JP4207246B2 - 反射防止性基材およびそれを用いた物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステルフィルムなどの基材上に帯電防止層および低屈折率層を有する反射防止性基材およびそれを用いた物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年情報化社会の急速な発達によりパーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオ再生機、ビデオ録画機などの携帯可能な電気製品や、液晶、CRT、プラズマなどの方式の大型ディスプレイが普及し、これらを野外や照明の明るい空間で使用する場面が増加している。
【0003】
一方、ディスプレイの最前面に位置するガラスまたは樹脂などの材料を用いた光学物品は、光線の不要反射率を低減し、透過率を向上させるために、反射防止性であることが望ましい。
【0004】
また、光学物品の表面は絶縁物であるため容易に帯電し、空気中のごみや埃が付着し、そのまま放置すると堆積し、光が散乱されて白っぽくなり表示体の画像のコントラストや色彩などを損なう問題がある。よって、光学物品の表面には帯電防止加工が施されていることが望ましい。
【0005】
上記の問題を解決するために、従来は透明基材表面に導電性を有する金属酸化物の薄膜をコーティングする技術が用いられている。さらにこの金属酸化物の薄膜表面に金属酸化物より屈折率の低い薄膜をコーティングして反射防止膜を形成する技術も用いられていることは公知である。
【0006】
金属酸化物より屈折率の低い薄膜の材料として用いられるのはフッ化マグネシウム(屈折率1.38)、シリカ(屈折率1.44)などであるが、上記の金属酸化物の薄膜上に塗布しても金属酸化物膜と低屈折率膜の屈折率差が充分でないため、期待される反射防止性能が得られない。所定の反射防止性能を得るためには5層程度の多層膜構成にしなければならず、膜厚制御が複雑になり、工程数も増加するので低歩留まりになったり、コスト高になるため安価な大量生産には不向きである。
【0007】
一方、大型ディスプレイなどの場合には帯電防止層は膜厚ムラが避けられないが、このために反射色の色ムラが発生するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述の問題点を解決するためになされたものであり、透明基材、および透明基材表面側から順に帯電防止層および非結晶性の含フッ素重合体からなる低屈折率層を有する反射防止性基材であって、帯電防止層の屈折率が透明基材の屈折率以下でありかつ低屈折率層の屈折率が透明基材の屈折率より低く、帯電防止層が、導電性を有する金属酸化物(ただし、五酸化アンチモン酸亜鉛を除く)を有する樹脂の層であることを特徴とする反射防止性基材である。
【0009】
本発明における透明基材はその屈折率が帯電防止層の屈折率より高いものであれば特に限定されず、広範囲のものから採用される。例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などからなる板状物、シート状物、フィルム状物などが挙げられる。
【0010】
特にポリエステル樹脂フィルムは屈折率1.6程度で耐薬性、低吸水性に優れ、また低価格である好ましい基材である。ポリエステル樹脂フィルムとしてはコスモシャイン(東洋紡社製商品名)シリーズ、ダイヤホイル(三菱樹脂社製商品名)シリーズ、ルミラー(東レ社製商品名)シリーズなどとして市販されているものが使用できる。
【0011】
また透明基材にアンチグレア加工、プリズム加工が施されたもの、偏光機能、光拡散機能、位相差機能などの各種機能を付加されたものなども使用できる。
【0012】
本発明における帯電防止層の屈折率は透明基材の屈折率以下である。透明基材の屈折率をn1 、帯電防止層の屈折率をn2 と表せば、n1 とn2 の関係は以下の式(1)〜(3)を同時に満足することが、透明基材と帯電防止層との界面で光の干渉が起こりにくく反射色の色ムラ発生をより抑制できるため好ましい。
(1)1.55≦n1 ≦1.70
(2)1.50≦n2 ≦1.65
(3)n1 −n2 ≦0.05
【0013】
1 とn2 の関係は以下の式(4)〜(6)を同時に満足することがより好ましい。
(4)1.60≦n1 ≦1.65
(5)1.57≦n2 ≦1.62
(6)n1 −n2 ≦0.03
【0014】
帯電防止層の膜厚は、充分な帯電防止性能が得られかつ着色による透過率の低下がないことから、30〜500nmが好ましく、50〜300nmがより好ましい。
【0015】
帯電防止層は、その屈折率が透明基材の屈折率以下となる材料から形成される。帯電防止層は、導電性を有する金属酸化物(ただし、五酸化アンチモン酸亜鉛を除く)を有する樹脂の層である
【0016】
金属酸化物はその比抵抗が1×10-7〜1×103 Ω・mであることが好ましい。金属酸化物としては、Sb25 、SnO2 、In23 、TiO2 、RuO2 、Ta25 、Yb23 、Ag2 O、CuO、FeOなどが挙げられ、透明性と造膜性が良いことから、Sb25 、SnO2 、In23 などが好ましい。また、上記金属酸化物の金属とSb、Alなどの金属との合金の酸化物からなる帯電防止層でもよく、導電性がより高まるため好ましい。
【0017】
帯電防止層に使用される樹脂は、造膜性があり、透明基材と低屈折率層の密着性向上に役立つ樹脂から選択することが好ましい。また、樹脂に対する金属酸化物の配合量は、金属酸化物の導電性を損なわず、帯電防止層の屈折率が透明基材の屈折率以下となるように調整される。
【0018】
帯電防止層に使用される樹脂としては、前述の透明基材に使用される樹脂と同様な樹脂、またはフェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ(o−クロロスチレン)樹脂、ポリ(2,6−ジクロロスチレン)樹脂、ポリ(ブロモスチレン)樹脂、ポリ(2,6−ジブロモスチレン)樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアリールスルホン樹脂、ポリ(ペンタブロモフェニルメタクリレート)樹脂、フェノキシ樹脂およびその臭素化物、エポキシ樹脂およびその臭素化物などが挙げられる。
【0019】
特にフェノキシ樹脂やエポキシ樹脂は、エポキシ基からなる密着性基を有し、基材と低屈折率層を密着させやすいため好ましい。
【0020】
また、透明基材と低屈折率層の密着力を強化するためシランカップリング剤や、シリコーンプライマーなどを帯電防止層の導電性が損なわれない程度に使用してもよい。
【0021】
帯電防止層を形成する方法としては、成膜コストが安く、塗工性に優れ、安定的に生産できることから、帯電防止層に使用される樹脂の有機溶剤溶液に金属酸化物が分散された分散液を用い、ダイコートでコーティングすることによる方法が好ましい。ダイコートでコーティングする場合、有機溶剤は沸点が70℃以上、表面張力が50dyn/cm以下であることが好ましい。
【0022】
具体的には、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、イソブチルアルコール、酢酸イソブチル、スチレン、ドデカン、ノナン、ジクロロペンタフルオロプロパンなどが挙げられる。これらの有機溶剤は1種でも2種以上の混合物としても使用できる。また、表面張力が高くコーティングしにくい有機溶剤の場合は、界面活性剤を配合し表面張力を下げてコーティングすることもできる。
【0023】
金属酸化物の形状は特に制限はない。球状、板状、多角形状、針状、楕円状などいずれでもよく、また2種以上の形状を併用してもよい。
【0024】
分散液にする際の金属酸化物の1次粒子の平均粒径は10〜100nmが好ましく、20〜70nmがより好ましい。平均粒径が小さすぎると分散液状態で凝集、沈殿が起こりやすく不安定であり、また、帯電防止層を形成した際金属酸化物粒子間の非接触点数が増え導電性が損なわれることがあり好ましくない。平均粒径が大きすぎるとレイリー散乱がおこりヘイズが増加し透過光量が低下したり、膜厚制御が容易でなくなるため好ましくない。
【0025】
また、金属酸化物粒子のみで分散させる湿式成膜法の場合、正極、負極に帯電した粒子同士が凝集したり、沈殿したりすることがある。その場合は金属酸化物の表面をシランカップリング剤で処理することにより、分散性、均一性を長期に渡り維持することができる。さらにエポキシ基、アミノ基のような官能基を有するシランカップリングを用いると透明基材や低屈折率層との密着力を強化することもできる。
【0026】
低屈折率層を形成する非結晶性の含フッ素重合体としては、結晶による光の散乱が実質的にないために、透明性に優れる含フッ素重合体であれば何ら限定されない。例えば、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオリド/ヘキサフルオロプロピレン=37〜48重量%/15〜35重量%/26〜44重量%の3元共重合体などの非結晶性のフルオロオレフィン系共重合体、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体などがある。特に、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が耐クリープ性などの機械的特性に優れるため好ましく採用される。
【0027】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0028】
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するとは、肪肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ肪肪族環を構成する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合している構造を有していることを意味する。
【0029】
含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964などにより知られている。すなわち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素環構造を有するモノマーの単独重合体、このモノマーとテトラフルオロエチレンなどのラジカル重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0030】
また、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111や特開昭63−238115などにより知られている。すなわち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーの環化重合体、または少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとテトラフルオロエチレンなどのラジカル重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。
【0031】
また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素環構造を有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを共重合して得られる重合体でもよい。
【0032】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単位を20モル%以上含有するものが透明性、機械的特性などの面から好ましい。
【0033】
本発明において、低屈折率層を形成する方法は特に制約はなく、任意の加工法を選択できる。例えば、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、パーフルオロオクタン、CF3 (CF2n CH=CH2 (nは5〜11の整数)、CF3 (CF2m CH2 CH3 (mは5〜11の整数)、ヒドロキシフルオロエーテルなどのフッ素系溶剤に可溶であり、この重合体の溶液を塗布し溶剤を乾燥させることによって容易に所定の膜厚を塗工できる。低屈折率層の膜厚は、50〜200nmが好ましく、80〜150nmがより好ましい。
【0034】
透明基材表面と帯電防止層の密着性または帯電防止層と低屈折率層の密着性を強化するために、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するシリコーンプライマー(例えば、信越化学工業社製PC−7A)などで透明基材表面または帯電防止層表面を光学的影響が少ない薄膜10nm以下で処理してもよい。
【0035】
また、前記密着性強化のための処理前にまたは帯電防止層形成前に、透明基材表面にコロナ放電処理、紫外線処理などの活性エネルギー線処理を施してもよい。帯電防止層表面に低屈折率層を形成する際も密着性を強化するため、帯電防止層表面にコロナ放電処理、紫外線処理などの活性エネルギー線処理を施してもよい。
【0036】
低屈折率層のコーティング後においては、塗布用溶剤を完全に蒸発させかつ、形成された塗膜層の密着性を上げるため透明基材フィルムと塗膜層が耐え得る温度で焼成するか、遠赤外線照射、電子ビームなどの熱エネルギーを与えるとよい。
【0037】
また、低屈折率層表面の耐摩耗性を付与させるため潤滑剤を反射防止性能を損なわない程度に低屈折率層表面に塗布したり、低屈折率層形成材料中に潤滑剤を配合してもよい。このような潤滑剤として、デュポン社製の商品名クライトックス、ダイキン社製の商品名デムナム、ダイキン社製の商品名ダイフロイル、アウジモント社製の商品名フォンブリン、旭硝子社製の商品名フロンルーブなどのパーフルオロポリエーテル類が挙げられる。
【0038】
本発明の反射防止性基材を製造するためのコーティング方法はディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、コンマコート法などの方法が好ましい。これらのコート法は連続加工が可能であり、バッチ式の蒸着法に比べて生産性が優れる。また、生産性は若干劣るが、スピンコート法なども採用できる。
【0039】
特に特開平07−151904で知られているダイコートを用いると連続生産性に優れ、大型サイズも成膜可能であり、膜厚偏差が小さく、小型機種から大型機種まで容易に対応できる。
【0040】
本発明における反射防止性基材を用いた物品としては、帯電防止性および低反射防止性を必要とする透明基材を有する物品であれば特に限定されない。例えば、パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオ再生機、ビデオ録画機、ディスプレイなどの電気製品が挙げられる。ディスプレイとしては、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイなどの方式からなるディスプレイが挙げられる。
【0041】
本発明の反射防止性基材は偏光フィルム、あるいは文字または画像情報表示ようディスプレイに貼付したり、あるいは他のフィルムやシートに貼付することができる。この反射防止性基材を貼付することでディスプレイ本体の強度向上、あるいは飛散防止にも寄与できる。
【0042】
反射防止性基材の貼付方法としては特に制限はなく、接着、粘着、熱融着などの方法を選ぶことができる。本発明の反射防止性基材を他のフィルムやシートに貼付たものは、プロジェクション画面の前面パネル、CRTフィルタ、液晶ディスプレイ保護パネルなどのようにディスプレイの前面に配置する場合に前述のような視認性の向上に寄与でき、また、タッチパネルとしても有用である。
【0043】
【実施例】
例1(合成例)
パーフルオロ(ブテニビニルエーテル)35g、イオン交換水150gおよび重合開始剤として((CH32 CHOCOO)2 90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。これを3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行った。その結果、重合体(以下、重合体Aという)を28g得た。
【0044】
重合体Aの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.5dl/gであった。重合体Aのガラス転移点は108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合体であった。また、10%熱分解温度は460℃であり、屈折率は1.34と低く、光線透過率は95%以上と高かった。重合体Aの2.0重量%パーフルオロ(2−ブチルテチラヒドロフラン)溶液(以下、溶液Aという)を調製した。
【0045】
例2(合成例)
Sn−Sb合金の酸化物のシクロヘキサノン分散液(触媒化成工業社製ELCOM−P3580、固形分濃度5重量%)70部にシクロヘキサノンで希釈した臭素化エポキシ樹脂(東都化成社製フェノトート、固形分濃度5重量%)を30部添加してコーティング溶液(以下、溶液Bという)を得た。溶液Bをガラス面にスピンコートし120℃で10分加熱することにより帯電防止層を形成した。帯電防止層の屈折率は1.63であった。
【0046】
例3(実施例)
ダイコート法で「屈折率1.63のポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡社製A4100、フィルム厚100μm]」(以下、PETフィルムCと略す)に溶液Bを膜厚100nmになるようにコーティングし、続いて溶液Aを膜厚104nmになるようにコーティングし、120℃のオーブンを通過させ、「帯電防止層と低屈折率層を有するPETフィルム」(以下、PETフィルムDと略す)を得た。
【0047】
PETフィルムDの可視光線(波長400〜700nm)の片面平均反射率(以下、400〜700nmの平均反射率と略す)は0.3%であった。PETフィルムDの裏面を液晶ディスプレイ(LCD)に貼付したところ、外光の映り込みが低減し、視認性が向上した。
【0048】
例4(比較例)
PETフィルムCの片面平均反射率は6.0%であった。また、PETフィルムCの裏面をLCD表面に貼付したところ外光の映り込みは激しく、視認性は損なわれていることを確認した。
【0049】
例5(比較例)
ダイコート法でPETフィルムCに溶液Aを膜厚104nmになるようにコーティングし、120℃のオーブンを通過させ、「低屈折率層のみを有するPETフィルム」(以下、PETフィルムEと略す)を得た。PETフィルムEの可視光線(波長400〜700nm)の片面平均反射率は0.3%であった。PETフィルムEの裏面をLCDに貼付したところ、外光の映り込みが低減し、視認性が向上した。
【0050】
例6(比較例)
例3におけるPETフィルムCの代わりに「屈折率1.49のポリメチルメタクリレートフィルム[フィルム厚100μm](以下、アクリルフィルムFと略す)を使用する以外、例3と同様にして「帯電防止層と低屈折率層を有するアクリルフィルム」(以下、アクリルフィルムGと略す)を得た。
【0051】
アクリルフィルムGの可視光線(波長400〜700nm)の片面平均反射率(以下、400〜700nmの平均反射率と略す)は0.3%であった。アクリルフィルムGの裏面をLCDに貼付したところ、外光の映り込みが低減し、視認性が向上したが、反射色の色ムラが観察された。
【0052】
例3〜6におけるPETフィルムC〜EおよびアクリルフィルムGについて表面抵抗率測定、灰の付着度合試験、擦傷性試験および碁盤目テープ剥離試験を行った。結果を表1に示す。
【0053】
なお、表面抵抗率はアドバンテスト社ウルトラハイレジスタンスメーターを用いて計測した。灰の付着度合試験は、室内で上記例3〜5の3種のフィルム表面を乾いた布で20回摩耗した直後、乾燥した煙草の灰に近づけ、灰の付き具合を観察した。擦傷性試験は小津商事社製ダスパーKを用い、500gの荷重をかけて40回往復摩耗し試験後の膜外観を観測した。碁盤目テープ試験はJIS K5400碁盤目テープ法に基づいて試験した。
【0054】
【表1】
Figure 0004207246
【0055】
【発明の効果】
本発明における帯電防止層の屈折率は透明基材の屈折率以下であるため光学的には帯電防止層の膜厚に依存せずに、低屈折率層による高い反射防止効果が得られる。また、帯電防止層の膜厚偏差は光学ムラになりにくく、大型サイズの反射防止性基材も容易に製造できる。
【0056】
本発明の反射防止性基材は優れた反射防止性と帯電防止性を有し、しかも帯電防止層が基材と低屈折率層の密着を強化し、傷発生、剥離発生を防ぐことができる。したがって、例えば、この反射防止性基材を表面の保護板に用いた画像表示製品は、外光の写り込みが外観を阻害したり、静電気により帯電して表面に埃が付着し表示体の画像が不鮮明となったりすることがない。

Claims (5)

  1. 透明基材、および透明基材表面側から順に帯電防止層および非結晶性の含フッ素重合体からなる低屈折率層を有する反射防止性基材であって、帯電防止層の屈折率が透明基材の屈折率以下でありかつ低屈折率層の屈折率が透明基材の屈折率より低く、帯電防止層が、導電性を有する金属酸化物(ただし、五酸化アンチモン酸亜鉛を除く)を有する樹脂の層であることを特徴とする反射防止性基材。
  2. 透明基材の屈折率n1 および帯電防止層の屈折率n2 が以下の式(1)〜(3)を同時に満足する請求項1記載の反射防止基材。
    (1)1.55≦n1 ≦1.70
    (2)1.50≦n2 ≦1.65
    (3)n1 −n2 ≦0.05
  3. 低屈折率層の屈折率が1.36以下である請求項1または2記載の反射防止性基材。
  4. 非結晶性の含フッ素重合体が含フッ素脂肪族環構造を有する重合体である請求項1、2または3記載の反射防止性基材。
  5. 請求項1、2、3または4記載の反射防止性基材を用いた物品。
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