JP4262855B2 - 厨房家具用の引き出しの前板本体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、システムキッチンの構成部材としての流し台、調理台や単体としての流し台、コンロ台等の厨房家具用キャビネットの最下段に利用する引き出しの前板本体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
出願人は、従来のシステムキッチン等のベースキャビネットからデッドスペースとなっていた台輪をなくすことによって、ベースキャビネットの収納容積の増加を図り、同時に大型の台所用品や調理器具と小物の容器類を分別収納して使い勝手の向上を図ることを考えた。具体的には、底板、左右の側板、背板及び天板にて前面を開放した箱体の、前面の最下段に、複数の引き出しを配置し、この引き出しの前板は箱体の底板に近い箇所を凹ませて蹴込としたことを特徴とする厨房家具のキャビネット(図17、図18参照)を創案して、特願平11−38099号、意願平11−14921号等として出願し、実際に商品化を行った。
そして、図19、図20に示す最下段の引き出しの前板Fは、前記出願及び商品化に際し創案したものであるが、本体20は、アルミニウムの押出成形品で構成するもので、把手21を形成するため上部をキャビネット側に凹ませかつほぼ逆J字状に形成し、上前板22を経て水平な段部23に繋げ、段部23を介して凹ませるようにして床面に近い下前板24に繋げこれを蹴込としたものである。
【0003】
この本体20の段部23は収納ポケットとするよう、その端縁より立ち上がる区画板30を別途下前板24の背面に立設し、両側端にはABS樹脂などによる射出成形品であるサイドキャップ40を嵌め込んで引き出し前板Fを形成していた。
把手21は前面に突出しないようにしてあるので、前に立つ人の邪魔になることなく通常形態と同等の使い勝手となり、段部23上を収納ポケットとすることで包装用フィルム、パスタ類、蕎麦、饂飩等の買い置きを分けて収納しておけることになる。
蹴込となる下前板24の高さは10cm、その上の上前板22は15cm程度の高さとしてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
先の発明、意匠における最下段の引き出しの前板Fの本体は、成形性、製造コストに配慮してアルミニウムの押出成形品としたが、テーブルトップ、キャビネット本体や扉の素材としてステンレス鋼板を用いるものにあっては、金属製ということでは共通するものの質感の異なる金属が表面に表れることで全体として意匠の統一性を損なうという問題が発生した。
【0005】
そこで、従前と同様な形状の前板Fの本体を、アルミニウムの押出成形品に代えてステンレス鋼板などの肉薄鋼板を素材とし、プレス曲げ加工により形成することが考えられる。そして、最も目に触れる前面には、エンボス、コイニング、着色等による柄や模様を付したものを採用することを考えたが、把手が逆J状であるため、裏面が表になり、もともと柄や模様を付していない裏面が表に表れてしまうという問題に直面した。勿論、表裏に柄や模様を付すのは製作コストを引き上げるので良策とは言えず、また、肉薄鋼板で形成すると手が触れる把手の端縁を処理しないと怪我をする恐れもあり安全性に欠けるという問題もあった。
さらに、肉薄鋼板では荷重に対して腰がなく、特に幅広の前板であると把手をつかんで引き出す際に撓みが生じてつかみにくく、撓み量の軽減と補強が必要であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明では、蹴込となる下前板より水平な段部を経て上前板から指先が下から入るほぼ逆J字状とする把手に至る全体としてほぼZ形の前板本体を肉薄鋼板を折り曲げて形成するにあたり、把手を予めあだ折して二重とし、折曲基部すなわち把手の先端を筒状にしたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に即してこの発明に係る厨房家具用キャビネットの最下段の引き出し前板本体1について説明する。
図1はこの発明に係る引き出しの前板Fの側面図であり、前板本体1と、前板本体1の背面にポケットを構成するためのセンターパネル2、バックパネル3(図2参照)及び側端に被せるサイドキャップ4とからなるものである。
【0008】
前板本体1は、ステンレス鋼板をプレス曲げ加工して形成するもので、基本的には、把手11を形成するため上部をキャビネット側に凹ませかつほぼ逆J字状に形成し、次いで垂直な上前板12を経て水平な段部13に繋げ、段部13を介してキャビネット側に凹ませるようにして床面に近い下前板14に繋げこれを蹴込としてなるようにしたもので、把手11を予めあだ折して二重とすると共に折曲基部すなわち把手11の先端を筒状に形成したものである。
【0009】
前板本体1の基本的形状は従来例として示したものとほぼ同一であるが、図3に示すような長方形のステンレス鋼板などの肉薄鋼板をプレス曲げ加工にて構成するものである。
図3において長手方向の側端より設けた切欠a、切欠aはあだ折、すなわち180度折り曲げるので外側に向かってはみ出してくる素材のため予め切欠しておくと共に折り曲げ箇所を明示することになる。bは側端に予め貼付する両面テープ等の接着剤である。
【0010】
図4以下は折り曲げ加工工程の概略を示すものである。
図4では、切欠a、切欠aの延長線を折り曲げ基部として図示しないポンチとダイスでV字曲げをする。
図5はあだ折り、すなわち180度曲げて二重にした様子を示す。この時点ではいまだ二重にした把手11となる箇所は密着して添うようにはなっていない。
図6は、折曲基部に丸棒を挟み込み把手11部分を密着させるようにする。
丸棒を挟み込んだ箇所は把手11の先端となり、接着剤bにより端縁は接着されスプリングバックが起きないことになる。
図7は、把手11の指先が触れる箇所をアール型により湾曲させるようにするものである。
図8は、把手11の内奥を直角に折り曲げる様子を示す。
図9は、逆J型となるようほぼ45度把手11先端側におり返す様子を示す。
図10は把手11から上前板12に至る箇所を折り曲げる様子である。このように折り返し部分を斜面に至るまでとすることで、はがれにくくなり、かつ強度が増し、さらには使用に際して引き出しを出して上から見たときにも柄や模様が表れ、しかも柄のない裏面が目につかなくなるのである。
図11は、下前板14の下端を背面側に折り曲げる様子を示すものである。これは曲げられた端が上型か下型につき当たって加工できなくなることを防ぐため先になしたものである。
図12は、下前板14の上端部を区画するように直角に折り曲げる状態を表わすものである。
図13は、水平な段部13と上前板の間を直角に折り曲げる状態を示す。
【0011】
上述のプレス曲げ加工は、最初に把手11のあだ折りをなせば、その他の順序は適宜変更することができる。
このようにして得る前板本体1の下前板14の背面の全長に渡ってセンターパネル2を両面テープなどの接着剤にて貼り付け、このセンターパネル2の二つの蟻溝状突起2aには若干短いバックパネル3の突起3aをスライドさせて嵌め込み(図2、図16参照)その上部が上前板12と対向するようにする。これらのセンターパネル2及びバックパネル3はアルミニウムの押出成形品から形成してある。これらは内部にあって常態では目に触れないからである。
最後にプラスチックの成形品からなるサイドキャップ4を両側端に被せると共にバックパネル3の側端に当接させる。このとき、前板本体1把手11の上端面の端に丸穴11aを穿ち、ここに嵌り込む突起4aをサイドキャップ4の内側に設けて外れ難くしてある。また、サイドキャップ4の下方では、その背面でセンターパネル2の蟻溝状突起2a内にナット5を内装しサイドキャップ4の背面の穴4bからビス6、6をねじ込むことで止めるようにする。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の発明では、引き出しの前板本体を、蹴込となる下前板より水平な段部を経て上前板から指先が下から入るほぼ逆J字状の把手に至る全体としてほぼZ形の前板を肉薄鋼板を折り曲げて形成するに当たり、把手を予めあだ折して二重としたので、剛性が増しつかみ易くなったのである。
また、把手の先端の折曲基部が筒状となったので指先が掛かり確実に引き出せることになる。
把手の部分を予めあだ折したので、ステンレス鋼板等の片面にエンボス、コイニング、着色等で模様などを付しても、使用状態における前面に全て表れることになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る厨房家具用キャビネットの引き出しの側面図である。
【図2】図1の縦端面図である。
【図3】引き出しの前板本体の素材を示す平面図である。
【図4】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程1を示す。
【図5】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程2を示す。
【図6】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程3を示す。
【図7】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程4を示す。
【図8】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程5を示す。
【図9】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程6を示す。
【図10】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程7を示す。
【図11】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程8を示す。
【図12】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程9を示す。
【図13】引き出しの前板本体を折曲形成する場合の加工工程10を示す。
【図14】この発明に係る引き出しの前板とサイドキャップとの斜視図である。
【図15】この発明に係る引き出しの前板の正面図である。
【図16】引き出しの前板の分解斜視図である。
【図17】従来例の厨房家具キャビネットの斜視図である。
【図18】同じく従来例の厨房家具キャビネットの斜視図である。
【図19】従来の引き出しの斜視図である。
【図20】従来の引き出しの使用状態の断面図である。
【符号の説明】
F 前板
1 前板本体
2 センターパネル
3 バックパネル
4 サイドキャップ
Claims (1)
- 蹴込となる下前板より水平な段部を経て上前板から指先が下から入るほぼ逆J字状とする把手に至る全体としてほぼZ状に肉薄鋼板を折り曲げて前板本体を形成するにあたり、把手を予めあだ折して二重とすると共に折曲基部すなわち把手の先端を筒状にした厨房家具用の引き出しの前板本体。
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