JP4228752B2 - 車体ルーフ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車体ルーフ構造に係り、特に、自動車等の車両における車体ルーフ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両における車体ルーフ構造においては、アルミ製のルーフパネルを鋼板製のルーフサイドレールに接合した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−274428号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような車体ルーフ構造では、ルーフサイドレールのアウタパネルとインナパネルとがそれぞれの接合フランジによって互いに接合されており、この接合フランジにルーフパネルが接合されている。この結果、鋼板製のルーフサイドレールに比べて熱膨張率の大きいアルミ製のルーフパネルが車幅外方に熱膨張した際には、ルーフパネルの熱膨張が剛性の高いルーフサイドレールの接合フランジとの接合部によって抑制される。このため、ルーフパネルにおけるルーフサイドレールとの接合部近傍が局部的に塑性変形し易い。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、ルーフサイドレールとの熱膨張の差によって発生するルーフパネルの塑性変形を防止できる車体ルーフ構造を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、アウタパネルとインナパネルとがそれぞれの接合フランジによって互いに接合されたルーフサイドレールを有する車体ルーフ構造であって、
ルーフパネルがアルミ製であり、前記ルーフサイドレールが鋼板製であって、前記アウタパネルの車幅方向内側の接合フランジと前記インナパネルの車幅方向内側の接合フランジとの何れか一方の車幅方向内側縁部に車体上方向に向かって段部を形成し、前記段部の上面と前記ルーフパネルの接合フランジとが接合されていることを特徴とする。
【0007】
従って、アウタパネルの車幅方向内側の接合フランジとインナパネルの車幅方向内側の接合フランジとの何れか一方の車幅方向内側縁部に車体上方向に向かって形成した段部の上面と、ルーフパネルの接合フランジとが接合されている。このため、鋼板製のルーフサイドレールと、鋼板の約2倍の線膨張係数を有するアルミ製のルーフパネルとの熱膨張率の違いによって、ルーフパネルがルーフサイドレールに対して車幅方向に膨張または収縮した際には、ルーフパネルの接合フランジが、ルーフサイドレールに対して接合フランジに比べ剛性の低い段部で接合されているため、ルーフパネルの膨張または収縮に応じてルーフサイドレール側の接合部近傍も変形する。この結果、ルーフサイドレールとの熱膨張の差によって発生するルーフパネルの塑性変形を防止できる。
【0011】
請求項2の本発明は、請求項1に記載の車体ルーフ構造において、前記ルーフパネルと前記ルーフサイドレールとの接合部を連続溶接したことを特徴とする。
【0012】
従って、請求項1に記載の内容に加えて、ルーフパネルとルーフサイドレールとの接合部を連続溶接とすることで、接合部におけるルーフパネルの部分的な浮き上がりを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に含まれない参考例としての車体ルーフ構造の第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0014】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0015】
図2に示される如く、本実施形態では、車体の左右のルーフサイドレール10(図2では左側のみ記載)が、ルーフサイドレール10の車体外側部を構成するルーフサイドレールアウタパネル12(以下、単にアウタパネル12という)と、ルーフサイドレール10の車体内側部を構成するルーフサイドレールインナパネル14(以下、単にインナパネル14という)とで形成されている。また、アウタパネル12とインナパネル14は鋼板製である。
【0016】
図1に示される如く、アウタパネル12の車体前方から見た断面形状は、開口部を車体内側へ向けたハット形状とされており、開口端部には上側接合フランジ12Aと下側接合フランジ12Bがそれぞれ形成されている。
【0017】
一方、インナパネル14の車体前方から見た断面形状は、開口部を車体外側へ向けたハット形状とされており、開口端部には上側接合フランジ14Aと下側接合フランジ14Bがそれぞれ形成されている。
【0018】
アウタパネル12の上側接合フランジ12Aと下側接合フランジ12Bは、それぞれインナパネル14の上側接合フランジ14Aと下側接合フランジ14Bに、スポット溶接等によって接合されており、ルーフサイドレール10の上側接合フランジ10Aと下側接合フランジ10Bを形成している。また、ルーフサイドレール10は車体前後方向へ伸びる閉断面構造となっている。
【0019】
アウタパネル12における上側接合フランジ12Aの近傍には、車体上方へ膨出した段部12Cが形成されており、段部12Cはルーフサイドレール10の上側接合フランジ10Aに比べ剛性の低い部位となっている。
【0020】
また、車体の左右のルーフサイドレール10に架設されるルーフパネル20はアルミ製であり、ルーフパネル20の車幅方向外側端部には、車体前後方向に沿って接合フランジ20Aが形成されている。ルーフパネル20の接合フランジ20Aは、アウタパネル12の段部12Cの上面に、レーザ溶接等によって車体上方側から接合されている(接合点P)。
【0021】
なお、ルーフパネル20の接合フランジ20Aと一般面20Bとの境には、縦壁部20Cが形成されている。
【0022】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0023】
本実施形態では、塗装の乾燥炉や外気温等によって車体の温度が上昇した場合に、ルーフパネル20の一般面20Bは、車幅外側方向(図1の矢印A方向)に向かって熱膨張する。また、アウタパネル12も車幅外側方向(図1の矢印B方向)に向かって熱膨張する。
【0024】
この際、本実施形態では、ルーフパネル20を形成するアルミの熱膨張率が、アウタパネル12を形成する鋼板の熱膨張率と異なり、アルミの線膨張係数が鋼板の線膨張係数の約2倍となっている。
【0025】
この結果、ルーフパネル20の一般面20Bにおける車幅外側方向(図1の矢印A方向)の膨張を、アウタパネル12における車幅外側方向(図1の矢印B方向)の膨張で吸収することはできないが、本実施形態では、接合フランジ20Aが、ルーフサイドレール10の上側接合フランジ10Aに比べ剛性の低い部位となっているアウタパネル12の段部12Cに接合されている。このため、熱膨張率の違いによって、ルーフパネル20が、アウタパネル12に対して車幅外側方向に大きく膨張した際には、ルーフパネル20が膨張するのにともなって、アウタパネル12における段部12C及びその近傍が図1に二点鎖線で示すように変形する。
【0026】
従って、本実施形態では、ルーフパネル20の熱膨張をアウタパネル12における段部12C及びその近傍の変形によって吸収できるため、ルーフサイドレール10との熱膨張の差によって発生するルーフパネル20の塑性変形を防止できる。
【0027】
なお、本実施形態では、ルーフパネル20の接合フランジ20Aを、アウタパネル12の段部12Cの上面に接合したが、ルーフパネル20の接合フランジ20Aを接合する部位は、アウタパネル12の段部12Cに限定されず、ルーフサイドレール10の上側接合フランジ10Aまたは下側接合フランジ10Bに比べ剛性の低い部位であればルーフサイドレール10の他の部位でも良い。
【0028】
次に、本発明の車体ルーフ構造である第2実施形態を図3に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
図3に示される如く、本実施形態では、アウタパネル12における上側接合フランジ12Aの車幅方向内側縁部に車体上方に向かって形成した段部12Dの上面にルーフパネル20の接合フランジ20Aを接合した構成となっている。
従って、アウタパネル12の車幅方向内側の接合フランジ12Aの車幅方向内側縁部に車体上方向に向かって形成した段部12Dの上面と、ルーフパネル20の接合フランジ20Aが接合されている。このため、鋼板製のルーフサイドレール10と、鋼板の約2倍の線膨張係数を有するアルミ製のルーフパネル20との熱膨張率の違いによって、ルーフパネル20がルーフサイドレール10に対して車幅方向に膨張または収縮した際には、ルーフパネル20の接合フランジ20Aが、ルーフサイドレール10に対して接合フランジ10Aに比べ剛性の低い段部12Dで接合されているため、ルーフパネル20の膨張または収縮に応じてルーフサイドレール10側の接合部近傍も変形する。この結果、ルーフサイドレール10との熱膨張の差によって発生するルーフパネル20の塑性変形を防止できる。
【0029】
次に、本発明の車体ルーフ構造である第3実施形態を図4に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
図4に示される如く、本実施形態では、インナパネル14における上側接合フランジ14Aの車幅方向内側縁部に車体上方に向かって形成した段部14Cの上面にルーフパネル20の接合フランジ20Aを接合した構成となっている。
従って、インナパネル14の車幅方向内側の接合フランジ14Aの車幅方向内側縁部に車体上方向に向かって形成した段部14Cの上面と、ルーフパネル20の接合フランジ20Aが接合されている。このため、鋼板製のルーフサイドレール10と、鋼板の約2倍の線膨張係数を有するアルミ製のルーフパネル20との熱膨張率の違いによって、ルーフパネル20がルーフサイドレール10に対して車幅方向に膨張または収縮した際には、ルーフパネル20の接合フランジ20Aが、ルーフサイドレール10に対して接合フランジ10Aに比べ剛性の低い段部14Cで接合されているため、ルーフパネル20の膨張または収縮に応じてルーフサイドレール10側の接合部近傍も変形する。この結果、ルーフサイドレール10との熱膨張の差によって発生するルーフパネル20の塑性変形を防止できる。
【0030】
なお、本発明に含まれない参考例としての第1実施形態では、ルーフパネル20の接合フランジ20Aを、アウタパネル12の段部12Cの上面に、レーザ溶接等によって車体上方側から接合したが、これに代えて、図5に示される如く、インナパネル14に溶接用の作業孔30を形成し、ルーフパネル20の接合フランジ20Aを、アウタパネル12の段部12Cの上面に、スポット溶接等によって車体上下方側から接合した構成もある。
【0031】
次に、本発明における車体ルーフ構造の第4実施形態を図6に従って説明する。
【0032】
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図6に示される如く、本実施形態では、ルーフパネル20の接合フランジ20Aの車幅方向外側端末20Dが、アウタパネル12の上側接合フランジ12Aの上面に、レーザ溶接によって車体上方側から車体前後方向に沿って連続溶接されている(溶接部S)。なお、この第4実施形態の車体上方側から車体前後方向に沿って連続溶接する構成以外のフランジの板組構造は本発明に含まれない参考例とする。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0035】
本実施形態では、外気温等によって車体の温度が上昇した場合に、ルーフパネル20の一般面20Bは、車幅外側方向(図6の矢印A方向)に向かって熱膨張する。また、アウタパネル12も車幅外側方向(図6の矢印B方向)に向かって熱膨張する。
【0036】
この際、本実施形態では、ルーフパネル20を形成するアルミの熱膨張率が、アウタパネル12を形成する鋼板の熱膨張率と異なり、アルミの線膨張係数が鋼板の線膨張係数の約2倍となっている。
【0037】
この結果、ルーフパネル20の一般面20Bにおける車幅外側方向(図6の矢印A方向)の膨張を、アウタパネル12における車幅外側方向(図6の矢印B方向)の膨張で吸収することはできないが、本実施形態では、ルーフパネル20の接合フランジ20Aの車幅方向外側端末20Dが、アウタパネル12の上側接合フランジ12Aの上面に接合されている。このため、熱膨張率の違いによって、ルーフパネル20が、アウタパネル12に対して車幅外側方向に大きく膨張した際には、ルーフパネル20が膨張するのにともなって、ルーフパネル20の接合フランジ20Aが車幅方向外側端末20Dを起点にして図6に二点鎖線で示すように変形する。
【0038】
従って、本実施形態では、ルーフパネル20の熱膨張をルーフパネル20の接合フランジ20A及びその近傍の変形によって吸収できるため、ルーフサイドレール10との熱膨張の差によって発生するルーフパネル20の塑性変形を防止できる。
【0039】
また、本実施形態では、外気温等によって車体の温度が上昇した場合に、ルーフパネル20の接合フランジ20Aは、車体前後方向(図6の矢印C方向)に向かって膨張する。また、アウタパネル12も車体前後方向(図6の矢印C方向)に向かって膨張する。
【0040】
この際、ルーフパネル20を形成するアルミの熱膨張率が、アウタパネル12を形成する鋼板の熱膨張率と異なり、アルミの線膨張係数が鋼板の線膨張係数の約2倍となっている。
【0041】
この結果、ルーフパネル20の接合フランジ20Aとアウタパネル12の上側接合フランジ12Aとをリベット等によって車体前後方向に所定の間隔をあけて接合した場合には、ルーフパネル20の接合フランジ20Aとアウタパネル12の上側接合フランジ12Aとの線膨張係数の違いにより、ルーフパネル20の接合フランジ20Aに接合部間の部分的な浮き上がりが発生する。
【0042】
これに対して、本実施形態では、ルーフパネル20の接合フランジ20Aを、アウタパネル12の上側接合フランジ12Aの上面に、レーザ溶接によって車体前後方向に沿って連続溶接(溶接部S)したため、ルーフパネル20とアウタパネル12との線膨張係数の違いにより発生する接合部における接合フランジ20Aの部分的な浮き上がりを防止できる。
【0043】
更に、本実施形態では、ルーフパネル20の接合フランジ20Aの車幅方向外側端末部20Dを、アウタパネル12の上側接合フランジ12Aの上面に、レーザ溶接によって車体前後方向に沿って連続溶接(溶接部S)したため、接合そのものにより水の侵入経路を断つことができる。この結果、シーラを廃止することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、レーザ溶接によって、ルーフパネル20の接合フランジ20Aの車幅方向外側端末部20Dを、アウタパネル12の上側接合フランジ12Aの上面に、車体前後方向に沿って連続溶接したが、レーザ溶接に代えて、レーザ蝋付け、接着等の他の接合方法によって、ルーフパネル20の接合フランジ20Aの車幅方向外側端末部20Dを、アウタパネル12の上側接合フランジ12Aの上面に、車体前後方向に沿って連続溶接した構成としても良い。
【0045】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明は、アウタパネルとインナパネルとがそれぞれの接合フランジによって互いに接合されたルーフサイドレールを有する車体ルーフ構造であって、ルーフパネルがアルミ製であり、ルーフサイドレールが鋼板製であって、アウタパネルの車幅方向内側の接合フランジとインナパネルの車幅方向内側の接合フランジとの何れか一方の車幅方向内側縁部に車体上方向に向かって段部を形成し、段部の上面とルーフパネルの接合フランジとが接合されているため、ルーフサイドレールとの熱膨張の差によって発生するルーフパネルの塑性変形を防止できるという優れた効果を有する。
【0049】
請求項2の本発明は、請求項1に記載の車体ルーフ構造において、ルーフパネルとルーフサイドレールとの接合部を連続溶接したため、請求項1に記載の内容に加えて、接合部におけるルーフパネルの部分的な浮き上がりを防止できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に含まれない参考例としての第1実施形態に係る車体ルーフ構造を示す車両斜め前方外側から見た一部を断面とした斜視図である。
【図2】 本発明に含まれない参考例としての第1実施形態に係る車体ルーフ構造を示す車両斜め前方内側から見た一部を断面とした分解斜視図である。
【図3】 本発明の車体ルーフ構造である第2実施形態に係る車体ルーフ構造を示す車両斜め前方外側から見た一部を断面とした斜視図である。
【図4】 本発明の車体ルーフ構造である第3実施形態に係る車体ルーフ構造を示す車両斜め前方外側から見た一部を断面とした斜視図である。
【図5】 本発明に含まれない他の参考例に係る車体ルーフ構造を示す車両斜め前方外側から見た一部を断面とした斜視図である。
【図6】 本発明の第4実施形態に係る車体ルーフ構造を示す車両斜め前方外側から見た一部を断面とした斜視図である。
【符号の説明】
10 ルーフサイドレール
10A ルーフサイドレールの上側接合フランジ
10B ルーフサイドレールの下側接合フランジ
12 ルーフサイドレールアウタパネル
12D ルーフサイドレールアウタパネルの段部(剛性の低い部位)
14 ルーフサイドレールインナパネル
14C ルーフサイドレールインナパネルの段部(剛性の低い部位)
20 ルーフパネル
20A ルーフパネルの接合フランジ
20B ルーフパネルの一般面
20D ルーフパネルにおける接合フランジの車幅方向外側端末部
Claims (2)
- アウタパネルとインナパネルとがそれぞれの接合フランジによって互いに接合されたルーフサイドレールを有する車体ルーフ構造であって、
ルーフパネルがアルミ製であり、前記ルーフサイドレールが鋼板製であって、前記アウタパネルの車幅方向内側の接合フランジと前記インナパネルの車幅方向内側の接合フランジとの何れか一方の車幅方向内側縁部に車体上方向に向かって段部を形成し、前記段部の上面と前記ルーフパネルの接合フランジとが接合されていることを特徴とする車体ルーフ構造。 - 前記ルーフパネルと前記ルーフサイドレールとの接合部を連続溶接したことを特徴とする請求項1に記載の車体ルーフ構造。
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