JP4247603B2 - 内視鏡のアングル操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部における先端部分をアングル操作するために、本体操作部に装着されるアングル操作装置に関し、特にこのアングル操作装置におけるロック機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の挿入部は、その大半の部分が柔軟性を有する軟性部で構成され、先端部分は照明窓や観察窓等を設ける関係から硬質部となり、この硬質部と軟性部との間にアングル部が形成される。このアングル部は遠隔操作で上下方向、または上下、左右方向に湾曲させることができ、もって先端の硬質部を所望の方向に向けられるようになっている。4方向にアングル操作を可能ならしめるために、アングル部は多数のアングルリングを上下,左右に交互に枢着してなる多節機構を有する構成となし、このアングル部には先端が硬質部に固定された4本の操作ワイヤを挿通し、これら各操作ワイヤを挿入部に連設した本体操作部内に延在させて、この本体操作部からの遠隔操作で押し引き操作するようになっている。
【0003】
本体操作部において、操作ワイヤを操作するために、アングル操作装置が設けられる。上下及び左右に湾曲できるアングル部では、上下アングル操作用の一対の操作ワイヤと、左右アングル操作用の一対の操作ワイヤとがそれぞれアングル操作装置を構成するプーリに巻回される。従って、プーリは2個備えているが、これら両プーリは同軸に配置されて、本体操作部に設けた支軸に支持させている。従って、両プーリの回動軸は同軸に設けられて、本体操作部の外部に導出され、これら両回動軸には、それぞれアングル操作手段としてのアングルノブなりアングルレバーが連設されている。従って、内視鏡を操作する術者等は、このアングル操作手段を手指で回動操作することにより、アングル部を所望の方向に湾曲させて、先端硬質部を所望の方向に向けるようにしている。
【0004】
また、アングル操作装置には、アングルノブを所要量回動させた状態で、つまりアングル部を所定角度湾曲させた状態で手指を離してもその角度状態を維持するように、ロック機構を備えている。即ち、アングル部が湾曲した状態では、いずれかの操作ワイヤに張力が作用していることから、アングル部が真っ直ぐになろうとする方向の復元力が作用するが、ロック機構は、この復元力に抗して、アングル部を湾曲した状態に保持させる機能を発揮するものである。このロック機構は、回動軸に固定して設けたロック板と、このロック板に接離する摩擦板とから構成されるものであり、レバーやつまみ等からなるロック操作手段を備えている。ロック操作手段は術者等による手指で操作できるものであり、ロック作動部材を作動させたときに、その操作に連動して摩擦板をロック板に圧接させることによって、回動軸がみだりに回動しないようにロックされる。
【0005】
ここで、ロック作動部材の具体的な構成としては、ロック板に圧接されて、摩擦力を作用させる摩擦板と、この摩擦板をロック板に近接・離間する方向に変位させる送り部材とを備えている。送り部材は、ロック操作手段の操作で回動するガイド部材と、送り部材とから構成され、摩擦板はこの送り部材に連結されており、これによってガイド部材の回動動作を摩擦板のロック板に近接・離間する方向の動き、つまり摩擦板を回動軸の軸線方向の変位に変換する機能を発揮するように構成される。
【0006】
そして、摩擦板は送り部材に固定されるようになっており、このために送り部材には円環状の凹部が形成され、摩擦板はこの凹部に嵌合されて固着される。また、送り部材は、ガイド部材とねじ結合されるが、送り部材の外周面にねじ部を形成して、このねじ部をガイド部材の内周面に形成したねじ部に螺合させるように構成したものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−275940号公報(第3,4頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来技術においては、強度及び耐久性等の観点から、ロック板及びガイド部材は金属製のものからなり、摩擦板はロック板に対する摩擦力を調整するために、合成樹脂で形成される。而して、術者が内視鏡を操作するに当って、アングル部を所望の角度湾曲させたときに、ロック操作手段を作動させてアングル部をその湾曲状態に保持するが、このアングル部の湾曲度合いを微小量調整する必要とすることもある。この調整時にロックを解除すると、アングル部の湾曲度合いが大きく変化するので、ロック状態のままでアングルノブを操作することにより、摩擦板をロック板に摺動させながら回動させるようにする。摩擦板及びロック板を金属で形成して、相互に金属同士で接触させると、摩擦力が強すぎて、前述したような微小操作が不能になってしまうからである。
【0009】
一方、ガイド部材とねじ結合されている送り部材は、外周面にねじ部が形成されており、このねじ部を形成した部位の内側には摩擦板を装着するための凹部が形成されていることから、十分な強度を持たせるために、金属で形成されるのが一般的である。しかしながら、摩擦板をロック板に強力に押し付けると、この摩擦板が圧縮されるようになる。その結果、送り部材のねじ部とガイド部材のねじ部との間が圧接状態となってしまい、摩擦板とロック板との関係で説明したように、送り部材とガイド部材との間が金属同士の接触となっているので、異常に摩擦力が増大してしまい、特にロック解除を行う際における抵抗が極めて高くなるという事態が発生することもある。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ロック作動部材におけるガイド部材への間のねじ結合部における送りによるロック及びロック解除を行う操作を円滑に行えるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、内視鏡の本体操作部に装着されて、挿入部におけるアングル部を湾曲操作するために、少なくとも一対の操作ワイヤが取り付けられるプーリを回動させるアングル操作手段を備えた内視鏡のアングル操作装置であって、前記プーリの回動軸に取り付けたロック板と、このロック板に接離されるロック作動部材と、このロック作動部材をロック板に近接・離間する方向にガイドするために、送り用のねじ部を形成したガイド部材と、前記ガイド部材に係合されて、回動操作によって、前記ロック作動部材を前記ガイド部材にガイドさせて、前記ロック板に接離させるロック操作部材とからなるロック機構を備え、前記ロック作動部材は、前記ロック板に当接することにより摩擦力が作用する摩擦部と、前記ガイド部材にねじ結合され、前記ロック操作部材の操作に連動して前記摩擦部を前記ロック板に近接・離間させる方向に変位させる送り部とからなり、前記ガイド部材は金属で形成する一方、前記ロック作動部材を構成する前記摩擦部及び送り部は共に合成樹脂で形成する構成としたことをその特徴とするものである。
【0012】
ここで、ロック作動部材における摩擦部と送り部とは、別個の部材で形成して、相互に固着するように構成することもできるが、少なくとも摩擦部は繰り返し使用することにより磨耗することから、消耗部品である。従って、摩擦部と送り部とを一体成形品で構成するのが、コスト等の面から望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態においては、アングル部を上下、左右に湾曲操作させることができるように構成したものを示す。しかしながら、例えば上下方向にのみ湾曲操作するアングル操作装置等にも適用できるのは言うまでもない。
【0014】
まず、図1に内視鏡の全体構成を示す。図中において、1は挿入部、2は本体操作部、3はユニバーサルコードで、挿入部1はその大半の部分が軟性部1aとなり、軟性部1aの先端側にはアングル部1b、硬質部1cが形成されている。アングル部1bを上下及び左右にアングル操作するために、アングル部1bは多数のアングルリングを上下、左右に順次枢着することによって構成され、このアングルリング内には、上下アングル操作用の操作ワイヤ4a,4bと、左右アングル操作用の操作ワイヤ5a,5bとが挿通されており(図2参照)、該各操作ワイヤ4a,4b及び5a,5bはその一端部が硬質部1c内に固定されると共に、他端部は本体操作部2にまで延在されて、この本体操作部2に装着したアングル操作装置6に接続されている。
【0015】
図2にアングル操作装置の全体構成を示す。同図において、8は第1支軸、9はこの第1支軸8と同軸に設けた円筒状の第2支軸をそれぞれ示し、この各支軸8,9は本体操作部2内に設けた地板7に固定的に支持されている。これら第1支軸8及び第2支軸9は、それぞれ中空の外側,内側一対からなる回動軸10,11を回動自在に支持するためのものであって、この各回動軸10,11の本体操作部2内にはそれぞれ操作ワイヤの端部が巻回するようにして装着されるプーリ12,13が連設されている。以下の説明においては、一方のプーリ12はアングル部1bを上下方向に湾曲させる操作ワイヤ4a,4bが装着される上下方向への湾曲操作用のプーリとし、他方のプーリ13は左右方向への湾曲の操作ワイヤ5a,5bが装着される左右方向への湾曲操作用のプーリとしたものとして説明するが、これとは反対の構成としても良い。
【0016】
各回動軸10,11には、それぞれ手指で操作されるアングル操作手段14,15とロック操作手段16,17とが連結して設けられている。アングル操作手段14,15は円環状に形成したノブ(図示せず)を取り付けた板体からなり、それぞれ回動軸10,11を回動操作するためのものである。ノブを手指で回動させることによって、回動軸10,11に連結して設けたプーリ12,13が回動し、これらプーリ12,13に巻回させたそれぞれ一対の操作ワイヤ4a,4b及び5a,5bがプーリ12,13から繰り出されたり、引き込まれたりすることによって、アングル部1bが所望の方向に湾曲することになる。
【0017】
一方、ロック機構としては、ロック操作手段16,17を有し、これらロック操作手段16,17は、一方がレバー、他方がつまみとなっており、回動軸10,11を回動させないようにロックするためのものである。このために、回動軸10,11にはロック板18,19が固定的に取り付けられており、これらロック板18,19にロック作動部材20,21を圧接させることによって、回動軸10,11が回動しない状態に保持されるようになっている。これらロック作動部材20,21は、第1,第2の支軸8,9に回動不能で、それらの軸線方向には移動可能となるように装着されている。ロック操作手段16,17はガイド部材22,23と一体回転するように連結されている。また、ガイド部材22,23が回動すると、ロック作動部材20,21が回動軸10,11の軸線方向に移動することになる。従って、ガイド部材22,23とロック作動部材20,21との間はねじ結合されて、ねじ送り機構を構成している。
【0018】
ここで、ガイド部材22,23は、ロック操作手段16,17の操作によりロック作動部材20,21を作動させるものであるが、このロック作動部材20,21と、ロック板18,19との間の接合面や、ガイド部材22,23との間のねじ部等が汚損されること等を防止するために、それらを収容する密閉構造の部材としている。従って、ガイド部材22,23は上下に2分割できる構成となっている。
【0019】
次に、ロック作動部材20,21のうち、回動軸11をロックさせるためのロック作動部材21を図3に示す。同図に示したように、ロック作動部材21は、硬質の合成樹脂、例えばポリアセタール等の一体成形品から構成される。そして、ロック作動部材21の下側の端面がロック板19に接離する摩擦部30であり、外周面にはねじが形成されており、ガイド部材23の内周面に螺合される送り部31となっている。このように、ロック作動部材21はロック板19と接離し、またガイド部材23と螺合しているが、これらロック板19及びガイド部材23は構造部品として、ステンレス等の金属で形成される。ただし、ロック板19は合成樹脂で形成することもできる。
【0020】
ロック作動部材21には、また、中央部には第2の支軸9の挿通部32が設けられており、この挿通部32は角孔(または面取り部を有する孔等)で形成されており、また第2の支軸9におけるロック作動部材21の挿通部に角柱部9aが装着されている。これによって、ロック作動部材21は第2の支軸9に対して相対回動不能で、この第2の支軸9の軸線方向には移動可能に連結される。また、ロック作動部材20も、機能的には図3に示したロック作動部材21と同様であり、このロック作動部材20は第1の支軸8に相対回動不能であり、かつ軸線方向に移動可能に連結されている。
【0021】
アングル操作装置6は以上のように構成されるものであって、本体操作部2を把持する手の指でアングル操作手段14,15を適宜操作することによって、挿入部1のアングル部1bを遠隔操作により所望の方向に湾曲させることができるようになっている。そして、ロック操作手段16,17を操作することによって、アングル部1bを所望の湾曲状態に保持できるようになる。そこで、以下にこのロック機構の作動について、特にロック操作手段17により操作されるロック機構の作動を説明する。なお、ロック操作手段16側についても同様の作動が行われるが、その詳細な説明は省略する。
【0022】
アングル操作手段15を作動させて、挿入部1のアングル部1bを所望の角度湾曲させた状態で、ロック操作手段17を回動させると、このロック操作手段17にガイド部材23が追従回動することになる。このガイド部材23の内周面に設けたねじ部はロック作動部材21の外周面に形成したねじ部からなる送り部31と螺合されており、かつロック作動部材21は第2の支軸9に対して相対回動不能で、軸線方向には移動可能に装着されているので、ガイド部材23の回動に応じてロック作動部材21は第1の支軸8の軸線方向に移動することになる。そして、ロック操作手段17の回動方向に応じて、ロック作動部材21は、ロック板19に近接若しくは離間する方向に変位する。而して、ロック操作手段17をロック作動部材21がロック板19側に変位する方向に操作する。そうすると、ロック作動部材21の摩擦部30がロック板19に当接し、所定の押し付け力を作用させると、アングル部1bは湾曲した状態でロックされる。
【0023】
ここで、ロック状態は、アングル部1bを湾曲させたことによって操作ワイヤに張力が作用する結果、アングル部1bが真っ直ぐになろうとする方向の力に抗して、湾曲状態を維持できるようにロックする。従って、それ以上の力を作用させると、つまりアングル操作手段15に強い力を作用させると、ロック作動部材21の摩擦部30とロック板19とが滑るようになり、アングル部1bをさらに湾曲させたり、戻したりすることができるようになる。ロック作動部材21を合成樹脂で形成したのはこのためであり、ロック作動部材21の摩擦部30と金属材若しくは合成樹脂からなるロック板19との間の摩擦力は限定されたものとなる。
【0024】
ロック作動部材21において、摩擦部30だけでなく、ガイド部材23と螺合している送り部31も合成樹脂の一体物から構成されているので、ロック操作手段17により強力な締め付け力を作用させて、ロック作動部材21がある程度圧縮変形する程度にまでロック板19に圧接されて、ガイド部材23のねじ部と、やはりねじ部から構成される送り部31との噛み合い部も強力に圧接されることになる。しかしながら、ガイド部材23は金属製であるが、送り部31は合成樹脂で形成されているので、その間の摩擦力は金属同士よりも弱いものとなる。従って、このような強力な圧接力が作用している状態から、ロック操作手段17を操作してロック解除、つまり摩擦部30をロック板19から離間させる操作も比較的軽い操作力で容易に行えることになる。
【0025】
ところで、ガイド部材23は、ロック作動部材21及びロック板19を密閉する機能も発揮する。しかも、ロック作動部材21は磨耗する消耗品であるから、その交換等を可能にするために、上下の2部材で形成されており、上部側の部材と下部側の部材との間で寸法公差等が生じることは否めない。しかしながら、ロック作動部材21は金属より柔軟な部材である合成樹脂から構成されているので、ガイド部材23の組み付け時に多少の誤差があっても、ロック作動部材21は容易にガイド部材23に倣うようになるので、組み付け性も良好となる。さらに、軽量の部材であるから、本体操作部2の軽量化も図られる。
【0026】
ここで、ロック作動部材21は、その摩擦部30と送り部31とが一体物で構成されているから、従来技術のように、摩擦部材と送り部材とを別部材で形成して、相互に固着するものと比較して、部品点数が少なくなり、かつ加工工数の削減が図られるので、安価に製造できるという利点もある。ただし、摩擦部30はロック板19と面接触する部位であるのに対して、送り部31はねじが形成されている部位であるので、それらにとって必要な剛性、強度、柔軟性等の要求が異なる場合もある。そのような場合には、ロック作動部材は、摩擦部を構成する部分と、送り部を構成する部分とを別部材で形成して、相互に固着するようにしても良い。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、ロック作動部材のガイド部材への間のねじ結合部における送りによるロック及びロック解除を行う操作を円滑に行える等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡の全体構成図である。
【図2】本発明に係るアングル操作装置の実施の一形態を示す縦断面図である。
【図3】ロック作動部材の断面図である。
【符号の説明】
1 挿入部
1b アングル部、
1c 硬質部
4a,4b,5a,5b 操作ワイヤ
6 アングル操作装置
8 第1支軸
9 第2支軸
10,11 回動軸
12,13 プーリ
14,15 アングル操作手段
16,17 ロック操作手段
18,19 ロック板
20,21 ロック作動部材
22,23 ガイド部材
30 摩擦部
31 送り部
32 挿通部
Claims (2)
- 内視鏡の本体操作部に装着されて、挿入部におけるアングル部を湾曲操作するために、少なくとも一対の操作ワイヤが取り付けられるプーリを回動させるアングル操作手段を備えた内視鏡のアングル操作装置において、
前記プーリの回動軸に取り付けたロック板と、このロック板に接離されるロック作動部材と、このロック作動部材をロック板に近接・離間する方向にガイドするために、送り用のねじ部を形成したガイド部材と、前記ガイド部材に係合されて、回動操作によって、前記ロック作動部材を前記ガイド部材にガイドさせて、前記ロック板に接離させるロック操作部材とからなるロック機構を備え、
前記ロック作動部材は、前記ロック板に当接することにより摩擦力が作用する摩擦部と、前記ガイド部材にねじ結合され、前記ロック操作部材の操作に連動して前記摩擦部を前記ロック板に近接・離間させる方向に変位させる送り部とからなり、
前記ガイド部材は金属で形成する一方、前記ロック作動部材を構成する前記摩擦部及び送り部は共に合成樹脂で形成する
構成としたことを特徴とする内視鏡のアングル操作装置。 - 前記ロック作動部材を構成する摩擦部と送り部とは一体成形品で構成したことを特徴とする請求項1記載の内視鏡のアングル操作装置。
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