JP4290932B2 - 導電性シールドを有するセンサ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の上位概念による、固体電解質ベース上のセンサ素子に関するものであり、とりわけ混合ガス中のガス組成を検出するためのガスセンサ用センサ素子およびその適用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気化学的に混合ガス中のガス組成を検出することのできる、固体電解質ベースのセンサ素子は例えば、未公開のドイツ特許願10058014.9にすでに開示されている。ここでの検出は、相応のガス組成の濃度を電流的に測定することに基づいている。そのためにセンサ素子は、それぞれ2つの電極を備える複数の電気化学的セルを有している。これらの電極は導イオン性の固体電解質材料を介して相互に接続されている。センサ素子の動作時には、電気化学的セルが相互に影響し合い、従って最悪の条件下ではセンサ素子の測定結果に誤りの生じることがある。
【0003】
DE19833453A1から、その機能が電気化学的セルの測定電流検出に基づくガスセンサが公知である。付加的に加熱素子が設けられており、この加熱素子はセンサを所望の動作温度にもたらす。加熱素子の漏れ電流がガスセンサの測定感度に障害的に影響するのを阻止するため、加熱素子とガスセンサの本来のセンサ素子との間には扁平に伸長されたシールド電極が設けられている。しかしこのシールド電極は、複数の電気化学的セルの相互作用を相互に阻止するには不適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、少なくとも2つの電気化学的セルを有する、ガスセンサ用のセンサ素子を提供することであり、このセンサ素子においては、センサ素子に設けられた電気化学的セルの相互作用がほぼ阻止されるように構成する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題は請求項1の構成を有する本発明のセンサ素子によって解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のセンサ素子では、センサ素子の1つの電気化学的セルの電極領域に導電性シールドが設けられており、この導電性シールドが電気化学的セルの電極を電界に対してシールドする。この電界は、第2の電気化学的セルから、または第2の電気化学的セルの電極間を移動する電荷から発する。このシールドによって簡単に、一定の電位を第1の電気化学的セルの電極で確実に維持することができる。このことによりセンサ素子の測定精度が向上する。なぜなら第1の電気化学的セルの測定信号がこれにより検出すべきガス組成の濃度にだけ依存し、センサ素子の別の電気化学的セルの電界には依存しないからである。
【0007】
従属請求項に記載された手段によって、請求項1に記載のセンサ素子の有利な改善形態および実施形態が可能である。シールドを導イオン性に構成し、センサ素子の1つの電極の電位と同じにすると有利である。ここでシールドは少なくとも片側で開口する中空体の形状を有しており、シールドすべき電極を取り囲む。この構成の利点は、シールドがファラデーのカゴに相応することである。
【0008】
別の実施形態では、シールドが扁平なメッシュとして構成されており、シールドすべき電極と同じ、センサ素子の層レベルに配置される。この構成の利点はとりわけ、この種のセンサ素子を簡単に製造できることである。
【0009】
【実施例】
図1にはすでに公知のセンサ素子の基本構造が示されている。10により電気化学的ガスセンサの平坦なセンサ素子が示されている。このガスセンサは例えば酸素含有ガス、とりわけ排ガスの窒化酸化物成分の検出に用いる。このセンサは複数の導酸素イオン性の固体電解質層11a,11b,11c,11d,11eを有している。この固体電解質層はこの例ではセラミックシートとして構成されており、平坦なセラミック体を形成している。これらのセラミック体は導酸素イオン性の固体電解質材料、例えばYにより安定化された、または部分的に安定化されたZrOからなる。
【0010】
センサ素子10の平坦なセラミック体の集積形状は、機能層のプリントされたセラミックシートを共に積層し、続いて積層構造体を公知のように焼成することにより作製される。
【0011】
センサ素子は内部ガス室13を有し、このガス室はガス流入開口部15を有する。このガス流入開口部は検出すべき混合ガスとの接触を可能にする。ガス流入開口部15内には内部ガス室13に前置して多孔性の拡散バリア17が配置されている。
【0012】
内部ガス室13には第1内側電極20と第2内側電極24がシングルまたはダブル構成で設けられている。固体電解質層11aの外側の、測定ガスに直接曝される側には外側電極22が配置されており、この外側電極は図示しない多孔性保護層により覆うことができる。
【0013】
内側電極20,24はそれぞれ、外側電極22と共に電気化学的ポンプセルを形成する。ポンプセルによってセンサ素子10の内部ガス室13内の酸素分圧が調整される。調整された酸素分圧をコントロールするために内部電極20,24は付加的に基準電極28と接続されており、いわゆるネルンストセルないしは濃淡電池を形成する。このことにより、内部ガス室13内の酸素濃度に依存する内側電極20,24の酸素電位と、基準電極28の一定の酸素電位とを直接的に、測定可能な電圧の形態で比較することができる。ポンプセルに印加すべきポンプ電圧の高さは、相応の濃淡電池で一定の電圧が調整されるように選択される。ここで印加すべきポンプ電圧は、第1のポンプセルの内側電極20に、混合ガスと比較して低減された酸素含量、例えば1000ppmが調整されるように選択される。この酸素含量は第2のポンプセルの内側電極24ではさらに減少される。
【0014】
内部ガス室13には、ガス流入開口部15とは反対側に別の内側電極26が配置されている。この別の内側電極は基準電極28と共に別のポンプセルを形成する。このポンプセルは、検出すべきガスを検出するのに用いる。ここで検出すべきガスは内側電極26の表面で分解し、自由になった酸素が放出される。検出すべきガスの濃度に対する尺度として、電極26,28間を流れるポンプ電流が利用される。
【0015】
電極20,24で検出すべきガスの分解が発生しないことを保証するために、電極20,24は触媒的に不活性な材料から作製される。これは例えば金、または金/プラチナ合金とすることができる。これに対して電極26は触媒作用を有するように構成され、例えばロジウムまたはプラチナ/ロジウム合金からなる。外側電極22並びに基準電極28は同様に触媒作用のある材料、例えばプラチナからなる。ここですべての電極に対する電極材料はそれ自体公知のようにサーメットとして使用され、セラミックシートと共に焼成される。
【0016】
センサ素子10のセラミック基体には、さらにここに図示しない2つの電気的絶縁層の間に抵抗ヒータ40が埋め込まれている。抵抗ヒータ40はセンサ素子10を例えば750℃の必要な動作温度に加熱するのに用いる。
【0017】
内部ガス室13で調整すべき酸素分圧は、混合ガスに存在する酸素分圧と比較して比較的に低いから、内側ポンプ電極20,24から外側ポンプ電極22へ輸送すべき酸素イオンの数は検出すべき混合ガスの酸素含量に応じて非常に大きくなることがある。内部ガス室13から外側ポンプ電極22への十分な酸素輸送を保証するために、相応に高い電位差が内側ポンプ電極20,24と外側ポンプ電極22との間で調整される。
【0018】
内側ポンプ電極20,24から外側ポンプ電極22へ輸送される酸素イオンの大多数は輸送時に固体電解質によって抵抗を受ける。この抵抗はとりわけ固体電解質を通って輸送される酸素イオンの数に依存する。輸送される酸素イオンの数が多ければ多いほど、抵抗も高くなる。抵抗の結果、固体電解質には電位差が形成される。この電位差は、電極20ないし24と22との間に印加される電位差とは逆方向の電位差である。この逆方向の電位差は、固有の電界を形成する。この電界の強度は逆方向の電位差の絶対値に依存しており、酸素イオンが流れる固体電解質の領域では特に大きい。
【0019】
さらに2つの電気化学的ポンプセル20,22ないし24,22から時間的に変化する、混合ガスの酸素濃度に依存する電界が発する。
【0020】
測定すべきガス成分の検出は、電極26,28から形成されるポンプセルによって行われる。この電極26,28間には一定の電位差が調整される。生じる測定信号の品質は実質的に、電極26,28間でのできるだけ一定な電位差に依存する。しかしポンプセルないし輸送される電荷担体から発する電界は第3のポンプセルの電極において、相互に重畳され、時間的に変化する電位差を引き起こす。
【0021】
図2には、本発明の第1実施例によるセンサ素子の断面図が示されている。信号を形成する第3ポンプセル26,28の内側電極26は、導電性のシールド30によって取り囲まれている。シールド30は導電性の材料、例えばプラチナ含有サーミットからなる。シールド30は中空体として構成されており、この中空体は少なくとも内部ガス室13に向いた側で開口している。従ってシールド30は有利には鉢の形状を有している。しかし鉢の1つまたは複数の境界面を省略することもできる。シールド30は割れ目を有しており、この割れ目を通って、絶縁層36の設けられた線路27が電極26に導かれている。
【0022】
電気絶縁層36に対する材料として例えば酸化アルミニウムを選択することができる。ファラデーのカゴとして作用するシールド30は効果的に、ポンプセル20,22ないし24,22から発する電界が電極26,28間の一定の電位差に影響を及ぼすのを阻止する。このことはまた、輸送される酸素イオンから発する電界に対しても当てはまる。
【0023】
電極26とシールド39との間で電気的短絡が生じるのを阻止するため、シールド30と電極26の載置面との間には有利には固体電解質材料から作製された中間層34が設けられている。有利にはシールド30は1つまたは複数のチャネル33により貫通されている。このチャネルには例えば固体電解質材料が充填されており、中間層34を固体電解質層11cと導イオン性に接続する。さらに混合ガスに含有されるガス成分がシールド39で触媒的に反応するのを阻止するため、混合ガスに曝されるシールド30の領域は少なくとも部分的にセラミック材料によって覆われている。セラミック材料として、固体電解質層11aから11eに使用される固体電解質材料、および酸化アルミニウムまたはその他のセラミック材料が考えられる。図2に示したシールド30は付加的に線路を有することができ、これによりシールド30の所定の電位を所期のように調整することができる。
【0024】
図3には、本発明のセンサ素子の第2実施例が示されている。ここでは中空体として構成されたシールド30の境界面が延長されており、電気的に内側ポンプセル電極24と接触接続している。このようにしてシールド30は内側電極24の電位となる。従ってシールド30により、第1のポンプセルないし第1のポンプセルの電極20,22間により輸送される酸素イオンから発する電界に対して効果的な遮へいが得られる。電極24の電位は電極26の電位に非常に近いから、センサ素子の測定精度に格段の向上が得られる。
【0025】
図4には本発明のセンサ素子の第3実施例が示されている。ここでは中空体として構成されたシールド30の境界面が、これが第1ポンプセルの内側電極と電気的に短絡するよう延長されている。この構成によって、電極26が搬送される酸素イオンから発する電界に対して遮へいされ、付加的に酸素が外部ガス室から固体電解質層11a,11bを通って内部ガス室13に搬送されるようになる。ここで内側電極24,26は、シールド30の電気的短絡を回避するため、中間層34によって分離されている。中間層34は有利には導酸素イオン性の固体電解質材料からなる。ここでシールド30は別の図示しない割れ目を有し、この割れ目を通って内側電極24と接触接続される。
【0026】
図5には本発明のセンサ素子の第4実施例が示されている。ここではシールド30は中空体の形状ではなく、扁平なシールド形状に構成されている。この扁平シールドは、固体電解質層11cに集積されるか、または固体電解質層11c、11bの間に配置される。このシールドは例えばプラチナまたはプラチナ合金から作製することができる。図5には層11cと11bとの間のセンサ素子の断面が示されている。この断面図は、内側電極20と内側電極26との接触接続を示す。メッシュ状のシールド30は付加的に図示しない接触接続部を有する。ここでメッシュ状のシールド30は内側電極24の電位にも内側電極20の電位にも、または自由に選択可能な他の電位にも調整できる。シールド30を扁平に構成することの利点は、固体電解質層11cと11bとの間の中間層の形態でこれを簡単に作製できること、また同時にポンプセル20,22ないし24,22から発する電界に対して良好な遮へい作用が得られることである。
【0027】
本発明のセンサ素子はとりわけ窒化酸化物、酸素、炭化水素、水素または硫黄酸化物の検出に適する。本発明はさらに、相応のガス成分を電位差検出するガスセンサのセンサ素子に適用することができる。なぜならここでは測定電極と基準電極との間の電位差をできるだけ正確に検出することが重要であり、これら電極の少なくとも1つをシールドするのが有利だからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知のセンサ素子の縦断面図である。
【図2】本発明のセンサ素子の第1実施例の縦断面図である。
【図3】本発明のセンサ素子の第2実施例の縦断面図である。
【図4】本発明のセンサ素子の第3実施例の縦断面図である。
【図5】本発明の第4実施例のセンサ素子の断面図である。
【符号の説明】
10 センサ素子
11a,11b,11c,11d,11e 固体電解質層
13 内部ガス室
15 ガス流入開口部
17 多孔性拡散バリア
19 基準ガスチャネル
20,24,26 内側電極
22 外側電極
28 基準電極

Claims (8)

  1. 混合ガス中のガス成分を検出するためのガスセンサ用の、固体電解質ベース上のセンサ素子であって、
    第1と第2の電気化学的セルを有し、
    第1の電気化学的セルの電極(26)の周囲には導電性のシールド(30)が設けられており、
    該シールドは少なくとも部分的に固体電解質材料(11a,11b,11c,32,34)によって覆われており、
    該シールドは、第2の電気化学的セルから、または第2の電気化学的セルの電極(20,22)間を移動する電荷担体から発する電界を遮へいし、
    前記シールド(30)は、第1および/または第2の電気化学的セルの電極(20,24,26)の1つを、少なくとも片側の開放した中空体の形状で取り囲んでいる、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  2. シールド(30)には電位が印加される、請求項1記載のセンサ素子。
  3. シールド(30)は、ガスセンサの電極(20,24,26)の1つの電位を有する、請求項1または2記載のセンサ素子。
  4. シールド(30)は、ガスセンサの測定ガス室(13)を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項1からまでのいずれか1項記載のセンサ素子。
  5. シールド(30)は少なくとも2つの異なる金属の合金から作製されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のセンサ素子。
  6. シールド(30)はサーメットを含む、請求項1からまでのいずれか1項記載のセンサ素子。
  7. シールド(30)はメッシュとして構成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のセンサ素子。
  8. 内燃機関の排ガス中の酸素および/または窒化酸化物の濃度を検出する、請求項1からまでのいずれか1項記載のセンサ素子の適用方法。
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