JP4247771B2 - 電気回路 - Google Patents
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Description
本発明は、直列接続された高出力用スイッチ素子と、これらのスイッチ素子をすべて実質的に同時に遮断または導通して全体として1つのスイッチとして作用し、遮断状態ではそれぞれのスイッチが高電圧の一部を保持するよう制御するための手段とを具備し、各スイッチ素子がアンチパラレルに接続された整流素子を有する電気回路に関する。
【0002】
上述のような電気回路は、高圧電流を取り扱うための、例えば種々のコンバータ、整流器やインバータで使用されるものである。例えば、直流電圧を交流電圧に変換する変換装置の上記のような電気回路を例としてあげることができるが、これに限定されるわけではない。
【0003】
これらの全ての用途に共通する特徴は、遮断状態で前記単一のスイッチに保持されるべき電圧は1つのスイッチ素子が保持するには高すぎ、複数の素子を直列に接続して複数のスイッチ素子の間で電圧を分担しなければならないことである。保持しなければならない電圧は、例えば30から500kVで、各スイッチ素子は単独で1から10kVの電圧を保持することができる。問題は、完全に同一の特性を有するような、つまり、どのような場合にも常に同じ作動をするようなスイッチ素子を製造することは不可能なことである。このことは、そのようなスイッチがコンバータの電流バルブを構成する場合は、電源コンバータの位相レグに使用された逆向きのダイオードのオン切替遅延時間、オフ切替遅延時間、テール電流および反転復元特性が素子によって異なるために、スイッチ動作において各スイッチ素子に対して、過電圧、すなわち、スイッチ素子が保持すべき平均的な電圧よりも大きな電圧が容易にかかることを意味する。過電圧はスイッチ素子を損傷させ、変電所のような、より大きなユニットの停止を生じさせて結果的に非常に費用のかかる運転中断に到る可能性があるので、そのような過電圧から異なるスイッチ素子を保護することは非常に重要である。
【0004】
多くのスイッチ素子を直列接続して他の素子を接続せず、過電圧が常に許容範囲内になるようにすることは現実的な解決ではなく、逆に、このようなスイッチで使用するスイッチ素子の数を可能な限り少なくしてスイッチ素子の制御、冷却その他の装置に要する費用を節約する要請がある。従って、発生する過電圧がその電圧と継続時間に関して許容される範囲に収まるように制御して、スイッチ素子に害を与えない手段を設計することが必要であった。このことは、通常は各スイッチ素子に個別の制御装置を設けることになるのでスイッチの制御が極めて複雑になり、スイッチそれぞれの裕度(quotient)を制御するために電圧−時間勾配を制御する知能ゲートドライブ回路が使用されていた。このことは、このような従来知られていた電気回路の費用はかなり高いことを意味する。その種の電気回路が常に有する他の問題は、種々のコンポーネントの電力ロスは望ましいレベルよりも大きいことである。
【0005】
【発明の要旨】
本発明の目的は、導入の部分で述べたような電気回路であって、上述の問題の大部分を解決するものを提供することである。
【0006】
本発明の場合には、この目的は、そのような電気回路に、所定の逆バイアス電圧が加えられたときに電流を流し始めるように構成された整流素子としてアヴァランシュダイオードを使用し、スイッチ素子の両側に前記以上の電圧が加わらないようにし、当該アヴァランシュダイオードはSiCとすることによって解決する。ダイオードをSiCとすることによって、高出力スイッチ素子にアンチパラレル接続して過電圧に対する保護として使用するために必要な特性を持たせることができる。つまり、SiCはSiよりもブレークダウン電圧がはるかに大きい点や、従ってSiCのアヴァランシュダイオードははるかに薄型でパワーロスをはるかに小さく抑えることができる点等、SiCのSiよりも優れた特性を利用する。この種のSiCダイオードは非常な高温にも耐えることができる。このことは、アヴァランシュダイオードは、対象スイッチ素子の両側の電位差が前記定められた限界電圧に達している間、Siのダイオードに比較してはるかに大きな電流を流すことができることを意味する。スイッチ素子とアンチパラレル接続されて電圧クランプとして作用するアヴァランシュダイオードを利用して、このような方法で過電圧防止を行うことは、上記の過電圧の問題に対する非常に単純な解答である。このことは、スイッチ素子の制御はもはや非常に微妙な問題ではなく、制御のための手段が単純化される可能性があることを意味する。この緩衝機もまた大幅に単純化される可能性がある。このことは一方では制御装置を含めた全電気回路の費用が大幅に下がることを意味し、当該回路の動作に対する信頼度が向上し、回路を使用したプラント等の運転中断のリスクが減少することになる。
【0007】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記のアヴァランシュダイオードの前記所定の限界電圧は、回路の正常作動時であってスイッチが保持すべき電圧がスイッチ素子の間に概ね均一に分配された状態でのスイッチ素子の正常電圧よりも高く、好ましくは、少なくとも30%高い。したがって、前記のスイッチにかかる電圧がスイッチ素子に均一に分配されていれば、いずれのアヴァランシュダイオードも導通しておらず、ダイオードはどのスイッチ素子に対しても正常電圧よりも30%以上高い電圧がかかることを防止し、結果的に複雑な回路を用いて素子の種々の機能的パラメータを検出してスイッチ素子を制御することを不要にする。アヴァランシュダイオードが過大な電流を長すぎる時間にわたって流してそれ自体が損傷を受けることがないように、前記所定の限界電圧と正常電圧との間にはかなり大きな差があり、したがって特定のスイッチ素子において一定程度以上正常でない状態が出現した場合以外はアヴァランシュダイオードは通電しないのが好ましい。
【0008】
本発明の他の好ましい実施例によれば、前記アヴァランシュダイオードの前記所定の限界電圧は、当該電圧を超えることはスイッチ素子にとって有害である第2の限界電圧以下であり、好ましくは前記第2の限界電圧よりも少なくとも10%低い。このことによって、どのスイッチ素子に対しても当該素子に全体的または部分的に損傷を与える電圧が加えられないように確実に保護される。
【0009】
本発明の他の好ましい実施例によれば、当該スイッチ素子はIGBTである。IGBTは電源の同時開閉を非常に容易に行うことができるので、このような電気回路ではIGBTは非常に好ましいが、その種のスイッチ素子においても本発明が解決すべき課題が存在する。本発明の別の好ましい実施例では、スイッチ素子はMOSFETである。しかし、本発明は、導入の部分で述べた電流の通電と遮断を行う電力用半導体のあらゆるタイプのスイッチ素子を対象としたものであることを強調しておく必要がある。
【0010】
本発明に他の好ましい実施例によれば、前記の回路はコンバータ回路であり、前記スイッチはその電流バルブであり、フリーホイールダイオードはバルブのスイッチ素子とアンチパラレル接続されている。これは本発明の好ましい適用例の1つである。
【0011】
本発明の他の好ましい実施例によれば、対応するスイッチ素子とアンチパラレル接続された前記フリーホイールダイオードは、アヴァランシュダイオードである。もしアヴァランシュダイオードの電流を流す方向の特性が従来の整流ダイオードの特性と近いものであり、製造コストが高すぎなければ、これは好ましい解決策となりえて、変換器の制御は大幅に単純化され各スイッチ素子に対して1つの要素を設けるだけ、つまり、アヴァランシュダイオードを設けるだけになる。
【0012】
本発明の他の好ましい実施例によれば、アヴァランシュダイオードと別のフリーホイールダイオードは互いに並列接続されて、対応するスイッチ素子に対してはアンチパラレル接続される。このことは、アヴァランシュダイオードは正常のフリーホイールダイオードほど通電特性が優れていなくても、この対応するスイッチ素子に対して設けたブランチの役目は十分に果たされることを意味する。
【0013】
本発明の他の好ましい実施例によれば、スイッチ素子はゲート制御半導体エレメントであり、前記制御手段は各半導体エレメントに個別のゲートドライブユニットを具備してスイッチ素子を個別に制御する。これらの個別のゲートドライブユニットはSiCのアヴァランシュダイオードを設けることによってはるかに単純な方法で制御することができる。
【0014】
本発明のさらに別の利点と好ましい特徴は以下の記載及び他の従属請求項によって明らかにする。以下に本発明の好ましい実施例を例示して添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
【発明の好ましい実施例の詳細な説明】
図1は、高圧直流(HVDC)を供給するための直流電圧ネットワーク1と3層交流電圧ネットワーク2との間に設けられたVSC−コンバータ(電圧電源変換機)の概念を示すものである。これは本発明に基づく電気回路の1つの適用例である。この種の変換機の一般的な構成は良く知られているが、本発明によって解決する課題の理解を助けるために簡単に説明することにする。変換器の各位相レグ3−5はいわゆる電流バルブ6−11を2つづつ有しており、これらは上述のスイッチと同一で、直列接続された開閉型のスイッチ素子12から構成される。素子は、好ましくはIGBT型で、整流エレメントがこれに対してアンチパラレル接続されている。つまり、エレメントは1つの方向の電流を通しその反対方向の電流を通さず、いわゆるフリーホイールダイオード13の形になっている。IGBT型であっても良いそれらのユニットが非常に多く直列接続されて1つのバルブを構成しており、それらは同時に導通と遮断を行い、1つのスイッチとして機能して、バルブの両側の電圧は直列接続された異なるIGBTに分配される。しかし、図1においては図を明瞭にするために1つのユニットのシンボルによって表現されている。スイッチ素子の制御はモデュレーションパルス(PWM)によって行われる。この変換器はいわゆる6−パルスブリッジによって構成される。例えば、位相14に着目し、電流バルブ6に属するスイッチ素子12が導通状態になり、電流が、直流電圧ネットワーク1からこれらのスイッチ素子を通って交流電圧ネットワークに流れるとすると、このバルブのスイッチ素子を遮断すると、電流は、まず直流電圧ネットワークから位相14に流れるが、次にバルブ7のフリーホイールダイオードを流れる。これは従来技術に属するものであり、本発明を特徴付ける特長については図2と3を参照しながら説明する。
【0016】
図2は、例えば図1に示したバルブ6が、互いに直列接続された多くのスイッチ素子12と、各素子にアンチパラレル接続された整流エレメント13とによって構成される様子を示した図である。さらに、別のゲートドライブユニット15が各スイッチ素子のゲートに接続されてこれを個別に制御する、つまり開閉を行う。好ましくは、これらは総て変換ステーションの図示しない中央制御装置に接続されている。アヴァランシュダイオード13が前出の整流エレメントと同様にスイッチ素子に対してアンチパラレル接続されており、当該ダイオードはSiCであることが示されている。このことは、これらの厚さは非常に小さく、それにもかかわらず十分に高い逆バイアス電圧に耐えられることを意味する。さらに、その逆回復電荷が小さく、そのためにSiダイオードに比較してパワーロスがはるかに小さい。スイッチ素子に対してアンチパラレル接続された、対応するアヴァランシュダイオード13は、当初ブロック状態であるが、その両側の電位差が所定の限界電圧に達すると導通を開始するので、スイッチ素子の両側の電位差はこの限界電圧を超えることはない。バルブの正常作動時であってバルブが負担すべき電圧が実質的に均一にスイッチ素子に分担されているときに、対応するスイッチ素子が受け持つべき電圧が1.3kVであるとすれば、この限界電圧は、例えば、1.8kVである。このことは、アヴァランシュダイオードは、逆バイアスの下で限界電圧が加えられる時間の長さが、当該電圧でダイオードが部分的または全体的に損傷するまでの時間よりも短くなるように選択されていれば、希に導通してもよいことを意味する。この時間の長さは例えば、2−3μsである。さらに、前記の限界電圧は、その電圧によってスイッチ素子が決して損傷を受けない値が選択され、この例ではスイッチ素子に許容される電圧の限界は2.2kVである。
【0017】
このタイプの過電圧抑制によって複雑なゲートドライブ制御とそれぞれのスイッチ素子のdV/dtを制限するdV/dt制限緩衝装置が不用になる。したがって、安全性と運転の信頼性を全く損なうことなく制御機器を有する変換器のコストが大幅に低減され、同時に、従来のフリーホイールダイオードに比較してダイオードによるパワーロスを低減することができる。
【0018】
図3に示した本発明の第2の好ましい実施例に基づく電流バルブは、図2に示した実施例と、フリーホイールダイオードとして作用する正常の整流ダイオード16とSiCからなるアヴァランシュダイオード17が互いに並列接続されておりスイッチ素子6に対してはアンチパラレル接続されている点が異なる。ここではアヴァランシュダイオードがスイッチ素子の過電圧保護素子として使用されており、ダイオード16が導通状態の特性改善のために使用され、その結果アヴァランシュダイオードの導通特性についてはあまり気を使わずに低いコストで製造することができる。
【0019】
本発明は当然いかなる意味においても上述の好ましい実施例に制限されるものではなく、当業者には、添付された請求項に定義される本発明の基本概念から逸脱しない多くの変更例が自明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる電気回路を有する変換器を示す図である。
【図2】 本発明の第1の好ましい実施例である電気回路を示す単純化した図面である。
【図3】 本発明の第2の好ましい実施例である電気回路を示す図面である。
Claims (2)
- 直列接続された複数の高出力スイッチ素子(12)と、これらが総てほぼ同時に導通か遮断状態になって全体として1つのスイッチとして作用して、遮断状態では高電圧の一部を各スイッチ素子が分担するように制御する制御手段(15)とを具備し、各スイッチ素子がアンチパラレルに接続された整流エレメント(13)を有する電気回路であって、
前記整流エレメントは、対応するスイッチ素子にかかる電圧が限界電圧を超えないように逆バイアスが所定の限界電圧を超えたら導通するSiCからなるアヴァランシュダイオード(13)であり、
前記電気回路がコンバータ回路であり、前記スイッチはコンバータの電流バルブ(6−11)であり、フリーホイールダイオードが前記電流バルブの各スイッチ素子(12)に対してアンチパラレル接続され、
前記アヴァランシュダイオード(13)の所定の限界電圧は、回路の正常作動時であって複数のスイッチ素子が均等に電圧を分担したときに対応するスイッチ素子(12)が保持する電圧よりも少なくとも30%高い電圧であり、
前記アヴァランシュダイオード(13)の所定の限界電圧は、当該電圧を超えることは対応するスイッチ素子(12)に有害である第2の限界電圧よりも少なくとも10%低い電圧であり、
対応するスイッチ素子とアンチパラレル接続された前記フリーホイールダイオードが、前記アヴァランシュダイオード(13)で構成されていることを特徴とする電気回路。 - 前記スイッチ素子(12)は、ゲート制御半導体エレメントであり、エレメントごとに設けられた前記制御手段は区別されたゲートドライブユニット(15)を有してスイッチ素子を個別に制御することを特徴とする請求項1に記載の電気回路。
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