JP4249263B2 - 空気を用いた燃料燃焼方法及び装置 - Google Patents
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Description
このような方法及びこのような装置は、国際公開第93/10401号明細書に明らかにされている。
この発明は、特に、空気圧縮器と、燃料を空気中で煙道ガスを形成しながら燃焼させるための少なくとも1つの燃焼室を含む燃焼装置と、この煙道ガスを膨張させる本来の意味のタービンとからなる複合体であるガスタービンにおいて使用される冒頭に挙げた種類の方法及び装置に関する。このタービンは数段構成に、即ち相前後して接続される複数の部分タービンを含むことができ、また圧縮器についても同様な構成とすることができる。圧縮器は特にターボ圧縮器である。よく知られた実際例の範囲ではタービンは圧縮器を駆動する。
この発明は、燃焼によって励起される、いわゆる「燃焼振動」として知られている燃焼室における音響振動を抑制或いは回避する課題に関連する。
多くの燃焼室においては、即ちガスタービンの燃焼室においても、またボイラ燃焼設備、工業炉或いはその他の設備の燃焼室においても、空気比或いは熱出力のようなその関連する熱力学的動作パラメータによって一義的に定まる特定の条件の下では、燃焼の際の熱発生と、燃焼室及び/又はこれに前後して接続された設備部分における静圧との相関的な変動に特徴がある不安定な運転状態が発生する。これらの変動は燃焼室に自己励起の音響振動が発生することに現れる。これらの音響振動は、当該設備の周囲に高い騒音の重荷をかける他に、燃焼室や設備の他の部分に、これらの部分が極く短期間に完全に或いは部分的に機能喪失に導かれるような大きな機械的及び熱的負荷を与える。
できるだけ有害物質を出さない燃焼の点で益々高度化される要求に伴って、このような燃焼室にプレミックスバーナを使用することは、プレミックスバーナで達成される反応密度が比較的高く、その点火が燃焼に存在する混合物の化学的組成に、拡散バーナの場合よりも大きく関係し、さらに形成された火炎内における対流による遅れ時間が拡散バーナに比して減少されることにより、燃焼振動を形成させる大きな傾向につながる。
燃焼振動は、一般的に、使用されたバーナから流出する反応相手の流れと燃焼の際のエネルギー変換との間の相互作用に基づき、その際この相互作用は燃焼室及びこれに接続された設備部分に生ずる音響共振と関連して安定した音響振動を発生して、これを維持する。その場合、配管を含めたバーナ、火炎自体及び燃焼室からもしくはこれによって形成された音響的に振動可能なシステム内に、閉じた作用回路が存在する。音響振動を形成し、これを維持するために必要なエネルギーは、その場合、燃焼プロセス自体から供給される。
接続されたシステムを含む燃焼室における音響関係は、A.A.プットナム著「産業における燃焼起因発振(Combustion-Driven-Oscillations in Industry)」、アメリカン・エルズブィア出版社、ニューヨーク1971年、第2頁に詳しく記載されている。さらに、H.ビューヒナ氏の学位論文「プレミックス燃焼システムにおける自己励起の圧力振動の発生メカニズムの実験的及び理論的研究(Experimentelle und theoretische Untersuchungen der Entstehungsmechanismenselbsterregter Druckschwingungen in technischen Vormisch-Verbrennungssystemen)」、カールスルーエ大学、1992年、第4及び5頁を参照されたい。これらには、それぞれ、安定した燃焼振動が発生することができるために、満たされねばならない、いわゆる「レイリー基準」として知られている条件が紹介され、説明されている。
このレイリー基準からは、発生の可能性が説明される音響振動の周期を、バーナ及びその動作を本質的に特徴づけている「遅れ時間」に関係づける基準も導出することもできる。この遅れ時間は、バーナが接続されている燃焼室において音響インパルスがこのバーナを介して供給された燃料の燃焼の際に熱インパルスを起こす時間長である。燃焼室に存在する安定した振動と、これからバーナを介して行われる熱振動、即ちバーナによって行われる燃焼の際のエネルギー変換の周期的な変動とに関連して、遅れ時間は音響振動と熱振動との位相差に相当する。これについては、特に、前掲のビューヒナ氏の学位論文、第26頁〜29頁並びにJ.ヘルマン、P・ツァングル、S.グライス及びD.フォルトマイヤ氏らの報告
VDIベリヒテ、第1193号(1995)、第251乃至260頁を指摘する。
燃焼室におけるバーナの遅れ時間は、それぞれバーナ、燃焼室及び火炎からなるシステムの個々の構成要素に帰せられる種々の被加数から構成される。バーナ及び燃焼室に関係し得る被加数は主としてバーナ及び燃焼室の配置によって定まる。火炎自体に帰せられる被加数は主に燃焼自体の特性によって決められる。被加数自体は、さらに、燃焼が始まる火炎前部にまで反応相手を搬送するための搬送時間を特徴とする「対流遅れ時間」と、反応相手を点火に必要な温度にまで加熱するための時間を表す「加熱時間」と、燃焼自体の経過によって定まる「反応動力学的遅れ時間」とに分解される。通常、対流遅れ時間が他の2つの被加数を明らかに凌駕している。
燃焼室における燃焼振動を抑圧するための従来の手段は、絞り位置、共振体及び/又は消音器のような、多かれ少なかれ経験的に受動的な音響的手段が使用される(プットナム氏の上記著書、第156〜175頁を参照)ことに基づくか、燃焼室における音響振動のエネルギー発生の関連を解く目的をもって燃料を能動的に変化させることに基づく。このような対策は「能動的な非安定性管理」と称される。より詳しくは、S.グライス及びD.フォルトマイヤ氏の論文
VDIベリヒテ、第765号(1989)、第645〜656頁を参照されたい。ドイツ特許出願公開第4241729号明細書には、加圧状態の液体の流れに流量変動或いは圧力変動を与えることのできるアクチュエータが記載されている。このアクチュエータは液体燃料バーナ並びに液体を噴霧するための機器において燃焼非安定性を能動的に制御するために使用することが提案されている。
燃焼振動を抑制するためのこの伝統的な受動的対策は、部分システムの音響特性をずらすことによって、全体の望ましい動作範囲にわたって燃焼振動が最早生ずることがないように設備の動作を安定化することをその狙いとしている。これらの対策は、個々にそれぞれの設備に適合されねばならない手段を必要とするが、これらの手段は常にそれ自体に、確かに知られている非安定動作点が安定化されたとしても、他の動作条件における新たな非安定性が起きるという危険が内在する。
ドイツ特許出願公開第4336096号明細書には燃焼室における振動を減少させるための装置が開示されている。ここでは流れ方向に燃焼室の前に複数のバーナが配置され、その隣接するバーナがそれぞれ流れの方向に予め定められた間隔だけ互いにずらされて配置されている。この予め定められた間隔は、この場合、バーナの動作の際にその流れの方向に広がって行く温度変動が隣接するバーナに丁度互いに逆向きになるように選ばれている。それ故、流れの方向に対する断面において平均温度から相互に正及び負のずれを持った燃焼領域が存在し、これらの領域の流れ方向の混合が行われ、従って温度の一様化が行われる。これは温度変動によって誘起される燃焼振動を、従ってまた異なる密度に基づいて圧力変動を抑制しようとするものである。
燃焼振動を抑制するための能動的対策は、工業設備においては、特にガス状の燃料が使用されるときには、高い経費をもってしか実現できず、その上損傷し易くかつ保守を必要とする。この対策は、さらに、それぞれその時に存在する非安定性を抑制するだけであり、その有効性においてその都度の個々の事例において基準的な構造的な設備条件によって著しく制約されている。
従って、この発明の課題は、複数のバーナを持つ燃焼室において、燃焼振動を確実に抑制するのに適した新たな受動的対策を提示することにある。この対策は液体燃料に対しても、また気体燃料に対しても燃焼室の装置的及び機能的な細部に無関係に適用可能にするものである。さらに、可動部分或いはその他の能動的部品要素を使用しないようにするものである。この発明はこのような方法も、またこのような装置をも提示する。
方法に関してこの課題を解決するために、この発明によれば、少なくとも1つの空気取入口を通して空気が、複数のバーナを通して燃料が供給される燃焼室において燃料を空気と共に燃焼させ、各バーナは燃焼室における音響インパルスがこのバーナを介して供給された燃料の燃焼の際に熱インパルスを生じさせる時間に相当するそれぞれ固有の遅れ時間を有している空気を用いた燃料燃焼方法において、
バーナを介する燃料の供給及び空気取入口を介する空気の供給は、バーナの遅れ時間が互いに実質的に異なり、その結果バーナが相互には励起することなく、さらにそれぞれ1つの安定して動作しているバーナからの抑制効果が利用されるように調整され、
前記燃焼室は一定の周期を持つ音響振動に対して共振する構成を有し、各バーナに対してそれぞれの遅れ時間が前記周期の整数倍−前記周期の4分の1と、前記周期の整数倍+前記周期の4分の1との間にある。
この発明は、普通、ガスタービンにおいて使用されるような、通常、複数の同一形状のバーナを備える燃焼室においては、これらのバーナの共同の作用によって燃焼振動が著しく励起されることがあるという認識から出発している。先ずただ1つのバーナにおいて熱振動が音響振動との相互作用で燃焼室において形成されると、この1つのバーナは燃焼室の各他のバーナに同様に振動を励起する。これによって、例えば、同一構成の複数のバーナを備えた燃焼室においてそれぞれ燃焼振動を伴う運転状態と燃焼振動を伴わない運転状態との間に鋭い移行が生じる。発生した燃焼振動は常に複数のバーナから出るので、このような燃焼振動の場合非常に大きい振幅が観察される。
これに対してこの発明は、バーナに異なる音響特性を、即ち特に異なる遅れ時間を持たせることを提案する。これによってバーナは相互には励起することなく、さらに、常にそれぞれ1つの安定して動作しているバーナからの抑制効果が利用される。
特に、この方法は、各バーナにそれぞれの空気取入口が付属し、これを通して空気がそれぞれの流れで燃焼室に供給される場合において、バーナのそれぞれの流れが相互に実質的に異なっているように構成されるのがよい。これによって、バーナのその都度の動作に特徴的な熱力学関係が確実に互いに異なりかつバーナの遅れ時間が互いに異なることが保証される。
各バーナにそれぞれ1つの空気取入口が付属し、これを通して空気がそれぞれの流れで燃焼室に供給される場合において、この方法の代替的な構成は、バーナがほぼ互いに同一に構成され、1つの空気取入口以外の各々においてそれぞれの流れが絞られ、その結果全体のそれぞれの付属する流れが互いに実質的に異なっていることを特徴とする。これに代わって、各それぞれの空気取入口においてそれぞれの流れを絞ることもできる。これは、その流れにある望ましい性質を与えるために、例えばこの流れを均質にするために、望ましい。これらの構成は、ほぼ互いに同一であるバーナの使用を可能とし、遅れ時間の必要な多様性を簡単なかつ安価な付加的対策により保証する。
各バーナにそれぞれ1つの空気取入口が付属し、これを通して空気がそれぞれの流れにおいて燃焼室に導かれ、しかもそれぞれの流れの形状が類似している場合において、この方法のさらに異なる付加的な構成は、バーナの形状が互いに同一であるが、異なる大きさであることを特徴とする。この構成は、バーナに対してただ1つの形状を与え、異なるバーナを製造するためにはこの形状をただ異なる大きさとすればよいので、その装置構成の点でも有利である。遅れ時間の多様性は、1つのバーナの遅れ時間がその配置だけで定まるのでなく、従って大きさで不変ではないので、充分保証される。
上述の全ての方法の実施態様は、供給される燃料の割合とそれぞれの空気取入口を通して供給される空気の割合との、全てのバーナに対して与えられた混合比が維持されるように、各バーナに燃料が供給されるように、さらに改良することができる。この実施態様は、これにより各バーナを燃焼によって望まれる熱出力の点で常に望ましくない窒素酸化物の生成に関して最適に動作させることができるので特に有利である。この実施態様は勿論それに応じて適切に行われる燃料供給を必要とする。
或いはまた、各バーナに燃料が全てのバーナに予め定められた割合で供給されるようにすることもできる。このことは、確かに、個々のバーナが場合によっては窒素酸化物の生成に関して必ずしも最適ではなく作動されることを意味するが、しかし簡単な燃料供給の点で場合によっては受け入れられる。
この方法は、一定の周期を持つ音響振動に対して共振する構成を有し、各バーナのそれぞれの遅れ時間が前記周期の整数倍−前記周期の4分の1と、前記周期の整数倍+前記周期の4分の1との間にある燃焼室と関連して適用するときに特に有意義である。これは、ヘルマン他並びにビューヒナーによってレイリー基準から導き出された、遅れ時間と考察されている音響振動の周期との間の基準を維持することに相当する。ここで、「整数倍」は零をも含むものとする。遅れ時間が定義的には負の値を取りえないことは明らかである。燃焼室が一定の音響振動に対して共振性であるという特徴は、この共振性に対して燃焼室だけが決定的であるかのように限定して解釈されるべきではない。燃焼室が、通常の事例では多かれ少かれ複雑な音響系全体の一部であることは明らかであり、その際全ての重要なパラメータを持つ共振は音響系全体によって定義される。
この方法は、燃料が燃焼室において燃焼する前に、各バーナにおいて燃料が空気と混合されるように構成することも非常に有利である。この構成の範囲として、それ故、専門的によく知られたいわゆる「プレミックス燃焼」が使用される。プレミックス燃焼は、より簡単な手段で実現できる分散燃焼よりも低い温度で経過し、従って分散燃焼よりも明らかに窒素酸化物の生成が少ない傾向があるので特に有利である。この点において、この発明はまた冒頭に挙げたプレミックス燃焼の熱力学・音響問題に対して1つの解決でもあることに意義がある。
この方法の各実施態様は、ガスタービンに対して、即ち、空気が圧縮器から供給され、燃料が空気中で燃焼することにより燃焼室において発生した煙道ガスがタービンに供給されるガスタービンに応用するために特に優れている。
この発明を実施する装置に関する課題を解決するために、この発明によれば、
燃料が空気と共に燃焼される燃焼室と、
この燃焼室に空気を供給する少なくとも1つの空気取入口と、
各バーナが、燃焼室における音響インパルスがこのバーナを介して導かれた燃料の燃焼の際に熱インパルスを生じさせる時間長に相当するそれぞれの遅れ時間を有している、燃料を燃焼室に供給するための複数のバーナと、
燃料をバーナに供給するための燃料供給系と
を備える空気を用いた燃料燃焼装置において、
燃料の供給および空気の供給は、バーナの遅れ時間が互いに実質的に異なり、その結果バーナが相互には励起することなく、さらにそれぞれ1つの安定して動作しているバーナからの抑制効果が利用されるように調整され、
各バーナにそれぞれの空気取入口が付属し、1つのバーナ以外の各々に、それぞれの空気取入口を通して流入する空気の流れを絞る絞りが設けられている。
この装置の本質的な特長は、この発明による方法及びその実施態様の長所から推論されるので、ここではこれを参照したい。この方法とその構成は、場合によっては、この発明による装置の実施態様の特徴として見做すことのできる特定の装置上の特徴を必要とする。同様なことは、この装置及びその実施態様から推論でき、同様にこの方法の実施態様の特徴として理解される方法上の特徴についても言える。
この発明の装置の特に好ましい改良はバーナの形状が互いに異なっていることで際立っている。
或いはまた、バーナの形状は装置内において互いに同一であるが、燃料供給系が、実質的にそれぞれ互いに異なっているそれぞれの割合で燃料がバーナに供給されるように構成されている。
さらに異なる代替例は、各バーナにそれぞれの空気取入口が付属し、その1つ以外の各々の、或いは全ての各々のバーナにそれぞれの空気取入口を流れる空気の流れを絞るための絞りが設けられていることを特徴とする。このような絞りは例えばバーナに前置された絞り装置である。
さらに、燃焼室が一定の周期を持つ音響振動に対して共振する構成を有し、各バーナに対してそれぞれの遅れ時間が前記周期の整数倍−前記周期の4分の1と、前記周期の整数倍+前記周期の4分の1との間にあるような装置の改良は特に好ましい。この実施態様はこの発明による方法の前述した実施態様に相当するものであり、このためになされた全ての説明がこの装置の実施態様に対しても同様に当てはまる。
この装置はガスタービン、即ち、燃焼室が圧縮器とガスタービンのタービンとの間に配置されているガスタービンに使用されるために特に好適である。
燃焼室に複数のバーナを配置するために、バーナはできるだけ非対称に配置するのがよい。非対称配置は個々の事例において見られるように、そしてどのような基準で「充分な非対称」が決定され得るかは、各事例に対して当該専門家の裁量に委ねられている。その場合に主として考察される基本原則は、音響振動が通常事例では振動系全体において生ずる音響波の多かれ少かれ対称配置を特徴とすることに基づいている。例として、リング状の燃焼室において観察される燃焼振動は、このリング状の燃焼室を閉鎖して走る音響波によって特徴つけられることを指摘したい。音響振動の波長はその場合リング状燃焼室の平均周囲の半分に相当した。このような振動を抑制するために、バーナを配置する際2倍或いは4倍の対称を回避すると有利である。
この発明は、燃焼室に同一特性を持つ2つのバーナがあってはならないということを要求するものではない。この発明の目的には、複数の型のバーナの中のそれぞれ複数のバーナが接続されている燃焼室によって適うことができる。この関連において従来型の2つのサイロ燃焼室を備え、その各々が燃料油を燃焼させるための、互いに同じ6つのバーナを備えたガスタービンにおいて、その設計基準となる定格負荷の80%の運転の際に100ミリバールの振幅を持った音響振動が観察された。この音響振動は、各サイロ燃焼室において6つの中の2つのバーナを僅かに変更されたバーナで置換することにより、取り除くことができた。この変更されたバーナは、定格負荷において変更されなかったバーナより約8%少ない燃料を得るように設計された。変更されたバーナは、それぞれ変更されないバーナをそれらの間に含めるように使用された。このようなバーナの変更により、ガスタービンはその定格負荷の100%まで、際立った高さの音響振動が起こることなく、運転させることが可能となった。
この発明の実施例を図面を参照して説明する。図面は部分的に模式化して形成され、具体的に実施された設備或いはその構成要素の再現として理解されるものではない。図面で示された説明を補足するために、実際に行われた実験の前述の説明、引用された公知技術の文献並びに専門分野に精通した実務技術者の知識を参照する。図面において、
図1はガスタービン及び空気を用いた燃料燃焼装置を、
図2は複数のバーナを備えた燃焼室の平面図を、
図3は複数のバーナを備えた燃焼室の概略断面図を示す。
各図において互いに対応する要素はそれぞれ同一の符号を有している。
図1は圧縮器1と、この圧縮器1を軸3を介して駆動するタービン2とを備えたガスタービンを示す。圧縮器1からは加圧された空気が空気配管4を介して燃焼室5に達し、この空気はそれぞれ1つのバーナ7が付設されている空気取入口6を通して燃焼室5に入る。なお、各バーナ7は燃焼室5の背壁8に配置されている。バーナ7はタンク9からポンプ10とバーナ7の前で分岐されている燃料配管11とを介して燃料が供給されている。この燃料は燃焼室5において空気配管4を介して供給された空気と共に燃焼する。
燃焼室5は音響振動を起こし得る構成体であり、また場合によっては、例えば燃焼室5、この燃焼室5からタービン2に通ずる煙道ガス管13並びに必要に応じて空気配管4及び燃料配管11を含む音響振動可能な全体システムの構成要素とも見做される。単独で或いはこのような全体システムの構成要素として振動する燃焼室における音響振動は、燃料の燃焼の際の変動により励起されて、そのまま維持される。このような場合燃焼振動と言われる。このような燃焼振動は、燃焼室5及びガスタービンのその他の部分が損傷を受ける程強くなることがある。
このような燃焼振動を予防し、特にバーナ7の多くがこのような燃焼振動の励起に共同して作用するのを排除するために、バーナ7は互いに異なるように構成されている。この結果、全てのバーナ7が同一の関連特性を持つのではなく、特にそれぞれの燃焼プロセスを特徴づける遅れ時間が互いに異なっている。このようにして図1の構成においてはバーナが共同して燃焼振動を励起することが常に排除されている。
バーナ7の好ましい動作態様については既に言及した。これらの全ての説明は図1に基づいて描かれた実施例にとって重要である。特に、燃料をある好ましい条件に従ってバーナ7に分配することが可能である。その場合、特に、各バーナ7は、そのそれぞれの空気取入口6を通して導かれた空気の割合がそのそれぞれのノズル12を通して導かれた燃料の割合に対して全てのバーナ7に予め定められた関係にあるように動作させられる。このような動作態様は、燃焼室5における窒素酸化物の生成をできるだけ少なくするために好ましい。
図1におけるバーナ7は、燃料を直接燃焼室5に噴射するので、いわゆる拡散バーナとして示されている。その場合、燃料は先ず燃焼室5において供給された空気と混合される。これは経験上拡散によって行われる。拡散バーナはその構造が簡単で、比較的複雑でなく駆動可能であるが、窒素酸化物の生成の点では、図2に基づいて説明される複雑なプレミックスバーナに劣っている。
図2は、空気が燃焼室5に向かって流れる方向に見て、燃焼室5の背壁8の平面図を示す。この背壁8には、全てほぼ互いに同一に構成されている5個のバーナ7が装着されている。各バーナ7は、これを通して流れる空気に旋回を強制する多数の旋回翼14を備えている。このような旋回は燃焼自体に対して及び燃料と空気との混合に対して有利である。旋回翼14にはノズル12が設けられ、空気が燃焼室5に流入し、燃料が点火する前に、このノズルから燃料が空気に達する。従って、図2に示されたバーナ7はいわゆる「プレミックスバーナ」である。これらのバーナは、当然、拡散バーナよりもその構造が複雑で、その動作についても明らかに複雑であるが、窒素酸化物の生成に関しては拡散バーナに比して著しい利点がある。プレミックスバーナは燃料と空気との混合気体を一定の組成で燃焼させるので、燃料と空気との混合を殆ど制御できない拡散バーナの場合よりも著しくきめ細かい燃焼制御が可能である。またプレミックスバーナにおいて燃焼は、拡散バーナの場合よりも明らかに低い最高温度で行われ、これはまた窒素酸化物の生成の回避に有利である。各バーナ7において翼14はボス15を取り囲んでいる。このボス15は燃料をノズル12に案内するのに役立っている。
図2の実施例では5つのバーナ7の4つに絞り16が取り付けられ、その各々はそれぞれの旋回翼14を部分的に覆い、従ってバーナ7に流入する空気流に対する絞りとして作用している。これにより、全てのバーナ7の基準となる動作パラメータが互いに異なり、その結果バーナ7が燃焼室5における燃焼振動の励起に共同して作用するのが排除されている。図2の実施例に対してもこの発明の好ましい構成例に対する説明が当てはまる。
図3はその背壁8並びに2つのバーナ7を含む燃焼室5の縦断面を示す。バーナ7はこの場合もプレミックスバーナとして構成されている。各バーナ7は、全てボス15に配置されている、燃料を供給する3つのノズル12を備えている。燃料はこれらのノズルの2つから旋回翼14の間に達し、流入する空気と混合される。1つのノズル12は直接燃焼室5の内部に向いている。このノズル12はいわゆる「種火」を形成し、その中では拡散バーナの方式の燃焼が行われる。この種火は、旋回翼14の間に形成され、通常は明らかな酸素過剰を示す、空気と燃料との混合物の燃焼を安定化するのに役立っている。これにより、バーナ7による熱の発生を広い範囲で制御することを可能にする。
両プレミックスバーナは形状が互いに類似している。即ち、これらのバーナはその大きさのみが異なり、その比率は異なっていない。このことからも結果的にその関連の動作パラメータの相違が生じ、この相違が燃焼室5における燃焼振動の励起の際にこれらのバーナ7の共同作用の排除に利用される。
Claims (15)
- 少なくとも1つの空気取入口(6)を通して空気が、そして複数のバーナ(7)を通して燃料が供給される燃焼室において燃料を空気と共に燃焼させ、その際各バーナ(7)は燃焼室(5)における音響インパルスがこのバーナ(7)を介して供給される燃料の燃焼の際に熱インパルスを起こさせる時間に相当するそれぞれの遅れ時間を有している空気を用いた燃料燃焼方法において
バーナ(7)を介する燃料の供給及び空気取入口(6)を介する空気の供給は、バーナ(7)の遅れ時間が互いに実質的に異なり、その結果バーナ(7)が相互には励起することなく、さらにそれぞれ1つの安定して動作しているバーナ(7)からの抑制効果が利用されるように調整され、
前記燃焼室(5)は一定の周期を持つ音響振動に対して共振する構成を有し、各バーナ(7)に対してそれぞれの遅れ時間が前記周期の整数倍−前記周期の4分の1と、前記周期の整数倍+前記周期の4分の1との間にある
ことを特徴とする空気を用いた燃料燃焼方法。 - a)バーナ(7)にそれぞれの空気取入口(6)が付属し、これを通して空気がそれぞれの流れにおいて燃焼室(5)に供給され、
b)バーナ(7)のそれぞれの流れが互いに実質的に異なっている
請求項1に記載の方法。 - a)バーナ(7)が互いにほぼ同一に構成され、
b)各バーナ(7)にそれぞれの空気取入口(6)が付属し、これを通して空気がそれぞれの流れにおいて燃焼室(5)に供給され、
c)1つの空気取入口(6)以外の各々においてそれぞれの流れが絞られ、それにより全てのそれぞれの流れが互いに実質的に異なっている
請求項1に記載の方法。 - a)バーナ(7)が互いにほぼ同一に構成され、
b)各バーナ(7)にそれぞれの空気取入口(6)が付属し、これを通して空気がそれぞれの流れにおいて燃焼室(5)に供給され、
c)各々の対応する空気取入口(6)においてそれぞれの流れが絞られ、その際それぞれの流れが互いに実質的に異なっている
請求項1に記載の方法。 - a)バーナ(7)は形状が互いに類似し、しかし大きさが異なり、
b)各バーナ(7)にそれぞれの空気取入口(6)が付属し、これを通して空気がそれぞれの流れにおいて燃焼室(5)に供給され、その際それぞれの流れの形状が互いに類似している
請求項1に記載の方法。 - 各バーナ(7)には、供給される燃料の割合とそれぞれの空気取入口(6)を通して供給される空気の割合との間に全てのバーナ(7)に対して予め定められた混合比が維持されるように燃料が供給される請求項1乃至5の1つに記載の方法。
- 各バーナ(7)には全てのバーナ(7)に対して予め定められた割合で燃料が供給される請求項1乃至5の1つに記載の方法。
- 各バーナ(7)において、燃料が燃焼室(5)において燃焼する前に空気と混合される請求項1乃至7の1つに記載の方法。
- 空気が圧縮器(1)から供給され、燃料が空気中で燃焼することにより燃焼室(5)に発生した煙道ガスがタービン(2)に供給される請求項1乃至8の1つに記載の方法。
- a)燃料が空気と共に燃焼する燃焼室(5)と、
b)この燃焼室(5)に空気を供給するための少なくとも1つの空気取入口(6)と、
c)各バーナ(7)が、燃焼室(5)における音響インパルスがこのバーナ(7)を介して供給された燃料の燃焼の際に熱インパルスを起こさせる時間に相当するそれぞれの遅れ時間を有する、燃料を燃焼室(5)に供給するための複数のバーナ(7)と、
d)燃料をバーナ(7)に供給するための燃料供給系(9、10、11)と、
を備える空気を用いた燃料燃焼装置において、
燃料の供給および空気の供給は、バーナ(7)の遅れ時間が互いに実質的に異なり、その結果バーナ(7)が相互には励起することなく、さらにそれぞれ1つの安定して動作しているバーナ(7)からの抑制効果が利用されるように調整され、
各バーナ(7)にそれぞれの空気取入口(6)が付属し、1つのバーナ(7)以外の各々に、それぞれの空気取入口(6)を通して流入する空気の流れを絞る絞り(16)が設けられている
ことを特徴とする空気を用いた燃料燃焼装置。 - バーナ(7)の形状が互いに異なっている請求項10に記載の装置。
- バーナ(7)の形状が互いに同一であり、燃料供給系(9、10、11)が、燃料を実質的に互いに異なっているそれぞれの割合でバーナ(7)に供給するようにされている請求項10に記載の装置。
- 各バーナ(7)にそれぞれの空気取入口(6)が付属し、各バーナ(7)にそれぞれの空気取入口(6)を通して流入する空気の流れを絞る絞り(16)が設けられている請求項10乃至12の1つに記載の装置。
- 燃焼室(5)が一定の周期を持つ音響振動に対して共振する構成を有し、各バーナ(7)に対してそのそれぞれの遅れ時間が前記周期の整数倍−前記周期の4分の1と、前記周期の整数倍+前記周期の4分の1との間にある請求項10乃至13の1つに記載の装置。
- 燃焼室(5)がガスタービン(1、2、3、4、5、13)において圧縮器(1)とタービン(2)との間に配置されている請求項10乃至14の1つに記載の装置。
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