JP4288004B2 - 圧力弁 - Google Patents
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Description
背景技術
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の圧力弁に関する。ドイツ連邦共和国特許出願第19710891.1号明細書により公知のこの種の圧力弁は、燃料噴射ポンプのポンプ作業室と、燃料噴射ポンプによって燃料供給すべき内燃機関の噴射箇所との間の搬送導管内に挿入されている。この場合、等圧弁として作用する公知の該圧力弁は、弁ケーシングとしての管片内に挿入された弁体を有しており、該弁体が軸方向の貫通路を有しており、かつ弁体の、ポンプ作業室とは逆の側の端面が第1の弁座を形成している。弁体の軸方向の貫通路内に、噴射箇所に向かって開く圧力弁閉鎖部材を案内してあり、該圧力弁閉鎖部材が第1の弁ばねの力によってシール面で以て第1の弁座に保持されている。この場合、圧力弁閉鎖部材内に軸方向の貫通孔を配置してあり、該貫通孔がポンプ作業室に向かって開く逆流弁によって閉鎖可能である。この場合、公知の圧力弁に設けられた逆流弁は球形弁として形成されており、即ち運動可能な弁部材が弁球体として形成されている。弁球体が、第2の弁ばねを成す戻しばねによって、噴射箇所に向かって開く圧力弁閉鎖部材に設けられた弁座面に接触可能であり、戻しばねと弁球体との間にばね受けが設けられている。ばね受けは弁球体の案内のための球欠面及び戻しばねのための、該球欠案内面とは逆の側の支持面を有している。
【0002】
前記公知の圧力弁においては欠点として、球形弁から成る逆流弁の開放に際してばね受けの縁部に動圧が生じる。その結果、弁球体とばね受けの球欠面との間に動圧クッションが形成され、該動圧クッションに基づきばね受けが比較的大きな行程を行うにもかかわらず、弁球体は該開放行程運動にほとんど追従しない。その結果、球形弁のところで著しくわずかな流出横断面しか開放制御されず、従って公知の圧力弁の逆流弁における流過量は不十分であり、若しくは変動し、ひいては等圧弁が誤差を伴って作動することになる。さらに、弁球体とばね受けとの間の動圧クッション及び、動圧クッションの不均一な崩壊に基づき、搬送導管内を流れる燃料の振動に関連して、ばね受けの案内面に対する弁球体の交互の離反及び衝突が生じて、その結果、ばね受けと弁球体との接触面に高い摩耗が生じる。さらに、高いばね応力に基づき戻しばねの破損の発生が増大し、その結果、圧力弁内の球形弁の信頼性及び耐用年数が制限される。
【0003】
発明の利点
これに対して請求項1に記載の特徴を有する本発明に基づく圧力弁においては利点として、ばね受けの閉じた球体案内面に中断部を設けたことにより、動圧の形成が避けられる。その結果、弁球体が球形弁の開放行程運動中に制限なしに開放行程方向へのばね受けの後退運動若しくは移動運動に追随して、弁座面における十分な開放横断面を開き、従って球形弁における均一な燃料流移動を可能にしている。さらに、弁球体からのばね受けの離反が避けられ、その結果、ばね受けが独立的な大きな行程を行うことはなく、従って、戻しばねがわずかにしか負荷されない。さらに、ばね受けに対する弁球体の交互の離反及び衝突が避けられ、ひいてはこれらの構成部分の機械的な摩耗が著しく減少される。
【0004】
ばね受けの、弁球体の案内のための球欠面の中断部は、斜めに延びる切欠きとして形成されており、このような切欠きによって、一面では流出する燃料の鋭角的な噴流転向箇所、ひいては動圧発生箇所が避けられ、さらに球欠面から後ろ側のばね室への接続部が形成される。後ろ側のばね室内にはわずかな燃料圧しか作用しておらず、従って、流出する燃料圧に対する圧力勾配に基づき動圧は生じない。ばね受けの閉じた球欠案内面の切欠き若しくは中断部は、選択的に孔、スリット若しくは凹所として形成されていてよく、重要なことは、弁球体と球欠面との間の閉じた支持面の中断である。さらなる利点が、円柱状のばね受けの半径方向の周壁面からばね受けの弁球体に向いた端面への移行面の傾斜によって得られる。前記傾斜、即ちばね受けの端面における面取り部は、ばね受けの研削面に対して付加的に、ばね受けに沿った流れの改善を可能にする。この場合、前記面取り部、即ち傾斜面とばね受けの縦軸線との成す傾斜角は特に有利にはほぼ30°乃至45°である。さらに有利には、球欠面における斜めの研削面と、ばね受けの端面側の傾斜面とは縦軸線に対して互いに同じ角度、有利には30°の角度を成している。ばね受けにおける燃料流出をさらに改善するために、ばね受けの円筒状の周壁面にさらに軸方向の研削面、有利には3つの研削面が設けられている。ばね受けの軸方向の案内が、構造的に簡単な形式で、残された円筒壁ランド区分を介して行われ、該円筒壁ランド区分が弁体の壁に滑り移動可能に案内されている。弁球体を閉鎖方向に負荷する戻しばねとばね受けとを確実に接触させるために、戻しばねの、ばね受けに設けられた支持面がリング端面として形成されており、支持面の半径方向内側に、残されたピン区分を接続してあり、該ピン区分が戻しばねによって取り囲まれている。
【0005】
球形弁のばね受けの本発明に基づく構成は、例えば、燃料噴射ポンプと燃料供給すべき内燃機関の噴射箇所との間の搬送導管内に組み込むための圧力弁に関連して述べてあるものの、別のすべての球形弁、例えば簡単な逆止弁にも用いられる。本発明の有利な構成が図面、明細書本文及び請求項に記載してある。
【0006】
実施例の説明
次に、本発明に基づく2つの実施例を図面に示して、詳細に説明する。図1に縦断面で示し等圧弁として形成された圧力弁1は、実施例では燃料噴射ポンプ(詳細には図示せず)のポンプ作業室5と、燃料噴射弁として形成されて内燃機関の燃焼室内に配置された噴射箇所との間の搬送導管3内に挿入されている。
【0007】
圧力弁1は弁ケーシング9を有しており、弁ケーシングは段付きの貫通孔11を有しており、貫通孔は搬送導管3の一部を成している。圧力弁1はさらに管状の弁体13を有しており、弁体はポンプ作業室側で弁ケーシング9の貫通孔11内に挿入されている。この場合、弁体13は軸方向の貫通孔15を有していて、ポンプ作業室とは逆の側のリング端面から貫通孔15への移行部に、有利には円錐形に成形された第1の弁座面17を形成している。第1の弁座面17が、部分的に軸方向の貫通孔15内に軸方向移動可能に案内されたピストン状の圧力弁閉鎖部材19の円錐形のシール面21と協働するようになっている。この場合、圧力弁閉鎖部材19は、弁ばね23によって第1の弁座17に接触した状態で保持されていて、燃料圧が弁ばね23の閉鎖力を越えた場合に噴射箇所7に向かって開く。
【0008】
圧力弁閉鎖部材19は軸方向の貫通孔25を有しており、該貫通孔は、球形弁として形成されてポンプ作業室5に向かって開く逆流弁(Rueckstroemventil)27によって閉鎖可能である。この場合、圧力弁閉鎖部材19の、ポンプ作業室5に向いたリング端面が第2の弁座面29を形成しており、該弁座面29が逆流弁27の球体31として形成された運動可能な弁部材と協働するようになっている。この場合、逆流弁27の弁球体31はばね受け35を介して戻しばね33によって第2の弁座29に接触した状態で保持されており、戻しばね33は他方で弁体13に対して定置に支持されている。弁球体31若しくはばね受け35の開放行程運動を制限するために、ストッパ片37が弁体13の貫通孔15内に挿入されており、この場合、ストッパ片37の挿入深さに基づき弁球体31の開放行程運動が調節される。この場合、ストッパ片37の、弁球体31に向いた端面がストッパ制限面を形成して、ばね受け35の相対する端面と協働するようになっている。戻しばね33はストッパ片37の環状段部39に支持されていて、ストッパ片37のストッパ制限面側の部分を半径方向で取り囲んでいる。圧力弁閉鎖部材19を閉鎖位置へ負荷する弁ばね23が、他方で支持スリーブ41に支持されており、支持スリーブが貫通孔11の段部に接触していて、該支持スリーブの軸方向の寸法に基づき弁ばね23の初期締め付け力を規定している。
【0009】
次に、弁球体31と戻しばね33との間に締付けられたばね受け35の構造を図2及び図3の拡大図に基づき説明する。図2は図1の第1実施例のばね受け35を2つの面で拡大して示している。この場合、ばね受け35は円柱状(zylinderfoermig)に形成されていて、弁球体31に向いた上側の端面に、弁球体31の案内のための球欠面43を有しており、該球欠面はばね受け35の上側の端面内に凹面状に湾曲して成形されている。この場合、弁球体31とばね受け35との間の接触線における動圧箇所の発生並びに、球欠面43と弁球体31との間の動圧クッションの形成を避けるために、図2に示す実施例では斜めに配置された研削面(Flaechenanschliff)45をばね受け35に設けてあり、該研削面は円筒状の周壁面から出発して球欠面43内に開口している。該実施例では円柱状若しくは円柱片状のばね受け35の周囲にわたって均一に分配された有利には3つの研削面45が設けられている。この場合、ばね受け35の縦軸線と斜めの研削面45との成す角度αは該実施例では30°である。さらに、弁球体31に沿って流れる燃料の溢流特性の改善のために、ばね受け35の半径方向の周壁面から弁球体31に向いていて球欠面43を取り囲む軸方向のリング端面への移行部に、半径方向で環状の傾斜面47が設けられている。傾斜面はこの場合、ばね受け35の縦軸線に対して所定の角度βを成しており、該角度は同じく30°である。ばね受け35の軸方向の全長に沿った絞りのない燃料流出を保証するために、ばね受けがさらに、軸方向に延びる研削面49を有しており、この場合に有利には、周囲にわたり均一に分配された3つの研削面49がばね受け35に設けられている。この場合、ばね受け35の軸方向案内が、残された円筒壁ランド区分51を介して行われ、円筒壁ランド区分を介してばね受け35が軸方向で滑り移動可能に弁体13の貫通孔15内に案内されている。戻しばね33の確実な接触のために、さらにリング端面55をばね受け35に設けてあり、リング端面は、弁球体31を案内する球欠43とは逆の側に位置していて、半径方向内側で、軸方向に突出したピン部分によって制限されている。
【0010】
図3に示した第2実施例の本発明に基づく圧力弁は、図1及び図2に示した第1実施例に対してもっぱらばね受け35の構造によって異なっている。図3に示した第2実施例では、ばね受け35の球欠面43内の中断部若しくは切欠きが孔53として形成されており、該孔が球欠面43から出発してばね受け35の縦軸線に対して斜めにばね受け35の外周面に開口している。さらに、環状の傾斜面47は第2実施例ではばね受け35の縦軸線に対してほぼ45°の傾斜角βで形成されている。この場合に有利には、孔53ができるだけ球欠面43の半径方向外側の端部の近傍に配置され、若しくは傾斜面47ができるだけ球欠面43に近づけられて、弁球体31の入口面に沿って球欠面43内に流入する燃料に対する動圧発生点の形成が避けられる。
【0011】
本発明に基づく圧力弁は次のように作動する。燃料噴射ポンプの高圧吐出の開始の前には、搬送導管3内に基準圧力が作用しており、該基準圧力では噴射箇所7に向かって開く弁及び逆向きに開く逆流弁27が、弁ばね23及び戻しばね33の力によって閉じて維持される。この場合、弁ばね23の初期締め付け力が戻しばね33の初期締め付け力よりも大きく構成されている。燃料噴射ポンプの高圧吐出の開始によって、ポンプ作業室5内の圧力が噴射箇所7に向かって開く弁の開放圧力を越えて上昇し、その結果、弁体13の貫通路15内の第1の弁座17に作用する燃料高圧が、圧力弁閉鎖部材19を弁ばね23の戻し力に抗して第1の弁座17から持ち上げる。この場合、高い圧力を受けた燃料がまずストッパ片37の切欠きに沿って流過して、次いでばね受け35及び圧力弁閉鎖部材19の軸方向の研削面49に沿って、弁ばね23を受容するばね室内に流入し、そこから、スリーブ41及び段付きの貫通孔11を通ってさらに、搬送導管3へ、ひいては燃焼室内に突入する燃料噴射弁7へ流れて、そこで噴射される。
【0012】
ポンプ作業室5内における高圧吐出の終了の後に、搬送導管3内の圧力が極めて急速に再び、燃料噴射弁7に向かって開く圧力弁の必要な開放圧力を下回って降下し、その結果、弁ばね23が圧力弁閉鎖部材19を戻して、改めて第1の弁座17に接触させる。この場合、噴射弁7及び圧力弁部材19の閉鎖によって搬送導管3内に発生する燃料圧力波が逆流弁27を介して逃がされ、このために、圧力弁閉鎖部材19の貫通孔25内に生じる燃料圧力が弁球体31を戻しばね33の戻し力に抗して第2の弁座29から持ち上げる。従って今や、燃料が搬送導管3から段付きの貫通孔11及び、圧力弁閉鎖部材19の貫通孔25を介して弁体13の貫通路15内へ、ひいてはポンプ作業室5内へ逆流する。
【0013】
この場合、ばね受け35の、弁球体31の案内のための球欠面43の切欠きの作用に基づき、弁球体31が確実にばね受け35に接触したままで、ばね受けの開放行程運動に完全に追随する。この場合、弁球体31とばね受け35の球欠面43との間に存在する燃料が斜めの研削面45若しくは孔53を介して貫通路15内へ流れ、該貫通路内には低い燃料圧力しか作用していない。燃料が弁球体31に沿って流出してばね受け35にぶつかることによって動圧を形成してしまうような動圧形成箇所の発生は、ばね受けの端面における傾斜面47によって避けられる。ばね受け35への弁球体31の確実な接触によって、逆流弁27の一様な燃料流出が可能である。ばね受け35からの弁球体31の離反(持ち上げ)の防止によって、一面では逆流弁27のコンスタントな開放横断面が保証され、かつ他面では戻しばね33の応力が減少され、それというのはばね受け35が過度に大きな行程を行わないからである。さらに、弁球体31及びばね受け35の球欠面43の機械的な摩耗が減少され、それというのはばね受け35への弁球体31の連続的な衝突が排除されるからである。
【0014】
調節可能な基準圧力が搬送導管3内で達成されることに基づき、戻しばね33の力は再び搬送導管3内に残留する燃料圧力を上回って、従って弁球体31を押圧して改めて第2の弁座29に密接させる。この場合、弁球体31の開放行程運動が、ばね受け35とストッパ片37との接触によって制限される。
【0015】
本発明に基づく圧力弁によって、逆流弁27の弁球体31、ばね受け34及び戻しばね33の摩耗を減少させ、ひいては圧力弁全体の耐用年数及び信頼性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のばね受けを備えた本発明に基づく圧力弁の断面図
【図2】 球欠面内の切欠きを斜めの研削部として形成したばね受けを2つの面で拡大して示す図
【図3】 球欠面内の切欠きを孔として形成した第2実施例のばね受けの、図2に対応した図
【符号の説明】
1 圧力弁、3 搬送導管、5 ポンプ作業室、7 燃料噴射箇所、9 弁ケーシング、11 貫通孔、13 弁体、15 貫通通路、17 弁座面、19 圧力弁閉鎖部材、21 シール面、23 弁ばね、25 貫通孔、27 逆流弁、29 弁座面、31 弁球体、33 戻しばね、35 ばね受け、37 ストッバ片、39 環状段部(支持肩)、41 スリーブ、43 球欠面、45 研削面、47 傾斜面、49 研削面、51 円筒壁ランド区分、53 孔、55 リング端面
Claims (6)
- 圧力弁であって、有利には燃料噴射ポンプと燃料供給すべき内燃機関の噴射箇所(7)との間の搬送導管(3)内に組み込むためのものであり、弁球体(31)として形成された運動可能な少なくとも1つの弁部材を備えており、弁部材が戻しばね(33)によって弁座面(29)に接触可能であり、戻しばね(33)と弁球体(31)との間にばね受け(35)を設けてあり、ばね受け(35)が弁球体(31)の案内のための球欠面(43)及び該球欠面とは逆の側の、戻しばね(33)のための支持面を有している形式のものにおいて、ばね受け(35)の、弁球体(31)の案内のための球欠面(43)が切欠きによって中断されており、球欠面(43)内の切欠きが、斜めに延びる研削面(45)として形成されていることを特徴とする圧力弁。
- 円柱状のばね受け(35)が、半径方向の周壁面と弁球体(31)に向いていて球欠面(43)を取り囲む軸方向のリング端面との間の移行部に傾斜面(47)を有している請求項1記載の圧力弁。
- 傾斜面(47)がばね受け(35)の縦軸線に対して30°乃至45°の角度を成している請求項2記載の圧力弁。
- 球欠面(43)の研削面(45)と、ばね受け(35)の端面の傾斜面(47)とが、ばね受け(35)の縦軸線に対して互いに同じ傾斜角、有利には30°を成している請求項2記載の圧力弁。
- ばね受け(35)が円筒状の周壁面に軸方向の研削面(49)を有している請求項1記載の圧力弁。
- ばね受け(35)の、戻しばね(33)のための支持面がリング端面(55)として形成されている請求項1記載の圧力弁。
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