JP4204751B2 - プリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物 - Google Patents

プリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の製造工程で使用される液状エッチングレジストあるいはソルダーレジスト用の光重合性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造においては、微細加工が要求されており、この要請を満たすため従来よりフォトレジストが利用されている。利用されるフォトレジストとしては、スクリーンインキ、ドライフィルムレジスト、電着レジスト、液状レジスト等がある。
近年、液状フォトレジスト(フォトレジスト用の液状レジストを液状フォトレジストという。)が注目されてきている。液状フォトレジストは、ドライフィルムレジストに比較してレジスト塗膜の膜厚を電着レジスト並みに薄くできるため、微細パターン形成性において電着レジスト並みかそれ以上の解像度が期待できる。さらに、電着レジストのような浴管理が不要であり、設備投資という面からも電着レジストよりも安価にできるため、これらの微細パターン形成法として有望である。
【0003】
液状フォトレジスト(以下、レジストと略すことがある。)に用いられる溶媒としては、従来から種々のものが知られており、レジスト樹脂組成物の溶解性、塗布性、感度、現像性、形成されるパターン特性などを考慮して適切な溶剤が選択、使用されている。上記溶解性、塗布性、レジスト形成特性など諸特性に優れた溶剤として、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが知られていたが、人体に対する安全性の問題が指摘されてからはレジストの溶媒として全く使用されなくなり、これに代り安全性の高い溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが主に使用されるようになってきた(特公平3−1659,4−56973,4−49938号公報等)。また、安全性の高い溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート以外にもエチルラクテート及びメチル−n−アミルケトン等が知られている。
しかし、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートに比べて安全性が高いとされているこれらの溶剤についてみると、レジスト形成特性及び溶解性などの特性が十分でないという問題がある。例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの場合、レジストを基板上に塗布、成膜したときの溶剤の残膜率(製膜後の膜中の溶剤残存率をいう。)が高く、線幅均一性、現像時のレジスト膜の密着性等の低下の問題があった。この原因として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート自身は蒸発速度の早い溶剤であるが、レジスト樹脂の溶剤として用いると、塗布表面のみ蒸発が進み、表面にいわゆる皮膜が形成され、それゆえ塗布面内部に包含された溶剤が蒸発しにくくなることが挙げられる。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートはエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートに比べ樹脂溶解性、開始剤溶解性等に劣ることが知られている。また、特開平6−324483号公報には、β型プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを使用し、樹脂溶解性、開始剤溶解性を改善する技術が開示されている。しかし、プロピレングリコール系は1,2−部位に置換基が存在することが原因で樹脂溶解性、開始剤溶解性の点で未だ不十分であった。このため、安全性が高くしかも樹脂溶解性、開始剤溶解性の優れたレジスト形成特性等性能の改善された溶媒が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、レジスト組成物調製時の溶解性並びに安定性を高めると共に、レジスト成膜時にレジスト膜中の残存溶剤量を減少させ、線幅均一性、現像時のレジスト膜の密着性等の特性を向上させたプリント配線板用液状フォトレジスト樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、プリント配線板用液状フォトレジスト樹脂組成物として、特定構造を有する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物と酸基含有不飽和樹脂との反応物を、特定の有機溶剤及び重合性ビニルモノマーで希釈してなる組成物が上記問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物(a)を必須単量体成分として重合して得られたカルボキシル基含有樹脂(p)と、脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(c)との付加反応により得られた変性共重合体(A1)に、有機溶剤(S)及び/又は重合性ビニルモノマー(B)を配合してなるプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物であって、前記有機溶剤(S)がジプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、且つ該ジプロピレングリコールモノメチルエーテル中の下式の異性体成分( iii )が全異性体(i)〜( iv )の合計に対して25重量%以下であることを特徴とするプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物を提供するものである。
本発明の第2は、脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(c)を必須単量体成分として重合して得られた脂環式エポキシ基含有樹脂(q)とカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物(a)との反応により得られた変性共重合体(A2)に、有機溶剤(S)及び/又は重合性ビニルモノマー(B)を配合してなるプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物であって、前記有機溶剤(S)がジプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、且つ該ジプロピレングリコールモノメチルエーテル中の下式の異性体成分( iii )が全異性体(i)〜( iv )の合計に対して25重量%以下であることを特徴とするプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【化2】
Figure 0004204751
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物(以下、フォトレジスト樹脂組成物という。)は、変性共重合体(A)に、有機溶剤及び/又は重合性ビニルモノマーを配合してなる。
上記変性共重合体(A)は、変性共重合体(A1)、変性共重合体(A2)、又はこれらの混合物である。
上記変性共重合体(A1)は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物(a)を必須単量体成分として、該(a)成分及び必要に応じて用いられる該(a)成分以外の他のエチレン性不飽和化合物(b)を重合して得られたカルボキシル基含有樹脂(p)と、脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(c)との付加反応により得られる。
上記変性共重合体(A2)は、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(c)を必須単量体成分として、該(c)成分及び必要に応じて用いられる上記(a)成分及び/又は(b)成分を重合して得られた脂環式エポキシ基含有樹脂(q)とカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物(a)との付加反応により得られる。
【0009】
はじめに、変性共重合体(A1)について説明する。
上記カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物(a)とは、分子中に不飽和基を含有し且つ少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物である。具体的には、(メタ)アクリル酸の他、下記一般式(1)で表せる化合物が例示できる。一般式(1)の化合物は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加して得られる化合物に、さらにX(COOH)2で表される脂肪族ポリカルボン酸又はその酸無水物を反応させることにより製造することができる。
CH2=CR1COOCH2CH2O[CO(CH2)5O]nCOXCOOH (1)
(式中、nは1〜10の整数であり、R1は水素原子またはメチル基を示し、Xはアルキレン基を示す。)
一般式(1)中、Xは、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。
上記で使用されるポリカルボン酸またはその酸無水物としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸等のポリカルボン酸、またはそのモノ又はジ無水物が挙げられるが、好ましくはジカルボン酸無水物である。
具体的には、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水コハク酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
【0010】
上記他のエチレン性不飽和化合物(b)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;下記一般式(2)で表される化合物のエステル類;スチレン、ヒドロキシスチレンなどのスチレン類;無水マレイン酸、マレイン酸イミド等が例示できる。
CH2=CR2COOCH2CH2O[CO(CH2)5O]nH (2)
(式中、nは1〜10の整数であり、R2は水素原子またはメチル基を示す。)
一般式(2)の化合物は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加させることにより製造することができる。
(b)成分は、使用用途に応じて変更することができるが、一般的にはメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルを使用する。
【0011】
(a)成分と(b)成分との構成モル比は、通常、3:7〜7:3であり、この範囲では、耐候性、密着性に優れるフォトレジスト樹脂組成物が得られる。
上記(a)成分同士のビニル重合反応、又は(a)と(b)成分とのビニル共重合反応は、常法に従って行われ、カルボキシル基含有樹脂(p)が得られる。
【0012】
上記で得られるカルボキシル基含有樹脂(p)は、その側鎖のカルボキシル基と脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(c)を付加反応させて、変性共重合体(A1)を生じる。
上記脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(c)としては、分子内に少なくとも1種類以上の脂環式骨格を有する下記不飽和基含有エポキシ化合物であり、例えば:
【0013】
【化3】
Figure 0004204751
【0014】
である。各式中、R6は水素原子またはメチル基を示し、R7は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R8は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示す。中でも好ましくは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートやそのカプロラクトン変性物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートやそのカプロラクトン変性物が挙げられる。これらは単独でも2種以上を併用して配合してもよい。
上記のような脂環式骨格を有する化合物を配合することにより、組成物の耐水性及び耐酸性が向上する。
【0015】
エポキシ基含有不飽和化合物(c)の使用量は、変性重合体(A1)1kgに含まれる二重結合量が、0.5〜4.0モル、特に1.0〜3.5モルになるように使用することが好ましい。0.5モルより少ない場合には、十分な硬化性が得られないことがあり、4.0モルより多い場合には貯蔵安定性に劣る場合がある。
【0016】
樹脂(p)への(c)成分の付加反応は、温度130℃以下、特に90〜130℃で行われることが好ましい。90℃より低いと実用上十分な反応速度が得られないことがあり、130℃より高いと熱によるラジカル重合によって二重結合部が架橋し、ゲル化物が生じることがある。
【0017】
付加反応には、好ましくは有機溶媒(S)を使用する。溶媒(S)には特に制限はなく、原料及び生成物を溶解するものであればよい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル類、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。有機溶媒(S)は、好ましくはグリコールエーテル類であり、特にジプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
上記溶媒(S)に関して本発明者は鋭意検討した結果、グリコールエーテル系溶媒であるジプロピレングリコールモノメチルエーテルを使用する際に、その異性体成分(iii)の含有量が全異性体(i)〜(iv)の合計に対して25重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下の場合には、フォトレジストとしての物性(残膜率、線幅均一性、現像時のレジスト膜の密着性等)に優れ、特に現像時の密着性に優れることを見出した。
【0018】
反応溶媒(S)中の変性重合体(A1)の濃度は、20〜80重量%であることが好ましい。樹脂濃度が20%重量%より小さいと十分な反応速度が得られないことがあり、80重量%以上であると反応溶液の粘度が高くなりすぎ攪拌が不十分になる恐れがある。
【0019】
十分な反応速度を得るために、本付加反応は触媒を用いて行うのが好ましい。触媒としては、トリフェニルフォスフィン、トリブチルフォスフィンなどのフォスフィン類、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミンなどのアミン類、ジメチルスルフィドなどのスルフィド類などを用いることができるが、反応速度面からフォスフィン類が好ましい。
これらの触媒の量は脂環式骨格を有するエポキシ基含有不飽和化合物(c)に対して、通常、0.01〜10重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%使用する。触媒量が0.01%重量%より少ない場合には十分な反応速度が得られないことがあり、10重量%より多く加えると生成した樹脂の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0020】
反応中のゲル物の生成を防止するために、本付加反応はハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジンなどの重合禁止剤存在下で行うことが好ましい。これらの重合禁止剤の量は反応液全体に対して1〜10000ppmであることが好ましい。重合禁止剤量が反応液全体に対して1ppm未満であると十分な重合禁止効果が得られないことがあり、10000ppmを越えると生成した樹脂の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある。同様の理由から、本付加反応は分子状酸素含有ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素濃度は反応系中に爆発性混合物を形成しないような濃度であればよいが、通常は1〜7%になるように調整する。
【0021】
つぎに、変性共重合体(A2)について説明する。
変性共重合体(A2)に用いられる脂環式エポキシ基含有樹脂(q)は、上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(c)を必須単量体成分として、(c)成分の単独重合、あるいは(c)成分と上記(a)成分もしくは(b)成分又はこれらの混合物との共重合によって得られる。
上記(c)成分、(a)成分、(b)成分は、前記樹脂(p)の項で述べたものと同じものが使用できる。
(c)成分と(a)成分を共重合させる場合には、変性共重合体(A2)に要求される後述する酸価と前記変性共重合体(A1)において述べた二重結合の量に合わせて選択される。
得られた樹脂(q)のエポキシ当量は250〜2,000、好ましくは280〜1,000の範囲である。
(c)成分の使用量は、変性共重合体(A2)1kgに含まれる二重結合量が、0.5〜4.0モル、特に1.0〜3.5モルになるように使用することが好ましい。0.5モルより少ない場合には、十分な硬化性が得られないことがあり、4.0モルより多い場合には貯蔵安定性に劣る場合がある。
変性共重合体(A2)の製造は、上記脂環式エポキシ基含有樹脂(q)と(a)成分を付加反応させて、該樹脂中に不飽和基を導入することにより行われる。
【0022】
樹脂(q)と(a)成分の付加反応の条件、触媒、溶剤、重合禁止剤等は、変性共重合体(A1)の製造の場合と同一である。
【0023】
本発明で使用するプリント配線板用液状フォトレジスト樹脂組成物には、用途及び要求される塗膜性能等に応じて適宜、1個以上の(メタ)アクリル基を有する重合性ビニルモノマー(反応性希釈剤)(B)を配合することができる。
重合性ビニルモノマー(B)としては、変性共重合体(A)を溶解し得るものであれば特に制限はない。例えば、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等のアルキルあるいはシクロアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等のグリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレートトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリまたはテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールまたはそのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等が例示できる。これらのうち、引火点が100℃以上であるものが製造工程における安全性確保の面から好ましい。
(B)成分は(A)成分100重量部に対して1〜150重量部の割合で配合される。
【0024】
本発明のフォトレジスト樹脂組成物には、紫外線等による硬化のために使用される重合開始剤(C)を添加してもよい。
使用する重合開始剤(C)としては、特に制限はなく、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ケタール類、ベンゾフェノン類、キサントン類、パーオキサイド類等の公知慣用のものを用いることができる。重合開始剤は、フォトレジスト樹脂組成物中に1〜10重量%の割合で配合することが好ましい。
【0025】
本発明のフォトレジスト樹脂組成物には、必要に応じてエポキシ樹脂等の反応性樹脂、硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー及び炭酸カルシウム等の充填剤、フタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、酸化チタン及びカーボンブラック等の着色用顔料、密着性付与剤及びレベリング剤等の各種添加剤並びにハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等の重合禁止剤等を配合することができる。
本発明のフォトレジスト樹脂組成物は、塗料、インキ、接着性等の構成成分としても有用である。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
【0027】
(実施例1)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積5リットルのセパラブルフラスコに、異性体(iii)含量12%のジプロピレングリコールモノメチルエーテル600g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート12gを仕込み、90℃に昇温後、メタクリル酸390g、メタクリル酸ベンジル230g、異性体(iii)含量12%のジプロピレングリコールモノメチルエーテル670g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10gの混合液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することにより、カルボキシル基を有する樹脂溶液を得た。反応は窒素気流下で行った。
続いて、得られた樹脂溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA200」)420g、トリフェニルフォスフィン8g及びハイドロキノンモノメチルエーテル2.4g、異性体(iii)含量12%のジプロピレングリコールモノメチルエーテル96gを加え、100℃で20時間反応させることにより、変性共重合体溶液を得た。反応は酸素7容量%、窒素93%容量の混気気流下で行った。
【0028】
(比較例1)
溶媒に異性体(iii)含量36%のジプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様にして変性共重合体溶液を製造した。
【0029】
(塗膜形成)
実施例1および比較例1で製造した変性共重合体溶液50重量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート50重量部、開始剤としてチバガイギー製「イルガキュア907」2重量部を配合して硬化性樹脂組成物(フォトレジスト樹脂組成物)を調製した。
硬化性樹脂組成物をボンデライト鋼板PB−144(日本テストパネル(株)製)に膜厚10ミクロンで塗布し、高圧水銀灯(露光量1000mJ/cm2)で露光後、150℃で20分間加熱処理した。
【0030】
上記で得られた塗膜を、下記(1)〜(2)の評価項目について評価した。結果を表1に示す。
(評価項目)
(1)密着性
沸騰水中に1時間浸漬した後、JIS K5400「碁盤目試験」に従い評価した。試験における発生した傷の状態と評価点数との関係は次のとおりである。
10点:切り傷一本ごとが細かくて両側が滑らかで、切り傷の交点と正方形の一目一目にはがれがない。
8点:切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
6点:切り傷の両側に、はがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。
4点:切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜35%。
2点:切り傷によるはがれの幅は4点よりも広く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。
0点:はがれの面積は、全正方形面積の65%以上。
(2)塗膜硬度
測定には微小硬度計フィッシャースコープH−100(フィッシャーインストルメンツ製)を用いた。測定条件は、ビッカース圧子(面角136°の四角錘状)を用い、押し込み力6秒間で50mNとなるように設定した。測定は繰り返し回数n=5で行い、明らかにエラーであるデータを除外し、平均値を算出した。
【0031】
【表1】
Figure 0004204751
【0032】
フォトレジスト樹脂の塗膜物性には溶剤の異性体比率も寄与しており、特にフォトレジスト製造時に溶剤として、異性体(iii)成分の少ないジプロピレングリコールモノメチルエーテルを使用すると、密着性並びに塗膜硬度に優れたものが得られることが分かった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、得られたフォトレジストの塗膜物性は密着性並びに塗膜硬度に優れており、プリント配線板製造用の液状エッチングおよびソルダーフォトレジスト樹脂組成物として特に有用である。

Claims (2)

  1. カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物(a)を必須単量体成分として重合して得られたカルボキシル基含有樹脂(p)と、脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(c)との付加反応により得られた変性共重合体(A1)に、有機溶剤(S)及び/又は重合性ビニルモノマー(B)を配合してなるプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物であって、前記有機溶剤(S)がジプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、且つ該ジプロピレングリコールモノメチルエーテル中の下式の異性体成分( iii )が全異性体(i)〜( iv )の合計に対して25重量%以下であることを特徴とするプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物
    Figure 0004204751
  2. 脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(c)を必須単量体成分として重合して得られた脂環式エポキシ基含有樹脂(q)とカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物(a)との反応により得られた変性共重合体(A2)に、有機溶剤(S)及び/又は重合性ビニルモノマー(B)を配合してなるプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物であって、前記有機溶剤(S)がジプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、且つ該ジプロピレングリコールモノメチルエーテル中の下式の異性体成分( iii )が全異性体(i)〜( iv )の合計に対して25重量%以下であることを特徴とするプリント配線板用フォトレジスト樹脂組成物
    Figure 0004204751
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