JP4265281B2 - 多層回路基板、半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージ、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層回路基板、半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージ、並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報化社会の発展は目覚しく、民生機器ではパソコン、携帯電話などの小型化、軽量化、高性能化、高機能化が進められ、産業用機器としては無線基地局、光通信装置、サーバ、ルータなどのネットワーク関連機器など、大型、小型を問わず、同じように機能の向上が求められている。また、情報伝達量の増加に伴い、年々扱う信号の高周波化が進む傾向にあり、高速処理および高速伝送技術の開発が進められている。実装関係についてみると、LSIを中心に高機能化が進み、CPU、DSPや各種のメモリなど、あるいは機器に対応したシステムオンチップ(SoC)、システムインパッケージ(SiP)などの開発が盛んに行われており、半導体チップの機能は年々向上し、微細化、高集積化が進んでいる。このために、半導体チップ搭載基板やマザーボードも、高周波化、高密度配線化、高機能化に対応するために、ビルドアップ方式の多層回路基板が使用されるようになってきた。
【0003】
ビルドアップ方式の多層回路基板は、層間絶縁層形成工程と配線形成工程を相互に繰り返して製造される。この製造方法では、層間絶縁層と配線間の接着強度と、微細な配線間の絶縁信頼性を確保することが重要であり、これらを満足するため、従来の方法として、下記に示した方法がある。
(a)粗化液として、硫酸/過酸化水素、過硫酸塩/酸、塩化第二鉄、塩化第二銅を用い、配線を形成している銅の表面を粗化することによって層間絶縁層と配線との十分な接着強度を得る方法(特開平8−139452号公報)。
(b)高温アルカリ水溶液や過マンガン酸を含む水溶液に浸漬することによって、配線を形成している銅の表面に酸化物皮膜を生成し、表面に針状結晶を形成し粗化することによって層間絶縁層と配線との十分な接着強度を得る方法。
(c)硫化アンモニウム、硫化カリウム、硫化ナトリウム等の硫化物または含イオウ化合物を配線表面に塗布することによって、イオンマイグレーションを抑制し、絶縁信頼性の高い多層回路基板を得る方法(特開平10−190239号公報)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−139452号公報
【特許文献2】
特開平10−190239号公報
【0005】
また、微細配線の形成においても、エッチングにより配線を形成するサブトラクト法で、歩留り良く形成できる配線は、配線幅/配線間隔(以下、L/Sという。)=50μm/50μmが限度である。更に微細なL/S=35μm/35μm程度の配線形成では、基材表面に比較的薄い銅めっき層を形成しておき、その上にめっきレジストを形成して、電気銅めっきで導体を必要な厚さに形成し、その後めっきレジストを剥離、その後比較的薄い銅めっきをソフトエッチングで除去するというセミアディティブ法が使用され始めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の層間絶縁層と配線の接着強度を向上させる従来技術は、配線表面に1μmを超す凹凸を形成し、アンカー効果によって接着強度を確保していた。しかし、このように表面が1μmを超す凹凸形状の配線に高速の電気信号を流すと、表皮効果により電気信号は配線の表面付近に集中して流れるようになるため、伝送損失が大きくなるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を改善するためになされたものであり、配線の表面に1μmを超す凹凸を形成することなく層間絶縁層と配線の接着強度が確保でき、高速電気信号を効率よく伝送可能な多層回路基板(マザーボード、半導体チップ搭載基板)と半導体パッケージ、及びそれらの製造方法を提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、微細な配線間のイオンマイグレーションを防止し、信頼性の高い多層回路基板、半導体チップ搭載基板と半導体パッケージ、及びそれらの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、配線表面を分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液で処理し、さらに層間絶縁層は、シアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化して形成することを基本とし、次のように構成される。
(1)コア基板の片面または両面に、層間絶縁層と配線が複数層形成された多層配線基板において、前記配線表面に、分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物を含む絶縁膜を形成し、さらに前記層間絶縁層が、シアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化した層間絶縁層であることを特徴とする多層回路基板。
(2)前記分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物を含む絶縁膜が、これらの化合物を少なくとも1種以上含有する絶縁膜である(1)に記載の多層回路基板。
(3)前記分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物が、シランカップリング剤である(1)または(2)に記載の多層回路基板。
(4)前記分子中にアミノ基を含有する化合物がHS−(CH2)n−NH2(但し、式中、nは1から23までの整数を表す)で示される脂肪族チオールである(1)または(2)に記載の多層回路基板。
(5)前記シアネートエステル化合物が式[1]で示されるシアネートエステル化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の多層回路基板。
【化3】
(6)前記配線の表面粗さが、Raで1.0μm以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の多層回路基板。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の多層回路基板を用いて、前記多層回路基板の一方の面には、半導体チップ接続端子を含む前記配線と、半導体チップ搭載領域及び半導体パッケージ領域が形成され、他方の面には、外部接続端子を含む前記配線が形成された半導体チップ搭載基板。
(8)コア基板の片面または両面に、層間絶縁層と配線が複数層形成された多層配線基板の製造方法において、前記配線表面を、分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液で処理する工程、さらにシアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化して層間絶縁層を形成する工程を有することを特徴とする多層回路基板の製造方法。
(9)前記配線表面を、分子中にアミノ基を含有する化合物もしくは分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液で処理する工程が、これらの化合物を少なくとも1種以上含む溶液で処理する工程である(8)に記載の多層回路基板の製造方法。
(10)前記分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物が、シランカップリング剤である(8)または(9)に記載の多層回路基板の製造方法。
(11)前記分子中にアミノ基を含有する化合物が、HS−(CH2)n−NH2(但し、式中、nは1から23までの整数を表す)で示される脂肪族チオールである(8)または(9)に記載の多層回路基板の製造方法。
(12)前記シアネートエステル化合物が式[1]で示されるシアネートエステル化合物である(8)〜(11)のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法。
【化4】
(13)前記配線表面を、脱脂または硫酸洗浄を行った後、前記分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液で処理する工程を有する(8)〜(12)のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法。
(14)前記配線は銅からなり、前記脱脂または酸洗浄後に、酸化剤を含む水溶液に浸漬し、前記配線表面に酸化銅皮膜を形成し、次いで、還元剤を含む水溶液に浸漬し、前記酸化銅皮膜を還元処理する工程を有する(13)に記載の多層回路基板の製造方法。
(15)前記配線表面粗さが、Raで1.0μm以下になるように前記配線の表面処理を行う工程を有する(8)〜(14)のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法。
(16)層間絶縁層を形成する工程が、シアネートエステル化合物を含んだ樹脂組成物を塗布することにより層間絶縁層を形成する工程である(8)〜(15)のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法。
(17)(8)〜(16)のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法を用い、さらに前記多層回路基板の一方の面に、半導体チップ接続端子を含む前記配線と、半導体チップ搭載領域及び半導体パッケージ領域を形成する工程、他方の面には、外部接続端子を含む前記配線を形成する工程を有する半導体チップ搭載基板の製造方法。
(18)(7)に記載の半導体チップ搭載基板、または(17)に記載の半導体チップ搭載基板の製造方法で製造された半導体チップ搭載基板と、前記半導体チップ搭載基板に搭載された半導体チップと、前記半導体チップを封止する樹脂から構成されることを特徴とする半導体パッケージ。
(19)(17)に記載の半導体チップ搭載基板の製造方法により半導体チップ搭載基板を製造する工程、前記半導体チップ搭載基板に半導体チップを搭載する工程、前記半導体チップを樹脂で封止する工程を有することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。ここでは、半導体チップ搭載基板について説明するが、配線表面処理方法や層間絶縁層(ビルドアップ層)形成方法等は多層回路基板でも同様に行うことができる。
【0011】
(層間絶縁層と配線の接着力の向上)
層間絶縁層と配線の接着力を向上するためには、配線表面を、分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液により処理を行い、さらに層間絶縁層は、シアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化して形成する。
【0012】
(分子中にアミノ基を含有する化合物またはイミダゾール基を含有する化合物)
分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物は特に限定はしないが、これらの化合物を少なくとも1種以上含有する溶液を使用することができる。分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物は、アミノ基またはイミダゾール基を含んだシランカップリング剤であってもよく、また、アミノ基を含んだ化合物の例としては、HS−(CH2)n−NH2で示される脂肪族チオールであってもよい。
【0013】
(アミノ基またはイミダゾール基を含んだシランカップリング剤)
アミノ基を含んだシランカップリング剤の具体例をあげると、アミノメチルトリメチルシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリメトキシシラン、メチルトリス(2−アミノエトキシ)シラン、アリロキシ−2−アミノエチルアミノメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)へプタメチルトリシロキサン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリス(トリメチルシロキシ)シラン等である。イミダゾール系シランカップリング剤は、1−イミダゾリル基、3−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基のいずれかと、トリメトキシ基、トリエトキシ基などのトリアルコキシリル基を有するシラン化合物であり、例えば、IS−1000、IS−2000、IS−3000、IS−4000、EM−1000、EM−3000(以上、株式会社ジャパンエナジー製、商品名)である。これらのアミノ基またはイミダゾール基を含有するシランカップリング剤は、少なくとも1種以上含有する溶液を使用することができる。
【0014】
シランカップリング剤溶液の調整に使用される溶媒は、水或いはアルコール、ケトン類等を用いることができる。また、カップリング剤の加水分解を促進するために、少量の酢酸や塩酸等の酸を添加することもできる。前記カップリング剤の含有量は、溶液全体に対して、0.01重量%〜5重量%が好ましく、0.1重量%〜1.0重量%がより好ましい。シランカップリング剤溶液による処理は、前記のように調整したシランカップリング剤溶液に浸漬、スプレー噴霧、塗布等の方法により処理を行うことができる。前記のシランカップリング剤溶液で処理したコア基板は、自然乾燥、加熱乾燥、または真空乾燥により乾燥を行うが、使用するシランカップリング剤の種類によって、乾燥前に水洗または超音波洗浄を行うことも可能である。なお、アミノ基を含んだシランカップリング剤の場合、水洗を行わず、乾燥を行うのが好ましい。
【0015】
(シランカップリング剤溶液の処理条件)
シランカップリング剤を含んだ溶液により処理を行う時間については特に限定はしないが、10秒から30分が好ましく、またさらに30秒から15分の範囲であることがより好ましい。また、処理温度も特に限定はしないが、10〜35℃が好ましく、またさらに20〜30℃の範囲であることがより好ましい。
【0016】
(脂肪族チオール)
脂肪族チオールは、HS−(CH2)n−NH2で表される構造を有するものが使用できる。式中、nが1から23までの整数で示される化合物を用いることが好ましく、さらに、nが4から15までの整数で示される化合物がより好ましく、また、さらに6から12までの整数で示される化合物であることが特に好ましい。これらを組み合わせて用いることも可能であり、少なくとも1種以上の化合物を含有する溶液で配線表面を処理することができる。式中、24以上の化合物を用いた場合、配線と絶縁樹脂との十分な接着強度を得ることができない。
【0017】
(脂肪族チオールの溶液)
本発明で使用する脂肪族チオールを含む溶液の調整には、水および有機溶媒を使用することができる。有機溶媒の種類は、特に限定はしないが、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジアリルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、フェノールなどの芳香族炭化水素などを用いることができ、これらの溶媒を1種類ないし2種類以上組み合わせて用いることもできる。
【0018】
(脂肪族チオール溶液の濃度)
本発明で用いる脂肪族チオール溶液の脂肪族チオールは、0.001mM/Lから0.1mM/Lの濃度の範囲が好ましい。さらに、0.002〜0.05mM/Lの範囲がより好ましく、またさらに0.005〜0.03mM/Lの範囲であることが特に好ましい。脂肪族チオールの濃度が0.001mM/L未満では、マイグレーション抑制効果が十分でなく、また配線と絶縁樹脂との十分な接着強度を得ることができない。脂肪族チオールの濃度が0.1mM/Lを超えると、マイグレーション抑制効果は得られるが、配線と絶縁樹脂との十分な接着強度を得ることができない。
【0019】
(脂肪族チオール溶液の処理時間)
配線表面を、脂肪族チオールを含んだ溶液により処理を行う時間については特に限定はしないが、5分から12時間が好ましく、またさらに30分から3時間の範囲であることがより好ましい。
【0020】
(配線表面の前処理)
分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液による処理を行う前の配線表面の脱脂処理として、溶剤、アルカリ性水溶液または酸性水溶液を用いて配線表面の清浄化を行うことが好ましい。アルカリ性または酸性の水溶液であればよく、特に限定はしない。酸として硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸などが挙げられ、1〜5Nの硫酸水溶液で配線表面を洗浄することが好ましい。脱脂、酸洗浄または脱脂と酸洗浄を組み合わせて行っても良い。
【0021】
また、前記脱脂処理または前記酸洗浄の後、分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液による処理を行う前に、表面の粗化を目的とし、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、塩化第二銅、硫酸第二鉄などの鉄化合物、アルカリ金属塩化物、過硫酸アンモンなどから選ばれる化合物、またはこれらを組み合わせた水溶液、または、クロム酸-硫酸、クロム酸-フッ酸、重クロム酸-ホウフッ酸などの酸性の6価クロムを含む水溶液で処理してもよい。これらの処理液の濃度および処理時間については、銅回路表面のRa(平均粗さ)が1.0μm以下となるように、適宜条件を選択して用いることが好ましい。なお、銅回路表面のRaは、触針式表面粗さ計などを用い測定することが可能である(JIS C 6481参照)。
【0022】
配線が銅である場合は、前記脱脂処理または酸洗浄後、あるいは脱脂処理または酸洗浄さらに粗化処理後で、分子中にアミノ基を含有する化合物または分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液による処理を行う前に、酸化剤を含む水溶液に浸漬し、銅表面に酸化銅皮膜を形成し、次いで、還元処理により酸化銅皮膜を還元し、銅回路表面に微細な凹凸形状を形成しても良い。その場合、銅回路表面のRaが1.0μm以下であることが好ましい。前記酸化剤を含む水溶液としては、亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を含み、更にOH陰イオン源およびリン酸三ナトリウムなどの緩衝剤を含むものが好ましい。また、還元処理を行う水溶液としては、pH9.0から13.5に調整したアルカリ性溶液中にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、芳香族アルデヒド化合物を添加した水溶液、または次亜リン酸および次亜リン酸塩などを含んだ水溶液が使用できる。
【0023】
(半導体チップ搭載基板)
図1及び図8に、本発明の半導体チップ搭載基板の一実施例(片面ビルドアップ層2層、両面ビルドアップ層各2層)の断面模式図を示した。ここでは、図1のビルドアップ層を片面にのみ形成した実施形態で説明するが、必要に応じて図8に示したように、ビルドアップ層は両面に形成することもできる。
【0024】
本発明の半導体チップ搭載基板は、図1に示したように、半導体チップが搭載される側の絶縁層であるコア基板100上に、半導体チップ接続端子及び第1の層間接続端子101を含む第1の配線106aが形成される。コア基板の他方の側には、第2の層間接続端子103を含む第2の配線106bが形成され、第1の層間接続端子と第2の層間接続端子は、コア基板の第1の層間接続用IVH(インタースティシャルバイアホール)102を介して電気的に接続される。コア基板の第2の配線側には、ビルドアップ層104が形成され、ビルドアップ層上には第3の層間接続端子を含む第3の配線106cが形成され、第2の層間接続端子と第3の層間接続端子は、第2の層間接続用IVH102を介して電気的に接続される。
【0025】
ビルドアップ層が複数形成される場合は、同様の構造を積層し、最外層のビルドアップ層上には、マザーボードと接続される外部接続端子107が形成される。配線の形状や各々の接続端子の配置等は特に制限されず、搭載する半導体チップや目的とする半導体パッケージを製造するために、適宜設計可能である。また、半導体チップ接続端子と第1の層間接続端子等を共用することも可能である。更に、最外層のビルドアップ層上には、必要に応じてソルダレジスト等の絶縁被覆109を設けることもできる。
【0026】
(コア基板)
コア基板の材質は特に問わないが、有機基材、セラミック基材、シリコン基材、ガラス基材などが使用できる。熱膨張係数や絶縁性を考慮すると、セラミックや、ガラスを用いることが好ましい。ガラスのうち非感光性ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス(成分例:SiO2 65〜75wt%、Al2O3 0.5〜4wt%、CaO 5〜15wt%、MgO 0.5〜4wt%、Na2O 10〜20wt%)、ホウ珪酸ガラス(成分例:SiO2 65〜80wt%、B2O3 5〜25wt%、Al2O3 1〜5wt%、CaO 5〜8wt%、MgO 0.5〜2wt%、Na2O 6〜14wt%、K2O 1〜6wt%)等が挙げられる。また、感光性ガラスとしてはLi2O−SiO2系結晶化ガラスに感光剤として金イオン及び銀イオンを含むものが挙げられる。
【0027】
有機基板としては、ガラス布に樹脂を含浸させた材料を積層した基板や樹脂フィルムが使用できる。使用する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらの混合樹脂が使用できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマ等が挙げられる。
【0028】
これらの樹脂には充填材を添加しても良い。充填材としては、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、窒化アルミニウム、アルミナ等が挙げられる。
【0029】
コア基板の厚さは100〜800μmの範囲であるのが、IVH形成性の点で好ましく、更に150〜500μmの範囲であるのがより好ましい。
【0030】
(ビルドアップ層)
層間絶縁層(ビルドアップ層)104は、シアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化したものであり、シアネートエステル化合物を含んだ樹脂組成物を塗布する方法で形成することが好ましいが、形成方法としてはこれに限定したものではない。また、この場合、樹脂組成物は絶縁ワニスの状態で、塗布することが好ましい。シアネートエステル化合物は、式[1]で示されるような1分子中にシアナト基を2個有するシアネートエステル類化合物を用いることができる。式[1]で示される化合物としては、例えば、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル-4-シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノール付加ジシクロペンタジエン重合体のシアネートエステル化合物等が挙げられる。これらのシアネートエステル類化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
【0031】
上記樹脂組成物は、シアネートエステル化合物以外に、フェノール類化合物、熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等を加えることができる。フェノール類化合物としては、p−t−ブチルフェノール、p−t−アミノフェノール、p−t−オクチルフェノール、カテコール、ヒドロキノンおよびビスフェノールA等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンナフタラーと、ポリエーテルイミド等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂等があげられる。
【0032】
樹脂組成物には充填材を添加しても良い。充填材としては、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、窒化アルミニウム、アルミナ等が挙げられる。
【0033】
(熱膨張係数)
半導体チップの熱膨張係数とコア基板の熱膨張係数とが近似していて、かつコア基板の熱膨張係数とビルドアップ層の熱膨張係数とが近似していることが好ましいが、これに限定したものではない。さらに、半導体チップ、コア基板、ビルドアップ層の各々の熱膨張係数をα1、α2、α3(ppm/℃)としたとき、α1≦α2≦α3であることがより好ましい。具体的には、コア基板の熱膨張係数α2は、7〜13ppm/℃が好ましく、更に好ましくは9〜11ppm/℃である。ビルドアップ層の熱膨張係数α3は10〜40ppm/℃であるのが好ましく、更に好ましくは10〜20ppm/℃であり、11〜17ppm/℃が特に好ましい。
【0034】
(ヤング率)
ビルドアップ層のヤング率は、1〜5GPaであるのが熱ストレスに対する応力緩和の点で好ましい。ビルドアップ層中の充填材は、ビルドアップ層の熱膨張係数が10〜40ppm/℃、ヤング率が1〜5GPaになるように添加量を適宜調整して添加するのが好ましい。添加量を多くするほど熱膨張係数の値が低く、また、ヤング率の値が高くなる傾向にある。
【0035】
(平坦性)
コア基板及びビルドアップ層の表面の平坦性は、Ra(平均粗さ)で0.01〜1.0μmであることが高速電気信号の伝達特性の面から好ましく、更に0.01〜0.4μmであることがより好ましい。1.0μmを超えると形成する配線の幅変動が大きく、また、高速電気信号の減衰が大きくなる。0.01μm未満では、ピール強度が十分に得られなくなるという傾向がある。なお、コア基板及びビルドアップ層の表面のRaは、触針式表面粗さ計などを用い測定することが可能である。
【0036】
(半導体チップ搭載基板の製造方法)
半導体チップ搭載基板は、以下の製造方法の組み合わせで製造することができる。製造工程の順番は、本発明の目的を逸脱しない範囲では、特に限定しない。
【0037】
(配線形成方法)
配線の形成方法としては、コア基板表面またはビルドアップ層上に金属箔を形成し、金属箔の不要な箇所をエッチング除去する方法(サブトラクト法)、コア基板表面またはビルドアップ層上の必要な箇所にのみめっきにより配線を形成する方法(アディティブ法)、コア基板表面またはビルドアップ層上に薄い金属層(シード層)を形成し、その後電解めっきで必要な配線を形成した後、薄い金属層をエッチングで除去する方法(セミアディティブ法)がある。
【0038】
(エッチングによる配線形成)
金属箔の配線となる箇所にエッチングレジストを形成し、エッチングレジストから露出した箇所に、化学エッチング液をスプレー噴霧して、不要な金属箔をエッチング除去し、配線を形成することができる。例えば、金属箔として銅箔を用いる場合、エッチングレジストは、通常の配線板に用いることのできるエッチングレジスト材料を使用することができる。例えばレジストインクをシルクスクリーン印刷してエッチングレジストを形成したり、エッチングレジスト用ネガ型感光性ドライフィルムを銅箔の上にラミネートして、その上に配線形状に光を透過するフォトマスクを重ね、紫外線で露光し、露光しなかった箇所を現像液で除去してエッチングレジストを形成する。化学エッチング液には、塩化第二銅と塩酸の溶液、塩化第二鉄溶液、硫酸と過酸化水素の溶液、過硫酸アンモニウム溶液など、通常の配線板に用いる化学エッチング液を用いることができる。
【0039】
(めっきによる配線形成)
また、配線は、コア基板またはビルドアップ層上の必要な箇所にのみ、めっきを行うことで形成することも可能であり、通常のめっきによる配線形成技術を用いることができる。例えば、コア基板に無電解めっき用触媒を付着させた後、めっきが行われない表面部分にめっきレジストを形成して、無電解めっき液に浸漬し、めっきレジストに覆われていない箇所にのみ、無電解めっきで配線を形成する。
【0040】
(セミアディティブ法による配線形成)
コア基板表面またはビルドアップ層上に、セミアディティブ法の薄い金属層(シード層)を形成する方法は、蒸着またはめっきによる方法と、金属箔を貼り合わせる方法がある。また同様の方法で、サブトラクト法の金属箔を形成することもできる。
【0041】
(蒸着またはめっきによる薄い金属層(シード層)の形成)
コア基板表面またはビルドアップ層上に蒸着またはめっきによって薄い金属層(シード層)を形成することができる。例えば、薄い金属層(シード層)として、スパッタリングにより下地金属と薄膜銅層を形成する場合、薄膜銅層を形成するために使用されるスパッタリング装置は、2極スパッタ、3極スパッタ、4極スパッタ、マグネトロンスパッタ、ミラートロンスパッタ等を用いることができる。スパッタに用いるターゲットは、密着を確保するために、例えばCr、Ni、Co、Pd、Zr、Ni/Cr、Ni/Cu等の金属を下地金属として用い、5〜50nmスパッタリングする。その後、銅をターゲットにして200〜500nmスパッタリングして薄膜銅層を形成できる。
【0042】
また、コア基板表面またはビルドアップ層上に銅を0.5〜3μm無電解めっきし、形成することもできる。
【0043】
(金属箔を貼り合わせる方法)
コア基板またはビルドアップ層に接着機能がある場合は、金属箔をプレスやラミネートによって貼り合わせることにより薄い金属層(シード層)を形成することもできる。しかし、薄い金属層を直接貼り合わせるのは非常に困難であるため、厚い金属箔を張り合わせた後にエッチング等により薄くする方法や、キャリア付金属箔を貼り合わせた後にキャリア層を剥離する方法などがある。例えば前者としてはキャリア銅/ニッケル/薄膜銅の三層銅箔があり、キャリア銅をアルカリエッチング液で、ニッケルをニッケルエッチング液で除去し、後者としてはアルミ、銅、絶縁樹脂などをキャリアとしたピーラブル銅箔などが使用でき、5μm以下の薄い金属層(シード層)を形成できる。また、厚み9〜18μmの銅箔を貼り付け、5μm以下になるように、エッチングにより均一に薄くし、薄い金属層(シード層)を形成してもかまわない。
【0044】
(セミアディティブによる配線形成)
前述の方法で形成された薄い金属層(シード層)上に、めっきレジストを必要なパターンに形成し、薄い金属層(シード層)を介して電解銅めっきにより配線を形成する。その後、めっきレジストを剥離し、最後に薄い金属層(シード層)をエッチング等により除去し、配線が形成できる。
【0045】
(配線の形状)
配線の形状は特に問わないが、少なくとも半導体チップが搭載される側には半導体チップ接続端子(ワイヤボンド端子等)、その反対面にはマザーボードと電気的に接続される外部接続端子(はんだボール等が搭載される箇所)及びそれらを繋ぐ展開配線、層間接続端子等から構成される。また、配線の配置も特に問わないが、図3に示したように(内層配線、層間接続端子等は省略)、半導体チップ接続端子より内側に外部接続端子を形成したファン−インタイプや、図4に示したような半導体チップ接続端子の外側に外部接続端子を形成したファン−アウトタイプ、またはこれらを組み合わせたタイプでもよい。
【0046】
図5に、ファン−インタイプ半導体チップ搭載基板の平面図を、図6にファン−アウトタイプ半導体チップ搭載基板の平面図を示した。なお、半導体チップ接続端子16の形状は、ワイヤボンド接続やフリップチップ接続などが、可能であれば、特に問わない。また、ファン−アウト、ファン−インどちらのタイプでも、ワイヤボンド接続やフリップチップ接続などは、可能である。さらに必要に応じて、半導体チップと電気的に接続されないダミーパターン21(図6参照)を形成してもかまわない。ダミーパターンの形状や配置も特には問わないが、半導体搭載領域に均一に配置するのが好ましい。これによって、ダイボンド接着剤で半導体チップを搭載する際に、ボイドが発生しにくくなり、信頼性を向上できる。
【0047】
(バイアホール)
本発明の半導体チップ搭載基板は、複数の配線層を有するため、各層の配線を電気的に接続するためのバイアホールを設けることができる。バイアホールは、コア基板またはビルドアップ層に接続用の穴を設け、この穴を導電性ペーストやめっき等で充填し形成できる。穴の加工方法としては、パンチやドリルなどの機械加工、レーザ加工、薬液による化学エッチング加工、プラズマを用いたドライエッチング法などがある。
【0048】
また、ビルドアップ層のバイアホール形成方法としては、予めビルドアップ層に導電性ペーストやめっきなどで導電層を形成し、これをコア基板にプレス等で積層する方法などもある。
【0049】
(絶縁被覆の形成)
半導体チップ搭載基板の外部接続端子側には絶縁被覆を形成することができる。パターン形成は、ワニス状の材料であれば印刷で行うことも可能であるが、より精度を確保するためには、感光性のソルダレジスト、カバーレイフィルム、フィルム状レジストを用いるのが好ましい。材質としては、エポキシ系、ポリイミド系、エポキシアクリレート系、フルオレン系の材料を用いることができる。
【0050】
このような絶縁被覆は硬化時の収縮があるため、片面だけに形成すると基板に大きな反りを生じやすい。そこで、必要に応じて半導体チップ搭載基板の両面に絶縁被覆を形成することもできる。さらに、反りは絶縁被覆の厚みによって変化するため、両面の絶縁被覆の厚みは反りが発生しないように調整することがより好ましい。その場合、予備検討を行い、両面の絶縁被覆の厚みを決定することが望ましい。また、薄型の半導体パッケージとするには、絶縁被覆の厚みが50μm以下であることが好ましく、30μm以下がより好ましい。
【0051】
(配線のめっき)
配線の必要な部分にニッケル、金めっきを順次施すことができる。さらに必要に応じてニッケル、パラジウム、金めっきとしても良い。これらのめっきは、配線の半導体チップ接続端子と、マザーボードまたは他の半導体パッケージと電気的に接続するための外部接続端子に施されるのが一般的である。このめっきは、無電解めっき、または電解めっきのどちらを用いてもよい。
【0052】
(半導体チップ搭載基板の製造方法)
このような半導体チップ搭載基板は、以下のような工程で製造することができる。図2の(a)〜(g)に、本発明の半導体チップ搭載基板の製造方法の実施形態の一例を断面模式図で示した。ただし、製造工程の順番は、本発明の目的を逸脱しない範囲では、特に限定しない。
【0053】
(工程a)
(工程a)は、図2(a)に示したようにコア基板100上に第1の配線106aを作製する工程である。
【0054】
例えば片面に銅層が形成されたコア基板に第1の配線形状にエッチングレジストを形成し、塩化銅や塩化鉄などのエッチング液を用いて配線を作製することができる。ガラス基板上に銅層を作製するには、スパッタリング、蒸着、めっき等により薄膜を形成した後、電気銅めっきで膜厚を所望の厚みまでめっきすることにより、銅層を得ることができる。
【0055】
なお、第1の配線106aは、第1の層間接続端子101及び半導体チップ接続端子(半導体チップと電気的に接続される部分)を含んでおり、微細配線の形成方法としてはセミアディティブ法を用いても良い。
【0056】
(工程b)
(工程b)は、図2(b)に示したように、前記第1の層間接続端子101と、後述する第2の配線とを接続するための第1の層間接続用IVH102(バイアホール)を形成する工程である。
【0057】
バイアホールの形成は、コア基板が非感光性基材の場合、レーザ光を用いることができる。非感光性基材としては、前述した非感光性ガラスなどが挙げられるが、これに限定したものではない。この場合、使用するレーザ光は限定されるものではなく、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等を用いることができる。また、コア基板が感光性基材の場合、バイアホール以外の領域をマスクし、バイアホール部に紫外光を照射する。なお感光性基材としては、前述した感光性ガラスなどが挙げられるが、これに限定したものではない。この場合、紫外光を照射後、熱処理とエッチングによりバイアホールを形成する。また、コア基板が、有機溶剤等の薬液による化学エッチング加工が可能な基材の場合は、化学エッチングによってバイアホールを形成することもできる。形成されたバイアホールは層間を電気的に接続するために、導電性のペーストやめっきなどで充填して層間接続のための導電層を形成することができる。
【0058】
(工程c)
(工程c)は、図2(c)に示したように、コア基板の第1の配線106aと反対側の面に第2の配線106bを形成する工程である。コア基板の第1の配線と反対の面に(工程a)と同様に銅層を形成し、その銅層を必要な配線形状にエッチングレジストを形成し、塩化銅や塩化鉄等のエッチング液を用いて第2の配線を形成する。銅層の形成方法としては、(工程a)と同様にスパッタリング、蒸着、無電解めっきなどで銅薄膜を形成した後、電気銅めっきを用いて所望の厚みまで銅めっきすることにより銅層が得られる。
【0059】
なお、第2の配線は第2の層間接続端子103を含んでおり、微細配線の形成方法としてはセミアディティブ法を用いても良い。
【0060】
(工程d)
(工程d)は、図2(d)に示すように前記第2の配線を形成した面にビルドアップ層(層間絶縁層)104を形成する工程である。まず、第2の配線表面に、前記脱脂処理または硫酸などの酸洗浄後、あるいは脱脂処理および酸洗浄さらに粗化処理後で、分子中にアミノ基を含有する化合物もしくは分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液による処理の前に、酸化剤を含む水溶液に浸漬し、銅表面に酸化銅皮膜を形成し、次いで、還元処理により酸化銅皮膜を還元し、銅回路表面に微細な凹凸形状を形成してもかまわない。その場合、銅回路表面のRa(平均粗さ)が1.0μm以下であることが好ましい。続いて、分子中にアミノ基を含有する化合物もしくは分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液による処理を行う。
【0061】
次に、コア基板100表面及び第2の配線106b表面に、ビルドアップ層104を形成する。シアネートエステル化合物を含有するワニス状の樹脂組成物の場合は、印刷法やスピンコート法で、またはシアネートエステル化合物を含有するフィルム状の樹脂組成物の場合は、ラミネートやプレスなどの手法を用いてビルドアップ層を得ることができる。その後、さらに加熱硬化させることが望ましい。
【0062】
(工程e)
(工程e)は、図2(e)に示したように、前記ビルドアップ層に第2の層間接続用のIVH(バイアホール)108を形成する工程であり、バイアホールの形成手段としては、一般的なレーザ穴あけ装置を使用することができる。レーザ穴あけ機で用いられるレーザの種類はCO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等を用いることができるが、CO2レーザが生産性及び穴品質の点で好ましい。また、IVH径が30μm未満の場合は、レーザ光を絞ることが可能なYAGレーザが適している。また、ビルドアップ層が有機溶剤等の薬液による化学エッチング加工が可能な材料の場合は、化学エッチングによってバイアホールを形成することもできる。
【0063】
(工程f)
(工程f)は、図2(f)に示したように、前記第2のバイアホールが形成されたビルドアップ層上に、第3の配線106cを形成する工程である。またL/S=35μm/35μm以下の微細な配線を形成するプロセスとしては、前記したセミアディティブ法が好ましい。ビルドアップ層上に、蒸着またはめっきによる方法や金属箔を貼り合わせる方法などにより、(シード層)を形成する。前述の方法で形成された薄い金属層上に、めっきレジストを必要なパターンに形成し、薄い金属層を介して電解銅めっきにより配線を形成する。その後、めっきレジストを剥離し、最後に薄い金属層をエッチング等により除去し、微細な配線が形成できる。
【0064】
(工程d)から(工程f)までを繰り返して、図1に示すようにビルドアップ層104を2層以上作製してもよい。この場合、最外のビルドアップ層に形成された層間接続端子が、外部接続端子107となる。
【0065】
(工程g)
(工程g)は、図2(g)に示したように、外部接続端子以外の配線等を保護するための絶縁被覆109を形成する工程である。絶縁被覆材としては、ソルダレジストが一般的に用いられ、熱硬化型や紫外線硬化型のものが使用できるが、レジスト形状を精度良く仕上げることができる紫外線硬化型のものが好ましい。
【0066】
(半導体チップ搭載基板の形状)
半導体チップ搭載基板22の形状は、特に問わないが、図7に示したようなフレーム形状にすることが好ましい。半導体チップ搭載基板の形状をこのようにすることで、半導体パッケージの組立てを効率よく行うことができる。以下、好ましいフレーム形状について詳細に説明する。
【0067】
図7に示したように、半導体パッケージ領域13(1個の半導体パッケージとなる部分)を行及び列に各々複数個等間隔で格子状に配置したブロック23を形成する。さらに、このようなブロックを複数個行及び列に形成する。図7では、2個のブロックしか記載していないが、必要に応じて、ブロックも格子状に配置してもよい。ここで、半導体パッケージ領域間のスペース部の幅は、50〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。さらに、後に半導体パッケージを切断するときに使用するダイサーのブレード幅と同じにするのが最も好ましい。
【0068】
このように半導体パッケージ領域を配置することで、半導体チップ搭載基板の有効利用が可能になる。また、半導体チップ搭載基板の端部には、位置決めのマーク等11を形成することが好ましく、貫通穴によるピン穴であることがより好ましい。ピン穴の形状や配置は、形成方法や半導体パッケージの組立て装置に合うように選択すればよい。
【0069】
さらに、前記半導体パッケージ領域間のスペース部や前記ブロックの外側には補強パターン24を形成することが好ましい。補強パターンは、別途作製し半導体チップ搭載基板と貼り合わせてもよいが、半導体パッケージ領域に形成される配線と同時に形成された金属パターンであることが好ましく、さらに、その表面には、配線と同様のニッケル、金などのめっきを施すか、絶縁被覆をすることがより好ましい。補強パターンが、このような金属の場合は、電解めっきの際のめっきリードとして利用することも可能である。また、ブロックの外側には、ダイサーで切断する際の切断位置合わせマーク25を形成することが好ましい。このようにして、フレーム形状の半導体チップ搭載基板を作製することができる。
【0070】
(半導体パッケージ)
図3に、本発明のフリップチップタイプ半導体パッケージの実施形態の一例を断面模式図で示した。図3に示したように本発明の半導体パッケージは、上記本発明の半導体チップ搭載基板に、さらに半導体チップ111が搭載されているもので、半導体チップと半導体チップ接続端子とを接続バンプ112を用いてフリップチップ接続することによって電気的に接続して得ることができる。
【0071】
さらに、これらの半導体パッケージには、図示するように、半導体チップと半導体チップ搭載基板の間をアンダーフィル材113で封止することが好ましい。アンダーフィル材の熱膨張係数は、半導体チップ及びコア基板100の熱膨張係数と近似していることが好ましいがこれに限定したものではない。さらに好ましくは(半導体チップの熱膨張係数)≦(アンダーフィル材の熱膨張係数)≦(コア基板の熱膨張係数)である。さらに、半導体チップの搭載には異方導電性フィルム(ACF)や導電性粒子を含まない接着フィルム(NCF)を用いて行うこともできる。この場合は、アンダーフィル材で封止する必要がないため、より好ましい。さらに、半導体チップを搭載する際に超音波を併用すれば、電気的な接続が低温でしかも短時間で行えるため特に好ましい。
【0072】
また、図4には、ワイヤボンドタイプ半導体パッケージの実施形態の断面図を示した。半導体チップの搭載には、一般のダイボンドペーストも使用できるが、ダイボンドフィルム117を用いるのがより好ましい。半導体チップと半導体チップ接続端子との電気的な接続は金ワイヤ115を用いたワイヤボンドで行うのが一般的である。半導体チップの封止は、半導体用封止樹脂116をトランスファモールドで行うことができる。その場合、半導体チップの少なくともフェース面を半導体用封止樹脂で封止するが、封止領域は、必要な部分だけを封止しても良いが、図4のように半導体パッケージ領域全体を封止するのが、より好ましい。これは、半導体パッケージ領域を行及び列に複数個配列した半導体チップ搭載基板において、基板と封止樹脂を同時にダイサー等で切断する場合、特に有効な方法である。
【0073】
また、マザーボードとの電気的な接続を行うために、外部接続端子には、例えばはんだボール114を用いることができる。はんだボールには共晶はんだやPbフリーはんだが用いられる。はんだボールを外部接続端子に固着する方法としては、N2リフロー装置を用いるのが一般的であるがこれに限定したものではない。
【0074】
半導体パッケージ領域を行及び列に複数個配列した半導体チップ搭載基板においては、最後に、ダイサー等を用いて個々の半導体パッケージに切断する。
【0075】
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
【実施例】
実施例1
(工程a)
コア基板100として0.4mm厚のソーダガラス基板(熱膨張係数11ppm/℃)を用意し、片面にスパッタリングにより200nmの銅薄膜を形成した後、電気銅めっきで10μmの厚さまでめっきを行った。なおスパッタリングは、日本真空技術株式会社製装置型番MLH−6315を用いて、以下に示した条件1で行った。その後、第1の配線106aとなる部分にエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄エッチング液を用いてエッチングして第1の配線106a(第1の層間接続端子101及び半導体チップ接続端子を含む)を形成した。
条件1
電流:3.5A
電圧:500V
アルゴン流量:35SCCM
圧力:5×10−3Torr(4.9×10−2Pa)
成膜速度:5nm/秒
【0077】
(工程b)
第1の配線が形成されたガラス基板の第1の配線と反対面から第1の層間接続端子に到達するまで、レーザで穴径50μmのIVH穴を形成した。レーザにはYAGレーザLAVIA−UV2000(住友重機械工業株式会社製、商品名)を使用し、周波数4kHz、ショット数50、マスク径0.4mmの条件でIVH穴の形成を行った。
【0078】
得られたIVHの穴に導電性ペーストMP−200V(日立化成工業株式会社製、商品名)を充填して、150℃、30分で硬化し、ガラス基板の第1の層間接続端子と電気的に接続し、第1の層間接続用IVH(バイアホール)を形成した。
【0079】
(工程c)
(工程b)で形成された第1の層間接続用IVH(第1のバイアホール)と電気的に接続するために、ガラス基板の、第1の配線と反対側の面にスパッタリングにより200nmの銅薄膜を形成した後電気銅めっきで10μmの厚さまでめっきを行った。スパッタリングは、(工程a)と同様に行った。さらに、(工程a)と同様に第2の配線の形状にエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄エッチング液を用いてエッチングして第2の配線106b(第2の層間接続端子103を含む)を形成した。
【0080】
(工程d)
(工程c)で形成した第2の配線側の面に、200ml/Lに調整した酸性脱脂液Z−200(ワールドメタル社製、商品名)に、液温50℃で2分間浸漬した後、液温50℃の水に2分間浸漬することにより湯洗し、さらに1分間水洗した。次いで、3.6Nの硫酸水溶液に1分間浸漬し、1分間水洗した。以上に示した前処理を行った後、次に、酢酸によりpH5に調整した水溶液に、アミノメチルトリメチルシランの濃度が0.5重量%となるように調整した水溶液に25℃で、10分間浸漬した。さらに水洗することなく、常温(25℃)にて乾燥を行った。
【0081】
次に、層間絶縁層(ビルドアップ層)104を次のように形成した。すなわち、シアネートエステル化合物を含む樹脂組成物の絶縁ワニスをスピンコート法により、条件1500rpmで、ガラス基板上に塗布し、厚み25μmの絶縁層を形成した後、160℃で5分間保持することによって半硬化し、さらに6℃/minの昇温速度で230℃まで加熱し、230℃で80分間保持することにより熱硬化し、厚み15μmのビルドアップ層を形成した。
【0082】
(工程e)
ビルドアップ層104の表面から第2の層間接続用端子103に到達するまで、レーザで穴径50μmのIVH穴を形成した。レーザにはYAGレーザLAVIA−UV2000(住友重機械工業株式会社製、商品名)を使用し、周波数4KHz、ショット数20、マスク径0.4mmの条件でIVH穴の形成を行った。
【0083】
(工程f)
第3の配線形成及び第2のバイアホール形成のために、スパッタリングにより、給電層となる下地金属Ni層20nmを形成し、さらに薄膜銅層200nmを形成した。スパッタリングは、日本真空技術株式会社製MLH−6315を用いて以下に示した条件2で行った。
条件2
(ニッケル)
電流:5.0A
電圧:350V
アルゴン流量:35SCCM
圧力:5×10−3Torr(4.9×10−2Pa)
成膜速度:0.3nm/秒
(銅)
電流:3.5A
電圧:500V
アルゴン流量:35SCCM
圧力:5×10−3Torr(4.9×10−2Pa)
成膜速度:5nm/秒
【0084】
次に、めっきレジストPMER P−LA900PM(東京応化工業株式会社製、商品名)を用いスピンコート法で、薄膜銅層上に、膜厚20μmのめっきレジスト層を形成した。1000mJ/cm2の条件で露光し、PMER現像液P−7Gを用いて23℃で6分間浸漬揺動し、L/S=10μm/10μmのレジストパターンを形成した。その後、硫酸銅めっき液を用いてパターン銅めっきを約5μm行った。めっきレジストの剥離は、メチルエチルケトンを用いて室温(25℃)で1分間浸漬し除去した。下地金属Ni層及び薄膜銅層のクイックエッチングには、CPE−700(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名)の5倍希釈液を用いて、30℃で30秒間浸漬揺動することにより、これらをエッチング除去し、配線を形成した。
【0085】
(工程g)
この後、(工程d)〜(工程f)までを再度繰り返し、ビルドアップ層及び外部接続端子107を含む最外層の配線をさらに一層形成し、最後にソルダーレジスト109を形成して、図1(1パッケージ分の断面図)、図5(1パッケージ分の平面図)、及び図7(半導体チップ搭載基板全体図)に示すようなファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板を作製した。
【0086】
(工程h)
前記(工程a)〜(工程g)により作製された半導体チップ搭載基板の半導体チップ搭載領域に、接続バンプ112の形成された半導体チップ111を、フリップチップボンダを用いて超音波を印加しながら必要な数だけ搭載した。さらに、半導体チップ搭載基板と半導体チップの隙間に、半導体チップ端部からアンダーフィル材を注入し、オーブンを用いて80℃で1時間の1次硬化及び150℃で4時間の2次硬化を行った。次に、外部接続端子に直径0.45mmの鉛・錫共晶はんだボール114をN2リフロー装置で融着した。最後に、幅200μmのブレードを装着したダイサーで半導体チップ搭載基板を切断し、図3に示す半導体パッケージを作製した。
【0087】
実施例2
(工程a)〜(工程g)
(工程d)で実施例1と同様の前処理を行った後、KBM−903(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業株式会社製、商品名)の濃度が0.5重量%となるように調整した水溶液に25℃で、10分間浸漬した。さらに水洗することなく、常温(25℃)にて乾燥を行った。それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板を作製した。
【0088】
(工程h)
前記(工程a)〜(工程g)により作製された半導体チップ搭載基板の半導体チップ搭載領域に、ダイボンドフィルムDF−100(日立化成工業株式会社製、商品名)117を用いて、半導体チップ111を必要な数だけ搭載した。次に、ワイヤボンダUTC230(株式会社新川製、商品名)で、半導体チップ上の端子と半導体チップ搭載基板の半導体チップ接続端子とを、直径25μmの金ワイヤ115で電気的に接続した。さらに、半導体チップを封止樹脂116であるCEL9200(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いて、圧力10MPa、温度180℃、時間90秒で、図7に示した1ブロック23を一体にトランスファモールドした。次に、温度180℃のオーブンで5時間の熱処理を行い、封止樹脂及びダイボンドフィルムを完全硬化して、外部接続端子に直径0.45mmの鉛・錫共晶はんだボール114をN2リフロー装置で融着した。最後に、幅200μmのブレードを装着したダイサーで封止樹脂と半導体チップ搭載基板を同時に切断し、図4に示した半導体パッケージを作製した。
【0089】
実施例3
(工程d)で実施例1と同様の前処理を行った後、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリメトキシシランの濃度が0.5重量%となるように調整した水溶液に25℃で、10分間浸漬した。さらに水洗することなく、常温にて乾燥(25℃)を行った。それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0090】
実施例4
(工程d)で、実施例1と同様の前処理を行った後、メチルトリス(2−アミノエトキシ)シランの濃度が0.5重量%となるように調整した水溶液に25℃で、10分間浸漬した。さらに水洗することなく、常温(25℃)にて乾燥を行った。それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0091】
実施例5
(工程d)で、実施例1と同様の前処理を行った後、アリロキシ−2−アミノエチルアミノメチルジメトキシシランの濃度が0.5重量%となるように調整した水溶液に25℃で、10分間浸漬した。さらに水洗することなく、常温(25℃)にて乾燥を行った。それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0092】
実施例6
(工程d)で、実施例1と同様の前処理を行った後、イミダゾールシランカップリング剤IS−1000(株式会社ジャパンエナジー製、商品名)の濃度が0.5重量%となるように調整した水溶液に25℃で、10分間浸漬した。さらに1分間水洗を行った後に、常温(25℃)にて乾燥を行った。それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0093】
実施例7
(工程d)の実施例1と同様の前処理を行った後、1対1の割合で混合した水およびエタノール混合夜液に30秒浸漬後、さらに、エタノール溶液に1分間浸漬した。次に、11−アミノウンデカンチオール・ハイドロクロライド(同人化学研究所社製)の濃度が0.01mM/Lであるエタノール溶液に25℃で、1時間浸漬した。浸漬終了後、エタノール溶液に1分間浸漬し、さらにまたエタノール溶液に1分間浸漬することにより2段洗浄を行った。洗浄を行った後、常温(25℃)にて乾燥した。それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0094】
実施例8
(工程d)の実施例7に記載の11−アミノウンデカンチオール・ハイドロクロライドの代わりに、8−アミノウンデカンチオール・ハイドロクロライド(同人化学研究所社製)を使用し、同じ前処理、後処理を行った。それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0095】
実施例9
防錆処理を施していない18μmの電解銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)を5cm×8cmに切り出し、この電解銅箔を試験片として、これに実施例1の(工程d)に記載された表面処理を施した。
【0096】
低誘電正接高耐熱多層材料として使用することが可能な、厚さ0.8mmのガラス布-シアネートエステル系樹脂組成物含浸両面銅張り積層板であるMCL−LX−67(日立化成工業株式会社製、商品名)の片面に、シアネートエステル系樹脂組成物をガラスクロスに含浸させたプリプレグのGXA−67N(日立化成工業株式会社製、商品名)を、さらに最外層に前記の電解銅箔と同様の表面処理を施した電解銅箔を積層し、3.0MPaの圧力で常温(25℃)から6℃/minの昇温速度で230℃まで加熱し、230℃において1時間保持することにより積層接着し、接着性試験用基板を作製した。なお、絶縁樹脂層と電解銅箔との接着面は、シャイニー面(S面)側とした。
【0097】
実施例10
電解銅箔に対する表面処理が、実施例2の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9と同様に行った。
【0098】
実施例11
電解銅箔に対する表面処理が、実施例3の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9と同様に行った。
【0099】
実施例12
電解銅箔に対する表面処理が、実施例4の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9と同様に行った。
【0100】
実施例13
電解銅箔に対する表面処理が、実施例5の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9と同様に行った。
【0101】
実施例14
電解銅箔に対する表面処理が、実施例6の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9と同様に行った。
【0102】
実施例15
電解銅箔に対する表面処理が、実施例7の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9と同様に行った。
【0103】
実施例16
電解銅箔に対する表面処理が、実施例8の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9と同様に行った。
【0104】
比較例1
(工程d)で、200ml/Lに調整した酸性脱脂液Z−200(ワールドメタル社製、商品名)に、液温50℃で2分間浸漬した後、液温50℃の水に2分間浸漬することにより湯洗し、さらに1分間水洗した。次いで、3.6Nの硫酸水溶液に1分間浸漬し、1分間水洗し、アミノメチルトリメチルシランを用いることなく、それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0105】
比較例2
(工程d)で、マイクロエッチング剤であるメックエッチボンドCZ8100(メック株式会社製、商品名)に40℃で1分30秒間浸漬し、水洗した後、常温にて3.6Nの硫酸水溶液に60秒間浸漬し、更に水洗を1分間行い、アミノメチルトリメチルシランを用いることなく、それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した
【0106】
比較例3
(工程d)で、比較例2に示した処理後、さらに濃度0.5mM/Lに調整した硫化カリウム水溶液に10分間浸漬した。その後、更に水洗を1分間行った。アミノメチルトリメチルシランを用いることなく、それ以外の工程は、実施例1と同様にしてファン−インタイプBGA用半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージを作製した。
【0107】
比較例4
電解銅箔に対する表面処理が、比較例1の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9同様に行った。
【0108】
比較例5
電解銅箔に対する表面処理が、比較例2の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9同様に行った。
【0109】
比較例6
電解銅箔に対する表面処理が、比較例3の(工程d)に記載された表面処理である以外は、実施例9同様に行った。
【0110】
以上のように作製した半導体パッケージに対し、以下の信頼性試験試験を行った。また、実施例9〜16及び比較例4〜6に記載の表面処理を施した電解銅箔を用い、銅表面の平坦性評価試験及び接着性試験を行った。それらの結果を表1、2に示した。
【0111】
(半導体パッケージの信頼性試験)
各々の半導体パッケージを、吸湿処理を行った後、到達温度240℃、長さ2mのリフロー炉に0.5m/分の条件で流し、22個のサンプルをリフローし、クラックの発生を調べ、発生した場合をNGとした。結果を表1に示した。また、同様に22個のサンプルを厚さ0.8mmのマザーボードに実装し、−55℃、30分〜125℃、30分の条件で、温度サイクル試験を行い、試験後、ヒューレットパッカード社製マルチメータ3457Aを用い、導通抵抗値を測定し、はんだボールの接続信頼性を調べた。初期抵抗値より10%以上、抵抗値が変化した場合をNGとした。結果を表1に示した。
【0112】
(銅表面の平坦性評価試験)
実施例9〜16及び比較例4〜6に記載された表面処理を施した電解銅箔の試験片(5cm×8cm)を用い、その電解銅箔のシャイニー面(S面)側の表面粗さ(Ra)を、触針式表面粗さ計サーフテストSV−400(株式会社ミツトヨ社製、商品名)を用いて、測定した。Ra(平均粗さ)が1.0μm以下のものを○、Raが1.0μmを超すものを×とした。結果を表2に示した。
【0113】
(接着性試験)
実施例9〜16及び比較例4〜6に記載された接着性試験用基板を用いて、接着性試験を行った。接着性の指標となるピール強度(gf/cm)の測定には、レオメータNRM−3002D−H(不動工業株式会社製、商品名)を用い、電解銅箔を基板に対して角度を90度に常に維持し、基板と垂直方向に50mm/minの速度で引き剥がした。ピール強度の値が300gf/cm以上の値を示した場合を○、300gf/cm未満の値を示した場合を×とした。結果を表2に示した。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【発明の効果】
実施例1から16に示したように、本発明の場合、銅箔と絶縁樹脂との接着強度(ピール強度)は、300gf/cm以上あり、また作製した半導体パッケージの接続信頼性も極めて良好であった。それに対し、比較例1から6に示したように、接着強度(ピール強度)は、300gf/cm未満であり、また作製した半導体パッケージの接続信頼性も不十分であった。したがって本発明の、分子中にアミノ基を含有する化合物もしくは分子中にイミダゾール基を含有する化合物の溶液で配線表面を処理し、さらに層間絶縁層をシアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化してなる層間絶縁層とすることで、配線の表面に1μmを超す凹凸を形成することなく層間絶縁層と配線の接着強度が確保でき、接続信頼性が良好でかつ、高速電気信号を効率よく伝送可能な多層回路基板(マザーボード、半導体チップ搭載基板)と半導体パッケージが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用される半導体チップ搭載基板の断面図。
【図2】(a)〜(g)は本発明の半導体チップ搭載基板の製造方法の一実施形態を示す工程図。
【図3】本発明の一実施形態が適用されるフリップチップタイプ半導体パッケージの断面図。
【図4】本発明の一実施形態が適用されるワイヤボンドタイプ半導体パッケージの断面図。
【図5】本発明のファン−インタイプ半導体チップ搭載基板の平面図。
【図6】本発明のファン−アウトタイプ半導体チップ搭載基板の平面図。
【図7】本発明の半導体チップ搭載基板のフレーム形状を表す平面図。
【図8】本発明の一実施形態が適用される半導体チップ搭載基板の断面図。
【符号の説明】
11.位置決めマーク(位置合わせ用ガイド穴)
13.半導体パッケージ領域
14.ダイボンドフィルム接着領域(フリップチップタイプ)
15.半導体チップ搭載領域(フリップチップタイプ)
16.半導体チップ接続端子
17.ダイボンドフィルム接着領域(ワイヤボンドタイプ)
18.半導体チップ搭載領域(ワイヤボンドタイプ)
19.外部接続端子
20.展開配線
21.ダミーパターン
22.半導体チップ搭載基板
23.ブロック
24.補強パターン
25.切断位置合わせマーク
100 コア基板
101 第1の層間接続端子
102 第1の層間接続用IVH(バイアホール)
103 第2の層間接続端子
104 層間絶縁層(ビルドアップ層)
105 第3の層間接続用IVH(バイアホール)
106a 第1の配線
106b 第2の配線
106c 第3の配線
107 外部接続端子
108 第2の層間接続用IVH(バイアホール)
109 絶縁被覆(ソルダレジスト)
111 半導体チップ
112 接続バンプ
113 アンダーフィル材
114 はんだボール
115 金ワイヤ
116 半導体用封止樹脂
117 ダイボンドフィルム
Claims (13)
- コア基板の片面または両面に、層間絶縁層と配線が複数層形成された多層配線基板において、前記配線表面に、HS−(CH 2 )n−NH 2 (但し、式中、nは1から23までの整数を表す)で示される脂肪族チオールを含む絶縁膜を形成し、さらに前記層間絶縁層が、シアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化した層間絶縁層であることを特徴とする多層回路基板。
- 前記配線の表面粗さが、Raで1.0μm以下である請求項1または2に記載の多層回路基板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の多層回路基板を有しており、前記多層回路基板の一方の面には、半導体チップ接続端子を含む前記配線と、半導体チップ搭載領域及び半導体パッケージ領域が形成され、他方の面には、外部接続端子を含む前記配線が形成された半導体チップ搭載基板。
- コア基板の片面または両面に、層間絶縁層と配線が複数層形成された多層配線基板の製造方法において、前記配線表面を、HS−(CH 2 )n−NH 2 (但し、式中、nは1から23までの整数を表す)で示される脂肪族チオールの溶液で処理する工程、さらにシアネートエステル化合物を含有する樹脂組成物を硬化して層間絶縁層を形成する工程を有することを特徴とする多層回路基板の製造方法。
- 前記配線表面を、脱脂または酸洗浄を行った後、前記脂肪族チオールの溶液で処理する工程を有する請求項5または6に記載の多層回路基板の製造方法。
- 前記配線は銅からなり、前記配線表面を脱脂または酸洗浄後に、酸化剤を含む水溶液に浸漬し、前記配線表面に酸化銅皮膜を形成し、次いで、還元剤を含む水溶液に浸漬し、前記酸化銅皮膜を還元処理する工程を、前記脂肪族チオールの溶液による処理を行う前に有する請求項7に記載の多層回路基板の製造方法。
- 前記配線表面粗さが、Raで1.0μm以下になるように前記配線の表面処理を行う工程を有する請求項5〜8のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法。
- 層間絶縁層を形成する工程が、シアネートエステル化合物を含んだ樹脂組成物を塗布することにより層間絶縁層を形成する工程である請求項5〜9のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法。
- 請求項5〜10のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法により製造された多層回路基板の一方の面に、半導体チップ接続端子を含む前記配線と、半導体チップ搭載領域及び半導体パッケージ領域を形成する工程、他方の面には、外部接続端子を含む前記配線を形成する工程を有する半導体チップ搭載基板の製造方法。
- 請求項4に記載の半導体チップ搭載基板、または請求項11に記載の半導体チップ搭載基板の製造方法で製造された半導体チップ搭載基板と、前記半導体チップ搭載基板に搭載された半導体チップと、前記半導体チップを封止する樹脂から構成されることを特徴とする半導体パッケージ。
- 請求項11に記載の半導体チップ搭載基板の製造方法により半導体チップ搭載基板を製造する工程、前記半導体チップ搭載基板に半導体チップを搭載する工程、前記半導体チップを樹脂で封止する工程を有することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
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