JP4228809B2 - セルロースエステルフィルム、その製造方法及び偏光板 - Google Patents

セルロースエステルフィルム、その製造方法及び偏光板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学用途に利用されるセルロースエステルフィルムとその製造方法、及びそれを用いた偏光板に関するものであり、詳しくは、液晶表示装置等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルム、あるいは有機ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルム等にも利用することができるセルロースエステルフィルムとその製造方法、及びそれを用いた偏光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶画像表示装置は、低電圧かつ低消費電力でIC回路への直結が可能であり、しかも薄型化が可能であるから、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等の表示装置として広く使用されている。この液晶画像表示装置の基本的な構成は、液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すので、液晶画像表示装置においては、偏光板は、電界による配向の変化を可視化させるさせる重要な役割を担っており、偏光板の性能によって液晶画像表示装置の性能が大きく左右される。
【0003】
偏光板の一般的な構成は、たとえばアルカリケン化して一軸延伸されかつヨウ素染色されたポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜の片面または両面に、セルローストリアセテートフィルムやセルロースアセテートプロピオネートフィルム等のセルロースエステルフィルムからなる保護膜が、ポリビニルアルコールのような粘着剤を介して貼り合わせられたものである。
【0004】
このようなセルロースエステルフィルムは、一般に、溶液流延製膜法により製造されている。すなわち、セルロースエステルのドープを、ダイにより、表面に鏡面処理が施されたエンドレスベルト上に流延し、エンドレスベルトがほぼ1周する間に、流延されたドープを乾燥させることによりフィルムを形成するとともに、このウェブを剥離ロールにより剥離し、剥離されたウェブを加熱乾燥装置において加熱乾燥し、この乾燥させられたウェブを巻取ロールに巻き取ることにより、セルロースエステルフィルムが製造されている。
【0005】
このようなセルロースエステルフィルムの製造方法においては、ウェブを支持体から剥離した後巻き取るまでの段階における搬送条件および乾燥条件によって、最終製品であるセルロースエステルフィルムの光学特性、寸法安定性、平面性などが異なったものになることが判明している。すなわち、ウェブを支持体から剥離した後巻き取るまでの段階において、ウェブは溶媒の蒸発に伴って収縮するが、搬送方向には搬送張力が加わっているため、ウェブの搬送方向と幅方向とでは伸縮率が異なる。ところで、ウェブを支持体から剥離した後巻き取るまでの段階における乾燥中に、ウェブに作用する力によって、最終製品であるセルロースエステルフィルムの分子配向状態が決定されるが、上記伸縮率が搬送方向と幅方向とで異なると、最終製品であるセルロースエステルフィルムにおいては、ウェブの搬送方向および幅方向のいずれの方向の分子配向状態が異なることにより、両方向での光の屈折率が大きく異なってしまい、面内レターデーションRoが大きく、たとえばRo>2nmとなって、必要とされる偏光板の変更性能が得られないという問題がある。
【0006】
また、最終製品であるセルロースエステルフィルムを高温、高湿の環境に放置すると、フィルムの寸法が変化し、偏光板の保護膜として使用した場合、偏光子と液晶パネルとの間に浮きが生じて白抜けなどの故障の原因となってしまうという問題がある。
【0007】
更に、ウェブを支持体から剥離した後巻き取るまでの段階におけるウェブの幅方向の伸縮量が、最終製品であるセルロースエステルフィルムの搬送方向の厚さのむら、すなわち平面性に影響を及ぼすことが判明している。そして、最終製品であるセルロースエステルフィルムの上記平面性を向上させるために、ウェブを支持体から剥離した後巻き取るまでの段階において、ウェブを幅方向に延伸する方法が知られている(特開昭62−46626号公報参照)。しかしながら、この方法においても、ウェブを支持体から剥離してから延伸するまでの間の幅方向の伸縮量が大きいと、平面性向上の効果が得られないという問題がある。しかも、ウェブを幅方向に延伸するさいの延伸率が大きくなりすぎると、最終製品であるセルロースエステルフィルムの分子配向軸(光学的遅相軸)が、フィルムの幅方向でばらつくという問題がある。
【0008】
上記課題に対し、ウェブを支持体から剥離した後、巻き取るまでの間の段階において、ウェブの搬送方向の伸縮率(%)をMD、同じく幅方向の伸縮率(%)をTDが、−4%≦MD−TD≦4%なる関係を満たすセルロースエステルフィルムの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。一方、セルロースエステルフィルムの寸法安定性の改良を目的として、セルロースエステルに対する全可塑剤の含有量及び凝固点が20℃以下の可塑剤のセルロースエステルに対する比率を特定の条件に設定したセルロースエステルフィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、フタル酸エステル系可塑剤をセルロースエステルに対して特定の範囲で含有し、寸法安定を改良した液晶表示用部材が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。更に、凝固点が25℃以上の可塑剤と、凝固点が25℃未満の可塑剤とを各々少なくとも1種含有し、かつ、融点が20℃未満の紫外線吸収剤を含有し、異物・欠陥が少なく、かつ、偏光板の耐久性を改良したセルロースエステルフィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0009】
一方、液晶ディスプレイの薄型軽量化、大型画面化、高精細化の開発が進んでいる。それに伴って、液晶偏光板用の保護フィルムもますます薄膜化、広幅化、高品質化の要求が強くなってきており、この様な要求に対しては、上記各特許文献で提案された方法では、ある程度の効果は認められるが、更なる改良が求められている。
【0010】
また、液晶ディスプレイを大画面化すると、偏光板の寸法変化によって額物状の白抜け故障が発生しやすく、問題となっていた。これを解決するために、特願2003−137518号で、流延後のウェブを延伸することによって、セルロースエステルフィルムの弾性率を高くし、偏光板の寸法変化を改善する方法を示した。しかしながら、ウェブを延伸したことにより、Rt(厚み方向のレターデーション)が高くなってしまう問題があった。Rtが高くなると液晶ディスプレイの視野角が変わってしまう。また、延伸することによって、フィルムのヘイズが高くなってしまう問題も発生した。これらの問題は、大画面、高精細が要求される液晶テレビにおいては、重要な課題であり、更なる改良が求められている。
【0011】
【特許文献1】
特開2003−94470号公報 (特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献2】
特開平10−120824号公報 (特許請求の範囲)
【0013】
【特許文献3】
特開平10−152568号公報 (特許請求の範囲)
【0014】
【特許文献4】
特開2001−151901号公報 (特許請求の範囲)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、光学特性、寸法安定性、透明性に優れ、かつ偏光板としての平面性、額縁状白抜け故障耐性に優れたセルロースエステルフィルムとその製造方法及びそれを用いた偏光板を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
【0017】
1.紫外線吸収剤及び2種以上の可塑剤を含有するセルロースエステルフィルムの製造方法において、該可塑剤の1種が多価アルコールエステル系可塑剤であり、他の少なくとも1種がリン酸エステル系可塑剤以外から選ばれる可塑剤であり、該セルロースエステルフィルムが、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnが1.8〜3.0のセルロースエステルを含有したドープを溶液流延製膜法でベルト支持体上に流延製膜してウェブを形成し、該ウェブ中の残留溶剤量が40質量%以上であるときに、MD方向(ウェブの搬送方向と同一方向)に延伸を開始し、かつ残留溶剤量が40質量%未満であるときに、TD方向(ウェブの搬送方向と直交する方向)に延伸することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0018】
2.前記紫外線吸収剤が、20℃で液体状であることを特徴とする前記1項記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0019】
3.前記ドープが、樹脂及び有機溶媒を含む微粒子分散液を含有し、該樹脂が下記式(I)及び式(II)を同時に満たすセルロースエステルであることを特徴とする前記1または2項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0020】
式(I)
2.6≦X+Y≦2.9
式(II)
0≦X≦2.5
〔式(I)、式(II)において、Xはアセチル基の置換度を、Yはプロピオニル基またはブチリル基の置換度を表す。〕
4.前記1〜3項のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法により作製されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
【0021】
5.前記4項記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする偏光板。
【0022】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、紫外線吸収剤及び2種以上の可塑剤を含有するセルロースエステルフィルム(以下、単にフィルムともいう)で、該可塑剤の1種が多価アルコールエステル系可塑剤であり、他の少なくとも1種がリン酸エステル系可塑剤以外から選ばれる可塑剤であり、該セルロースエステルフィルムが、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnが1.8〜3.0のセルロースエステルを含有したドープを溶液流延製膜法でベルト支持体上に流延製膜してウェブを形成し、該ウェブ中の残留溶剤量が40質量%以上であるときに、MD方向(ウェブの搬送方向と同一方向)に延伸を開始し、かつ残留溶剤量が40質量%未満であるときに、TD方向(ウェブの搬送方向と直交する方向)に延伸するセルロースエステルフィルムの製造方法により、偏光板の寸法安定性に優れ、額縁状の白抜け発生がなく、視野角特性、透明性に優れたセルロースエステルフィルムを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
【0023】
すなわち、本発明者が検討を重ねた結果、セルロースエステルフィルムに含有されるリン酸エステル系可塑剤により、延伸時にRtが大きく上昇することを見出した。しかしながら、単に可塑剤を除いてしまうと、偏光子の劣化など別の課題を招く結果となる。本発明者は、多価アルコールエステル系可塑剤とリン酸エステル系可塑剤以外の可塑剤を少なくとも2種併用することにより、延伸してもRtが大きく上昇しないことを見出し、本発明に至った次第である。
【0024】
また、可塑剤より上記効果は少ないが、用いる紫外線吸収剤が、20℃で固体状態である場合での、延伸時のRt上昇に影響を及ぼしていることが判明した。よって、使用する紫外線吸収剤として、20℃で液体状の化合物を用いることにより改良できることも見出した。延伸条件の最適条件への設定と、可塑剤、紫外線吸収剤の最適な特性を有する化合物との組み合わせによって、偏光板の寸法変化に優れ、額縁状の白抜け発生がなく、視野角特性にも優れたセルロースエステルフィルムが得られる。
【0025】
また、セルロースエステルフィルムに添加される微粒子添加液に含まれる樹脂の特性によって、延伸してもヘイズが大きく上昇しないことが判明した。すなわち、延伸条件と微粒子添加液に含まれる特定の条件を備えた樹脂を組み合わせることによって、偏光板の寸法安定性に優れ、額縁状の白抜け発生がなく、透明性にも優れたセルロースエステルフィルムが得られることを見出したものである。
【0026】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法においては、可塑剤として、多価アルコールエステル系可塑剤と、少なくとも1種のリン酸エステル系可塑剤以外から選ばれる可塑剤を用いることが、1つの特徴であり、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤を実質的に含有しないことを意味する。
【0027】
本発明でいう「実質的に含有しない」とは、リン酸エステル系可塑剤の含有量が1質量%未満、好ましくは0.1質量%であり、特に好ましいのは添加していないことである。
【0028】
上記で規定する2種以上の可塑剤を含有させることによって、可塑剤のブリードアウトを少なくすることができる。その理由は明らかではないが、それぞれの可塑剤1種類当たりの添加量を低減することにより、2種の可塑剤間あるいはセルロースエステルとの相互作用によって生じるブリードアウトが抑制されるものと推測している。
【0029】
本発明に係る2種以上の可塑剤としては、少なくとも1種が多価アルコールエステル系可塑剤で、他の少なくとも1種のリン酸エステル系可塑剤以外から選ばれる可塑剤であれば特に限定されないが、好ましくは、前記多価アルコールエステル系可塑剤の他に、フタル酸エステル、クエン酸エステル、脂肪酸エステル、グリコレート系可塑剤等から選択される。少なくとも1種が多価アルコールエステル系可塑剤であることにより、延伸時にRtの変化を低減でき好ましい。
【0030】
本発明に係る多価アルコールエステル系可塑剤は、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる可塑剤であり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。
【0031】
本発明に用いられる多価アルコールは、下記の一般式(1)で表される。
一般式(1)
1−(OH)n
上記一環式(1)において、R1はn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性またはフェノール性水酸基を表す。
【0032】
好ましい多価アルコールの例としては、例えば、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
例えば、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
【0034】
本発明に係る多価アルコールエステル系可塑剤に用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると、透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
【0035】
好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
【0037】
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
【0038】
好ましい脂環族モノカルボン酸としては、例えば、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
【0039】
好ましい芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができ、特に安息香酸が好ましい。
【0040】
多価アルコールエステルの分子量は、特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることが更に好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましいため、最適範囲が存在する。
【0041】
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
【0042】
以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
【0043】
【化1】
Figure 0004228809
【0044】
【化2】
Figure 0004228809
【0045】
【化3】
Figure 0004228809
【0046】
【化4】
Figure 0004228809
【0047】
グリコレート系可塑剤としては、特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えば、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられる。
【0048】
フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が挙げられる。
【0049】
クエン酸エステル系可塑剤としては、例えば、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
【0050】
脂肪酸エステル系可塑剤としては、例えば、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
【0051】
リン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられるが、これらのリン酸エステル系可塑剤は、本発明を構成するセルロースエステルフィルム中には実質的に含有しないものである。
【0052】
セルロースエステルフィルム中の可塑剤の総含有量は、固形分総量に対し、5〜20質量%が好ましく、6〜16質量%が更に好ましく、特に好ましくは8〜13質量%である。また、2種の可塑剤の含有量は各々少なくとも1質量%以上であり、好ましくは各々2質量%以上含有することである。
【0053】
多価アルコールエステル系可塑剤は、1〜12質量%含有することが好ましく、特に3〜11質量%含有することが好ましい。1質量%以上であれば、優れた平面性を維持でき、12質量%以下であれば、ブリードアウトの発生を抑制することができる。多価アルコールエステル系可塑剤とその他の可塑剤との比率は、1:4〜4:1の範囲であることが好ましく、1:3〜3:1であることが更に好ましい。可塑剤の添加量が多すぎても、また少なすぎてもフィルムが変形しやすくなるため好ましくない。
【0054】
本発明のセルロースエステルフィルムは、セルロースが重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで除した分子量分布Mw/Mnが1.8〜3.0であり、かつ溶液流延製膜法によりウェブを作製した後、ウェブの幅手方向(TD方向)に延伸するときのウェブ中に含有される残留溶剤量よりも、ウェブの搬送方向(MD方向)に延伸するときの残留溶剤量の方が高い状態で延伸することにより製造したことを特徴としている。
【0055】
ここで使用するセルロースエステルの分子量分布Mw/Mnを、1.8〜3.0の範囲に限定した理由は、セルロースエステルの分子量分布Mw/Mnが1.8未満であると、延伸によりウェブ表面あるいは内部で、セルロースエステルの結晶化が部分的に発生するため、加工性や寸法安定性において品質にバラツキが生じるので、好ましくなく、これに対し、セルロースエステルの分子量分布Mw/Mnが3.0を超えると、延伸によりウェブ表面に細かな凹凸が発生しやすいので、好ましくないからである。
【0056】
本発明に用いられるセルロースエステルの分子量は、数平均分子量(Mn)で90,000〜180,000のものが用いられ、120,000〜180,000のものが更に好ましく、150,000〜180,000が特に好ましい。数平均分子量(Mn)が90,000未満であると、フィルム製膜時にシワが入りやすくなるので好ましくなく、数平均分子量(Mn)が180,000を超えるとドープ粘度が非常に高くなるので生産上好ましくない。
【0057】
セルロースエステルの平均分子量および分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて公知の方法で測定することができる。これを用いて数平均分子量、重量平均分子量を算出し、その比(Mw/Mn)を計算することができる。
【0058】
測定条件の一例を、以下に示す。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に得ることが好ましい。
【0059】
本発明に係るセルロースエステルは、綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独あるいは混合して用いることができる。特に、綿花リンター(以下、単にリンターとすることがある)、木材パルプから合成されたセルロースエステルを単独あるいは混合して用いることが好ましい。
【0060】
また、これらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。これらのセルロースエステルは、セルロース原料を、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いて常法により反応させて得ることができる。
【0061】
アセチルセルロースの場合、酢化率を上げようとすれば、酢化反応の時間を延長する必要がある。但し、反応時間を余り長くとると分解が同時に進行し、ポリマー鎖の切断やアセチル基の分解などが生じ、好ましくない結果をもたらす。従って、酢化度を上げ、分解をある程度抑える為には、反応時間はある範囲に設定することが必要である。ただし、反応時間だけで規定することは、反応条件が様々であり、反応装置や設備その他の条件で大きく変わるので適切でなく、その他の諸条件を適宜調整することが好ましい。ポリマーは分解が進むにつれて、分子量分布が広くなっていくため、セルロースエステルの場合にも、分解の度合いは、通常用いられる重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比で規定できる。すなわち、セルローストリアセテートの酢化の過程で、余り長すぎて分解が進みすぎることがなく、かつ酢化に対し充分な酢化反応時間を付与させるための反応度合いのひとつの指標として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値を用いることができる。
【0062】
また、合成されたセルロースエステルは、精製して低分子量成分を除去したり、未酢化の成分を濾過で取り除くことも好ましい。
【0063】
また、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分によっても影響を受ける。これらは製造工程で使われる水に関係していると考えられるが、不溶性の核となり得るような成分は少ない方が好ましく、例えば、鉄、カルシウム、マグネシウム等の金属イオンは、有機の酸性基を含んでいる可能性のあるポリマー分解物等と塩形成することにより、不溶物を形成する場合があり、少ないことが好ましい。鉄(Fe)成分については、1ppm以下であることが好ましい。カルシウム(Ca)成分については、地下水や河川の水等に多く含まれ、これが多いと硬水となり、飲料水としても不適当であるが、カルボン酸や、スルホン酸等の酸性成分と、また多くの配位子と配位化合物、すなわち錯体を形成しやすく、多くの不溶なカルシウムに由来するスカム(不溶性の澱、濁り)を形成する。よって、カルシウム(Ca)成分は60ppm以下、好ましくは0〜30ppmである。マグネシウム(Mg)成分については、やはり多すぎると不溶分を生ずるため、0〜70ppmであることが好ましく、特に0〜20ppmであることが好ましい。鉄(Fe)分の含量、カルシウム(Ca)分含量、マグネシウム(Mg)分含量等の金属成分は、完全に乾燥したセルロースエステルを、マイクロダイジェスト湿式分解装置(硫硝酸分解)、アルカリ溶融で前処理を行った後、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いて分析を行うことによって求めることができる。
【0064】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法においては、溶液流延製膜法によりウェブを製膜した後、残留溶剤量が40%以上であるときに該ウェブをMD方向に延伸を開始し、かつ残留溶剤量が40%未満であるとき、TD方向に延伸することが特徴である。残留溶剤量が40%以上であるときに、該ウェブをMD方向に延伸し、かつ残留溶剤量が40%未満であるとき、TD方向に延伸するのは、剥離後のウェブを高残留溶剤状態でMD方向とTD方向の両方に延伸してしまうと、MD方向に延伸してTACの配向性を高めても、TD方向の延伸によってその配向性が乱れてしまい、弾性率向上の効果が低くなってしまうためである。本発明のセルロースエステルフィルムは、トリアセチルセルロース(以下、TACともいう)の配向性を乱すことなく、弾性率の向上を維持できるものである。残留溶剤量が60〜120%であるときに該ウェブをMD方向に延伸を開始することが更に好ましく、90〜110%が最も好ましい。残留溶剤量が1〜30%未満であるとき、TD方向に延伸することが更に好ましく、5〜20%が最も好ましい。
【0065】
本発明に係る残留溶剤量は、下記の式で表すことができる。
残留溶剤量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの質量である。
【0066】
本発明のセルロースエステルフィルムの延伸倍率は、MD方向とTD方向とも1.05〜1.3倍が好ましく、1.05〜1.15倍が更に好ましい。MD方向とTD方向延伸により面積が1.12倍〜1.44倍となっていることが好ましく、1.15倍〜1.32倍となっていることが更に好ましい。これは、MD方向の延伸倍率×TD方向の延伸倍率で求めることができる。MD方向の延伸倍率が1.05倍未満では、弾性率向上効果が少なく好ましくない。TD方向の延伸倍率が1.05倍未満では、Ro低減効果が少なく好ましくない。また、延伸倍率が1.3倍を超えてもヘイズも増加するため好ましくない。
【0067】
MD方向に延伸するために、剥離張力を130N/m以上で剥離することが好ましく、特に好ましくは150〜170N/mである。剥離後のウェブも高残留溶剤状態であるため、剥離張力と同様の張力を維持することで、MD方向への延伸を行うことができる。ウェブが乾燥し、残留溶剤量が減少するに従って、MD方向への延伸率は低下する。
【0068】
本発明では、セルロースエステルフィルムをMD方向に延伸する延伸ゾーンのロールスパンが1.0m以下であることが好ましい。本発明において、分子量分布を有するセルロースエステルフィルムを、高残留溶剤量の状態でMD方向に延伸する場合、MD方向へのツレが発生しやすく、ロールスパンが1.0m以下であると、ツレを防止することができる。また、MD方向へ延伸しているときのウェブ温度は10〜40℃が好ましく、この範囲にすることで、フィルムの平面性が良くなるからである。
【0069】
本発明において、MD方向の延伸倍率は、ベルト支持体の回転速度とテンター運転速度から算出することができる。
【0070】
TD方向に延伸するには、例えば、特開昭62−46625号に示されているような乾燥全工程或いは一部の工程を巾方向にクリップまたはピンを用いて、ウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式と呼ばれる)、中でも、クリップを用いるクリップテンター方式、ピンを用いるピンテンター方式が好ましく用いられる。
【0071】
テンターを行う場合の乾燥温度は30〜150℃が好ましく、80〜150℃が更に好ましく、100〜140℃が最も好ましい。乾燥温度は、低い方が紫外線吸収剤、可塑剤などの蒸散が少なく、工程汚染耐性に優れ、乾燥温度の高い方がフィルムの平面性、弾性率に優れる。
【0072】
本発明のセルロースエステルフィルムにおいては、前述した可塑剤と共に、紫外線吸収剤を含有することが1つの特徴である。
【0073】
紫外線吸収剤は、一般に、400nm以下の紫外線を吸収することで、フィルムの耐久性を向上させることを目的としており、特に、波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
【0074】
本発明で用いる紫外線吸収剤としては、20℃で液体である紫外線吸収剤が好ましい。20℃で液体の紫外線吸収剤を使用することにより、ウェブを延伸したときにRtの変化が少なく好ましい。
【0075】
本発明で用いることのできる紫外線吸収剤は、特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。
【0076】
好ましく用いられる紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤であり、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例として、例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328等のチヌビン類があり、これらは何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の市販品であり好ましく使用できる。これらの中で、チヌビン109、チヌビン171は、20℃で液体の紫外線吸収剤であり、更に好ましく使用することができる。
【0077】
本発明のセルロースエステルフィルムでは、上述した紫外線吸収剤を2種以上を含有することが好ましい。
【0078】
紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒、あるいはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に、紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0079】
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、セルロースエステルフィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、セルロースエステルフィルムに対して0.5〜4.0質量%が好ましく、0.6g〜2.0質量%が更に好ましい。
【0080】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法においては、ドープが、樹脂及び有機溶媒を含む微粒子分散液を含有することが好ましい。
【0081】
本発明に使用されるとしては微粒子の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等の無機微粒子を挙げることができる。
【0082】
微粒子としては、ケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に、二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素微粒子は、一次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。一次粒子の平均粒子径が5〜16nmがより好ましく、5〜12nmが更に好ましい。一次粒子の平均粒子径が小さい方がヘイズが低く好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上が更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を調製することが可能になり、ヘイズの上昇や、凝集物の発生を低減するため好ましい。
【0083】
微粒子の添加量は1m2あたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.2gが最も好ましい。
【0084】
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
【0085】
ポリマー微粒子の例としては、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上、東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
【0086】
これら微粒子の中で、アエロジルR972Vが1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、延伸した場合でもセルロースエステルフィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
【0087】
二酸化珪素微粒子を溶剤と混合して分散するときの二酸化珪素の濃度としては、5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は、高い方が添加量に対する液濁度が低くなる傾向にあり、ヘイズ、凝集物の発生を抑制できる点で好ましい。
【0088】
使用される有機溶媒は、低級アルコール類として、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては、特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤と同種のものを用いることが好ましい。
【0089】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法においては、上記微粒子分散液が、微粒子及び有機溶媒と共に樹脂を含有し、該樹脂が下記式(I)及び式(II)で規定する条件を同時に満たすセルロースエステルであることが好ましい。
【0090】
式(I)
2.6≦X+Y≦2.9
式(II)
0≦X≦2.5
式(I)及び式(II)において、Xはアセチル基の置換度、Yはプロピオニル基またはブチリル基の置換度を表し、特に、1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)が好ましい。アシル基で置換されていない部分は、通常水酸基として存在している。これらは従来公知の方法に従って合成することができる。
【0091】
これらアシル基置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。
【0092】
微粒子添加液に含有されるセルロースエステルは、例えば、特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルは、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは混合して用いることもできる。
【0093】
微粒子分散液とセルロースエステルドープをインラインで混合する場合、微粒子を単に有機溶媒に分散しただけの粘度の低い分散液を使用すると、セルロースエステルドープ中で、ドープ母液との粘度の違いから相溶性が著しく低下し、その結果、混合がうまくいかない場合が発生する。そこで、微粒子分散液にセルロースエステルドープと同じセルロースエステルを使用することにより、ドープ母液に近い粘度とすることにより均一に混合される。ただし、この様なセルロースエステルを使用する条件とした場合、微粒子同士の凝集が促進されるため、微粒子の分散性、あるいは分散後の安定性(凝集性)が低下する。そのため、本発明のように弾性率を高めようと、ウェブを延伸すると、微粒子の未分散の凝集物がウェブ表面を粗らして、ヘイズが上昇してしまう。
【0094】
本発明者は鋭意検討を行った結果、微粒子添加液に含まれるセルロースエステルとして、上記式(I)及び(II)で規定する条件を同時に満たすセルロースエステルを用いることにより、ウェブを延伸してもヘイズの上昇を抑えられ、好ましいことを見出した。微粒子の凝集が抑えられる理由として、セルロースエステルのプロピオニル基やブチリル基が微粒子の表面に効率的に吸着する等の分散剤的な効果を示すためと推定している。
【0095】
微粒子分散液中のセルロースエステルの濃度は、2〜5質量%が好ましく、3〜4質量%が更に好ましい。微粒子分散液中の微粒子の濃度は、2〜10質量%が好ましく、5〜7質量%が更に好ましい。微粒子分散液中に紫外線吸収剤を含有させることもできる。その場合の濃度は、5〜15質量%が好ましく、8〜12質量%が更に好ましい。
【0096】
次いで、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法の詳細について、説明する。
【0097】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法に用いられる好ましい製膜工程の一例は、下記に示す溶解工程、流延工程、溶媒蒸発工程、剥離工程、乾燥工程及び巻き取り工程からなる。
【0098】
以下、各々の工程について詳細に説明する。
《溶解工程》
本発明において、セルロースエステル溶液のことをセルロースエステルドープまたは単にドープという。溶解工程は、溶解釜にセルロースエステルのフレークと、後述の良溶媒を主とする有機溶媒を添加し、溶解釜中で該フレークを攪拌しながら溶解し、ドープを形成する工程である。
【0099】
本発明では、ドープ中の固形分濃度は、15質量%以上に調整することが好ましく、特に18〜35質量%のものが好ましく用いられる。
【0100】
ドープ中の固形分濃度が高すぎるとドープ粘度が高くなりすぎ、流延時にシャークスキンなどの膜面故障が生じ、ウェブ平面性が劣化する場合があるので、35質量%以下であることが望ましい。また、ドープ粘度は10〜50Pa・sの範囲に調整されることが好ましい。
【0101】
溶解には、常圧で行う方法、好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)の沸点以下で行う方法、上記の良溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、冷却溶解法で行う方法、高圧で行う方法等種々の溶解方法等がある。良溶媒の沸点以上の温度で、かつ沸騰しない圧力をかけて溶解する方法としては、40.4〜120℃の温度で、0.11〜1.50MPaに加圧することで発泡を抑え、かつ、短時間に溶解する方法が挙げられる。
【0102】
ドープを調製する際に使用される溶媒としては、セルロースエステルを溶解できる溶媒であれば、特に限定はなく、また単独では溶解できない溶媒であっても他の溶媒と混合することにより、溶解できる溶媒であれば使用することができる。一般的には、良溶媒であるメチレンクロライドと、セルロースエステルの貧溶媒からなる混合溶媒を用い、かつ混合溶媒中には貧溶媒を4〜30質量%含有するものが好ましく用いられる。
【0103】
本発明で用いることのできる良溶媒としては、例えば、メチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、1,3−ジオキソラン等のジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(良溶媒)として挙げられる。その中でも、酢酸メチルを用いることにより、得られるフィルムのカールが少なくなるため特に好ましい。
【0104】
セルロースエステルの貧溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、teRt−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、これらの貧溶媒は単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0105】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法において、セルロースエステルを溶解する際に冷却溶解法を用いることも好ましい。冷却溶解方法としては、例えば、特開平9−95538号、同9−95544号、同9−95557号に記載の方法を使用することができる。また、特開平11−21379号に記載の高圧溶解方法も好ましく使用できる。
【0106】
溶解後、セルロースエステル溶液(ドープ)を濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送ることが好ましく、また、その際、ドープ中には、上記で説明した本発明に係る可塑剤、酸化防止剤、本発明に係る紫外線吸収剤、染料、本発明に係る微粒子等が添加される。
【0107】
これらの添加物は、セルロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0108】
このようにして得られたドープを用い、以下に説明する流延工程を経てセルロースエステルフィルムを得ることができる。
【0109】
《流延工程》
流延工程とは、上記調製したドープを、加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限に移送する無端の金属ベルト或いは回転する金属ドラムの流延用支持体(以降、単に支持体ということもある)上に、加圧ダイからドープを流延する工程である。流延用支持体の表面は、通常鏡面となっている。
【0110】
その他の流延方法としては、流延されたドープ膜をブレードで膜厚を制御するドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで膜厚を調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状の調製のし易さ、あるいは膜厚を均一に制御し易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。
【0111】
《溶媒蒸発工程》
ウェブ(本発明においては、流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜をウェブと称し、これに対し、乾燥されたものをフィルムと称す)を、流延用支持体上で加熱して溶媒を蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法、または支持体の裏面から加熱した液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が、乾燥効率の点で好ましい。また、それらを適宜組み合わせる方法も好ましい。流延後の支持体上のウェブは、40〜100℃の雰囲気下で、支持体上で乾燥させることが好ましい。40〜100℃の雰囲気下に維持するには、この温度の温風をウェブ上面に当てる方法、あるいは赤外線等の手段により加熱する方法が好ましい。
【0112】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法においては、流延から30〜90秒以内で該ウェブを支持体から剥離することが望ましい。30秒未満で剥離するとフィルムの面品質が低下するだけでなく、透湿性の点でも好ましくない。一方、90秒を越えて乾燥させると剥離性等の劣化による面品質の低下や、フィルムに強いカールが発生するため好ましくない。
【0113】
《剥離工程》
支持体上でウェブ中の溶媒を蒸発させてフィルムとした後、剥離位置で支持体から剥離する工程である。剥離されたフィルムは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブ中の残留溶媒量(下記式)があまり多すぎると、剥離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
【0114】
支持体上の剥離位置における温度は、好ましくは10〜40℃であり、更に好ましくは11〜30℃である。剥離位置におけるウェブの残留溶媒量は40〜130質量%が好ましく、更に好ましくは50〜110質量%である。
【0115】
上記のように剥離時の残留溶媒量を調整するには、流延後の流延用支持体の表面温度を制御し、ウェブからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように、流延用支持体上の剥離位置における温度を上記の温度範囲に設定することが好ましい。支持体温度を制御するには、伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよく、例えば、液体による裏面伝熱方法が好ましい。これに対し、輻射熱や熱風等による伝熱方法は、支持体温度のコントロールが難しく、好ましい方法とはいえないが、ベルト(支持体)マシンにおいて、移送するベルトが下側に来た所の温度制御には、緩やかな風でベルト温度を調節することができる。
【0116】
支持体の温度は、加熱手段を分割することによって、部分的に支持体温度を変えることができ、流延用支持体の流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度とすることができる。
【0117】
製膜速度を高める方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離するため、製膜速度を上げることができる)として、残留溶媒が多くとも剥離できるゲル流延法(ゲルキャスティング)を挙げることができる。
【0118】
それは、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。
【0119】
支持体上でゲル化させ膜を強くすることによって、剥離を早め製膜速度を上げることもできる。
【0120】
以上のようにして作製したフィルムの面内リターデーションRoは20nm未満であることが好ましく、より好ましくは10nm未満、更に好ましくは5nm未満、最も好ましくは0〜1nmである。
【0121】
本発明において、面内リターデーションRoは、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率nx、ny、nzから算出することができる。また、膜厚方向のリターデーション値Rtは、0〜300nmであることが好ましく、更に好ましくは0〜150nm、特に好ましくは0〜70nmであり、用途に応じて好ましく得られ、特に偏光板保護フィルムとして使用する場合には、10〜60nmであることが好ましく、20〜50nmであることが更に好ましく、30〜40nmであることが特に好ましい。
【0122】
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx−ny)/2−nz)×d
本発明のセルロースエステルフィルムでは、遅相軸方向と製膜方向とのなす角度θ(ラジアン)と面内方向のレターデーションRoが下記の関係にあることが、特に偏光板用保護フィルム等の光学フィルムとして好ましく用いられる。
【0123】
P≦1−sin2(2θ)sin2(πRo/λ)
P=0.9999
ここで、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの膜厚(nm)である。θはフィルム面内の遅相軸方向と製膜方向(フィルムの直尺方向)とのなす角度(ラジアン)、λは上記nx、ny、nz、θを求める三次元屈折率測定の際の光の波長590nm、πは円周率である。
【0124】
《乾燥工程》
ウェブを千鳥状に配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、またはクリップまたはピンでウェブの両端を保持して搬送するテンター装置を用いて巾保持しながら、ウェブを乾燥する工程である。
【0125】
乾燥の手段は、ウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は、出来上がりのフィルムの平面性を損ね易いため、避けることが好ましい。従って、高温による乾燥は、ウェッブの残留溶媒が8質量%以下の領域から行うのがよい。全体を通し、乾燥温度は概ね40〜250℃の範囲で行われる。特に、40〜160℃で乾燥させることが好ましい。
【0126】
一般的に、ウェブ乾燥工程では、ロール懸垂方式や、上記のようなピンテンター方式でウェブを搬送しながら乾燥する方式が採られる。ウェブを乾燥させる手段は、特に制限なく、一般に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風を用いた乾燥が好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするため更に好ましい。
【0127】
ウェブの乾燥工程においては、残留溶媒量を0.5質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、更に好ましくは0〜0.01質量%以下とすることである。
【0128】
溶液流延製膜法を通しての流延直後から乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒の爆発限界の危険性は、常に考慮されなければならないことは勿論のことである。
【0129】
《巻き取り工程》
ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってからセルロースエステルフィルムとして巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
【0130】
巻き取り方法は、一般に使用されているものであれば特に制限はなく、例えば、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを必要に応じて使いわければよい。
【0131】
フィルム膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等を適宜コントロールするのがよい。
【0132】
また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を、上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
【0133】
セルロースエステルフィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通常5〜500μmの範囲にあり、更に10〜250μmの範囲が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルムとしては10〜120μmの範囲が用いられる。本発明のセルロースエステルフィルムは、特に10〜60μmの膜厚の薄いフィルムでありながら、透湿性とともに寸法安定にも優れる。
【0134】
本発明における透湿度とは、JIS Z 0208で規定された方法に従って測定された値と定義する。透湿度は、20〜250g/m2・24時間であることが好ましいが、特に20〜200g/m2・24時間であることが好ましい。透湿性が、250g/m2・24時間を超える場合では、偏光板の耐久性が著しく低下し、逆に20g/m2・24時間未満では、偏光板製造時に用いる接着剤に使われている水等の溶媒が乾燥しにくくなり、乾燥時間が長くなるため好ましくない。より好ましくは25〜200g/m2・24時間である。
【0135】
また、本発明のセルロースエステルフィルムでは、80℃、90%RHにおける質量変化を少なくすることで、寸法安定性を更に改善することができる。
【0136】
本発明のセルロースエステルフィルムでは、80℃、90%RHで48時間加熱処理した前後での質量変化率が±2%以内とすることがより好ましく、これによって、透湿度が改善された薄膜フィルムでありながら、寸法安定性にも優れたセルロースエステルフィルムを得ることができる。
【0137】
本発明のセルロースエステルフィルムは、80℃、90%RH雰囲気下で48時間加熱処理した際の寸法変化率は、MD方向(フィルムの製膜方向)、TD方向(フィルムの幅手方向)共に±0.5%以内であることが好ましく、±0.3%以内であることがより好ましく、±0.1%以内であることが更に好ましく、±0.05%以内であることが特に好ましい。
【0138】
本発明でいう寸法変化率とは、温度や湿度等の環境条件が過酷な状況でのフィルム縦方向及び横方向の寸法変化を表す特性値である。具体的には、加熱環境下、加湿環境下、あるいは加熱加湿環境下にフィルムを置いて強制劣化した後の、縦、横の寸法変化を測定する。例えば、測定しようとするフィルム試料について、幅手方向150mm×長手方向120mmサイズに断裁し、該フィルム表面に幅手方向及び長手方向それぞれに100mm間隔で2ケ所、カミソリ等の鋭利な刃物で十文字型の印を付ける。該フィルムを23℃、55%RHの環境下で24時間以上調湿し、工場顕微鏡で処理前の幅手方向及び長手方向のそれぞれの印間距離L1を測定する。次に、該試料を電気恒温槽中で、高温高湿処理(例えば、条件;80℃、90%RHの環境下で48時間放置をする)する。再び、試料を23℃、55%RHの環境下で24時間調湿し、工場顕微鏡で強制劣化処理後の幅手方向及び長手方向のそれぞれの印間距離L2を測定する。この処理前後の変化率を次式によって求める。
【0139】
寸法変化率(%)={(L2−L1)/L1}×100
式中、L1は処理前の印間距離、L2は処理後の印間距離を表す。
【0140】
本発明において、105℃で5時間処理したときの寸法変化率としては、MD方向、TD方向共に±0.5%以内であることが好ましく、±0.3%以内であることがより好ましく、±0.1%以内であることが更に好ましく、±0.05%以内であることが特に好ましい。
【0141】
フィルムの含水率としては0.1〜5.0質量%が好ましく、0.3〜4.0質量%がより好ましく、0.5〜2.0質量%であることが更に好ましい。
【0142】
本発明のセルロースエステルフィルムは、透過率が90%以上であることが望ましく、より望ましくは92%以上であり、更に望ましくは93%以上である。
【0143】
また、ヘイズは1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0%であることが特に好ましいが、本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板用保護フィルムとして使用する場合には、特に高い透明性が要求されるため、ヘイズメーターを用いて3枚重ねで測定した時、0〜1.0%であることが好ましく、0〜0.7%であることがより好ましく、0〜0.5%であることがより好ましい。
【0144】
本発明のセルロースエステルフィルムにおいては、カール値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下であることが好ましく、更に好ましくは20以下であり、10以下であることが特に好ましい。なお、カール値は、曲率半径(1/m)で表される。
【0145】
以下、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法である溶液流延製膜法による製造方法の一例について、図を用いて更に説明する。
【0146】
図1は、本発明のセルロースエステルフィルムの溶液流延製膜法の好ましい一例を示す模式図である。図1(a)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥する場合の模式図である。図1(b)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥し、その後テンター搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図である。図1(c)は流延後、テンター搬送・乾燥工程で乾燥し、その後ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図である。図1(d)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥し、その後テンター搬送・乾燥工程で乾燥し、その後ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図である。
【0147】
なお、本発明において、テンター搬送・乾燥工程及びロール搬送・乾燥工程を含む工程とは、支持体から剥離されたフィルムを乾燥して巻き取る迄の工程のいずれかの位置で、フィルムの乾燥伸縮率を調整するテンター搬送・乾燥工程及びロール搬送・乾燥工程を有する工程をいう。テンター搬送・乾燥工程とは、テンター搬送装置で搬送しながら同時に乾燥を行い、乾燥伸縮率を調整する工程を言い、ロール搬送・乾燥工程とは、ロール搬送装置で搬送しながら同時に乾燥を行い、乾燥伸縮率を調整する工程をいう。
【0148】
図1において、1はエンドレスで走行する支持体を示す。支持体としては鏡面帯状金属が使用されている。2はセルロースエステル樹脂を溶媒に溶解したドープを、支持体1に流延するダイスを示す。3は支持体1に流延されたドープが固化したフィルムを剥離する剥離点を示し、4は剥離されたフィルムを示す。5はテンター搬送・乾燥工程を示し、51は排気口を示し、52は乾燥風取り入れ口を示す。なお、排気口51と乾燥風取り入れ口52は逆であっても良い。6は張力カット手段を示す。張力カット手段としてはニップロール、サクションロール等が挙げられる。なお、張力カット手段は、各工程間に設けてもかまわない。
【0149】
8はロール搬送・乾燥工程を示し、81は乾燥箱を示し、82は排気口を示し、83は乾燥風取り入れ口を示す。なお、排気口82と乾燥風取り入れ口83は逆であっても良い。84は上部搬送用ロールを示し、85は下部搬送用ロールを示す。該搬送用ロール84、85は上下で一対を成し、複数対から構成されている。7は巻き取られたロール状のフィルムを示す。
【0150】
図1(d)で示される工程において、テンター搬送・乾燥工程5の前のロール搬送・乾燥工程を第1ロール搬送・乾燥工程と呼び、テンター搬送・乾燥工程5の後のロール搬送・乾燥工程を第2ロール搬送・乾燥工程と呼ぶ。なお、図1(a)〜(d)では示されていない冷却工程を、巻き取る前に必要に応じて設けても良い。
【0151】
本発明のセルロースエステルフィルムは、良好な透湿性、寸法安定性等から、液晶表示用部材、詳しくは偏光板用保護フィルムに用いられるのが好ましい。特に、透湿度と寸法安定性に対し共に厳しい要求のある偏光板用保護フィルムにおいて、本発明のセルロースエステルフィルムは好ましく用いられる。
【0152】
本発明のセルロースエステルフィルムを用いた本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。
【0153】
例えば、セルロースエステルフィルムにアルカリケン化処理を施した後、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
【0154】
本発明のセルロースエステルフィルムには、必要に応じて、ハードコート層、防眩層、反射防止層、防汚層、帯電防止層、導電層、光学異方層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下引き層等の各種機能層を付与することができる。これらの機能層は、塗布方式、蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法、大気圧プラズマ処理法等で設けることができる。
【0155】
このようにして得られた偏光板が、液晶セルの片面または両面に設けられ、これを用いて、本発明の液晶表示装置が得られる。
【0156】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0157】
実施例1
《ドープの調製》
Figure 0004228809
以上の各添加剤を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過して、ドープAを調製した。
【0158】
〔ドープB〜Nの調製〕
上記ドープAの調製において、リンター綿から合成されたセルローストリアセテートの種類(Mn、Mw、Mw/Mn)、可塑剤の種類、組み合わせ及び添加量を表1に記載のように変更した以外は同様にして、ドープB〜Nを調製した。
【0159】
【表1】
Figure 0004228809
【0160】
《セルロースアセテートフィルムの作製》
Figure 0004228809
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリン分散機で分散を行って、酸化珪素分散液を調製した。この酸化珪素分散液の液濁度は、120ppmであった。次いで、酸化珪素分散液に、88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合して、酸化珪素分散希釈液を調製した。
【0161】
〔インライン添加液の調製〕
(インライン添加液Aの調製)
チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 11質量部
チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 5質量部
メチレンクロライド 100質量部
以上の各添加剤を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら、完全に溶解し、濾過した。
【0162】
これに、上記調製した酸化珪素分散希釈液の36質量部を撹拌しながら添加し、更に30分間撹拌した後、セルロースアセテートプロピオネート(置換度2.65、アセチル基1.90、プロピオニル基0.75)の6質量部を撹拌しながら添加し、更に60分間撹拌した後、アドバンテック東洋(株)のポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1Nで濾過し、インライン添加液Aを調製した。
【0163】
(インライン添加液Bの調製)
チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 4質量部
チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 6質量部
チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 6質量部
メチレンクロライド 100質量部
上記各添加剤を、上記インライン添加液Aの調製手順と同様にして混合、調製して、インライン添加液Bを調製した。
【0164】
(インライン添加液Cの調製)
上記インライン添加液Aの調製において、セルロースアセテートプロピオネートを、上記ドープ液Aに使用しているリンター綿から合成されたセルローストリアセテート(Mn=148000、Mw=310000、Mw/Mn=2.1)に変更した以外は同様にして、インライン添加液Cを調製した。
【0165】
〔フィルムの製膜〕
(試料1の作製)
図1の構成からなる溶液流延製膜法を用いて、下記の手順に則りセルローストリアセテートフィルムである試料1を作製した。
【0166】
製膜ライン中で、日本精線(株)製のファインメットNFを用いて、上記調製したドープ液Aを濾過した。また、インライン添加液Aを、インライン装置中で、日本精線(株)製のファインメットNFで濾過した。
【0167】
濾過したドープ液Aの100質量部に、濾過したインライン添加液Aを3.1質量部となるように供給し、インラインミキサー(東レ社製 静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で両液を十分に混合した。
【0168】
次いで、図1に記載のベルト式流延装置を用い、温度22℃、1800mm幅でステンレスバンド支持体上に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力162N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートのウェブを35℃で溶媒を蒸発させ、1650mm幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に1.07倍に延伸しながら、135℃の乾燥温度で、乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は10%であった。その後、110℃、120℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1430mm幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施し、巻き取り初期張力220N/m、テーパー40%で巻芯に巻き取り、セルローストリアセテートフィルムである試料1を得た。この時、ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.08倍であった。試料1の残留溶剤量は0.004%であり、膜厚は40μm、巻数は4500mであった。
【0169】
(試料2〜23の作製)
上記試料1の作製において、ドープ液の種類、インライン添加液の種類、ステンレスバンド支持体上から剥離する時点での残留溶媒量、テンターでTD方向に延伸を開始する時点での残留溶剤量を表2に記載のように変更した以外は同様にして、試料2〜23を作製した。
【0170】
【表2】
Figure 0004228809
【0171】
《セルロースアセテートフィルムの評価》
以上のようにして作製した試料1〜23について、下記の各測定及び評価を行った。
【0172】
〔Ro、Rtの測定〕
自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、各試料を、23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長において、3次元屈折率測定を行い、屈折率nx、ny、nzを求め、別途測定した膜厚dにより、下式に従って、面内方向のリターデーションRo、厚み方向のレタデーション値Rtを算出した。なお、測定箇所は、製膜後2000mより試料をサンプリングして測定した。
【0173】
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx−ny)/2−nz)×d
〔弾性率の測定〕
各試料のMD方向及びTD方向の弾性率測定を、JIS K 7127に準じて行った。
【0174】
具体的には、各試料を23±2℃、50±5%RHの環境下で、24時間放置した後、各試料のMD方向及びTD方向が、それぞれ長手となるように幅10mm×長さ200mmの短冊状に断裁した。
【0175】
次いで、ミニベア社製のTGー2KN型引っ張り試験器を用いて、チャッキング圧0.25MPa、標線間距離100±10mmで、上記短冊状試料をセットし、引っ張り速度100±10mm/minの速度で引っ張った。
【0176】
そして、得られた引張応力−歪み曲線より、弾性率算出開始点を10N、終了点を30Nとし、その間に引いた接線を外挿し、MD方向及びTD方向の弾性率を求めた。
【0177】
〔ヘイズの測定〕
各試料を3枚積層して、ASTM−D1003−52に従って、東京電色工業(株)社製のT−2600DAを使用して測定した。
【0178】
〔偏光板の作製〕
(試料のアルカリケン化処理)
ケン化工程 2モル/L水酸化ナトリウム 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量%塩酸 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
上記条件で、各試料の処理をケン化、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで80℃で乾燥して、アルカリケン化処理済みの試料を作製した。
【0179】
(偏光板の作製)
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、沃素を5g、ホウ酸を20g含む水溶液500gに浸漬し、50℃で6倍に延伸して偏光膜を作製した。この偏光膜の両面に、上記アルカリケン化処理済みの各試料を、完全ケン化型ポリビニルアルコールの5質量%水溶液を接着剤として用いて、それぞれ貼り合わせて偏光板1〜23を作製し、それを用いて下記の評価を行った。
【0180】
〈平面性の評価〉
市販の液晶表示パネル(シャープ製 カラー液晶テレビ AQUOS 型名 LC−15B3)の最表面の偏光板を注意深く剥離し、液晶セルを挟むようにして、上記作製した各偏光板2枚を偏光板の偏光軸が元と変わらないように互いに直交するように貼り付け、15型TFT型カラー液晶ディスプレイを作製した。
【0181】
上記のようにして得られたカラー液晶ディスプレイを床から80cmの高さの机上に配置し、床から3mの高さの天井部に昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−X 松下電器産業(株)製)40W×2本を1セットとして1.5m間隔で10セット配置した。このとき評価者が液晶パネル表示面正面にいるときに、評価者の頭上より後方に向けて天井部に前記蛍光灯がくるように配置した。液晶パネルは、机に対する垂直方向から25°傾けて蛍光灯が写り込むようにして画面の平面性を、下記の基準に則り評価した。
【0182】
A:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が歪み無くきれいに見える
B:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が少し歪んで見える
C:画面の表面に蛍光灯を映して見たとき、蛍光灯が激しく歪んで見える
〈額縁状白抜け故障耐性の評価〉
上記作製した2枚の偏光板を、吸収軸を対角線として、10cm×10cmに断裁し、クロスニコル状態で重ね合わせた。この状態で、観察用シャーカステン上に置き、背面より光を照射して膜面状態を観察し、全ての試料で額縁状白抜け故障の有無を目視観察した結果、全ての試料で額縁状白抜け故障の発生がないことを確認した。
【0183】
次いで、この積層した各試料を、60℃、90%RHの恒温恒湿装置中で120時間保存し、その後、23℃、55%RHの環境下で12時間放置した。
【0184】
この様にして強制劣化処理を施した試料について、再び、上記と同様の方法で額縁状白抜け故障の有無を目視観察し、試料の中で最も額縁状白抜け部分が発生している箇所の縁から故障部先端までの長さを、帯状スケール(JIS1級)で測定し、これを額縁状白抜け故障耐性の評価尺度とした。
【0185】
なお、額縁状白抜け故障耐性は、数値が小さいほど優れていることを表し、2mm以下であれば実用上許容の範囲にあると判定した。
【0186】
以上により得られた各測定値及び評価結果を、表3に示す。
【0187】
【表3】
Figure 0004228809
【0188】
表3の結果より明らかなように、本発明で規定した構成からなるドープを用い、本発明で規定する延伸条件で作製した本発明の試料は、良好な光学特性、寸法安定性、透明性を有し、また、これを品質要求の厳しい偏光板用保護フィルムとして用いた際に、平面性及び額縁用白抜け故障耐性に優れていることが分かる。
【0189】
【発明の効果】
本発明により、光学特性、寸法安定性、透明性に優れ、かつ偏光板としての平面性、額縁状白抜け故障耐性に優れたセルロースエステルフィルムとその製造方法及びそれを用いた偏光板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの溶液流延製膜法の模式図である。
【符号の説明】
1 鏡面帯状金属流延支持体
2 ダイス
3 フィルム剥離点
4 剥離されたフィルム
5 テンター搬送・乾燥工程
6 張力カット手段
7 巻き取られたロール状のフィルム
8 ロール搬送・乾燥工程
51,82 排気口
52,83 乾燥風取入れ口
81 乾燥箱
84 上部搬送用ロール
85 下部搬送用ロール

Claims (5)

  1. 紫外線吸収剤及び2種以上の可塑剤を含有するセルロースエステルフィルムの製造方法において、該可塑剤の1種が多価アルコールエステル系可塑剤であり、他の少なくとも1種がリン酸エステル系可塑剤以外から選ばれる可塑剤であり、該セルロースエステルフィルムが、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnが1.8〜3.0のセルロースエステルを含有したドープを溶液流延製膜法でベルト支持体上に流延製膜してウェブを形成し、該ウェブ中の残留溶剤量が40質量%以上であるときに、MD方向(ウェブの搬送方向と同一方向)に延伸を開始し、かつ残留溶剤量が40質量%未満であるときに、TD方向(ウェブの搬送方向と直交する方向)に延伸することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  2. 前記紫外線吸収剤が、20℃で液体状であることを特徴とする請求項1記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  3. 前記ドープが、樹脂及び有機溶媒を含む微粒子分散液を含有し、該樹脂が下記式(I)及び式(II)を同時に満たすセルロースエステルであることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
    式(I)
    2.6≦X+Y≦2.9
    式(II)
    0≦X≦2.5
    〔式(I)、式(II)において、Xはアセチル基の置換度を、Yはプロピオニル基またはブチリル基の置換度を表す。〕
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法により作製されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
  5. 請求項4記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする偏光板。
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