JP4308687B2 - 平版印刷版原版 - Google Patents
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Description
また、同様の目的で種々の改良技術が提案され、例えば、親水性支持体上に、アルカリ可溶性樹脂を含有する下層と、赤外線感応性で耐アルカリ現像性の上層とを積層してなる平版印刷版原版を用いた印刷版作成方法(例えば、特許文献2参照。)などが提案されているが、用いられるアルカリ可溶性樹脂が耐薬品性に劣り、プレートクリーナー等が下層の端部に接触するとそこから浸透して膜強度を低下させ、画像形成層が剥離しやすくなるなどの問題を有しており、このように、下層の膜強度に依存する耐刷性と、耐薬品性との両立は困難であった。
即ち、本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、主鎖構造中にフェノール骨格と尿素結合とを有する樹脂を含有する下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂及び赤外線吸収剤を含有し、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する上層と、を含む記録層を設けてなることを特徴とする。
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、主鎖構造中にフェノール骨格と尿素結合とを有する樹脂を含有する下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂及び赤外線吸収剤を含有し、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する上層と、を含む記録層を設けてなることを特徴とする。
以下、本発明の平版印刷版原版の各構成について、順次、詳細に説明する。
本発明に係る下層は、主鎖構造中にフェノール骨格と尿素結合とを含む特定の構造単位を有する樹脂を含有することを特徴とする。
ここで用いられる特定フェノール樹脂としては、主鎖に、フェノール骨格と尿素結合(−NHCONH−)とを有する樹脂であって、主鎖中のフェノール性水酸基はエステル、エーテル等の誘導体であってもよい。この樹脂は水不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましく、ジメチロールウレアと、フェノール類、ビスフェノール類、ヒドロキシナフタレン類、p−クレゾール/ホルムアルデヒドの低分子量縮合化合物からなる群より選ばれるいずれかのモノマーとの縮重合により得られる樹脂であることが好ましい。
また、特定フェノール樹脂において、フェノール性水酸基が、エーテル基、エステル基、ウレタン基、及び、カーボネート基からなる群のいずれかに置換されていてもよい。
このような特定フェノール樹脂は、具体的には、下記一般式(I)で表される構成単位を有する樹脂である。
R1及びR2としては、具体的には、以下に挙げる基が好ましい。また、R2が置換基を有する場合、導入可能な置換基としては、炭素数12以下の炭化水素基、アルコキシ基、エステル基、アセチル基、置換アミノ基、ウレイド基、ハロゲン原子などが挙げられる。
具体的には、塩基性化合物の存在下で行われる以下の反応が挙げられ、例えば、有機ハロゲン化合物を反応させて得られるエーテル誘導体、有機シリルクロリド類を反応させて得られるシリルエーテル誘導体、有機シランやシロキサン類を反応させて得られるシリルエーテル誘導体、有機酸クロライド、有機スルホン酸クロライド、有機燐酸クロライド等の有機酸クロライド類を反応させて得られるエステル誘導体、クロル蟻酸エステル類を反応させて得られるカーボネート誘導体などが挙げられる。また、イソシアナートとの付加反応により得られるウレタン誘導体、エポキシ化合物との付加反応により得られるエーテル誘導体なども好ましく挙げることができる。
前記一般式(I)以外の共重合成分としては、酸基を有する構造単位、具体的には、以下に詳述する(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基などを有する構造単位が挙げられ、より具体的な例として、フェノール類中のビスフェノールA類やナフタレン類なども好ましく挙げられる。
特定フェノール樹脂の分子量は、耐溶剤性及び塗布溶剤への溶解性の観点から、質量平均分子量が1000以上、より好ましくは2000〜50000で、数平均分子量が500以上、より好ましくは1000〜20000の範囲である。
本発明に係る下層成分中に含まれる特定フェノール樹脂の含有量は、全固形分中、20〜95質量%、好ましくは50〜80質量%である。
また、混合する量としては、前記特定フェノール樹脂に対して50質量%以下であることが好ましい。
本発明に係る上層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、「アルカリ可溶性樹脂」と称する)と、赤外線吸収剤と、を含有し、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大することを特徴とする。以下、本発明に係る上層の各成分について説明する。
本発明における上層に使用可能なアルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものであれば特に制限はないが、高分子中の主鎖および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、またはこれらの混合物であることが好ましい。
このような酸性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、特に、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基のいずれかの官能基を分子内に有する高分子化合物が挙げられる。例えば、以下のものが例示されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
このような化合物としては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
ここで使用可能な他の重合性モノマーとしては、下記(m1)〜(m12)に挙げる化合物を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
特に、本発明に係るアルカリ可溶性樹脂が、フェノールホルムアルデヒド樹脂、または、クレゾールアルデヒド樹脂等である場合には、重量平均分子量が500〜20,000であり、数平均分子量が200〜10,000のものが好ましい。
また、本発明においては、アルカリ性水溶液に対し溶解速度の異なる2種類以上のアルカリ可溶性樹脂を混合して用いてもよく、その場合の混合比は自由である。なお、該フェノール性水酸基を有する樹脂と混合するのに好適なアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基を有する樹脂と相溶性が低いことから、アクリル樹脂であることが好ましく、更に好ましくはスルホアミド基を有するアクリル樹脂である。
本発明の平版印刷版原版には、記録層の上層に赤外線吸収剤を添加する必要がある。赤外線吸収剤を添加することにより、記録層は赤外線レーザ感応性となる。ここで用いられる赤外線吸収剤としては、波長750nmから1,400nmに吸収極大を有し、この波長の光を吸収し熱を発生する染料であれば特に制限はなく、赤外線吸収性染料として知られる種々の染料を用いることができる。
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、これらの赤外線吸収剤は記録層と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。別の層とする場合、記録層に隣接する層へ添加するのが望ましい。
前記好ましい染料として挙げたシアニン色素などの赤外線吸収剤は前記アルカリ可溶性樹脂と相互作用を形成してアルカリ可溶性樹脂の溶解抑制剤として機能する。なお、赤外線吸収剤としてこのようなが溶解抑制能を有する化合物以外のものを用いる場合には、後述する溶解抑制剤を上層に添加することが好ましい。
本発明に係る上層には、そのインヒビション(溶解抑制能)を高める目的で、現像抑制剤を含有させることが好ましい。
本発明に係る現像抑制剤としては、前記アルカリ可溶性樹脂と相互作用を形成し、未露光部においては該アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する溶解性を実質的に低下させ、且つ、露光部においては該相互作用が弱まり、現像液に対して可溶となり得るものであれば特に限定はされないが、特に4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール系化合物等が好ましく用いられる。また前記赤外線吸収剤として、現像抑制剤の機能を有する化合物を用いた場合には、後述する現像抑制剤を添加する必要はない。
具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトララウリルアンモニウムブロミド、テトラフェニルアンモニウムブロミド、テトラナフチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラステアリルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ベヘニルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリエチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ジベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジメチルアンモニウムブロミド、トリステアリルメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ヒドロキシフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、N−メチルピリジニウムブロミド等が挙げられる。特に特願2001−226297号、特願2001−370059、特願2001−398047明細書記載の4級アンモニウム塩が好ましい。
R1−{−O−(R3−O−)m−R2}n ・・・一般式(1)
上記一般式(1)中、R1は、多価アルコール残基又は多価フェノール残基を表し、R2は水素原子、置換基を有していても良い炭素原子数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキロイル基、アリール基又はアリーロイル基を表す。R3は置換基を有しても良いアルキレン残基を表し、mは平均で10以上、nは1以上4以下の整数を表す。
このようなラクトン化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物が挙げられる。
以下に、一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
本発明に用いられるラクトン化合物は、いずれか1種を用いても、2種以上を併用してもよい。また2種類以上の一般式(L−I)の化合物、又は2種類以上の一般式(L−II)の化合物を用いる場合、合計添加量が上記範囲内であれば任意の比率で併用することができる。
このようなオニウム塩のなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報記載のものがあげられる。
そのようなo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1、2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号に記載されているベンゾキノン−(1,2−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
また特開平11−288089号記載の少なくとも一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂を含んでも良い。
添加量としては、上層全固形分に対し、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
前記記録層の下層および上層を形成するにあたっては、上記の必須成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。以下に挙げる添加剤は下層のみに添加してもよいし、上層のみに添加してもよいし、両方の層に添加してもよい。
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、感度を向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加してもよい。
酸無水物類としては環状酸無水物が好ましく、具体的に環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。非環状の酸無水物としては無水酢酸などが挙げられる。
上記の酸無水物、フェノール類及び有機酸類の下層あるいは上層の全固形分に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特願2001−247351に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の下層あるいは上層の全固形分に占める割合は、0.01〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
これらの染料は、下層あるいは上層の全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で添加することができる。
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加しても良い。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
本発明に係る上層には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6,117,913号明細書、特願2001−261627号、特願2002−032904号、特願2002−165584号の各明細書に記載されているような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルを有する化合物などを挙げることが出来る。添加量として好ましいのは、上層中に占める割合が0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明の平版印刷版原版における下層及び上層は、通常上記各成分を溶剤に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより形成することができる。
ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用される。
2つの層を分離して形成する方法としては、例えば、下層に含まれる成分と、上層に含まれる成分との溶剤溶解性の差を利用する方法、または、上層を塗布した後、急速に溶剤を乾燥、除去させる方法等が挙げられる。
以下、これらの方法について詳述するが、2つの層を分離して塗布する方法はこれらに限定されるものではない。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
特に、上層塗布時に下層へのダメージを防ぐため、上層塗布方法は非接触式である事が望ましい。また接触型ではあるが溶剤系塗布に一般的に用いられる方法としてバーコーター塗布を用いる事も可能であるが、下層へのダメージを防止するために順転駆動で塗布する事が望ましい。
また、上層成分の乾燥後の塗布量は、0.05〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。0.05g/m2未満であると現像ラチチュード、耐傷性が低下する原因となり、1.0g/m2を超えると感度が低下するため好ましくない。
下層および上層を合わせた乾燥後の塗布量としては、0.6〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5g/m2の範囲である。0.6g/m2未満であると耐刷性が低下する原因となり、4.0g/m2を超えると画像再現性が劣化したり感度が低下したりするため好ましくない。
本発明の平版印刷版原版に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
以上のように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
上記のようにして作成された平版印刷版原版は、画像様に露光され、その後、現像処理を施される。
本発明の平版印刷版原版の像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマレーザー等が挙げられる。本発明においては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
本発明の平版印刷版原版の現像に用いる現像液および補充液としては、従来から知られている、緩衝作用を有する有機化合物と塩基とを主成分とし、実質上、二酸化ケイ素を含有しないアルカリ現像液を用いることができる。本発明では、このような現像液を以下、「非シリケート現像液」と称する。なお、ここで「実質上」とは不可避の不純物及び副生成物としての微量の二酸化ケイ素の存在を許容することを意味する。
本発明の平版印刷版原版の現像工程に、このような非シリケート現像液を適用することで、傷の発生抑制効果は発現され、画像部に欠陥のない、良好な平版印刷版を得ることができる。アルカリ水溶液としては、特にpH12.5〜13.5のものが好ましい。
前記糖アルコールとしては、例えば、D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−アンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、アロズルシット等が挙げられる。
さらには、二糖類の水素添加で得られるマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)等も好適に挙げることができる。
これらの非還元糖は、単独でも、二種以上を組合せてもよく、現像液中に占める割合としては、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
前記アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等の無機アルカリ剤、クエン酸カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等もそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
<合成例1>
攪拌機および加熱装置付きの200mlフラスコ中に、メタノール30gと、N,N−ジメチルアセトアミド5gを投入した。次いで、カテコール13.87g(0.126モル)と、N,N’−ジメチロールウレア13.76g(0.115モル)を添加した。これを室温で攪拌しながら濃塩酸6g(12規定)を加えた後、加熱を開始し55℃に達したら、そのまま温度を保ち、55〜60℃で5時間反応させた。この反応溶液を400mlの水中に攪拌しながら注ぐと、淡黄色の固形物が析出した。これをろ別後、乾燥して、特定フェノール樹脂(1)20gを得た。この際の収率は72%であった。
上記合成例1において、出発物質であるカテコール13.87g(0.126モル)を、それぞれ3−メチルカテコール15.64g(0.126モル)、4−メチルカテコール15.64g(0.126モル)、3−メトキシカテコール15.64g(0.126モル)に換えた以外は、合成例1と同様の方法で、樹脂を得た。それぞれ特定フェノール樹脂(2)25g(収率 85%)、特定フェノール樹脂(3)23g(収率 78%)、特定フェノール樹脂(4)22g(収率 75%)を得た。
攪拌機および加熱装置付きの500mlフラスコ中に、メタノール150gと、水15gを投入した。次いで、ピロガロール63.05g(0.50モル)及びN,N’−ジメチロールウレア50.0g(0.45モル)を添加し、攪拌溶解した。これに濃塩酸7.0g(12規定)を添加した後、加熱を開始し55℃に達したら、そのまま温度を保ち、55−60℃で7時間反応させた。反応終了後の反応溶液を1000mlの水中に攪拌しながら注ぎ、析出した固形物をろ別乾燥して、特定フェノール樹脂(5)89gを得た。収率は79%であった。
攪拌機、シリカゲル乾燥管及び加熱装置付きの200mlフラスコ中に、乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド100mlを投入した。次いで、合成例1で得た特定フェノール樹脂(1)5.0gを加えて、室温にて攪拌溶解した。これにフェニルイソシアナート5.0g(カテコールの水酸基2個に対して1.7モル当量)を加え、更に、3滴のジ−n−ブチル錫ジラウレートと3滴のトリエチルアミンを加え、50℃にて2時間反応させた。反応終了後の反応溶液を1000mlの水中に攪拌しながら注ぎ、析出した固形物をろ別乾燥して、特定フェノール樹脂(6)8.0gを得た。収率は80%であった。
攪拌機及びシリカゲル乾燥管付きの200mlフラスコ中に、乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド100mlを投入した。次いで、合成例1で得た特定フェノール樹脂(1)5.0gを加えて、室温にて攪拌溶解した。これにp−トルエンスルホニルクロリド2.5g(カテコールの水酸基2個に対して1.0モル当量)を加え、更に、トリエチルアミン2.0gを加えて、一昼夜室温にて攪拌反応させた。反応終了後の反応溶液を1000mlの水中に攪拌しながら注ぎ、数滴の65%硫酸水溶液を加えて酸性とした。この反応溶液から析出した固形物をろ別乾燥して、特定フェノール樹脂(7)6.0gを得た。収率は80%であった。
<合成例8>
p−トルエンスルホニルクロリドの添加量を4.0g(カテコールの水酸基2個に対して1.6モル当量)、トリエチルアミンの添加量を3.0gとした以外は、合成例7と同様にして、特定フェノール樹脂(8)7.0gを得た。収率は78%であった。
攪拌機及びシリカゲル乾燥管付きの200mlフラスコ中に、乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド100mlを投入した。次いで、合成例5で得た特定フェノール樹脂(5)3.0gを加えて、室温にて攪拌溶解した。これにp−トルエンスルホニルクロリド6.0g(ピロガロールの水酸基3個に対して2.2モル当量)を加え、更に、トリエチルアミン4.6gを加えて、一昼夜室温にて攪拌反応させた。反応終了後の反応溶液を1000mlの水中に攪拌しながら注ぎ、数滴の65%硫酸水溶液を加えて酸性とした。この反応溶液から析出した固形物をろ別乾燥して、特定フェノール樹脂(9)7.0gを得た。収率は87%であった。
<合成例10>
p−トルエンスルホニルクロリドの添加量を8.2g(ピロガロールの水酸基3個に対して3.0モル当量)、トリエチルアミンの添加量を6.8gとする以外は、合成例9と同様にして特定フェノール樹脂(10)7.2gを得た。収率は75%であった。
攪拌機及びシリカゲル乾燥管付きの200mlフラスコ中に、乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド150mlを投入した。次いで、合成例5で得た特定フェノール樹脂(5)12.2gを加えて、室温にて攪拌溶解した。これに3−ニトロベンジルクロリド5.0g(ピロガロールの水酸基3個に対して1.5モル当量)を加え、更に、トリエチルアミン3.5gを加えて、一昼夜室温にて攪拌反応させた。反応終了後の反応溶液を1000mlの水中に攪拌しながら注ぎ、数滴の65%硫酸水溶液を加えて酸性とした。この反応溶液から析出した固形物をろ別乾燥して、特定フェノール(11)樹脂12.0gを得た。収率は73%であった。
攪拌機及びシリカゲル乾燥管付きの200mlフラスコ中に、乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド150mlを投入した。次いで、合成例5で得た特定フェノール樹脂(5)5.0gを加えて、室温にて攪拌溶解した。これにp−トルオイルクロリド1.85g(ピロガロールの水酸基3個に対して1.5モル当量)を加え、更に、トリエチルアミン1.5gを加えて、一昼夜室温にて攪拌反応させた。反応終了後の反応溶液を1000mlの水中に攪拌しながら注ぎ、数滴の65%硫酸水溶液を加えて酸性とした。この反応溶液から析出した固形物をろ別乾燥して、特定フェノール樹脂(12)4.3gを得た。収率は55%であった。
[支持体の作成]
厚さ0.24mmのアルミニウム板(Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.014質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金)に対し以下に示す表面処理を連続的に行った。
陽極酸化処理されたアルミニウム板を温度30℃の3号ケイ酸ソーダ1質量%水溶液中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
上記のようにして得られたシリケート処理後のアルミニウム板上に、下記組成の下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥して、乾燥被覆量15mg/m2の下塗り塗膜を形成させて、支持体Aを作製した。
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2であった。
・下記化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
その後、下記組成の上層用塗布液1を塗布量が0.22g/m2になるようバーコーター塗布したのち、148℃で25分間乾燥し、更に20〜26℃の風で徐冷し、実施例1の平版印刷版原版を作成した。
・合成例1で得られた特定フェノール樹脂(1) 2.133g
・シアニン染料A(下記構造) 0.134g
・4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン 0.126g
・無水テトラヒドロフタル酸 0.190g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン
ヘキサフルオロホスフェート 0.032g
・エチルバイオレットの対イオンを
6−ヒイドロキシナフタレンスルホンに変えたもの 0.781g
・ポリマー1(下記構造) 0.035g
・γ−ブチロラクトン 52.40g
・1−メトキシ−2−プロパノール 17.60g
・m,p−クレゾールノボラック 0.3479g
(m/p比=6/4、重量平均分子量4500、
未反応クレゾール0.8質量%含有)
・シアニン染料A(上記構造) 0.0192g
・エチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体
(37/37/26wt%)30%MEK溶液 0.1403g
・ポリマー1(上記構造) 0.015g
・ポリマー2(下記構造) 0.00328g
・メチルエチルケトン 13.07g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79g
実施例1における下層用塗布液1で用いた特定フェノール樹脂(1)〔表1中に(合成例1)と記載、以下の樹脂も同様に記載〕を、前記合成例で得られた特定フェノール樹脂(2)〜(4)、(6)〜(12)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2〜11の平版印刷版原版を作成した。
実施例1で下層用塗布液1に用いたポリウレタン樹脂(1)を、比較化合物〔N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル(36/34/30:重量平均分子量50000、酸価2.65)〕に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の平版印刷版原版を作成した。
(耐刷性の評価)
実施例1〜11の平版印刷版原版及び比較例1の平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにて露光エネルギーを変えて、テストパターンを画像状に描き込みを行った。その後、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(希釈して、電導度43mS/cmとしたもの)で現像した平版印刷版を、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて連続して印刷した。この際、どれだけの枚数が充分なインキ濃度を保って印刷できるかを目視にて測定し、耐刷性を評価した。枚数が多いほど耐刷性に優れるものと評価する。結果を以下の表1に示す。
実施例1〜11の平版印刷版原版及び比較例1の平版印刷版原版を、上記耐刷性の評価と同様にして露光・現像および印刷を行った。この際、5,000枚印刷する毎に、クリーナー(富士写真フイルム社製、マルチクリーナー)で版面を拭く工程を加え、耐薬品性を評価した。枚数が多いほど耐薬品性に優れるものと評価する。結果を以下の表1に示す。
実施例1〜11の平版印刷版原版及び比較例1の平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにて、ビーム強度9W、ドラム速度150rpmで走査露光し、0.5%網点(ハイライト)を形成し、露光後、上記現像液で現像した。現像した平版印刷版を、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて連続して印刷した。この際、どれだけの枚数が充分なインキ濃度を保って印刷できるかを目視にて測定し、網点耐刷性を評価した。枚数が多いほど網点耐刷性に優れるものと評価する。結果を以下の表1に示す。
実施例1〜11及び比較例1の感熱性平版印刷版をCreo社製Trendsetterにてビーム強度9W、ドラム回転速度150rpmでテストパターン(Staccato10)を画像状に描き込みを行った。上記の条件で露光した平版印刷版原版1〜11を、富士写真フィルム(株)DT−2(水で希釈して電導度43mS/cmとしたもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー940HIIを用い、液温を30度に保ち、現像時間12sで現像した。得られた画像のエッジ部を電子顕微鏡(日立S−800 日立製作所(株)製)にて観察した。画像シャープ性評価は下記基準で行った。
○:画像の辺がまっすぐになっているもの
△:画像の辺の一部が少し欠けているもの
×:画像の辺の1/2以上が欠けているもの
実施例1〜11及び比較例1の感熱性平版印刷版をロータリー・アブレーション・テスター(TOYOSEIKI社製)を用い、250gの荷重下、アブレーザーフェルトCS5で15回摩擦した。
その後、富士写真フイルム(株)DT−2(水で希釈して電導度43mS/cmとしたもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー940HIIを用い、液温を30度に保ち、現像時間12sで現像した。耐傷性の評価は下記基準で行った。
○:摩擦した部分の感光膜の光学濃度がまったく変化しなかったもの
△:摩擦した部分の感光膜の光学濃度低下が目視でわずかに観察されたもの
×:摩擦した部分の感光膜の光学濃度が非摩擦部の2/3以下になったもの
実施例1の支持体の作製において、陽極酸化処理した後、シリケート処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の下塗層を設けた支持体Bに、記録層(下層、上層)を設け、実施例12の平版印刷版原版を作製した。
得られた感熱性平版印刷版に実施例1と同様の方法で露光を行い、下記アルカリ現像液Aを仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセサー900HIIを用い、現像温度を28℃に保ち、現像時間25秒で現像を行った。その後、実施例1と同様の方法で、耐刷性、耐薬品性、耐傷性、及び画像のシャープさの評価を行った。
このことにより、シリケート処理した支持体を用いた平版印刷版を非シリケート現像液で現像した実施例1と同様に、シリケートによる親水化処理を施さない支持体を用いた平版印刷版をシリケート現像液で現像した実施例12においても、優れた性能が得られることが確認された。
・SiO2・K2O(K2O/SiO2=1/1(モル比)) 4.0質量部
・クエン酸 0.5質量部
・ポリエチレングリコール変性ソルビトール 1.0質量部
(平均30ユニット付加体)
・水 50.0質量部
実施例1で用いた支持体の代わりに、下記支持体の作製で得た支持体Cを用いた以外は実施例1と同様にして、平版印刷版原版を作製した。この平版印刷版原版も、実施例1と同じ評価をしたところ、耐刷性17万枚、耐薬品性10万枚、網点耐刷性15万枚であり、耐傷性、画像のシャープさも実施例1と同様に良好であった。
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A 1050)を苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温60℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗し、10g/l硝酸で中和洗浄後、水洗した。これを印加電圧Va=20Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて、塩化水素濃度15g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温30℃の水溶液中で、500C/dm2の電気量で電気化学的な粗面化処理を行い水洗後、苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温40℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗した。次に、硫酸濃度15質量%、液温30℃の硫酸水溶液中でデスマット処理を行い水洗した。さらに、液温20℃の10質量%硫酸水溶液中、直流にて電流密度6A/dm2の条件下で、陽極酸化皮膜量が2.5g/m2相当となるように陽極酸化処理し、水洗、乾燥した。その後、珪酸ナトリウム2.5質量%水溶液で30℃において10秒間処理し、支持体を作製した。この支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.48μmであった。
上記のようにして得たシリケート処理済みアルミニウム板上に、実施例1と同じ下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗布量17mg/m2の下塗層を有する支持体Cを得た。
Claims (3)
- 前記主鎖構造中にフェノール骨格と尿素結合とを有し、前記一般式(I)で表される構成単位を有する樹脂が、ジメチロールウレアと、フェノール類、ビスフェノール類、ヒドロキシナフタレン類、p−クレゾール/ホルムアルデヒドの低分子量縮合化合物からなる群より選ばれるいずれかのモノマーとの縮重合により得られる樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の平版印刷版原版。
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