JP4220954B2 - 電線ベンダー装置 - Google Patents

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本発明は、電線ベンダー装置に関し、詳しくは、電柱などの高所に架設する電線を容易に湾曲等させることのできるものに関する。
従来より、商用電源から電力供給する送電線は、例えば、図6に示すように、電柱100に設置した機器101から引き出されている接続電線(割込み縁線)102にスリーブカバー103内で接続するために、その送電線D自体を保持カバー104内に収まる湾曲率で屈曲させることが行われている。また、図7に示すように、電柱100に電線Dを引き留めるために、その電柱100の腕金110に設置されている碍子111に電線Dを湾曲させて接続したり、図8に示すように、その電線Dを複数方向に分岐させるために、ホルダ112を介して碍子111が保持する電線Dをカバー114内で分岐させた後に湾曲させたり、図9に示すように、電線Dの進路方向を変えるために、異なる腕金110に設置されている碍子111に電線Dを湾曲させて接続することも行われている。なお、図7〜図9中の120は、図10に示すように、腕金110に電線Dが接近しないようにその電線Dを支持するピン碍子である。
このような電線Dには、図6〜図9中に矢印Eで図示する箇所のように、所謂、「縁線」と称される張力の加わらない部位が生ずる。この部分については張力が加わっていないため自由な形状に施設することが出来るのであるが、充電しているため、電線相互や腕金、支持物との間は、必要な離隔距離をとって設置されている。また、新設時において適正な離隔距離をとって設置していても、長期にわたって風などにさらされていると、電線が移動し、他の電線や腕金等に接触しそうになることがある。このような場合は、工事を行い元の状態へ戻すことが行われている。
したがって、このような電線(縁線)は、電線相互や腕金、支持物との間に適正な離隔距離がとられるよう癖付けする必要があるのであるが、近年、電気の使用量増に伴い、電線が太線化し、手作業では簡単に曲げることはできなくなってきた。また、充電した電線の癖付け作業を手作業で行うこと自体危険を伴うため、遠隔操作できる安全な工具が望まれていた。このため、各種の電線ベンダー装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
登録実用新案第3024046号公報 特開平10−174236号公報
しかるに、この癖付けする必要のある電線は、状況に応じて他の電線や腕金などとの位置関係を見ながら作業する必要がある。電線ベンダー装置は、上記文献に記載のものにあっては、電線を3点支持して緩やかに湾曲させたり、強く湾曲させて屈曲させることができ、作業現場で修正しながら湾曲などさせるように使用することができる。
しかしながら、この文献に記載の電線ベンダー装置は、電線を湾曲・屈曲させる部分を油圧シリンダーにより動作させていることから、油圧ホースをぶら下げなければならず、かなりの重量になってしまう。すなわち、このような電線ベンダー装置を電線の設置場所である電柱などの高所で使用するには、高所作業用のバケットなどに乗って作業するのが現実的である。しかし、できれば、高所作業車を持ち出すまでもなく、地上ないしは電柱上から高所の電線を湾曲などさせて癖付けする作業を容易に行うことができれば便利である。
そこで、本発明は、油圧などを利用することなく、電線との係合位置を変位させることができるようにして、高所の電線に容易に係合させて湾曲などさせることのできる軽量で安価な電線ベンダー装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する電線ベンダー装置の発明は、電線の太さよりも大きく離隔して該電線の上周面および下周面に係合する一対の係合部と、該係合部を上下に離隔させるように取り付ける短尺に形成された第1棒状部材と、該第1棒状部材を先端側に連結される長尺に形成された第2棒状部材と、これら第1、第2棒状部材による挟角を任意の角度に設定することのできる角度設定部材と、を備える電線ベンダー装置であって、角度設定部材は、第1棒状部材と第2棒状部材を連結する連結箇所に配設される一方、係合部は、第1棒状部材の第2棒状部材との連結箇所から離隔する位置において間隔を調整可能に取り付け箇所が複数設定されており、第1棒状部材には、延在方向に連続するように内部に形成されているスライド用孔と、該スライド用孔に連通して外部に開口する当該スライド用孔よりも幅狭に形成されているスライド用溝と、該スライド用溝の縁の複数箇所を窪ませて形成されている係合穴と、が形成されているとともに、係合部は、第1棒状部材の係合穴よりも外形を小さめに形成されている本体部と、該本体部内から一端側がスライド溝内を通過するように突出してスライド用孔の内面に対面するスライド棒と、本体部内に収納されてスライド棒の他端側に一端側を突き当てることにより該本体部を係合穴方向に付勢する付勢材料と、を備えることを特徴とするものである。
この発明では、第2棒状部材の先端で任意の角度になるように連結された第1棒状部材の一対の係合部の間に電線を位置させた後に、その第2棒状部材を回動させることにより、電線の長さ方向に離隔する箇所の係合部がその電線の上周面および下周面のそれぞれに下方および上方に移動させるように圧接する。したがって、電線の係合部の圧接する箇所を湾曲などさせることができる。
また、この発明では、電線に圧接して湾曲などさせる係合部の離隔間隔を調整することができる。したがって、電線を湾曲などさせる形状の湾曲率やその大きさを任意に調整することができる。
さらに、この発明では、電線に圧接して湾曲などさせる係合部を交換することなく、第1棒状部材の係合穴内から本体部を引き上げることにより、スライド棒の一端側を引き抜いてしまうことなく、そのスライド棒の一端側をスライド用孔の内面に対面させつつスライド溝内をスライドさせることができ、その本体部を所望の位置で放すだけで別の係合穴方向に移動させて再度嵌め込んで位置決めすることができる。したがって、係合部をネジにより構成した場合のように着脱する作業を行うことなく、その離隔間隔を容易に調整することができる。
本発明によれば、第2棒状部材を持って第1棒状部材の係合部の間隔を容易に調整するとともに、その間に電線が位置するように引っ掛けて回動させるように操作するだけで、その電線の異なる位置を係合部が逆方向に圧接して湾曲などさせることができる。したがって、油圧装置などを利用する必要のない軽量の電線ベンダー装置で電線を容易に湾曲などさせることができ、電柱などの高所に設置されている電線でも、容易に引っ掛けて所望の程度だけ湾曲などさせることができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明に係る電線ベンダー装置の前提となるその装置の第1実施形態を示す図である。
図1において、電線ベンダー装置10は、短尺な棒状に形成された短尺部材(第1棒状部材)11と、長尺な棒状に形成されてこの短尺部材11を連結される長尺部材(第2棒状部材)21と、短尺部材11および長尺部材21を連結するとともに、これらによる挟角θ(図4参照)を任意の角度に設定することのできる菊座アダプタ(角度設定部材)31と、を備えている。
短尺部材11には、複数の雌ネジ12が湾曲させる電線D(図6〜図9参照)の電線径dよりも広く離隔する間隔で隣接するように刻設(並列)されており、この雌ネジ12は、菊座アダプタ31から離隔する位置から並列されている。また、この雌ネジ12には、電線径dよりも長いピン(突出部材)15の基端側の不図示の雄ネジを螺合させることができ、そのピン15を延在方向に対して直交する方向に立設させることができる。すなわち、2本のピン15が、電線Dを内装可能に、また、調整可能な間隔に離隔して、その上周面または下周面に係合する係合部を構成している。
また、この短尺部材11に取り付けるピン15は、図2に示すように、先端側および基端側に円錐形状の円錐部15a、15bが形成されており、後述するように、回動して電線Dを係合支持する際に、その電線Dが外れて逃げようとするのを先端側の円錐部15aで制限するとともに、その電線Dを湾曲させる方向に回動させる際の負荷を基端側の円錐部15bで受けることによりその基端側が折れ曲がるなど変形してしまうことを回避している。
長尺部材21は、作業員が把持する基端部側の把持部22と、中間部分に取り付けられている傘カバー23、24と、を備えており、全体をプラスチックなどの絶縁材料で作製されて絶縁性が確保されている。把持部22は、滑りにくい材質の取替え可能な滑り止が施されている。傘カバー23、24は、中間部分における先端側と基端側の2箇所に配設されており、先端側の傘カバー23が短尺部材11側からの水分を滴下させるとともに、基端側の傘カバー24が安全に作業を行い得る限界位置を示して、作業する際の安全を確保している。
菊座アダプタ31は、第1、第2対面部材32、33を蝶ネジ34により対面圧接させることにより連結するようになっており、第1対面部材32が短尺部材11の後端部に固設されているとともに、第2対面部材33が長尺部材21の先端部に固設されている。第1対面部材32は、図3(a)に示すように、後端側から中央部に向かって開口する切欠32aと、その一面側に突出して切欠32aの底部(中央部)から法線方向に延在する複数の突起32bとが形成されている。第2対面部材33は、図3(b)に示すように、中央部に形成された蝶ネジ34の挿入孔33aと、その一面側に突出して挿入孔33aから法線方向に延在する複数の突起33bとが形成されている。この構成により、菊座アダプタ31は、第1、第2対面部材32、33の突起32b、33bが噛み合うように対面させるとともに、切欠32aおよび挿入孔33aを貫通させた蝶ネジ34で締め付けることにより連結することができる。
これにより、電線ベンダー装置10は、まず、図6〜図9に示す電柱100などの高所に設置されている電線Dを短尺部材11に取り付けたピン15の間に差し込んで、その電線Dの上周面と下周面のそれぞれにそのピン15を接近させたときに、長尺部材21の把持部22を把持できるように菊座アダプタ31の第1、第2対面部材32、33の対面させる位置を調整して(短尺部材11と長尺部材21の間の挟角θを調整して)蝶ネジ34により圧接させて連結する。この後に、例えば、図4に示すように、長尺部材21の把持部22を把持して、その高所の電線Dを短尺部材11のピン15の間に差し込んで引っ掛けた状態で、長尺部材21を回動させると、短尺部材11の上側のピン15が当接する電線Dの上周面を中心に回動する。よって、下側のピン15が電線Dの下周面に当接して、その回動量に応じて上側のピン15に対して上方に移動することにより、その電線Dの圧接箇所を湾曲させることができる。
このとき、短尺部材11のピン15の間には、他の位置に部材がなく邪魔されないので、容易に電線Dを差し込んで引っ掛けることができ、また、このピン15の間隔は、電線Dに癖を付けるために湾曲させる大きさに応じて短尺部材11への取付位置を変更することにより調整することができ、複数種の部材を準備する必要がない。
このように本実施形態においては、長尺部材21を持って短尺部材11のピン15の間に電線Dが位置するように引っ掛けて回動させるだけで、その電線Dの離隔箇所の上下にピン15を圧接させて湾曲させることができる。したがって、油圧装置などを必要とすることなく、また、高所作業用のバケットなどに乗らずに、軽量で安価な電線ベンダー装置10により高所の電線Dを地上から湾曲などさせて所望の癖を付けることができる。
次に、図5は本発明に係る電線ベンダー装置を適用したその装置の第2実施形態を示す図である。なお、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されているので、同様の構成には同様の符号を付して特徴部分を説明する。
図5において、本実施形態の短尺部材11は、上述実施形態の雌ネジ12を刻設するのに代えて、角柱形状に形成して、その中心部に少なくとも上端部に開口するスライド用孔42を穿孔するとともに、そのスライド用孔42に連通して前面側に開口するスライド用溝43が切り欠かれている。また、この短尺部材11には、その雌ネジ12の形成位置に対応するスライド用溝43の縁を窪ませることにより有底の円筒形状の係合穴44が形成されており、上述実施形態のピン15に代えて、この係合穴44にはスライドピン(係合部)45が係合する。
このスライドピン45は、係合穴44よりも小さめの径に設定されて嵌め込み可能に形成された円筒部(本体部)46と、この円筒部46内に収納されるとともにスライド用孔42内に引き抜き不能に内装されてスライド用溝43内をスライドするスライド棒47と、円筒部46内に収納されてその円筒部46を短尺部材11(係合穴44)側に付勢するスプリング(付勢材料)48と、により構成されている。
円筒部46は、スライド棒47を内部に進入または引抜可能に円筒形状の一端側端面に開口する挿通孔46aが形成されている。なお、この円筒部46は、スライド棒47やスプリング48を内装可能に分割して組み立てることができるようになっている。
スライド棒47は、スライド用溝43の溝幅よりも小さめの径に形成されており、その両端側には大径に形成された円盤47aが固設されている。このスライド棒47は、挿通孔46aに挿通させて、一方の円盤47aを円筒部46内に位置(収納)させるとともに、スライド用溝43を通過するように突出する他方側の円盤47aは、短尺部材11のスライド用孔42の内面に引抜不能に対面させている。
スプリング48は、円筒部46内に収納されて、一端側を挿通孔46aの縁部に突き当てるとともに、他端側をスライド棒47の円盤47aの内側に突き当てることにより、その円筒部46を短尺部材11(係合穴44)側に付勢している。
これにより、上述実施形態のようにピン15の取付位置を変更することなく、スライドピン45を短尺部材11から引き離す方向に引くことにより係合穴44から離脱させて、取り付けたい位置の方向にスライドさせることができ、所望の取付位置に開口する係合穴44に円筒部46を嵌め込むことによりその取付位置を変更して、他のスライドピン45との間の間隔を調整することができる。
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、ピン15のような着脱作業を行うことなく、電線Dを湾曲させるスライドピン45をスライドさせて位置決めすることができ、その間隔を容易に調整することができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。例えば、上述実施形態においては、地上から高所の電線Dを湾曲などさせて所望の癖を付ける場合を説明するが、上述実施形態に係る電線ベンダー装置10は、軽量であるため、電柱に登って作業することもできることはいうまでもない。
本発明に係る電線ベンダー装置の第1実施形態を示す図であり、その概略全体構成を示す立面図である。 その構成部材の要部構成を示す一部拡大側面図である。 その構成部材の要部構成を示す図であり、(a)は連結する一方側の部品の一部拡大立面図、(b)は連結する他方側の部品の一部拡大立面図である。 その使用時の状態を示す状態図である。 本発明に係る電線ベンダー装置の第2実施形態の構成部材の要部構成を示す図であり、(a)はその一部拡大立面図、(b)はその一部拡大断面側面図である。 その電線ベンダー装置を使用する電線を説明する立面図である。 その電線ベンダー装置を使用する電線を説明する平面図である。 その電線ベンダー装置を使用する電線を説明する立面図である。 その電線ベンダー装置を使用する電線を説明する平面図である。 その電線を設置する際に使用する部品を示す立面図である。
符号の説明
10 電線ベンダー装置
11 短尺部材
12 雌ネジ
15 ピン
15a、15b 円錐部
21 長尺部材
31 菊座アダプタ
32、33 対面部材
34 蝶ネジ
42 スライド用孔
43 スライド用溝
44 係合穴
45 スライドピン
46 円筒部
47 スライド棒
48 スプリング
D 電線
θ 挟角

Claims (1)

  1. 電線の太さよりも大きく離隔して該電線の上周面および下周面に係合する一対の係合部と、該係合部を上下に離隔させるように取り付ける短尺に形成された第1棒状部材と、該第1棒状部材を先端側に連結される長尺に形成された第2棒状部材と、これら第1、第2棒状部材による挟角を任意の角度に設定することのできる角度設定部材と、を備える電線ベンダー装置であって、
    角度設定部材は、第1棒状部材と第2棒状部材を連結する連結箇所に配設される一方、
    係合部は、第1棒状部材の第2棒状部材との連結箇所から離隔する位置において間隔を調整可能に取り付け箇所が複数設定されており、
    第1棒状部材には、延在方向に連続するように内部に形成されているスライド用孔と、該スライド用孔に連通して外部に開口する当該スライド用孔よりも幅狭に形成されているスライド用溝と、該スライド用溝の縁の複数箇所を窪ませて形成されている係合穴と、が形成されているとともに、
    係合部は、第1棒状部材の係合穴よりも外形を小さめに形成されている本体部と、該本体部内から一端側がスライド溝内を通過するように突出してスライド用孔の内面に対面するスライド棒と、本体部内に収納されてスライド棒の他端側に一端側を突き当てることにより該本体部を係合穴方向に付勢する付勢材料と、を備えることを特徴とする電線ベンダー装置。
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