JP4261945B2 - 角度位置検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数のVR型レゾルバを組み込んだ角度位置検出装置に関し、特に、高精度な角度位置検出精度を実現しつつ、ダイレクトドライブモータの小型化・薄型化に好適な改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
減速器を用いずに負荷を直接駆動するダイレクトドライブモータは、バックラッシュ、ロストモーションのない高精度な位置決めが可能であるため、NC工作機などのインデックステーブル、搬送装置、組み立て装置のロボットアームなどの各種の用途に用いられており、より小型で高精度な位置決めを可能とするダイレクトドライブモータの開発が望まれている。特開平6−46552号公報(特許文献1)では、ダイレクトドライブモータのモータハウジング内に組み込まれる単極レゾルバと多極レゾルバとの間に磁束を通しにくい遮蔽部材を配置することにより、一方のレゾルバからの漏れ磁束が他方のレゾルバに磁気的干渉を与えないように構成することで、高精度な位置決めを可能にした改良技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−46552号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、レゾルバ相互間の空隙に遮蔽部材を介在させると、モータハウジング内にレゾルバを組み込むために必要となる室内空間の容積が大きくなるため、ダイレクトドライブモータの小型化・薄型化が困難となる。その一方で、遮蔽部材を除去すれば、ダイレクトドライブモータの小型化・薄型化を可能にできるものの、近接配置された複数のレゾルバ相互間の漏れ磁束の影響で位置検出精度が低下する。
【0004】
そこで、本発明は高精度な角度位置検出精度を確保しつつ、角度位置検出装置の小型化・薄型化を可能とする改良技術を提案することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の角度位置検出装置は、回転軸の回転に同期してリラクタンスが変化するように組み込まれた複数のVR型レゾルバと、励磁信号を出力する発信器と、前記複数のVR型レゾルバの中から択一的に選択されたVR型レゾルバに前記励磁信号を供給するように前記発信器から前記複数のVR型レゾルバへ供給される励磁信号の供給経路を切り換える切換手段と、前記VR型レゾルバの出力信号から前記回転軸の角度位置を検出する検出手段を備える。
【0006】
かかる構成により、複数のレゾルバが同時に励磁されることのないように励磁信号の供給経路を切り換えることができるため、一方のレゾルバからの漏れ磁束が他方のレゾルバへ磁気的な干渉を及ぼすことがない。従って、複数のVRレゾルバ相互間の対向距離を極限まで短縮して角度位置検出装置の小型化・薄型化を可能にできるとともに、高精度な位置検出を可能にできる。
【0007】
好ましくは、前記検出手段は、前記複数のVR型レゾルバの各々から出力される電流信号をレゾルバ信号に変換する単一の電流/電圧変換器を含む。かかる構成により、複数のVR型レゾルバの電流/電圧変換器を単一の電流/電圧変換器に共用できるため、ハードウエア構成を簡略化できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
[発明の実施形態1]
以下、各図を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図3は本実施形態のダイレクトドライブモータの断面図である。同図に示すように、ダイレクトドライブモータ10は、中空筒型のインナハウジング11の外周側面に固設された軸受13を介して回転軸12が回転自在に軸支されている。回転軸12はその内部にインナハウジング11を重装できるように中空円筒体として構成されている。
【0009】
回転軸12は筒壁の肉厚が凹凸状に変化しており、インナハウジング11との間隙に単極レゾルバ20と多極レゾルバ30を収容するための室内空間1と、モータ部16を収容するための室内空間2を画成している。これらの室内空間1及び2は軸受13によって分離画成されており、モータ部16からの漏れ磁束が室内空間1に及ばないようにある程度の距離をおいて隔てられている。室内空間1及び2の間に軸受13などが介在せず、両者が近接している場合には、モータ部16からの漏れ磁束が室内空間1に及ばないように遮蔽部材を設けるのが望ましい。
【0010】
モータ部16は回転子14と固定子15から構成されるアウタロータ式のPMモータである。回転子14は回転軸12の内壁において円周方向に沿ってN極及びS極が交互に固着された永久磁石から成る。固定子15は薄い鉄板を複数積層して成るモータコアであり、微小のエアギャップをおいて回転子14と対向するようにインナハウジング11の外壁に固定されている。ここでは、モータ部16として、アウタロータ式のPMモータを例示するが、インナロータ式のPMモータを採用してもよい。また、モータ部16として、PMモータ以外の各種のモータを採用できる。例えば、回転子14として永久磁石の代わりに薄い鉄板を積層して成り、内歯状又は外歯状の極歯を所定数備えるものであってもよい。
【0011】
一方、単極レゾルバ20は、回転軸12の内周面に固定された環状のレゾルバロータ21と、このレゾルバロータ21に対向するようにインナハウジング11の外周壁に固定されたレゾルバステータ22とを備えて構成されている。同様に多極レゾルバ30は、回転軸12の内周面に固定された環状のレゾルバロータ31と、このレゾルバロータ31に対向するようにインナハウジング11の外壁に固定されたレゾルバステータ32とを備えて構成されている。
【0012】
単極レゾルバ20と多極レゾルバ30はロータ間座18とステータ間座19とを介して上下二段の積層構造となるように室内空間1内において微小な空隙をおいて固定されている。すなわち、回転軸12の内周壁に複数のボルト18aにより固定されるレゾルバロータ21及び31の間にはロータ間座18が介装される一方で、インナハウジング11の外周壁にボルト19aにより固定されるレゾルバステータ22及び32の間にはステータ間座19が介装されている。
【0013】
室内空間1を画成するインナハウジング11及び回転軸12と、室内空間1内に装着されるロータ間座18及びステータ間座19はそれぞれ非磁性体で構成するのが好ましい。室内空間1を画成するこれらの部材を非磁性体で構成することにより、モータ部16からの漏れ磁束が室内空間1に及ばないように構成することができる。
【0014】
図8は単極レゾルバ20の平面図である。同図に示すように、単極レゾルバ20は、レゾルバロータ21とレゾルバステータ22との間隙のリラクタンスがレゾルバロータ21の回転角度位置により変化し、レゾルバロータ21の1回転でリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるように構成された3相VR型レゾルバである。すなわち、レゾルバステータ22の外径中心、内径中心、及びレゾルバロータ21の外径中心はダイレクトドライブモータの回転中心O1と一致するが、レゾルバロータ21の内径中心O2は回転中心O1に対してΔxだけ偏心するように、レゾルバロータ21の径方向の肉厚を連続的に変化させている。
【0015】
レゾルバステータ22の外周には120°間隔でA相、B相及びC相を構成する計18個のステータポール23が等間隔に外歯状に凸設されている。各々のステータポール23にはステータコイルC1〜C18を巻回したコイルボビン24が装着されている。コイルボビン24の材質として、適度な弾力性のある非磁性体であれば、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性樹脂であれば、射出成形が容易である。
【0016】
ステータコイルC1〜C18の共通端子に励磁信号が印加されると、レゾルバロータ21が1回転する間にA相、B相及びC相の各ステータコイルC1〜C18からは120°位相がずれた1サイクルの電流信号が各々出力される。単極レゾルバ20から出力される単極レゾルバ信号により絶対的な回転角度位置を検出することができる。
【0017】
図5は単極レゾルバ20のステータポール23に巻回された各々のステータコイルC1〜C18の結線図である。共通端子COM1に励磁信号が印加されると、A相、B相及びC相を構成するステータコイルC1〜C6,C7〜C12,C13〜C18を流れる電流信号の各々は検出抵抗R1,R2,R3から成る電流/電圧変換器41aによって電圧信号に変換される。この電圧信号は単極レゾルバ信号(ABS信号)として後述する3/2相変換器42aに供給される。
【0018】
図9は多極レゾルバ30の平面図である。同図に示すように、レゾルバロータ31の内径中心Oはレゾルバステータ32の内径中心Oと一致しており、レゾルバロータ31とレゾルバステータ32との間隙のリラクタンスがレゾルバロータ31の回転角度位置により変化し、レゾルバロータ31の1回転でリラクタンス変化の基本波成分が複数周期となる構造を備えている。レゾルバロータ31の内周面には等間隔に径方向に向けて内歯状に凸設された極歯35が計24個形成されている。レゾルバステータ32の外周面にはA相、B相及びC相が120°の電気角でずれるように計18個のステータポール33が等間隔に径方向に向けて外歯状に凸設されている。
【0019】
各々のステータポール33には、予めステータコイルCA〜CCが巻回されたコイルボビン34が装着されている。ステータコイルCA〜CCの共通線に励磁信号が供給されると、レゾルバロータ31が1回転する間に各相毎に24サイクルの交流信号が出力される。多極レゾルバ30から出力される多極レゾルバ信号により相対的な回転角度位置を検出することができる。
【0020】
図6は多極レゾルバ30のステータポール33に巻回された各々のステータコイルCA〜CCの結線図である。共通端子COM2に励磁信号が印加されると、A相、B相及びC相を構成するステータコイルCa,Cb,Ccを流れるレゾルバ信号の各々は検出抵抗Ra,Rb,Rcから成る電流/電圧変換器41bによって電圧信号に変換される。この電圧信号は多極レゾルバ信号(INC信号)として後述する3/2相変換器42bに供給される。
【0021】
尚、ステータポール32の数は相数(この例では3)の倍数であればよく、18個に限定されるものではない。また、この例では、極歯35が24個形成されているが、この極歯35の数は24に限定されるものではない。また、極歯35をさらに電気的に細分割することにより、多極レゾルバ30の分解能をさらに向上させることもできる。また、上記の説明では、単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30のステータポールを外歯とし、レゾルバステータの外側にレゾルバロータが配される構成を例示したが、これに限らず、ステータポールを内歯とし、レゾルバステータの内側にレゾルバロータが配される構成としてもよい。また、レゾルバ信号の相数についても、3相レゾルバに限らず、2相レゾルバ、4相レゾルバ、6相レゾルバなどを用いることもできる。
【0022】
図1は本実施形態の角度位置検出装置を含むブロック構成図である。角度位置検出装置は、ダイレクトドライブモータ10に組み込まれた単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30と、これらを制御するドライブユニット60の一部から構成される。ドライブユニット60は、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30の何れか一方に励磁信号を供給してレゾルバ信号を取り込み、デジタル角度信号φを出力するサーボドライバ50と、デジタル角度信号φから回転角度位置信号を生成し、パワーアンプ62を介してダイレクトドライブモータ10に電力を供給するCPU61とを備えて構成されている。ドライブユニット60と単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30はレゾルバケーブル71で結線されており、同ユニット60とモータ部16はモータケーブル72で結線されている。
【0023】
サーボドライバ50は、発信器51から出力される励磁信号を増幅器52にて適度な信号レベルに増幅し、切換スイッチ53を介して単極レゾルバ20の共通端子COM1と、多極レゾルバ30の共通端子COM2の何れか一方に励磁信号の供給経路を切り換えて励磁信号を供給する。切換スイッチ53は発信器51から単極レゾルバ20及び多極レゾルバ30への励磁信号供給経路上に配されて、これらのレゾルバへの励磁信号の供給経路を切り換える切換手段である。共通端子COM1及びCOM2への切換スイッチ53の接続切換はCPU61から出力されるスイッチ切換信号によって制御される。
【0024】
電源が投入されてシステムが起動した直後においては、CPU61は切換スイッチ53を共通端子COM1に切換接続することにより、励磁信号を単極レゾルバ20に供給する。単極レゾルバ20から出力される電流信号は電流/電圧変換器41aによってABS信号に変換された後、3/2相変換器42aによって2相信号(sin信号,cos信号)に変換されてアナログスイッチ43に供給される。
【0025】
ここで、発信器51の発信角周波数をωとし、高次成分を無視すると、電流/電圧変換器41aで得られる各相のレゾルバ信号は下記の(1)式〜(3)式に示す通りとなる。ここでは、説明の便宜上、A相を基準としてB相及びC相の位相がそれぞれ120度遅れる場合を例示する。また、3/2相変換器42aで得られる2相信号を(4)式〜(5)式に示す。(5)式において、sqr(x)は引数xの平方根を返す関数とする。
【0026】
φA=(A1+A2sinθ)・sinωt …(1)
φB={B1+B2sin(θ−2π/3)}・sinωt …(2)
φC={C1+C2sin(θ−4π/3)}・sinωt …(3)
sin信号=φA−(φB+φC)/2 …(4)
cos信号=sqr(3/4)・(φB−φC) …(5)
【0027】
一方、CPU61がABS信号からデジタル角度信号φの値(後述するabs)を取得した後には、CPU61は切換スイッチ53を共通端子COM2に切換接続することにより、励磁信号を多極レゾルバ30に供給する。多極レゾルバ30から出力される電流信号は電流/電圧変換器41bによってINC信号に変換された後、3/2相変換器42bによって2相信号(sin信号,cos信号)に変換されてアナログスイッチ43に供給される。
【0028】
アナログスイッチ43はCPU61からのABS/INC切換信号によって切り換え制御されるスイッチ素子であり、2相のABS信号と2相のINC信号の何れか一方を選択的に通過させてRDC(レゾルバ・デジタル・コンバータ)44へ供給する。アナログスイッチ43を通過する信号が2相のABS信号から2相のINC信号へ切り換わるタイミングと、切換スイッチ53の接続先がCOM1からCOM2へ切り換わるタイミングとがほぼ同期するように、CPU61からアナログスイッチ43へABS/INC切換信号が出力される。
【0029】
移相器45は発信器51から出力される励磁信号の位相を遅らせ、2相に変換されたABS信号又はINC信号のsin信号及びcos信号のうちのキャリア信号の位相と同期させたRef信号をRDC44に供給する。RDC44はアナログスイッチ43から供給される2相信号をデジタル化し、CPU61にデジタル角度信号φを出力する。RDC44からは発信器51の発振角周波数による同期整流後のアナログ速度信号が出力される。
【0030】
尚、上述の説明においては、単極レゾルバ20として3相レゾルバを用いる構成を例示したが、本発明はこれに限られるものではなく、単極レゾルバ20として6相レゾルバを用いることもできる。6相レゾルバを用いる場合には、レゾルバ信号として、上述の(1)式〜(3)式に替えて下記の(6)式〜(11)式が用いられるので、図7に示すように、電流/電圧変換器41aと3/2相変換器42aとの間に減算器46aを介在させればよい。減算器46aは各相のレゾルバ信号の差分dA,dB,dCを演算して6相レゾルバ信号を(12)式〜(14)式の3相レゾルバ信号に変換する。同式の3相レゾルバ信号は3/2相変換器42aによって2相信号に変換される。
【0031】
φA+=(A1+A2sinθ)・sinωt …(6)
φA−=(A1+A2sin(θ−π))・sinωt …(7)
φB+={B1+B2sin(θ−2π/3)}・sinωt …(8)
φB−={B1+B2sin(θ−2π/3−π)}・sinωt …(9)
φC+={C1+C2sin(θ−4π/3)}・sinωt …(10)
φC−={C1+C2sin(θ−4π/3−π)}・sinωt …(11)
dA=2A2sinθ・sinωt …(12)
dB=2B2sin(θ−2π/3)・sinωt …(13)
dC=2C2sin(θ−4π/3)・sinωt …(14)
【0032】
さらに、例えば、2相レゾルバ、4相レゾルバなどの他の種類のレゾルバを用いる場合には、それぞれの場合に合わせて適宜検出回路部40の構成を変更すればよい。
【0033】
図4はデジタル変換されたレゾルバ信号のグラフである。RDC44として12ビット仕様の変換器を用いると、2相のABS信号は同図(B)に示すように、レゾルバロータ1回転あたり4096(=212)パルスのデジタル角度信号φに変換される。つまり、ABS信号は単極レゾルバ20が一回転する間に、0から4095までカウントアップされたデジタル値となる。一方、2相のINC信号は同図(A)に示すように、レゾルバロータ1回転あたり4096×24(極歯35の総数)=98304パルスのデジタル角度信号φに変換される。つまり、INC信号は、多極レゾルバ30が一回転する間に、0から4095までのカウントアップが24回繰り返されたデジタル値となる。
【0034】
同図において、offset値とは、ABS信号の基本成分波の始点に相当する回転角0度を基準とした場合に、INC信号の24周期の基本波成分のうち一つの基本波成分とのずれの値のことである。
【0035】
CPU61はこれらのデジタル角度信号φを取り込み、ダイレクトドライブモータ10の回転角度位置を演算する。2相のABS信号がRDC44でデジタル信号に変換されたデジタル角度信号φの値をabsとし、2相のINC信号がRDC44でデジタル信号に変換されたデジタル角度信号φの値をincとすれば、回転角度位置は、abs×24+(2048−inc)+offset値の演算により求めることができる。CPU61は回転角度位置からパワーアンプ62を介してダイレクトドライブモータ10に電力を供給する。
【0036】
尚、レゾルバ信号からデジタル角度信号φを得るためには、必ずしもハードウエア(3/2相変換器、RDCなど)で処理する必要はなく、レゾルバ信号をA/D変換し、ソフトウエアによる情報処理でデジタル角度信号φを得るように構成してもよい。
【0037】
図2はCPU61の位置検出処理ルーチンを記述したフローチャートである。同図を参照しつつ、CPU61の制御処理を中心に上述の説明を再述する。CPU61は、システム停止時において、電源投入を検知すると(ステップS1;YES)、切換スイッチ53を共通端子COM1に接続するようにスイッチ切換信号を出力する(ステップS2)。すると、発信器51から出力される励磁信号は共通端子COM1から単極レゾルバ20に供給され、回転角度位置に対応したリラクタンス変化が電流信号として検出回路部40に供給される。
【0038】
検出回路部40ではこの電流信号を電流/電圧変換器41aで電圧信号に変換した後、3/2相変換器42aによって2相信号に変換し、アナログスイッチ43に供給する。CPU61はアナログスイッチ43を通過すべき信号として2相のABS信号を選択するようにABS/INC切換信号を出力する(ステップS3)。
【0039】
2相のABS信号はアナログスイッチ43を通過してRDC44でデジタル信号に変換され、デジタル角度信号φとしてCPU61に供給される。CPU61はこのデジタル角度信号φの値をabsとして取得する(ステップS4)。
【0040】
次いで、CPU61は、切換スイッチ53を共通端子COM2に接続するようにスイッチ切換信号を出力する(ステップS5)。すると、発信器51から出力される励磁信号は共通端子COM2から多極レゾルバ30に供給され、回転角度位置に対応したリラクタンス変化が電流信号として検出回路部40に供給される。
【0041】
検出回路部40ではこの電流信号を電流/電圧変換器41bで電圧信号に変換した後、3/2相変換器42bによって2相信号に変換し、アナログスイッチ43に供給する。CPU61はアナログスイッチ43を通過すべき信号として2相のINC信号を選択するようにABS/INC切換信号を出力する(ステップS6)。
【0042】
2相のINC信号はアナログスイッチ43を通過してRDC44でデジタル信号に変換され、デジタル角度信号φとしてCPU61に供給される。CPU61はこのデジタル角度信号φの値をincとして取得する(ステップS7)。
【0043】
電源がOFFになるまでは、CPU61は切換スイッチ53が共通端子COM2に接続したままの状態になるよう制御する一方で、アナログスイッチ43を通過する信号が2相のINC信号に維持されるように制御する(ステップS8;NO)。CPU61は電源OFFを検知すると(ステップS8;YES)、本制御ルーチンを終了する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30が同時に励磁されることのないように何れか一方にのみ励磁信号を供給する構成であるため、一方のレゾルバの漏れ磁束が他方のレゾルバに磁気的な干渉を及ぼすことがない。このため、高精度な位置検出を可能にできる上に、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30の対向距離を極限まで、つまり、単極レゾルバ20のステータコイルC1〜C18と多極レゾルバ30のステータコイルCA〜CCがほぼ接する程度まで短くすることができ、ダイレクトドライブモータ10の小型化・薄型化が可能となる。本実施形態の構造はNC工作機などのインデックステーブル、搬送装置、組み立て装置のロボットアームなどに用いられる小型で高精度な位置決めを可能とするダイレクトドライブモータに好適である。また、上述した遮蔽部材を省略することが可能となるため、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30との対向距離を短くできることに加え、部品点数を減らしてコスト低下を実現できる。
【0045】
また、本実施形態は、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30の何れか一方に励磁信号を供給する構成であるため、両方のレゾルバに励磁信号を供給する従来の構成と比較して消費電力をおよそ半分に低減することが可能となる。さらに、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30の各々から出力される電流信号がレゾルバケーブル71内でクロストークすることがないため、位置検出精度を高めることができる。
【0046】
尚、上記の説明では、ダイレクトドライブモータ10に組み込まれるレゾルバとして、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30を備える構成を例示したが、本発明はこれに限られるものではなく、任意の異種レゾルバをダイレクトドライブモータ10に組み込む場合にも適用できる。2種類の多極レゾルバを組み合わせた構成例を以下に例示する。
【0047】
(組み合わせ例1)
本組み合わせ例は、PMモータのロータ位置検出機能を実装するタイプであり、PMモータの極数と同数の極数(例えば、20歯)を備えるレゾルバを第1レゾルバとし、高分解能位置検出用レゾルバ(例えば、120歯)を第2レゾルバとしている。例えば、電源投入時にまず第1レゾルバによるデジタル角度信号の読み取りを行い、次いで第2レゾルバに切り換えてそのデジタル角度信号の読み取りを行うことによって、PMモータとの位相差からロータの回転位置を検知できるため、以後は第2レゾルバからの信号に基づき回転角度位置とともにPMモータの励磁タイミングを認識できる。つまり、第1レゾルバはUVWセンサ(例えば、ホール素子)の代わりとして機能するため、UVWセンサを省略できる。
【0048】
(組み合わせ例2)
本組み合わせ例は、回転軸12の絶対角度位置を検出するタイプであり、(N+1)極レゾルバを第1レゾルバとし、N極レゾルバを第2レゾルバとしている。但し、Nは2以上の整数である。第1レゾルバと第2レゾルバの極数の差は1であるから、両者のデジタル角度信号φ1,φ2の差から回転軸12の絶対角度位置を検出できる。これらのレゾルバの励磁切換タイミングとしては、例えば、システムの電源が投入された時点で第1レゾルバを励磁してデジタル角度信号φ1を読み取り、次いで、第2レゾルバを励磁するのが望ましい。電源OFFとなるまでは第2レゾルバの励磁状態を保持することで、システム起動時に読み取ったデジタル角度信号φ1と、その後に第2レゾルバが検出するデジタル角度信号φ2から回転軸12の絶対角度位置を検出できる。
【0049】
(組み合わせ例3)
本組み合わせ例は、所定の角度範囲で回転軸12の絶対角度位置を検出するタイプであり、360度/Mの角度範囲で絶対角度位置を検出するには、M極レゾルバを第1レゾルバとし、高分解能のレゾルバ(例えば、極数120)を第2レゾルバとしている。但し、Mは2以上の整数である。多極レゾルバをこのように組み合わせることで、例えば、ロボットアームを180度、120度、90度等の予め定められた所定の角度範囲内で旋回させる用途に好適である。第1レゾルバのロータ形状は、レゾルバロータとレゾルバステータのギャップが周期的に変化する構成であれば、特に制限はなく、各種の形状を採用できる。例えば、極数2の第1レゾルバを製作するのであれば、レゾルバロータの形状を楕円形状、ヒョウタン形状、歯形状などの各種の形状を採用できる。
【0050】
[発明の実施形態2]
図10は本発明の第2実施形態に係わる角度位置検出装置のブロック構成図である。基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、図1と同符号のブロックは同一ブロックであるとしてその詳細な説明を省略する。単極レゾルバ20と多極レゾルバ30から出力される電流レベルが著しく異なる場合は、ABS信号とINC信号を適正に検出するために第1実施形態のようにそれぞれのレゾルバに専用の信号変換に必要な構成、例えば、電流/電圧変換器41a,41bと3/2相変換器42a,42bを用意し、さらにアナログスイッチ43を設ける必要がある。これに対し、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30から出力される電流レベルがほぼ同程度であれば、電流/電圧変換器41a,41bと3/2相変換器42a,42bを共用化し、さらにアナログスイッチ43を省略することができる。
【0051】
同図に示すように、検出回路部40は、共用化された電流/電圧変換器41及び3/2相変換器42に加え、上述の第1実施形態と同様にRDC44と移相器45を具備した構成となっており、上述の第1実施形態と比較すると、ハードウエア構成が大幅に簡素化されている。単極レゾルバ20と多極レゾルバ30から出力される電流信号は電流/電圧変換器41によってABS信号又はINC信号に変換され、さらに、3/2相変換器42によって2相信号に変換される。単極レゾルバ20と多極レゾルバ30への励磁信号の供給は切換スイッチ53を介して択一的に行われるため、両者は少なくとも同時に励磁されることがない。かかる構成により電流/電圧変換器41には何れか一方のレゾルバからの電流信号の供給が可能となり、電流/電圧変換器41の共用を実現できる。
【0052】
尚、本実施形態においても、2種類の多極レゾルバの各種組み合わせ(上述の組み合わせ例1〜3を含む)を適用することができる。また、レゾルバについても3相レゾルバに限らず、例えば、2相レゾルバ、4相レゾルバ、6相レゾルバなどの各種のレゾルバを用いることができる。
【0053】
[発明の実施形態3]
図11は本発明の第3実施形態に係わる角度位置検出装置のブロック構成図である。基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、図1と同符号のブロックは同一ブロックであるとしてその詳細な説明を省略する。本実施形態においては、単極レゾルバ20と多極レゾルバ30に替えて、複数のレゾルバをダイレクトライブモータ10に組み込んでいる。ここでは、同モータ10の回転軸に3種類のレゾルバ81〜83を組み込み、切換スイッチ53の切換制御によって、少なくとも2以上のレゾルバに励磁信号を同時に供給しないように励磁信号を供給している。
【0054】
同図に示すように、検出回路部40は、電流/電圧変換器41a〜41cと、3/2相変換器42a〜42cと、アナログスイッチ43と、RDC44と、移相器45を備えて構成されている。切換スイッチ53はCPU61の切換制御によって択一的に選択された第1レゾルバ81〜第3レゾルバ83の共通端子COM1〜COM3に励磁信号を分配する。各々のレゾルバ81〜83から出力される電流信号は電流/電圧変換器41a〜41cによってレゾルバ信号に変換され、3/2相変換器42a〜42cによって2相信号に変換される。アナログスイッチ43はこれら3種類の2相信号を選択的に通過させ、RDC44に供給する。第1レゾルバ81〜第3レゾルバ83の組み合わせ例として、例えば、以下に示す例が好適である。
【0055】
(組み合わせ例1)
本組み合わせ例は、PMモータのロータ位置検出機能と絶対位置検機能を実装するタイプであり、PMモータの極数と同数の極数(例えば、20歯)を備えるレゾルバを第1レゾルバ81とし、高分解能位置検出用レゾルバ(例えば、120歯)を第2レゾルバ82とし、単極レゾルバを第3レゾルバとしている。本組み合わせにより、第1実施形態の組み合わせ例1の効果に加えて、ダイレクトドライブモータ10の絶対角度位置を検出できる。
【0056】
(組み合わせ例2)
本組み合わせ例は、絶対位置検出誤差を修正できるタイプであり、単極レゾルバを第1レゾルバ81とし、18極レゾルバを第2レゾルバ82とし、132極レゾルバを第3レゾルバ83としている。第1レゾルバ81から得られた絶対角度位置の誤差を第2レゾルバ82で修正することで、回転角度位置の検出精度を高めることができる。
【0057】
[発明の実施形態4]
図12は本発明の第4実施形態に係わる角度位置検出装置のブロック構成図である。基本的な構成は第3実施形態と同様であるため、図11と同符号のブロックは同一ブロックであるとしてその詳細な説明を省略する。同図に示すように、検出回路部40は、共用化された電流/電圧変換器41及び3/2相変換器42に加え、上述の第3実施形態と同様にRDC44と移相器45を具備した構成となっており、上述の第3実施形態と比較すると、ハードウエア構成が大幅に簡素化されている。
【0058】
第1レゾルバ81〜第3レゾルバ83のうち少なくとも二以上のレゾルバは同時に励磁されることがないように切換スイッチ53を介して共通端子COM1〜COM3に励磁信号が供給されるため、第1レゾルバ81〜第3レゾルバ83から出力される電流レベルが同程度の場合には、電流/電圧変換器41によって各々のレゾルバ81〜83から出力される電流信号をレゾルバ信号に変換することが可能となる。第1レゾルバ81〜第3レゾルバ83の具体的な組み合わせは上述の第3実施形態の組み合わせ例を採用できる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のVR型レゾルバは同時に励磁されることがないため、VRレゾルバ間の対向距離を短縮することができ、角度位置検出装置の小型化・薄型化を実現できる。また、一方のレゾルバの漏れ磁束が他方のレゾルバへ磁気的に干渉することがないため、高精度な位置検出精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の角度位置検出装置のブロック構成図である。
【図2】 角度位置検出処理ルーチンのフローチャートである。
【図3】 ダイレクトドライブモータの断面図である。
【図4】 デジタル変換されたレゾルバ信号のグラフである。
【図5】 単極レゾルバのステータコイルの結線図である。
【図6】 多極レゾルバのステータコイルの結線図である。
【図7】 検出回路部のハードウエア構成の一部である。
【図8】 単極レゾルバの平面図である。
【図9】 多極レゾルバの平面図である。
【図10】 第2実施形態の角度位置検出装置のブロック構成図である。
【図11】 第3実施形態の角度位置検出装置のブロック構成図である。
【図12】 第4実施形態の角度位置検出装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
10…DDモータ 20…単極レゾルバ 30…多極レゾルバ 40…検出回路部 41…電流/電圧変換器 42…3/2相変換器 43…アナログスイッチ44…RDC 45…移相器 50…サーボドライバ 53…切換スイッチ 60…ドライブユニット 61…CPU

Claims (5)

  1. 回転軸の回転に同期してリラクタンスが変化するように組み込まれた複数のVR型レゾルバと、
    励磁信号を出力する発信器と、
    前記複数のVR型レゾルバの中から択一的に選択されたVR型レゾルバに前記励磁信号を供給するように前記発信器から前記複数のVR型レゾルバへ供給される励磁信号の供給経路を切り換える切換手段と、
    前記VR型レゾルバの出力信号から前記回転軸の角度位置を検出する検出手段と、
    を備え、
    前記複数のVR型レゾルバは、少なくとも単極レゾルバ及び多極レゾルバを含み、
    前記切換手段は、電源が投入されたときには、前記励磁信号が前記単極レゾルバに供給されるように前記供給経路を切り換え、前記検出手段によって前記単極レゾルバの出力信号から前記回転軸の角度位置が検出された後には、前記励磁信号が前記多極レゾルバに供給されるように前記供給経路を切り換える、角度位置検出装置。
  2. 前記検出手段は、前記複数のVR型レゾルバの各々から出力される電流信号をレゾルバ信号に変換する単一の電流/電圧変換器を含む、請求項1に記載の角度位置検出装置。
  3. 前記検出手段は、前記複数のVR型レゾルバからそれぞれ出力される電流信号をレゾルバ信号に変換する複数の電流/電圧変換器を含む、請求項1に記載の角度位置検出装置。
  4. 前記検出手段は、前記複数の電流/電圧変換器においてそれぞれ変換された複数のレゾルバ信号の中から択一的に選択されたレゾルバ信号を出力するように、前記複数のレゾルバ信号の伝送経路を切り替えるアナログスイッチをさらに備える、請求項3に記載の角度位置検出装置。
  5. 前記複数のVR型レゾルバは、PMモータの極数と同数の極数を有するレゾルバをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の角度位置検出装置。
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