JP4248079B2 - 下糸巻回装置及び下糸巻回方法 - Google Patents

下糸巻回装置及び下糸巻回方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシンの下糸を自動的に供給する下糸自動供給装置において、0番から8番等の特にナイロン系の撚り糸及び撚りのない糸(ボンド糸)を糸巻きするために糸ほぐしする糸ほぐし装置を備える下糸巻回装置と、糸ほぐしを伴う下糸巻回方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、下糸をボビンに自動的に供給する下糸自動供給装置を開発すると共に、この下糸自動供給装置を特開平7−68071号、特開平8−276089号、特開平9−56948号等において開示している。
【0003】
この下糸自動供給装置は、下糸が巻き付けられるボビンを内部に収容すると共にミシンの釜内に装着されるボビンケースと、ミシンの釜に対してボビンケースを出し入れするボビン交換装置(ボビンケースを把持又は開放可能な把持手段、および、この把持手段を支軸を支点として回動させると共に支軸の軸線方向に移動可能な回動アームからなる)と、ボビンケース内のボビンに残された残糸を除去する残糸除去装置と、残糸除去されたボビンに新たに下糸を巻き付ける糸巻き手段と、ボビンに巻き付けられた下糸の一端を該ボビンを保持したボビンケースの下糸導出部まで導く糸捌き手段と、ボビンケースへの糸掛けを完了し下糸供給源に連なる下糸を切断する下糸切断手段とを具備する構成となっている。
【0004】
この下糸自動供給装置によれば、ミシンの釜内に装着されたボビンケース内のボビンに巻かれた下糸が消費されて所定巻量以下になったとき、ミシンが停止され、上記把持手段により釜内からボビンケースを取り出すとともに既に糸を巻かれているボビンを備えた別のボビンケースを釜内に装着し、ミシンは再び縫製作業を開始する。そしてこの再開された縫製作業中に、先に取り出されたボビンケース内のボビンに残されている糸を前記残糸除去装置により取り除き、その後、前記糸巻き手段により所定量の糸をボビンに巻き付ける。所定量の糸が巻付けられると、前記糸捌き手段により下糸端部がボビンケースの下糸張力調整ばね下に挿通されて所定の下糸導出部まで導かれ、その後、ボビンケースより下糸供給源に連なる下糸を上記下糸切断手段により切断し、ボビンを使用可能の状態とする。そして現在釜内のボビンケースのボビンに巻かれた糸が消費されると、前回と同様にボビンケースが交換される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記下糸自動供給装置では、釜内のボビンケースの糸が残り少なくなってくると、ミシンの縫製動作を停止し、ボビン交換装置によって、釜内のボビンケースを取り出し、下糸が十分巻き付けられたボビンを収容するボビンケースを釜に装着し、再び、縫製動作を再開するように制御されているが、それ以後の動作、すなわち、残糸の除去や、下糸の巻き付け等の一連の動作については、縫製動作とは全く無関係に行われていたために、これらの動作が縫製動作による振動の影響を受けて、不良に終わることがあった。
【0006】
たとえば、残糸処理後、ボビン交換装置のアームによって、残糸除去の際に取り付けられていた残糸軸からボビンケースを取り外すとき、あるいは下糸が巻かれたボビンケースを一時的に待機させるダミー軸に装着するときに、ミシンが動作していると、残糸軸及びダミー軸のベースと、前記アームのそれとが異なっているので、これら軸とアームに生じる振動が一致せず、軸の中心と、これに対応するアームの中心が合わず、ボビンケースをこれら軸に装着することができなくなったり、逆にこれら軸からボビンケースを取り外すときにはアームがボビンケースを把持できない、といったことが起こることがあった。
【0007】
また、ボビンに下糸巻回装置によって糸を巻き付ける工程においては、まず、下糸供給源からの糸を糸供給ノズルによって放出してボビンに対して糸を絡めるが、このときミシンが縫製動作中であると、前記糸供給ノズルが振動し、ノズルの口から放出された糸がボビンケースの開口に入っていかず、ボビンに糸を絡めることができないことがあった。
あるいは、糸巻き終了後、ボビンに巻き付けられた下糸の一端を捌いてボビンケースの所定の箇所導く、糸捌き・糸掛けや、糸掛け終了後、下糸供給源に連なる下糸を切断する糸切りの工程において、ミシンが縫製動作中であると、糸が振動したり、これら工程に関わる部材が振動することにより、これらの工程が確実に行われず不良に終わることがあった。
【0008】
上記実状に鑑みて本出願人は、特願平10−174945号において、ミシンの縫製動作による振動の影響を極力防ぎ、ボビンケースの着脱や、糸絡めや、糸捌き・糸掛け・糸切り等の作業を確実に行うことができる下糸自動供給装置を提案した。
その構成は、下糸供給源から導出した糸とボビンを収容しているボビンケースについて、一連の工程を行うことによって、ミシンの下糸を自動的に供給し、前記ボビンケースを、把持および開放するボビン把持手段と、前記ボビン把持手段を、ボビンの回転軸の軸線方向に移動させる移動手段と、前記一連の工程において使用され、ボビンの貫通孔にはめ込まれてボビンおよびボビンケースを保持する、1つ以上の保持軸と、前記一連の工程を制御する制御部とを備え、前記制御部の制御に基づいて、前記移動手段による前記把持手段の移動が行われて前記ボビンケースが前記保持軸に対して着脱されるように構成されている下糸自動供給装置において、振動に関するミシンの状態を検知し、その検知結果を前記制御部に送信する検知手段を備え、前記制御部は、前記検知結果に応じて、前記保持軸に対してのボビンケースの着脱を許容するか否かを判断することを特徴とするものである。
【0009】
ここで、「振動に関するミシンの状態」とは、ミシンの動作によって生じる振動に関して、直接的、あるいは間接的に示すミシンの状態である。よって、検知手段としては、たとえば、ミシンが動作状態であれば振動が発生しているし、停止状態であれば振動が生じないので、ミシンが動作しているか否かを検知するものであってもよい。また、ミシンの回転数が大きいほどミシンに生じる振動は大きくなるので、回転数を検知するものであってもよい。また、直接的にミシンに生じている振動を検知するものであってもよい。
【0010】
このような構成の下糸自動供給装置によれば、振動に関するミシンの状態を検知し、その検知結果を制御部に送信する検知手段を備え、前記制御部は、前記検知結果に応じて、前記保持軸に対しての着脱を許容するか否かを判断することから、振動によってボビンケースの着脱が確実に行われにくいような状態、たとえば、ミシンが縫製動作中であって激しく振動しているような場合には、許容されず、ボビンケースの着脱は行われない。逆に、ミシンが縫製動作中でない場合や、ミシンが縫製動作中であっても振動が激しくないような場合には、ボビンケースの着脱が許容され、その着脱が行われる。
したがって、ミシンの振動による影響をあまり受けずに、ボビンケースの着脱を確実に行うことができる。
【0011】
ところで、下糸の供給されたボビンケースを釜に装着する際、このボビンケースの下糸導出部からは、ある長さの下糸が外部に延出された状態にある。この延出された下糸は、次の縫製を開始する際に上糸と絡んで上方にすくわれるために必要なものである。
この下糸の延出量には、長すぎても短すぎてもいけない所望量(例えば40mm)がある。下糸の延出量が、例えば30mmなど、所望の量より短いと縫い始めに上糸と絡まず目飛びが発生して縫製ができないといった問題を発生させる。一方、下糸の延出量が、例えば60mmなど、所望の量より長いと所謂鳥の巣(下糸が余計に絡みあった汚い縫製)を発生させたり、ボビンケースを釜に装着する際や搬送する際に、下糸が他の機構に絡みつくといった不具合を発生する場合があった。
また、下糸には、例えば、綿糸、ポリエステル系のスパン糸、テトロン糸などの合成糸、並びに、大きな伸び量を有するウーリー糸など、多種多用のものがあり、綿糸やウーリー糸などは縮れやすく、スパン糸やテトロン糸などは縮れにくい。
【0012】
従って、例えば、縮みのないスパン糸に合わせて、下糸の延出量が45mmになるように下糸切断位置を設定した場合、この設定のまま下糸を綿糸に変更すると、糸切断後に綿糸が縮んで具体的には下糸の延出量が30mmにしかならず、上記の目飛び等の問題を発生させた。
また、例えば、縮みのある綿糸に合わせて、下糸の延出量が40mmになるように下糸切断位置を設定した場合、この設定のまま下糸をスパン糸に変更すると、糸切断後に綿糸のように糸が縮まず具体的には下糸の延出量が60mmになってしまい、上述の鳥の巣や下糸が他の機構に絡みつくといった不具合を発生させる場合があった。
【0013】
上記実状に鑑みて本出願人は、特願平10−186477号において、ボビンに下糸を巻き付けた後にボビンケースの糸導出部から延出する下糸を切断する下糸巻回装置において、切断後にボビンケースの糸導出部から延出される下糸量が自動的に調整可能で、糸種が変わっても所望の延出量が得られる下糸巻回装置を提案した。
その構成は、糸供給源からの下糸をボビンケースに供給する下糸供給手段と、この下糸供給手段からの下糸をボビンに巻き付けた後、ボビンケースから前記下糸供給手段まで伸びる下糸を所定位置で切断する下糸切断手段と、を備えた下糸巻回装置において、前記下糸切断手段による下糸の切断後、前記ボビンケースから延出する下糸長さを変更調整する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
このような構成の下糸巻回装置によれば、上記制御手段により、ボビンケースの糸導出部から延出される最終的な下糸量を適宜自動調整することが出来るので、上記制御手段の変更調整を、様々な条件に基づき適宜決定することで、下糸の延出量を様々な条件に対応させて所望の量に制御することが出来る。つまり、下糸延出量の不足による目飛びや下糸延出量の長すぎによる糸からみや所謂鳥の巣などを防止できる。
【0015】
以上のような下糸巻回装置において、前述したように、ボビンに糸を巻き付ける工程においては、まず、下糸供給源からの糸を糸供給ノズルによって放出してボビンに対して糸を絡める。
即ち、予め糸供給ノズルの先端から絡み付けに必要な長さの下糸を導出しつつ、下糸供給回動モータの駆動により糸供給ノズルの先端をボビンケース開口部近傍の初期作業位置に位置させ、この時エアーを供給して糸供給ノズルの先端から当該エアーを吹き出すことによって、導出糸をボビンケース開口部から内部に案内する。さらにこの時、巻取モータの駆動により回転しているボビンにエアーを吹き込んで、ボビン軸の周りに渦流を形成することにより、ボビンケース内部に案内された下糸をボビン軸に絡み付ける。その後、所謂均一巻を行い得るように下糸供給回動モータを駆動して糸供給ノズルの先端を初期作業位置から下糸巻回位置に移動して、下糸の巻回を行うようになっている。
【0016】
しかし、芯の強い性質を持った糸、表面が滑りやすい性質を持った糸、撚りの少ない或いは無い性質の糸等においては、ボビン軸の表面に吸着しない状態やボビン軸の表面でのスリップ状態が発生し、糸がボビン軸に絡み付かないことがある。
また、ボビンケース内のボビンに糸を案内する時に、ノズルをボビンケースの開口部に近付けてエアーにて糸を挿入するが、エアーの吹き返しにより糸が開口部に確実に案内されないこともある。
【0017】
そこで、本発明の目的は、芯の強い性質、表面が滑りやすい性質、表面が固い性質、撚りの少ない或いは無い性質の中で少なくとも一つ以上の性質を持った糸を、単繊維状態、単繊維に近い状態或いは短い単繊維状の毛羽立ち状態等、ほぐした状態に加工することにより、糸巻きの初工程であるボビンへの糸絡めが確実に実行できるようにした糸ほぐし装置を備える下糸巻回装置を提供し、また、糸ほぐしを伴う下糸巻回方法を提供することも目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項記載の発明は、
下糸供給源からの下糸を保持する糸保持手段と、
この糸保持手段により保持された下糸をボビン軸に巻き付ける糸巻き手段と、
を備える下糸巻回装置において、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分にボビン軸に対する摩擦増加処理を施す摩擦増加手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0027】
ここで、糸保持手段としては、例えば、下糸を通すとともにエアーが吹き込まれる導管が挙げられるが、糸保持機能を有するものであれば何でも良い。
糸巻き手段としては、ボビン軸に下糸を巻き付ける機能を有するものであればどのような構成のものでも良い。
摩擦増加手段としては、下糸の先端部分にボビン軸に対する摩擦増加処理を施す機能を有するものであればどのような構成のものでも良い。
【0028】
以上のように、請求項記載の発明によれば、下糸供給源からの下糸を保持する糸保持手段により保持された下糸を糸巻き手段によりボビン軸に巻き付ける下糸巻回装置において、糸保持手段により保持された下糸の先端部分に、摩擦増加手段によって、ボビン軸に対する摩擦増加処理を施せるので、ボビンへの糸絡めが確実に実行できる。
【0029】
請求項記載の発明は、
下糸供給源からの下糸を保持する糸保持手段と、
この糸保持手段により保持された下糸をボビン軸に巻き付ける糸巻き手段と、
を備える下糸巻回装置において、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分を単繊維状態、単繊維に近い状態或いは表面が毛羽立つ状態に加工するほぐし処理を施す糸ほぐし手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0030】
このように、請求項記載の発明によれば、下糸供給源からの下糸を保持する糸保持手段により保持された下糸を糸巻き手段によりボビン軸に巻き付ける下糸巻回装置において、糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、糸ほぐし手段によって、単繊維状態、単繊維に近い状態或いは表面が毛羽立つ状態に加工してほぐせるので、ボビンへの糸絡めが確実に実行できる。
【0031】
請求項記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分を糸ほぐし手段によりほぐすほぐし処理または摩擦増加手段により摩擦増加処理をボビン軸の1周分以上施すようにしたこと、
を特徴としている。
【0032】
このように、請求項記載の発明によれば、糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、請求項記載の糸ほぐし手段によって、ボビン軸の1周分以上ほぐせたり、請求項記載の摩擦増加手段によって、ボビン軸の1周分以上摩擦増加処理できるので、ボビンへの糸絡めが確実に実行できる。
【0033】
請求項記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分を糸ほぐし手段によりほぐすほぐし処理または摩擦増加手段により摩擦増加処理を施して、下糸の先端部分のうち最先端を残すこと、
を特徴としている。
【0034】
このように、請求項記載の発明によれば、糸保持手段により保持された下糸の先端部分のうち最先端を残して、請求項記載の糸ほぐし手段によりほぐしたり、請求項記載の摩擦増加手段により摩擦増加処理するので、最先端をほぐしたり摩擦増加処理しないで残したことによって、下糸がボビン軸に巻き付き易くなって、ボビンへの糸絡めが確実に実行できる。
【0035】
請求項記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分を糸ほぐし手段によりほぐすほぐし処理かまたは摩擦増加手段により摩擦増加処理を施すかした後、糸保持手段により下糸を糸巻き手段に移動して、糸巻き手段により下糸をボビン軸に巻き付けるように制御する制御手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0036】
このように、請求項記載の発明によれば、制御手段によって、糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、請求項記載の糸ほぐし手段によりほぐし処理または請求項記載の摩擦増加手段により摩擦増加処理した後、糸保持手段により下糸を糸巻き手段に移動して、糸巻き手段により下糸をボビン軸に巻き付けられる。
【0037】
請求項記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
下糸供給源と糸保持手段との間で下糸を把持する下糸把持手段を設けた構成、
を特徴としている。
【0038】
このように、請求項記載の発明によれば、請求項または記載の下糸供給源と糸保持手段との間の下糸把持手段によって、下糸先端部分のほぐし処理或いは摩擦処理時において、下糸を確実に保持できる。
【0039】
請求項記載の発明は、
請求項記載の下糸巻回装置であって、
下糸把持手段が、少なくともほぐし処理または摩擦増加処理を行っている間は下糸を把持するように制御する制御手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0040】
このように、請求項記載の発明によれば、制御手段によって、少なくともほぐし処理または摩擦増加処理を行っている間は、請求項記載の下糸把持手段により下糸を把持しておけるので、ほぐし処理または摩擦増加処理が確実に行える。
【0041】
請求項記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
下糸の先端にほぐし処理或いは摩擦増加処理を施すか施さないかを選択する入力手段と、
この入力手段による選択情報に基づいて、糸ほぐし手段或いは摩擦増加手段により下糸先端部分にほぐし処理或いは摩擦増加処理を施してから糸巻きを行うように制御する選択制御手段と、
を備えた構成、
を特徴としている。
【0042】
このように、請求項記載の発明によれば、選択制御手段によって、下糸の先端にほぐし処理或いは摩擦増加処理を施すか施さないかを選択する入力手段による選択情報に基づいて、下糸の先端部分を、請求項記載の糸ほぐし手段によりほぐし処理或いは請求項記載の摩擦増加手段により摩擦増加処理を施してから糸巻きできる。
【0043】
請求項記載の発明は、
請求項記載の下糸巻回装置であって、
前記入力手段には、下糸の種類や太さ等の下糸に関する情報が入力され、この情報に基づいて下糸の先端にほぐし処理或いは摩擦増加処理を施すか施さないかが自動で選択されるように制御する自動制御手段と、
を備えた構成、
を特徴としている。
【0044】
このように、請求項記載の発明によれば、自動制御手段によって、入力手段に入力された下糸の種類や太さ等の下糸に関する情報に基づいて、糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、ほぐし処理或いは摩擦増加処理してから糸巻きしたり、または、ほぐし処理や摩擦増加処理を行うことなく糸巻きできる。
【0045】
また、請求項10記載の発明は、
下糸巻回方法であって、
ボビン軸に巻回される下糸の先端部分に予めボビン軸に対する摩擦力を増加する摩擦増加処理または単繊維状態、単繊維に近い状態或いは表面が毛羽立つ状態にするほぐし処理を施した後、
下糸先端部分をボビン軸に巻き付けること、
を特徴としている。
【0046】
このように、請求項10記載の発明によれば、ボビン軸に巻回される下糸の先端部分に予めボビン軸に対する摩擦力を増加する摩擦増加処理または単繊維状態、単繊維に近い状態或いは表面が毛羽立つ状態にするほぐし処理を施した後、その摩擦増加処理またはほぐし処理が施された下糸先端部分をボビン軸に巻き付ける下糸巻回方法なので、ボビンへの糸絡めが確実に実行できる。
【0047】
また、請求項11記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
下糸を糸巻き手段に供給するため、糸保持手段を供給系路上を進退可能とされ、
摩擦増加手段または糸ほぐし手段を前記供給経路に沿って配置した構成、
を特徴としている。
【0048】
このように、請求項11記載の発明によれば、請求項記載の摩擦増加手段または請求項記載の糸ほぐし手段を下糸の供給経路に沿って配置したので、下糸巻回装置を無駄なく小型化できる。
【0049】
請求項12記載の発明は、
請求項または11記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、摩擦増加手段または糸ほぐし手段に案内する糸ガイドを設けた構成、
を特徴としている。
【0050】
このように、請求項12記載の発明によれば、糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、請求項記載の摩擦増加手段または請求項記載の糸ほぐし手段に案内する糸ガイドを設けたので、下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段へ確実に案内できる。
【0051】
請求項13記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に案内した後、所定の糸ほぐし開始位置に下糸を引き戻して摩擦増加処理またはほぐし処理を開始させるように制御する制御手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0052】
このように、請求項13記載の発明によれば、制御手段によって、糸保持手段により保持された下糸を請求項記載の摩擦増加手段または請求項記載の糸ほぐし手段に案内した後、所定の糸ほぐし開始位置に下糸を引き戻してから摩擦増加処理またはほぐし処理することで、下糸の先端部分を確実に摩擦増加処理またはほぐし処理できる。
【0053】
請求項14記載の発明は、
請求項記載の下糸巻回装置であって、
制御手段は、糸巻き手段によるボビン軸への下糸巻き付けが失敗と判断された場合に、糸保持手段により下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に戻して摩擦増加処理またはほぐし処理を再度行うように制御すること、
を特徴としている。
【0054】
このように、請求項14記載の発明によれば、請求項記載の制御手段によって、糸巻き手段によるボビン軸への下糸巻き付けが失敗と判断された場合に、糸保持手段により下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に戻して摩擦増加処理またはほぐし処理を再度行うことで、ボビン軸への下糸巻き付けが失敗しても、下糸の先端部分を確実に摩擦増加処理またはほぐし処理できる。
【0055】
請求項15記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に所定の糸ほぐし開始位置まで入れて先端方向へ向かい徐々に摩擦増加処理またはほぐし処理を行うように制御する制御手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0056】
このように、請求項15記載の発明によれば、制御手段によって、糸保持手段により保持された下糸を請求項記載の摩擦増加手段または請求項記載の糸ほぐし手段に所定の糸ほぐし開始位置まで入れて先端方向へ向かい徐々に摩擦増加処理またはほぐし処理を行うことで、下糸の先端部分を確実に摩擦増加処理またはほぐし処理できる。
【0057】
請求項16記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分にエアーを吹き付けるエアー吹き出し部材と、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分を摩擦増加手段による摩擦増加処理または糸ほぐし手段によるほぐし処理中において、下糸先端部分にエアー吹き出し手段によるエアーの吹き付けを行うように制御する制御手段と、
を備えた構成、
を特徴としている。
【0058】
このように、請求項16記載の発明によれば、制御手段によって、糸保持手段により保持された下糸の先端部分を請求項記載の摩擦増加手段による摩擦増加処理または請求項記載の糸ほぐし手段によるほぐし処理中において、下糸先端部分にエアー吹き出し手段によるエアーの吹き付けを行うことで、摩擦増加手段または糸ほぐし手段への下糸の絡み付きを防止できる。
また、下糸を引き戻すときには、エアー吹き付けを行わないことで、摩擦増加手段または糸ほぐし手段からの糸外れを防止できる。
【0059】
請求項17記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
糸保持手段により保持された下糸の先端部分に対する摩擦増加手段による摩擦増加処理または糸ほぐし手段によるほぐし処理が失敗と判断された場合に、装置を停止し、エラーとしてオペレーター介入を促す制御を行う制御手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0060】
このように、請求項17記載の発明によれば、制御手段によって、糸保持手段により保持された下糸の先端部分に対する請求項記載の摩擦増加手段による摩擦増加処理または請求項記載の糸ほぐし手段によるほぐし処理が失敗と判断された場合に、装置を停止し、エラーとしてオペレーター介入を促すことで、下糸巻回装置の信頼性を高められる。
【0061】
請求項18記載の発明は、
請求項または記載の下糸巻回装置であって、
下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の設定条件を選択する入力手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0062】
このように、請求項18記載の発明によれば、下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の設定条件を選択する入力手段による選択情報に基づいて、下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の、例えば、開始点から一定位置までと、その後から糸先端までの時間及び距離を変更することによって、多種の下糸に対する摩擦増加処理またはほぐし処理で良好な結果を得ることが可能となる。
【0063】
請求項19記載の発明は、
請求項18記載の下糸巻回装置であって、
下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の開始時点と終了時点に関わる設定条件の選択に基づいて摩擦増加処理またはほぐし処理を行うように制御する制御手段を備えた構成、
を特徴としている。
【0064】
このように、請求項19記載の発明によれば、制御手段によって、下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の、請求項18記載の入力手段による開始時点と終了時点に関わる設定条件の選択に基づいて摩擦増加処理またはほぐし処理を行うことで、多種の下糸に対する摩擦増加処理またはほぐし処理で良好な結果が得られる。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る下糸巻回装置及び下糸巻回方法の実施の各形態例を図1から図42に基づいて説明する。
【0066】
<第1の実施の形態例>
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態例としての下糸巻回装置30を備えた下糸自動供給装置100の正面図である。同図中、Kはミシン釜、Tはミシンベッドである。
図2は、下糸自動供給装置100に備えられているボビン交換装置1の構成を示す側面図である。図3は、下糸巻回装置30を示すもので、(a)はその上面図、(b)は正面図である。
【0067】
この下糸自動供給装置100は、ミシン釜K内のボビンの下糸が消費されて所定量より少なくなった場合に、ミシン釜K内のボビンおよびボビンケースを自動的に下糸のセットされたボビンおよびボビンケースと交換すると共に、下糸の消費されたボビンおよびボビンケースに自動的に下糸を供給する装置である。
【0068】
下糸自動供給装置100は、ボビン及びボビンケースの交換を行うボビン交換装置1、図示略の残糸除去装置、並びに、ボビンに下糸を供給する下糸巻回装置30等から構成される。図1中、L1は既に下糸を巻き付けられたボビンおよびボビンケースを待機させるダミー位置、L2は残糸除去装置によりボビンの下糸の残りを除去するときの残糸除去位置、L3はボビンに下糸を巻き付けるための下糸巻回位置である。また、ミシン釜Kの中心には縫製時にボビン15の貫通孔15cにはめこまれることによってボビン15およびボビンケース10を保持する縫製軸r0が設けられている。ダミー位置L1、および残糸除去位置L2の中心には、ボビン15の貫通孔15cにはめこまれてボビンおよびボビンケースを保持するボビン保持軸r1、r2がそれぞれ設けられている。
【0069】
ボビン交換装置1は、図1及び図2に示すように、ボビンケース10の把持および開放を行うボビン把持手段2、このボビン把持手段2を支持軸3を中心に回動させたり支持軸3に沿って直線方向に移動(直動)させたりする搬送アーム4、搬送アーム4を回動させる回転駆動手段5、搬送アーム4を直動させる直動駆動手段6、等から構成され、また、後述するCPU82とドライバ87を介して接続されている。
【0070】
このうち、回転駆動手段5は、回動モータ5a、回動モータの回転子5aaに固着されている第1回動プーリ5b、第2回動プーリ5c、回動ベルト5d、さらに、支持軸3に沿って直動可能であると共に支持軸3の回転に伴って回転する搬送アーム4が取り付けられているスプラインナット5e等から構成される。この回転駆動手段5では、回動モータ5aが駆動すると、その回転が、第1回動プーリ5b、回動ベルト5d、第2回動プーリ5cを介して支持軸3に伝達され、支持軸3の回転に伴って、スプラインナット5eおよび搬送アーム4が回動するようになっている。
【0071】
また、直動駆動手段6(移動手段)は、直動モータ6a、直動モータ6aの回転子6aaに固着されている第1直動プーリ6b、第2直動プーリ6c、直動ベルト6d、さらに、支持軸3に沿って直動可能で、かつ、支持軸3の回動に追従しない直動リング6e等から構成され、直動リング6eに直動ベルト6dが固着されている。また、前記スプラインナット5eも直動リング6eに取り付けられている。
この直動駆動手段6では、直動モータ6aが駆動すると、第1直動プーリ6bを介して直動ベルト6dが回動して、直動リング6eが支持軸3の軸線方向に移動する。そのとき、直動リング6eとともにスプラインナット5eおよび搬送アーム4が支持軸3に沿って直動するようになっている。
【0072】
ミシン釜K、ダミー位置L1、残糸除去位置L2、下糸巻回位置L3は、支持軸3を中心とした1つの円弧上に設けられており、ボビン交換装置1は、CPU82の制御の元、回転駆動手段5によって搬送アーム4を回動させることで、ミシン釜Kから残糸除去位置L2へ、ダミー位置L1からミシン釜Kへ、残糸除去位置L2から下糸巻回位置L3へ、および下糸巻回位置L3からダミー位置L1への、ボビンおよびボビンケースの各移動を行い、また直動駆動手段によって搬送アーム4を直動させることで各軸r0、r1、r2に対してボビンおよびボビンケースを装着したり、逆にこれら軸から取り外したり、さらに下糸巻回位置L3における所定の位置への移動を行うようになっている。
【0073】
下糸巻回装置30は、図3に示すように、ボビン回転手段(糸巻き手段)20および下糸供給手段31、並びに下糸収納・導出手段50、糸供給検知手段60、下糸供給時の下糸ガイドや下糸供給後の糸捌きや糸切りを行うための動メス付き糸捌き40、図示略の糸掛け機構(図9参照)等から構成される。
【0074】
ボビン回転手段20は、図3に示したように、巻取モータM1を駆動することにより、この回転駆動力を、モータ軸プーリ21、タイミングベルト22、巻取プーリ23を介して回転体である巻取クラッチ板25に伝達し、この巻取クラッチ板25の回転により、下糸巻回位置L3に把持されているボビンケース10内のボビン15を回転させるものである。
この巻取クラッチ板25はクラッチ機構24を介して巻取プーリ23に連結されており、巻取クラッチ板25をその回転軸線方向に所定ストローク押込み可能になっていると共に、該巻取クラッチ板25を押込んだ場合に逆方向に付勢力が負荷されるようになっている。また、図8に示すように、上記巻取クラッチ板25には、ボビン15の回転を安定させるべくボビン15の貫通孔15cに挿入される基軸25cと、ボビン15のフランジ15Aに既設された穴部15bに挿入されてボビン15に回転運動を伝達する凸部25b,25bとが設けられている。
【0075】
このボビン回転手段20によれば、下糸巻回位置L3において把持手段2がボビンケース10を把持したまま、搬送アーム4を巻取クラッチ板25方向に直動させて、ボビン15を巻取クラッチ板25に当接・押圧させることで、巻取クラッチ板25の回転がボビン15に伝達される一方、搬送アーム4を巻取クラッチ板25から引き離す方向に直動し、ボビン15を巻取クラッチ板25から離隔させることで、巻取クラッチ板25の回転がボビン15に伝達されないようになっている。そして、ボビン15と巻取クラッチ板25とが当接し、且つ、両者の押圧力がない(又は押圧力が弱い)状態が半クラッチ状態となる。
【0076】
半クラッチ状態では、ボビン15がボビンケース10の内底に設けられた空転防止ばね(図示しない)の作用力によりボビンケース10の底から浮き上がり、ボビンケース10の開放面10f側(ボビンケース10外側)のボビンフランジ15Aの内端面がボビンケース10の開放端10gの端縁とほぼ同一面上になるように位置するようになる。
また、半クラッチ状態では、巻取クラッチ板25の凸部25b,25bがボビン15の穴部15b,15bに挿入された状態にあり、ボビン15は空回りせず、巻取クラッチ板25の回転に伴って回転するようになっている。
【0077】
下糸供給手段31は、下糸供給源から下糸収納・導出手段50を介して導かれた下糸Lを内部に配した糸吸引器32と、糸供給ノズル(糸保持手段)36と、電磁弁37の開動作により上記糸吸引器32内の下糸供給経路にエアーを供給するエアー源と、上記糸吸引器32を軸33を支点として回動させることにより糸供給ノズル36を、初期作業位置N1、下糸巻回位置N2、糸切り位置N5(図3(b))に移動させる下糸供給回動M2と、を備えている。
【0078】
この下糸供給手段31によれば、予め糸供給ノズル36の先端から絡み付けに必要な長さの下糸Lを導出しつつ、上記下糸供給回動モータM2の駆動により上記糸供給ノズル36の先端をボビンケース開口部10a近傍の初期作業位置N1に位置させ、この時エアーを供給して糸供給ノズル36の先端から当該エアーを吹き出すことによって、導出糸をボビンケース開口部10aから内部に案内し、さらにこの時、上述した巻取モータM1の駆動により回転しているボビン15に上記エアーを吹き込んで、ボビン軸15aの周りに渦流を形成することにより、ボビンケース内部に案内された上記下糸Lをボビン軸15aに絡み付け、その後所謂均一巻を行い得るように上記下糸供給回動モータM2を駆動して上記糸供給ノズル36の先端を上記初期作業位置N1から下糸巻回位置N2に移動し、下糸巻回を行うようになっている。
【0079】
糸供給検知手段60は、下糸供給源と糸吸引器32との間で下糸Lの送りを検出するものであり、下糸収納・導出手段50は、上記糸供給検知手段60と上記糸吸引器32との間の下糸Lに対して、下糸Lを一時的に引き込み収納又はこの収納した下糸Lを開放して導出するものである。
【0080】
図4は、下糸巻回装置30に備わる下糸供給検出装置(計測手段)の構成を示すもので、(a)はその正面図、(b)は側面図である。
糸供給検出手段60は、図4に示すように、下糸供給源と糸吸引器32との間で下糸Lの送り量を検出するものであり、フレーム646に、回転軸647、ローラ645、エンコーダ648、エンコーダ検出器649等を設け、ローラ645の両側に糸調子644,644を備えて構成される。そして、ローラ645に下糸を一巻きすると共に、エンコーダ648およびエンコーダ検出器649によりローラ645の回転角度を検出することで下糸供給の検出を行うように構成されている。
【0081】
図5には、下糸供給検出装置から出力されるパルス信号のチャート図を示す。下糸の巻回処理中、糸供給検出手段60のエンコーダ検出器649からは、図5に示すようなパルス信号が出力される。
すなわち、先ず、下糸供給手段31の糸供給ノズル36が初期作業位置N1に移動されて下糸がボビン軸15aに絡みつくまでは下糸が不規則に少量ずつ送られるので、不規則で比較的間隔の長いパルス信号が出力される。次いで、下糸がボビン軸15aに絡んで下糸の巻付けが開始されると、ボビン回転手段20の巻取モータ22と巻取クラッチ板21の回転スピードはほぼ一定であるため、周期的で短いパルス信号が出力される。下糸の巻きつけが進んでくると、例えば、図5(c)から(d)にかけて見てとれるように、ボビン15内の下糸の巻付け量が増えて下糸の巻かれる軸径が大きくなるため、その分、下糸の送り量が増えてパルス信号の周期が短くなってくる。
このようなエンコーダ信号によれば、パルス信号の数から下糸の供給長さを検出することができる一方、パルス信号の周期からボビン15内に巻かれた下糸の径(下糸の巻付け径)を検出することが出来る。そして、これら下糸の巻付け径と下糸の供給長さとから、下糸の番手(太さ)を演算することが出来る。
【0082】
図6には、下糸巻回装置30の下糸収納・導出機構50の詳細な構成図を示す。同図(a)はその上面図、(b)は側面図である。
下糸巻回装置30の下糸収納・導出機構50は、導管61の吸入口61bより下糸供給経路上流に設けられ、糸供給検出機構60と糸吸引器32との間の下糸Lに対して、下糸Lを一時的に引き込み収納またはこの収納した下糸Lを開放して導出するものである。この下糸Lの収納・導出により、糸吸引器32の糸供給ノズル36の先端36aから導出する下糸Lを当該ノズル先端36a内に引き込み収納するとともに、この引き込み収納した下糸Lをノズル先端36aから導出することが可能となる。
【0083】
この下糸収納・導出機構50は、図示のように、フレーム550、糸たぐりモータ542、モータ軸542aに固着されたモータギヤ542c、フレーム550に回転軸553を介して回転可能な状態に固定されたギヤ554、このギヤ554に固着されたワイパー552等から構成される。
ワイパー552の先端には、下糸Lが通される貫通孔552bが設けられており、ワイパー552の時計回り方向(図示矢印CW方向)の回動により、この貫通孔552bに通された下糸Lが導管61の吸入口61bから引き出されて一時的に収納される。一方、ワイパー552の反時計回り方向(図示矢印CCW方向)の回動により、一時的に収納された下糸Lが開放され、同時にエアー源からエアーを供給することで、導管61の吸入口61b内に導出されるようになっている。
【0084】
動メス付き糸捌き40は、図7に示すように、円弧状に湾曲した形状に形成され、クラッチ板25の回動軸25aと同一軸線を回転軸として回転可能に機枠に支持されており、動メス付糸捌き回動モータ41(図10)の駆動により下糸巻回位置L3で把持されているボビンケース10の周側面に沿って回動しながら、糸捌き等を行うものである。
【0085】
この動メス付き糸捌き40には、その先端側(図7(a)で左側)に、下糸供給時に下糸をガイドする下糸ガイド用の切欠部40aが、その隣の中腹部に、下糸供給後に糸供給ノズル36とボビン15に渡る下糸Lを捌いてボビンケース10の開口部10aからスリット10bまで導くU字状に形成された糸捌き用の切欠部40bが、後端側(図7(a)で右側)に、V字状に形成された糸切断用の切欠部40cと、この切欠部40cの頂点から周面に沿う延長線上に切断用の目玉(動メス)40dとが設けられている。
【0086】
糸掛け機構は(図9参照)、動メス付糸捌き40により、ボビンケース10の周側面に既設されたスリット10bまで下糸Lが導かれた後、この下糸Lを引っ掛けて誘導し、下糸Lを下糸張力調整バネ11とボビンケース10周側面との間に通して糸導出部10dまで導くものであり、例えば、下糸自動供給装置100の基枠等に固定されたベース48、このベース48に支点48aを中心に回動可能に取り付けられているワイパー47、並びに、ワイパー47を回動駆動させる駆動手段等から構成されている。ワイパー47は、ボビン15の回転軸線方向に延出した糸案内部材47bと、この糸案内部材47bと垂直に設けられた糸引掛け部材47aとを一体的に形成した部材であり、糸供給ノズル36の先端からボビンケース10に導出された下糸Lを、後述の糸捌き処理中に糸案内部材47bで保持する一方、この糸捌き処理後に糸引掛け部材47aにより糸を引っ掛けて糸掛けを行うようになっている。
【0087】
図10には、上記構成の下糸自動供給装置100の制御部の構成を示すブロック図を示す。
下糸自動供給装置100の制御部は、CPU(Central Processing Unit )82、RAM(Random Access Memory)91、ROM(Read Only Memory)90、I/Oポート81、下糸自動供給装置100の各駆動部のドライバ83〜89等から構成される。I/Oポート81には、操作表示パネル88や糸供給検知手段(機構)60、各ドライバ83〜89を介してボビン交換装置1、残糸除去装置50、動メス付糸捌き回動モータ41、ボビン回転手段20の巻取モータM1、下糸供給手段30の下糸供給回動モータM2、糸たぐりモータ542および電磁弁37等の各駆動機器が接続されている。
また、本実施の形態におけるI/Oポート81は、この下糸自動供給装置100が取り付けられるミシンの縫製動作等を制御するミシン制御部と接続されていて、ミシン制御部から、I/Oポート81を介して、CPU82に対して、ミシンが縫製動作中であることに対応する縫製動作信号が出力されるようになっている。
【0088】
CPU82は、この縫製動作信号が入力されている間は、縫製による振動によって好ましくない影響を受け得る、ボビンの着脱や糸捌き処理等の動作を行わないようになっている。
また、CPU82は、下糸が消費されて、ボビン交換装置1によるボビンの交換が行われている間、ミシン制御部に対して、ミシンが動き出さないよう、その動作を禁止する動作禁止信号を出力し、ボビンの交換が終了すれば、ミシン制御部に対して、ミシンの動作を許可する動作許可信号を出力するようになっている。
そして、上記CPU82、RAM91、ROM90によるシーケンス処理により、下糸自動供給装置100の各駆動部が所定の制御内容で制御されるようになっている。
【0089】
次に、上記構成の下糸自動供給装置100により行われる、下糸自動供給処理について説明する。
【0090】
縫製中に下糸が消費されてミシン釜K内のボビン15の下糸が所定量より少なくなり、ボビンの交換の必要性が生じると、ミシン側の糸切りがなされた後、ミシンの駆動が一時的に停止され、下糸の自動供給処理が開始される。
まず、搬送アーム4の回動および直動によって、釜K内のボビンケース10が把持手段2に把持されて、釜K内から取り出され、このボビンケース10は、残糸除去位置L2に送られ、ボビン保持軸r2に取り付けられる。
次いで、搬送アーム4の把持手段2によってダミー位置L1の軸r1に取り付けられているボビンケース10(予め下糸が巻き付けられた状態にある)が、把持されて、釜K内に装着され、下糸が補充されたことが作業者に報知されるとともにミシンの動作禁止が解除される。作業者は、この報知により再び縫製作業を続行することができる。
【0091】
ボビンケース10が釜K中に装着されると、次いで、下糸の消費されたボビン15およびボビンケース10から残糸を除去する残糸除去処理が行われ、ボビン15中の残糸が全て抜き取られる。残糸除去処理が完了すると、ミシンの縫製動作が停止していれば、搬送アーム4および把持手段2によって、残糸除去位置L2のボビン保持軸r2からボビンケース10が抜き取られて、下糸巻回位置L3に移される。残糸除去処理完了後、ミシンが縫製動作中であれば、動作が停止するまで、把持手段2が残糸除去位置L2の直前で待機する。
【0092】
次に、下糸巻回処理が開始される。図11(a)〜(h)には、下糸巻回処理における下糸の絡み付け(糸絡め)から、糸巻き、糸捌き、糸掛け、糸切りまでの各処理の流れを示すボビンケース10周辺の側面図を示す。
下糸巻回処理が開始されると、搬送アーム4が直動して把持しているボビンケース10内のボビン15を巻取クラッチ板25に当接させ、更に巻取クラッチ板25を所定ストローク押し込んで、ボビン15と巻取クラッチ板25とが互いに押圧された状態にする。
【0093】
この状態で、前述したように、下糸供給手段31の糸供給ノズル36が初期作業位置N1に移される(図3(b)参照)。このとき、ミシンの縫製動作が停止していれば、ボビン15内にエアー出力すると共に、巻取りモータM1が駆動してボビン15を回転させ、下糸Lをボビン軸15aに絡み付かせる(糸絡め、図11(a))。この絡み付きにより下糸Lが送られて糸供給検知手段60に検出されると、この検出に基づき下糸供給回動モータM2が駆動されて糸供給ノズル36が下糸巻回位置N2に移される(図11(b))。
なお、糸供給ノズル36が初期作業位置N1に移されたときに、ミシンが縫製動作中であれば、その動作が停止するまで、エアーの出力等の糸絡めに関連する動作は行われず、待機状態になる。待機状態において、ミシンの動作が停止すれば、上記糸絡めが行われる。
【0094】
上記糸絡め後、動メス付糸捌き40が図11の反時計方向に回動して、下糸ガイド用の切欠部40aに下糸Lを掛け、該下糸Lをガイドしながら、ボビン15に下糸Lを巻き付けていく(糸巻き、図11(c)〜(d))。
【0095】
所定量の下糸Lがボビン15に巻回されると、巻取モータM1の駆動が停止されると共に、動メス付糸捌き40が図11の時計方向に回動して、一旦、下糸Lから離される(図11(e))。
【0096】
次に、ボビンケース開口部10aから延出された下糸Lをボビンケース10周側面に既設されたスリット10bまで捌いて導く、糸捌き処理が開始される。
図12〜図16は、糸捌き処理から糸切り処理までの、ボビンケースと動メス付糸捌き40との位置関係を説明するための平面図を示す。これらの図中、矢印CCW方向が図11における反時計周りの回動方向を、矢印CW方向が図11における時計周りの回動方向を示している。なお、これらの図における、実際の動きは、動メス付糸捌き40のCCW方向およびCW方向の移動は、動メス付糸捌き40のボビンケース10の周側面に沿った回動から得られ、動メス付糸捌き40の横方向(図12〜図16で左右方向)の移動は、搬送アーム4の直動によるボビンケース10の移動から得られる。
【0097】
糸捌き処理は、図12〜図15に示す経路i1からi10で、動メス付糸捌き40がボビンケース10に対して相対移動することで行われる。
糸捌き処理が開始されると、先ず、図12に示す初期位置から動メス付糸捌き40がCCW方向に回動して、動メス付糸捌き40の先端部がボビンケース開口部10aの端に重なる前まで移動される(図13、経路i1)。次いで、経路i2の移動が行われ、動メス付糸捌き40の糸捌き用の切欠部40bがボビンケース10底側のボビンフランジ15Aに重なる位置まで移動される。
ここで、ミシンの縫製動作が停止していれば、次の経路i3の移動が行われるが、ミシンが縫製動作中であれば、図13の状態で、動メス付糸捌き40およびボビンケースは待機する。
【0098】
次に、図14に示す経路i3、i4の移動により、開口部10aから延出した下糸Lが動メス付糸捌き40の切欠部40bに掛けられる。
次いで、経路i5の移動が行われ、動メス付糸捌き40がCCW方向に回動して、動メス付糸捌き40の切欠部40bが所定量前進される。この移動により、ボビンケース開口部10aから延出している下糸Lが、ボビンケース開口部10aの開放端に設けられた切欠10aaまで誘導される。
次いで、経路i6の移動が行われ、動メス付糸捌き40の切欠部40bがボビンケース10の開放端10gより大きく外側(図12〜図16で右方)に移動され、この移動量は、巻取クラッチ板25が半クラッチ状態でボビン15に当接される量である。
【0099】
上記動メス付糸捌き40の切欠部40bがボビンケース10の開放端10gより大きく外側に移動することで、ボビンケース10から延出する下糸Lが寝た状態になり(ボビンケース10からの下糸Lの延出角度が小さくなり)、下糸Lがスムーズにボビンケース開放端10gとボビンフランジ15Aとの間を通るようになる。
【0100】
次いで、経路i7の移動によって、動メス付糸捌き40の切欠部40bがスリット10bの入り口まで達さない所定位置まで前進される。この移動により、ボビンケース開放端10gとボビンフランジ15Aとの間に下糸Lが通される。
【0101】
次いで、経路i8の移動により、ボビンケース開放端10gから延出している下糸Lが、該開放端10gにおいて折り返される。
次いで、経路i9の移動が行われると、動メス付糸捌き40の切欠部40bがスリット10bの入り口より大きく前方(図12〜図15で上方)に移動するので、ボビンケース10より延出している下糸Lは、スリット10bの入り口を越えるかスリット10b内に通される。
【0102】
また、動メス付糸捌き40の上記経路i5,i7,i9の移動に連動して、巻取クラッチ板25が下糸Lを誘導する方向と同方向に回転し、ボビン15を同方向に回転させることで、下糸Lの誘導に伴ってボビン15上の下糸Lの導出点も同様に移動する。
【0103】
次いで、図15に示すように、経路i10の移動が行われ、動メス付糸捌き40の切欠部40bがスリット10bの入り口より少し後方(開口部10a側)の位置まで後退される。この移動により、下糸Lが確実にスリット10bに通される。
次いで、経路i11の移動により下糸Lが下糸張力調整バネ11まで確実に導かれ、その後、糸捌き40のCW方向への移動により、下糸Lが動メス付糸捌き40の切欠部40bから外される。
また、上記経路i10,i11の移動に連動して、巻取クラッチ板25が下糸Lを巻き込む方向と同方向に回転し、ボビン15を同方向に回転させることで、下糸Lをボビン15内に引き込んで下糸Lに張力を付与し、この張力により下糸Lをスリット10b及び下糸張力調整ばね11まで確実に導くことが出来る。
次いで、動メス付糸捌き40が図12に示す初期位置に戻されて、糸捌き処理が完了する。
【0104】
次に糸掛け機構による糸掛け処理が開始され、図9に示すごとく、ワイパー47が支点48aを中心に回動駆動されて、糸引掛け部材47aによって下糸Lが引っ掛けられて、ボビンケース10周側面に沿って横方に誘導される(図9(b))。そして、この誘導により、下糸張力調整バネ11の下に通された下糸Lが糸導出部10dまで導かれる。その後、ワイパー47が元の位置に戻されて糸掛け処理が完了する。
【0105】
次いで、糸切り処理が開始され、図11(g)に示すように、動メス付糸捌き40が時計方向に一回転して、ボビンケース10の糸導出部10dからワイパー47に渡された下糸Lが、糸切り用の切欠部40cに保持され、そのまま動メス付糸捌き40が時計方向に回転を続けて、固定メス45と重なることで、糸切り用の切欠部40cに保持された下糸Lが固定メス45と目玉40dとの間に挟み込まれ、下糸Lが所定の箇所で切断され(図11(h))、図16の状態になる。
【0106】
糸切り後、搬送アーム4によって、ボビンケース10およびボビン15はダミー位置L1に移されて、ミシンの縫製動作が停止していれば、ダミー位置L1のボビン保持軸r1にボビンケース10およびボビン15は装着され、動作中であれば、待機し、動作停止後、軸r1に装着される。
【0107】
以上の下糸巻回装置30において、図17に示すように、糸ほぐし装置(摩擦増加手段、糸ほぐし手段、回転式糸ほぐし機構)160と、図19及び図20に示すように、糸把持手段110を設ける。
図17は、第1の実施の形態例の糸ほぐし装置160を備えた下糸巻回装置30を示す正面図である。
この糸ほぐし装置160は、一対のギヤローラ(糸ほぐし部材)161,162、モータ163、プーリ164、ベルト165、プーリ166、ギヤ167,168、ワンウェイクラッチ169、アーム170からなる回転式のものである。
即ち、一方のギヤローラ161は、モータ163の駆動により、プーリ164、ベルト165、プーリ166を介して回転するとともに、このギヤローラ161に他方のギヤローラ162が噛み合って回転する回転式糸ほぐし機構となっている。
また、ギヤローラ161と同軸上に設けたギヤ167には、ギヤ168が噛み合っており、このギヤ168と同軸上にワンウェイクラッチ169が設けられ、他方のギヤローラ162を回転自在に支持するアーム170がワンウェイクラッチ169と同軸上に取り付けられている。
【0108】
以上の糸ほぐし装置(回転式糸ほぐし機構)160によれば、一方のギヤローラ161が、モータ163の駆動により図示時計回り方向に回転すると、このギヤローラ161に噛み合う他方のギヤローラ162が図示反時計回りに回転する。
従って、糸供給ノズル36からエアー吹き出しにより下糸Lの先端部分をギヤローラ161,162間に導くと、下糸Lの先端部分がギヤローラ161,162の回転によりしごかれて、糸の撚りがほぐされる。
また、一方のギヤローラ161が、モータ163の逆転駆動により図示反時計回り方向に回転すると、このギヤローラ161と同軸上のギヤ167に噛み合うギヤ168が図示時計回りに回転し、このギヤ168と同軸上のワンウェイクラッチ169を介してアーム170が図示時計回りに回転する。
即ち、アーム170により支持された他方のギヤローラ162が図示時計回りに回転して図示鉛直上方位置に位置する。
なお、ワンウェイクラッチ169は、ギヤローラ161,162が噛み合った回転状態において、ギヤ168の図示反時計回り方向の回転を許容するものである。
【0109】
図18は、以上の糸ほぐし装置160による糸ほぐしの一態様を示した平面図である。
即ち、前記糸供給ノズル36からのエアー吹き出しにより下糸Lの先端部分を前記ギヤローラ161,162間に導いて、ギヤローラ161,162の回転によって、下糸Lの先端部分をしごくことにより、その最先端を除いて、糸の芯を柔らかくするとともに、糸の撚りを単繊維状になるようにほぐした状態を示している。
なお、最先端もほぐして良いことは勿論である。
【0110】
次に、下糸供給検出機構60の2つの糸調子644、644のうちの1つを、図19に示すように糸把持手段110に置き換えた場合について説明する。
図19は、下糸巻回装置30に糸把持手段110を設けた下糸供給検出装置の構成を示す正面図で、図20は、その糸把持手段110の断面図であり、(a)は糸を把持している状態を表し、(b)は糸を開放している状態を表す。図21は、図20の皿押さえ113を示す平面図である。
この糸把持手段110は、下糸収納・導出機構50より下糸供給経路上流に設けられ、図20に示すように、調子皿111、112、皿押さえ113、調子バネ114、調子台115、調子台115の中央部分から突出している突出部116、この突出部116によって貫通され調子台115に対して固定されている調子ナット117、およびエアシリンダ118等からなり、一対の調子皿111、112の間で糸を把持および開放可能に構成されているものである。
【0111】
調子皿111、112は、中央に円形の穴が形成されたリング状であって、周縁部から中央の穴にかけて凹面が形成されている。そして、調子皿111、112は、凹面と反対側の面同士を合わせて当接する部分において糸を挟んで把持するようになっている。
【0112】
皿押さえ113は、略円盤状に形成され、図20、図21に示すように窪んでいる中央部分と、折り曲げられている周縁部との間に形成される当接面113bにおいて、調子皿111の凹面に当接している。
また、皿押さえ113には、図21に示すように、後述する突出部116の2つの貫通棒116a、116aがそれぞれ填め込まれるための半円形の穴113a、113aが設けられ、これら穴113a、113aに挟まれて中央部113bが形成されている。
コイルバネである調子バネ114は、一端部が皿押さえ113に、他端部が調子ナット117に当接していて、皿押さえ113を介して調子皿111を、調子皿112側へ付勢するものである。
【0113】
調子皿112が固着されている調子台115は、内部に空洞115aが形成され、この空洞に後述するエアシリンダ118が填め込まれている。
調子台115の中央部分から突出している突出部116は、調子皿112、111、皿押さえ113、調子バネ114、および調子ナット115の中央を貫通していて、これにより、調子皿111および皿押させ113は、調子バネ114の伸縮に伴って、突出部116を軸として、図20の左右方向に摺動できるようになっている。
突出部116は途中から2つの貫通棒116a、116aに分かれていて、皿押さえ113の穴113a、113aにこれら貫通棒116a、116aがそれぞれ填め込まれている。これによって、調子台115の空洞115a内にあって、エアシリンダ118の空気圧によって動作するピストン119が前記中央部113bを押すことができるようになっている。
【0114】
調子台115の空洞115aに填め込まれているエアシリンダ118は、電磁弁37(図10参照)を介して送られてくる空気によって、内部の空気圧を高め、ピストン119を動作させるように構成されているものである。
また、エアシリンダ118の電磁弁37が通電すると、図20(b)に示すように、ピストン119が右方向に押し出されて、その先端が、調子バネ114の付勢力に抗して、皿押さえ113の中央部113bを押圧する。これによって、調子皿111は、調子皿112から離間し、その間を通っている下糸Lが開放され、下糸収納・導出手段50側に送り出される状態になる。
【0115】
次に、図10に示す制御部および該制御部との関連でミシン制御部とによって行われる制御処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、図10に示すように、I/Oポート81には、ドライバ171,172を介してギヤローラモータ163、糸たぐりモータ542がそれぞれ接続されている。なお、CPU82には、後述するような制御を行う制御手段が含まれている。
図22は、第1の実施の形態例の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
この制御処理が開始すると、まず、ステップS1において、縫製作業が行われながら、次のステップS2において、ボビンの交換を要するほど下糸が消費されたか否かの判別処理される。ステップS2において、ボビンの交換を要すると判断すると、ステップS3に移行する。
【0116】
ステップS3では、ミシン制御部からの信号に基づいて、ミシンの縫製動作とミシン側の糸切り動作が停止しているか否か判断され、ミシンの動作が停止していれば、ステップS4に移行する。また、ミシンが動作中であれば、ミシンの動作が停止するまで待機する。
ステップS4においては、ミシンが動き出すことを禁止する動作禁止信号をミシン制御部に出力する処理が行われる。次に、ステップS5に移行し、ボビン交換装置1によって、ミシン釜K内のボビンおよびボビンケースが残糸除去位置L2に移されボビン保持軸r2に装着され、ダミー位置L1に装着されているすでに下糸が巻かれているボビンおよびボビンケースがミシン釜Kにセットされる。このボビンの交換が終了すると、ステップS6に移行し、ミシンの動作を許可する動作許可信号をミシン制御部に対して出力する処理が行われる。
【0117】
次に、ステップS7に移行し、図示しない残糸除去装置によって残糸除去処理が行われる。この残糸除去処理が終了すると、ステップS8に移行する。
ステップS8では、残糸除去位置L2のボビン保持軸r2から、搬送アーム4および把持手段2によって下糸が完全に取り除かれたボビンおよびボビンケースが取り外され、下糸巻回位置L3に搬送される。
次にステップS9に移行し、下糸巻回処理が行われ、即ち、前述の糸絡め、糸巻き、糸捌きの各処理が行われる。この下糸巻回処理において、すでに述べたように、糸絡めの前、糸捌きの開始直後においては、ミシンの動作が停止しているか否かの判別処理がなされ、停止している場合のみ各処理が行われる。ミシンが動作中であれば、その動作が停止するまで待機する。
そして、ステップS10、ステップS11で、糸掛け、糸切りの各処理が続いて行われる。
【0118】
次に、ステップS12において、下糸が巻かれたボビンおよびボビンケースが搬送アーム4および把持手段2によってダミー位置L1の手前まで搬送される。次に、ステップS13に移行し、ダミー位置L1のボビン保持軸r1にボビンおよびボビンケースは装着され、ボビンの交換を要するまで待機することになる。
【0119】
そして、次のステップS14において、糸ほぐし装置(回転式糸ほぐし機構)160のギヤローラ161,162による糸ほぐし処理を行う。
続いて、次のステップS15で、ギヤローラ161,162による糸ほぐし処理が規定回数か否かを判別する。即ち、モータ163の回転数に基づいて、糸ほぐしが行われるに十分な規定回転数か否かを判別する。
前記ステップS15において、規定回数に達したならば、前記ステップS2に戻って以降の処理を繰り返し、また、規定回数に達していなければ、糸ほぐし処理を継続する。
【0120】
図23は、図22のギヤローラによる糸ほぐし処理(ステップS14)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
この糸ほぐし処理が開始されると、先ず、ステップS141で糸供給ノズル36を糸ほぐし位置(図17参照)へ移動し、続いて、ステップS142でギヤローラ161,162を開く。
即ち、前述したように、一方のギヤローラ161を、モータ163の逆転駆動により図示反時計回り方向に回転して、このギヤローラ161と同軸上のギヤ167に噛み合うギヤ168を図示時計回りに回転し、このギヤ168と同軸上のワンウェイクラッチ169を介してアーム170を図示時計回りに回転することで、アーム170により支持された他方のギヤローラ162を図示鉛直上方位置に位置させる。
【0121】
次に、ステップS143で糸供給ノズル36からエアーを吹き出し、続いて、ステップS144でギヤローラ162を回転して3/4閉める。即ち、モータ163の正転駆動によりアーム170を図示反時計回りに回転して、ギヤローラ162をギヤローラ161の上方に離れた位置に待機させる。
この時、糸供給ノズル36からのエアーの吹き出しにより、下糸Lの先端部分がギヤローラ161,162の間に導かれる。この場合、ギヤローラ161,162の間には下糸Lが導かれるに十分な間隔が開いており、ギヤローラ161,162にエアーが当たって吹き返されることが無いので、ギヤローラ161,162の間からの糸の逃げが回避される。
その後、ステップS145で糸供給ノズル36からのエアーの吹き出しを止める。
【0122】
続いて、ステップS146でギヤローラ162をギヤローラ161に対し僅かに開く位置まで閉じる。
そして、次のステップS147において、糸たぐりモータ542にて糸Lをギヤローラ161,162に最先端を残し引き戻す。
続いて、次のステップ148で下糸収納・導出手段50と糸供給検知手段60の間に入れてあるエアー式糸調子(糸把持手段110)を働かせて糸Lの供給を止める。即ち、糸Lをロック状態にする。
その後、ステップS149でギヤローラ162をギヤローラ161に対し閉じ方向に一定時間回す。これにより、ギヤローラ161,162間に糸Lの先端部分が挟み込まれて、糸Lを引き出す方向に回転するギヤローラ161,162の互いに噛み合う歯の回転によって、糸Lの撚りをしごくようにしてほぐす。このような糸Lの撚りをほぐすに十分な時間が前記一定時間として設定される。
また、次のステップS150では、糸Lを僅かに糸供給ノズル36から出す方向に糸たぐりモータ542を回す。
【0123】
次に、ステップS151で糸たぐりモータ542が原点位置か否かを判別し、原点位置で有れば、次のステップS152に進み、また、原点位置で無ければ、前記ステップS149に戻って糸ほぐし処理を継続する。
そして、ステップS152でギヤローラ162を開き、続くステップS153で糸供給ノズル36を原点位置に戻した後、ステップS154でギヤローラ161,162を閉じる。
続いて、ステップS155において、エアー式糸調子(糸把持手段110)を開放して、処理を終了する。
【0124】
以上の通り、下糸Lの先端部分を単繊維状にほぐした状態にできるので、後述するボビン15のボビン軸15aに下糸Lを巻き付ける際の摩擦を増加して、ボビン15に確実に糸絡めすることができる。
従って、例えば、0番から8番等の特にナイロン系の撚り糸及び撚りのない糸(ボンド糸)等、芯の強い性質、表面が滑りやすい性質、表面が固い性質、撚りの少ない或いは無い性質の中で少なくとも一つ以上の性質を持った下糸に対して有効なものとなる。
また、ほぐす長さは、ボビン軸の一周の距離よりも長い方が、より摩擦力を増加できる。さらに、最先端をほぐさないことで、下糸が軸へと巻き付き易くなる。
【0125】
図24は、図22の下糸巻回処理(ステップS9)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
この下糸巻回処理が開始されると、順次、糸巻付け処理(ステップS91)、糸掛け処理(ステップS92)、糸切り処理(ステップS93)を行ってステップS94に移行する。これらステップS91〜S93の処理により、ボビン15のボビン軸15aに下糸の絡ませて下糸を巻きつけ、その後、動メス付き糸捌き40と糸掛け手段を作動させて下糸をボビンケース10の下糸張力調整バネ11の下に通すと共に糸導出部10dに導き、更に、動メス付き糸捌き40を作用させて下糸を切断するまでの処理が行われる。
【0126】
ステップS94では、ROM91中のデータテーブルを参照して、入力された入力データから、下糸延出量の調整に必要な巻取モータM1の回転量の設定値を取得してステップS95に移行する。
ステップS95では、ボビン回転手段20の巻取モータM1を作動させてステップS96に移行する。
ステップS96では、モータ回転量がステップS94で取得した設定値か否かを判別して、該設定値になるまでステップS96を繰り返し、設定値になったらステップS97に移行する。
ステップS97では、巻取モータM1の作動を停止させて、この下糸巻回処理を終了する。
つまり、上記ステップS95〜S97により、巻取モータM1が下糸を巻き込む方向に回転してボビンケース10の糸導出部10dから延出する下糸の長さを調整する下糸延出量の調整処理が行われる。
【0127】
<第2の実施の形態例>
図25は、第2の実施の形態例の糸ほぐし装置(摩擦増加手段、糸ほぐし手段)210を備えた下糸巻回装置30を示す正面図である。
この糸ほぐし装置210は、糸供給ノズル36をエアー吹き出し部材として利用するとともに、ワイパー47を糸ぶつけ部材として利用したものである。
【0128】
以上の糸供給ノズル(エアー吹き出し部材)36及びワイパー(糸ぶつけ部材)47による糸ほぐし装置210によれば、糸供給ノズル36からのエアーの吹き出しによって、下糸Lの先端部分の糸の撚りがほぐれる。
そして、糸供給ノズル36をワイパー47側に回転させて、下糸Lの先端部分をワイパー47の下部に対しエアーの吹き出しでぶつけることによって、下糸Lの最先端が叩かれて撚りがほぐれる。
【0129】
図26は、以上の糸ほぐし装置210による糸ほぐしの一態様を示した平面図である。
即ち、前記糸供給ノズル36からのエアー吹き出しによって、下糸Lの先端部分がエアーで煽られることに加えて、前記ワイパー47の下部にエアー吹き出しでぶつかることにより、糸の芯が柔らかくなるとともに、図示例のような、3本よりの糸の場合には、3本にばらけて、糸の撚りが単繊維状にほぐれた状態を示している。
【0130】
図27は、第2の実施の形態例の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
なお、ステップS1〜ステップS8までは、前述した第1の実施の形態例と同様(図22参照)のため、ここでは、ステップS8の次のステップS16からの処理について説明する。
即ち、ステップS16において、ノズルエアーによる糸ほぐし装置210の糸供給ノズル(エアー吹き出し部材)36及びワイパー(糸ぶつけ部材)47による糸ほぐし処理を行う。
その後、ステップS17,S18,S19で、下糸巻回、糸掛け、糸切りの各処理が続いて行われ、続くステップS20,S21で、ダミー位置へのボビン搬送、ダミー軸へのボビン装填の各処理が続いて行われてから、前記ステップS2に戻って以降の処理が繰り返される。
【0131】
また、図28は、図27とは異なる制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
即ち、ステップS1〜ステップS11までは、前述した第1の実施の形態例と同様(図22参照)であり、ステップS11の次に図27と同様のステップS16の処理を行った後、続いて図27と同様のステップS20,S21の処理を行う。
【0132】
図29は、図27及び図28のノズルエアーによる糸ほぐし処理(ステップS16)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
この糸ほぐし処理が開始されると、先ず、ステップS161で糸供給ノズル36を糸ほぐし位置(図25の仮想線参照)へ移動し、続いてステップS162で糸供給ノズル36からエアーを吹き出す。これにより、下糸Lの先端部分がエアーで煽られるとともにワイパー47の下部にぶつけられる。
その後、ステップS163で一定時間が経過したか否かを判別し、経過したならば、次のステップS164に進み、また、経過していなければ、糸ほぐし処理を継続する。
ここで、糸供給ノズル36からのエアー吹き出しとワイパー47へのぶつけとによる下糸Lの先端部分の撚りをほぐすに十分な時間が前記一定時間として設定される。
【0133】
そして、ステップS164で糸供給ノズル36からのエアーの吹き出しを止める。
その後、ステップS165で糸供給ノズル36を原点位置へ移動して、処理を終了する。
【0134】
以上の通り、下糸Lの先端部分を単繊維状にほぐした状態にできるので、前述した第1の実施の形態例と同様に、ボビン15のボビン軸15aに下糸Lを巻き付ける際の摩擦を増加して、ボビン15に確実に糸絡めすることができる。
【0135】
<第3の実施の形態例>
図30は、第3の実施の形態例の糸ほぐし装置(摩擦増加手段、糸ほぐし手段、毛羽立たせ機構)260を備えた下糸巻回装置を示す正面図である。
この糸ほぐし装置260は、動メス付き糸捌き40の目玉(動メス)40dと固定メス45からなる糸切断手段によって、下糸Lの表面を傷付けて毛羽立ちを起こさせる毛羽立たせ機構である。
【0136】
以上の動メス40d及び固定メス45による糸ほぐし装置(毛羽立たせ機構)260によれば、図32に拡大して示したように、固定メス45との間に下糸Lを通し、動メス付き糸捌き40(目玉(動メス)40d)を反復移動させて下糸Lの先端部分表面に傷を付けることによって、下糸Lの先端部分表面に短い単繊維状の毛羽立ちを起こせる。
【0137】
図31は、以上の糸ほぐし装置(毛羽立たせ機構)260による糸ほぐしの一態様を示した平面図である。
即ち、前記動メス付き糸捌き40の反復移動によって、前記固定メス45との間で下糸Lの先端部分の表面が傷付けられることにより、糸の芯が柔らかくなるとともに、糸Lの表面に短い単繊維状の毛羽立ちが起こされた状態を示している。
【0138】
図33は、第3の実施の形態例の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
なお、ステップS1〜ステップS10までは、前述した第1の実施の形態例と同様(図22参照)のため、ここでは、ステップS10の次のステップS22からの処理について説明する。
即ち、ステップS22において、糸ほぐし装置(毛羽立たせ機構)260の糸掛けメス(動メス付き糸捌き)40と固定メス45によるによる糸ほぐし処理を行う。
その後、ステップS23で、糸切り処理が行われ、続くステップS24,S25で、ダミー位置へのボビン搬送、ダミー軸へのボビン装填の各処理が続いて行われてから、前記ステップS2に戻って以降の処理が繰り返される。
【0139】
図34は、図33の動メス付糸捌き40と固定メス45による糸ほぐし処理(ステップS22)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
この糸ほぐし処理が開始されると、先ず、ステップS221において、糸掛けメス(動メス付き糸捌き)40は糸切り方向に糸をすくい、固定メス45での切断寸前で動メス付き糸捌き40を止める。
続いて、ステップS222において、糸供給ノズル36をボビン15側へ近付けると同時に、一定量糸巻きする。
そして、次のステップ223で下糸収納・導出手段50と糸供給検知手段60の間に入れてあるエアー式糸調子(糸把持手段110)を働かせて糸Lの供給を止める。即ち、糸Lをロック状態にする。
【0140】
次に、ステップS224において、糸供給ノズル36を原点側に移動するのと同時に、糸巻きモータ(巻取モータ)M1を一定量逆転させる。
続いて、ステップS225において、糸供給ノズル36をボビン15側へ近付けると同時に、一定量糸巻きする。
その後、ステップS226で規定回数に達したか否かを判別し、規定回数(例えば、3回等)に達したならば、次のステップS227へ進み、また、規定回数に達していなければ、前記ステップS224に戻って毛羽立たせ処理を継続する。
そして、ステップS227においては、糸供給ノズル36を原点側に移動するのと同時に、糸巻きモータ(巻取モータ)M1を一定量逆転させる。
続いて、ステップS228において、エアー式糸調子(糸把持手段110)を開放して、処理を終了する。
【0141】
以上の通り、下糸Lの先端部分表面を短い単繊維状に毛羽立たせた状態にできるので、前述した第1の実施の形態例と同様に、ボビン15のボビン軸15aに下糸Lを巻き付ける際の摩擦を増加して、ボビン15に確実に糸絡めすることができる。
【0142】
上記の第3の実施の形態において、図31に示したように、下糸の先端部分は最先端を含めて全て処理したが、第1の実施の形態の図18に示したように、最先端を処理しないようにしても良い。
なお、上記の第1、第2及び第3の実施の形態において、糸ほぐし処理を行う時期がそれぞれ異なっており、第1の実施の形態では、ボビンをダミー軸へと装填した直後に次の巻回に備えて糸ほぐし処理を行い、第2の実施の形態では、下糸巻回処理直前に糸ほぐし処理を行い、第3の実施の形態では、下糸巻回処理後の糸切り直前に次の巻回に備えて糸ほぐし処理を行っているが、糸ほぐし処理を行うタイミングは種々考えられ、上記実施の形態に何ら制限されることはない。例えば、第1及び第3の実施の形態のように、下糸巻回処理までに糸ほぐしが完了していれば、下糸巻回処理に取り掛かるまでの時間が短くなるという利点がある。
しかしながら、第2の実施の形態にも以下のような利点がある。
ボビンに巻かれている下糸の種類を交換しようとするとき、ミシン停止時に下糸の種類を変更し、続いて、ボビン交換スイッチを操作して、ボビン交換動作、S2〜以降の動作を行わせて、変更した下糸をボビンに装填している。ここで、図27の第2の実施の形態のフローを見ると、下糸巻回直前にほぐし処理が行われる構成であるから、ほぐし処理が施された新しい下糸をボビン軸に巻回することがわかる。これに対し、第1及び第3の実施の形態では、下糸巻回前にほぐし処理が行われない。従って、第2の実施の形態のように、ボビン交換から下糸巻回処理までの間にほぐし処理を施すと、下糸の種類を変更したときでも、新しい下糸を確実にボビン軸に巻き付けることができるという利点がある。
【0143】
<第4の実施の形態例>
以上のような糸ほぐし装置160,210,260と、下糸Lをほぐすかほぐさないか予め選択された入力情報に基づいて、下糸Lの先端部分をほぐしたりほぐさないままで糸巻きする制御手段(選択制御手段)を設けても良い。
即ち、図10に示される操作・表示パネル88において、予め下糸Lをほぐすかほぐさないかを選択する入力操作部(入力手段)を設けておき、その選択情報に基づいて、糸ほぐし有り選択の場合は、前記糸ほぐし装置160,210,260の何れかによって、下糸Lの先端部分をほぐしてから糸巻きし、また、糸ほぐし無し選択の場合には、糸ほぐしを行うことなく糸巻きするように制御しても良い。
【0144】
<第5の実施の形態例>
また、糸ほぐし装置160,210,260と、下糸Lの種類または太さについての予め入力された情報に基づいて、自動で下糸Lの先端部分をほぐしたりほぐさないままで糸巻きする制御手段(自動制御手段)を設けても良い。
即ち、図10に示される操作・表示パネル88において、予め下糸Lの種類または太さを入力する入力操作部(入力手段)を設けておき、その入力情報に基づいて、糸ほぐし処理が必要な下糸の場合は、前記糸ほぐし装置160,210,260の何れかによって、下糸Lの先端部分をほぐしてから糸巻きしたり、また、糸ほぐし処理が不要な下糸の場合には、糸ほぐしを行うことなく糸巻きするように制御しても良い。
以上のような入力情報に基づいた糸ほぐし処理を経ての糸巻き処理は、前述したように、例えば、0番から8番等の特にナイロン系の撚り糸及び撚りのない糸(ボンド糸)等、芯の強い性質、表面が滑りやすい性質、表面が固い性質、撚りの少ない或いは無い性質の中で少なくとも一つ以上の性質を持った下糸に対して有効である。
また、その他の下糸に対しては、糸ほぐし処理を経ない糸巻き処理で良い。
【0145】
<第6の実施の形態例>
図35は、第6の実施の形態例の糸ほぐし装置160及び糸ガイド180を備えた下糸巻回装置を示す正面図で、図36は、糸ほぐし装置160及び糸ガイド180の配置の変形例を示した下糸巻回装置の正面図である。
これら図35及び図36に示した糸ほぐし装置160において、糸供給ノズル(糸保持手段)36により下糸Lをボビン回転手段(糸巻き手段)20に供給する供給経路に沿って配置している点は、前述した第1の実施の形態例と同様であるが、第1の実施の形態例と異なる点は、新たに、糸ガイド180を設けたことである。
【0146】
即ち、糸ガイド180は、図37にも示したように、位置固定側のギヤローラ161と可動側のギヤローラ162との噛み合い部手前側から、ギヤローラ162のアーム170の回転による移動軌跡の外側に沿った平面視円弧形状をなして、図38に示したように、糸供給ノズル36の延長線上に沿って細長い方形枠状のものである。
このような糸ガイド180、即ち、位置固定側のギヤローラ161の手前側から、可動側のギヤローラ162のアーム170の回転による移動軌跡の外側に沿った平面視円弧形状で、糸供給ノズル36の延長線上に沿って細長い方形枠状の糸ガイド180を設けたことにより、下糸Lをギヤローラ161,162間に確実に案内できる。
【0147】
以上の第6の実施の形態例(変形例含む)の特徴は下記の三点にある。
1)糸ほぐし装置(回転式糸ほぐし機構)160は、下糸Lの糸巻き用のボビン15に供給する供給経路上に沿って配置してある。現実的には、図36の位置で、糸供給ノズル36が原点にあるときに、糸供給ノズル36からの下糸Lがしごけるようにしてある。
2)糸ほぐし用のギヤローラ161,162間に下糸Lを案内する際に、確実に案内できるように糸ガイド180を設けてある。
3)糸ほぐし時の下糸L端のギヤローラ161,162間への案内方法は、一旦、糸供給ノズル36内の下糸Lを全てギヤローラ161,162間に排出し、その後、排出した下糸Lを間欠引き戻しまたは連続引き戻しにて、所定のしごき開始位置まで下糸繰り出し装置(下糸収納・導出手段)50にて糸供給ノズル36内へ下糸Lを引き戻す。このとき、ギヤローラ161,162間には、下糸Lが案内された状態となっている。
【0148】
次に、図39は、第6の実施の形態例(変形例含む)の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
この制御処理において、ステップS1〜S7の縫製作業から残糸除去処理までは、前述した第1の実施の形態例と同様のため、ここでは、ステップS7の次のステップS31からの処理について説明する。
【0149】
ステップS31において、糸ほぐし装置(回転式糸ほぐし機構)160のギヤローラ161,162による糸ほぐし処理を行う。
続いて、次のステップS32で、前記糸供給検出手段60での検出に基づいて糸巻き測長カウンターが一定以上カウントアップしたか否かを判別する。即ち、糸ほぐし装置160のギヤローラ161,162に下糸Lが絡み付いてしまうと、下糸巻回処理(ステップS35)に進めなくなるため、ここで、ギヤローラ161,162に下糸Lが絡み付いているか否かを判断する。
ステップS32において、糸巻き測長カウンターが一定以上カウントアップしていなければ、ギヤローラ161,162に下糸Lが絡み付いていないため、次のステップS33へ進む。
ステップS33では、ギヤローラ161,162による糸ほぐし処理が規定回数か否かを判別する。即ち、モータ163の回転数に基づいて、糸ほぐしが行われるに十分な規定回転数か否かを判別する。
前記ステップS33において、規定回数に達したならば、次のステップ34へ進み、また、規定回数に達していなければ、ステップS31に戻って、糸ほぐし処理を継続する。
【0150】
ステップS34では、残糸除去位置L2のボビン保持軸r2から、搬送アーム4および把持手段2によって下糸が完全に取り除かれたボビンおよびボビンケースが取り外され、下糸巻回位置L3に搬送される。
次にステップS35に移行し、下糸巻回処理が行われ、即ち、前述の糸絡め、糸巻き、糸捌きの各処理が行われる。この下糸巻回処理において、すでに述べたように、糸絡めの前、糸捌きの開始直後においては、ミシンの動作が停止しているか否かの判別処理がなされ、停止している場合のみ各処理が行われる。ミシンが動作中であれば、その動作が停止するまで待機する。
そして、ステップS36、ステップS37で、糸掛け、糸切りの各処理が続いて行われる。
【0151】
次に、ステップS38において、下糸が巻かれたボビンおよびボビンケースが搬送アーム4および把持手段2によってダミー位置L1の手前まで搬送される。次に、ステップS39に移行し、ダミー位置L1のボビン保持軸r1にボビンおよびボビンケースは装着され、ボビンの交換を要するまで待機することになる。
その後、前記ステップS2に戻って以降の処理を繰り返す。
【0152】
また、前記ステップS32において、糸巻き測長カウンターが一定以上カウントアップしていれば、ギヤローラ161,162に下糸Lが絡み付いているため、ステップS41へ進んで、装置停止とエラー表示を行い、これにより、次のステップS42として、オペレーター介入を促す。
即ち、オペレーターは、ギヤローラ161,162に絡み付いた下糸Lをギヤローラ161,162から外す。
ここで、下糸Lは太糸であるため、例えば、ギヤローラ161,162に下糸Lが絡み付いたまま放置すると、装置に多大な不具合が起きる可能性があるが、以上のように、オペレーターがギヤローラ161,162から絡み付いた下糸Lを外すことで、装置の信頼性が高められる。
【0153】
図40及び図41は、図39のギヤローラによる糸ほぐし処理(ステップS31)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
この糸ほぐし処理が開始されると、先ず、ステップS311で、糸たぐりモータ542にて下糸Lを糸供給ノズル36へ全て収納する。
そして、次のステップS312で、糸供給ノズル36を糸ほぐし(原点)位置(図35、図36参照)へ移動し、続いて、ステップS313で、ギヤローラ161,162を開く。
次に、ステップS314で、糸供給ノズル36からエアーを吹き出し、続いて、ステップS315で、糸たぐりモータ542を原点位置に戻して、下糸Lを全て糸供給ノズル36から出し、ギヤローラ161,162間に入れる。
そして、次のステップS316で、ギヤローラ162を回転して3/4閉める。
この時、糸供給ノズル36からのエアーの吹き出しにより、下糸Lの先端部分がギヤローラ161,162の間に導かれる。
その後、ステップS317で、糸供給ノズル36からのエアーの吹き出しを止める。
【0154】
続いて、ステップS318で、ギヤローラ162をギヤローラ161に対し僅かに開く位置まで閉じる。
そして、次のステップS319において、糸たぐりモータ542にて下糸Lを間欠的にゆっくりとギヤローラ161,162間に糸のしごき開始位置が来るまで引き戻す。
続いて、次のステップ320で、下糸収納・導出手段50と糸供給検知手段60の間に入れてあるエアー式糸調子(糸把持手段110)を働かせて下糸Lの供給を止める。即ち、下糸Lをロック状態にする。また、このとき、前記糸巻き測長カウンターをクリアする。
【0155】
そして、続くステップS321で、糸供給ノズル36からエアーを吹き出す。これにより、下糸Lがギヤローラ161,162に絡み付くのを防止する。
その後、ステップS322で、ギヤローラ162をギヤローラ161に対し閉じ方向に一定時間(T1 秒間)回す。これにより、ギヤローラ161,162間に下糸Lの先端部分が挟み込まれて、下糸Lを引き出す方向に回転するギヤローラ161,162の互いに噛み合う歯の回転によって、下糸Lの撚りをしごくようにしてほぐす。このような下糸Lの撚りをほぐす時間が前記T1 秒間として設定される。
【0156】
ここで、T1 秒間の設定は、図10に示される操作・表示パネル88において、糸のしごき開始位置から一定位置(例えば、5mm等)までの時間を入力する入力操作部(入力手段)を設けておき、その選択された入力情報に基づいて、制御手段により、ギヤローラ162がギヤローラ161に対し閉じ方向に一定時間(例えば、T1 =2秒間等)回されるようになっている。
【0157】
続いて、ステップS323で、糸供給ノズル36からのエアー吹き出しを停止する。
【0158】
さらに、次のステップS324では、ギヤローラ161,162を僅かに開き、続くステップS325で、下糸Lを一定長(X1 mm)だけ糸供給ノズル36へ収納する方向に糸たぐりモータ542を回す。
【0159】
ここで、X1 mmの設定は、前述したT1 秒間の設定の場合と同様に、図10の操作・表示パネル88において、糸の前記一定位置からしごき開始位置(例えば、5mm等)までの距離を入力する入力操作部(入力手段)を設けておき、その選択された入力情報に基づいて、制御手段により、下糸Lを一定長(例えば、X1 =5mm等)だけ糸供給ノズル36へ収納する方向に糸たぐりモータ542が回されるようになっている。
【0160】
続いて、ステップS326で、糸ほぐし処理が第1回目の規定回数か否かを判断し、第1回目の規定回数であれば、次のステップS327へ進み、また、第1回目の規定回数でなければ、前記ステップS321へ戻って以降の処理を繰り返す。
【0161】
そして、ステップS327で、糸供給ノズル36からエアーを吹き出すことにより、下糸Lがギヤローラ161,162に絡み付くのを防止し、続くステップS328で、ギヤローラ162をギヤローラ161に対し閉じ方向に一定時間(T2 秒間)回すことにより、ギヤローラ161,162の互いに噛み合う歯の回転で下糸Lの撚りをしごくようにしてほぐす。このような下糸Lの撚りをほぐす時間が前記T2 秒間として設定される。
【0162】
ここで、T2 秒間の設定は、前述したT1 秒間の設定の場合と同様に、図10の操作・表示パネル88において、前半の糸ほぐし位置から糸先端位置(例えば、5mm等)までの時間を入力する入力操作部(入力手段)を設けておき、その選択された入力情報に基づいて、制御手段により、ギヤローラ162がギヤローラ161に対し閉じ方向に一定時間(例えば、T2 =2秒間等)回されるようになっている。
【0163】
続いて、ステップS329で、糸供給ノズル36からのエアー吹き出しを停止し、続くステップS330で、ギヤローラ161,162を僅かに開いてから、次のステップS331で、下糸Lを一定長(X2 mm)だけ糸供給ノズル36へ収納する方向に糸たぐりモータ542を回す。
【0164】
ここで、X2 mmの設定は、前述したX2 mmの設定の場合と同様に、図10の操作・表示パネル88において、糸の先端位置から前記一定位置(例えば、5mm等)までの距離を入力する入力操作部(入力手段)を設けておき、その選択された入力情報に基づいて、制御手段により、下糸Lを一定長(例えば、X2 =5mm等)だけ糸供給ノズル36へ収納する方向に糸たぐりモータ542が回されるようになっている。
【0165】
その後、ステップS332で、糸ほぐし処理が第2回目の規定回数か否かを判断し、第2回目の規定回数であれば、次のステップS333へ進み、また、第2回目の規定回数でなければ、前記ステップS327へ戻って以降の処理を繰り返す。
【0166】
次に、ステップS333で、ギヤローラ162を開き、続くステップS334で、糸たぐりモータ542を原点位置に戻して、下糸Lを全て糸供給ノズル36から出す。
そして、次のステップS335で、糸たぐりモータ542にて下糸Lを糸供給ノズル36へ全て収納した後、続くステップS336で、ギヤローラ161,162を閉じる。
続いて、ステップS337において、エアー式糸調子(糸把持手段110)を開放して、処理を終了する。
【0167】
図42は、図39の下糸巻回処理(ステップS35)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
この下糸巻回処理が開始されると、先ず、ステップS351で、前記下糸巻回装置20による下糸絡み付け処理を行い、続くステップS352で、下糸Lが前記ボビン軸15aに絡み付いたか否かを判断する。これは、前記糸供給検出手段60での検出に基づいて行い、糸が絡み付いていれば、次のステップS353に進み、また、糸が絡み付いていなければ、ステップ361へ進む。
そして、ステップS353で、糸巻き処理を行い、続くステップS354で、糸掛け処理を行ってから、次のステップS355で、糸切り処理を行って、ステップS356に移行する。これらステップS354〜S356の処理により、ボビン15のボビン軸15aに下糸の絡ませて下糸を巻きつけ、その後、動メス付き糸捌き40と糸掛け手段を作動させて下糸をボビンケース10の下糸張力調整バネ11の下に通すと共に糸導出部10dに導き、更に、動メス付き糸捌き40を作用させて下糸を切断するまでの処理が行われる。
【0168】
そして、ステップS356では、ROM91中のデータテーブルを参照して、入力された入力データから、下糸延出量の調整に必要な巻取モータM1の回転量の設定値を取得してステップS357に移行する。
ステップS357では、ボビン回転手段20の巻取モータM1を作動させてステップS358に移行する。
ステップS358では、モータ回転量がステップS356で取得した設定値か否かを判別して、該設定値になるまでステップS358を繰り返し、設定値になったらステップS359に移行する。
ステップS359では、巻取モータM1の作動を停止させて、この下糸巻回処理を終了する。
つまり、上記ステップS357〜S359により、巻取モータM1が下糸を巻き込む方向に回転してボビンケース10の糸導出部10dから延出する下糸の長さを調整する下糸延出量の調整処理が行われる。
【0169】
また、ステップS361では、規定回数の絡み付けリトライか否かが判断され、規定回数の絡み付けリトライであれば、次のステップS362へ進み、また、規定回数の絡み付けリトライでなれば、前記ステップS351に戻って以降の処理を繰り返すL。
ステップS362では、前述したように、ギヤローラによる糸ほぐし処理(ステップS31参照)を行った後、次のステップS363で、前記糸巻き測長カウンターが一定以上カウントアップしたか否かを判断する。
ステップS363において、糸巻き測長カウンターが一定以上カウントアップしていれば、次のステップS364へ進んで、装置停止とエラー表示を行い、続くステップS365で、オペレーター介入を促す。
また、前記ステップS363において、糸巻き測長カウンターが一定以上カウントアップしていなければ、前記ステップS351へ戻って以降の処理を繰り返す。
【0170】
以上の通り、第6の実施の形態例により得られる効果を次に列挙する。
1)糸ほぐし装置(回転式糸ほぐし機構)160を糸巻き用のボビン15に供給する供給系路上に沿って配置したことにより、下糸巻回装置(下糸自動供給装置)30を無駄なく小型化できる。
2)糸ほぐし用のギヤローラ161,162上に糸ガイド180を設けたことにより、確実に下糸Lをギヤローラ161,162間に案内できる。
3)糸ほぐし用のギヤローラ161,162間に糸を案内するときに、一旦、糸供給ノズル36内の全ての下糸Lをギヤローラ161,162間に入れ、その後、ゆっくり間欠的または連続的に糸たぐりモータ542にて所定の糸ほぐし開始位置に下糸Lを引き戻したことにより、確実に糸ほぐしができる。
4)糸巻き時の糸絡めにて失敗したと判断した場合に再度糸ほぐし動作を行うことにより、確実な糸巻きができる。
5)糸のほぐし方法として糸供給側から糸先端方向に少しずつしごくことで、確実な糸ほぐしが可能となる。
6)糸ほぐしの最中に糸供給ノズル36からエアーを出すことで、糸ほぐし用のギヤローラ161,162への絡み付きを防止できる。また、下糸Lを糸供給ノズル36側にたぐり寄せるときにノズルエアーをオフすることで、ギヤローラ161,162からの糸外れを防止できる。
7)糸ほぐし用のギヤローラ161,162に下糸Lが絡まったと破断した時に装置を停止しエラーとしてオペレーター介入を促すことにより、装置の信頼性を高める。
8)糸ほぐし方法に関し、下糸Lのしごき開始点から一定位置までと、その後から糸先端までの糸ほぐし時間・糸ほぐし距離を変更することで、他種の糸への糸ほぐしで良好な結果を得ることが可能となる。
【0171】
<第7の実施の形態例>
この実施の形態例は、図示しないが、複数の糸ほぐし条件を記憶しておき、そのパターンを操作パネル(図10の操作・表示パネル88)により選択して、その選択したパターンの糸ほぐし処理を行うものである。ここで、複数の糸ほぐし条件は、図10に示されるROM90に予め記憶させておく。
具体的には、以下のような複数のパターンをROM90に記憶させておく。
【0172】
「パターン1」
ほぐし時間T1、ほぐし開始位置SP1、等・・・。
「パターン2」
ほぐし時間T2、ほぐし開始位置SP2、等・・・。
「パターン3」
ほぐし時間T3、ほぐし開始位置SP3、等・・・。



「パターンX」
ほぐし時間TX、ほぐし開始位置SPX、等・・・。
【0173】
なお、各パターンの値は、予め操作パネル(操作・表示パネル88)から入力しておく。
【0174】
従って、使用時には、操作パネル(操作・表示パネル88)において、何れかのパターンを選択して、その選択したパターンに対応する記憶された糸ほぐし条件に基づいて糸ほぐし処理を行う。
【0175】
以上の糸ほぐし条件パターン選択処理により、糸を変更する毎に、その糸に応じた糸ほぐし条件を入力する必要がなく、作業能率を向上することができる。
【0176】
なお、以上の実施の各形態例においては、一対のギヤローラによる回転式糸ほぐし機構やエアー吹き出し方式及び糸ぶつけ方式や対をなす固定メスと動メスによる糸毛羽立たせ機構による糸ほぐし装置(摩擦増加装置)としたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、他の糸ほぐし部材や毛羽立ち起こし部材等による糸ほぐし方式(摩擦増加方式)であっても良い。
また、下糸の先端部分のほぐし量(長さ)については、ボビン軸の少なくとも1周分以上であれば良い。
そして、特に図示はしないが、太糸のボンド糸(表面樹脂コーティング系)等については、その表面のコーティングを薬品等で除去することにより、糸を単繊維状にすることも可能である。
さらに、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0181】
【発明の効果】
以上のように、請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、糸保持手段により保持された下糸の先端部分に、摩擦増加手段によって、ボビン軸に対する摩擦増加処理を施すことができるため、糸巻き手段によるボビンへの糸絡めを確実に実行することができる。
【0182】
また、請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、糸ほぐし手段によって、単繊維状態、単繊維に近い状態或いは表面が毛羽立つ状態に加工してほぐすことができるため、糸巻き手段によるボビンへの糸絡めを確実に実行することができる。
【0183】
請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、下糸の先端部分を、ボビン軸の1周分以上ほぐせたり、ボビン軸の1周分以上摩擦増加処理することができるため、請求項または記載の発明のように、ボビンへの糸絡めを確実に実行することができる。
【0184】
請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、下糸の最先端をほぐしたり摩擦増加処理しないで残したため、下糸がボビン軸に巻き付き易くなって、請求項または記載の発明のように、ボビンへの糸絡めを確実に実行することができる。
【0185】
請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、制御手段によって、下糸の先端部分を、糸ほぐし手段によりほぐし処理または摩擦増加手段により摩擦増加処理した後、糸保持手段により下糸を糸巻き手段に移動して、糸巻き手段により下糸をボビン軸に巻き付けることができるため、請求項または記載の発明のように、ボビンへの糸絡めを確実に実行することができる。
【0186】
請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、下糸供給源と糸保持手段との間の下糸把持手段によって、下糸先端部分のほぐし処理或いは摩擦処理時において、下糸を確実に保持することができるといった利点が得られる。
【0187】
請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、制御手段によって、少なくともほぐし処理または摩擦増加処理を行っている間は、請求項記載の発明のように、下糸を把持しておけるため、ほぐし処理または摩擦増加処理を確実に行うことができる。
【0188】
請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、選択制御手段によって、下糸の先端にほぐし処理または摩擦増加処理を施すか施さないかを選択する入力手段による選択情報に基づいて、下糸の先端部分を、ほぐし処理或いは摩擦増加処理してから糸巻きすることができるといった利点が得られる。
【0189】
請求項記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項記載の発明により得られる効果に加え、自動制御手段によって、入力手段に入力された下糸の種類や太さ等の下糸に関する情報に基づいて、下糸の先端部分を、ほぐし処理或いは摩擦増加処理してから糸巻きしたり、または、ほぐし処理や摩擦増加処理を行うことなく糸巻きすることができるといった利点が得られる。
【0190】
また、請求項10記載の発明に係る下糸巻回方法によれば、ボビン軸に巻回される下糸の先端部分に予めボビン軸に対する摩擦力を増加する摩擦増加処理または単繊維状態、単繊維に近い状態または表面が毛羽立つ状態にするほぐし処理を施しておいて、その摩擦増加処理またはほぐし処理が施された下糸先端部分をボビン軸に巻き付けるため、ボビンへの糸絡めを確実に実行することができる。
【0191】
また、請求項11記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、下糸の供給経路に沿って摩擦増加手段または糸ほぐし手段を配置したことによって、装置を無駄なく小型化することができるといった利点が得られる。
【0192】
請求項12記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または11記載の発明により得られる効果に加え、糸保持手段により保持した下糸先端部分を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に案内する糸ガイドを設けたことによって、下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段へ確実に案内することができるといった利点が得られる。
【0193】
請求項13記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、制御手段によって、糸保持手段により保持した下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に案内した後、所定の糸ほぐし開始位置に下糸を引き戻してから摩擦増加処理またはほぐし処理するため、下糸先端部分を確実に摩擦増加処理またはほぐし処理することができるといった利点が得られる。
【0194】
請求項14記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項記載の発明により得られる効果に加え、制御手段によって、糸巻き手段によるボビン軸への下糸巻き付けが失敗と判断された場合に、糸保持手段により下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に戻して摩擦増加処理またはほぐし処理を再度行うため、ボビン軸への下糸巻き付けが失敗しても、下糸先端部分を確実に摩擦増加処理またはほぐし処理することができるといった利点が得られる。
【0195】
請求項15記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、制御手段によって、糸保持手段により保持した下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に所定の糸ほぐし開始位置まで入れて先端方向へ向かい徐々に摩擦増加処理またはほぐし処理を行うため、下糸先端部分を確実に摩擦増加処理またはほぐし処理することができるといった利点が得られる。
【0196】
請求項16記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、制御手段によって、糸保持手段により保持した下糸先端部分を摩擦増加処理またはほぐし処理中において、下糸先端部分にエアー吹き出し手段によるエアーの吹き付けを行うため、摩擦増加手段または糸ほぐし手段への下糸の絡み付きを防止することができるといった利点が得られる。
そして、下糸を引き戻すときには、エアー吹き付けを行わないことによって、摩擦増加手段または糸ほぐし手段からの糸外れを防止することができるといった利点も得られる。
【0197】
請求項17記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、制御手段によって、糸保持手段により保持した下糸先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理が失敗と判断された場合に、装置を停止し、エラーとしてオペレーター介入を促すため、装置の信頼性を高めることができるといった利点が得られる。
【0198】
請求項18記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、請求項または記載の発明により得られる効果に加え、下糸先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の設定条件を選択する入力手段による選択情報に基づいて、下糸先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の、例えば、開始点から一定位置までと、その後から糸先端までの時間及び距離を変更することによって、多種の下糸に対する摩擦増加処理またはほぐし処理で良好な結果を得ることが可能となるといった利点が得られる。
【0199】
請求項19記載の発明に係る下糸巻回装置によれば、制御手段によって、下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の入力手段による開始時点と終了時点に関わる設定条件の選択に基づいて摩擦増加処理またはほぐし処理を行うため、請求項18記載の発明のように、多種の下糸に対する摩擦増加処理またはほぐし処理で良好な結果が得ることができるといった利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態例としての下糸巻回装置を備えた下糸自動供給装置の正面図である。
【図2】図1の下糸自動供給装置に備えられているボビン交換装置の構成を示す側面図である。
【図3】図1の下糸自動供給装置に備えられている下糸巻回装置を示すもので、(a)はその上面図、(b)は正面図である。
【図4】図3の下糸巻回装置に備わる下糸供給検出装置の構成を示すもので、(a)はその正面図、(b)は側面図である。
【図5】図4の下糸供給検出装置から出力されるパルス信号を示すチャート図である。
【図6】図3の下糸巻回装置に備わる下糸収納・導出機構の詳細な構成を示すもので、(a)はその上面図、(b)は側面図である。
【図7】図3の下糸巻回装置の動メス付き糸捌きを示すもので、(a)はその平面図、(b)は側面図である。
【図8】図1の下糸自動供給装置で扱うボビンケース及びボビン、クラッチ板の概要を示す斜視図である。
【図9】糸掛け機構による糸掛け処理の概要を示す斜視図であり、(a)はワイパーの作動前を示し、(b)はワイパーの作動後を示す。
【図10】図1の下糸自動供給装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】図3の下糸巻回装置による糸絡め、糸巻き、糸捌き、糸切りの一連の処理の流れを示す側面図である。
【図12】糸捌きから糸切り処理にかけてのボビンケースと動メス付き糸捌きとの位置関係を説明するための平面図である。
【図13】糸捌きから糸切り処理にかけてのボビンケースと動メス付き糸捌きとの位置関係を説明するための平面図である。
【図14】糸捌きから糸切り処理にかけてのボビンケースと動メス付き糸捌きとの位置関係を説明するための平面図である。
【図15】糸捌きから糸切り処理にかけてのボビンケースと動メス付き糸捌きとの位置関係を説明するための平面図である。
【図16】糸捌きから糸切り処理にかけてのボビンケースと動メス付き糸捌きとの位置関係を説明するための平面図である。
【図17】第1の実施の形態例の糸ほぐし装置を備えた下糸巻回装置を示す正面図である。
【図18】図17の糸ほぐし装置による糸ほぐしの一態様を示した平面図である。
【図19】下糸巻回装置に糸把持手段を設けた下糸供給検出装置の構成を示す正面図である。
【図20】図19の糸把持手段の断面図であり、(a)は糸を把持している状態を表し、(b)は糸を開放している状態を表す。
【図21】図20の皿押さえを示す平面図である。
【図22】第1の実施の形態例の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
【図23】図22のギヤローラによる糸ほぐし処理(ステップS14)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
【図24】図22の下糸巻回処理(ステップS9)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
【図25】第2の実施の形態例の糸ほぐし装置を備えた下糸巻回装置を示す正面図である。
【図26】図25の糸ほぐし装置による糸ほぐしの一態様を示した平面図である。
【図27】第2の実施の形態例の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
【図28】図27とは異なる制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
【図29】図27及び図28のノズルエアーによる糸ほぐし処理(ステップS16)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
【図30】第3の実施の形態例の糸ほぐし装置を備えた下糸巻回装置を示す正面図である。
【図31】図30の糸ほぐし装置による糸ほぐしの一態様を示した平面図である。
【図32】図30の糸ほぐし装置による糸ほぐし処理の際の要部を示した拡大図である。
【図33】第3の実施の形態例の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
【図34】図33の動メス付糸捌きと固定メスによる糸ほぐし処理(ステップS22)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
【図35】第6の実施の形態例の糸ほぐし装置及び糸ガイドを備えた下糸巻回装置を示す正面図である。
【図36】糸ほぐし装置及び糸ガイドの配置の変形例を示した下糸巻回装置の正面図である。
【図37】図35及び図36の糸ほぐし装置及び糸ガイドを示した正面図である。
【図38】図37の矢印A方向から糸ガイド部分を示した側面図である。
【図39】第6の実施の形態例(変形例含む)の下糸自動供給装置の制御部による制御処理を示すゼネラルフローチャートである。
【図40】図39のギヤローラによる糸ほぐし処理(ステップS31)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
【図41】図40に続く処理を示したフローチャートである。
【図42】図39の下糸巻回処理(ステップS35)のサブルーチン処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 ボビン交換装置
2 把持手段
4 搬送アーム
5 回転駆動手段
6 直動駆動手段(移動手段)
10 ボビンケース
15 ボビン
15c 貫通孔
20 ボビン回転手段(糸巻き手段)
30 下糸巻回装置
31 下糸供給手段
36 糸供給ノズル(糸保持手段、エアー吹き出し部材)
40 動メス付糸捌き
40d 目玉(動メス)
45 固定メス
47 ワイパー(糸ぶつけ部材)
50 下糸収納・導出手段
542 糸たぐりモータ
60 糸供給検出手段
81 I/Oポート
82 CPU
100 下糸自動供給装置
110 糸把持手段
160 ギヤローラによる糸ほぐし装置(摩擦増加手段、糸ほぐし手段、回転式糸ほぐし機構)
161,162 ギヤローラ(糸ほぐし部材)
163 モータ
164,166 プーリ
165 ベルト
167,168 ギヤ
169 ワンウェイクラッチ
170 アーム
180 糸ガイド
210 ノズルエアーによる糸ほぐし装置(摩擦増加手段、糸ほぐし手段)
260 糸掛けメス(動メス)と固定メスによる糸ほぐし装置(摩擦増加手段、糸ほぐし手段、毛羽立たせ機構)
K ミシン釜(釜)
L 下糸(糸)
M1 巻取モータ
M2 下糸供給回動モータ

Claims (19)

  1. 下糸供給源からの下糸を保持する糸保持手段と、
    この糸保持手段により保持された下糸をボビン軸に巻き付ける糸巻き手段と、
    を備える下糸巻回装置において、
    糸保持手段により保持された下糸の先端部分にボビン軸に対する摩擦増加処理を施す摩擦増加手段を備えたこと、
    を特徴とする下糸巻回装置。
  2. 下糸供給源からの下糸を保持する糸保持手段と、
    この糸保持手段により保持された下糸をボビン軸に巻き付ける糸巻き手段と、
    を備える下糸巻回装置において、
    糸保持手段により保持された下糸の先端部分を単繊維状態、単繊維に近い状態或いは表面が毛羽立つ状態に加工するほぐし処理を施す糸ほぐし手段を備えたこと、
    を特徴とする下糸巻回装置。
  3. 糸保持手段により保持された下糸の先端部分を糸ほぐし手段によりほぐすほぐし処理または摩擦増加手段により摩擦増加処理をボビン軸の1周分以上施すこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  4. 糸保持手段により保持された下糸の先端部分を糸ほぐし手段によりほぐすほぐし処理または摩擦増加手段により摩擦増加処理を施して、下糸の先端部分のうち最先端を残すこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  5. 糸保持手段により保持された下糸の先端部分を糸ほぐし手段によりほぐすほぐし処理かまたは摩擦増加手段により摩擦増加処理を施すかした後、糸保持手段により下糸を糸巻き手段に移動して、糸巻き手段により下糸をボビン軸に巻き付けるように制御する制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  6. 下糸供給源と糸保持手段との間で下糸を把持する下糸把持手段を設けたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  7. 下糸把持手段が、少なくともほぐし処理または摩擦増加処理を行っている間は下糸を把持するように制御する制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項記載の下糸巻回装置。
  8. 下糸の先端にほぐし処理或いは摩擦増加処理を施すか施さないかを選択する入力手段と、
    この入力手段による選択情報に基づいて、糸ほぐし手段或いは摩擦増加手段により下糸先端部分をほぐし処理或いは摩擦増加処理を施してから糸巻き手段による糸巻きを行うように制御する選択制御手段と、
    を備えたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  9. 前記入力手段には、下糸の種類や太さ等の下糸に関する情報が入力され、この情報に基づいて下糸の先端にほぐし処理或いは摩擦増加処理を施すか施さないかが自動で選択されるように制御する自動制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項記載の下糸巻回装置。
  10. ボビン軸に巻回される下糸の先端部分に予めボビン軸に対する摩擦力を増加する摩擦増加処理または単繊維状態、単繊維に近い状態或いは表面が毛羽立つ状態にするほぐし処理を施した後、
    下糸先端部分をボビン軸に巻き付けること、
    を特徴とする下糸巻回方法。
  11. 下糸を糸巻き手段に供給するため、糸保持手段を供給系路上を進退可能とされ、
    摩擦増加手段または糸ほぐし手段を前記供給経路に沿って配置したこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  12. 糸保持手段により保持された下糸の先端部分を、摩擦増加手段または糸ほぐし手段に案内する糸ガイドを設けたこと、
    を特徴とする請求項または11記載の下糸巻回装置。
  13. 糸保持手段により保持された下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に案内した後、所定の糸ほぐし開始位置に下糸を引き戻して摩擦増加処理またはほぐし処理を開始させるように制御する制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  14. 制御手段は、糸巻き手段によるボビン軸への下糸巻き付けが失敗と判断された場合に、糸保持手段により下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に戻して摩擦増加処理またはほぐし処理を再度行うように制御すること、
    を特徴とする請求項記載の下糸巻回装置。
  15. 糸保持手段により保持された下糸を摩擦増加手段または糸ほぐし手段に所定の糸ほぐし開始位置まで入れて先端方向へ向かい徐々に摩擦増加処理またはほぐし処理を行うように制御する制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  16. 糸保持手段により保持された下糸の先端部分にエアーを吹き付けるエアー吹き出し部材と、
    糸保持手段により保持された下糸の先端部分を摩擦増加手段による摩擦増加処理または糸ほぐし手段によるほぐし処理中において、下糸先端部分にエアー吹き出し手段によるエアーの吹き付けを行うように制御する制御手段と、
    を備えたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  17. 糸保持手段により保持された下糸の先端部分に対する摩擦増加手段による摩擦増加処理または糸ほぐし手段によるほぐし処理が失敗と判断された場合に、装置を停止し、エラーとしてオペレーター介入を促す制御を行う制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  18. 下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の設定条件を選択する入力手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項または記載の下糸巻回装置。
  19. 下糸の先端部分に対する摩擦増加処理またはほぐし処理の開始時点と終了時点に関わる設定条件の選択に基づいて摩擦増加処理またはほぐし処理を行うように制御する制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項18記載の下糸巻回装置。
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