JP4247729B2 - 照射点検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉炉頂面のプロフィルを測定する光学式プロフィル測定手段に関わり、更に詳しくは、炉頂面からの入射光を高い減衰率で減衰し、かつゴースト光の発生を抑制するゴースト防止フィルターを有する照射点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鉱石を溶解する高炉では、通常、炉の上部からコークスと鉄鉱石を交互に挿入し、その後攪拌機により炉頂面のプロフィル(表面形状)の断面がV字形となるように設定する。炉頂プロフィルを所望のV字形にすることは高炉の燃費を節約する上で重要な意味をもっており、従って炉頂プロフィルを正確に測定する手段が要求される。
【0003】
この要求を満たすために、三角測量を応用した光学式プロフィル測定手段が提案され出願されている(例えば、特開昭54−65059号)。この「プロファイル測定装置」は、図5に模式的に示すように、繰り返し発振するパルスレーザを光源としてレーザビーム5で被測定面3を走査し、被測定面3からの散乱光6を所定の開口径をもつ受光光学系7で集光し、その受光光学系7の焦点面上に描かれる像の軌跡から被測定面3のプロフィルを求めるものである。
【0004】
上述した光学式プロフィル測定手段では、図6に原理図を示すように、ビーム投光点Aとビーム受光点Bを基準長Lを隔てて設置し、基準長Lに対する投光角αと受光角βとから被測定面3の垂直高さHとその水平位置(例えば投光点Aからの水平距離C)を演算するようになっている。
【0005】
また、実際のプロフィル測定装置では、受光角βの測定精度を高めるために、図5の受光光学系7の前に受光ミラー(又はスキャニングミラー:図示せず)を設け、その傾斜角度をレーザのスポット光位置(照射点P)に追従させ、受光光学系7の焦点面上に位置決めした光位置検出器8で照射点Pの位置を検出している。すなわち、受光角βは、受光ミラーの受光角度と光位置検出器8上の照射点Pの位置から演算される。
【0006】
更に、光位置検出器8は、多数の光電変換器を直線状に配列したものであり、照射点Pの位置は、散乱光6による各光電変換器の出力レベルを比較し、その最大出力位置としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
光位置検出器8を構成する各光電変換器は、比較的暗い散乱光6も検出できるように高感度に設定されている。そのため、散乱光6の照度(明るさ)が高い場合には、逆にその照度を減衰して光位置検出器8に導く必要がある。そのため、従来から、光位置検出器8の前に、複数の減衰フィルターを有する回転式減衰器を設け、被測定面3からの入射光の照度に応じて減衰フィルターの減衰率を選択し、減衰フィルターを通過する入射光の照度を調整していた。この調整範囲は、光電変換器のラチチュードが2桁程度であり、入射光の照度は6〜7桁に達するため、4〜5桁分の減衰フィルター、例えば1/1,1/10,1/102 ,1/103 ,1/104 ,1/105 の透過率の6枚のフィルターを必要とした。
【0008】
減衰フィルターには、吸収型と反射型があり、1/1〜1/103 の比較的低い減衰率には吸収型のNDフィルターが用いられ、1/104 以上の高い減衰率には反射型のNDフィルターが用いられる。しかし、かかる反射型NDフィルターを使用する場合、フィルターでの反射光がその前にあるレンズ系から反射されて発生するゴースト光が光位置検出器に到達し、そのゴースト光の強度が大きいため、照射点Pの位置を誤検出する等の現象が発生する問題点があった。
【0009】
一方、吸収型のNDフィルターではこのような現象は生じないが、吸収型のみで1/104 以上の高い減衰率を達成しようとすると、フィルターが厚く重くなり、回転式減衰器に組み込むのが難しくなる問題点があった。
【0010】
すなわち、光位置検出器を用いた三角測量方式のプロフィル測定装置では、従来から、その光位置検出にPSD(Position Sencing Device))またはリニアCCDなどの多チャンネル検出器が用いられ、その出力のピーク位置が被測定面3の照射点Pの位置となるが、上述したように、高減衰率の反射型NDフィルターを用いた場合に、ゴースト光により出力の山が2つでき、スポット光位置(シグナル光)を誤って検知することがある。かかる誤検出が発生すると、図5における受光角βの測定精度が大幅に悪化するばかりでなく、この誤検出に追従して受光ミラー(スキャニングミラー)の受光角度も大きく変化し、結果として測定したデータが全く使えなくなる問題点があった。
【0011】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、被測定面からの入射光を高い減衰率で減衰でき、かつゴースト光の発生を大幅に低減でき、更に従来の回転式減衰器に容易に組み込める薄さに構成できるゴースト防止フィルターを有する照射点検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、レーザビームを被測定面に投光する投光部と、前記被測定面における照射点で散乱した前記レーザビームの散乱光が透過するゴースト防止フィルターと、前記ゴースト防止フィルターを透過した前記散乱光を受光する受光部と、を備える照射点検出装置であって、
前記ゴースト防止フィルターは、吸収型NDフィルターの一方面に反射型NDフィルターを設けたものであり、前記反射型NDフィルターは前記受光部の側に設けられ、前記吸収型NDフィルターは前記受光部と反対側に設けられ、
前記反射型NDフィルターの光の透過率をTrとし、前記反射型NDフィルターへ入射する前記散乱光の強度をI 0 とし、該入射する散乱光のうち反射型NDフィルターを透過して前記受光部へ入射する散乱光の強度をIsとし、該入射する散乱光のうち反射型NDフィルターで反射される散乱光の強度をIrとすると、Is=I 0 ×Tr、および、Ir=I 0 ×(1−Tr)が成り立ち、
前記透過率Trは、1/10 2 〜1/10 3 である、ことを特徴とする照射点検出装置が提供される。本発明の好ましい実施形態によれば、前記反射型NDフィルタ−は、前記吸収型NDフィルタ−の一方面にコーティングされて形成される。また、前記吸収型NDフィルタ−の透過率Tdが1/10〜1/102 であるのがよい。
【0013】
上記本発明の構成によれば、吸収型フィルタ−の背面に反射型フィルタ−を設けているので、反射型フィルタ−で反射された反射光がその前にあるレンズ系から反射されて再度反射型フィルタ−に入射するまでに、吸収型フィルタ−内を少なくとも2回余分に通過し、吸収型NDフィルタ−の透過率Tdの2乗の減衰を余分に受ける。従って、その透過率Tdを1/10〜1/102 とすると、ゴ−スト光は入射光に比べて1/102 〜1/104 となり、シグナル光とゴースト光の強度に大きな差が発生し、シグナル光の位置検出等の測定に全く支障をきたさなくなる。
【0014】
また、被測定面からの入射光は、吸収型フィルタ−による透過率Tdと反射型NDフィルタ−の透過率Trで続けて減衰されるので、全体としてTd×Trの高い減衰率で減衰できる。例えば、透過率Tdが1/10〜1/102 、透過率Trが1/102 〜1/103 の場合、この透過率は、1/103 〜1/105 となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明のゴースト防止フィルターを備えた照射点検出装置の全体構成図である。この図において、照射点検出装置(光学式プロフィル測定装置)10は、被測定面3にレーザビーム5(レーザ光)を投光する投光部12と、被測定面3のスポット光位置(照射点P)からのレーザ光の散乱光6を受光する受光部14とを備えている。被測定面3は、この図では高炉に装入されたコークスと鉄鋼石の積層面であるが、本発明はこれに限定されず、その他の被測定面にも適用することができる。
【0016】
図1において、投光部12は、レーザコントローラ12a、レーザ電源部12b、レーザ発振器12c及びミラースキャナ13からなり、レーザ発振器12cから出射されたレーザビーム5を被測定面3に向けて反射し、かつミラーの揺動により被測定面3を走査するようになっている。
【0017】
受光部14は、ミラースキャナ14a、レンズ14b、回転式光減衰器22、受光器アレイ20(光位置検出器)及び受光制御盤15からなり、投光部12で投光される被測定面3の照射点Pに応じてミラーを揺動させ、被測定面3の照射点Pからの散乱光6を常に安定して光位置検出器20に向けて反射させるようになっている。更に、図中の16はシステム制御部、16aはシステム制御盤、16bはディスプレイであり、光位置検出器20で得られたデータを基に被測定面3のプロフィルをディスプレイ16b上に表示するようになっている。
【0018】
図2は、図1の受光部14の部分構成図である。この図に示すように、受光部14のレンズ14bは、通常収差補正の目的で2枚以上のレンズ系で構成され、光位置検出器20の焦点面に正確に焦点を結ぶように構成されている。そのため、このレンズ系の光位置検出器20側は通常凸球面に形成されている。
【0019】
回転式光減衰器22は、光位置検出器20の光軸Zと平行な回転軸22aを中心に回転可能なフィルター取付板22bと、このフィルター取付板22bを所定の角度(例えば、60°)づつ旋回させる駆動モータ22cとを備えている。フィルター取付板22bの周囲には、減衰フィルター23を取り付けるフィルター取付金具が設けられ、その位置のフィルター取付板には開口が設けられている。この構成で駆動モータ22cでフィルター取付板22bを所定の角度づつ旋回させることにより、所望の減衰率を有する減衰フィルター23を光軸Z上に自由に挿入することができる。また、ゴースト防止フィルター24は、この減衰フィルター23のうちの1枚又は複数枚として使用するものである。
【0020】
図3は、ゴースト防止フィルターの原理図である。図3(A)に示すように、本発明のゴースト防止フィルター24は、吸収型NDフィルタ−24aの背面に反射型NDフィルタ−24bを設けたものである。また、このゴースト防止フィルター24は、この図のように吸収型NDフィルタ−側を入射光側に向けて位置決めする。更に、吸収型NDフィルタ−24aの透過率Tdは1/10〜1/102 であり、背面の反射型NDフィルタ−24bの透過率Trは1/102 〜1/103 であるのがよい。
【0021】
以下、図3を基に、本発明の原理を説明する。ゴースト防止フィルターの場合、図3(B)は、従来の反射型NDフィルタ−24bで透過率Trが1/105 の場合である。図3(B)の場合、入射光の強度をI0 とすると、フィルターを通過して光位置検出器20に入るシグナル光の強度はIs=I0 ×Tr...(式1)となる。一方、反射型NDフィルタ−24bで反射された光の強度はIr=I0 ×(1−Tr)...(式2)であり、これが上述したレンズ系で100%反射して再度入射すると、その通過光、すなわちゴースト光の強度は、Ig=Ir×Tr=I0 ×(1−Tr)×Tr=Is×(1−Tr)...(式3)となる。従って、シグナル光とゴースト光の強度比は、1:1−Trであり、透過率Trが非常に小さい(1/105 )ため、両者の差はほとんどなく、上述したようにゴースト光により出力の山が2つでき、スポット光位置(シグナル光)を誤って検知する問題が発生する。
【0022】
これに対して、図3(A)に示すゴースト防止フィルターでは、例えば、フィルターを通過して光位置検出器20に入るシグナル光の強度はIs=I0 ×Td×Tr...(式4)となる。一方、反射型NDフィルタ−24bで反射した光は、その段階で吸収型NDフィルタ−24aにより減衰されており、更に反射してもどる際に減衰されるので、反射光の強度はIr=I0 ×Td×(1−Tr)×Td...(式5)である。この反射光がレンズ系で100%反射して再度入射すると、その通過光、すなわちゴースト光の強度は、Ig=I0 ×Td×(1−Tr)×Td×Td×Tr=I0 ×Td×Tr×(1−Tr)×Td2 =Is×(1−Tr)×Td2 ...(式6)となる。従って、シグナル光とゴースト光の強度比は、1:(1−Tr)×Td2 ≒1:Td2 となり、吸収型NDフィルタ−24aの透過率Tdを1/10〜1/102 と比較的小さい減衰率にした場合でも、ゴースト光の強度はその二乗の1/102 〜1/104 となり、ゴースト光はほとんど消えて、シグナル光の位置検出等の測定に全く支障をきたさなくなる。
【0023】
【実施例】
図4は、図2の光位置検出器による各光電変換器の出力例である。この図において、(A)は従来の出力例、(B)はゴースト防止フィルターを用いた出力例である。受光器アレイ、すなわち、光位置検出器20は、図4(A)に示すように、複数(この例では32チャンネル)の光電変換器からなる。また、上述したシステム制御盤16aにより、各光電変換器の出力レベルを比較し、その最大出力位置を光位置検出器上の照射点Pと判断し、これから被測定面3上の照射点Pの垂直高さと水平位置を演算して、そのプロフィルを求めるようになっている。
【0024】
図4(A)の例では、被測定面からのシグナル光Sの他にゴースト光Gが発生している。従って、この場合に、照射点Pの位置を誤検出するおそれがある。これに対して、図4(B)の例では、(A)のゴースト光Gのみが完全に消えている。すなわち、ゴースト防止フィルターを用いることにより、ゴースト光の発生を大幅に低減できることが確認された。
【0025】
なお、本発明の方法は、上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
上述したように、本発明の構成によれば、反射型フィルタ−で反射された反射光がその前にあるレンズ系から反射されて再度反射型フィルタ−に入射するまでに、吸収型フィルタ−内を少なくとも2回余分に通過し、吸収型NDフィルタ−の透過率Tdの2乗の減衰を余分に受ける。従って、その透過率Tdを1/10〜1/102 とすると、ゴ−スト光は入射光に比べて1/102 〜1/104 となり、ゴースト光をほとんどなくすことができる。
【0027】
また、被測定面からの入射光は、吸収型フィルタ−による透過率Tdと反射型NDフィルタ−の透過率Trで続けて減衰されるので、全体としてTd×Trの高い減衰率で減衰できる。
【0028】
更に、ゴースト防止フィルターは、1枚の吸収型フィルタ−と1枚の反射型フィルタ−を密着して構成できるので、5mm前後の厚い吸収型フィルタ−を2〜3枚組み合わせた場合の厚さ(10〜15mm)に比較して、反射型フィルタ−の厚さは薄くできる(例えば1.5mm程度)ので、ゴースト防止フィルター全体の厚さを6.5mm程度にすることができ、従来の回転式減衰器に容易に組み込むことができる。
【0029】
従って、ゴースト防止フィルターは、被測定面からの入射光を高い減衰率で減衰でき、かつゴースト光の発生を大幅に低減でき、更に従来の回転式減衰器に容易に組み込める薄さに構成できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴースト防止フィルターを備えた照射点検出装置の全体構成図である。
【図2】図1の受光部14の部分構成図である。
【図3】本発明のゴースト防止フィルターの原理図である。
【図4】図2の光位置検出器による各光電変換器の出力例である。
【図5】従来の光学式プロフィル測定装置の模式的構成図である。
【図6】光学式プロフィル測定装置の原理図である。
【符号の説明】
3 被測定面
5 レーザビーム
6 散乱光
7 受光光学系
8 光位置検出器
8a 光電変換器
10照射点検出装置
12 投光部
12a レーザコントローラ
12b レーザ電源部
12c レーザ発振器
13 ミラースキャナ
14 受光部
14a ミラースキャナ
14b レンズ
15 受光制御盤
16 システム制御部
16a システム制御盤
16b ディスプレイ
20 受光器アレイ(光位置検出器)
20a 光電変換器
22 回転式光減衰器
22a 回転軸
22b フィルター取付板
22c 駆動モータ
23 減衰フィルター
24 ゴースト防止フィルター
24a 吸収型NDフィルター
24b 反射型NDフィルタ−
Claims (3)
- レーザビームを被測定面に投光する投光部と、前記被測定面における照射点で散乱した前記レーザビームの散乱光が透過するゴースト防止フィルターと、前記ゴースト防止フィルターを透過した前記散乱光を受光する受光部と、を備える照射点検出装置であって、
前記ゴースト防止フィルターは、吸収型NDフィルターの一方面に反射型NDフィルターを設けたものであり、前記反射型NDフィルターは前記受光部の側に設けられ、前記吸収型NDフィルターは前記受光部と反対側に設けられ、
前記反射型NDフィルターの光の透過率をTrとし、前記反射型NDフィルターへ入射する前記散乱光の強度をI 0 とし、該入射する散乱光のうち反射型NDフィルターを透過して前記受光部へ入射する散乱光の強度をIsとし、該入射する散乱光のうち反射型NDフィルターで反射される散乱光の強度をIrとすると、Is=I 0 ×Tr、および、Ir=I 0 ×(1−Tr)が成り立ち、
前記透過率Trは、1/10 2 〜1/10 3 である、ことを特徴とする照射点検出装置。 - 前記反射型NDフィルタ−は、前記吸収型NDフィルタ−の前記一方面にコーティングされて形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の照射点検出装置。
- 前記吸収型NDフィルタ−の透過率Tdが1/10〜1/102 である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照射点検出装置。
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