JP4305151B2 - 材料のねじり押出し加工法 - Google Patents

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Description

本発明は、微細なミクロ組織を有する材料(金属、高分子など)を製造するために、固体状の材料あるいは粉末材料に熱間あるいは冷間で非常に大きい加工ひずみ加える方法に関する。
通常、金属材料は原料を溶解精錬しこれを鋳造し、さらに加工成形することにより最終製品形状にする。これには、大別して2種類あり、熱間加工後冷却して製品とする熱間加工製品と、これをさらに冷間で加工成形した冷間加工製品である。
これらのいずれの方法においても、金属材料に加えられる加工量は製品の材質に大きく影響することが知られている。圧延、鍛造などの加工は、特に、結晶粒などのミクロ組織を微細にする上で有効であり、鉄鋼材料、アルミニウム材料など多くの金属材料でこの方法が使用されている。これは、金属材料の結晶粒が微細であるほど優れた機械的性質が得られるからである。
熱間加工製品においては、高温で加工した場合、加工ひずみ速度を大きくし大きなひずみを加えることにより金属材料は動的再結晶状態になり、ひずみ速度が大きいほど結晶粒が小さくなる。低温で加工した場合は、セル状に転位が堆積し、転位の再配列により微細な結晶粒になる。また、冷間加工製品では冷間における加工量が大きいほどその後に続く焼鈍を行った場合の再結晶粒の大きさを小さくできる。
以上のように、大ひずみを加える手段は結晶粒を微細化する上で有効であり各種金属材料で利用されているが、従来の加工手段、例えば圧延や鍛造のみではその加え得る加工量に限界があり、鋳造材から出発して製品に至るまでに与えられるひずみ量には限界があった。
たとえば、圧延法で板材を加工する場合、板幅は大きくは変化しないので、これは板
は、次式のようになる。
ここで、t0は素材厚さ、tは製品厚さである。
なお、相当ひずみとはひずみ比が異なる変形のひずみを相対比較できる量であり、金属学的には転位密度に相当するものである。相当ひずみの定義式はたとえば「金属塑性加工の力学」(コロナ社)など普通の塑性力学の教科書に記載されている。
(1)式からわかるように圧延の場合の相当ひずみは素材厚さと製品厚さの比で決まる。したがって、圧延によって加えることのできるひずみ量には限界がある。たとえば、板厚が1/100になったとしても、相当ひずみは5.32程度である。また、鍛造の場合、ひずみ状態は単軸圧縮変形と平面ひずみ圧縮変形の間にある。単軸圧縮変形の場合の相当ひずみは次式のようになる。
ここで、h0は素材暑さ、hは製品厚さである。
この場合でも相当ひずみは素材厚さが1/100になったとしても4.61程度であり、オーダーは平面ひずみの場合と同じである。したがって、鍛造の場合でも加えることのできるひずみ量には限界がある。
なお、通常の熱間加工製品の場合、このひずみは圧延や鍛造などの加工により圧下を何回かに分けて与えられ、その加工と加工の間に加熱、冷却などが加わり、その間で回復や再結晶が起こるため、加熱や冷却を繰り返すことなく一度に加工して(1)式や(2)式のひずみを加えた場合に比べて、得られる結晶粒は大きくなる。
押出し加工は金属材料の量産プロセスとしてよく用いられている。この場合は1パスで大ひずみを達成することができるのが利点である。相当ひずみは(2)式のh0を素材長さ、hを製品長さに置き換えれば、この式がそのまま使える。しかし、この方法でも伸び(圧減比)はやはり100程度が限界であり、相当ひずみは4.61程度である。この押出し法は粉末の圧密固化に対しても有効なプロセスである。
ところで、量産プロセスではないが、非常に大きいひずみを加えた少量サンプルを作成する方法として、圧縮ねじり法がある。これは図1に示したように、円筒状のコンテナー3に高さの低い円柱試料1を装入し、上部から円柱形状上パンチ5で大きい圧縮力Pを加えながらトルクTを加え回転させる方法である。
下パンチ6は固定されているが、上パンチ5と反対方向に回転させてもよい。この方法を固体状の材料や粉末材料に適用した場合の詳細が、下記文献(i)および(ii)などに記載されている。
(i)Valiev,R et al:Mat.Sci.and Eng.,A137(1991),35
(ii)金武ほか:43回塑加連講演(1992)、73
この方法によれば、たとえばアルミニウムの場合、結晶粒径が.1μm以下が容易に得られるとされている。また、アルミニウムの粉末材料であれば真密度に近い値になるといわれている。しかし、ねじり変形の特徴として材料の外周部では大きいひずみが生じるが、中心部のひずみは小さいとされている。
また、この方法では、たとえば通常のビレット(数10mm径×数m長さ)のように大きいサイズの材料を製造することは不可能である。それは、材料1が長くなると上下パンチ面で発生させたトルクがコンテナ内面と材料外面の摩擦のため材料全長に伝わらないからである。
たとえば、鉄鋼材料では合金元素が少なくて結晶粒が数ミクロンからサブミクロン、さらにはナノオーダーの鋼が得られれば安価な高強度構造材料となる。これは他の銅やアルミニウムなどの非鉄材料でも同様である。
例えば、電子材料分野では集積回路チップの基板として用いられる鋼板は電気特性は優れているが、強度をより一層向上させる必要がある。これに対して銅合金を用いる試みもあるが電気伝導特性が劣化する。そこで、純銅の強度をあげる方法として加工ひずみを加え、ミクロ組織を微細にすることが考えられる。
また、最近では微細加工の分野で、加工精度をあげるためにナノオーダーの結晶組織を持つ材料が要求されている。粉末成形の分野でも、たとえばメカニカルアロイング法やメカニカルグラインディング法により得られた微細内部組織を持つ材料の固化プロセスが種々検討されているが、決定的な方法は見いだされていない。この場合にも高圧で可能なかぎり大ひずみを与えることが有効とは認識されているが、その方法がないのが現状である。
以上述べたように通常の加工法では、金属材料の素材の寸法と製品の寸法で決まるひずみ以上のひずみを加えることができない。本発明はこの限界ひずみを越えるひずみを加えることのできる方法を提案することを目的とする。
上記課題を解決するために種々検討した結果、押出し加工とねじり加工を組み合わせることにより上記のひずみの限界を越えることができる新しい加工法を開発することができた。
(1)その第1の方法は、コンテナー内に装填された固体状の材料あるいは粉末材料をプッシャーで押し込み、ダイスで変形させる前方押出し法において、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行うねじり前方押出し法、およびその装置である。
(2)第2の方法は、底部を有するコンテナー内に装填された固体状の材料あるいは粉末材料を先端がダイスとなっている中空のプッシャーで押し込み、中空部先端のダイス穴から材料を押し出す後方押出し法において、コンテナーを押出し軸方向に移動しないように固定し、さらに中空プッシャーかあるいはコンテナーのいずれかを回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながら中空プッシャーにより押出し加工を行うねじり後方押出し法およびその装置である。
(3)第3の方法は、コンテナー内に装填された固体状の材料あるいは粉末材料をプッシャーで圧力P1で押し込み、コンテナー内面と同形状(円形)で同横面積の穴を有するダイスを通過させる前方押出し法において、ダイスの出側からも材料の進行を妨げない程度の背圧P2をかけるとともに、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらねじり両押し押出し加工を行う方法、およびその装置である。
本方式は、通常の圧延、鍛造、押出しなどの加工方法で得られる加工ひずみを大きく上まわる加工ひずみを固体状材料や粉末材料に加えることができる要素技術を提供するものであり、熱間や冷間で材料内部組織を微細ににしたり、高密度にする生産プロセスに有効に適用できる。
上記3つの方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
(1) 第1の方法は、図2に示したように、コンテナ3内に装填された固体状の材料あるいは粉末材料1をプッシャー4で押し込みダイス2で減面させる前方押出し法において、コンテナ3あるいはダイス2の一方を固定し、他方を押出し軸aの周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行う方法、およびその装置である。図ではコンテナー3を固定しダイス2を回転させている。コンテナーおよびダイスは図示していない架台に一方は回転方向を除いて固定されている。プッシャーは油圧で駆動されるのが通常であるが、ピニオンラック機構など他の方法によってもよい。コンテナーあるいはダイスの回転は通常はモーターによってなされる。これらのプッシャーの駆動装置やコンテナーあるいはダイスの回転装置は以下で説明する第2,第3の方法、および実施例1〜4でも共通に用いられる装置である。
コンテナー3内面と素材側材料1−1の表面との界面の面積をB、この界面に垂直にコンテナー3が材料におよぼす面圧をσ1、ダイス2の内面と出側材料1−2の表面との界面の面積をC、この界面に垂直にダイス2の内面が材料におよぼす面圧をσ2、1−1と1−2の境界の材料横断面積をAとした場合、Bμ1σ1(素材側回転力)とCμ2σ2(出側回転力)のいずれもが断面Aの変形抵抗(A×材料の変形せん断応力)より大の条件を満たす場合に材料をねじることができることが研究の結果判明した。
なお、μ1およびμ2はそれぞれコンテナ内面と素材側材料1−1の表面との界面の間の摩擦係数、およびダイス2の内面と出側材料1−2の表面との界面の摩擦係数である。上記の事実は、摩擦による回転力が材料の変形抵抗を上回った場合に材料をねじることができることを示している。
図3のように、ダイス2を固定してコンテナー3を回転させても同様の結果が得られる。図3はダイス形状に工夫があり、ダイス入り口部にR部をつけてあるので変形がスムーズになり、材料の割れなどが発生しにくくなっている。
図2〜図3の場合、押出し比(材料の押出しによる伸び)はおよそ4程度である。この場合の相当ひずみは、(2)式から計算でき、1.37程度である。
つぎに、ねじりに基づく相当ひずみを計算する。今の場合、ひずみのオーダーがわかればよいので円柱のねじりを扱う。
図5に示したように円柱のせん断ひずみは単位長さあたりの円周方向回転量(弧長)、すなわち
で表される。図2〜図3の場合において、たとえば40回転したときの円柱表面のせん断ひずみを計算すると、
(4)式より、251.2程度になる。ただし、素材の半径rと変形領域の円柱軸方向長さlはオーダーは同じであるから等しいと仮定した。
中心軸におけるせん断ひずみは0であるから単純平均を求めると125.6となる。
により、72.5となる。
図1の圧縮ねじり法で説明したように、ねじりの性質上、材料の中心軸上のねじりは小さくなる。しかし、ねじりと押出しを組み合わせる図2〜図3の方法では、図1の場合と異なり長さ方向にひずみの分布を生じ材料が半径方向にも移動できるようになり、材料中心軸上にもひずみが生じるようになる。
上記の単純平均した相当ひずみは,ダイス内1の長さを通過した畤のダイス回転数がnの場合の計算値であるから,一般的に,1はプッシャー速度が大きいほど大きくなり,nはダイス回転数が大きくなるほど大きくなる.したがって,上記単純平均相当ひずみは,rn/1(=(コンテナー内材料半径)×(ダイスとコンテナーの相対回転数)/(プッシャー押込み速度))が大きくなるほど大きくなり,これが相当ひずみの大きさの目安となる.実施例で説明するように,この値は10以上であれば固体材料に対して十分大きなひずみが付加され,組織が微細化される.
しかしながら、できるだけ少ない回転数で半径方向にできるだけ均一なひずみ分布を生じさせるためには、材料の長さ方向の一部分に非軸対称な変形をする部分を設ければよい。その例を図4および図6に示してある。図4は、コンテナの中心線(押し込み軸aa)と押し出し軸aが平行ではあるが一致せず、ずらしてある場合である。
図6はダイス2が押出し中心軸aに関して非対称になっている。そのため、材料中心軸上のひずみが非常に大きくなり、外周部と大きな違いがなくなる。
図7は、やはり、ダイスに非軸対称変形部を設けたものであるが、押出しによる材料の減面がほとんどない場合である。
すなわち、コンテナ3内に装填された材料1をプッシャー4で押し込みダイス穴部の中心位置が押出し軸aから離れていく形状になっているダイス2で曲げ変形させる前方押出し法において、コンテナ3あるいはダイス2の一方を固定し、他方を押出し軸aの周りに回転させながらプッシャー4により押出し加工を行うのである。
押出しによる減面がなくても、曲げ変形によりダイスを材料が通過することを阻止しようとする抵抗力が存在し、ダイス内で減面がある場合と同じ工具配列で、同じ効果が得られる。
(2)第2の方法は、図8に示したように、互いに結合された胴部3−1と底部3−2を有するコンテナー3内に装填された材料あるいは粉末材料1を先端がダイス2となっている中空のプッシャー4で押し込み、中空部から材料を押し出す後方押出し法において、コンテナー3を押出し軸a方向に移動しないように固定し、さらに中空プッシャー4かあるいはコンテナ3のいずれかを回転方向に固定することにより回転させないようにし、他方を押出し軸aの周りに回転させながら中空プッシャー4の先端ダイス部2により押出し加工を行うねじり後方押出し法、およびその装置である。
図9は、中空プッシャー4およびダイス2がコンテナ−中心軸に対して非軸対称になっているものである。これも材料軸上のひずみをできるだけ大きくする工夫をしたものである。
この図8および図9の場合も、Aを材料の未変形部と変形部の境界の横断面積とした場合、素材側材料1−1の素材側回転力と出側材料1−2の出側回転力の両方が断面Aの変形抵抗(A×材料の変形せん断応力)より大の場合に材料をねじることができる。
(3)第3の方法は、図10に示したように、コンテナー3内に装填された材料あるいは粉末材料1をプッシャー4−1で圧力P1で押し込みコンテナー3内面(円形)の横断面積とほぼ等しい横断面積をもつダイス2を通過させる前方押出し法において、ダイス2の出側からP1より小さい背圧P2をかけるとともに、コンテナー3あるいはダイス2の一方を回転しないようにして、他方を押出し軸aの周りに回転させながらねじり両押し押出し加工を行う方法、およびその装置である。
この方式によれば加工後の材料の寸法が加工前の素材の寸法とほとんど同じになる。そのため、素材寸法に比して比較的大きい製品寸法が要求されるような場合には有効である。
なお、背圧P2をかけるのは、これがないと、今の場合ダイスによる減面がほとんどないのでコンテナーやダイス内面と材料外面の間の摩擦力が小さくなり、素材側回転力および出側回転力がどちらも小さくなり材料をねじる力が不足するからである。
これらの第1、第2および第3のいずれの方法においても、用いる動力のうち、プッシャーによる圧力は通常は油圧を用いるが、モーター回転力をたとえばピニオンラック機構などにより一軸方向の力に変換して用いてもよい。
コンテナーやダイスを回転させるトルクはモーターにより発生させる。この場合、モーター回転軸を素材側材料中心軸の延長線上に配置してもよいが、モーター回転軸をこの延長線から外して平行に配置し、工具とモーター回転軸を、たとえば駆動用ベルトなどで連結してもよい。
また、上記の第1および第3のいずれの方法においても、コンテナー3とダイス2の近接部の内で材料接触部近傍のコンテナ3とダイス2の両工具間の隙間は、材料の変形中はほぼ0に保たれていることが望ましい。このための手段としてコンテナ−とダイスの間にスラストベアリングを設置するのがよい(実施例である図11,図15にその例が示されている)。ここに隙間が存在すれば、材料表面にバリが発生し材料の進行に対する抵抗になるだけでなく、材料表面に疵あるいは割れが発生する原因になる場合があるからである。
〔実施例1〕純アルミニウム(A1070)の棒材(直径10mm、長さ60mm)を使用し、図11の装置を用いて、第1の方法でダイスを回転する方式のねじり押出し法を常温で実施した。
コンテナー3はホルダー7により支持され、回転ダイス2はホルダー8により支持されている。ダイス2は連結軸9を介してモーターMに連結されている。押し出し中、プッシャー4に押された材料1の表面の摩擦力によりコンテナー3はダイス2に軸方向力をおよぼす。
また、このダイス2はホルダー8に対しても軸方向力を及ぼす。ダイス2を回転させると、これらの2つの軸力に基づく2、3間および2、8間の摩擦力が2の回転に対する抵抗となる。このような工具間のしゅう動部にはグリースなどの潤滑剤を塗布するのが通常である。
しかし、この例ではさらに摩擦抵抗を軽減するためにベアリングも用いる。コンテナー3とダイス2の接続部にスラストベアリング10−1、またダイス2とホルダー8の接続部にスラストベアリング10−2を設置した。
スラストベアリング10−1は,コンテナー3とダイス2の近接部の内で材料との接触部近傍の隙間を、材料の変形中ほぼ0に保つようにする役目をもつ。
プッシャー速度は毎分10mm、ダイス回転数は毎分20回の条件で試験した。ダイス穴寸法は入り口部直径10mm、出口部直径8mm、穴長さ40mmである。
変形中途中止めした材料の縦断面組織写真を図12に示した。コンテナー内の未変形部bの結晶粒は、素材が押出し材であるため伸長していた。この部分の直径方向の粒径は50〜60μm程度であった。ダイス内の変形部dの結晶粒の直径は通常の光学顕微鏡では明確に測定できないほどひずみが多く入っていた。cは変形部と未変形部の境界である。
この例の場合,相当ひずみの大きさの目安である「(コンテナー内材料半径)×(ダイスとコンテナーの相対回転数)/(プッシャー押込み速度)」の値は10である.
図13は途中止め材の縦断面のマイクロビッカース硬度の測定結果である。未変形部bと変形部dの直径方向分布を示しているが、変形部の硬度が大きく上昇し、しかも材料軸心部の硬度が外周部と比べて必ずしも低くなっていないことが注目される。なお、横軸の番号は直径方向位置を示しており、4が材料の軸心位置である。
〔実施例2〕純アルミニウム(A1070)の棒材(直径15mm、長さ40mm)を使用し、図14の装置を用いて、第2の方法でコンテナーを回転する方式のねじり後方押出し法を常温で実施した。
回転コンテナー3は材料の進行方向に移動しないようにホルダー7により支持され、連結軸9を介してモーターMにより回転させられる。10−2はスラストベアリングである。ダイス2は回転しないプッシャー4に固定されており、ねじり押出し中プッシャー4により材料1に押出し力をおよぼし、材料1はダイス2内部の中空部に押し出されていく。コンテナー3とホルダー7の間、およびダイス2とコンテナー3の内面の間ににラジアルベアリングを設けた方がスムーズな回転が得られている。この例では図示していない。
プッシャー速度は毎分10mm、ダイス回転数は毎分30回の条件で試験した。ダイス穴寸法は平行部直径5mm、ダイス先端R部は5mmRである。
この例の場合,相当ひずみの大きさの目安である「(コンテナー内材料半径)×(ダイスとコンテナーの相対回転数)/(プッシャー押込み速度)」の値は22.5である。
コンテナー内の未変形部の直径方向結晶粒直径はやはり50〜60μm程度であったが、ダイス内の変形部の結晶粒の直径はこの場合も通常の光学顕微鏡では明確に測定できないほどひずみが多く入っていた。変形部のビッカース硬度の平均値は53.5であった。
〔実施例3〕実施例1と同じ純アルミニウ厶(A1070)の棒材(直径10mm、長さ60mm)を使用し、図15の装置を用いて、第3の方法でダイスを回転する方式のねじり両押し押出し法を常温で実施した。
回転ダイス2はコンテナ3とスラストベアリング10−1を介して回転自在に接続されているが、このスラストベアリング10−1は,コンテナー3とダイス2の近接部の内で材料との接触部近傍の隙間を、材料の変形中ほぼ0に保つようにする役目をもつ。また、回転ダイス2はスラストベアリング10−2を介してホルダー8と回転自在に接続されると同時にホルダー8と13にラジアルベアリング11により押出し軸aの周りに回転自在に支持されている。
材料に左方から押出し力P1を作用させて押出しを行うが、同時に右方から押出し力P2を材料の押出しによる押出し軸方向への進行を妨げないように作用させると同時にモーターMで回転ダイス2を回転させる。
プッシャー速度は毎分10mm、ダイス回転数は毎分40回の条件で試験した。ダイス穴直径はコンテナーと同じく10mmである。
この例の場合、相当ひずみの大きさの目安である「(コンテナー内材料半径)×(ダイスとコンテナーの相対回転数)/(プッシャー押込み速度)」の値は100である。
変形部には、この場合にも結晶粒の直径が通常の光学顕微鏡では明確に測定できないほどひずみが多く入っていた。
ビッカース硬度は平均で約56.2であった。
〔実施例4]純アルミニウム粉末(粒径約80μm、水アトマイズ粉)を図14の装置を使用して圧密した。プッシャー速度およびダイス回転数も実施例2と同様である。密度をアルキメデス法で測定した。素材粉末の充填密度は約40%であったが、変形部は99.9%に達していた。
圧縮ねじり法の縦断面図 ねじり前方押出し法(ダイス回転方式)の水平断面図 ねじり前方押出し法(コンテナー回転方式)の水平断面図 非対称ねじり前方押出し法(コンテナー回転方式)の水平断面図 せん断ひずみ説明図 非対称ねじり前方押出し法(コンテナー回転方式)の水平断面図 非対称ねじり前方押出し法(コンテナー回転方式)の水平断面図 ねじり後方押出し法(ダイス回転方式)の水平断面図 非対称ねじり後方押出し法(コンテナー回転方式)の水平断面図 ねじり両押し押出し法(ダイス回転方式)の水平断面図 ねじり前方押出し法(ダイス回転方式)の水平断面図 材料の縦断面組織写真 材料縦断面のビッカース硬度分布 ねじり後方押出し法(コンテナー回転方式)の水平断面図 ねじり両押し押出し法(ダイス回転方式)の水平断面図
符号の説明
1 材料
1−1 コンテナ側材料
1−2 ダイス側材料
2 ダイス
3 コンテナー
4 プッシャー
5 上パンチ
6 下パンチ
7 コンテナーホルダー
8 ダイスホルダー
9 工具モーター間連結軸
10 スラストベアリング
11 ラジアルベアリング
12 金型ホルダー
13 ダイスホルダー
14 駆動ベルト
A 材料の未変形部と変形部の境界の横断面積
a 押出し軸
aa 押し込み軸
b 材料の未変形部横断面位置
c 材料の未変形部と変形部の境界の横断面位置
d 材料の変形部横断面位置
e 円周上の変形前位置
f 円周上の変形後位置
g せん断ひずみ変形の基準位置

Claims (10)

  1. コンテナー内に装填された金属固体材料をプッシャーで押し込み、ダイスで変形させる前方押出し法において、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行う際に,コンテナーとダイスの間にスラストベアリングを設置することにより,コンテナーとダイスが相近接する面の材料近傍位置の隙間をほぼ0にすることを特徴とするねじり前方押出し法。
  2. コンテナー内に装填された金属固体材料をプッシャーで押し込み、ダイスで変形させる前方押出し法において、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行う際に,{(コンテナー内材料半径)×(ダイスとコンテナーの相対回転数)/プッシャー押込み速度}を10以上にすることを特徴とするねじり前方押出し法。
  3. コンテナー内に装填された金属固体材料をプッシャーで押し込み、ダイスで変形させる前方押出し法において、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行う際に,コンテナーとダイスの間にスラストベアリングを設置することにより,コンテナーとダイスが相近接する面の材料近傍 位置の隙間をほぼ0にし,さらに,{(コンテナー内材料半径)×(ダイスとコンテナーの相対回転数)/プッシャー押込み速度}を10以上にすることを特徴とするねじり前方押出し法。
  4. コンテナー内に装填された金属固体材料をプッシャーで圧力P1で押し込み、コンテナー内面と同形状で同横断面積の穴を有するダイスを通過させる前方押出し法において、ダイスの出側からも材料の進行を妨げない程度の背圧P2をかけるとともに、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらねじり両押し押出し加工を行う方法。
  5. コンテナー内に装填された金属固体材料をプッシャーで押し込み、ダイスで変形させる前方押出し法において、ダイス内面穴形状が軸対称でないことを特徴とする、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行うねじり前方押出し法。
  6. コンテナー内に装填された金属固体材料をプッシャーで押し込み、ダイスで変形させる前方押出し法において、ダイス内面穴形状が軸対称であり、その中心軸がコンテナーの中心軸と平行であるが一致しないようにずらしてあることを特徴とする、コンテナーあるいはダイスの一方を回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながらプッシャーにより押出し加工を行うねじり前方押出し法。
  7. 底部を有するコンテナー内に装填された金属固体材料を先端が、中空の穴を有するダイス、となっている中空のプッシャーで押し込み、ダイス穴から材料を押し込み方向と逆方向へ押し出す後方押出し法において、ダイス内面穴形状が軸対称であり、その中心軸がコンテナーの中心軸と平行であるが一致しないようにずらしてあることを特徴とする、コンテナーを押出し軸方向に移動しないように固定し、さらに中空プッシャーかあるいはコンテナーのいずれかを回転しないように回転方向に固定し、他方を押出し軸の周りに回転させながら中空プッシャーにより押出し加工を行うねじり後方押出し法。
  8. 中空のコンテナーとコンテナー内の金属固体材料を押し込むプッシャーと中空のダイスをほぼ一線に配置し,コンテナとダイスの一方を他方に対して、押し込み軸上で相対的に回転させる前方押出し装置において,コンテナーとダイスが相近接する面の材料近傍位置の隙間をほぼ0にするためにコンテナーとダイスの間にスラストベアリングを設置することを特徴とする装置。
  9. 中空のコンテナーとそのコンテナー内の金属固体材料を押し込むプッシャーと中空のダイスとそのダイス内を移動する材料に対して進行を妨げる向きの力をおよぼす背圧プッシャーからなり,コンテナーとダイスの一方を他方に対して,押し込み軸上で相対的に回転させる機構を有する前方ねじり押出し装置。
  10. 中空のコンテナーとそのコンテナー内の金属固体材料を押し込むプッシャーと中空のダイスとそのダイス内を移動する材料に対して進行を妨げる向きの力をおよぼす背圧プッシャーからなり,コンテナーとダイスの一方を他方に対して,押しこみ軸上で相対的に回転させる機構を有するねじり前方押出し装置において,コンテナーとダイスが相近接する面の材料近傍位置の隙間をほぼ0にするためにコンテナーとダイスの間にスラストベアリングを設置することを特徴とする装置。
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