JP4226032B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、透明基板と、前記透明基板上に積層された第1電極と、前記第1電極上に積層された光電変換層と、前記光電変換層上に積層された第2電極と、前記第2電極上に充填材によって接着された保護材とを備え、長手方向及び短手方向に延びる短冊形状を有する光起電力素子が前記短手方向に沿って複数配置された太陽電池モジュールに関する。
近年、太陽電池の低コスト化、高効率化を両立するために原材料の使用量が少ない薄膜系の太陽電池モジュールの開発が精力的に行われている。このような薄膜系の太陽電池モジュールの断面図の一例を、図1に示す。
図1に示すように、薄膜系の太陽電池モジュール10は、ガラス等の透明基板11上に積層された第1電極12と、第1電極12上に積層された光電変換層13と、光電変換層13上に積層された第2電極14とを備える。また、薄膜系の太陽電池モジュール10は、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等の保護材16をEVA(Ethylene Vinyl Acetate)等の充填材15によって接着して完成する(例えば、特許文献1参照)。
尚、保護材16は、ある程度、外部からの水分の浸入を防止することができるものの、完全には水分の侵入を防止することができない。
特開2003−17722号公報
一般的に、薄膜系の太陽電池モジュール10は屋外で長期間に渡って使用されるため、たとえ水分が浸入したとしても安定した高い発電力を維持するための充分な耐湿性を備える必要がある。
しかしながら、図1に示すように、従来の薄膜系の太陽電池モジュール10は、透明導電膜12と光電変換層13と裏面電極14とが順次積層された光起電力素子20を含む発電領域21と、その周囲に設けられた非発電領域22とを電気的に分離する第1溝部17を有する。保護材16及び充填材15を介して第1溝部17に侵入した水分は、透明基板11と光電変換層13との界面に到達し、透明基板11との密着力が比較的弱い光電変換層13を剥離させる。
このように、光電変換層13が透明基板11から剥離することに起因して、薄膜系の太陽電池モジュール10の出力低下及び外観不良が発生するという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、水分の浸入に起因して、光電変換層13の剥離が発生したとしても、剥離の進行を防止することができる薄膜系の太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、透明基板と、前記透明基板上に積層された第1電極と、前記第1電極上に積層された光電変換層と、前記光電変換層上に積層された第2電極と、前記第2電極上に充填材によって接着された保護材とを備え、長手方向及び短手方向に延びる短冊形状を有する光起電力素子が前記短手方向に沿って複数配置された太陽電池モジュールであって、前記光起電力素子を含む発電領域と、前記発電領域の周囲に設けられた非発電領域とを電気的に分離する第1溝部を備え、前記光電変換層には、前記第2電極側から前記透明基板側へ連通する第1連通部が設けられており、前記第1連通部は、前記発電領域内において前記第1溝部に沿って設けられており、前記第1連通部には、前記第2電極が充填されていることを特徴とする太陽電池モジュールであることを要旨とする。
第1の特徴に係る太陽電池モジュールは、光電変換層を連通する第1連通部が、第1溝部に沿って設けられる。第1連通部には、裏面電極が充填される。
これにより、第1溝部に浸入した水分が、透明基板と光電変換層との界面に到達し、透明基板から光電変換層の剥離が発生したとしても、裏面電極と透明基板との接着性が強いので、裏面電極が充填された第1連通部によって、剥離の進行を防止することができる。
即ち、第1の特徴に係る太陽電池モジュールによれば、光電変換層の剥離の進行を防止することにより、太陽電池モジュールの出力の低下及び外観不良の発生を抑制することができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記光電変換層と前記第2電極とを、前記光起電力素子毎に分離する第2溝部をさらに備え、前記短手方向に沿って設けられた前記第1連通部は、前記透明基板上に形成され、前記第2溝部によって電気的に分離されていることを特徴とする太陽電池モジュールであることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記長手方向に沿って設けられた前記第1連通部は、前記透明基板上又は前記第1電極上に形成されていることを特徴とする太陽電池モジュールであることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記光電変換層には、前記第2電極側から前記透明基板側へ連通する第2連通部が設けられており、前記第2連通部は、前記非発電領域内において前記第1溝部に沿って設けられており、前記第2連通部には、前記第2電極が充填されていることを特徴とする太陽電池モジュールであることを要旨とする。
本発明の第4の特徴に係る太陽電池モジュールによれば、第1連通部により、出力の低下及び発電領域内における外観不良の発生が抑制されるとともに、第2連結部により、非発電領域における外観不良の発生を抑制することができる。
本発明によると、水分の浸入に起因して、光電変換層の剥離が発生したとしても、剥離の進行を防止することができる薄膜系の太陽電池モジュールを提供することができる。
《第1実施形態》
次に、図面を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
〈太陽電池モジュール10の構成〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール10の上面図を図2に示す。尚、以下では、適宜、図1を参照して説明する。
太陽電池モジュール10は、透明基板11上に、光起電力素子20を含む発電領域21、発電領域21の周囲に設けられた非発電領域22、第1溝部17及び第2溝部18を備える。
光起電力素子20は、透明導電膜12と光電変換層13と裏面電極14とを順次積層して形成される。一の光起電力素子20の透明導電膜12が、隣接する他の光起電力素子20の裏面電極14に接続されることにより、光起電力素子20同士は電気的に直列接続される。光起電力素子20は、長手方向及び短手方向に延びる短冊形状を有する。
ここで、本明細書において、「短手方向」の用語は、太陽電池モジュール10が電気的に直列に接続される方向を意味する。又、本明細書において、「長手方向」の用語は、太陽電池モジュール10が電気的に直列に接続される方向と略直交する方向を意味する。
尚、光起電力素子20は、図1に示すように、裏面電極14上に充填材15によって接着された保護材16により、外気から保護されている。
発電領域21は、光起電力素子20を短手方向に沿って複数配置することにより形成される。
非発電領域22は、発電領域21の周囲に設けられる。非発電領域22は、発電に寄与しない無効領域である。非発電領域22は、光起電力素子20と同様に、透明導電膜12と光電変換層13と裏面電極14とを順次積層して形成される積層体である。
第1溝部17は、図1に示すように、透明導電膜12と光電変換層13と裏面電極14とを除去することにより形成された溝である。即ち、第1溝部17は、発電領域21と非発電領域22とを電気的に分離する溝である。
第2溝部18は、図1に示すように、光電変換層13と裏面電極14とが除去されることにより形成される溝である。即ち、第2溝部18は、一の光起電力素子20の透明導電膜12が、隣接する他の光起電力素子20の裏面電極14に接続される領域に形成される溝である。光起電力素子20同士は、第2溝部18内の一部に形成された裏面電極14により電気的に直列に接続される。
第1連通部23は、発電領域21内において、裏面電極14から透明基板11へ、光電変換層13を連通する。第1連通部23は、第1溝部17に沿って設けられる。第1連通部23には、裏面電極14が充填される。即ち、第1連通部23は、発電領域21の内部に存在するため、太陽電池モジュール10の上面からは視認されない。従って、図2では、第1連通部23は破線により示されている。
第2連通部24は、非発電領域22内において、裏面電極14から透明導電膜12へ、光電変換層13を連通する。第2連通部24は、第1溝部17に沿って設けられる。第2連通部24には、裏面電極14が充填される。即ち、第1連通部23は、非発電領域22の内部に存在するため、太陽電池モジュール10の上面からは視認されない。従って、図2では、第2連通部24は破線により示されている。
図3は、図2のA−A(短手方向に沿った)断面図であり、図2の上部(図2の丸で囲んだ部分)を拡大したものである。
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、図3に示すように、透明基板11と、透明基板11上に積層された透明導電膜12(第1電極)と、透明導電膜12上に積層された光電変換層13と、光電変換層13上に積層された裏面電極14(第2電極)とを備える。なお、図1に示すように、充填材15と保護材16とが、透明基板11を覆っているが、本実施形態では説明を省略する。
透明基板11は、太陽電池モジュール10の単一基板である。透明基板11は、ガラス等の光透過性、遮水性を有する部材により構成される。
透明導電膜12は、透明基板11上を平面視したときに短冊状に形成される。透明導電膜12は、ZnO,In23,SnO2,CdO,TiO2,CdIn24,Cd2SnO4,Zn2SnO4にSn,Sb,F,Alをドープした金属酸化物の一群より選択された一種類あるいは複数種類の積層体により構成される。なお、ZnOは、高い光透過性、低抵抗性、可塑性を有し、低価格であるため透明導電膜材料として好適である。
光電変換層13は、透明導電膜11上に短冊形状に形成される。本実施形態に係る光電変換層13は、非結晶シリコン半導体により構成される。本実施形態に係る光電変換層13は、非晶質シリコン半導体上に微結晶シリコン半導体を積層して形成される。尚、本明細書に置いて、「微結晶」の用語は、多数の微小な結晶粒を含むものを意味し、部分的に非晶質状態を含む状態をも意味するものとする。
ここで、本実施形態に係る光電変換層13は、p-i-n型の非晶質シリコン半導体を順次積層後、p-i-n型の微結晶シリコン半導体を順次積層して形成される。このような非晶質シリコンと微結晶シリコンを用いたタンデム型太陽電池モジュールは、光吸収波長が異なる二種類の半導体を積層した構造を有し、太陽光スペクトルを有効に利用することができる。
又、発電領域21内における光電変換層13には、裏面電極14から透明基板11へ連通する第1連通部23が設けられている。第1連通部23は、発電領域21内において第1溝部17に沿って設けられる。従って、図3に示される第1連通部23は、長手方向に沿って設けられているものであるが、第1連通部23は、短手方向に沿っても設けられている。第1連通部23には、裏面電極14が充填されている。
尚、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、第1連結部23を3つ備えているが、第1連結部23は1つでもよいこと、又、その数に制限がないことは勿論である。
又、非発電領域22内における光電変換層13には、裏面電極14から透明導電膜12へ連通する第2連通部24が設けられている。第2連通部24は、非発電領域22内において第1溝部17に沿って設けられる。従って、図3に示される第2連通部24は、長手方向に沿って設けられているものであるが、第2連通部24は、短手方向に沿っても設けられている。第2連通部24には、裏面電極14が充填されている。
尚、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、第2連結部24を2つ備えているが、第2連結部24は1つでもよいこと、又、その数に制限がないことは勿論である。
裏面電極14は、光電変換層13上に短冊状に形成される。裏面電極14は、Ag等の導電性部材により構成される。裏面電極14の一部は、第1連通部23に充填されている。従って、裏面電極14は、第1連通部23を介して透明基板11に接している。
図4(a)は、図2のB−B(長手方向沿った)断面図である。
本実施形態に係る発電領域21内における光電変換層13には、裏面電極14から透明基板11へ連通する第1連通部23が、第1溝部17に沿って設けられている。図4(a)に示す第1連通部23は、上述した短手方向に沿って設けられた第1連通部23である。
非発電領域22内における光電変換層13には、裏面電極14から透明基板11へ連通する第2連通部24が、第1溝部17に沿って設けられている。図4(a)に示す第2連通部24は、上述した短手方向に沿って設けられた第2連通部24である。
図4(b)は、図2のB´−B´(第2溝部18上で長手方向に沿った)断面図である。
図4(b)に示すように、発電領域21では、透明導電膜12上に積層された光電変換層13及び裏面電極14が除去されて、第2溝部18が形成される。このように、第2溝部18を形成するために、透明導電膜12上に積層された光電変換層13及び裏面電極14が除去されるのに伴って、第1連通部31も除去されている。従って、短手方向に沿って設けられている第1連通部23は、第2溝部18によって所定間隔で分断されている。尚、ここでの所定間隔とは、光起電力素子20が短手方向に沿って並べられている間隔である。
〈太陽電池モジュール10の製造方法〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール10の製造方法について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、図2のA−A断面図であり、図6は、図2のB−B断面図である。
透明基板11上に、スパッタ等により透明導電膜12を形成する。透明導電膜12は、光入射側と反対の裏面側からYAGレーザーを照射することにより短冊状にパターニングされ、各光起電力素子20間で電気的に分離される。又、透明導電膜12は、裏面側からYAGレーザーを複数回往復させて照射され、発電領域21となる領域と、非発電領域22となる領域とを電気的に分離する。
次に、プラズマCVD法により、光電変換層13を形成する。具体的には、透明導電膜11上にp-i-n型の非晶質シリコン半導体を順次積層した後、p-i-n型の微結晶シリコン半導体を順次積層して光電変換層13を形成する。
光起電力素子20を形成するための光電変換層13は、透明導電膜11のパターニング位置から所定間隔の位置に、裏面側からYAGレーザーを照射することにより短冊状にパターニングされる。これにより、光電変換層13は、光起電力素子20毎に電気的に分離される。
さらに、発電領域21となる領域に形成された光電変換層13は、裏面側からYAGレーザーを照射することにより、透明基板上11で光電変換層13を連通する第1連通部23が形成される。本実施形態では、第1連結部23を3つ形成するため、YAGレーザーを所定間隔で3回照射する。
又、非発電領域22となる領域に形成された光電変換層13においても、裏面側からYAGレーザーを照射することにより、透明導電膜12上で光電変換層13を連通する第2連通部24が形成される。本実施形態では、第2連結部24を2つ形成するため、YAGレーザーを所定間隔で2回照射する。
図5(a)及び図6(a)は、光電変換層13がパターニングされ、かつ、第1連通部23及び第2連通部24が形成された状態を示す。
次に、裏面電極14が、光電変換層13上にスパッタ等により形成される。裏面電極14は、発電領域21内において形成された第1連通部23、及び非発電領域22内において形成された第2連通部24に充填される。
光電変換層13及び裏面電極14は、光電変換層13のパターニング位置から所定間隔の位置に光入射側からYAGレーザーを照射することにより短冊状にパターニングされる。これにより、第2溝部18が形成され、光起電力素子20同士が電気的に直列に接続される。
さらに、発電領域21と非発電領域22とを電気的に分離する第1溝部17が形成されるように、光入射側からYAGレーザーを照射する。
このようにして、透明基板11上に、複数個の光起電力素子20が電気的に直列に接続された発電領域21の周囲に、非発電領域21が第1溝部17を介して形成される。
図5(b)及び図6(b)は、第1溝部17が形成された状態を示している。
発電領域21及び非発電領域21上には、樹脂からなる充填材15と保護材16とを順次配置して、ラミネート装置を用いて真空加熱圧着を行った後、加熱処理により充填材15を架橋、安定化させる。
充填材15として、EVAの他、EEA等のエチレン系樹脂、PVB、シリコン、ウレタン、アクリル、エポキシ樹脂を用いてもよい。又、保護材16として、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF、PCTFE等)、PC、ガラス等が金属箔を挟んだ構造、SUS、鋼板を用いてもよい。
以上により、本実施形態に係る太陽電池モジュール10が形成される。尚、当該太陽電池モジュール10には、端子ボックス及び取出し電極を接続し、ブチルゴム等によりアルミニウム枠を取付けることができる。
〈作用及び効果〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、光電変換層13を連通する第1連通部23及び第2連通部24が、第1溝部17に沿って設けられる。第1連通部23及び第2連通部24には、裏面電極14が充填される。
これにより、第1溝部17に浸入した水分が、透明基板11と光電変換層13との界面に到達し、透明基板11から光電変換層13の剥離が発生したとしても、裏面電極14と透明基板11との接着性が強いので、裏面電極14が充填された第1連通部23及び第2連通部24によって、剥離の進行を防止することができる。
即ち、本実施形態に係る太陽電池モジュール10によれば、光電変換層13の剥離の進行を防止することにより、太陽電池モジュール10の出力低下及び外観不良の発生を抑制することができる。
具体的には、第1連通部23により、出力の低下及び発電領域21内における外観不良の発生を抑制することができ、又、第2連結部24により、非発電領域22における外観不良の発生を抑制することができる。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態について、図7を用いて説明する。尚、基本的な構成及び製造方法は、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と異なる部分について説明する。
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、非発電領域内に第2連通部24を備えない。
〈太陽電池モジュール10の構成〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール10の上面図は、図2と同様である。但し、破線で示される第2連通部24は存在しない。
図7は、図2のA−A(短手方向に沿った)断面図であり、図2の上部(図2の丸で囲んだ部分)を拡大したものである。
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、第1連通部23のみを備え、非発電領域22において第2連通部24は設けられていない。
その他の構成については、第1実施形態と同様である。
〈太陽電池モジュール10の製造方法〉
本実施形態に係る製造方法では、第2連通部24は形成されない。
即ち、第1実施形態では、非発電領域22となる領域に形成された光電変換層13において、裏面側からYAGレーザーを照射することにより、透明導電膜12上で光電変換層13を連通する第2連通部24が形成されたが、本実施形態では、このような処理を行わない。
従って、本実施形態では、第1連通部23のみが形成され、第2連通部24は形成されない。
その他の処理については、第1実施形態と同様である。
〈作用及び効果〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、光電変換層13を連通する第1連通部23が、第1溝部17に沿って設けられる。第1連通部23には、裏面電極14が充填される。
これにより、第1溝部17に浸入した水分が、透明基板11と光電変換層13との界面に到達し、透明基板11からの発電領域21内における光電変換層13の剥離が発生したとしても、裏面電極14と透明基板11との接着性が強いので、裏面電極14が充填された第1連通部23によって、剥離の進行を防止することができる。
即ち、本実施形態に係る太陽電池モジュール10によれば、発電領域内における光電変換層13の剥離の進行を防止することにより、太陽電池モジュール10の出力の低下及び外観不良の発生を抑制することができる。
尚、本実施形態に係る太陽電池モジュール10によっては、非発電領域22における外観不良の発生を抑制することはできないものの、太陽電池モジュール10にとってより重大な障害となる出力の低下を防止することができる。又、非発電領域22より面積が大きい発電領域21における外観不良の発生を抑制することができる。
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態について、図8を用いて説明する。尚、基本的な構成及び製造方法は、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と異なる分部について説明する。
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、発電領域21内において、裏面電極14から透明導電膜12へ連通する第1連通部23が設けられている。
〈太陽電池モジュール10の構成〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール10の上面図は、図2と同様である。
図8は、図2のA−A(短手方向に沿った)断面図であり、図2の上部(図2の丸で囲んだ部分)を拡大したものである。
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、発電領域21内において、裏面電極14から透明基板11へ連通する第1連通部23に加えて、裏面電極14から透明導電膜12へ連通する第1連通部23が設けられている。
その他の構成については、第1実施形態と同様である。
〈太陽電池モジュール10の製造方法〉
本実施形態に係る製造方法では、発電領域21内の光電変換層13において、裏面電極14から透明基板11へ連通する第1連通部23に加えて、裏面電極14から透明導電膜12へ連通する第1連通部23が形成される。
即ち、第1実施形態では、発電領域21となる領域に形成された光電変換層13において、裏面側からYAGレーザーを照射することにより、透明基板上11で光電変換層13を連通する第1連通部23が形成されたが、本実施形態では、さらに、裏面側からYAGレーザーを照射することにより、透明導電膜12上で光電変換層13を連通する第1連通部23が形成される。
換言すれば、発電領域21内において、第1溝部17に沿って設けられた2種類の第1連通部23が形成される。
その他の処理については、第1実施形態と同様である。
〈作用及び効果〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、光電変換層13を裏面電極14から透明基板11へ連通する第1連通部23及び第2連通部24だけでなく、光電変換層13を裏面電極14から透明導電膜12へ連通する第1連通部23が、第1溝部17に沿って設けられる。第1連通部23及び第2連通部24には、裏面電極14が充填される。
このように、本実施形態に係る太陽電池モジュール10によれば、光電変換層13を裏面電極14から透明導電膜12へ連通する第1連通部23がさらに設けられることにより、より十全に光電変換層13の剥離が進行することを防止できる。
即ち、本実施形態に係る太陽電池モジュール10によれば、出力の低下及び外観不良の発生をより十全に抑制することができる。
〈その他の実施形態〉
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の実施形態では、非晶質シリコン半導体と微結晶シリコン半導体とが順次積層された光電変換層12及び13を用いたが、微結晶又は非晶質シリコン半導体の単層又は3層以上の積層体を用いても同様の効果を得ることができる。
又、上記の実施形態では、非発電領域22内において、裏面電極14から透明導電膜12へ光電変換層13を連通する第2連通部24を備える構成について記載したが、さらに、裏面電極14から透明基板11へ光電変換層13を連通する第2連通部24を備えてもよい。これによれば、非発電領域22内における光電変換層13の剥離の進行を、より十全に防止することができる。
又、上記の実施形態では、発電領域21内において、裏面電極14から透明導電膜12へ光電変換層13を連通する第2連通部24を備える構成について記載したが、第2連通部24は、裏面電極14から透明基板11へ光電変換層13を連通していてもよい。又、これら2種類の第2連通部24を備えていてもよい。これにより、非発電領域22内において、透明基板11からの光電変換層13の剥離が進行することをより十全に防止することができる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
以下、本発明に係る太陽電池モジュールについて、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができるものである。
〈実施例1〉
本発明の実施例1に係る太陽電池モジュールとして、図3に示す太陽電池モジュール10を以下のように製造した。
4mm厚のガラス基板11上に、スパッタにより600nm厚のZnO電極12を形成した。この後、ガラス基板11の裏面側からYAGレーザーを照射して、ZnO電極11を短冊状にパターニングした。当該レーザー分離加工には、波長約1.06μm、エネルギー密度10W、パルス周波数3kHzのNd:YAGレーザーを使用した。ここで、発電領域21と非発電領域22との境界部分については、YAGレーザーを複数回往復させて、3mm幅の溝を形成する。
次に、プラズマCVD法により、非晶質シリコン半導体層及び微結晶シリコン半導体層からなる光電変換層13を形成した。具体的に、非晶質シリコン半導体層は、プラズマCVD法により、SiH4とCH4とH2とB26との混合ガスから膜厚10nmのp型非晶質シリコン半導体層を、SiH4とH2との混合ガスから膜厚300nmのi型非晶質シリコン半導体層を、SiH4とH2とPH3との混合ガスから膜厚20nmのn型非晶質シリコン半導体層を形成し順次積層した。又、微結晶シリコン半導体層は、プラズマCVD法により、SiH4とH2とB26との混合ガスから膜厚10nmのp型微結晶シリコン半導体層を、SiH4とH2との混合ガスから膜厚2000nmのi型微結晶シリコン半導体層を、SiH4とH2とPH3との混合ガスから膜厚20nmのn型微結晶シリコン半導体層を形成し順次積層した。プラズマCVD法の諸条件の詳細を表1に示す。
Figure 0004226032
又、非晶質シリコン半導体層及び微結晶シリコン半導体層からなる光電変換層13を、ZnO電極12のパターニング位置から50μm横の位置に光入射側からYAGレーザーを照射することにより短冊状にパターニングした。
又、発電領域21となる領域に形成された光電変換層13を、裏面側からYAGレーザーを照射することにより、ガラス基板上11で光電変換層13を連通する400nm幅の第1連通部23を3つ形成した。
又、非発電領域22となる領域に形成された光電変換層13を、光入射側からYAGレーザーを照射することにより、ZnO電極12上で光電変換層13を連通する400nm幅の第2連通部24を2つ形成した。以上のレーザー分離加工には、エネルギー7W、パルス周波数3kHzのNd:YAGレーザーを使用した。
次に、200nm厚のAg電極14を、微結晶シリコン半導体層上にスパッタにより形成した。Ag電極14は、第1連通部23及び第2連通部24に充填される。
次に、非晶質シリコン半導体層及び微結晶シリコン半導体層からなる光電変換層13とAg電極14とを、裏面側からYAGレーザーを照射することにより短冊状にパターニングした。これにより、第2溝部18が形成された。当該レーザー分離加工には、エネルギー7W、パルス周波数4kHzのNd:YAGレーザーを使用した。
次に、非晶質シリコン半導体層及び微結晶シリコン半導体層からなる光電変換層13とAg電極14とを、光入射側からYAGレーザーを照射することにより除去し、発電領域21と非発電領域22とを電気的に分離する第1溝部17を形成した。当該レーザー分離加工には、エネルギー7W、パルス周波数4kHzのNd:YAGレーザーを使用した。
次に、光起電力素子上にEVA15とPETフィルム16とを順次配置して、ラミネート装置を用いて、150℃で30分加熱処理することで、EVA15を架橋、安定化して真空圧着した。
最後に、端子ボックスを取付けて取出し電極を接続して本発明の実施例に係る太陽電池モジュールを完成した。
〈実施例2〉
本発明の実施例2に係る太陽電池モジュールとして、図7に示す太陽電池モジュール10を製造した。本実施例では、非発電領域22となる領域において、Ag電極14からZnO電極12へ光電変換層13を連通する400nm幅の第2連通部24を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の工程を行った。
即ち、図7に示すように、太陽電池モジュール10の非発電領域22に、第2連通部24は存在しない。
〈実施例3〉
本発明の実施例3に係る太陽電池モジュールとして、図8に示す太陽電池モジュール10を製造した。本実施例では、発電領域21となる領域において、Ag電極14からガラス基板11へ光電変換層13を連通する400nm幅の第1連通部23に加えて、Ag電極14からZnO電極12へ光電変換層13を連通する400nm幅の第1連通部23を形成したこと以外は、実施例1と同様の工程を行った。
即ち、図8に示すように、太陽電池モジュール10の発電領域21には、2種類の第1連通部23が存在する。
〈従来例〉
従来例として、図9に示す太陽電池モジュール10を作製した。従来例では、第1連通部23及び第2連通部24を形成する工程を行わなかった。
即ち、図9に示すように、発電領域21及び非発電領域22には、第1連通部23及び第2連通部24は存在しない。
《耐湿性評価試験》
実施例1乃至3に係る太陽電池モジュールと従来例に係る太陽電池モジュールとの信頼性を比較するための耐湿性評価試験を行った。具体的には、IEC61646に従い、温度85℃、湿度85%の環境における各モジュールを1500時間暴露することを行った。
〈結果〉
耐湿性評価試験の結果は以下の通りである。
Figure 0004226032
目視で観察した結果、従来例では、500時間以内に、ガラス基板11と光電変換層(非晶質シリコン半導体層)13との界面において微小な剥離が発生した。その後、時間の経過とともに剥離が進行した。このように剥離が進行した状態の太陽電池モジュール10の特性を測定した結果、初期値に比べて95%以下に低下していた。
一方、実施例1では、1500時間経過した場合でも、剥離の発生は生じなかった。このため、第1溝部17に浸入した水分が、ガラス基板11と光電変換層13との界面に到達し、ガラス基板11からの光電変換層13の剥離が発生したとしても、Ag電極14が充填された第1連通部23及び第2連通部24によって、剥離の進行を防止することができることが分かった。又、剥離を起こす部分の光電変換層13の幅が狭くなったことで、膜ストレスが低減されたため、微小な剥離の発生をも防止することができた。
又、実施例2では、1000時間経過時点で、裏面分離部の外側、即ち、非発電領域22での微小な剥離が発生した。その後、1500時間経過時点で、非発電領域22内において、剥離の進行が確認された。しかしながら、1500時間経過した場合でも、発電領域21内での剥離は生じなかった。
又、実施例3では、実施例1と同様に、1500時間経過した場合でも、剥離の発生は生じなかった。但し、実施例3に係る太陽電池モジュール10が、実施例1に係る太陽電池モジュール10に比べて、より高い耐湿性を有することは当然に予想される。
従来の太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。 実施形態に係る太陽電池モジュールの上面図である。 本実施形態1に係る太陽電池モジュールの図2の短手方向に沿った断面図である。 本実施形態1に係る太陽電池モジュールの図2の長手方向に沿った断面図である。 本実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を示す模式図である(その1)。 本実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を示す模式図である(その2)。 本実施形態2に係る太陽電池モジュールの図2の短手方向に沿った断面図である。 本実施形態3に係る太陽電池モジュールの図2の短手方向に沿った断面図である。 従来の太陽電池モジュールの短手方向に沿った断面図である。
符号の説明
10…太陽電池モジュール
11…透明基板
12…透明導電膜
13…光電変換層
14…裏面電極
15…充填材
16…保護材
17…第1溝部
18…第2溝部
20…光起電力素子
21…発電領域
22…非発電領域
23…第1連通部
24…第2連通部

Claims (4)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に積層された第1電極と、前記第1電極上に積層された光電変換層と、前記光電変換層上に積層された第2電極と、前記第2電極上に充填材によって接着された保護材とを備え、長手方向及び短手方向に延びる短冊形状を有する光起電力素子が前記短手方向に沿って複数配置された太陽電池モジュールであって、
    前記光起電力素子を含む発電領域と、前記発電領域の周囲に設けられた非発電領域とを電気的に分離する第1溝部を備え、
    前記光電変換層には、前記第2電極側から前記透明基板側へ連通する第1連通部が設けられており、
    前記第1連通部は、前記発電領域内において前記第1溝部に沿って設けられており、
    前記第1連通部には、前記第2電極が充填されている
    ことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記光電変換層と前記第2電極とを、前記光起電力素子毎に分離する第2溝部をさらに備え、
    前記短手方向に沿って設けられた前記第1連通部は、前記透明基板上に形成され、前記第2溝部によって電気的に分離されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記長手方向に沿って設けられた前記第1連通部は、前記透明基板上又は前記第1電極上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記光電変換層には、前記第2電極側から前記透明基板側へ連通する第2連通部が設けられており、
    前記第2連通部は、前記非発電領域内において前記第1溝部に沿って設けられており、
    前記第2連通部には、前記第2電極が充填されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の太陽電池モジュール。
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