JP4214005B2 - 光硬化性樹脂組成物及びプラズマディスプレイパネル用前面基板 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物及びプラズマディスプレイパネル用前面基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光硬化性樹脂組成物及びプラズマディスプレイパネル用前面基板に関し、特に、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)の前面基板において、精細な電極回路やブラックパターンを形成するのに有用なアルカリ現像型でかつ光硬化型の組成物、及びそれを用いて白黒二層構造を有するバス電極の黒層(下層)及びブラックマトリックスを形成したPDP用前面基板についての提案である。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、プラズマ放電による発光を利用して映像や情報の表示を行なう平面ディスプレイであり、パネル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分類される。このPDPによるカラー表示の原理は、リブ(隔壁)によって離間された前面ガラス基板と背面ガラス基板に形成された対向する両電極間のセル空間(放電空間)内でプラズマ放電を生じさせ、各セル空間内に封入されているHe、Xe等のガスの放電により発生する紫外線で背面ガラス基板内面に形成された蛍光体を励起し、3原色の可視光を発生させるものである。
【0003】
以下、添付図面を参照しながら簡単に説明する。
【0004】
図3は、フルカラー表示の3電極構造の面放電方式PDPの構造例を部分的に示している。前面基板200において、前面ガラス基板1の下面には、放電のための透明電極3a及び3bと該透明電極のライン抵抗を下げるためのバス電極104a及び104bとから成る一対の表示電極2a、2bが所定のピッチで多数列設されている。これらの表示電極2a、2bの下側には、電荷を蓄積するための透明誘電体層(低融点ガラス)5が印刷、焼成によって形成され、その下に保護層(MgO)6が蒸着されている。保護層6は、表示電極の保護、放電状態の維持等の役割を有している。さらに、放電空間を形成する一対の表示電極2a、2bの両側部には、画像のコントラストをさらに高めるために、ストライプ状のブラックマトリックス110が形成されている。
【0005】
一方、背面ガラス基板11の上側には、放電空間を区画するストライプ状のリブ(隔壁)12と各放電空間内に配されたアドレス電極(データ電極)13が所定のピッチで多数列設されている。また、各放電空間の内面には、赤(14a)、青(14b)、緑(14c)の3色の蛍光体膜が規則的に配され、フルカラー表示においては、前記のように赤、青、緑の3原色の蛍光体膜14a、14b、14cで1つの画素が構成される。
【0006】
なお、上記構造のPDPでは、一対の表示電極2aと2bの間に交流のパルス電圧を印加し、同一基板上の電極間で放電させるので、「面放電方式」と呼ばれている。
【0007】
また、上記構造のPDPでは、放電により発生した紫外線が背面基板11の蛍光体膜14a、14b、14cを励起し、発生した可視光を前面基板1の透明電極3a、3bを透して見る構造となっている。
【0008】
このような構造のPDPにおいて、前記バス電極104a、104bの形成は、画面側から見た黒さと導電性を確保するために、従来、銀等を含む高い導電性のペーストからなる白層(上層)(図示せず)と、耐熱性黒顔料と銀等を含む黒色で低い導電性のペーストからなる黒層(下層)(図示せず)をスクリーン印刷した後、パターンマスクを通して露光した後、現像し、次いで焼成する方法が行なわれている。このような方法において黒層用材料に用いられる感光性黒色導電ペーストとしては、耐熱性黒顔料と銀紛を用いて導電性と黒さを両立させた黒色導電ペースト組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
しかしながら、この黒色導電組成物は、耐熱性黒色顔料に銀が混合されているために充分な黒色が得られないという問題点を有していた。また、該組成物は、銀が混合され導電性を有するがゆえに、ブラックマトリックスの材料として用いると意図しない誤放電が隣接する表示電極間において生じやすく、これを防ぐためにはある程度適切なセル間隔が必要であり、電極回路の高精細化の観点から問題を有していた。
【0010】
ところで、PDPの製造においては、材料利用率の向上並びに製造工程の簡素化による低コスト化を図るべく、バス電極を構成する黒層とブラックマトリックスとを同じ材料を用いて形成する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、上記黒色導電組成物は導電性を有するため、ブラックマトリックス110を形成する材料として用いることはできず、上記黒色導電性組成物を用いた場合においては該技術の適用による製造工程の簡素化を図ることはできない。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−6453号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2002−83547号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、光硬化性組成物が白黒2層バス電極の黒層およびブラックマトリックスとして用いることが可能で乾燥、露光、現像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分な黒さを有する焼成皮膜を形成できる光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、このような光硬化性樹脂組成物から高精細の電極回路、特に前面基板に形成される白黒2層構造のバス電極において充分な層間導電性(透明電極とバス電極白層との層間導通)と黒さを同時に満足し得る黒層(下層)電極回路、及び充分な黒さを有するブラックマトリックスが形成された高精細なPDP用前面基板を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の光硬化性樹脂組成物の基本的な第一の態様は、(A)耐熱性黒顔料、(B)有機バインダー、(C)光重合性モノマー、(D)光重合開始剤、及び(E)有機金属化合物を含有し、有機金属化合物(E)の配合量が該組成物100質量部当たり金属換算で0.05〜15質量部であり、且つ導電性微粒子を含有しないことを特徴としている。
【0016】
本発明において、前記耐熱性黒顔料(A)は、比表面積が1.0〜20m/gであり、かつ平均粒子径が5μm以下であることが好ましく、また好適な具体例として四三酸コバルト(Co)が挙げられる。
【0017】
また、本発明において、前記有機金属化合物(E)としては、有機酸金属塩、金属アルコキシド、アルキル金属化合物、アリール金属化合物、グリニアル化合物、金属石鹸、キレート化合物、金属カルボニル化合物、メタロセン化合物、有機金属錯体化合物、メタロセン化合物が挙げられ、錫を含む化合物であることが好ましく、また、その熱分解温度は600℃以下であることが好ましい。
【0018】
このような本発明の光硬化性樹脂組成物は、ペースト状形態であってもよく、また予めフィルム状に製膜したドライフィルムの形態であってもよい。
【0019】
さらに本発明によれば、このような光硬化性樹脂組成物の焼成物から前面基板の黒色電極回路及びブラックマトリックスが形成されてなるPDP用前面基板が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明者は、前記目的の実現に向け鋭意研究した結果、絶縁性の耐熱性黒顔料を含む光硬化性樹脂組成物に有機金属化合物を添加すると、以下のような効果が生ずることを見出した。すなわち、有機金属化合物を含有する光硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の光硬化性樹脂組成物」、又は単に「本発明の組成物」ともいう。)を用いた場合、形成される黒色皮膜に分散した有機金属化合物が、焼成工程において分解して金属を析出させるため、黒色皮膜の抵抗値を下げることができる。このため、白黒2層構造のバス電極の黒層として用いた場合、銀粉等の導電性粒子を配合することなく導電性のバス電極白層と透明電極の層間導通をとることが可能となるとともに、充分な黒さを呈することができる。更に本発明の光硬化性樹脂組成物は導電性微粒子を含有しないためブラックマトリックス用材料として用いた場合に誤放電を防ぐことができる。このように、本発明の光硬化性樹脂組成物は、白黒2層バス電極の黒層およびブラックマトリックスとして用いることが可能で、乾燥、露光、現像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分な黒さを有する焼成皮膜(バス電極の黒層、ブラックマトリックス)を形成し得ることを見出した。
【0021】
このように光硬化性樹脂組成物に、有機金属化合物を添加すると、焼成皮膜が導電性微粒子を含有していなくても、PDP前面基板に形成される白黒2層構造のバス電極において充分な層間導電性(透明電極とバス電極白層との層間導通)を達成できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0022】
従って、本発明の光硬化性樹脂組成物をPDP前面基板に形成される白黒2層構造のバス電極の黒層及びブラックマトリックスの材料として用いれば、バス電極は、黒層がITOやネサなどの透明電極と白層の間に挟持されたサンドイッチ構造を有するため、透明電極と白層との層間導通、並びに画面側から見たときの黒さを共に充分満足させることができるようになる。また、ブラックマトリックスは、画面側から見たときの黒さを充分満足させることができるようになる。更に、バス電極の黒層とブラックマトリックスとが同じ材料を用いて形成されることにより、PDP用前面基板の製造工程の簡素化を図ることが可能となる。
【0023】
図1は、本発明のPDP用前面基板100を含む面放電方式のAC型PDPの構造例を部分的に示したものであり、従来技術の説明において使用した図3と同一機能部分には同一の符号を付した。図1において、上層として導電性の白層(図示せず)22a、22b、下層として黒層(図示せず)21a、21bを有するバス電極4a、4bにおける下層21a、21bと、ブラックマトリックス10とが、本発明の光硬化性樹脂組成物である同一の組成物を用いて形成されている。
【0024】
このような本発明の光硬化性樹脂組成物において、耐熱性黒顔料(A)としては、公知慣用の黒色材料を用いることができ、例えば、Cu、Fe、Mn、Co、Cr等の単独酸化物又は複合酸化物が挙げられ、なかでも四三酸化コバルト(Co)は、焼成時の変色が少なく、焼成後の黒めに優れる点で好ましい。また、これらの耐熱性黒顔料(A)は、2種類以上を併せて用いることができる。
【0025】
耐熱性黒顔料(A)は、電子顕微鏡による任意の10点を測定した平均粒子径が5μm以下、好ましくは0.05μm以上5μm以下の微粒子を用いることが望ましい。この理由は、平均粒子径が5μm以下であると、少量の添加でも、密着性等を損なうことなく緻密な黒色焼成皮膜を形成し得る樹脂組成物を提供することができる。一方、耐熱性黒顔料(A)の平均粒子径が5μmよりも大きくなると、焼成皮膜の緻密性が悪くなり、形成される焼成皮膜の黒色度が低下し易いからである。
【0026】
また、この耐熱性黒顔料(A)は、比表面積が1.0〜25m/gの範囲にある微粒子を用いることが好ましい。この理由は、その比表面積が1.0m/g未満では、露光による回路パターン形成の精度が低下し、すなわちラインエッジの直線性が出難くなり、しかも充分な黒さの焼成皮膜が得られ難くなるためである。一方、25m/gを超える場合、吸油量が大きくなってペーストの流動性が損なわれるため好ましくない。
【0027】
この耐熱性黒顔料(A)の配合量は、有機バインダー(B)100質量部当り0.1〜200質量部、好ましくは20〜100質量部の範囲が適当である。この理由は、黒色微粒子の配合量が0.1質量部よりも少ないと、焼成後に充分な黒さが得られず、一方、200質量部を超える配合量では、光の透過性が劣化する他に、コスト高となり好ましくないからである。
【0028】
前記有機金属化合物(E)としては、有機酸金属塩、金属アルコキシド、アルキル金属化合物、アリール金属化合物、グリニアル化合物、金属石鹸、キレート化合物、金属カルボニル化合物、メタロセン化合物、有機金属錯体化合物、メタロセン化合物などが挙げられ、600℃以下の温度で分解し金属を析出するものが好ましい。熱分解温度が600℃を超える有機金属化合物では、PDPの焼成工程で金属を析出することができず、導電性が得られないので好ましくない。
【0029】
この有機金属化合物(E)の配合量は、組成物100質量部当り金属換算で0.05〜15質量部、好ましくは0.1〜5質量部の範囲が適当である。この理由は、有機金属化合物が0.05質量部未満では十分な導電性が得られず、一方、15質量部を超えると導電性が高くなりすぎ、誤放電を起こすおそれがあるので好ましくない。
【0030】
この有機金属化合物に含まれる金属の種類としては特に限定はされないが、錫が好ましい。これは、焼成過程で錫が析出して酸化すると酸化錫SnOとなり、この酸化錫SnOは透明であり、黒層の黒色度に影響を与えず、しかも導電性を得ることができるためである。
【0031】
なお、本発明では、耐熱性黒顔料(A)をあらかじめ有機金属化合物(E)で処理し、それを配合することもできる。具体的には、有機金属化合物を溶剤に溶かし耐熱性黒顔料(A)を混合攪拌後、乾燥し耐熱性黒顔料表面に有機金属化合物を付着させたもの、あるいは前記有機金属化合物を付着させた処理物をさらに焼成し耐熱性黒顔料表面に導電性層を形成したもの、などがある。
【0032】
前記有機バインダー(B)としては、カルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。好適に使用できる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)としては、以下のようなものが挙げられる。
【0033】
(1)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂
(2)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(3)(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(a)不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(4)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(5)(g)エポキシ化合物と(h)不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(6)(b)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、(i)1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(7)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(8)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0034】
また、上記カルボキシル基含有感光性樹脂及びカルボキシル基含有樹脂としては、それぞれ重量平均分子量1,000〜100,000、好ましくは5,000〜70,000、及び酸価50〜250mgKOH/g、かつ、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、その二重結合当量が350〜2,000、好ましくは400〜1,500のものを好適に用いることができる。上記樹脂の分子量が1,000より低い場合、現像時の皮膜の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よりも高い場合、現像不良を生じ易いので好ましくない。また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時に皮膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じるので好ましくない。さらに、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、感光性樹脂の二重結合当量が350よりも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭く、また光硬化時に高露光量を必要とするので好ましくない。
【0035】
本発明において、光重合性モノマー(C)は組成物の光硬化性の促進及び現像性を向上させるために用いる。このような光重合性モノマー(C)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、またこれらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
【0036】
このような光重合性モノマー(C)の配合量は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(B)100質量部当り20〜100質量部が適当である。光重合性モノマー(C)の配合量が上記範囲よりも少ない場合、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなり、一方、上記範囲を超えて多量になると、皮膜の深部に比べて表面部の光硬化が早くなるため硬化むらを生じ易くなる。
【0037】
前記光重合開始剤(D)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類などが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合開始剤(D)の配合割合は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(B)100質量部当り1〜30質量部が適当であり、好ましくは、5〜20質量部である。
【0038】
また、上記のような光重合開始剤(D)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
【0039】
さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を開始するチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー784等のチタノセン系光重合開始剤、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
【0040】
さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、熱重合触媒を前記光重合開始剤(D)と併用して用いることができる。この熱重合触媒は、数分から1時間程度にわたって高温におけるエージングにより未硬化の光重合性モノマーを反応させうるものであり、具体的には、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物等があり、好ましくは、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2,4−ジバレロニトリル、1´−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2´−アゾビスイソブチレイト、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド、2−メチル−2,2´−アゾビスプロパンニトリル、2,4−ジメチル−2,2,2´,2´―アゾビスペンタンニトリル、1,1´−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2,2´,2´−アゾビス(2−メチルブタナミドオキシム)ジヒドロクロライド等が挙げられ、より好ましいものとしては環境にやさしいノンシアン、ノンハロゲンタイプの1,1´−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)が挙げられる。
【0041】
本発明の組成物は、必要に応じて軟化点400〜600℃のガラス粉末、シリカ粉末等の無機微粒子を、本発明の光硬化性樹脂組成物の特性を損なわない量的割合で配合することができる。
【0042】
ガラス粉末は、焼成後の導体回路の密着性向上のため、耐熱性黒顔料(A)100質量部当り300質量部以下、好ましくは200質量部以下の割合で添加できる。このガラス粉末としては、ガラス転移点(Tg)300〜500℃、ガラス軟化点(Ts)400〜600℃のものが好ましい。また、解像度の点からは、好ましくは平均粒子径20μm以下、より好ましくは5μm以下のガラス粉末を用いることができる。
【0043】
上記のようなガラス粉末を光硬化性樹脂組成物に添加することにより、露光・現像後の皮膜は600℃以下で容易に焼成可能となる。但し、本発明の組成物では燃焼性の良好な有機バインダーが用いられ、ガラス粉末が溶融する前に脱バインダーが完了するように組成されているものの、ガラス粉末の軟化点が400℃より低いと、これよりも低い温度で溶融が生じて有機バインダーを包み込み易くなり、残存する有機バインダーが分解することによって組成物中にブリスターが生じ易くなるので好ましくない。
【0044】
ガラス粉末としては、酸化鉛、酸化ビスマス、又は酸化亜鉛などを主成分とする非結晶性フリットが好適に使用できる。
【0045】
シリカ粉末としては、特に合成アモルファスシリカ微粉末が望ましく、その具体例としては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL(登録商標)50、130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、日本シリカ工業(株)製のNipsil(登録商標)AQ、AQ−S、VN3、LP、L300、N−300A、ER−R、ER、RS−150、ES、NS、NS−T、NS−P、NS−KR、NS−K、NA、KQ、KM、DS等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、一次粒子径が5〜50nm、比表面積が50〜500m/gのものが好ましい。
【0046】
このような合成アモルファスシリカ微粉末は、前記したような光硬化性樹脂組成物に添加すると、焼成工程において骨材して働き焼成時の変形を抑えることができる。
【0047】
本発明の光硬化性樹脂組成物にこのような多量の無機フィラーやガラス粉末を配合した場合、得られる組成物の保存安定性が悪く、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪くなる傾向がある。従って、本発明の組成物では、組成物の保存安定性向上のため、無機フィラーやガラス粉末の成分である金属あるいは酸化物粉末との錯体化あるいは塩形成などの効果のある化合物を、安定剤として添加することが好ましい。安定剤としては、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸等の各種無機酸;ギ酸、酢酸、アセト酢酸、クエン酸、ステアリン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、スルファミン酸等の各種有機酸;リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、亜リン酸エチル、亜リン酸ジフェニル、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等の各種リン酸化合物(無機リン酸、有機リン酸)などの酸が挙げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このような安定剤は、前記のガラス粉末や無機微粒子(E)100質量部当り0.1〜10質量部の割合で添加することが好ましい。
【0048】
本発明においては、組成物を希釈してペースト化する目的で、適宜の量の有機溶剤を配合することができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベリング剤、皮膜の密着性向上のためのシランカップリング剤、等の他の添加剤を配合することもできる。さらにまた、必要に応じて、公知慣用の酸化防止剤や、保存時の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもできる。
【0050】
このような本発明の光硬化性樹脂組成物は、予めフィルム状に成膜されている場合には基板上にラミネートすればよいが、ペースト状組成物の場合、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法で基板、例えばPDPの前面基板となるガラス基板に塗布し、次いで指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜120℃で5〜40分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。その後、選択的露光、現像、焼成を行なって所定のパターンの黒色電極回路、ブラックマトリックスを形成する。
【0051】
露光工程としては、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可能である。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては50〜1000mJ/cm程度が好ましい。
【0052】
現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液、特に約1.5質量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行なうことが好ましい。
【0053】
焼成工程においては、現像後の基板を空気中又は窒素雰囲気下で約400〜600℃の加熱処理を行ない、所望のパターンを形成する。なお、この時の昇温速度は、25℃/分以下に設定することが好ましい。
【0054】
バス電極の黒色層(下層)及びブラックマトリックスを本発明の光硬化性樹脂組成物を用い同時形成する工程を含む、本発明のPDP用前面基板の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、即ち、本発明の光硬化性樹脂組成物を前面ガラス基板上に塗布、乾燥してバス電極とブラックマトリックスのパターンを露光し、纏めて現像を行い、ブラックマトリックスとバス電極の黒色層(下層)を同時に形成するものである。
【0055】
具体的には、バス電極の形成においては、まず、図2(A)に示すように、予めスパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、電着等の従来公知の適宜の手段によりITO、SnO等により透明電極303が形成された前面ガラス基板301に、本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥してタックフリーの黒層320を形成する。次に、図2(B)に示すように、形成した黒層320に対し、バス電極とブラックマトリックスのパターンを有するフォトマスク350を重ね合わせ、露光する。次に、図2(C)に示すように、Ag、Au、Al、Pt、Pd等の導電性粉末を含有する導電性の高い組成物を塗布し、乾燥してタックフリーの白層(導電性層)323を形成する。その後、図2(D)に示すように、これにバス電極の露光パターンを有するフォトマスク351を重ね合わせ、露光する。次いで、アルカリ水溶液により現像して非露光部分を除去し、その後、焼成することにより、図2(E)に示すように、透明電極303の上に黒層(下層)電極321と白層(上層)電極322とからなるバス電極304と、ブラックマトリックス310が形成される。
【0056】
なお、図2(B)において、バス電極とブラックマトリックスのパターンを有するフォトマスク350に替えて、ブラックマトリックスのパターンのみを有するフォトマスクを重ね合わせて露光し、図2(D)において、バス電極の露光パターンを有するフォトマスク351に替えて、バス電極とブラックマトリックスのパターンを有するフォトマスクを重ね合わせて白黒2層を同時に露光すること以外は、上記方法と同様にして、バス電極とブラックマトリックスのパターンを形成することもできる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」は、特に断りのない限りすべて質量部であるものとする。
(合成例1)
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒としてトリプロピレングリコールモノメチルエーテルと石油ナフサ(混合比1:1)、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し、有機バインダーAを得た。この有機バインダーAは、重量平均分子量が約20,000、酸価が74mgKOH/gであった。
なお、得られた有機バインダーA(共重合樹脂)の重量平均分子量の測定は、島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和電工製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
【0058】
このようにして得られた有機バインダーAを用い、以下に示す組成比にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行なった。
【0059】
なお、低融点ガラス粉末としては、Bi23 50%、B23 15%、ZnO15%、SiO2 6%、BaO 17%を粉砕し、熱膨張係数α300=85×10-7/℃、ガラス転移点460℃、平均粒子径1.6μmとしたものを使用した。
【0060】
また、本実施例で有機金属化合物として用いたジ-n-ブチルスズジラウリレートは、セイコーインスツルメンツ社製のTG/DTA6200にて、昇温速度10℃/min、空気雰囲気中の条件にて測定した熱分解温度が280℃であった。
【0061】
また、耐熱性黒顔料として四三酸化コバルト(Co)を用い、その比表面積は、マイクロメリテックス製アサップ2010(発売元:島津製作所)にて以下のように測定した。すなわち、0.1g以上2.0g以下の四三酸化コバルト粉末を試料測定管に入れ、試料への窒素ガスの吸着量を測定した。窒素ガスの相対圧力は原則として0.05〜0.2の範囲内の5点以上とした。得られた値に、B.E.T.式を適用し、得られた比表面積の要約データから抽出した。
【0062】
Figure 0004214005
【0063】
Figure 0004214005
【0064】
(組成物例2)
ジ-n-ブチルスズジラウリレートを15.0部としたこと以外は、組成物例1と同様の組成にてペースト化を行った。
【0065】
(比較組成物例)
ジ-n-ブチルスズジラウリレートを含めなかったこと以外は、組成物例1と同様の組成にてペースト化を行った。
【0066】
このようにして得られた組成物例1、2及び比較組成物例の各ペーストについて、バス電極評価(抵抗値、層間導通、焼成後色調、L値)、ブラックマトリックス評価(焼成後色調、L値)、ペースト安定性の評価を行った。その評価方法は以下のとおりである。
【0067】
抵抗値:
ガラス基板上に、評価用ペーストを200メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な塗膜を形成した。次に、この塗膜上に、白層(上層)用導電性ペーストを200メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な2層構造の塗膜を形成した。その後、光源をメタルハライドランプとし、パターン寸法100μm×10cmのネガマスクを用いて、組成物上の積算光量が500mJ/cmとなるように露光した後、液温30℃の0.5質量%NaCO水溶液を用いて現像を行ない、水洗した。最後に、空気雰囲気下にて5℃/分で昇温し、550℃で30分間焼成し、ガラス基板上に焼成皮膜を形成した。こうして形成した焼成皮膜について抵抗値を測定した。
【0068】
層間導通:
ITO膜付きガラス基板上に、上記と同様の方法により100μm×3cmのパターンの焼成皮膜をスペース100μmで1対形成した。こうして形成した焼成皮膜の白層(上層)にテスターをあて抵抗値の確認を行なった。
【0069】
焼成後色調:
ITO膜付きガラス基板上に、上記と同様の方法(ブラックマトリックス評価については白層(上層)用導電性ペーストを塗布しない)により3cm×10cmのパターンの焼成皮膜を形成した。こうして形成した焼成皮膜をガラス側から目視により観察し、色調の確認を行なった。
【0070】
値:
上記焼成後色調を確認した試験片を用いて色彩色差計(ミノルタカメラ(株)製、CR−221)を用いてL表色系の値をJIS−Z−8729に従って測定し、明度を表す指数であるL値を黒色度の指標として評価した。このL値が小さいほど黒色度に優れる。
【0071】
これらの評価結果を表1に示す。
【0072】
この表1に示す結果から明らかなように、本発明の組成物に係るペーストは、比較組成物のペーストに比べて層間導通に優れ、焼成後においても、充分な黒さを満足し得るバス電極用黒層(下層)、ブラックマトリックスを形成できることがわかった。なお、層間導通は、従来の銀を含む導電性黒ペーストを用いた場合と同レベルであった。
【0073】
【表1】
Figure 0004214005
【0074】
なお、上記評価用ペーストについて、現像後のライン形状、焼成後のライン形状、密着性を評価したが、いずれも問題はなかった。
【0075】
これらの評価に使用した基板は、ガラス基板上に形成した皮膜を、ライン/スペース=50/100μmとなるガラス乾板を用いてパターン露光し、次いで、液温が30℃の0.5質量%NaCO水溶液にて現像を行ない、水洗し、その後、焼成すること以外は、上記抵抗値評価の場合と同様にして焼成皮膜のパターンを形成した基板を作成した。
【0076】
これらの評価方法は、現像後のライン形状については、現像まで終了したパターンを顕微鏡観察し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価し、焼成後のライン形状については、焼成まで終了したパターンを顕微鏡観察し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価した。また密着性は、セロハン粘着テープによるピーリングを行ない、パターンの剥離がないかどうかで評価した。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の光硬化性樹脂組成物によれば、白黒2層バス電極の黒層およびブラックマトリックスとして用いることが可能で乾燥、露光、現像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分な黒さを有する焼成皮膜を形成できる光硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【0078】
その結果、本発明によれば、特に前面基板に形成される白黒2層構造のバス電極において充分な層間導電性(透明電極とバス電極白層との層間導通)と黒さを同時に満足し得る黒層(下層)電極回路、及び充分な黒さを有するブラックマトリックスを形成したPDPを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一態様であるPDP用前面基板を含む面放電方式のAC型PDPの部分分解斜視図。
【図2】 本発明の光硬化性樹脂組成物を用いてPDPのバス電極の黒層およびブラックマトリックスを形成する工程例の概略断面図。
【図3】 面放電方式のAC型PDPの部分分解斜視図。
【符号の説明】
1、301・・・前面ガラス基板
2a,2b・・・表示電極、
303,3a,3b・・・透明電極
404,4a,4b・・・バス電極
5・・・透明誘電体層
6・・・保護層
11 背面ガラス基板
12 リブ
13 アドレス電極
14a,14b,14c 蛍光体膜
21、320、321・・・黒層(下層)
22、322、323・・・白層(上層、導電性層)

Claims (7)

  1. (A)耐熱性黒顔料、(B)有機バインダー、(C)光重合性モノマー、(D)光重合開始剤、及び(E)有機金属化合物を含有する光硬化性樹脂組成物であり、有機金属化合物(E)の配合量が該組成物100質量部当たり金属換算で0.05〜15質量部であり、且つ導電性微粒子を含有しないことを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記耐熱性黒顔料(A)が、1.0〜20m2/gの比表面積及び5μm以下の平均粒子径を有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記耐熱性黒顔料(A)が四三酸コバルト(Co34)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記有機金属化合物(E)が、有機酸金属塩、金属アルコキシド、アルキル金属化合物、アリール金属化合物、グリニアル化合物、金属石鹸、キレート化合物、金属カルボニル化合物、メタロセン化合物、有機金属錯体化合物、及びメタロセン化合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記有機金属化合物(E)が錫を含む化合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 前記有機金属化合物(E)の熱分解温度が600℃以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 前面ガラス基板上に黒色層を含むバス電極を列設するとともに、ブラックマトリックスを列設してなるプラズマディスプレイパネル用前面基板において、前記黒色層とブラックマトリックスとが請求項1〜6のいずれか1項に記載された同一の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用前面基板。
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