JP4265541B2 - ナノ微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車排気浄化用、燃料電池用、環境浄化用に使用するナノ微粒子に関し、特に、ナノメートルオーダーの触媒粒子に関する。
例えば、自動車の排ガス等に含まれるHC、CO、NOx等の有害成分を浄化するための触媒としては、Pt、Pd、Rh等の貴金属が使用されている。これらの触媒用貴金属は、排ガスとの接触面積を高めるために、粒子として、アルミナ等の担体の表面に担持され、有害成分を浄化している。
近年、自動車等の排出ガス規制は、さらに厳しくなる一方であり、排ガス浄化用触媒には、有害成分の浄化をより高効率で行うことが望まれている。
同様に、燃料電池用の触媒(例えば、水素と酸素との反応やメタノール改質等の触媒)、環境浄化用の触媒においても、さらに浄化性能、機能を向上させる必要があり、より高活性な触媒の開発が期待されている。
貴金属触媒の効率向上対策の一つとして、貴金属粒子を微粒子化して、有害成分等との接触面積を大きくすることが考えられる。
しかしながら、従来の担持方法では、サブミクロンオーダ(数百nm程度)の貴金属粒子しか得ることができず、更なる触媒の比表面積の向上を妨げており、このような理由から、ナノメートルオーダ(ナノオーダ、約100nm以下)の貴金属微粒子触媒の出現が望まれている。
そこで、上述のような背景において、更なる高活性化を目指し、接触面積の大きいナノオーダの貴金属粒子の開発が進んでいる。
例えば、スパッタリング法を用いて、γAl23上にナノオーダの金属微粒子を担持させる方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、電子線同時照射法を用いて、Al23等の担体上に、20nm以下の微粒子を担持させる方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記した各特許文献においては、ナノオーダの貴金属微粒子を担体に担持させることはできるものの、それらの貴金属微粒子表面の構成(形状、特異性等)については特に限定されていない。
また、たとえば、HC、CO、NOxなどの複数の有害物質を同時に浄化するためには、助触媒の存在が不可欠であるが、助触媒の構造や触媒との複合化については研究例がかなり少ない。
以上のことから、より高活性なナノ複合触媒を開発するためには、薄膜レベルあるいは原子レベルでの触媒設計が必要であるといえる。そのような要望に対して、より高活性であり且つ複数種類の物質に対して活性を示すことの可能な触媒粒子が提案されている(特許文献3参照)。
このものは、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の固溶体微粒子である基粒子と、この基粒子の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの誘導体と、よりなることを特徴とする触媒粒子およびその製造方法を提供するものである。
特表2000−510042号公報 特開2000−15098号公報 特開2003−80077号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載してある触媒粒子の製造方法は、構造を制御し易い気相中での方法であり、量産を考慮した場合、必ずしも十分満足行く製法とは言い難い。そこで、量産性に優れた液相中での製造方法の開発が急務である。
しかし、液相中では、ナノオーダの一次粒子が分子間力やζ(ゼータ)電位などによって凝集し、二次粒子を形成してしまうために、一次粒子として単分散させることが必達である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、一種の単体微粒子または二種以上の固溶体あるいは複合体粒子であってナノメートルオーダの一次粒子径を持つ微粒子、すなわちナノ微粒子を、液相中で適切に分散させることのできるナノ微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一種の単体微粒子または二種以上の固溶体あるいは複合体粒子であって1nm〜100nmの一次粒子径を持つ微粒子の凝集物を、液相中に投入し、超音波、圧力あるいは攪拌により、液相中にジェット流を発生させて前記液相中に気泡を生じさせ、このジェット流を用いて凝集物を解砕し、個々の微粒子(1)に分散させ
分散した個々の微粒子(1)を金属前駆体とともに、液相中に存在させ、再び、液相中に前記ジェット流を発生させ、このジェット流を用いて金属前駆体を還元して、分散した個々の微粒子(1)の表面に、金属前駆体が還元した金属であって1nm〜100nmの金属微粒子または数原子層からなる金属被覆層(2)を析出させることを特徴としている。
それによれば、ナノ微粒子の凝集物を液相中でジェット流を用いて解砕するため、当該ナノ微粒子を個々の微粒子(1)として分散させることができる。さらに、ナノ微粒子(1)の表面に、触媒機能などを有する金属被覆層(2)が設けられたものとなり、たとえば、触媒微粒子として機能するナノ微粒子を製造することができる。
また、請求項に記載の発明のように、請求項1記載のナノ微粒子の製造方法においては、前記液相の液温度としては、20℃以上60℃以下とすることが好ましい。
また、請求項に記載の発明のように、請求項1〜請求項に記載のナノ微粒子の製造方法においては、前記微粒子(1)としては、Ce、Zr、Al、Ti、Si、Mg、W、Fe、Sr、Yから選ばれる1種の単体、または2種以上の固溶体あるいは複合体からなる金属酸化物を用いることができる。
ここで、請求項に記載の発明のように、請求項1〜請求項3に記載のナノ微粒子の製造方法においては、前記金属前駆体としては、金属酸化物、金属塩化物、金属アンモニウム塩、金属硝酸塩およびそれらの誘導体から選ばれたものを採用することができる。
また、請求項に記載の発明のように、請求項〜請求項に記載のナノ微粒子の製造方法においては、前記金属被覆層(2)は、遷移金属からなるものであって、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Au、Ag、Re、Os、Co、Ni、Fe、Cu、Mn、Cr、V、Mo、Wから選ばれる一種以上の単体、または二種以上の固溶体であるものにすることができる。
さらに、請求項に記載の発明では、請求項〜請求項に記載のナノ微粒子の製造方法において、前記分散した個々の微粒子(1)および前記金属前駆体とともに、還元剤を前記液相中に存在させ、前記金属前駆体の還元を、前記還元剤使用して行うことを特徴としている。
金属前駆体を還元させるためには、このように還元剤を添加し、この還元剤を使用して還元を行うことが好ましい。
ここで、請求項に記載の発明のように、請求項に記載のナノ微粒子の製造方法においては、前記還元剤としては、アルコール類、アミン類、糖類および界面活性剤から選ばれたものを用いることができる。
また、請求項に記載の発明のように、請求項または請求項に記載のナノ微粒子の製造方法においては、前記還元剤の割合が、前記液相中の0.01wt%以上であることが好ましい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る触媒微粒子としてのナノ微粒子を模式的に示す図である。図1において、1はナノ微粒子であり、このナノ微粒子1は、ナノメートルオーダ(以下、ナノオーダという)の一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の固溶体あるいは複合体微粒子である。
ここで、ナノ微粒子1の一次粒子径とは、1個のナノ微粒子1の径のことであり、一次粒子径がナノオーダであるとは、通常、一次粒子径が100nm以下であることをいう。本例では、ナノ微粒子1の一次粒子径は、1nm〜50nm程度のものである。
また、ナノ微粒子1として、一種の単体微粒子とは、一種のセラミックや金属等の元素または化合物よりなる微粒子のことであり、二種以上の固溶体微粒子とは、二種以上のセラミックや金属等の元素または化合物が固溶体となっている微粒子のことである。また、複合体微粒子とは、二種以上のセラミックや金属等の元素または化合物が混合物となっている微粒子のことである。
このようなナノ微粒子1としては、金属酸化物からなるものにでき、具体的にはCe、Zr、Al、Ti、Si、Mg、W、Fe、Sr、Yから選ばれる1種の単体、または2種以上の固溶体あるいは複合体を採用することができる。
このようなナノオーダの微粒子であるナノ微粒子1の作製方法としては、特に限定されるものではないが、共沈法、ゾルゲル法、水熱合成法、メッキ法、大気圧プラズマ法、真空蒸発法などがあげられる。
また、二種以上の固溶体の性状、組成比なども特に限定されるものではなく、温度特性、耐久特性などの浄化性能を向上させるために、これら二種以上の固溶体の性状、組成比等を適宜調整すればよい。
そして、本実施形態では、このようなナノ微粒子1の表面の少なくとも一部を、一種以上の金属からなる金属被覆層2より被覆したものとしている。ここで、一種以上の金属とは、触媒機能を持つ貴金属等を用いることができる。
この金属被覆層2は、ナノメートルオーダの金属微粒子、たとえば50nm未満の粒径を持つ超微粒子としてナノ微粒子1の表面に付着しているか、数原子層からなる被覆層としてナノ微粒子1の表面に付着している。
このように、ナノオーダのナノ微粒子1上に超微粒子または数原子層からなる金属被覆層2を形成させると、高活性な触媒微粒子が実現できる。この理由については、上記した特許文献3(特開2003−80077号公報)に記載されている。
そして、このような金属被覆層2は、金属前駆体を後述する方法により還元した金属からなるものである。
この金属前駆体とは、上記金属被覆層2をナノ微粒子1の表面に析出させるための前駆体であり、金属酸化物、金属塩化物、金属アンモニウム塩、金属硝酸塩およびそれらの誘導体から選ばれたものである。
これらの化合物であれば、構造は特に限定されるものではなく、Ptを例にして記載すると、金属酸化物としては白金酸、金属塩化物としては塩化白金、金属アンモニウム塩としてはテトラアンミンジクロロ白金、金属硝酸塩としてはジニトロジアミン白金などがあげられる。
そして、このような金属前駆体を還元することによりナノ微粒子1上に析出する金属被覆層2は、遷移金属からなり、具体的にはPt、Pd、Rh、Ir、Ru、Au、Ag、Re、Os、Co、Ni、Fe、Cu、Mn、Cr、V、Mo、Wから選ばれる一種以上の単体、または二種以上の固溶体である。
なお、本実施形態では、ナノ微粒子1も触媒活性を持つものにすることができ、ナノ微粒子1と金属被覆層2とを、互いに異なる物質に対して触媒活性を示すものになるように選択することができるため、1種の触媒粒子で複数種類の物質に対して活性を示すことができる。
この詳細メカニズムについてはよくわかっていないが、実際に、相乗的に触媒機能を高めることができ、複数の有毒物質に対して、分解活性の高い触媒粒子を実現することが可能となる。
具体的に、触媒機能の相乗効果が期待できる金属被覆層2にてコートされたナノ微粒子1の組合せとしては、PtにてコートされたCeO2微粒子、PtにてコートされたCeO2−ZrO2固溶微粒子、Auにてコ一トしたTiO2微粒子、Ptにてコートされた炭素粒子等があげられる。
こうして、本実施形態によれば、より高活性であり且つ複数種類の物質に対して活性を示すことの可能な触媒微粒子を提供することができる。
次に、本実施形態のナノ微粒子1の製造方法について説明する。
本実施形態におけるナノ微粒子1の製造方法は、一種の単体微粒子または二種以上の固溶体あるいは複合体粒子であってナノメートルオーダの一次粒子径を持つナノ微粒子1の凝集物を、液相中に投入し、液相中にジェット流を発生させ、このジェット流を用いて凝集物を解砕し、個々の微粒子に分散させるものである。
ここで、ナノ微粒子1の凝集物は、市販品などにより入手することができる。ナノ微粒子1は、上述したように、分子間力やζ(ゼータ)電位などによって凝集した方がエネルギー的に安定であるため、ナノ微粒子1の凝集物は容易に入手可能である。
また、液相としては、水や有機溶媒などを用いることができる。そして、このような溶媒に前記の凝集物を投入し、ジェット流を起こして、当該凝集物を解砕する。このメカニズムについては、詳細は不明であるが、ジェット流により生じる高温高圧のキャビティ(気泡)が消滅するときの衝撃により、凝集物が解砕されると考えられる。
そして、本製造方法によれば、ナノ微粒子1の凝集物を液相中でジェット流を用いて解砕するため、当該ナノ微粒子1を個々の微粒子として分散させることができる。つまり、本実施形態によれば、ナノ微粒子1を、液相中で適切に分散させることのできるナノ微粒子の製造方法を提供することができる。
ここで、本実施形態のナノ微粒子の製造方法において、上記のジェット流は、液相中で発生したキャビテーションの爆発あるいは、液相中で発生する物理的な内部せん断力によって発生するものにできる。より具体的には、ジェット流の発生源としては、超音波、圧力、あるいは攪拌などを採用することができる。
また、本実施形態のナノ微粒子の製造方法においては、液相の液温度としては、20℃以上60℃以下とすることが好ましい。低温になると、液相の粘度が増加し、解砕し難くなる問題が発生し、逆に、高温になると、装置側の問題や、微粒子自体が凝集し易くなるなどの問題が発生するためである。
また、図1に示されるように、ナノ微粒子1の表面に金属被覆層2が析出してなる触媒微粒子を形成するためには、上記製造方法により分散した個々のナノ微粒子1を金属前駆体とともに、液相中に存在させ、再び液相中にジェット流を発生させ、このジェット流を用いて金属前駆体を還元して、上記分散した個々の微粒子の表面に、金属前駆体が還元した金属であってナノメートルオーダの金属微粒子または数原子層からなる金属被覆層2を析出させる。
それによれば、ナノ微粒子1の表面に、触媒機能などを有する金属被覆層2が設けられたものとなり、上記図1に示されるような触媒微粒子として機能するナノ微粒子1を製造することができる。
ここで、金属前駆体を還元させるためのジェット流も、液相中で発生したキャビテーションの爆発あるいは、液相中で発生する物理的な内部せん断力によって発生するものにできる。より具体的に、このジェット流の発生源としては、上記同様、超音波、圧力、あるいは攪拌などを採用することができる。
ここで、本実施形態のナノ微粒子の製造方法において、上記の分散した個々の微粒子および金属前駆体とともに、還元剤を液相中に存在させ、金属前駆体の還元を、還元剤を使用して行うようにしてもよい。
金属前駆体を還元させるためには、このように還元剤を添加し、この還元剤を使用して還元を行うことが好ましい。このような還元剤としては、特に限定されるものではないが、アルコール類、アミン類、糖類、界面活性剤などがあげられる。
具体的には、アルコール類としてはエタノール、プロパノール、アミン類としては、ジエタノールアミン、糖類としてはショ糖、界面活性剤としてはアルカリ性活性剤などがあげられる。
また、このような還元剤の添加量についても、特に限定されるものではなく、溶媒に対して0.01wt%(重量%)以上、つまり、液相中の0.01wt%以上であるであれば良い。
ただし、還元剤の割合をコントロールすることにより、還元析出する金属粒径をコントロールすることが可能であり、希望とする金属粒径に対する還元剤の割合を選定することが望ましい。
還元剤の割合が多いと、反応が速くなるために、金属粒子の成長が促進され、金属粒径が大きくなる。これに対し、還元剤の割合が少ないと、金属粒子の成長がゆっくりとなり、かつ成長よりも他の活性点への析出も促進されるため、金属粒径が小さくなる傾向にある。
このようなジェット流による金属被覆層2の形成のメカニズムについても詳細は不明であるが、次のような推定メカニズムにより金属前駆体の還元および析出がなされるものと考えられる。
たとえば、ナノ微粒子としてCeO2、金属前駆体としてPtCl2を用いた例について述べると、溶媒中にてナノ微粒子と金属前駆体とを混在させると、CeO2、Pt2+イオンCl-イオンが溶媒中に分散した状態となる。
そして、溶媒中に含まれる還元剤によって、CeO2表面の活性点を核としてPt2+イオンが還元して原子化(金属化)することにより、CeO2表面に金属被覆層としてPt金属が析出する。また、ジェット流の衝撃によって原子化されたPtがCeO2表面に打ち込まれる。
そして、Pt金属の析出が進行して行くが、このとき、ジェット流によって、CeO2表面にキャビティが発生する。このキャビティの存在によりPt金属がCeO2表面に分散して析出するとともに、キャビティの消滅の衝撃によりPt金属の結晶成長が抑制される。
このような還元剤による原子化とジェット流による打ち込み効果とにより、CeO2表面にPt金属が析出し、こうして、ナノ微粒子の表面に金属被覆層ができあがると考えられる。
このように、本実施形態によれば、一種の単体微粒子または二種以上の固溶体あるいは複合体粒子であってナノメートルオーダの一次粒子径を持つナノ微粒子1の凝集物を、液相中に投入し、液相中にジェット流を発生させ、このジェット流を用いて凝集物を解砕し、個々の微粒子に分散させることを特徴とするナノ微粒子の製造方法を提供することができる。
そして、本製造方法によれば、ナノ微粒子1の凝集物を液相中でジェット流を用いて解砕するため、ナノ微粒子1を、液相中で適切に分散させることのできるナノ微粒子の製造方法を提供することができる。
また、本実施形態の製造方法においては、上述したように、ジェット流の発生源として、液相中で発生したキャビテーションの爆発、あるいは、液相中で発生する物理的な内部せん断力、具体的に言うならば、超音波、圧力、あるいは攪拌を採用することも特徴のひとつである。
また、本実施形態の製造方法においては、上述したように、液相の液温度としては、20℃以上60℃以下とすることも特徴のひとつである。さらには、ナノ微粒子1としては、Ce、Zr、Al、Ti、Si、Mg、W、Fe、Sr、Yから選ばれる1種の単体、または2種以上の固溶体あるいは複合体からなる金属酸化物を用いることも特徴のひとつである。
また、本実施形態によれば、ナノ微粒子1の凝集物を、液相中に投入し、液相中にジェット流を発生させ、このジェット流を用いて凝集物を解砕し、個々の微粒子に分散させ、次に、分散した個々のナノ微粒子1を金属前駆体とともに、液相中に存在させ、再び液相中にジェット流を発生させ、このジェット流を用いて金属前駆体を還元して、上記分散した個々の微粒子の表面に、金属前駆体が還元した金属であってナノメートルオーダの金属微粒子または数原子層からなる金属被覆層2を析出させることを特徴とするナノ微粒子の製造方法が提供される。
それによれば、ナノ微粒子1を、液相中で適切に分散させることができるとともに、その表面に触媒機能などを有する金属被覆層2が設けられてなるナノ微粒子1を製造することができる。
ここで、さらに、本実施形態の製造方法において、金属前駆体としては、金属酸化物、金属塩化物、金属アンモニウム塩、金属硝酸塩およびそれらの誘導体から選ばれたものを採用することも特徴のひとつであることは上述の通りである。
また、上述したように、本実施形態の製造方法において、金属被覆層2が、遷移金属からなるものであって、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Au、Ag、Re、Os、Co、Ni、Fe、Cu、Mn、Cr、V、Mo、Wから選ばれる一種以上の単体、または二種以上の固溶体であることも特徴のひとつである。
さらに、本実施形態の製造方法において、還元剤を用いて金属前駆体の還元を行うこと、還元剤として、アルコール類、アミン類、糖類および界面活性剤から選ばれたものを用いること、還元剤の割合を液相中の0.01wt%以上とすることも、特徴のひとつである。
以下に、触媒として用いることのできるナノ微粒子の実施例を比較例とともに説明するが、このナノ微粒子であり、排ガス浄化用、環境浄化用、燃料電池用など幅広く多くの分野で適用可能であり、実施例に限定されないことは言うまでもない。
ナノ微粒子として一次粒子径が数nmのCeO2微粒子の凝集体を、水中に混合し、高速回転ミキサを用いて、撹拌によりジェット流を発生させて、解砕した。ジェット流による撹拌時間は30分、水温は20℃とした。
ナノ微粒子として一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子の凝集体を、水中に混合し、高速回転ミキサを用いて、撹拌によりジェット流を発生させて、解砕した。ジェット流による撹拌時間は30分、水温は20℃とした。
ナノ微粒子として一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子の凝集体を、水中に混合し、超音波照射装置を用いて、超音波によりジェット流を発生させて、解砕した。ジェット流による撹拌時間は30分、水温は20℃とした。
ナノ微粒子として一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子の凝集体を、水中に混合し、この混合溶液を、圧縮した後、スリットを通過させることで、圧力によりジェット流を発生させて、解砕した。
ナノ微粒子として一部をPtで被覆した一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子の凝集体を、水中に混合し、超音波照射装置を用いて、超音波によりジェット流を発生させて、解砕した。ジェット流による撹拌時間は30分、水温は20℃とした。
(比較例1)
ナノ微粒子として一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子の凝集体を、水中に混合し、ZrO2ボールを用いたボールミルにて、解砕した。
上記実施例2で解砕させた一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子を含有する水溶液に、金属前駆体としてPtCl2を水中に混合し、回転子などを用いて、均一に分散させた。
次に、還元剤としてエタノールを混合し、高速回転ミキサを用いて、撹拌によりジェット流を発生させて、金属前駆体を還元し、CeO2・ZrO2固溶体微粒子上にPtからなる金属被覆層を析出させた。ここでは、ジェット流による撹拌時間は30分、水温は20℃とした。
上記実施例2で解砕させた一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子を含有する水溶液に、金属前駆体としてPtCl2およびRhCl3・3H2Oを水中に混合し、回転子などを用いて、均一に分散させた。
次に、還元剤としてエタノールを混合し、高速回転ミキサを用いて、撹拌によりジェット流を発生させ、金属前駆体を還元し、CeO2・ZrO2固溶体微粒子上にPtおよびRhからなる金属被覆層を析出させた。ジェット流による撹拌時間は30分、水温は20℃とした。
上記実施例2で解砕させた一次粒子径が数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子を含有する水溶液に、金属前駆体としてPtCl2およびRhCl3・3H2Oを水中に混合し、回転子などを用いて、均一に分散させた。
次に、本例では還元剤としてエタノールアミンを混合し、高速回転ミキサを用いて、撹拌によりジェット流を発生させ、金属前駆体を還元し、CeO2・ZrO2固溶体微粒子上にPtおよびRhからなる金属被覆層を析出させた。ジェット流による撹拌時間は30分、水温は20℃とした。
(比較例2)
上記比較例1で解砕させた一次粒子径数nmのCeO2・ZrO2固溶体微粒子を含有する水溶液を使用した他は、上記実施例6と同様の方法で、CeO2・ZrO2固溶体微粒子上にPtからなる金属被覆層を析出させた。
(単分散状態の観察)
上記実施例1〜5、比較例1で作製した微粒子の粒子径などを確認するために、光散乱法による粒度分布測定およびTEM観察を実施した。
比較例1においては、平均粒子径が140nmであり、ボールミル粉砕により若干は解砕できているものの、ボールミル粒子自体が大きいために、ナノオーダまでの解砕はとうてい困難である。
これに対し、上記実施例1〜5によるジェット流を使用してナノ微粒子の凝集物を解砕した場合は、解砕後のナノ微粒子の平均粒径が3.8nmであり、一次粒径まで単分散できていることが確認できた。
(有毒物質の浄化性能評価)
上記実施例が、有害ガスに対して高活性を示すことを確認するために、上記実施例6〜8および比較例2で作製した触媒微粒子を用いて、浄化性能を評価した。
上記実施例6〜8および比較例2の微粒子を含有する水溶液から水分を除去、乾燥した後に、当該微粒子からなる直径10mm、厚さ6mmのペレットを作製した。その後、このペレットを、ふるいを用いてφ0.85mm〜1.7mmに粉砕し、粉砕された顆粒5ccを石英ガラス管内にセットした。
赤外線イメージ炉の50℃〜400℃の条件下において、当該ガラス管の入口側から、プロピレンガスを流し、ガラス管の出口側から出てくるガス量、ガス成分をガスクロマトグラフィーにて分析し、プロピレンガスが50%浄化する際の温度(浄化温度)を測定した。これを初期の浄化温度ということにする。
さらに、高温での触媒微粒子の安定性を評価するために、1000℃の炉で24時間放置した後に、同様の測定を実施した。また、この測定により得られた浄化温度を、エージング後の浄化温度ということにする。浄化温度が低いほど浄化性能に優れる。
上記各実施例6〜8および上記比較例2について浄化温度を測定した結果は、次の通りであった。
実施例6では、初期の浄化温度:165℃、エージング後の浄化温度:199℃であった。
実施例7では、初期の浄化温度:157℃、エージング後の浄化温度:188℃であった。
実施例8では、初期の浄化温度:158℃、エージング後の浄化温度:190℃であった。
比較例2では、初期の浄化温度:176℃、エージング後の浄化温度:208℃であった。
比較例2に比べ、実施例6〜8では初期およびエージング後の浄化温度が低く、ジェット流による解砕および還元により、浄化性能が向上することが確認されている。これは、水溶液中での単分散により、金属前駆体の還元における高分散化も可能となったためと考えられる。
また、実施例と比較例との評価結果からも明らかなように、同温度での浄化を考えた場合、本実施例による触媒は、既存のものに比べ、少量で機能すると言え、コストダウンにも寄与すると予測することができる。
以上述べてきたように、本発明は、一次粒子径がナノオーダであるナノ微粒子を液相中で、単分散させる手法および当該ナノ微粒子上に金属被覆層を形成させ、ナノ複合粒子を生成する手法である。
具体的には、ジェット流を用いて、ナノオーダの一次粒子径を持つ微粒子の凝集体を解砕し、単分散させることを特徴とする。また、ジェット流は、単分散のみならず、ナノオーダの一次粒子径を持つ微粒子上に金属被覆層が形成させたい場合、還元剤などと組み合わせることで、金属被覆層を形成することも可能である。
本発明の実施形態に係る触媒微粒子としてのナノ微粒子を模式的に示す図である。
符号の説明
1…ナノ微粒子、2…金属被覆層。

Claims (8)

  1. 一種の単体微粒子または二種以上の固溶体あるいは複合体粒子であって1nm〜100nmの一次粒子径を持つ微粒子の凝集物を、液相中に投入し、
    超音波、圧力あるいは攪拌により、前記液相中にジェット流を発生させて前記液相中に気泡を生じさせ、このジェット流を用いて前記凝集物を解砕し、個々の微粒子(1)に分散させ
    前記分散した個々の微粒子(1)を金属前駆体とともに、前記液相中に存在させ、再び、前記液相中に前記ジェット流を発生させ、
    このジェット流を用いて前記金属前駆体を還元して、前記分散した個々の微粒子(1)の表面に、前記金属前駆体が還元した金属であって1nm〜100nmの金属微粒子または数原子層からなる金属被覆層(2)を析出させることを特徴とするナノ微粒子の製造方法。
  2. 前記液相の液温度は、20℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項に記載のナノ微粒子の製造方法。
  3. 前記微粒子(1)は、Ce、Zr、Al、Ti、Si、Mg、W、Fe、Sr、Yから選ばれる1種の単体、または2種以上の固溶体あるいは複合体からなる金属酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載のナノ微粒子の製造方法。
  4. 前記金属前駆体は、金属酸化物、金属塩化物、金属アンモニウム塩、金属硝酸塩およびそれらの誘導体から選ばれたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナノ微粒子の製造方法。
  5. 前記金属被覆層(2)は、遷移金属からなるものであって、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Au、Ag、Re、Os、Co、Ni、Fe、Cu、Mn、Cr、V、Mo、Wから選ばれる一種以上の単体、または二種以上の固溶体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のナノ微粒子の製造方法。
  6. 前記分散した個々の微粒子(1)および前記金属前駆体とともに、還元剤を前記液相中に存在させ、前記金属前駆体の還元を、前記還元剤使用して行うことを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載のナノ微粒子の製造方法。
  7. 前記還元剤は、アルコール類、アミン類、糖類および界面活性剤から選ばれたものであることを特徴とする請求項に記載のナノ微粒子の製造方法。
  8. 前記還元剤の割合が、前記液相中の0.01wt%以上であることを特徴とする請求項またはに記載のナノ微粒子の製造方法。
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