の電極22aはTFT34に接続され、データ電圧を受ける。第2のストライプ状の電極22bはコモンバスライン40に接続され、コモン電圧を受ける。誘電体層36の表面は平坦であり、基板の表面に対して実質的に平行である。さらに、液晶層16は正の誘電率異方性を有し、垂直配向膜20、24、及び偏光板26、28が配置されている。偏光板26、28は透過軸が互いに直交するように、両基板12、14の外側に貼り付けられている。絶縁体層は一括して50で示した。
【0048】
液晶分子は電圧無印加時(図17、図19(A))に基板12、14に対して垂直に配向し、光が液晶パネルを透過しない。電圧印加時(図18、図19(B))には、液晶分子が第1ストライプ状の電極22aと透明電極18との間に形成される斜め電界F0 に沿って配向し、基板12、14に対して斜めになり、液晶16の複屈折効果により光が液晶パネルを透過する。すなわち、誘電体層36の表面が平坦であると、電圧無印加時には図19(A)に示されるように全ての液晶分子は誘電体層36の表面に対して垂直に配向する。電圧印加時には図19(B)に示されるように液晶分子は斜め電界F0 に沿って配向し、基板12、14の表面に対して斜めに配向する。液晶分子が基板12、14の表面に対して斜めに配向する際、垂直配向膜20の配向規制力があるために、液晶分子が図19(A)の状態から図19(B)の状態に移行するのに時間がかかる。すなわち、液晶の駆動の応答性が低く、駆動電圧を高くしなければならない。
【0049】
図20(A)から図22は図17から図19(B)を参照して説明した問題点を解決する本発明の実施例を示す図である。図20(A)から図22においては、誘電体層36の表面が曲面に形成されている。垂直配向膜20も誘電体層36の表面と同様に曲面に形成される。誘電体層36の表面の曲面形状は、誘電体層の表面のある点における法線ベクトルが、誘電体層36の表面が平面のときよりも誘電体層36の表面の同じ点を突き抜ける電気力線に対して平行に近くなるようになっている。すなわち、誘電体層36の表面が、誘電体層36の表面の法線ベクトルが電気力線に平行に近づく方向に傾くようにする。図20(A)は電圧無印加時の液晶分子の配列を示している。液晶分子は電圧無印加時に誘電体層36の表面に対して垂直に配向、基板12、14の表面に対して斜めに配向する。このように、誘電体層36の付近の液晶分子をあらかじめ倒しておくことで、図20(B)のように電圧を印加したときに、液晶分子全体が倒れやすくなり、よって液晶の駆動電圧を低下でき、液晶分子の応答速度が高速になる。
【0050】
すなわち、液晶分子を図20(A)の状態から図20(B)の状態へ傾けた場合の方が、液晶分子を図19(A)の状態から図19(B)の状態へ傾ける場合よりも、液晶分子の配列の変化量が小さく、かつ、配向の規制力の影響が小さいため、液晶の駆動電圧を低下でき、液晶分子の応答速度を向上させることができる。
【0051】
次に、図21において、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの間隙に対応する誘電体層36の表面の部分(例えば36x)が傾斜していると、電圧無印加時に液晶分子が基板面に対して幾らか斜めになり、光が漏れ、コントラストが低下する問題がある。
そこで、図23のように、誘電体層36の表面の第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bに対応する部分36a、36bのみを湾曲させ、誘電体層36の表面の第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの間隙に対応する部分36xを基板面と平行にする。こうすれば、表示に影響するストライプ状の電極の間隙に位置する液晶分子は電圧無印加時に垂直に配向しているため、上記した光漏れは発生しない。
【0052】
一方、コモン電圧を受ける第2のストライプ状の電極22bに対応する誘電体層36の表面の部分36bは突起状に突出させ、データ電圧を受ける第1のストライプ状の電極22aに対応する誘電体層36の表面の部分36aは溝状に窪ませる。従って、第1のストライプ状の電極22aに対向する誘電体層36の部分36aが最も薄く、第2のストライプ状の電極22bに対向する誘電体層36の部分36bが最も厚くなっている。また、突起状の部分36b及び溝状の部分36aの両側はスロープになっている。スロープの部分を含めた突起状の部分36bの幅は第2のストライプ状の電極22bの幅と同じかそれよりも狭く、スロープの部分を含めた溝状の部分36aの幅は第1のストライプ状の電極22aと同じかそれよりも狭い。従って、この場合には、誘電体層36の表面を湾曲させる領域は、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22b上のみである。
【0053】
アクティブマトリクス駆動の場合、ゲートバスライン30にはパルス状に選択電圧が印加され、パルス状の電圧が印加されていないときには通常マイナス数ボルトの電圧がかかっている。このため、ゲートバスライン30と、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22b(第1及び第2の接続電極22c、22d、コモンバスライン40)間に大きな電界が生じる(図24)。そのため、ゲートバスライン30と第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bとの間に十分な距離をとったり、遮蔽電極が必要であったりし、開口率が低下する問題かある。
【0054】
図24はゲートバスライン30と第2のストライプ状の電極22bとの間に生じる電界により液晶の配向が乱れることを説明するための図である。図24において、領域RA、RBが液晶の配向が乱れる領域である。
図25は誘電体層36の表面を湾曲させることにより図24に示した液晶の配向を防止する例を示す図である。誘電体層36の表面は、ゲートバスライン30と第2のストライプ状の電極22bとの間に発生する電界と、誘電体層36の上の配向膜20による配向規制力を釣り合わせ、誘電体層36付近の液晶分子(領域RCの液晶分子)を基板と垂直に配向させる。この場合、ゲートバスライン30に対応する誘電体36の部分の厚さをL1 とし、第2のストライプ状の電極22bに対応する誘電体36の部分の厚さをL2 とすると、領域RCにおいては、L1 >L2 となるように誘電体層36の表面を湾曲させている。
【0055】
第2のストライプ状の電極22bにはほぼ一定のコモン電圧が印加されるため、ゲートバスライン30の電圧とコモン電圧によって作られる電界と配向規制力を釣り合わせればよい。第1のストライプ状の電極22aについては、第1のストライプ状の電極22aにはAC電圧が印加されるので、そのほぼ中間の電圧であるコモン電圧とほぼ同じ電圧が印加されていると想定して、電界と配向規制力を釣り合わせる。その結果、ゲートバスラインとストライプ状の電極との距離を狭めること、及び遮蔽電極の幅を小さくすることが可能になり、開口率を向上することができる。
【0056】
図26は、誘電体層36の表面を曲面にすることによりレンズとしての効果が付加的に得られることを示す図である。図26の誘電体層36は凹レンズ状になる。よって、誘電体層36はレンズとしての機能をもち、第2のストライプ状の電極22bに向かおうとする光を第1及び第2のストライプ状の電極22a、22b間の間隙の開口部に集光して、実質的な開口率を高くすることができる。このとき、光は誘電体層36の設けられた基板側からその基板にほぼ垂直に照射する。
【0057】
図23の例の15型XGA液晶表示装置を次のようにして製作した。一方の基板12の透明電極18の上に誘電体層36を形成し、フォトリソ工程で第1のストライプ状の電極22aに対応する誘電体層36の部分36aを溝状に形成し、熱硬化させた後、さらにもう一層樹脂を重ねて塗布し、フォトリソ工程で第2のストライプ状の電極22bに対応する誘電体層36の部分36bを突起状に形成し、熱硬化させた。樹脂はNN700(JSR)を使用した。熱を加えることで、突起状の部分36bあるいは溝状の部分36aの角が丸くなり、スロープが生じる。垂直配向膜JALS204(JSR)を塗布した。もう一方の基板14を形成した後、両基板12、14を貼り合わせ、液晶はZLI4535(メルクジャパン)を注入した。また、上記と同様な条件で誘電体層36の表面が平坦である液晶パネルを形成した。両液晶表示装置を比較したところ、コントラストを低下させることなく、同じ駆動電圧で白輝度が15%上昇し、応答速度が1割向上した。
【0058】
図27から図29は他の実施例を示す図である。
図27は図14と類似したアクティブマトリクスを示している。このアクティブマトリクスを有する液晶表示装置は、図7を参照して説明したように、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22b、及び第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bを覆う絶縁体層50a、50bを有する。
【0059】
図28は図27の第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bを有する基板14を示し、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bを覆う絶縁体層50a、50bが示されている。
絶縁体層50a、50bは第2のストライプ状の電極22b上に開口部50hを有し、この開口部50hの側壁は順テーパになっている。つまり、開口部50hはTFT基板14側からカラーフィル基板12側(図示せず)に向かって広がるように形成されている。開口部50hの輪郭は図27にも示されている。また、カラーフィルタ基板12は図1に示された全面ベタの透明電極18を有する。
【0060】
図28において、上記したように、電圧を印加すると、第1のストライプ状の電極22aから透明電極18へ向かって斜め電界F0 が形成され、液晶分子は斜め電界F0 に平行になるように配向する。第1のストライプ状の電極22aと第2のストライプ状の電極22bとの間に形成される横電界は斜め電界F0 による液晶の配向を助けるように作用する。しかし、第2のストライプ状の電極22bの近くの電界は必ずしも斜め電界F0 と一致するものではなく、液晶分子は斜め電界F0 に沿った液晶の配向とは異なる配向をする。しかし、開口部50hのテーパー壁50iに隣接する液晶分子は、その壁面に垂直に配向し、その配向方向は斜め電界F0 に沿った液晶の配向と一致する。従って、液晶分子の配向が改善される。
【0061】
図29は図28の絶縁体層50a、50bの開口部の変形例を示す図である。開口部50hが第2のストライプ状の電極22b上で絶縁体層50a、50bに形成され、そして、開口部50jが第1のストライプ状の電極22a上で絶縁体層50a、50bに形成されている。これらの開口部50h、50jの端部はそれぞれ第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bよりも狭くなっていて、これらの電極に隠されるようになっている。図28に示したように開口部50hのテーパー壁50iに隣接する液晶分子は電圧無印加時にその壁面に垂直に配向するので、電圧無印加時にはその部分で液晶の配向が乱れて光漏れの原因となる。図29に示されるように、開口部50h、50jの端部をそれぞれの電極上に配置することにより、開口端部による液晶の配向の乱れを遮光することができ、コントラストが向上する。
【0062】
図30から図34はさらに他の実施例を説明する図である。この実施例においては、カラーフィルタ基板12は透明電極18と配向膜20との間に誘電体層36を有する。
図30においては、基板12の表面に透明電極18を形成し、透明電極18の上に(R、G、B成分を含む)カラーフィルタ層38を形成し、カラーフィルタ層38の上に透明樹脂層36xを形成し、透明樹脂層36xの上に配向膜20を形成している。誘電体層36はカラーフィルタ層38と透明樹脂層36xとからなる。
【0063】
図31においては、基板12の表面にカラーフィルタ層38を形成し、カラーフィルタ層38の上に透明電極18を形成し、透明電極18の上に透明樹脂層36xを形成し、透明樹脂層36xの上に配向膜20を形成している。誘電体層36は透明樹脂層36xからなる。
図32においては、基板12の表面に透明電極18を形成し、透明電極18の上にカラーフィルタ層38を形成し、カラーフィルタ層38の上に配向膜20を形成している。誘電体層36はカラーフィルタ層38からなる。さらに、基板12にはブラックマトリクスが適切に設けられる。
【0064】
このような誘電体層36を形成する場合、厚さ(d)と比誘電率(ε)との比(d/ε)の値が適切でないと、ディスプレイとして十分な輝度が得られない。また、誘電体層36が透明樹脂層36xからなる図31の構成の場合には、液晶パネルを作製し、表示させた際、画面の焼きつきが発生することがある。
誘電体層36がカラーフィルタ層38からなる図32の構成の場合には、画面の焼きつきの問題はないが、液晶層16とカラーフィルタ層38との間には、薄い配向膜20しかないため、カラーフィルタ層38による液晶層16の汚染により、液晶パネルの電圧保持率が低下する問題がある。
【0065】
カラーフィルタの比誘電率(ε)は、透明樹脂の場合と比べて高めの数値をもつ。例えば、透明樹脂のもつ比誘電率がおよそ3〜3.3であるのに対して、カラーフィルタの比誘電率は3.5〜4である。透明電極18は誘電体層36の下にあるので、透明電極18から液晶に印加される電圧は誘電体層36の影響を受ける。誘電体層36の比誘電率が異なる場合、液晶に印加される電圧を同じにするためには、誘電体層36の膜厚を変える必要がある。例えば、比誘電率の値が高い場合には、それに応じて膜厚を増加すればよい。具体的には、誘電体層1のもつ比誘電率ε1と膜厚d1、誘電体層2のもつ比誘電率ε2と膜厚d2とした場合、液晶層にかかる電圧が同じになるためには、(d1/ε1)=(d2/ε2)の関係があることが必要である。
【0066】
実際に多くの樹脂について検討を行った結果、表示輝度は、誘電体層36の比誘電率と膜厚に関係することが分かった。
図33は、誘電体層36の比誘電率をε(単位f)、膜厚をd(μm)とした膜厚dを比誘電率εで割った値(d/ε、単位はf/μm)をx軸とし、10Vを印加したときの透過率をy軸とした場合の関係を示す。
【0067】
輝度(透過率)はd/εの値が0.7f/μmの付近にピークを迎える。d/εの値が0.7f/μmを越えると、輝度は若干低下する。d/εの値が0.7f/μm以下の場合、輝度はd/εの値の低下とともに低下する。このため、d/εの値は0.5f/μm以上であるのが好ましい。d/εの値が0.7f/μm以上では、誘電体層自身の透過率が低下してしまうこともあり、輝度は低下に転じてしまう。このため、d/εの値は大きくなりすぎないことも重要で、d/εの値は0.9f/μm以下であるのが好ましい。
【0068】
誘電体層36の画面の焼きつきは抵抗率に関係する。誘電体層36の抵抗率が低いほど、画面の焼きつきの程度が小さくなる傾向がある。誘電体層36の厚さが厚くなると、抵抗率が高くなり、画面の焼きつきの程度が大きくなる。
誘電体層36が透明樹脂層36xからなる構成の場合、輝度を満足するためには、ある程度の厚さが必要になる。すると、抵抗率が高くなって焼きつきが生じやすい。逆に、誘電体層36がカラーフィルタ層38からなる構成の場合、従来の典型的な厚さのカラーフィルタ層38では、輝度が十分になるとは言えない。しかし、抵抗率はそれほど高くなく、画面の焼きつきが生じない。
【0069】
従って、図30に示されるように、誘電体層36がカラーフィルタ層38と透明樹脂層36xとからなる構成にすると、上記問題点を同時に解決することができる。この場合、透明樹脂層36xはカラーフィルタ層38よりも薄くするのが好ましい。この場合の誘電体層36の厚さが、誘電体層36がカラーフィルタ層38単一層の場合の誘電体層36の厚さよりも厚くなり、十分な輝度を確保するのに適した厚さになる。そして、この場合の誘電体層36の抵抗率が、誘電体層36が透明樹脂層36x単一層の場合の誘電体層36の抵抗率よりも低くなり、画面の焼きつきが生じなくなる。また、カラーフィルタ層38の外側に緻密度の高い透明樹脂層36xがあるので、カラーフィルタ層38による液晶汚染がなくなり、電圧保持率が低下する問題も解決される。
【0070】
誘電体層36がカラーフィルタ層38と透明樹脂層36xとからなる構成の場合には、上記単一層の場合と同様に、厚さと比誘電率は以下の関係を満たすのが好ましい。
カラーフィルタ層38は比誘電率ε1と膜厚d1をもち、透明樹脂層36xは比誘電率ε2と膜厚d2とをもつとしたとき、0.5<(d1/ε1)+(d2/ε2)の関係がある。好ましくは、0.5<(d1/ε1)+(d2/ε2)<0.9の関係がある。
【0071】
図34は、カラーフィルタ層38の厚さは2μmとしたときの、誘電体層36の透明樹脂層36xの厚さと画面の焼きつきとの関係を示す図である。画面の焼きつきは、液晶パネルにDC3Vを印加した前後の輝度の差の二乗和(ST )であらわした。透明樹脂層36xの厚さが大きいほど、画面の焼きつきの程度は大きくなることが分かる。これは、誘電体層36内で透明樹脂層36xの占める割合が大きくなり、透明樹脂層36xの下にある、抵抗の低いカラーフィルタ層38の効果が少なくなってしまい、電荷が溜まりやすくなるためと思われる。すなわち、誘電体層36として利用されるカラーフィルタ層38と透明樹脂層36xのうち、比誘電率が高く、抵抗率も高いカラーフィルタ層38が占める割合を大きくしないと、焼きつき防止の効果は上がらない。カラーフィルタ層38の上に形成する透明樹脂層36xの膜厚は、可能な限り薄くすることが望ましい。
【0072】
下の表1は、図30から図32の本発明を用いた場合の面焼きつきの程度と電圧保持率について示す。
カラーフィルタ基板の製造に際して、ガラス基板12の上にCr薄膜を形成し、これをエッチングすることによりブラックマトリクスとする(図示せず)。従来のカラーフィルタ基板では、この上にカラーフィルタ層を形成するが、本発明では、この段階で、ITOなどの透明電極18をスパッタリング法により形成する。カラーフィルタ層38はRGB毎にフォトリソプロセスにて透明電極18上に形成する。膜厚は凡そ2.0μmとする。カラーフィルタ層38の比誘電率は4に近いものである。次にカラーフィルタ層38上に透明樹脂層36xを設ける。この場合、透明電極樹脂層36xは、TFT基板側のトランスファー電極(図示せず)と、カラーフィルタ基板側の透明電極18とを接続するためにスルーホールを形成するため、パターニング可能であることが望ましい。ここでは、ε=3.3の比誘電率をもつポジ型レジストの透明樹脂を、RGBのカラーフィルタ層の上に、凡そ膜厚0.2μmで形成する。透明樹脂塗布後、マスクを介して、スルーホールを形成したい部分に紫外線を照射し、現像液(例えばTMAH水溶液)で現像を行う。
【0073】
透明樹脂は、通常の透明レジスト(例えばシプレイS1808等)を形成した後に、フォトブリーチング工程により、色抜きを行って使用してもよい。次に、透明樹脂上に垂直配向膜を塗布する。
一方のTFT基板には、ゲートバスライン、データバスライン、及びTFTを含むアクティブマトリクスと、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bと、垂直配向膜とを形成する。
【0074】
このようにして形成された液晶パネルは、カラーフィルタ層38と透明樹脂層36xを合わせたd/εの値が約0.6となり、図33におけるピークに近い状態になり、輝度向上の効果がある。また、この条件での面焼きつきもなく、高い電圧保持率を維持することができる。
図35はさらに他の実施例を説明する図である。この実施例においては、カラーフィルタ基板12は透明電極18と配向膜20との間に誘電体層36yを有する。誘電体層36yは、光学的に異方性を有するものである。つまり、図9の構成においては、誘電体層36(図9には示されず)とは別に位相差フィルム42が設けられているが、図35の構成においては、誘電体層36yは誘電体層36としての機能と位相差フィルム42の機能とを合わせもつものである。従って、位相差フィルム42に関しての上記説明は誘電体層36yにもあてはまる。式(1)〜(5)及び図10〜13も誘電体層36yに適用される。ここでは、繰り返しの説明はしない。
【0075】
誘電体層36yは、光重合基を導入した高分子液晶やディスコティック液晶などで形成されることができる。図36は、誘電体層36yとして使用可能なディスコティック液晶の例を示す図である。例えば、誘電体層36yの形成において、ガラス基板12上に透明電極18を形成し、透明電極18上に誘電体層を配向させるための配向層(例えばJSR製のAL3046)を形成する。この配向層の上に溶剤と混合したディスコティック液晶を塗布し、ホットプレート上で溶剤を揮発させた後、紫外線を照射して硬化させ、誘電体層36yを形成する。加熱によって硬化させてもよい。さらに、誘電体層36yの上に垂直配向膜20を形成する。この実施例によれば、視角特性に優れた液晶表示装置を簡単に製造することができる。
【0076】
比誘電率εと膜厚dとの間には、0.5<d/ε<0.9の関係がある。
透明樹脂層の厚さはカラーフィルタ層の厚さよりも薄い。
配向層の上に主誘電体層を塗布して配向させ、光照射又は加熱により硬化させてある。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液晶の駆動電圧を低下でき、液晶分子の応答速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧無印加時の本発明の液晶表示装置の基本形態を示す断面図である。
【図2】電圧印加時の図1の液晶表示装置を示す断面図である。
【図3】一方の基板に形成されるアクティブマトリクスの一部を示す平面図である。
【図4】図1の偏光子の吸収軸の関係を示す図である。
【図5】誘電体層がない場合の電界の形成を示す図である。
【図6】誘電体層がある場合の電界の形成を示す図である。
【図7】ストライプ状の電極を覆う絶縁体層を含む例を示す図である。
【図8】絶縁体層に開口部を設けた例を示す図である。
【図9】位相差フィルムを含む例を示す図である。
【図10】位相差フィルムのない液晶表示装置の視角特性を示す図である。
【図11】位相差フィルムのある液晶表示装置の視角特性を示す図である。
【図12】RXZ−RYZ座標上でコントラストが10となる等視角曲線を示す図である。
【図13】RLC−Rt の関係を示す図である。
【図14】図3の変形例として一方の基板に形成されるアクティブマトリクスの一部を示す図である。
【図15】図14の第1のストライプ状の電極を示す平面図である。
【図16】図14の第2のストライプ状の電極を示す平面図である。
【図17】図1と類似した液晶表示装置を示す断面図である。
【図18】図2と類似した液晶表示装置を示す図である。
【図19】図17及び図18の液晶表示装置の誘電体層の表面の近傍の部分を示す図である。
【図20】図21及び図22の液晶表示装置の誘電体層の表面の近傍の部分を示す図である。
【図21】電圧無印加時の本発明の一実施例の液晶表示装置を示す図である。
【図22】電圧印加時の図21の液晶表示装置を示す図である。
【図23】図21の液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図24】ゲートバスラインと第1のストライプ状の電極との間に生じる電界により液晶の配向が乱されることを説明するための液晶表示装置を示す図である。
【図25】図21の液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図26】図21の液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図27】他の実施例の一方の基板に形成されるアクティブマトリクスの一部を示す平面図である。
【図28】図27のストライプ状の電極を有する基板を示す断面図である。
【図29】図28の基板の変形例を示す図である。
【図30】本発明の他の実施例の液晶表示装置を示す図である。
【図31】図31の液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図32】図31の液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図33】d/εと透過率との関係を示す図である。
【図34】カラーフィルタ層の厚さが2μmのときの、誘電体層の透明樹脂層の厚さと画面の焼きつきとの関係を示す図である。
【図35】本発明の他の実施例の液晶表示装置を示す図である。
【図36】図35の誘電体層として使用可能なディスコティック液晶を示す図である。
【符号の説明】
12…基板
14…基板
16…液晶層
18…透明電極
20…配向膜
22a、22b…ストライプ状の電極
24…配向膜
36…誘電体層
36x…透明樹脂層
36y…誘電体層
38…カラーフィルタ
50…絶縁体層
50h…開口部
Claims (6)
- 一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、
誘電体層の表面のある点における法線ベクトルが、誘電体層の表面が平面のときよりも誘電体層の表面のその点を突き抜ける電気力線に対して平行に近くなるように、該誘電体層の表面が曲面形状に形成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該一方の基板に該ストライプ状の電極を覆って設けられた絶縁体層とを備え、
該絶縁体層は該ストライプ状の電極上に開口部を有し、該開口部の側壁はテーパになっていることを特徴とする液晶表示装置。 - 一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、
該誘電体層のもつ比誘電率εと膜厚dとの間には、0.5<d/εの関係があることを特徴とする液晶表示装置。 - 一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、
該誘電体層は、カラーフィルタ層と透明樹脂層とからなり、前記透明電極からこの順番で重ねられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当たり複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極及び配向膜と、該他方の基板に該透明電極と配向膜との間に設けられた誘電体層とを備え、
該誘電体層が光学的に異方性を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 該誘電体層は、主誘電体層と、主誘電体層を配向させるための配向層とからなることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
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