JP4292014B2 - サムターン - Google Patents

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JP4292014B2
JP4292014B2 JP2003067571A JP2003067571A JP4292014B2 JP 4292014 B2 JP4292014 B2 JP 4292014B2 JP 2003067571 A JP2003067571 A JP 2003067571A JP 2003067571 A JP2003067571 A JP 2003067571A JP 4292014 B2 JP4292014 B2 JP 4292014B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、錠前に用いられるサムターンに係り、より詳しくは、サムターン本体を進退自在にすることにより、いわゆるサムターン回しに対応可能としたサムターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、錠前は、ドア内部に挿装されるケースボックスを備えており、このケースボックスにはカムが回動自在に内蔵され、このカムを回動することによってデッドボルトを進退させて施錠あるいは解錠を可能としている。そして、このケースボックスには、屋外側からはシリンダー錠が、そして屋内側からはサムターンが装着されるとともに、シリンダー錠におけるジョイント部、及びサムターンにおける先端部がそれぞれ前記カムに係合され、これにより、屋外からは鍵板を回動することにより、また屋内側からはサムターンつまみを回動することにより、デッドボルトを回動して施錠及び解錠を可能としている。
【0003】
即ち、図13はこの関係を示す図であり、図において31がケースボックスである。そしてこのケースボックス31には、デッドボルト33及びラッチ37が進退自在に備えられているとともに、このデッドボルト33に連結されたカム32が回動自在に備えられており、カム32の回動によりデッドボルトを進退自在にし、また、ケースボックスに装着されたレバー40の操作によりラッチ37の進退を自在にしている。
【0004】
そして、屋内側からはサムターン39が、また屋外側からはシリンダー錠38が、前記ケースボックス31に装着されるとともに、サムターン39の先端部、及びシリンダー錠のジョイント部がそれぞれ、前記カム32に連結され、これにより、屋内側からは、サムターンのつまみ3901を回動することでデッドボルト33の進退を操作して施錠あるいは解錠を可能とし、また屋外側からは、シリンダー錠に差し込んだ鍵板(図示せず)を回動することでデッドボルト33の進退を操作して施錠あるいは解錠を可能としている。
【0005】
ここで、図14は、前記カム32の正面を示した図であり、一般的にカム32は、略円筒形状であるとともに、長手方向に沿った両端面には、係合突起34が形成されている。
【0006】
一方、シリンダー錠の先端部には、前記係合突起34に係合可能なジョイント部35が形成されており、シリンダー錠をケースボックスに装着する際には、図15に示すように、シリンダー錠におけるジョイント部35が前記カム32の係合突起34に係止可能な配置で行なわれる。そしてこれにより、鍵板を回動することで前記ジョイント部35を回動させ、これにより、屋外側からデッドボルト33を進退することを可能としている。
【0007】
また一方、屋内側からケースボックス31に装着されるサムターンの先端部36もまた、前記カム32の係合突起34に係止可能な形状とされており、サムターンをケースボックスに装着する際には、図16に示すように、サムターンの先端部36が前記カム32の係合突起34に係止可能な配置で行なわれ、これにより、サムターンを回動することで、屋内側からデッドボルト33を進退することを可能としている。
【0008】
ところで、近年のピッキングの増加により、これに対応させた各種の防犯用のシリンダー錠が提供され始めているが、この防犯用シリンダー錠では対応不可能な不正解錠としての「サムターン回し」という方法による被害が増大している。
【0009】
ここで、この「サムターン回し」とは、ドリル等によってドアに孔をあけ、この孔を介して屋内側に特殊な工具等を指し入れ、この工具によってサムターンつまみを直接回動して解錠する方法である。
【0010】
このように、最近になり増大しているこの方法によれば、屋内側からのサムターンつまみの操作によって解錠するために、ピッキング対応のシリンダー錠を用いた場合でも対応できないという問題点がある。
【0011】
この点、この「サムターン回し」に対向するためにサムターンの周囲をキャップ等で覆うという方法も一部では考えられているが、この方法を採用した場合であっても、キャップを外されてしまいサムターンを回されてしまうおそれがあり有効な対応とは言いがたい。
【0012】
また、このような「サムターン回し」を防止可能なサムターンとして、サムターン軸に固着した軸側クラッチ板と、サムターン摘みに固着した、前記軸側クラッチに圧接可能な摘み側クラッチ板と、軸側クラッチ板と摘み側クラッチ板とを離反方向に付勢するクラッチバネを用いて、これにより、摘みを扉方向となる軸方向に押し、両クラッチを圧接状態としなければ摘みの回動操作がサムターン軸に伝わらないようにした技術が開示されている。
【0013】
【特許文献1】
特開2003−56220号公報(第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、何らかの手法によりサムターン摘みを扉方向に押すことが可能となった場合には有効に「サムターン回し」を防止できないという問題点が考えられる。
【0015】
そこで、本発明は、サムターン回しを有効に防止可能なサムターンを提供することを課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のサムターンは、
錠前のケースボックスに装着されるサムターンであって、
ケースボックスに装着されるサムターンケースと、
該サムターンケースに挿抜可能に連結される調整リングと、
該調整リング及び前記サムターンケースに進退自在に挿入されたサムターン本体と、
前記調整リングとサムターン本体との間に介在され、調整リングとサムターン本体とを互いに反発し合う方向へ付勢するするための弾性手段と、
前記サムターン本体の反ケースボックス側への移動を制限するための係止手段と、を具備し、
前記サムターン本体は、その先端部に備えた、ケースボックス内に備えたカムに係合可能であるとともに、カムが任意の角度だけ回動して係合突起の位置が変更された場合にはカムとの係合を不可能にする形状に形成したジョイント部と、その長手方向に直交する方向に向けて突出させたピンと、を備えるとともに、通常の静止状態においてはジョイント部がカムに係合しない配置で前記調整リング及び前記サムターンケースに進退自在に挿入されており、
前記サムターンケースは、前記調整リングの先端部近傍を挿装可能なリング挿入部と、前記サムターン本体を貫通可能な貫通孔と、その上端部に形成したケース側歯合部と、を備え、
前記調整リングは、前記サムターン本体を貫通可能なリング側貫通孔と、該リング側貫通孔に連設した、前記サムターン本体に突出させたピンが通過可能な通過溝と、前記ケース側歯合部に歯合可能なリング側歯合部と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
本発明のサムターンでは、調整リングとサムターン本体との間に弾性手段を介在することにより、調整リングとサムターン本体とを互いに反発し
合う方向へ付勢するとともに、通常の状態では、前記サムターン本体とカムとの係合を阻止している。
【0018】
そのため、単にサムターン本体を回したのみではカムを回すことができず、カムを回すためには、弾性手段の付勢力に対抗させながらサムターン本体をケースボックス側へ押し込まなければならない。そのため、特殊な工具等を用いた場合であっても、屋外側からサムターンを操作することによるカムを回すことは容易では無く、これにより、サムターン回しを防止することが可能となる。
【0019】
また、本発明においては、通常の状態では、前記サムターン本体とカムとの係合を阻止しており、カムを回すためには、弾性手段の付勢力に対抗させながらサムターン本体をケースボックス側へ押し込まなければならない構成にしているとともに、前記サムターン本体の先端部に備えたジョイント部を、ケースボックスに対して内に備えたカムに係合可能であるとともに、カムが任意の角度だけ回動した場合にはカムとの係合を不可能にする形状に形成しているため、鍵板による屋外からの施錠によりカムの係合突起の位置が変わった場合には、サムターン本体をケースボックス側に押し込んでもカムに係合させることができない。そのため、鍵板による施錠の後に、何らかの手法によりサムターン本体をケースボックス側へ押し込むことができたとしても、サムターン本体をカムに係合させることはできず、かかる場合には、サムターン回しによる不正解錠は不可能である。
【0020】
そしてこのとき、本発明においては、前記サムターン本体にその長手方向に直交する方向に向けてピンを突出するとともに、このピンが通過可能な通過溝を調整リングに形成し、ピンが通過溝を通過可能な位置にある場合にのみサムターン本体を押し込むことを可能としているため、ジョイント部がカムに係合可能な位置になるようにサムターン本体を回動した場合には、サムターン本体のピン位置が変更されてしまい、これによりピンが通過溝を通過することができなくなってしまうため、サムターン本体をケースボックス側へ押し込むことができず、これによっても、サムターン回しによる不正解錠を行なうことは不可能になる。
【0021】
一方、本発明では、前記サムターンケースの上端部にケース側歯合部を形成するとともに、このケース側歯合部に歯合可能なリング側歯合部を調整リングに形成しており、ケース側歯合部とリング側歯合部を歯合することによって、サムターンケースに調整リングを挿抜可能に連結するとともに調整リングの回動を不可能にしているが、前記弾性手段の付勢力に対向させて調整リングを反ケースボックス側へ移動してケース側歯合部とリング側歯合部の歯合を解除することによって調整リングを回動自在にすることが可能であるために、鍵板による屋外からの施錠によりカムの係合突起の位置が変わった場合において、弾性手段の付勢力に対向させて調整リングを反ケースボックス側へ移動してケース側歯合部とリング側歯合部の歯合を解除した後に、変更されたカムの係合突起に係合可能な位置でサムターン本体をケースボックス側へ押し込むことができる位置に調整リングを回動することにより、屋内側から正当に解錠することが可能となる。
【0022】
【実施例】
本発明のサムターンの実施例について図面を参照して説明すると、図1は、本実施例のサムターンの構造を説明するための縦断面図、また、図2は本実施例のサムターンの正面図、更に、図3は本実施例のサムターンを分解して示した図であり、図において1が本実施例のサムターンである。
【0023】
そして、本実施例のサムターン1は、使用に際してドア内部に挿装されたケースボックスに装着されるサムターンケース2に、調整リング3が挿抜可能に連結されており、この調整リング3及び前記サムターンケース2を、サムターン本体4が進退自在に貫通している。また、前記調整リング3とサムターン本体4との間には、弾性手段としてのスプリング6が介在されており、このスプリング6の付勢力により、前記調整リング3とサムターン本体4とは互いに反発し合う方向へ付勢されているとともに、サムターン本体4は、静止状態においては、そのジョイント部がカムに係合しない位置とされている。更に、前記サムターン本体4には係止手段としてのEリング7が装着されており、これにより、前記サムターン本体4の反ケースボックス側への移動が制限されるとともに、静止状態における調整リング3及びサムターン本体4の位置を固定している。
【0024】
ここで、前記サムターンケース2について説明すると、このサムターンケース2は、略円筒形状としており、上端部には凹凸形状のケース側歯合部201が形成され、また、その略中央部外周にはネジきりが施されており、この部分が、後述する化粧カバー5を螺合するための螺合部202とされている。
【0025】
また、前記ケース側歯合部201に対向する側は、ケースボックスに連結される連結部203とされており、その形状はケースボックスにおける、サムターン装着箇所の形状に対応可能な任意形状とされる。
【0026】
また、サムターンケース2の内部には、サムターン本体4が貫通可能な、小径のサムターン貫通孔204が形成されており、このサムターン貫通孔204に連続して、その上方には、中径の調整リング挿入孔205が形成されており、この調整リング挿入孔205の上部は、調整リング3を係止するための係止部206が形成されている。
【0027】
次に、本実施例における前記調整リング3は、略円筒形状であり、その下端部近傍を、前記調整リング挿入孔205内に挿入可能な径にした挿入部301にするとともに、この挿入部301の上部周辺部を肩部307としており、挿入部301を前記調整リング挿入孔205内に挿入することにより、前記係止部206に肩部307が係止されている。
【0028】
また、調整リング3の上端部は、その肉厚をやや厚めにすることにより外径をやや大きめにしてつまみ部302にするとともに、このつまみ部302に連続して、下端部側には、前記ケース側歯合部201に歯合可能なリング側歯合部303が形成されている。
【0029】
更に、調整リング3の内周部任意の箇所には棚部304が形成されるとともに、この棚部304の略中央部分には、サムターン本体4が貫通可能な径とされた、リング側貫通孔305が形成されている。
【0030】
ここで、図6は調整リング3の平面を示した図であり、本実施例においては、前記リング側貫通孔305に連続して、細長形状の通過溝306が形成されている。
【0031】
次に、前記サムターン本体4について説明すると、本実施例におけるサムターン本体4は、略円柱形状の軸部401を備えており、この軸部401に連続して、カムに係合されるジョイント部402が形成されている。
【0032】
ここで、このジョイント部402について説明すると、一般的にカムは、サムターンの先端部あるいはシリンダー錠におけるジョイント部によって回動されるため、サムターンの先端部及びシリンダー錠のジョイント部と係合される係合突起を備えている(図14乃至図16参照における34)。そこで、本実施例における前記ジョイント部402は、サムターン本体4を回動した場合に、特定の位置でのみカムに係合可能な形状に形成した。具体的には、図7及び図8に示すように、対向する箇所に、カムに形成された係合突起間に嵌合可能な一対のサムターン側係合突起403を形成し、これにより、図8に示すように、係合突起403がカムにおける係合突起間に嵌合した場合にのみ、ジョイント部402がカムに係合可能としている。
【0033】
次に、サムターン本体4の前記軸部401における反ジョイント部側には、大径の台座部405及びこの台座部405に連続したサムターンつまみ406が連設され、つまみ406を介してサムターン本体4を回動可能としている。
【0034】
また、前記軸部401における台座部405の近傍には、軸部401の長手方向に直交する方向へ向けてピン404が突出されており、このピン404は、前記調整リング3における前記リング側貫通孔305に連続して形成された通過溝306を通過可能とされている。
【0035】
そして、このように構成されるサムターン本体4は、軸部401がサムターンケース2におけるケース側貫通孔204、及び調整リング3におけるリング側貫通孔305を貫通するようにして、前記台座部405を前記調整リング3の棚部304上に載置するとともに、棚部304と台座部405との間にはスプリング6を介在させている。
【0036】
また、サムターン本体4の装着に際しては、軸部401とジョイント部402間に形成した係合溝407内に、係止手段としてのEリング7を装着するとともに、このEリング7を、ケース側貫通孔204の下端部周辺部に係止して、これにより、静止状態におけるサムターン本体4の位置を固定するとともに、サムターン本体4の反ケースボックス側への移動を制限し、更にこれにより調整リング3の位置も固定している。
【0037】
そして、更に、通常の状態においては、サムターン本体4のジョイント部402がカムに係合しない配置において、及び通常の状態においてはサムターン本体4に形成したピン404が調整リング3における棚部304よりも反ケースボックス側に位置して通過溝306を通過していないような配置において、サムターン本体4を装着している。
【0038】
なお、図7における408は軸部401に形成した長溝部であり、この長溝部408は、サムターン本体4を特定の位置まで回動した際に節度感を出すために用いられている。即ち、本実施例においては、ケース側貫通孔204内周に外部に連通する小孔207を形成し、この小孔207内に小球8を挿入するとともに、スプリング9を介してこの小球8をネジ10により押圧する一方、軸部401の外周部により小孔8がケース側貫通孔204側へ落下することを防止している。そして、調整リング3に対するサムターン本体4の回動位置が、調整リング3に形成した通過溝306をサムターン本体4におけるピン404が貫通可能な位置にある場合に、小球8がわずかに長溝部402内に埋没可能なようにして長溝部402を形成している。そのため、サムターン本体4を回動して通過溝306をピン404が貫通可能な位置まで来た場合には、小球8の一部が長溝部402に入り込み、これにより節度感を出すことが可能である。
【0039】
また、図1乃至図3において5は化粧カバーであり、本実施例においては、側面形状を略台形状にするとともに内周面にネジきりを施した化粧カバー5を、前記サムターンケース2の外周部に螺合している。
【0040】
次に、このように構成される本実施例のサムターン1の作用について説明すると、図9は本実施例のサムターン1をケースボックス11に装着した静止を示す図であり、この状態においては、サムターン本体4におけるジョイント部402はカム12には係合しておらず、従ってサムターン本体4を回動しても解錠あるいは施錠を行なうことは不可能である。
【0041】
一方、図9の状態においてサムターン本体4をケースボックス11側に押し込むことによりピン404が通過溝306を通過するとともにサムターン本体4のジョイント部402がカム12に係合可能であると想定すると、サムターン本体4を押し込むことにより、図10に示すように、ジョイント部402がカム11に係合され、これにより、サムターン本体4の回動により施錠あるいは解錠が可能となる。
【0042】
このように、本実施例のサムターンでは、まず、サムターン本体4をケースボックス11側へ押し込まなければ解錠することができないために、サムターン回しによる方法によっても容易に不正解錠を行なうことは困難である。
【0043】
次に、図9の状態において、屋外側から鍵板を用いて施錠した場合を想定すると、この場合には、カム12における係合突起の位置が変更になる。一般的には施錠あるいは解錠の場合にはカム12が約90度回動し、それに伴って係合突起1201の位置も約90度その角度が変更になる。
【0044】
そしてこの場合には、サムターン本体4をケースボックス側に押し込んだ場合でも、ジョイント部402をカム12に係合させることはできず、従って屋内側からにおいても解錠は不可能になる。
【0045】
即ち、図11において、(A)及び(C)は施錠前の状態であり、この状態においては、点線で示したジョイント部402がカム12の係合突起1201に係合可能であると想定する。
【0046】
そうすると、本実施例におけるジョイント部402は、前述したように、カム12に形成された係合突起1201間に嵌合可能な係合突起403を対向する2箇所にのみ形成しているために、カム12とジョイント部402が係合している状態において鍵板を回動してシリンダー錠におけるジョイント13によりカム12を回動した場合は、その回動角度が約180度でない限りはカム12とジョイント部402を係合させることができない。従って、鍵板によって施錠することによりカム12の係合突起1201の位置が約90度変更された場合(図11(B))には、図11(D)で点線で示すように、サムターン本体4を押し込んだ場合でもジョイント部402の係合突起403がカム12の係合突起1201にぶつかってしまい、ジョイント部402とカム12とを係合させることはできない。
【0047】
またこのとき、本実施例のサムターン1では、調整リング3との関係において、ピン404が通過溝306を通過可能な位置においてのみサムターン本体4をケースボックス側へ押し込むことができるように構成しているため、図11(D)に示す状態において、ジョイント部402がカム112に係合可能な位置になるようにサムターン本体4を回動した場合には、ピン位置が変更されてしまうことによりピン404が通過溝306を通過することができず、サムターン本体4をケースボックス11側へ押し込むことができず、この場合にも結局、解錠することが不可能である。
【0048】
このように、本実施例のサムターン1では、施錠によりカム12における係合突起1201の位置が変更になることに着目し、鍵板による施錠の場合にはカムとジョイント部との係合を不可能にしており、更に、調整リング3との関係においてサムターン本体4を押し込むことができる位置を固定しているため、鍵板による施錠の場合に、サムターン本体4をケースボックス側へ押し込むことを何らかの方法によって可能にした場合において、ジョイント部402カム112に係合可能な位置になるようにサムターン本体4を回動した場合であっても、サムターン本体4をケースボックス側へ押し込むことができない。従って、これによって不正解錠を確実に防止することが可能である。
【0049】
次に、鍵板による施錠の後に屋内側からの正常な解錠方法を行なう場合について説明すると、かかる場合には、図11(D)に示す状態において、図12に示すように、まず、スプリング6の付勢力に対抗させながら調整リング3を反ケースボックス側に引き上げて、調整リング3とサムターンケース2との歯合を解除する。そしてその後に、調整リング3をカム12の回動方向と同方向へ約90度回動するとともに、サムターン本体4も同方向へ約90度回動する。
【0050】
そうすると、サムターン本体4の回動により、ジョイント部402をカム12に係合可能な位置にすることができるとともに、調整リング3の回動により、この状態でのサムターン本体4の押し込みが可能となり、従って、この状態でサムターン本体4を押し込んで回動することにより解錠することが可能となる。そしてそのためには、まず調整リング3を引き上げ、次に引き上げた状態で調整リング3を回動し、その後、サムターン本体4を回動するとともにケースボックス側へ押し込む、という一連の操作が必要であるために、ドアに孔をあけ、この孔を介して屋外側から行なうのは困難である。
【0051】
このように、本実施例のサムターンによれば、最近になり増大しているいわゆる「サムターン回し」にも十分対抗することが可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明のサムターンは以上説明した形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0053】
本発明のサムターンでは、調整リングとサムターン本体との間に弾性手段を介在することにより、調整リングとサムターン本体とを互いに反発し合う方向へ付勢するとともに、通常の状態では、前記サムターン本体とカムとの係合を阻止しているため、単にサムターン本体を回したのみではカムを回すことができず、カムを回すためには、弾性手段の付勢力に対抗させながらサムターン本体をケースボックス側へ押し込まなければならない。そのため、特殊な工具等を用いた場合であっても、屋外側からサムターンを操作することによるカムを回すことは容易では無く、これにより、サムターン回しを防止することが可能となる。
【0054】
また、本発明においては、通常の状態では、前記サムターン本体とカムとの係合を阻止しており、カムを回すためには、弾性手段の付勢力に対抗させながらサムターン本体をケースボックス側へ押し込まなければならない構成にしているとともに、前記サムターン本体の先端部に備えたジョイント部を、ケースボックスに対して内に備えたカムに係合可能であるとともに、カムが任意の角度だけ回動した場合にはカムとの係合を不可能にする形状に形成しているため、鍵板による屋外からの施錠によりカムの係合突起の位置が変わった場合には、サムターン本体をケースボックス側に押し込んでもカムに係合させることができない。そのため、鍵板による施錠の後に、何らかの手法によりサムターン本体をケースボックス側へ押し込むことができたとしても、サムターン本体をカムに係合させることはできず、かかる場合には、サムターン回しによる不正解錠は不可能である。
【0055】
そしてこのとき、本発明においては、前記サムターン本体にその長手方向に直交する方向に向けてピンを突出するとともに、このピンが通過可能な通過溝を調整リングに形成し、ピンが通過溝を通過可能な位置にある場合にのみサムターン本体を押し込むことを可能としているため、ジョイント部がカムに係合可能な位置になるようにサムターン本体を回動した場合には、サムターン本体のピン位置が変更されてしまい、これによりピンが通過溝を通過することができなくなってしまうため、サムターン本体をケースボックス側へ押し込むことができず、これによっても、サムターン回しによる不正解錠を行なうことは不可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサムターンの実施例を説明するための縦断面図である。
【図2】本発明のサムターンの実施例を説明するための正面図である。
【図3】本発明のサムターンの実施例を分解した状態を示す図である。
【図4】本発明のサムターンの実施例におけるサムターンケースの縦断面図である。
【図5】本発明のサムターンの実施例における調整リングの縦断面図である。
【図6】本発明のサムターンの実施例における調整リングの平面図である。
【図7】本発明のサムターンの実施例におけるサムターン本体を示す図である。
【図8】本発明のサムターンの実施例におけるサムターン本体のジョイント部を説明するための図である。
【図9】本発明のサムターンの実施例の作用を説明するための図である。
【図10】本発明のサムターンの実施例の作用を説明するための図である。
【図11】本発明のサムターンの実施例の作用を説明するための図である。
【図12】本発明のサムターンの実施例の作用を説明するための図である。
【図13】一般的な錠前を説明するための図である。
【図14】一般的な錠前におけるカムの正面を示した図である。
【図15】一般的な錠前におけるカムとシリンダー錠との係合関係を説明するための図である。
【図16】一般的な錠前におけるカムとサムターンとの係合関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 サムターン
2 サムターンケース
201 ケース側歯合部
202 螺合部
203 連結部
204 ケース側貫通孔
205 調整リング挿入孔
206 係止部
207 小孔
3 調整リング
301 挿入部
302 つまみ部
303 リング側歯合部
304 棚部
305 リング側貫通孔
306 通過溝
4 サムターン本体
401 軸部
402 ジョイント部
403 係合突起
404 ピン
405 台座部
406 サムターンつまみ
407 係合溝
408 長溝部
5 化粧カバー
6 スプリング
7 Eリング
8 小球
9 スプリング
10 ネジ
11 ケースボックス
12 カム
1201 係合突起
13 シリンダー錠におけるジョイント部

Claims (4)

  1. 錠前のケースボックスに装着されるサムターンであって、
    ケースボックスに装着されるサムターンケース(2)と、
    該サムターンケース(2)に挿抜可能に連結される調整リング(3)と、
    該調整リング(3)及び前記サムターンケース(2)に進退自在に挿入されたサムターン本体(4)と、
    前記調整リング(3)とサムターン本体(4)との間に介在され、調整リング(3)とサムターン本体(4)とを互いに反発し合う方向へ付勢するするための弾性手段(6)と、
    前記サムターン本体(4)の反ケースボックス側への移動を制限するための係止手段(7)と、を具備し、
    前記サムターン本体(4)は、その先端部に備えた、ケースボックス内に備えたカムに係合可能であるとともに、カムが任意の角度だけ回動して係合突起の位置が変更された場合にはカムとの係合を不可能にする形状に形成したジョイント部(402)と、その長手方向に直交する方向に向けて突出させたピン(404)と、を備えるとともに、通常の静止状態においてはジョイント部(402)がカムに係合しない配置で前記調整リング(3)及び前記サムターンケース(2)に進退自在に挿入されており、
    前記サムターンケース(2)は、前記調整リング(3)の先端部近傍を挿装可能なリング挿入部(205)と、前記サムターン本体(4)を貫通可能な貫通孔(204)と、その上端部に形成したケース側歯合部(201)と、を備え、
    前記調整リング(3)は、前記サムターン本体(4)を貫通可能なリング側貫通孔(305)と、該リング側貫通孔(305)に連設した、前記サムターン本体(4)に突出させたピン(404)が通過可能な通過溝(306)と、前記ケース側歯合部(201)に歯合可能なリング側歯合部(303)と、を備えたことを特徴とするサムターン。
  2. 前記サムターンケース(2)の外周に化粧リング(5)を着脱自在に装着したことを特徴とする請求項1に記載のサムターン。
  3. 前記弾性体(6)としてスプリングを用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサムターン。
  4. 前記係止手段(7)としてEリングを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載のサムターン。
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