JP4308751B2 - 化粧板の製造システム及び製造方法 - Google Patents

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本発明は、家具や住宅などに用いられる扉材やパネル材として利用される化粧板の製造システム及び製造方法に関するものであり、特に、化粧シートを基材に張り合わせた際に、基材の周囲からはみ出した化粧シートの余剰部分を除去するためのシステム及び方法に関するものである。
従来より、扉材やパネル材に用いられる化粧板として、合板やパーティクルボードなどの木質基材を利用した化粧板が知られている。こうした化粧板は、基材の露出する部分、例えば表面や端面部分に、木目やその他の模様を印刷した薄手の化粧シートを貼着することで、意匠性の高い、かつ経済性に優れる建材を実現するものである。
なお、こうした化粧板に利用される化粧シートの大きさは、基材の表面と端面とを加算したサイズ(化粧シートが貼着される面積)より大きく設定され、貼着される。何故ならば、多数の基材に連続して化粧シートを貼着する場合、基材表面の凹凸や厚みのばらつきによって、基材の表面に隙間無く貼り付けるために必要とされる化粧シートのサイズが変化するからであり、これらのばらつきを吸収するため、基材よりも大きめの化粧シートを用いることが一般的である。そこで、はみ出した余剰部分の化粧シートを切除する、トリミング工程が必要となる。
ところで、上記化粧板において、基材に貼着される化粧シートの素材としては、例えば塩化ビニル樹脂が挙げられる。塩化ビニル樹脂は、可塑剤の添加により硬度の調節が容易であり加工性に優れること、印刷適性に優れていること、エンボス加工性が良い事、切削加工性が良い事など多くの利点を有してはいるものの、焼却時に塩化水素ガスを発生させ、酸性雨やダイオキシンの発生要因になるとも言われている。さらに、塩化ビニル樹脂は、軟化温度が40℃程度と比較的低いため、基材表面に貼着した後すぐにトリミングを行うと、冷えて固まるに従って縮んでしまう傾向がある。例えば、トリミング直後は、図5(a)に示すように基材Kの端面をくまなく覆うものであっても、一定時間が経過し、塩化ビニル樹脂が十分に冷えて固まった後は、図5(b)に示すように縮んで基材Kの表面が露わに(矢印a)なる場合がある。このため、接着剤や塩化ビニル樹脂が十分に冷えるまではトリミング工程に移行できず、一連の搬送ライン上にて貼着工程からトリミング工程までを連続的に行うことが困難となっている。そこで、基材Kよりも大きいサイズの化粧シートを貼着させ、トリミングを行う代わりに、余剰部を基材Kの裏面に巻き込むなどの対策がとられているが、このような方法では、化粧板裏面の意匠性が著しく低下する。また、裏面に別の化粧シートを貼着させるとしても、巻き込んだ表面用化粧シートの余剰部分によって裏面用の化粧シートの貼着方法も制限を受けるという問題がある。そこで、塩化ビニル樹脂に代わり、より環境に優しく、コスト性にも優れ、トリミング後の伸縮が比較的少ないコート紙など薄紙の利用が広まってきた。
ここで、化粧シートとして薄紙を適用した場合、トリミング工程において、以下の点に留意する必要がある。すなわち、薄紙は、塩化ビニル樹脂とは違い、吸水性を有する素材である。従って、接着剤を塗布すると、繊維の奥まで接着剤が浸透し柔らかくなってしまう。このような状態の薄紙に刃先を当てると、刃先が当たった部分の薄紙が逃げてしまい、精度良く切除することが難しい。そこで、接着剤を塗布した後は、時間をおいて乾燥させ、薄紙の強度を回復させた後にトリミング工程を行う必要がある。そこで、従来は、貼着工程終了後に、搬送ライン上より基材を取り外し、別の場所で十分に乾燥させ、接着剤の固化を確認した後に人手でトリミング作業を行っている。
以上の従来技術は、当業者において当然として行われているものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を知見していない。
しかし、上記の製造方法によれば、貼着工程からトリミング工程までを、一連の搬送ライン上で連続的に行うことができないことに加え、乾燥のための専用スペースが必要であることなどから、極めて生産性が悪かった。また、そのような専用スペースに基材を運んで積み上げる作業は非常に手間であり、作業者の負担になっていた。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、人手を煩わせることなく、一連の搬送ライン上で連続して化粧シートの余剰部を切除することを可能にする化粧板の製造システム及び製造方法の提供を課題とする。
本発明にかかる化粧板の製造システムは、「一連の搬送ライン上に、吸水性を有する薄紙の裏面に水性系または溶剤系の接着剤を塗布する塗布装置と、前記薄紙の端部が基材の端面からはみ出すように、前記基材の表面及び端面に前記薄紙を貼着させる貼着装置と、前記基材の端面よりはみ出した前記薄紙の余剰部を冷却し、前記余剰部に塗布されている前記接着剤を固化させる冷却固化装置と、冷却された前記余剰部を切除するトリミング装置とを備える」ものである。
ここで、「基材」とは、特に限定されるものではないが、例えばパーティクルボード、ベニア合板、MDF(Medium Density Fiberboard)などの木質基材を例示できる。また、「冷却」とは、接着剤中の溶剤を凝集させて固化を促進させる温度であり、室温より低い温度でかつ基材や薄紙を低温脆化させない程度の温度であることが好ましい。
また、「水性系または溶剤系の接着剤」とは、薄紙と基材とを接着するものであれば特に限定するものではないが、例えば酢酸ビニル樹脂系溶剤型接着剤などの溶剤系接着剤、及び酢酸ビニル系エマルジョン型接着剤のような水性系接着剤などが挙げられる。
また、「冷却固化装置」とは、余剰部に塗布された接着剤を、貼着時よりも低い温度で冷却して溶剤の固化を促進させる装置であり、例えば送風機が例示できる。なお、「固化」とは、接着剤中に含まれる溶剤が完全に蒸発して固化する状態は勿論のこと、接着剤中の溶剤含有率が低下して固化する過程(所謂生乾きの状態)や、溶剤の粘度が増加して硬くなる状態をも含んでいる。また、「トリミング装置」とは、刃物を有する装置であればいかなるものであってもよい。
本発明の化粧板の製造システムによれば、塗布装置によって、薄紙の裏面全面にまんべんなく接着剤が塗布される。そして、貼着工程によって、薄紙が、基材の端面からはみ出すように貼着される。この薄紙の余剰部を、冷却固化装置によって集中的に冷却することで、余剰部に塗布された接着剤を迅速に固化させることができる。そして、接着剤の固化に伴い、余剰部に含まれる繊維成分が固められ、薄紙に靭性が生じて腰がでる。このため、刃部を押し当てても余剰部が逃げないようになり、簡単に、かつ精度良くトリミングを行うことができる。また、冷却固化装置によって、接着剤が迅速に固化されるため、一連の搬送ライン上における連続的な製造工程を実現できる。
また、本発明の化粧板の製造システムによれば、ホットメルト型(熱溶融形)の接着剤を利用する場合などに比べ、加熱タンクを持ったアプリケータのような大掛かりで高価な装置を用いることなく、比較的簡単な構成を用いて薄紙を基材に貼着させることができる。よって、コスト性に優れる化粧板の製造システムを提供できる。
ところで、本発明の化粧板の製造システムにおいて、「前記塗布装置によって前記基材に前記接着剤が塗布された後であり、かつ前記冷却固化装置によって前記余剰部が冷却される前に、前記余剰部に塗布された前記接着剤に含まれる水または溶剤を蒸発させ、乾燥させる乾燥装置をさらに備える」ものとすることができる。
ここで、「乾燥装置」とは、接着剤に含まれる溶剤等を急速に蒸発させるものであればいかなるものであっても良く、例えばドライヤーなどを用いて余剰部に温風を吹きつけるものであっても良いし、一連の搬送ライン上に乾燥室を設け、この乾燥室内に基板が搬送されて通過することで接着剤の乾燥を促進させるものであっても良い。
本発明の化粧板の製造システムによれば、乾燥装置によって余剰部を乾燥させる構成のため、余剰部に塗布された接着剤中に含まれる溶剤等を素早く蒸発させることができる。これにより、迅速にトリミング工程に移行することができ、化粧板の生産効率をより一層高めることができる。
ところで、本発明の化粧板の製造システムにおいて、トリミング装置の有する刃部が、ナイフやカッターなど前後に摺動させて切断する形式の直線刃であった場合には、切除後の切屑や余剰部の接着剤などが刃部に付着し、刃部の切れ味が低下しやすいと言う問題点があった。また、搬送ライン上に存在する微妙な凹凸や傾斜により、刃部と基材との接触点が変動し、余剰部のみならず基材にも刃部が接触する恐れがあった。この場合、基材の搬送に従って刃部が基材に食い込んでしまう恐れがあった。
本発明は、この問題に鑑み、「前記トリミング装置は、前記搬送ラインによって搬送される前記基材の通路に配置され、前記余剰部を切除する回転刃を有する」ものとすることができる。
本発明の化粧板の製造システムによれば、余剰部を切除するトリミング装置は回転刃を有する。回転刃では、複数の刃部を回転させ、被切除部(ここでは、余剰部)に接触させ、断続的に切断する。このとき、刃部に付着した切屑や接着剤は、刃部が回転することで刃部から離れて飛ばされるため、目詰まりを起こしにくい。また、一つの刃部が断続的に切断を行うことから、一つの刃部のみが常に被切除部に接触することがないため、摩擦熱によって刃部が加熱されにくく、刃部の鈍りを防ぎ、切れ味をより長持ちさせることができる。従って、刃物を交換する回数が低減され、生産効率を向上させることができる。
また、本発明のトリミング装置によれば、回転刃を有するため、たとえ基材と刃部とが接触することがあっても、刃部を支持する軸を回転させることによって、基材のエッジ部(境界部)を面取りしながら刃部を基材の下部側に移動させることができる。従って、刃を基材に食い込ませたまま基材を搬送する恐れが少ない。よって、一連の搬送ライン上にてより効率的に化粧板を製造できる製造システムが提供できる。
一方、本発明にかかる化粧板の製造方法は、「吸水性を有する薄紙の裏面に水性系または溶剤系の接着剤を塗布する塗布工程と、前記薄紙の端部が基材の端面からはみ出すように基材の表面及び前記端面に前記薄紙を貼着させる貼着工程と、前記基材の前記端面よりはみ出した前記薄紙の余剰部を冷却し、前記余剰部に塗布されている前記接着剤を固化させる冷却固化工程と、冷却された前記余剰部を切除するトリミング工程とを一連の搬送ライン上で順次行う」ものである。
従って、本発明の化粧板の製造方法によれば、まず、薄紙の裏面に接着剤が塗布される。そして、接着剤の塗布された薄紙が基材に貼着される。ここで、貼着工程においては、薄紙の端部が基材の端面からはみ出すように、基材の表面及び端面に貼着される。これにより、基材の厚みや表面の凹凸状態が基材毎に変化することがあっても、すべての基材に確実に薄紙を貼着することができる。
続いて、冷却固化工程により、はみ出した薄紙の余剰部が集中的に冷却され、余剰部に塗布されている接着剤が迅速に固化する。従って、接着剤の固化に伴い、紙の繊維も固められ、薄紙に靭性が生じて腰がでる。
そして、余剰部は、トリミング工程によって切除される。余剰部の薄紙は、冷却固化工程によって靭性が生じて腰がでるので、刃物を押し当てても薄紙が逃げ難く、比較的簡単に精度良くトリミングを行うことができる。また、冷却固化工程に際して、基材に貼着された薄紙全面の接着剤を固化させる必要は無く、余剰部に塗布された接着剤のみを固化させれば良いため、素早くトリミング工程に移行でき、化粧板の生産効率を向上させることができる。
ところで、本発明の化粧板の製造方法において、「前記塗布工程の後に、前記余剰部に塗布された前記接着剤に含まれる水または溶剤を蒸発させ、乾燥させる乾燥工程をさらに行う」ものとすることができる。
本発明の化粧板の製造方法によれば、乾燥工程をさらに行うことにより、余剰部に塗布された接着剤に含まれる水または溶剤(以下、「溶剤等」という)を素早く蒸発させることができるため、より生産性の高い製造方法を提供できるものである。
なお、乾燥工程にて溶剤等を完全に蒸発させてしまうと、接着剤の固化反応が急激に進行しすぎるため、余剰部にしわが寄ったり、縮んでしまう恐れが有る。このため、乾燥工程においては蒸発を完遂させず、後に続く冷却固化工程にて接着剤の固化を完了させることが肝要であり、これにより、余剰部が曲がったり、丸まったりせず、確実に余剰部をトリミングすることができる。
このように、本発明の化粧板の製造システムを用いることにより、人手を煩わせることなく、貼着工程からトリミング工程までを、一連の搬送ライン上で連続して行えるため、基材の搬送や余剰部のトリミング作業にかかる作業者の負担を軽減できる。また、一連の搬送ライン上で順次行うことから、極めて生産性の高い製造システムを提供できる。
以下、本発明の実施形態である化粧板の製造システムについて、図1乃至図4に基づき説明する。図1は本発明の製造システムを模式的に表した説明図であり、図2は化粧板の貼着工程を示す説明図であり、図3はトリミング装置の模式図であり、図4はトリミング装置の平面図である。
なお、本実施形態の製造システム2で作製される化粧板1は、図2(a)に示すように、基材Kの表面Lと端面Wとに、接着剤Aを用いて薄紙Pを貼着し、多様な模様、色彩、及び質感を表現している。基材Kには、MDFやパーティクルボードなどの木質基材が適用されている。薄紙Pとしては、絵柄や模様が印刷された薄葉紙、コート紙、チタン紙、和紙などの紙系の材質または薄手のプラスチックフィルムが用いられ、好ましくは厚さ0.05〜0.4mmのものが適用される。また、接着剤Aとしては、特に限定されるものではないが、本実施形態では、紙系の薄紙Pにはウレタン系の接着剤や酢酸ビニル系のエマルジョン型接着剤が用いられ、プラスチックフィルム系の薄紙Pにはウレタン系の接着剤またはエチル酢酸ビニル樹脂系の接着剤などが用いられている。
図1に示すように、本実施形態の化粧板1の製造システム2は、一連の搬送ライン3上において化粧板1を製造するものであり、主に塗布装置4、貼着装置5、乾燥装置6、冷却固化装置7、及びトリミング装置8などを備える。
搬送ライン3は、基台9、ベルトコンベア10、基材クランプ台11、及び載置台12などから構成される。基台9は、一連の搬送ライン3のベースを為す台であり、全長は、生産規模や工場の敷地面積に応じて設定されている。ベルトコンベア10は、ベルト機構13、一対のベルト車14、及び駆動手段Mなどで構成されている。ベルト機構13は、幅広の無端環状ベルトであり、ベルトコンベア10の両端側に配置された一対のベルト車14によって基台9内を循環し、基材Kを図面右側から左側へと搬送する。
基台クランプ台11は、冷却固化工程やトリミング工程(後述する)において基材Kの位置決めをするものであり、一対の調節機構15によって、上下の高さが調節できるようになっている。基台クランプ台11は、ベルト機構13との協働で基材Kの左右端部側(図面手前から奥側の幅方向側の端部)を狭持しつつ、基材Kを搬送するものであり、特にトリミング工程において、基材Kが動いて位置ずれすることを防止する。載置台12は、基台9の側面から外側に向けて、フランジ状に突出した状態で設けられているものであり、トリミング装置8や後述する研磨機35などを載置できるようになっている。
塗布装置4は、図2(a)に示すように、薄紙Pの裏面に接着剤Aを塗布する装置である。塗布装置4としては、本例では公知のナイフコーターを適用しているが、この構成に限定されるものではなく、アプリケーターロールを用いた正転ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、キスコーターなど公知の塗布装置を適宜選択可能である。
貼着装置5は、図2(b)に示すように、基材Kの端面W及び表面Lに薄紙Pを貼り付けるものである。構成としては、特に限定されるものではなく、プレス装置など公知の貼着装置が例示できる。なお、薄紙Pの幅方向(基材Kの搬送方向に対して垂直方向)の長さは、複数の基材K毎のサイズのばらつきを吸収するため、基材Kの幅方向に対して必要な長さ(すなわち、端面Wの高さ×2+表面Lの幅方向の長さ)よりも長めに設定されている。従って、端面Wに貼着された薄紙Pの一部は、余剰部Yとして端面Wよりはみ出している。
乾燥装置6(図1参照)は、薄紙Pの貼着された基材Kを乾燥させるものである。本実施形態においては、乾燥装置6は箱型のドーム形状を呈しており、ベルト機構13に載置された基材Kが内部を通過できるよう構成されている。基材Kは、乾燥装置6の内部を通過することにより、余剰部Yに塗布された接着剤A(図2(b)参照)に対して温風が当てられ、乾燥させられる。
冷却固化装置7は、基材Kの余剰部Yに塗布されている接着剤A(図2(b)参照)を冷却して固化させ、余剰部Yに腰を生じさせるものである。構成としては、コンプレッサーを用いたブロワーや、ドライアイスの冷気を送風機によって吹き付ける構成などが例示でき、余剰部Yに対して冷風を吹き付けるように構成されている。
トリミング装置8は、図3及び図4に示すように、余剰部Yを切除するものであり、ベース部材16、ブロック体17、支持体18、モーター19、主倣いロール20、補助倣いロール21、及び回転刃22などを有する。ベース部材16は、トリミング装置8のベースを為す部材であり、載置台12に対して固定された略コの字形状の部材である。鉛直方向に立設された一対の鉛直レール23が備えられており、鉛直レール23によって、ブロック体17を鉛直方向にガイドできる構成である。ブロック体17の下部と支持体16との間には、調整機構24が備えられており、ブロック体17の高さを調節できるよう構成されている。
図4に示すように、ブロック体17には、さらに水平レール25が貫通している。水平レール25の両端部は、支持体18に対して固定されており、支持体18はストロークaの範囲で矢印Xの方向に移動可能である。支持体18は、壁体26と、壁体26の下部から矢印cの方向に水平に配設された底面板27と、底面板27と対向する面の壁体26の側面側に配設され、矢印bの方向に垂直に延出された一対の側面板28a,28bとを備える部材である。側面板28a,28bは、水平レール25に固定されており、底面板27には、モーター載置台29が載置されている。モーター載置台29には、上部にモーター19が載置されている。
モーター19は、電動機など公知の駆動手段から成り、回転刃22を回転駆動するものである。回転刃22は、モーター19によって回転駆動させられ、余剰部Yを切除する構成である。なお、モーター載置台29(図3参照)には、調整ネジ33が備えられており、回転刃22の位置を微調整できるよう構成されている。
図3に示すように、支持体18には、さらに、基材Kと回転刃22との位置関係を調整するための調整機構40及び付勢手段30が備えられている。調整機構40は、固定部材41、固定部材41に組みつけられた移動軸42、移動軸42の一端側に軸支されたスライド部材44、スライド部材44に取り付けられ、主倣いロール20の傾斜角度を調整する傾斜調整部材45、及び傾斜調整部材45に回動可能に軸支された主倣いロール20から構成される。固定部材41は、支持体18の上部に固定されており、移動軸42は、調整ネジ32を回すことで、矢印d及び矢印eの方向に移動可能な構成である。スライド部材44は、移動軸42の移動量に応じて傾斜調整部材45の位置をスライドさせ、傾斜角度を調整するものである。主倣いロール20は、傾斜調整部材45の端部に軸支されており、周縁部31がテーパを有する円盤状を呈している。また、付勢手段30は、スプリングやエアシリンダーなどから成り、支持体18の側面43と支持体16との間に備えられている。付勢手段30は、有る一定の圧力、例えば0.5kg/cm2程度の圧力で支持体18全体を基材Kの端面W側(矢印e側)へと付勢しており、これにより、主倣いロール20の周縁部31が端面Wに対して所定の圧力で押し付けられる構成である。従って、仮に基材Kの大きさや搬送位置が変化し、端面Wの位置が回転刃22から離れた場合(すなわち、矢印e側へとシフトした場合)でも、付勢手段30の付勢力によってモーター19及び回転刃22が基材K側へとシフトする構成である。一方、基材Kの位置が矢印d側へとシフトした場合は、主倣いロール20の周縁部31が端面Wに接触することにより、付勢手段30の付勢力に抗して支持体18全体を矢印d側へとシフトさせる構成である。このような構成を用いることにより、基材Kの位置が変動した場合であっても、常に回転刃22と余剰部Yとの位置関係を一定に保てる構成となっている。なお、調整ネジ32を回すことにより、移動軸42の先端に軸支された主倣いロール20の位置を矢印d及び矢印eの方向に移動させることができ、これにより回転刃22と基材Kとの位置関係を微調整することが可能な構成である。
また、支持体18には、補助倣いロール21が備えられている。補助倣いロール21は、基材Kの余剰部Yが、基材Kの裏面に付着して、回転刃22と接触できずに切り残されることを防ぐものであり、ベルトコンベア10と余剰部Yとの間に挿入され、基材Kの下面に接するよう配置されている。そして、余剰部Yを回転刃22と接触しやすいように立たせるよう構成されている。
なお、トリミング装置8には、図4に示すように、吸引機34がさらに備えられている。吸引機34は、図略の吸引装置と、一端側が吸引装置に接続された吸引通路36と、吸引通路36の他端側に接続され、回転刃22の周辺を囲うカップ(図示しない)とから成り、後述するトリミング工程にて発生した切屑などのゴミをカップで受取り、吸引通路36を通して吸引装置で吸い取れるよう構成されている。
研磨機35(図1参照)は、基材Kの切り口に押し当てた状態で、回動可能に接続された布やすり(図示しない)を備えるものであり、余剰部Yを切除した後の基材Kの切り口を研いで滑らかにするよう構成されている。
続いて、本発明の化粧板1の製造方法について図1乃至図3に基づき説明する。本発明の化粧板1の製造方法は、五つの工程、すなわち、「塗布工程」、「貼着工程」、「乾燥工程」、「冷却固化工程」、及び「トリミング工程」に大別することができる。
まず、「塗布工程」では、図1に示すように、接着剤Aを薄紙Pの裏面(図2(a)参照)に塗布する。「貼着工程」では、図2(a)に示すように、ベルトコンベア10上を搬送されてきた基材Kの、表面L及び端面Wに薄紙Pを貼着する。ここで、薄紙Pの大きさは、貼着すべき基材Kの面積の幅よりも大きめに設定されているので、端部が余剰部Yとして基材Kの端部よりはみ出すこととなる。
なお、貼着する前処理として、被貼着面となる表面L及び端面Wに対して、砥の粉などの目止め処理剤が塗布されることが好ましい。これによれば、表面L及び端面Wに形成される空隙(木片の小片同士の隙間)が目止め処理剤によって埋められ、貼着処理が確実となる。特に、目止め処理剤として、ゴム系の塗料や樹脂を塗布するようにすれば、被貼着面の平滑化に加え、防湿の効果も得ることができる。
「乾燥工程」では、図1に示すように、基板Kを乾燥装置6内に通過させることによって、余剰部Yに塗布された接着剤Aを乾燥させる。ここで、接着剤Aをあまりに急激に、且つ完全に乾燥させることは、余剰部Yの変形(皺や丸まりなど)を招く恐れがあるため好適ではなく、接着剤A中の溶剤含有率は、10%以下且つ1%以上となるように乾燥させることが好ましい。
「冷却固化工程」では、冷却固化装置7によって、余剰部Yに冷風を吹き付ける。これにより、余剰部Yに塗布されている接着剤Aが速やかに固化する。従って、余剰部Yは急速に変形することなく靭性が生じて腰が出る。
「トリミング工程」では、図3に示すように、回転刃22を用いて、基材Kの端部から突出する薄紙Pの余剰部Yを切除する。回転刃22と余剰部Yとの接触点は、調整ネジ32,33を調節することによって位置を微調整することができる。また、主倣いロール20の位置に従って、支持体18全体と基材Kとの位置関係を一定に保つ働きがあるため、回転刃22と基材Kとの位置関係も一定に保たれ、常に安定した接触位置を保つことができる。そして、研磨機35によって、境界部に残るケバ(切断後に残った、薄紙Pや基材Kの繊維成分)を除去する。つまり、不要な部分を取り除いて全体の形状を整える。そして、基材Kの境界部D(図1参照)における薄紙Pを、作業者がカッターなどで切り離すことにより、一枚毎の化粧板1が取り出される。
以上のように、本例の化粧板1の製造システム2によれば、冷却固化装置を備えることにより、余剰部Yが素早く固化する。従って、塗布工程からトリミング工程までの工程を、一連の搬送ライン3上で連続して行うことができる。また、一連の工程を搬送ライン3上で順次行うことができるため、極めて生産性が高い。
また、本実施形態では、乾燥装置を備えることにより、冷却固化工程を効率化し、より生産性の高い製造システムを提供できる。また、溶剤系の接着剤Aを使用することにより、比較的簡単な装置を用いて基材Kに薄紙Pを貼着することができるため、コスト性に優れる化粧板1を提供できる。
さらに、本実施形態によれば、回転刃を有するトリミング装置を備えることにより、回転刃22が端面Wに食い込みにくいため、搬送を停止させたり、回転刃22が折れる可能性を低減できる。また、回転刃22を回転させ、断続的に切断を行うことから、回転刃22の同じ部分のみが常に被切除部(ここでは余剰部Y)に接触し続けないため、切れ味をより長持ちさせ、より一層効率的で生産性の高い製造システム2を提供できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、乾燥装置6は、余剰部Yに塗布された接着剤Aに対して温風を吹き付けるものを例示したが、これに限定されるものではなく、基材K全体を乾燥させるものであっても良い。また、温風ではなく、常温の風を吹きつけるものであっても良いし、風を吹きつけるのではなく、乾燥装置6内を高温に保ち、その内部に基材Kを通過させる構成としても良い。要するに、余剰部Yに塗布された接着剤Aを素早く乾燥させることができるものであれば、如何なるものであっても良い。
また、上記実施形態では、「乾燥工程」は、「貼着工程」の後であり且つ「トリミング工程」の前に行われるものを例示したが、これに限定されるものではなく、薄紙Pに接着剤Aを塗布する「塗布工程」の後であり、且つ基板Kに薄紙Pを貼着させる「貼着工程」の前であってもよい。さらに、「貼着工程」の前と後とで二回の「乾燥工程」を経るものであってもよいし、乾燥装置6を適用せず、搬送ライン3上を基材Kが搬送されていく際の自然乾燥のみで接着剤Aを乾燥させる構成としても良い。但し、本実施形態のように、少なくとも「トリミング工程」の前には、乾燥装置6によって積極的に接着剤Aを乾燥させる構成とすると、より迅速且つ確実に余剰部Yの接着剤を固化させ、トリミングを行うことができるため、より好ましい。
上記実施形態では、薄紙Pを切り離して一枚の化粧板1を取り出す作業は、作業者によって手動で行われるものを例示したが、これに限定されるものではなく、公知の自動裁断機等を用いて分離する構成としても良い。また、図示はしないが、取り出された化粧板1を回収する方法としては、ロボットなどによって自動的に回収したり、ワゴンなどに積載して作業者が運搬するなど、適宜の方法が選択可能である。
本実施形態の製造システムを示す説明図である。 化粧板の塗布工程及び貼着工程を示す説明図である。 本実施形態のトリミング装置の模式図である。 本実施形態のトリミング装置の平面図である。 従来の化粧板における問題点の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 化粧板
2 製造システム
3 搬送ライン
4 塗布装置
5 貼着装置
6 乾燥装置
7 冷却固化装置
8 トリミング装置
22 回転刃
L 表面
W 端面
K 基材
P 薄紙
A 接着剤
Y 余剰部

Claims (5)

  1. 一連の搬送ライン上に、
    吸水性を有する薄紙の裏面に水性系または溶剤系の接着剤を塗布する塗布装置と、
    前記薄紙の端部が基材の端面からはみ出すように、前記基材の表面及び端面に前記薄紙を貼着させる貼着装置と、
    前記基材の端面よりはみ出した前記薄紙の余剰部を冷却し、前記余剰部に塗布されている前記接着剤を固化させる冷却固化装置と、
    冷却された前記余剰部を切除するトリミング装置と
    を備えることを特徴とする化粧板の製造システム。
  2. 前記塗布装置によって前記基材に前記接着剤が塗布された後であり、かつ前記冷却固化装置によって前記余剰部が冷却される前に、前記余剰部に塗布された前記接着剤に含まれる水または溶剤を蒸発させ、乾燥させる乾燥装置
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の化粧板の製造システム。
  3. 前記トリミング装置は、前記搬送ラインによって搬送される前記基材の通路に配置され、前記余剰部を切除する回転刃を有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧板の製造システム。
  4. 吸水性を有する薄紙の裏面に水性系または溶剤系の接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記薄紙の端部が基材の端面からはみ出すように、前記基材の表面及び端面に前記薄紙を貼着させる貼着工程と、
    前記基材の端面よりはみ出した前記薄紙の余剰部を冷却し、前記余剰部に塗布されている前記接着剤を固化させる冷却固化工程と、
    冷却された前記余剰部を切除するトリミング工程と
    を一連の搬送ライン上で順次行うことを特徴とする化粧板の製造方法。
  5. 前記塗布工程の後に、前記余剰部に塗布された前記接着剤に含まれる水または溶剤を蒸発させ、乾燥させる乾燥工程
    をさらに行うことを特徴とする請求項4に記載の化粧板の製造方法。
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