JP4261293B2 - 固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、電線やプリント配線基板等の部材を固定するための固定具に関し、詳しくは、木部等に形成された有底穴にもそれらの部材を固定することのできる固定具に関する。
従来より、木部等に形成された有底穴に電線等を固定する固定具として、有底穴に挿入される脚部と、該脚部から外周方向に突出し、上記脚部の挿入時には弾性変形して上記有底穴の内壁面に向けて押圧されるバネ部と、を備えたものが考えられている。この種の固定具では、脚部及びバネ部を有底穴に圧入するとバネ部が有底穴の内壁面に向けて押圧され、このバネ部が内壁面を押圧する力によって脚部が有底穴に固定される。脚部の木部表面側端部に電線等を固定可能なクランプ等を設けておけば、電線等を木部等に固定することができる。
ところが、バネ部が単純な板バネ状の構造である場合、バネ定数を上げて脚部が有底穴から離脱し難くすると、脚部を有底穴に挿入する際の挿入力も大きくする必要がある。大きな挿入力が必要となると、その固定具を用いた電線等の固定作業も作業性が低下してしまう。
そこで、バネ部を偏心した球形に形成し、脚部の抜去時にはバネ部を外径が増加する方向に回動させて有底穴の内壁面に圧接することが考えられている。この場合、挿入力に対して離脱に要する力(以下離脱力という)を大きくして、作業性を確保しつつ良好な固定性を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−86782号公報
ところが、バネ部を上記のように回動させるためには、バネ部の外周面を充分に滑らかにし、しかも、バネ部を有底穴の内壁面に充分に圧接しなければならない。このため、上記固定具では、経時変化等によりバネ部のバネ定数が低下するとバネ部の外周面が有底穴内壁面に対して滑ってバネ部が良好に回動せず、離脱力を充分に大きくすることができない可能性があった。
そこで、本発明は、挿入力に対して離脱力を大きくすることができ、しかも耐久性に優れた固定具を提供することを目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた請求項1記載の発明は、穴部に挿入される脚部と、該脚部から外周方向に突出し、上記脚部の挿入時には弾性変形して上記穴部の内壁面に向けて押圧されるバネ部と、を備えた固定具であって、上記バネ部の先端部がそのバネ部の他部より厚肉に形成され、そのバネ部の上記先端部と上記他部との連接部が、上記バネ部の弾性変形時に上記脚部と対向する側に傾斜面を有し、上記脚部の外周に形成され、上記バネ部の少なくとも先端部に対して上記脚部が抜去方向に移動するとき上記傾斜面に当接して、上記バネ部を外周方向に押圧する傾斜面を有する突起を、備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明では、バネ部の少なくとも先端部に対して脚部が抜去方向に移動するとき、脚部の外周に形成された突起の傾斜面がバネ部を外周方向に押圧する。この押圧によって、バネ部が一層強固に穴部の内壁面に押圧され、離脱力が大きくなる。すなわち、挿入力に対して離脱力が大きくなる。
また、本発明では、バネ部の先端部がそのバネ部の他部より厚肉に形成され、その先端部と他部との連接部に設けられた傾斜面と突起に設けられた傾斜面とが当接し合うことによって、突起がバネ部を外周方向に押圧する。このため、バネ部の少なくとも先端部に対して脚部が抜去方向に移動するとき、突起によってバネ部を外周方向に押圧する動作が一層円滑かつ確実に行える。このため、挿入力に対して離脱力が一層大きくなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成に加え、上記バネ部の上記内壁面への押圧面に、そのバネ部より小さく弾性変形可能な複数の突出片が形成されたことを特徴としている。
本発明では、上記バネ部の上記内壁面への押圧面に複数の突出片が形成され、その突出片は、バネ部より小さく弾性変形可能である。このため、バネ部を上記内壁面に一層良好に固定することができ、脚部が抜去方向に移動してもバネ部の少なくとも先端部を上記内壁面における同一位置に一層良好に固定することができる。よって、抜去時には、バネ部の少なくとも先端部に対して脚部を一層確実に抜去方向に相対移動させることができる。このため、挿入力に対して離脱力が一層大きくなる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の構成に加え、上記バネ部が、上記脚部の先端近傍から上記脚部の抜去方向に傾斜して突出し、上記突出片が、上記抜去方向に対して略直角に突出したことを特徴としている。
本発明では、上記バネ部が脚部の先端近傍からその脚部の抜去方向に傾斜して突出しているので、バネ部の外周が上記内壁面に固定されているだけでも、抜去時にはバネ部が外周方向に広がろうとして離脱力が大きくなる。また、バネ部の上記内壁面への押圧面に形成された突出片が上記抜去方向に対して略直角に突出しているので、バネ部の外周を上記内壁面に良好に固定することができる。このため、挿入力に対して離脱力が一層大きくなる。
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、上記脚部及びバネ部の上記穴部への挿入時には、上記バネ部の先端部が上記脚部の外周に当接することを特徴としている。
本発明では、上記脚部及びバネ部の上記穴部への挿入時には、バネ部の先端部が脚部の外周に当接するので、その先端部に対して脚部が抜去方向に移動するとき、突起によってバネ部を外周方向に押圧する動作が一層確実に行える。このため、挿入力に対して離脱力が一層大きくなる。
前述したように、請求項1記載の発明では、挿入力に対して離脱力を良好に大きくすることができるといった効果が生じる。また、請求項1記載の発明では、脚部に上記突起を設けることによってバネ部を外周方向に押圧しているので、上記離脱力を大きくする効果は経時変化の影響を受け難く耐久性に優れている。更に、請求項1記載の発明では、突起によってバネ部を外周方向に押圧する動作が一層円滑かつ確実に行え、挿入力に対して離脱力を一層良好に大きくすることができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加えて、バネ部を一層確実に外周方向に押圧することができ、延いては、挿入力に対して離脱力を一層良好に大きくすることができるといった効果が生じる。
請求項3記載の発明では、バネ部の外周を穴部の内壁面に一層良好に固定することができ、請求項2記載の発明の効果に加えて、挿入力に対して離脱力を一層良好に大きくすることができるといった効果が生じる。
請求項記載の発明では、突起によってバネ部を外周方向に押圧する動作が一層確実に行え、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、挿入力に対して離脱力を一層良好に大きくすることができるといった効果が生じる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された木部用クランプ1の構成を表す正面図である。図1に示すように、この木部用クランプ1は、底面が平面状で表面に円柱面状の窪み3aが形成された基台3と、その基台3の両端に連接して円柱面状に湾曲した腕5,7と、基台3の底面を木部等に穿設された有底穴99(図3参照)に固定するためのクランプ部10とを備え、弾性を有する合成樹脂(例えば、PP,PA,PE,PS等)にて一体成形されている。
基台3は、平面視略長方形に形成され、腕5,7は、上記円柱面の軸に沿った対向する2辺に連接されている。腕5,7が構成する円柱面の軸も窪み3aの円柱面の軸と平行に配設されている。また、一方の腕5の内側には断面がのこぎり歯状の多数の溝5aが形成され、他方の腕7の外側には溝5aと係合する突起7aが形成されている。このため、基台3の窪み3aに図示しない電線束を載置し、腕7,5を順次その電線束に覆い被せるように折り曲げ、突起7aを適宜の溝5aと係合させれば、基台3上に上記電線束を固定することができる。
次に、図2(A)は、本実施の形態の特徴部分であるクランプ部10の構成を表す拡大図、図2(B)はそのバネ部13の構成を表す下面図である。図1及び図2(A)に示すように、クランプ部10は、基台3の底面から垂直に突出した脚部11と、その脚部11の先端から外周方向に突出し、脚部11の基端方向に傾斜したバネ部13とを備えている。なお、バネ部13は、脚部11の中心軸に対称に一対設けられている。
また、バネ部13は先端部13aが他部13bより厚肉に形成され、その他部13bと先端部13aとの連接部13cは、脚部11と対向する側に傾斜面13dを有している。更に、先端部13aには、先端側でかつ脚部11と対向する側に、矩形の切り欠き13eが形成されている。
一方、脚部11の外周面には、上記傾斜面13dと対向する傾斜面15aを備えた突起15が形成されている。更に、バネ部13の外周面には、バネ部13よりも小さく平面視略扇形の突出片17が、各5個ずつ、脚部11の中心軸に垂直方向に突出して形成されている。
次に、このように構成されたクランプ部10の動作について、図3の模式図を用いて説明する。クランプ部10を木部等に穿設された有底穴99(本発明の穴部に相当)に挿入すると、図3(A)に示すように、突出片17が有底穴99の内壁面に押圧されて、突出片17及びバネ部13は有底穴99の開口部方向に弾性変形する。このとき、バネ部13の先端部13aは脚部11の外周面に当接し、バネ部13の傾斜面13dは突起15の傾斜面15aに当接する。
このとき必要となる挿入力F1は、バネ部13及び突出片17を図3(A)の状態に変形させるための必要最小限の力に、突出片17と有底穴99の内壁面との間の摩擦抵抗を加えた大きさとなる。この状態では、突出片17を有底穴99の内壁面に圧接することにより、木部用クランプ1は有底穴99に良好に固定される。なお、切欠13e(図2参照)には、先端部13aの先端を撓み易くする効果があり、延いては、突出片17を有底穴99の開口部方向に倒れ易くして挿入力F1を一層小さくする効果がある。
次に、この状態から脚部11に抜去方向の力(離脱力F2)を加えると、図3(B)に示すように、バネ部13の先端部13aが突起15に乗り上げ、これによってバネ部13は外周方向に押圧される。すると、突出片17がバネ部13と有底穴99の内壁面とに挟まれて更に変形し、突出片17と有底穴99の内壁面との間の摩擦抵抗が極めて大きくなるため、上記挿入力F1より大きな離脱力F2を加えないとクランプ部10を有底穴99から抜去することができない。
このように、木部用クランプ1では、挿入力F1よりも離脱力F2を大きくすることにより、電線等の固定作業の作業性を確保しつつ良好な固定性を得ることができる。しかも、突起15の傾斜面15aによってバネ部13の傾斜面13dを押圧することによって離脱力F2を大きくしているので、径時変化の影響を受け難く耐久性に優れている。
なお、上記実施の形態の木部用クランプ1は、基本的には木板等の木部に穿設された有底穴99への取り付け用であるが、貫通穴にも適応でき、更に、金属板でも、若干の板厚許容はあるものの穴が空いていれば取り付けは可能である。すなわち、金属板に応用した場合、突出片17が金属板のエッジに引っ掛かることによって取り付けが可能となる。
また、本発明は上記実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、バネ部,突起,突出片等の形状は、上記の他にも種々に変形することができる。
図4は、バネ部13及び突出片17の形状を異ならせた変形例としてのクランプ部20を表す正面図である。このクランプ部20のクランプ部10に対する変更点は、先端部13aに、傾斜面13dの先端と連接して外側に開くように面取り部13fを形成し、その面取り部13fより先端側のバネ部13及び突出片17を切除した点である。このように構成されたクランプ部20では、挿入力F1を一層低減し、かつ、離脱力F2を一層増加させることができる。
すなわち、挿入時には、先端部13aが脚部11に殆ど当接しないため(図5の模式図参照)、挿入力F1を一層低減することができる。また、先端部13aの先端は、面取り部13fを形成したことによってある程度内側に撓むことができる。このため、小さい有底穴99に挿入した場合にも突出片17が潰れるのを防止することができ(図5の模式図参照)、延いては、離脱力F2を一層増加させることができる。
更に、上記各実施の形態以外の形態としては、穴部の内壁面とバネ部の外周面との間に充分な摩擦抵抗が得られる場合は、突出片を省略してバネ部の外周面を上記内壁面に直接圧接してもよく、突出片17を設ける代わりにバネ部13の外周面にギザギザの溝を形成してもよい。但し、上記のように突出片17を設けた方が、バネ部13の少なくとも先端部13aを有底穴99の同一位置に一層良好に固定することができ、離脱力F2を一層良好に大きくすることができる。
また更に、有底穴99への挿入時にも、先端部13aと脚部11との間に隙間ができるようにしてもよい。但し、上記実施の形態では、挿入時に先端部13aが脚部11の外周面に当接するので、突起15によってバネ部13を外周方向に押圧する動作が一層確実に行える。このような構成は、各部の大きさを有底穴99の大きさに合わせて設計することによってなされることはいうまでもないが、突出片17よりもバネ部13を変形し易くすれば一層設計が容易になる。すなわち、この場合、バネ部13が先に変形して先端部13aが脚部11の外周面に当接し、続いて、有底穴99の大きさに応じて突出片17が変形する。従って、突出片17よりもバネ部13を変形し易くした場合、先端部13aを脚部11の外周面に当接させた状態で木部用クランプ1を使用可能な有底穴99の直径の許容範囲が広がる。
本発明が適用された木部用クランプの構成を表す正面図である。 その木部用クランプのクランプ部の構成を表す拡大図及び下面図である。 そのクランプ部の動作を表す模式図である。 クランプ部の変形例の構成を表す正面図である。 そのクランプ部の挿入時の形状を表す模式図である。
符号の説明
1…木部用クランプ 3…基台 5,7…腕 10,20…クランプ部
11…脚部 13…バネ部 13a…先端部 13b…他部
13c…連接部 13d,15a…傾斜面 15…突起 17…突出片

Claims (4)

  1. 穴部に挿入される脚部と、
    該脚部から外周方向に突出し、上記脚部の挿入時には弾性変形して上記穴部の内壁面に向けて押圧されるバネ部と、
    を備えた固定具であって、
    上記バネ部の先端部がそのバネ部の他部より厚肉に形成され、そのバネ部の上記先端部と上記他部との連接部が、上記バネ部の弾性変形時に上記脚部と対向する側に傾斜面を有し、
    上記脚部の外周に形成され、上記バネ部の少なくとも先端部に対して上記脚部が抜去方向に移動するとき上記傾斜面に当接して、上記バネ部を外周方向に押圧する傾斜面を有する突起を、
    備えたことを特徴とする固定具。
  2. 上記バネ部の上記内壁面への押圧面に、そのバネ部より小さく弾性変形可能な複数の突出片が形成されたことを特徴とする請求項1記載の固定具。
  3. 上記バネ部が、上記脚部の先端近傍から上記脚部の抜去方向に傾斜して突出し、
    上記突出片が、上記抜去方向に対して略直角に突出したことを特徴とする請求項2記載の固定具。
  4. 上記脚部及びバネ部の上記穴部への挿入時には、上記バネ部の先端部が上記脚部の外周に当接することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固定具。
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