JP4277143B2 - 自励発振型信号変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力電気信号を所定の電圧の電気信号に変換した後、制御、整流して出力する自励発振型信号変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源は通信機器や情報機器などの電子機器の電源として広く用いられているが、従来のスイッチング電源は入力した直流電源を半導体の高速スイッチング作用を利用することにより高周波電力に変換し、さらに制御、整流して所定の直流を得るものであった。スイッチング電源を小型化するには高周波化技術の促進、各種の部品のダウンサイジング等の必要があるものの、高周波化はスイッチング用半導体の損失と電磁トランスの損失の増加をもたらすことから、スイッチング電源の小型化は困難であった。スイッチング周波数が1MHzを越えると、スイッチング用半導体の損失と電磁トランスの損失が著しく増加するので、これ以上の小型化は困難な状況にある。スイッチング用半導体の損失を最少限に抑えるためにはスイッチング回路に発生するスイッチ動作の遅れを共振などの方法により改善する必要がある。電磁トランスの損失を最少限に抑えるためには材料を改善する必要があるが、大幅な改善は困難な状況にあった。
【0003】
圧電トランスをスイッチング電源の電源回路に応用するために様々な試みが行なわれてきた。従来の圧電トランスとしては圧電磁器による分極変化型圧電トランス、積層圧電磁器による縦振動型圧電トランスなどが主に挙げられる。これら従来の圧電トランスは、材料の弾性的な損失や電気的および弾性的なヒステリシスなどのために大振幅動作が困難であるという問題、電源回路に応用する際、負荷抵抗の小さな場合の電圧比を制御することが難しく、また大電力により破損しやすいという問題、基板の支持方法が難しく、電力増加とともに支持を強固にする必要もあって、素子の損失を増加させる原因になっているという問題等を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スイッチング電源を小型化するには高周波化技術の促進、各種の部品のダウンサイジング等の必要がある。圧電トランスをスイッチング電源の電源回路に応用するために様々な型の圧電トランスが提案されている。しかし従来の圧電トランスでは、素子の支持方法が難しい、圧電トランスの内部損失抵抗が大きい等の問題点を有する。
【0005】
本発明の目的は、入力電気信号をその電圧とは異なる電圧の電気信号に高効率で変換して出力することができ、しかも互いに異なる電圧を有する電気信号を同時に出力することも可能で、入力用の電極に接続された回路と出力用の電極に接続された回路とを絶縁状態に保つことができ、高周波駆動が可能で、小型軽量で、スイッチング用半導体の損失を抑えることができ、しかも回路構成が簡単な自励発振型信号変換装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の自励発振型信号変換装置は、四角柱状の圧電磁器と、前記圧電磁器の4つの側面A,B,CおよびDにそれぞれ設けられた電極PA,PB,QCおよびQDと、負荷抵抗Rと、第1および第2の回路と、スイッチから成る自励発振型信号変換装置であって、
前記側面AおよびBは互いに平行で、
前記側面CおよびDは互いに平行で、
前記電極QCおよびQDにはそれぞれ端子T0およびTNが設けられており、
前記負荷抵抗Rは、前記端子T0とTNの間に接続されていて、N個の部分Ri(i=1,2,……N)から成り、前記部分RiとR(i+1)の間には端子Ti{i=1,2,……(N−1)}が設けられており、
前記圧電磁器、前記電極PA,PB,QCおよびQDは複合体を形成し、
前記第1の回路は、前記電極PAとPBの間に接続されることにより、前記複合体に前記圧電磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧VINを印加して、前記複合体に弾性振動を励振し、
前記圧電磁器の共振周波数は前記複合体の共振周波数とほぼ等しく、
前記電極QCおよびQDは、前記弾性振動を電圧VOUTの電気信号に変換し、
前記電圧VOUTは、前記部分Riに対応する電圧Vi(i=1,2,……N)の合計と等しく、
前記端子T0,TiおよびTNのうちのどれか2つは1組の出力用端子を形成し、 前記端子T0,TiおよびTNにおける少なくとも1組の前記出力用端子が前記スイッチを介して前記第2の回路と電気的に接続されたときに、前記出力用端子に含まれる2つの端子の間の電圧に対応する電気信号が前記第2の回路に出力され、
前記第2の回路は、前記第2の回路に出力される前記電気信号を整流して直流電力を生成する。
【0007】
請求項2に記載の自励発振型信号変換装置は、前記電極QCおよびQDによって電圧VOUTの電気信号に変換される前記弾性振動が、主に前記側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動で成る。
【0008】
請求項3に記載の自励発振型信号変換装置は、前記電極PAの前記側面Aとの固着面積が、前記電極PBの前記側面Bとの固着面積とほぼ等しく、前記電極QCの前記側面Cとの固着面積と異なり、
前記電極QCの前記側面Cとの前記固着面積は、前記電極QDの前記側面Dとの固着面積とほぼ等しい。
【0009】
請求項4に記載の自励発振型信号変換装置は、四角柱状の圧電磁器と、前記圧電磁器の側面Aに設けられた電極MおよびFと、前記圧電磁器の側面B,CおよびDにそれぞれ設けられた電極PB,QCおよびQDと、負荷抵抗Rと、第1および第2の回路と、スイッチから成る自励発振型信号変換装置であって、
前記側面AおよびBは互いに平行で、
前記側面CおよびDは互いに平行で、
前記電極MおよびFは、互いに電気的に絶縁されており、
前記電極QCおよびQDにはそれぞれ端子T0およびTNが設けられており、
前記負荷抵抗Rは、前記端子T0とTNの間に接続されていて、N個の部分Ri(i=1,2,……N)から成り、前記部分RiとR(i+1)の間には端子Ti{i=1,2,……(N−1)}が設けられており、
前記圧電磁器、前記電極M,F,PB,QCおよびQDは複合体を形成し、
前記第1の回路は、前記電極MとPBの間に接続されることにより、前記複合体に前記圧電磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧VINを印加して、前記複合体に弾性振動を励振し、
前記圧電磁器の共振周波数は前記複合体の共振周波数とほぼ等しく、
前記電極FおよびPBは、前記弾性振動の一部を電気信号に変換して再び前記電極MとPBの間に印加し、
前記電極QCおよびQDは、前記弾性振動の残部を電圧VOUTの電気信号に変換し、
前記電圧VOUTは、前記部分Riに対応する電圧Vi(i=1,2,……N)の合計と等しく、
前記端子T0,TiおよびTNのうちのどれか2つは1組の出力用端子を形成し、 前記端子T0,TiおよびTNにおける少なくとも1組の前記出力用端子が前記スイッチを介して前記第2の回路と電気的に接続されたときに、前記出力用端子に含まれる2つの端子の間の電圧に対応する電気信号が前記第2の回路に出力され、
前記第2の回路は、前記第2の回路に出力される前記電気信号を整流して直流電力を生成する。
【0010】
請求項5に記載の自励発振型信号変換装置は、前記複合体における前記弾性振動の前記一部が、主に前記側面Aに垂直な方向に振動する弾性振動で成り、前記複合体における前記弾性振動の前記残部は、主に前記側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動で成る。
【0011】
請求項6に記載の自励発振型信号変換装置は、前記電極Mの前記側面Aとの固着面積が、前記電極Fの前記側面Aとの固着面積よりも大きい。
【0012】
本発明の自励発振型信号変換装置は、前記圧電磁器の分極軸が前記圧電磁器の両端面に垂直である。
【0013】
本発明の自励発振型信号変換装置は、前記圧電磁器の前記両端面の形状が正四角形で成る。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の自励発振型信号変換装置は四角柱状の圧電磁器と、電極PA,PB,QCおよびQDと、負荷抵抗Rと、第1および第2の回路と、スイッチから成る簡単な構造を有する。電極PAおよびPBは圧電磁器における互いに平行な2つの側面AおよびBにそれぞれ設けられ、電極QCおよびQDは圧電磁器における互いに平行な2つの側面CおよびDにそれぞれ設けられている。電極QCおよびQDにはそれぞれ端子T0およびTNが設けられている。負荷抵抗Rは端子T0とTNの間に接続されている。圧電磁器、電極A,B,CおよびDは複合体を形成する。負荷抵抗RはN個の部分Ri(i=1,2,……N)から成り、部分RiとR(i+1)との間には端子Ti{i=1,2,……(N−1)}が設けられている。第1の回路は、電極PAとPBの間に接続されている。もしも、第1の回路から電極PAとPBの間に圧電磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧VINを印加すると、複合体に弾性振動が励振される。このとき、圧電磁器の共振周波数は複合体の共振周波数とほぼ等しい。複合体に励振された弾性振動のうち主に側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極QCとQDの間で電圧VOUTの電気信号に変換される。このとき、電圧VOUTは部分Riに対応する電圧Vi(i=1,2,……N)の合計と等しくなる。従って、端子T0,TiおよびTNのうちのどれか2つの間から、その2つの間の抵抗の大きさに対応した電圧の電気信号を出力することが可能になる。つまり、端子T0,TiおよびTNのうちのどれか2つで成る1組の出力用端子がスイッチを介して第2の回路と電気的に接続されると、その出力用端子に含まれる2つの端子の間の抵抗の大きさに対応した電圧の電気信号が第2の回路に出力される。しかも2組以上の出力用端子から、互いに異なった電気信号が第2の回路に出力されることも可能である。たとえば、端子T0と端子T2の間からは、部分R1とR2の合計に等しい抵抗に対応する電圧、つまり、電圧V1とV2の合計に等しい電圧を有する電気信号が出力される。また、端子T0とT1の間から電圧V1を有する電気信号が同時に出力されたり、端子T0とTNの間から電圧VOUTの電気信号が同時に出力されることもある。第2の回路に出力された電気信号は整流され、直流電力が生成される。
【0015】
本発明の自励発振型信号変換装置では、電極PAの側面Aとの固着面積が電極PBの側面Bとの固着面積とほぼ等しく電極QCの側面Cとの固着面積と異なり、また、電極QCの側面Cとの固着面積が電極QDの側面Dとの固着面積とほぼ等しい構造が可能である。このような構造を採用することにより、入力電気信号の電圧VINに対して出力電気信号の電圧VOUTを所定の大きさに制御することが可能となる。
【0016】
本発明の自励発振型信号変換装置では、電極PAが電気的に絶縁された2つの電極MおよびFから成るような構造が可能である。この場合、電極Mの側面Aとの固着面積が電極Fの側面Aとの固着面積よりも大きい構造が採用される。もしも、第1の回路から電極MとPBの間に電圧VINを印加すると、複合体は励振されて弾性振動をする。この弾性振動のうち主に側面Aに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極FとPBの間で電気信号に変換されて再び電極MとPBの間に印加される。このようにして、自励式駆動が可能となることから、電池での駆動も容易になるばかりでなく、装置の小型軽量化も可能となり、温度などの環境変化にも対応し、さらに、低消費電力での駆動が可能となる。一方、弾性振動のうち主に側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極QCとQDの間で電圧VOUTの電気信号に変換される。
【0017】
本発明の自励発振型信号変換装置では、圧電磁器の両端面の形状が正四角形で成る構造を採用することにより、複合体の結合振動が増強される。従って、入力電気信号が効率よく出力電気信号に変換される。
【0018】
本発明の自励発振型信号変換装置では、圧電磁器の分極軸がその圧電磁器の両端面に垂直である構造を採用することにより、複合体の結合振動が増強される。従って、入力電気信号が効率よく出力電気信号に変換される。
【0019】
【実施例】
図1は本発明の自励発振型信号変換装置の第1の実施例を示す構成図である。本実施例は複合体1、負荷抵抗R、第1の回路3、第2の回路4、スイッチ5、端子Z1,Z2,T0,T1,T2およびT3から成る。端子Z1およびZ2は第1の回路3を介して直流電源Vdcと接続されている。負荷抵抗Rは端子T0とT3の間に接続されている。端子T3は第2の回路4と直接接続しており、端子T0,T1およびT2のうちの1つはスイッチ5を介して第2の回路4と接続する。
【0020】
図2は図1の自励発振型信号変換装置の部分構成図である。図2では複合体1、負荷抵抗Rおよび各端子のみが描かれている。複合体1は圧電磁器2、電極PA,PB,QCおよびQDから成り、図2では上方から見たときの平面図として描かれている。圧電磁器2は縦および横がともに5mmで、高さが6mmの直方体で成る。電極PAおよびPBは圧電磁器2における互いに平行な2つの側面AおよびBにそれぞれ設けられ、電極QCおよびQDは圧電磁器2における互いに平行な2つの側面CおよびDにそれぞれ設けられている。図2では各電極の厚さは誇張して描かれている。端子Z1およびZ2はそれぞれ電極PAおよびPBに設けられ、端子T0およびT3はそれぞれ電極QCおよびQDに設けられている。負荷抵抗Rは3個の部分R1,R2およびR3から成る。部分R1とR2の間には端子T1が、部分R2とR3の間には端子T2が設けられている。
【0021】
図3は複合体1の斜視図である。上述した通り、圧電磁器2は縦および横がともに5mmで、高さが6mmの直方体で成る。圧電磁器2の共振周波数は約277kHzであり、圧電磁器2の分極軸は、圧電磁器2の互いに平行な2つの端面に垂直、つまり高さ方向に平行である。
【0022】
図4は第1の回路3の一実施例を示す構成図である。第1の回路3は複合体励振回路で成り、コイルL1およびL2、トランジスタTr、抵抗Ra、可変抵抗VR、コンデンサC1,C2およびC3を含む。もしも直流電源Vdcから第1の回路3を介して電極PAとPBの間に圧電磁器2の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧VINを印加すると、複合体1は励振されて弾性振動をする。この弾性振動のうち主に側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極QCとQDの間で電圧VOUTの電気信号に再び変換される。このとき、電圧VOUTは部分R1に対応する電圧V1と、部分R2に対応する電圧V2と、部分R3に対応する電圧V3の合計と等しくなる(VOUT=V1+V2+V3)。従って、端子T0とT3の間から電圧VOUTの電気信号、端子T1とT3の間から電圧(V2+V3)の電気信号、または端子T2とT3の間から電圧V3の電気信号を出力することが可能となる。
【0023】
図5は第2の回路4の一実施例を示す構成図である。第2の回路4は整流回路で成り、コンデンサC1、ダイオードD1,D2,D3およびD4を含む。端子T0,T1およびT2のうちの1つと、端子T3を介して第2の回路4に入力された電気信号は、再び直流の電気信号として第2の回路4から出力される。
【0024】
図6は図1の自励発振型信号変換装置における負荷抵抗Rの大きさと、変圧比(VOUT/VIN)との関係の一実施例を示す特性図である。但し、図6は入力電圧VINが12Vの場合の特性を示す。負荷抵抗Rの値を調整することにより、出力電圧VOUTを調整することが可能であることが分かる。
【0025】
図7は本発明の自励発振型信号変換装置の第2の実施例を示す構成図である。本実施例は複合体6、負荷抵抗R、自励発振回路7、第2の回路4、スイッチ5、端子Z0,Z1,Z2,T0,T1,T2およびT3から成る。端子Z0およびZ1は自励発振回路7を介して直流電源Vdcと接続され、端子Z2はグランド電極のためのものである。負荷抵抗Rは端子T0とT3の間に接続されている。端子T3は第2の回路4と直接接続しており、端子T0,T1およびT2のうちの1つはスイッチ5を介して第2の回路4と接続する。
【0026】
図8は図7の自励発振型信号変換装置の部分構成図である。図8では複合体6、負荷抵抗Rおよび各端子のみが描かれている。複合体6は、複合体1の電極PAが電極MおよびFに置き換わった構造を有する。すなわち、複合体6は圧電磁器2、電極M,F,PB,QCおよびQDから成り、図8では上方から見たときの平面図として描かれている。また、図8では各電極の厚さは誇張して描かれている。端子Z0およびZ1はそれぞれ電極MおよびFに設けられている。自励発振回路7は、図1の第1の回路3の替わりに用いられるものである。
【0027】
図9は複合体6の斜視図である。電極MおよびFは側面A上に互いに絶縁された状態で設けられており、電極Mの側面A上の面積は電極Fの側面A上の面積よりも大きい。
【0028】
図10は自励発振回路7の一実施例を示す構成図である。自励発振回路7はコイルL1、トランジスタTr、抵抗RaおよびRb、およびダイオードD1から成る。もしも直流電源Vdcから自励発振回路7を介して電極MとPBの間に電圧VINを印加すると、複合体6は励振されて弾性振動をする。この弾性振動のうち主に側面Aに垂直な方向に振動する弾性振動が、電圧VINとは逆相の電圧として電極FとPBの間から出力され、電極MとPBの間に再び印加される。この動作の繰り返しによって正帰還の自励発振が生じる。このようにして、圧電磁器2の共振周波数、つまり複合体6の共振周波数とほぼ等しい周波数の電気信号が雰囲気温度の変化に追随して安定して複合体6に供給されることになる。自励発振回路7に直流電源Vdcからたとえば0〜10Vの直流電圧を印加すると、コイルL1の値を調整することにより、電極MとPBの間に最大で約60Vp-pの交流電圧を印加させることができる。このとき電極FとPBの間から約1Vp-pの電気信号を取り出すことができる。また、他励駆動の際に問題となる発熱等により複合体6の共振周波数が偏移して発振条件が悪くなるという問題点が解決される。従って、自励発振回路7を用いることにより、直流電源電圧の約6倍の交流電圧を複合体6に印加することが可能となるばかりでなく、常に最適の発振状態を維持することが可能となる。さらに、1つのコイルL1、1つのトランジスタTr、2つの抵抗RaおよびRb、および1つのダイオードD1という極く少ない部品で回路を構成することが可能である。しかも、部品点数が少ないにもかかわらず、直流電源Vdcを利用することができ、しかも電力効率もよいことから、電源の小型化対応が可能である。
【0029】
図7の自励発振型信号変換装置では、上述の通り、電極MとPBの間に電圧VINを印加すると複合体6が励振されて弾性振動をする。この弾性振動のうち主に側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極QCとQDの間で電圧VOUTの電気信号に変換される。このとき、電圧VOUTは電圧V1,V2およびV3の合計と等しくなる(VOUT=V1+V2+V3)。従って、端子T0とT3の間から電圧VOUTの電気信号、端子T1とT3の間から電圧(V2+V3)の電気信号、または端子T2とT3の間から電圧V3の電気信号を出力することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の自励発振型信号変換装置は四角柱状の圧電磁器と、電極PA,PB,QCおよびQDと、負荷抵抗Rと、第1および第2の回路と、スイッチから成る。電極PAおよびPBは圧電磁器における互いに平行な2つの側面AおよびBにそれぞれ設けられ、電極QCおよびQDは圧電磁器における互いに平行な2つの側面CおよびDにそれぞれ設けられている。電極QCおよびQDにはそれぞれ端子T0およびTNが設けられている。負荷抵抗Rは端子T0とTNの間に接続されている。圧電磁器、電極A,B,CおよびDは複合体を形成する。負荷抵抗RはN個の部分Ri(i=1,2,……N)から成り、部分RiとR(i+1)との間には端子Ti{i=1,2,……(N−1)}が設けられている。第1の回路は、電極PAとPBの間に接続されている。もしも、第1の回路から電極PAとPBの間に電圧VINを印加すると、複合体に弾性振動が励振される。複合体に励振された弾性振動のうち主に側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極QCとQDの間で電圧VOUTの電気信号に変換される。このとき、電圧VOUTは部分Riに対応する電圧Vi(i=1,2,……N)の合計と等しくなる。従って、端子T0,TiおよびTNのうちのどれか2つで成る1組の出力用端子がスイッチを介して第2の回路と電気的に接続されると、その出力用端子に含まれる2つの端子の間の抵抗の大きさに対応した電圧の電気信号が第2の回路に出力される。しかも2組以上の出力用端子から、互いに異なった電気信号が第2の回路に出力されることも可能である。第2の回路に出力された電気信号は整流され、直流電力が生成される。
【0031】
本発明の自励発振型信号変換装置では、電極PAの側面Aとの固着面積が電極PBの側面Bとの固着面積とほぼ等しく電極QCの側面Cとの固着面積と異なり、また、電極QCの側面Cとの固着面積が電極QDの側面Dとの固着面積とほぼ等しい構造を採用することにより、入力電気信号の電圧VINに対して出力電気信号の電圧VOUTを所定の大きさに制御することが可能となる。
【0032】
本発明の自励発振型信号変換装置では、電極PAが電気的に絶縁された2つの電極MおよびFから成り、しかも、電極Mの側面Aとの固着面積が電極Fの側面Aとの固着面積よりも大きい構造が可能である。もしも、第1の回路から電極MとPBの間に電圧VINを印加すると、複合体は励振されて弾性振動し、この弾性振動のうち主に側面Aに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極FとPBの間で電気信号に変換されて再び電極MとPBの間に印加され、一方、弾性振動のうち主に側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動が、電極QCとQDの間で電圧VOUTの電気信号に変換される。このようにして、自励式駆動が可能となることから、電池駆動、装置の小型軽量化、温度などの環境変化のもとでの駆動などが可能と
なる。
【0033】
本発明の自励発振型信号変換装置では、圧電磁器の両端面の形状が正四角形で成る構造を採用することにより、また、圧電磁器の分極軸がその圧電磁器の両端面に垂直である構造を採用することにより、複合体の結合振動が増強される。従って、入力電気信号が効率よく出力電気信号に変換される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自励発振型信号変換装置の第1の実施例を示す構成図。
【図2】図1の自励発振型信号変換装置の部分構成図。
【図3】複合体1の斜視図。
【図4】第1の回路3の一実施例を示す構成図。
【図5】第2の回路4の一実施例を示す構成図。
【図6】図1の自励発振型信号変換装置における負荷抵抗Rの大きさと、変圧比(VOUT/VIN)との関係の一実施例を示す特性図。
【図7】本発明の自励発振型信号変換装置の第2の実施例を示す構成図。
【図8】図7の自励発振型信号変換装置の部分構成図。
【図9】複合体6の斜視図。
【図10】自励発振回路7の一実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 複合体
2 圧電磁器
3 第1の回路
4 第2の回路
5 スイッチ
6 複合体
7 自励発振回路
R 負荷抵抗
M,F,PA,PB,QC,QD 電極
Z0,Z1,Z2,T0,T1,T2,T3 端子
L1,L2 コイル
Tr トランジスタ
Ra,Rb 抵抗
VR 可変抵抗
C1,C2,C3 コンデンサ
D1,D2,D3,D4 ダイオード
Vdc 直流電源
Claims (7)
- 四角柱状で成り該四角柱の高さ方向に垂直な2つの端面と該高さ方向に平行な4つの側面A,B,CおよびDを有する圧電磁器と、前記圧電磁器の前記4つの側面A,B,CおよびDにそれぞれ設けられた電極PA,PB,QCおよびQDと、負荷抵抗Rと、第1および第2の回路と、スイッチから成る自励発振型信号変換装置であって、前記圧電磁器の分極軸は前記四角柱の前記高さ方向と平行であって、前記側面AおよびBは互いに平行で、前記側面CおよびDは互いに平行で、前記電極QCおよびQDにはそれぞれ端子T0およびTNが設けられており、前記負荷抵抗Rは、前記端子T0とTNの間に接続されていて、N個の部分Ri(i=1,2,……N)から成り、前記部分RiとR(i+1)の間には端子Ti{i=1,2,……(N−1)}が設けられており、前記圧電磁器、前記電極PA,PB,QCおよびQDは複合体を形成し、前記第1の回路は、前記電極PAとPBの間に接続されることにより、前記複合体に前記圧電磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧VINを印加して、前記複合体に弾性振動を励振し、前記圧電磁器の共振周波数は前記複合体の共振周波数とほぼ等しく、前記電極QCおよびQDは、前記弾性振動を電圧VOUTの電気信号に変換し、前記電圧VOUTは、前記部分Riに対応する電圧Vi(i=1,2,……N)の合計と等しく、前記端子T0,TiおよびTNのうちのどれか2つは1組の出力用端子を形成し、前記端子T0,TiおよびTNにおける少なくとも1組の前記出力用端子が前記スイッチを介して前記第2の回路と電気的に接続されたときに、前記出力用端子に含まれる2つの端子の間の電圧に対応する電気信号が前記第2の回路に出力され、前記第2の回路は、前記第2の回路に出力される前記電気信号を整流して直流電力を生成する自励発振型信号変換装置。
- 前記電極QCおよびQDによって電圧VOUTの電気信号に変換される前記弾性振動は、主に前記側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動で成る請求項1に記載の自励発振型信号変換装置。
- 前記電極PAの前記側面Aとの固着面積は、前記電極PBの前記側面Bとの固着面積とほぼ等しく、前記電極QCの前記側面Cとの固着面積と異なり、前記電極QCの前記側面Cとの前記固着面積は、前記電極QDの前記側面Dとの固着面積とほぼ等しい請求項1または2に記載の自励発振型信号変換装置。
- 四角柱状で成り該四角柱の高さ方向に垂直な2つの端面と該高さ方向に平行な4つの側面A,B,CおよびDを有する圧電磁器と、前記圧電磁器の側面Aに設けられた電極MおよびFと、前記圧電磁器の側面B,CおよびDにそれぞれ設けられた電極PB,QCおよびQDと、負荷抵抗Rと、第1および第2の回路と、スイッチから成る自励発振型信号変換装置であって、前記圧電磁器の分極軸は前記四角柱の前記高さ方向と平行であって、前記側面AおよびBは互いに平行で、前記側面CおよびDは互いに平行で、前記電極MおよびFは、互いに電気的に絶縁されており、前記電極QCおよびQDにはそれぞれ端子T0およびTNが設けられており、前記負荷抵抗Rは、前記端子T0とTNの間に接続されていて、N個の部分Ri(i=1,2,……N)から成り、前記部分RiとR(i+1)の間には端子Ti{i=1,2,……(N−1)}が設けられており、前記圧電磁器、前記電極M,F,PB,QCおよびQDは複合体を形成し、前記第1の回路は、前記電極MとPBの間に接続されることにより、前記複合体に前記圧電磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧VINを印加して、前記複合体に弾性振動を励振し、前記圧電磁器の共振周波数は前記複合体の共振周波数とほぼ等しく、前記電極FおよびPBは、前記弾性振動の一部を電気信号に変換して再び前記電極MとPBの間に印加し、前記電極QCおよびQDは、前記弾性振動の残部を電圧VOUTの電気信号に変換し、前記電圧VOUTは、前記部分Riに対応する電圧Vi(i=1,2,……N)の合計と等しく、前記端子T0,TiおよびTNのうちのどれか2つは1組の出力用端子を形成し、前記端子T0,TiおよびTNにおける少なくとも1組の前記出力用端子が前記スイッチを介して前記第2の回路と電気的に接続されたときに、前記出力用端子に含まれる2つの端子の間の電圧に対応する電気信号が前記第2の回路に出力され、前記第2の回路は、前記第2の回路に出力される前記電気信号を整流して直流電力を生成する自励発振型信号変換装置。
- 前記複合体における前記弾性振動の前記一部は、主に前記側面Aに垂直な方向に振動する弾性振動で成り、前記複合体における前記弾性振動の前記残部は、主に前記側面Cに垂直な方向に振動する弾性振動で成る請求項4に記載の自励発振型信号変換装置。
- 前記電極Mの前記側面Aとの固着面積は、前記電極Fの前記側面Aとの固着面積よりも大きい請求項4または5に記載の自励発振型信号変換装置。
- 前記圧電磁器は、前記圧電磁器の前記両端面の形状が正四角形で成る請求項1,2,3,4,5または6に記載の自励発振型信号変換装置。
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