JP4249084B2 - 泥水式シールド工法の掘削土搬出方法 - Google Patents

泥水式シールド工法の掘削土搬出方法 Download PDF

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Description

本発明は、泥水式シールド工法における掘削土の搬出方法に関する。
トンネルの切羽全面に対し泥水を充満させた状態でシールド機により掘削する泥水式シールド工法において、当該工事のために工事用地(地上)に設置された泥水処理設備から立坑を通しトンネル内のシールド機まで送泥水管及び排泥水管を配設して、ポンプにより加圧した泥水を切羽面に向けて循環させるようにしている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−115180号公報
前述したように従来は、地上に設置した泥水処理設備から立坑を通しトンネル内のシールド機まで送泥水管及び排泥水管を配設しており、泥水処理のための長い配管を必要としていた。
さらに、シールド機による掘削の進行に伴い、送泥用ポンプと排泥用ポンプをトンネル坑内の配管途中に増設し、送排泥水の配管も連続して延伸し、その配管延長に伴う泥水の圧力損失の発生に伴い切羽に送られる泥水の安定性を確保する必要があり、よって、送排泥水の配管内圧力及び流量を制御する必要もあった。
そして、泥水処理設備で分級処理されて残った掘削土をダンプトラックにより残土処分場まで陸上輸送していたことから、交通渋滞や排ガスなど環境に影響を与える心配もあった。
本発明の課題は、泥水式シールド工法において、泥水処理のための配管を始めとする諸設備を最小限とし、シールド機の後方近傍で直ぐに泥水を処理して、泥水の輸送効率を向上するとともに、泥水輸送設備を簡略化し、併せてトンネル坑外への掘削土搬出量を削減することである。
さらに、本発明の課題は、地上環境に配慮した掘削土の搬送を実現することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図4に示すように、トンネルの切羽に対し泥水を充満させた状態でシールド機1により掘削する泥水式シールド工法において、トンネル103坑内の前記シールド機1の後方近傍に、前記シールド機1に泥水を供給し、かつ前記シールド機1から掘削土とともに排出される泥水を処理する泥水処理設備10を配置しておく一方、前記シールド機1が発進する立坑101から別のサービストンネル111を河川近傍または海岸近傍まで掘削しておき、トンネル103坑内の前記泥水処理装置10により分級処理されて残った掘削土を前記立坑101に搬出してから前記サービストンネル111を通して前記河川近傍または海岸近傍まで搬出することを特徴とする。
このように、シールド機の後方近傍に泥水処理設備を配置したので、泥水処理のための配管を始めとする諸設備はシールド機の後方近傍に延ばすだけの最小限で良い。また、シールド機の後方近傍において、直ぐに泥水を処理できるので、泥水輸送効率が向上するとともに、泥水輸送設備も簡略化できる。
そして、トンネル坑内の泥水処理装置により分級処理されて残った掘削土を立坑へ搬出してからサービストンネルを通して河川近傍または海岸近傍まで搬出するので、掘削土を泥水とともに搬出する場合に比べて、掘削土搬出量を削減できる上、掘削土の陸上輸送を廃したことから、地上環境に影響を及ぼす心配もない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の泥水式シールド工法の掘削土搬出方法であって、例えば図4に示すように、前記河川近傍または海岸近傍に搬出された掘削土を船舶113により残土処分場まで水上輸送することを特徴とする。
このように、立坑からサービストンネルを通して河川近傍または海岸近傍に搬出された掘削土を船舶により残土処分場まで水上輸送することで、大量の掘削土を効率良く残土処分場まで輸送できる。
請求項1に記載の発明によれば、シールド機の後方近傍に泥水処理設備を配置したため、泥水処理のための配管を始めとする諸設備はシールド機の後方近傍に延ばすだけの最小限で足りるとともに、シールド機の後方近傍において、直ぐに泥水を処理できることから、泥水輸送効率の向上並びに泥水輸送設備の簡略化も達成できる。
そして、トンネル坑内の泥水処理装置により分級処理されて残った掘削土を立坑へ搬出してからサービストンネルを通して河川近傍または海岸近傍まで搬出することによって、掘削土を泥水とともに搬出する場合に比べて、掘削土搬出量を削減できる上、掘削土の陸上輸送を廃したことから、地上環境に影響を及ぼす心配もないといった利点が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明により得られる効果に加えて、立坑からサービストンネルを通して河川近傍または海岸近傍に搬出された掘削土を船舶により残土処分場まで水上輸送することによって、大量の掘削土を効率良く残土処分場まで輸送できるといった利点が得られる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明を適用した一実施形態の構成を示す図1及び図2において、1はシールド機、2はセグメント供給受台車(後方台車)、3はコントロールルーム、4はセグメント台車、5は牽引車両、6は流体輸送台車、7は1次処理台車、8は2次処理台車、9はホイスト、10は泥水処理プラント、11は牽引トラス(桟橋、ホイストビーム)、21は1次処理ライン、31は2次処理ラインである。
図示のように、大断面のトンネルを掘削するシールド機1の直後に配置されてシールド機1により牽引されるセグメント供給受台車2の上部にコントロールルーム3が設けられている。セグメント供給受台車2には、図示例では、3両連結のセグメント台車4に搭載されたセグメントが後述するようにして供給される。なお、セグメント台車4の前後に牽引車両5が連結されている。
そして、シールド機1の後方近傍、すなわち、セグメント供給受台車2の後方近傍には、図示例では、3両連結の台車6・7・8が配置されており、その3両連結の台車6・7・8に泥水処理プラント10が搭載されている。
泥水処理プラント10を搭載する台車6・7・8は、一両目の台車6が、図示のような牽引トラス11を介してセグメント供給受台車2に連結されており、シールドトンネル底部に施工された床版上を移動する。なお、台車6・7・8は、牽引車両5の牽引により同じく床版上を移動するセグメント台車4が通過できるようほぼ門形のものである。
また、牽引トラス11は、桟橋を兼ねるとともに、ホイストビームを装備している。
なお、牽引トラス11の上部にはセグメント輸送のコンベア設備を設けることができ、その両端にセグメント専用のエレベータを設けることにより、ホイストを使用しない方式でセグメント供給を提供できる。
ホイスト9は、床版上を移動してほぼ門形の台車6・7・8を通過してその前方に停止したセグメント台車4上からセグメントを吊り上げて、ホイストビーム(牽引トラス;桟橋)11に沿って移動することによりセグメント供給受台車2に載せるものである。セグメント供給受台車2に載せたセグメントは、図示しないセグメント供給装置によりシールド機1内のエレクターにより組立てられて、これにより覆工が行われる。
また、ホイスト9は、セグメント台車4(または図略のカルバート台車)上からプレキャストボックスカルバートを吊り上げて図示のようにシールドトンネル底部にセットすることもできる。
泥水処理プラント10は、図2に示すように、1両目の流体輸送台車6に搭載した送泥水ポンプ(送泥水サンドポンプ)12及び調整槽14と、2両目の1次処理ライン台車7に搭載した2次処理ライン21と、3両目の2次処理ライン台車8に搭載した2次処理ライン31等により構成される。
1次処理ライン21は、ローヘッドスクリーン22、サンドセパレータ24、泥水受槽25、スラリー槽26等により構成される。2次処理ライン31は、フィルタープレス32、プレスポンプ33、濁水処理装置34等により構成される。以上の機器は、ほぼ門形をなす台車6・7・8の左右に分けてそれぞれ搭載されている。
そして、送泥水ポンプ12とシールド機1とをつなぐ送泥水管13が設けられるとともに、ローヘッドスクリーン22とシールド機1とをつなぐ排泥水管23が設けられている。
また、2次処理ライン台車8には排土ベルトコンベア35が搭載されていて、その後方には坑内ベルトコンベア36が連続して設けられている。
以上の泥水処理プラント10において、シールド機1から排出された泥水は、排泥水管23を通りローヘッドスクリーン22を経て泥水受槽25に溜められ、図3に示したように、通常の水中サンドポンプによるサイクロンポンプ27によりサイクロン28を経てサンドセパレータ24に送られ、1次処理として排泥水から砂が除去される。
ここで、ローヘッドスクリーン22は、排泥水に含まれる大きな礫・固結シルトを泥水から分離する。このローヘッドスクリーン22により大きな礫・固結シルトが分離された泥水が泥水受槽25に溜められる。
サイクロンポンプ27は、泥水受槽25中の泥水をサイクロン28へ送水する。
サイクロン28は、サンドセパレータ24の上部に設置され、泥水にサイクロン(渦流)を発生させて、比重差を利用し砂・粘土水を分離する。このサイクロンで分離された砂がサンドセパレータ24に落下し、粘土水(余泥水)がスラリー槽26に送られる。
サンドセパレータ24は、砂粒子に付着している水分を脱水することを目的とする振動式の篩い装置である。このサンドセパレータ24により脱水された砂が取り出され、水分は泥水受槽25に落下する。
そして、スラリー槽26、調整槽14を経て送泥水ポンプ12により送泥水管13を通ってシールド機1に泥水が供給される一方、2次・3次処理水槽等の濁水処理槽34で処理される。また、濁水処理槽34で処理後の泥水がフィルタープレス33に送られる。
こうして泥水式シールド掘進を行うシールド機1直後のセグメント供給受台車2の後方近傍において、シールドトンネル内に移動式の泥水処理設備を配置構成する。
以上のように、シールド機1直後のセグメント供給受台車2の後方近傍に泥水処理プラント10が位置しているため、台車6・7・8に搭載した泥水処理プラント10による泥水処理のための配管(送泥水管13及び排泥水管23)はシールド機1直後からセグメント供給受台車2の後方近傍の泥水処理プラント10に延ばすだけの最小限の長さで足りるものとなる。しかも、シールド機1に牽引されることにより、配管長さも変わらず、延長や中継ポンプの設置も必要としない。
そして、このようなシールド機1直後のセグメント供給受台車2の後方近傍において、移動式の泥水処理プラント10により直ぐに泥水を処理でき、泥水輸送効率を向上できる。しかも、処理後の泥水をシールド機1に最短で戻すことができる。従って、泥水輸送設備も簡略化できる。
また、泥水処理プラント10による処理土は、一部がトンネル坑内に構築される構造物の隙間、実施形態ではインバート104の隙間に充填されて、残りがトンネル坑外へ排出される。すなわち、1次処理ライン21で1次分級処理された砂と、2次処理ライン31で2次分級処理された粘土は、一部が図示例ではプレキャストボックスカルバートの両側方に充填されて、残りが排土ベルトコンベア35から坑内ベルトコンベア36により坑外へ排出される。従って、掘削土を有効利用できるとともに、トンネル坑外への土砂排出量を削減できる。
図4は本発明が適用される大深度シールドトンネル施工システムを示すもので、低土被りからの斜め発進A、掘削土の坑内処理B、インバートの同時施工C、セグメントの現地製作D、タイヤ式運搬車両による資機材搬送E、サービストンネルの活用F、バージ積み出し・船舶輸送Gまでのシステム全体を示している。
この図3において、101は立坑、102は斜坑、103はシールドトンネル、104はインバート、105はセグメント工場、106は大気浄化装置、107は換気ファン、108は換気配管、109は建屋、110はセグメント搬送トラック、111はサービストンネル、112は資材運搬車、113は土運船である。
先ず、シールド発進は、図示のように、浅い立坑101において、低土被りからの斜め発進Aによる斜坑102を含んでシールドトンネル103を施工する。このように浅い立坑101から低土被りによる斜め発進Aとすることで、周辺環境への配慮とともにコスト縮減を図っている。
そして、前述したように、掘削土の坑内処理Bを行うことで、泥水輸送設備の簡略化とともに地上工事用地の最小化を図っている。さらに、インバート104の同時施工Cを行うことで、施工全体の高速化とともに掘削土の有効利用を図っている。
他方、地上においては、立坑101の周辺にセグメント工場105が設置されている。こうして、セグメントの現地製作Dを行って、コスト縮減とともに環境負荷低減を図っている。
また、立坑101の地上開口部に大気浄化装置106が設置されている。この大気浄化装置106は、トンネル坑内に配される換気ファン107を先端に有する換気配管108を備えており、立坑101の地上開口部を高所まで覆う囲い状の建屋109の煙突109aから浄化処理空気が排気されるようになっている。こうして、坑内環境の改善とともに周辺環境への負荷低減を図っている。
ここで、立坑101周辺のセグメント工場105で製作されたセグメントは、立坑101からセグメント搬送トラック110によっても行われる。すなわち、前述した牽引車両5及びセグメント台車4とともにセグメント搬送トラック110によるいずれもタイヤ式運搬車両による資機材搬送Eが行われる。こうして、坑内設備の簡略化を図るとともに、大断面施工で特に有効な資機材搬送を図っている。
そして、斜坑102には、前述した坑内ベルトコンベア36に連続して延伸ベルトコンベア37・38が設けられている。
このように、シールドトンネル103坑内の泥水処理プラント10から立坑101までまで設ける延伸ベルトコンベア36・37・38によって、トンネル掘削施工の効率化を図るとともに、長距離施工で有効な掘削土搬出方式となっている。
次に、立坑101から河川の河口や海岸口までサービストンネル111を掘削しておく。このサービストンネル111には、斜坑102の延伸ベルトコンベア38に連続する延伸ベルトコンベア39を設けておく。こうして、サービストンネル111を利用して、掘削土を排出する。さらに、サービストンネル111には資材運搬車112を通行させる。
このように、サービストンネル111を活用Fして、周辺環境への配慮とともに掘削土搬出の効率化を図っている。
そして、サービストンネル111の延伸ベルトコンベア39から排出される掘削土は、土運船113に積んで埋立地(残土処分場)に水上(海上)輸送される。
このバージ積み出し・船舶輸送Gによって、周辺環境への配慮とともに残土処理の効率化を図っている。
以上のような大深度シールドトンネル施工システムにより、立坑基地は泥水処理設備と残土搬出のための敷地(ヤード)がなくなり、従来の大規模立坑に代えてシールド機発進のための小規模の浅い立坑で済み、このため、建築工事に必要な地上の作業用地が小さくて良く、例えば市街地の用地確保の問題が軽減される。
なお、以上の実施形態においては、三両の台車に分けて搭載した泥水処理プラントとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、具体的な台車の編成やプラントの構成は他の構成であっても良い。
また、実施形態では泥水処理プラントによる処理土をインバートの隙間に充填したが、インバートに限らずトンネル坑内に構築される他の構造物の隙間に充填しても良い。
さらに、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、シールド機及び泥水処理設備を示した概略斜視図である。 同じく概略側面図である。 1次処理のフローを示した図である。 本発明が適用される大深度シールドトンネル施工システムを示すもので、低土被りからの斜め発進A、掘削土の坑内処理B、インバートの同時施工C、セグメントの現地製作D、タイヤ式運搬車両による資機材搬送E、サービストンネルの活用F、バージ積み出し・船舶輸送Gまでのシステム全体を示した概要図である。
符号の説明
1 シールド機
2 セグメント供給受台車(後方台車)
3 コントロールルーム
4 セグメント台車
5 牽引車両
6 流体輸送台車
7 1次処理ライン台車
8 2次処理ライン台車
9 ホイスト
10 泥水処理プラント
11 牽引トラス(桟橋、ホイストビーム)
12 送泥水ポンプ
13 送泥水管
14 調整槽
21 1次処理ライン
22 ローヘッドスクリーン
23 排泥水管
24 サンドセパレータ
25 泥水受槽
26 スラリー槽
27 サイクロンポンプ
28 サイクロン
31 2次処理ライン
32 フィルタープレス
33 プレスポンプ
34 濁水処理装置
35 排土ベルトコンベア
36 坑内ベルトコンベア
37・38・39 延伸ベルトコンベア
101 立坑
102 斜坑
103 シールドトンネル
104 インバート
105 セグメント工場
106 大気浄化装置
107 換気ファン
108 換気配管
109 建屋
110 セグメント搬送トラック
111 サービストンネル
112 資材運搬車
113 土運船(船舶)

Claims (2)

  1. トンネルの切羽に対し泥水を充満させた状態でシールド機により掘削する泥水式シールド工法において、
    トンネル坑内の前記シールド機の後方近傍に、前記シールド機に泥水を供給し、かつ前記シールド機から掘削土とともに排出される泥水を処理する泥水処理設備を配置しておく一方、
    前記シールド機が発進する立坑から別のサービストンネルを河川近傍または海岸近傍まで掘削しておき、
    トンネル坑内の前記泥水処理設備により分級処理されて残った掘削土を前記立坑に搬出してから前記サービストンネルを通して前記河川近傍または海岸近傍まで搬出することを特徴とする泥水式シールド工法の掘削土搬出方法。
  2. 前記河川近傍または海岸近傍に搬出された掘削土を船舶により残土処分場まで水上輸送することを特徴とする請求項1に記載の泥水式シールド工法の掘削土搬出方法。
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