JP4269846B2 - インクジェット画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット画像形成装置に関する。
近年、オフィスにおけるカラー文書の普及はめざましく、そのための様々な出力機器が提案されている。そのなかで、小型化が可能であり、低価格なインクジェット方式は有力な記録方式として様々な出力機器に使用されている。
このようなインクジェット方式で用いられる印字ヘッドは、エネルギー発生手段とそのエネルギーをインク吐出力に変換する手段、インク吐出口と、吐出口に連通するインク路より構成される。エネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた手段や発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱して気泡を発生させ、この気泡の生成によってインクを吐出させる手段等がある。
後者の、電気熱変換素子を利用する印字ヘッドは、その電気熱変換素子が小型であるため、インク吐出口を高密度で配置することが可能であるだけでなく、その製造技術として半導体集積回路製造技術を転用することが可能であるため、高精度のインク吐出口を多数備えた印字ヘッドを小型化することと、低コストで製造することが可能になる。
しかしながら、現在、主に普及しているのは記録紙を搬送しながら印字ヘッドを往復運動させて1ラインずつ印字を行い画像形成するシリアルスキャンと呼ばれる印字方式である。この方式は小型化・低コスト化が可能な反面、用紙全体に渡って画像を形成するためには、複数回のスキャンが必要となり印字速度が遅いと言う欠点があるが、この構成では記録紙を搬送する手段と対向しない位置にヘッドを退避させることは極めて容易であり、インクジェット方式の宿命であるヘッド回復手段(インクノズル目詰まり防止のためのダミージェットの機構や実施タイミング、スタンバイ状態でのインク特性維持のためのキャップ、ヘッドのクリーニングなどのこと。)の実装が容易であるという利点がある。
しかし、印字速度を向上させるためにはスキャン回数を低減させる必要があり、そのためには印字ヘッドの長尺化が必須となる。これを極限まで推し進めた物が紙幅の印字ヘッドを有する印字方式、所謂フルラインヘッド方式である。
さらに印字速度を向上させ、高生産性を追求した結果として一回の処理で記録紙の両面に印字を行なう両面印字プリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この両面プリンタにはヘッド回復手段の記載がなく、回復手段を設置する具体的な方法についても記載がない。さらに、元来が単色の構成であるため、多色化のため複数の記録ヘッドを連続して設置すると搬送ローラ間のスパンが大きくなり、安定して記録媒体を搬送しにくくなる。また、搬送ローラを各記録ヘッドの間に構成すると、複数の搬送ローラで記録媒体の速度が制御されるため、安定して記録媒体を搬送することができない。
記録ヘッドを対向させて両面印字をおこない、回復手段は互いに対向する双方の記録ヘッド内部に設けることで、ヘッド同士を当接させて記録ヘッドの回復を行う方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この方法では前述の方法に比較して記録ヘッドの回復以外の問題は解決しておらず、多色化に伴って搬送性が悪化する問題を抱えている。
また、シリアルスキャン印字方式を採用した両面プリンタも提案されている(例えば、特許文献3参照)が、シリアルスキャンではキャリッジが往復移動して印字面を走査する構造上、印字速度には限界があり生産性を向上させるのは困難である。
さらに、記録媒体の両端部を保持する搬送ベルトで記録媒体を搬送し、両面同時に印字を行なう方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、この方法では記録媒体の両端のみを保持して搬送するため、搬送性が不安定であり、特に大サイズの記録媒体の場合、記録媒体の幅方向中央部分の挙動が不安定で、インク吸収による記録媒体の変形の影響も大きくなる。また、記録媒体のサイズにあわせて搬送ベルトを移動する機構も複雑となり、両端に印字不可能な領域も存在する。
特開平10−076713号公報 (図1、第3頁〜第4頁) 特開2001−277528号公報(図3、第3頁〜第4頁) 特開2001−310458号公報(図1、第3頁〜第4頁) 特許 3305871号公報 (図14、第8頁〜第9頁)
本発明は上記事実を考慮し、高生産性を保ちながら小型で記録媒体搬送性の優れた、両面印字式のインクジェット画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のインクジェット画像形成装置は、記録媒体を搬送する方向と直交する方向に所定の間隔で複数配列された第1記録ヘッドと、前記第1記録ヘッドの間にある第1非印字領域に、前記記録媒体の搬送方向に沿って配設され、前記記録媒体を搬送する第1搬送ベルトと、前記第1非印字領域の記録媒体搬送方向下流側に配列された第2記録ヘッドと、前記第2記録ヘッドの間にある第2非印字領域に、前記記録媒体の搬送方向に沿って配設され、前記記録媒体を搬送する第2搬送ベルトと、を有し、前記第1記録ヘッドは、前記第1搬送ベルトおよび前記第2搬送ベルトによって搬送される際に前記記録媒体が通過する面である搬送路面の両側にそれぞれ設けられ、前記第2記録ヘッドは、前記搬送路面の両側にそれぞれ設けられたことを特徴とする。
上記構成の発明では、フルラインヘッド式の両面一括印字なので、両面で高生産性を得ることができ、かつ用紙全体を印字領域とすることが可能であり、また物理的に分割されたヘッドを複数用いることにより、ヘッド製造上の歩留まりが改善され、コストの安いインクジェット画像形成装置とすることができる。
請求項2に記載のインクジェット画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記第1記録ヘッドの印字順序は、前記記録媒体が前記第1搬送ベルトと接触する面側、次いで反対側の順であることを特徴とする。
上記構成の発明では、裏面から先に印字することで、用紙が第1搬送ベルトから第2搬送ベルトへ渡る際に、用紙裏面が第2搬送ベルトと接触するまでの時間を長くとることができるので、裏面の印字滲みや第2搬送ベルト表面のインク汚れを抑えることができる。
請求項3に記載のインクジェット画像形成装置は、前記第1記録ヘッドと前記第2記録ヘッドとの間に設けられ、前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトが交互に巻き掛けられた駆動ローラと、前記第1記録ヘッドの搬送方向上流側に設けられ、前記第1搬送ベルトが巻き掛けられる第1従動ローラと、前記第2記録ヘッドの搬送方向下流側に設けられ、前記第2搬送ベルトが巻き掛けられる第2従動ローラと、が設けられたことを特徴とする。
上記構成の発明では、第1および第2搬送ベルトを駆動する駆動ローラを1本の共通ローラとすることで、第1および第2搬送ベルトの搬送速度を同一に揃えることができ、安定した用紙搬送が可能なため、色ずれや濃度ムラの少ない印字品質とすることができる。
請求項4に記載のインクジェット画像形成装置は、請求項3に記載の構成において、前記駆動ローラ、前記第1従動ローラ、および前記第2従動ローラの直径が前記第1記録ヘッド及び前記第2記録ヘッドのインク吐出方向における長さよりも大きいことを特徴とする。
上記構成の発明では、記録ヘッドのインク吐出方向における長さ、すなわち全高よりも駆動ローラ及び従動ローラの直径を大きくすることで、第1および第2搬送ベルトの搬送面内に記録ヘッドを収めることが可能となり、記録ヘッドの幅を非印字領域の幅以下に抑える必要がなくなるので、記録ヘッドの設計自由度が高くなる。
請求項5に記載のインクジェット画像形成装置は、請求項3に記載の構成において、前記第1搬送ベルトは前記駆動ローラと前記第1従動ローラに加えて、少なくとも前記駆動ローラおよび前記第1従動ローラの回転軸と平行で且つ同一平面上にない回転軸のまわりに回転可能に支持された第1副従動ローラに巻き掛けられ、前記第2搬送ベルトは前記駆動ローラと前記第2従動ローラに加えて、少なくとも前記駆動ローラおよび前記第2従動ローラの回転軸と平行で且つ同一平面上にない回転軸のまわりに回転可能に支持された第2副従動ローラに巻き掛けられ、前記駆動ローラの回転軸方向より見て前記第1搬送ベルトの移動面内に前記第1記録ヘッドが収まるように前記駆動ローラと前記第1従動ローラと前記第1副従動ローラとを配置し、且つ前記駆動ローラの回転軸方向より見て前記第2搬送ベルトの移動面内に前記第2記録ヘッドが収まるように前記駆動ローラと前記第2従動ローラと前記第2副従動ローラとを配置したことを特徴とする
上記構成の発明では、駆動ローラ及び従動ローラの直径を大きくする代わりに前記従動ローラ及び前記駆動ローラに加えて副従動ローラを配することで、第1および第2搬送ベルトの搬送面内に記録ヘッドを収めることが可能とし、記録ヘッドの幅を非印字領域の幅以下に抑える必要がなくなるので、記録ヘッドの設計自由度が高くなる。
請求項6に記載のインクジェット画像形成装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の構成において、前記第1記録ヘッドによる印字開始から前記第2記録ヘッドによる印字終了までの区間において前記記録媒体が垂直方向に搬送されることを特徴とする。
上記構成の発明では、印字を行なう際に用紙を垂直に搬送することによって、重力の影響を表面と裏面で等しくし、表面用と裏面用の記録ヘッドを同一の部品構成、同一の設定とすることができるのでコストダウンが可能であり、また表面と裏面の印字品質の差を無くすことができる。
請求項7に記載のインクジェット画像形成装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の構成において、前記搬送路面を挟んで前記第1記録ヘッドに対向する位置及び前記第2記録ヘッドに対向する位置にそれぞれ記録ヘッド回復手段が設けられたことを特徴とする。
上記構成の発明では、フルラインヘッド式の両面一括印字であり、かつ記録ヘッドを移動させずに記録ヘッドの回復動作が可能なので、装置全体が簡素化・小型化できる。また連続印字中でも記録ヘッドの回復動作が可能であり、連続印字中の画像品質の劣化や生産性の低下がない。
本発明は上記構成としたので、高生産性を保ちながら小型で記録媒体搬送性の優れた、両面印字式のインクジェット画像形成装置とすることができた。
図1〜図4には、本発明の第1実施形態に係るインクジェット画像形成装置の印字機構部分が示されている。
図1は第1実施例におけるインクジェット画像形成装置の印字機構部分の斜視図である。
本実施例のインクジェット画像形成装置には用紙幅方向に分割された印字部を有する、長尺ヘッドに相当する印字記録手段12が設けられている。
印字記録手段12は、用紙18の搬送方向と直角な方向(=用紙幅方向)の印字領域を複数に分割して、分割した印字領域を1つおきに印字する記録手段である。
これは従来から存在したような完全に1列のインクノズルを並べた紙幅ヘッド、もしくは主走査方向に千鳥状にずらした配置で、かつ用紙搬送方向と直角な方向に隙間なくインクノズルが並んだ千鳥配置ヘッドの構成ではなく、記録手段ごとに担当する印字領域を1つおきに配置し、印字記録手段12ひとつの中では印字領域と非印字領域が交互に配置された構成となっている。そのため、紙幅全体をカバーするためには少なくとも用紙18の片面あたり2個の印字記録手段12が必要となる。
本実施例のインクジェット画像形成装置10には、印字記録手段12を用紙18の片面につきインク1色当り2個用いており、両面印字を行なうためには印字記録手段12をインク1色当り4個用いる必要がある。
例えばフルカラーの場合には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の印字記録手段12が必要なので、装置全体としては用紙片面につき計8個、装置全体で16個の印字記録手段12が必要となる。
図2中のY01、M01、C01、K01〜、Y12、M12、C12、K12がこの16個の印字記録手段12に相当する。
ここで、複数に分割した用紙幅方向印字領域のうち、同じ印字領域をカバーして印字する印字記録手段12を1つの印字組14とする。すなわち、上記のように用紙18の片面につき1色当り2個の印字記録手段12を用いるので、印字組もまた用紙18の片面につき2つ、計4つとなる。すなわち、図1中のY01〜K02が上流側の印字組14(裏表2個)であり、Y11〜K12が下流側の印字組14(裏表2個)である。
分割した用紙幅方向の印字領域は等間隔に設定される。これにより、インクジェット画像形成装置への配置の際に、分割した印字領域の幅だけ用紙幅方向にずらして印字組14を配置すれば、インク色が単色の場合もフルカラーの場合も、印字記録手段12を構成する部品、例えばインクノズルは同一部品が使用可能である。
図3には印字記録手段12と用紙18の印字領域の関係が示されている。
例としてY1色について説明すると、図3(a)のように用紙18の片面全体をAとBの2つの領域に分割し、上流側にY(イエロー)の印字記録手段12であるY02、下流側にY12を配置する。印字記録手段12であるY02は領域Aをカバーできる印字幅WAの単位記録ヘッドの集合であり、同様にY12は領域Bをカバーできる印字幅WBの単位記録ヘッドの集合である。Y02上では単位記録ヘッド同士の用紙幅方向の間隔(=非印字領域の幅)を印字幅WAと同じか、あるいは僅かに小さく設定し、等間隔に配列する。Y11上でも同様に単位記録ヘッド同士の用紙幅方向の間隔を印字幅WBと同じか、あるいは僅かに小さく設定し、等間隔に配列する。
このY02とY12を、それぞれの印字領域が互いの非印字領域をカバーするように略単位記録ヘッドの印字幅だけずらして配置することにより、用紙18上の印字領域AとBを隙間なく印字可能領域とすることができる。このとき、Y02とY12の単位記録ヘッド同士の用紙幅方向の間隔(=非印字領域の幅)を印字幅WA、WBよりも僅かに小さく設定すればY02とY12の印字領域がオーバーラップするので印字領域AとBの間に白筋などの発生を防ぐことができる。
また、図3(b)に示すように用紙18の裏面、すなわち搬送ベルト20に保持される面の印字を行なう印字記録手段12の単位記録ヘッドは搬送ベルト20の隙間に配置され、搬送ベルト20を避けて用紙18の裏面に印字を行なう。
フルカラーの場合、上記の関係はY、M、C、K4色の全てにおいて同様であり、また本実施例においては用紙18の両面に対して印字するため、4つの印字組14を構成する16個の印字記録手段12(=Y01〜K12)すべてについて同様の関係が成り立つ。
次に用紙搬送方法について説明する。
本実施例においては、図1に示したように前述の印字組14の非印字領域に架けられた搬送ベルト20にて用紙18を搬送する。非印字領域は印字領域と交互に配置されているので、用紙幅方向に等間隔に複数の搬送ベルト20が架けられることになる。
また、用紙18の片面あたり2個の印字組14は用紙幅方向に分割した領域の幅だけずらして配置されるので、搬送ベルト20の配置は千鳥状となる。
各印字組14に対応するそれぞれの搬送ベルト20群は、1つの共用ローラを介して架けられる。
共用ローラは、直接もしくはギア等を介してドライブモータ24と接続され、各搬送ベルト20群の駆動源であるドライブローラ26とされる。これにより、上下流の搬送ベルト20群の搬送速度を共通(V=constant)とすることができ、用紙搬送時に上下流の搬送ベルト20群間の搬送速度違いに起因する画像故障を防止し、印字組14での印字品質を安定させることができる。
また、ドライブローラ26は、ローラー軸に図示しないエンコーダを有しており、ドライブモータ24の軸やギア、ドライブローラ26の軸の偏芯から発生するドライブローラ26の回転ムラを抑制するためのドライブローラ制御手段を構成している。
ドライブローラ26の制御手段は、回転時の個別のエンコーダ信号から、ドライブローラ26の軸の理想的回転速度との差分、つまり偏芯エラー成分を読み取り、それを打ち消す情報をモータに対して与えることで偏芯制御を行なう。このときドライブモータ24にはステッピングモータを用いると高性能な用紙搬送制御が可能になる。
搬送ベルト20群の他方の端、すなわちドライブローラ26に架かっていない側の端では、搬送ベルト20はそれぞれの従動ローラ28で保持されている。
図4に示すように、従動ローラ28はステアリング(舵取り)機構30を有し、搬送ベルト20上を搬送される用紙18が蛇行しないような搬送方向制御手段を構成している。
各ベルト群に進行方向の誤差が発生した場合、画像位置ずれや筋ムラなど印字画像の劣化を生じさせる。そのため、従動ローラ28を軸方向(=用紙搬送方向と直角な方向)に位置調整するための位置調整手段32が設けられている。調整の方法としては、手動で送りねじを調整するなどの単純な方法や、アクチュエータ等を使用する自動制御方法等が考えられる。
また、図5(a)に示すように各ローラは搬送ベルト20が張架する部分がそれぞれクラウン形状をしており、用紙幅方向中央部の搬送ベルト20の搬送方向に比べて、両端部の搬送ベルト20の搬送方向は搬送方向下流に向かって外側を向くように構成される。
本実施例では、各ローラ26、28の搬送ベルト20の張架面が適切な角度を有している。図5(b)のように、搬送ベルト20に、通常の長方形の断面をもつ所謂平面ベルトを使用した場合、この張架面のなす角度によって用紙搬送面Aと搬送ベルト20の表面が一致しなくなり、用紙搬送面にA’のような窪みが発生する。
この窪みが用紙18の搬送性や画像品質に与える影響が無視できないほど大きい場合には、用紙幅方向中央部以外の、搬送方向と角度をもって張架されている搬送ベルト20を、図6に示すように搬送ベルト20の表面が用紙搬送面Aと一致するような断面形状を持つ所謂Vベルトとしても良い。
あるいは図7の例のように各ローラのベルト張架部34がクラウン形状をしていてもよい。用紙18の幅方向両端部の搬送方向を外側に向けるために、従動ローラ28のベルト張架部34(クラウン部)を駆動ローラ26に対して、軸方向にそれぞれ外側にずらして配置すれば、両端部の搬送ベルト20の搬送方向は搬送方向下流に向かって外側を向くように構成される。
もしくは、用紙中央部の表面速度(=用紙搬送速度)に比較して、用紙両端部の搬送ベルト20の表面速度が大きくなるような構成のローラでも良い(V両端 > V中央)。これにより、用紙の搬送時のしわやたるみから生ずる印字位置のずれなどの画質劣化を防止することができる。
続いて、ヘッド回復手段について説明する。
図1、図2に示したようにヘッド回復手段36は用紙18の搬送面を挟んで各印字記録手段12に対向する位置に配置される。つまり、前述の搬送ベルト20の無い位置に配置される。
このヘッド回復手段36は、スタンバイ時にインクノズルの吐出口が固着することを防ぐためのヘッドへのキャップ機能と、インクノズルの目詰まり防止のためのダミージェット機能とを併せ持っている。
図8(a)に示すように用紙18への印字の際には、印字記録手段12とヘッド回復手段36の間を用紙18が通過するため、用紙18のヘッド回復手段36に対向する面と接しない位置まで、ヘッド回復手段36が後退(図では下降)する。
図8(b)に示すように画像印字を行なわない間には、インクの乾燥を防ぐために印字記録手段12にキャップを行なうので、ヘッド回復手段36が印字記録手段12に密着する様に、ヘッド回復手段36を前進(図では上昇)させる。
図8(c)に示すように用紙18の印字が終了し、次の用紙18が搬送されて来るまでのインターバルには必要に応じてダミージェットを行なう。その際、ヘッド回復手段36は次の用紙18と干渉しないように後退(図では下降)し、印字記録手段12からのダミージェットを受ける。
このとき、ヘッド回復手段36の移動機構は、各ヘッド回復手段36に対して個別の機構を有するものであっても良いし、各ヘッド回復手段36が共通のベース板上に配置され、ベース板自身が移動する機構であっても良い。
以上説明したような印字記録手段12を、裏面、表面、裏面、表面と4組の印字組16として用紙18の両面に対向して配置することによって、用紙18への両面一括印字が可能になる。
さらに、用紙18の搬送面を挟んで搬送搬送ベルト20を避ける位置にヘッド回復手段36を配置したことで、両面印字を実現しながらヘッド回復手段36を効率よく実装可能となり、装置の大型化、複雑化を避けながら生産性の高いインクジェット画像形成装置とすることができた。
また、図2のように印字順序を用紙18の裏面(搬送ベルト20と接触する面)、表面、裏面、表面とすることで、印字した用紙面が次に搬送ベルト20に接触するまでの時間を長くとることができ、上流側で印字した用紙面が乾燥してから下流側の搬送ベルト20に接触するので、この接触によるインクにじみやベルト汚れが発生しにくくなる。
次に、前述のような構成におけるプリント画像の印字動作について説明する。
本発明のインクジェット画像形成装置10(以下IOT:イメージアウトプットターミナル)は、プリンタコントローラ等の画像形成装置制御手段(以下コントローラ)から送信される画像データに基づき、画像印字を行なうものである。
図9には、本実施形態におけるインクジェット画像形成装置の動作フローが示されている。
コントローラからの印字指示が無い状態では、IOTはスタンバイ状態であり、装置は停止している。つまり、各ヘッド回復手段36は、インクの劣化・ヘッドの目詰まりを防止するために、各ヘッドに密着した状態で保持されている。
まず印字開始すると共にコントローラがIOTに対して印字動作を指示すると、ステップ40でIOTは各ヘッド回復手段36を下降させ、用紙が搬送できるように各印字記録手段12と各ヘッド回復手段36を離間させる。このとき、印字前にダミージェット等の動作を必要に応じて行なってもよい。
これにあわせて、ステップ42でIOTは用紙搬送搬送ベルト20を動作させる。即ち、前述のドライブローラ制御手段に起動指示を発し、偏芯制御を実施しながらドライブモータ24を回転させることにより搬送ベルト20を駆動する。
次にステップ44では搬送ベルト20の回転が安定した時点で、IOTは用紙を格納してある用紙トレイから、用紙18を送り出し、搬送ベルト20に対して用紙18を供給する。
搬送ベルト20の最上流側には用紙先端検知センサが設けられ、搬送ベルト20上に供給された用紙の先端が検知する。ステップ46で、この検知信号を基に決められたタイミングに従い、最上流の印字記録手段12から順次、用紙18に対して印字を行なう。
1枚の用紙18に対する印字が終了した時点で、電源投入からの時間や累積印字枚数、インク吐出量などに応じてダミージェットが必要かどうかがステップ48で判断され、必要であればステップ50にてダミージェットを行なう。
ステップ52では最後(最下流)の印字記録手段12での印字が完了した時点で、用紙全頁の印字が完了されたか否かの判断が行なわれ、全頁の印字が終了したと判断されると印字終了した用紙18は装置外に排出され、印字動作を完了する。
続いてステップ54ではIOT内の適切な箇所に配置された用紙検知センサにて、装置外に用紙18が排出されたのを検知した際、もしくは、用紙18が搬送ベルト20を通過し終えたことを検知した際に、ドライブローラ制御手段は停止する。
その後、ステップ56でヘッド回復手段36が前進し、各印字記録手段12のヘッド部にキャップをする。
これにより、一連の画像形成動作が完了する。
以上のような構成により、連続して画像形成を行なう際に、必要に応じてヘッド回復手段36へのダミージェット動作を、通常の印字動作を中断すること無しに、用紙18と用紙18の間(インターイメージ区間)で実施できる。
図10には本願発明の第2実施形態に係るインクジェット画像形成装置の用紙搬送部分が示されている。
図10(a)のように印字記録手段12、回復手段36の全高A,Bの一方あるいは両方が搬送ベルト20の搬送面の上下幅(=ドライブローラ26の直径R)よりも大きい場合、印字記録手段12および回復手段36を非印字領域に収めるためには、印字記録手段12および回復手段36の横幅(用紙搬送方向と直角方向の幅)を非印字領域の幅よりも小さくする必要がある。
本実施例では、図10(b)に示すように、上流側と下流側の搬送ベルト20を駆動するドライブローラ26の直径Rは、印字記録手段12、回復手段36の全高A,Bよりも大きい。
このため、搬送ベルト20の搬送面の上下幅内に印字記録手段12および回復手段36が収まるので、印字記録手段12および回復手段36の横幅(用紙搬送方向と直角方向の幅)を非印字領域の幅よりも小さくする必要がなくなり、設計自由度を高くすることができる。
図11には本願発明の第3実施形態に係るインクジェット画像形成装置の用紙搬送部分が示されている。
図10(b)のような構成では、印字記録手段12および回復手段36の全高が大きくなると、それだけ大きな直径のドライブローラ26が必要になり、コスト、重量の点で不利になる。
図11に示すように、印字記録手段12の近傍に小径の従動ローラ28を1本追加してローラを合計3本とすることにより、図10(b)と同様、搬送ベルト20の搬送面の上下幅内に印字記録手段12が収まる。回復手段36は通常、印字記録手段12よりも上下幅が小さいので、従動ローラ28を追加する箇所は印字記録手段12の近傍が効果的である。
上記のように印字記録手段12の横幅(用紙搬送方向と直角方向の幅)を非印字領域の幅よりも小さくする必要がなくなるので、設計自由度を高くすることができる。
図12には本願発明の第4実施形態に係るインクジェット画像形成装置の用紙搬送部分が示されている。
図12に示すように、上流側と下流側の共通ローラを2本とすることで、図11に示した実施例よりもローラを1本減らすことができ、コスト、重量の点で有利になる。
図13には本願発明の第4実施形態に係るインクジェット画像形成装置の用紙搬送部分が示されている。
図13に示すように、上流・下流の搬送ベルト20を合計6本のローラで支持し、うち2本を上流・下流の共通ローラとすることによって、各ローラの径を小さく構成でき、用紙搬送部分の設計自由度を高くすることができる。
図14には本願発明の第5実施形態に係るインクジェット画像形成装置の用紙搬送部分が示されている。
前記のような各実施例においては、用紙18の表面と裏面では、重力の影響によりインク滴の飛翔速度、軌道などの吐出条件が異なるため、印字記録手段12の噴射力等の設定を表面と裏面で異なったものとする必要がある。
そこで、図14に示すように印字記録手段12による印字開始から印字終了までの用紙搬送区間において、用紙18が垂直方向に搬送されるように印字記録手段12および回復手段36を配置することで、用紙18の表面と裏面用の印字記録手段12の部品や各種設定を同じにすることができる。
これにより表面用と裏面用の印字記録手段12を同一の部品構成、同一の設定とすることができるのでコストダウンが可能であり、また表面と裏面の印字品質の差を無くすこともできる。
上記のように、フルカラー印字が可能な複数色を有するフルカラーインクジェット記録装置について記述してきたが、フルカラーではなく単色のみの印字記録手段を有する記録装置でも、本発明の要件が適応できることは言うまでもない。
また、印字情報を画像形成装置外から受け取るプリンタとしてインクジェット画像形成装置を説明したが、スキャナのような画像読取装置等を併せ持ち、画像読み取り装置で読み取った原稿情報を印字する、いわゆるインクジェット方式の複写機においても本発明の効果は有効である。
本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置の内部構造を示す斜視図である。 本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置の内部構造を示す透視図である。 本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置の記録ヘッド配置を示す平面図である。 本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す平面図である。 本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す平面図である。 本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置のベルト形状を示す断面図である。 本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す平面図である。 本発明の第2形態に係るインクジェット画像形成装置の回復機構を示す側面図である。 本発明の第1形態に係るインクジェット画像形成装置の印字動作を示すフロー図である。 本発明の第2形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す側面図である。 本発明の第3形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す側面図である。 本発明の第4形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す側面図である。 本発明の第5形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す側面図である。 本発明の第6形態に係るインクジェット画像形成装置の搬送機構を示す側面図である。
符号の説明
10 インクジェット画像形成装置
12 印字記録手段
14 印字組
18 用紙
20 搬送ベルト
26 ドライブローラ
28 従動ローラ
36 回復手段

Claims (7)

  1. 記録媒体を搬送する方向と直交する方向に所定の間隔で複数配列された第1記録ヘッドと、
    前記第1記録ヘッドの間にある第1非印字領域に、前記記録媒体の搬送方向に沿って配設され、前記記録媒体を搬送する第1搬送ベルトと、
    前記第1非印字領域の記録媒体搬送方向下流側に配列された第2記録ヘッドと、
    前記第2記録ヘッドの間にある第2非印字領域に、前記記録媒体の搬送方向に沿って配設され、前記記録媒体を搬送する第2搬送ベルトと、を有し、
    前記第1記録ヘッドは、前記第1搬送ベルトおよび前記第2搬送ベルトによって搬送される際に前記記録媒体が通過する面である搬送路面の両側にそれぞれ設けられ、
    前記第2記録ヘッドは、前記搬送路面の両側にそれぞれ設けられたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  2. 前記第1記録ヘッドの印字順序は、前記記録媒体が前記第1搬送ベルトと接触する面側、次いで反対側の順であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成装置。
  3. 前記第1記録ヘッドと前記第2記録ヘッドとの間に設けられ、前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトが交互に巻き掛けられた駆動ローラと、
    前記第1記録ヘッドの搬送方向上流側に設けられ、前記第1搬送ベルトが巻き掛けられる第1従動ローラと、
    前記第2記録ヘッドの搬送方向下流側に設けられ、前記第2搬送ベルトが巻き掛けられる第2従動ローラと、
    が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット画像形成装置。
  4. 前記駆動ローラ、前記第1従動ローラ、および前記第2従動ローラの直径が前記第1記録ヘッド及び前記第2記録ヘッドのインク吐出方向における長さよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット画像形成装置。
  5. 前記第1搬送ベルトは前記駆動ローラと前記第1従動ローラに加えて、少なくとも前記駆動ローラおよび前記第1従動ローラの回転軸と平行で且つ同一平面上にない回転軸のまわりに回転可能に支持された第1副従動ローラに巻き掛けられ、
    前記第2搬送ベルトは前記駆動ローラと前記第2従動ローラに加えて、少なくとも前記駆動ローラおよび前記第2従動ローラの回転軸と平行で且つ同一平面上にない回転軸のまわりに回転可能に支持された第2副従動ローラに巻き掛けられ、
    前記駆動ローラの回転軸方向より見て前記第1搬送ベルトの移動面内に前記第1記録ヘッドが収まるように前記駆動ローラと前記第1従動ローラと前記第1副従動ローラとを配置し、且つ
    前記駆動ローラの回転軸方向より見て前記第2搬送ベルトの移動面内に前記第2記録ヘッドが収まるように前記駆動ローラと前記第2従動ローラと前記第2副従動ローラとを配置したことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット画像形成装置。
  6. 前記第1記録ヘッドによる印字開始から前記第2記録ヘッドによる印字終了までの区間において前記記録媒体が垂直方向に搬送されることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のインクジェット画像形成装置。
  7. 前記搬送路面を挟んで前記第1記録ヘッドに対向する位置及び前記第2記録ヘッドに対向する位置にそれぞれ記録ヘッド回復手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のインクジェット画像形成装置。
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